リーヴズ・アイズLeaves'Eyes :ニュー・アルバム「meredead」
健在なりノールウェイ・ドイツ混成のバンドの4thアルバム
いわゆるゴシック・メタルが基調にあるも、ノールウェイのフォーク的因子があったり、ケルト的ニュアンスが持ち味のシンフォニック・メタル・バンドのリーブス・アイズの新アルバムの登場だ。
「Leaves'Eyes / MEREDEAD」 Napalm Records NDR375 , 2011
このバンドに初めて接したのは2005年の2ndアルバム「VINLAND SAGA」以来なんだが、それなりに今日まで適当に聴きき続けていたというところ。それもやはりフインランドのNIGHTWISH やオランダの WITHIN TEMPTATION の魅力には、わたしにとっては到達していなかったからだ。
しかし無視するでもなかったのは、このバンドのメロディーやサウンドに、どこかヨーロッパでも、若干我々にあまりなじみのないムードが何処彼処に現れるところだ。どうもそれが女性リード・ヴォーカルであるリヴ・クリステインの祖国ノールウェイの世界からよってくるところと思われる。そこになんとなく無視出来ない魅力が襲ってくるのだ。
彼女はノールウェイ出身であるが、このバンドの母体はドイツのATROCITYで、彼女の合流によって結成されている。そして私が初めて接した2ndアルバム「VINLAND SAGA」というのはノールウェイの史実に基づいた話をテーマにしていたコンセプト・アルバムというものだった。 とにかくなんと言っても、このバンドの主力はリヴ・クリスティンのソプラノ・ヴォーカルがあるわけで、例に漏れず近年流行の女性ヴォーカリストを立ててのゴシック・メタルのヘヴィ・メタル・バンドの形から出発している。又時にドイツの彼女の夫のアレクサンダー・クルルのデス・ヴォイスも登場するも、それほど占める役割も多くなくあまり気にならない(私はどうもデス・ヴォイスには馴染まない)。
その他、バンド・メンバーはツイン・ギターとベース、ドラムスという構成。まあ、メンパー交代はあるもののクリスティンとクルルの夫婦にギターのトーテン・バウアーも2003年のこのバンド結成以来変わらずに健闘している。 そしてこのニュー・アルバムは、私が手に入れたのはDVDとカップリングされた盤で、映像では前作のNjordの演奏などのライブの様子も見れる。
さて、このニュー・アルバムは冒頭の曲”Spirits'Masquerade”は、なかなかシンフォニック・メタルの世界に合唱隊が入り、ゆったりとた民族的サウンドとクリスティンの歌が入って、オープニングに適した発展的感覚を植え付ける。続く”Etain”、”Sigrlinn”は、彼女のヴォーカルを中心に早いテンポで流れるが、このあたりはヘヴィー・メタル・バンドの疾走感がいい。”Nysstev”、”Krakevisa”という曲では、ノールウェイを我々に語っているようで、他に見ない彼らの作品の特徴でもある。
アルバム・タイトル曲の”Meredead”は6番目に登場するが、彼女のヴォーカルが生きてバックのリズム感覚もアコーステック・ギターとエレクトリック全楽器の合奏との対比がうまく、更に混声合唱で面白く仕上げている異色曲。
こうしたこのリーヴズ・アイズというのは、これからも何となく無視できないで聴いていくことになるであろうバンドである。それは他にない独特の彼女の祖国を感じさせてくれる曲と同時に、それをこうしたメタル・バンドに加味したところに一つの価値を私は感ずるからである。今回のアルバムもそうしたトラディッショナルでケルティックな特徴はしっかりと維持しているところに好感が持てる。歌詞にも英語のみにとらわれず、ノールウェー語を使用しているところに一つの精神を感ずる。一口にゴシック・ヘヴィー・メタルとは言うが、そんなところにこのバンドの他にない特徴があって、まだまだ発展させてくれそうで楽しみなのである。
余談:情報によると、現在あのNIGHTWISHの前ヴォーカリストのTaja Turunen とツアーに出ている模様。これは面白い。
(花の季節 : 「くれはもくれん」 = 我が家の庭から・・・・)
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