イリアーヌ・イリアス

2019年9月18日 (水)

なんとなく好きな曲 (2)  「 ESTATE (夏) 」・・夏の恨み節

どこか哀感のある美旋律が・・・・・

Thfvyj925bw  イタリアのブルーノ・マルティーノの曲「ESTATE」を取り上げたい。

 この曲は現在ジャズ界では、多くの演奏家やヴォーカリストによって歌われ演奏されている曲だ。イタリアのピアニストであり作曲家・歌手であったブルーノ・マルティーノBruno Martino(1925-2000)(右)が作曲した曲であり、彼自身が歌って1950年代にヒットしたもの。
 しかし、現在は女性ヴォーカリストに好まれて歌われているし、一方歌なしのピアノ・トリオとして演奏されている場合も多い。そんなところから、私の所持しているアルバムを紐解いてみると、取り敢えずは下のように11の演奏家、歌手のものが出てきた。
 最もポピュラーなのはピアニスト・ヴォーカリストのEliane Elias(右下)ですかね。演奏としては美しいピアノを聴かせてくれるMichele Di ToroとかLynne Arriale、Steve Rudolphなどが気になりますね。そんなわけでこの11ミュージシャンの演ずるものを取り出して、聴いて楽しんでいるのである。

 

<ESTATE を演ずる11ミュージシャン>

Elianeeliasw 1. Akira Matsuo Trio
2. Clara Vuust
3. Andreas Mayerhofer Trio
4. Mette Juul
5. Michele Di Toro
6. Sara Lancman
7. Lynne Arriale Trio
8. Francesca Tandoi Trio
9.Steve Rudolph Trio
10. Eliane Elias
11. The Kirk Lightsey Trio

 こんな演奏・歌などが出てきたので取り敢えず聴きやすいようにCD一枚にまとめてみた。
 もともと歌詞は下の通りで、ブログで日本語訳も載せているものがあったのでここに紹介する。

[ ESTATE  イタリア語歌詞 ]
Estate sei calda come i baci che ho perduto,
sei piena di un amore che è passato
che il cuore mio vorrebbe cancellar.
estate il sole che ogni giorno ci scaldava
che splendidi tramonti dipingeva adesso brucia solo con furor
Verrà un altro inverno cadranno mille di petali di rose
la neve coprirà tutte le cose e forse un po di pace tornerà.
Odio l'estate
che ha dato il suo profumo ad ogni fiore,
l'estate che ha creato il nostro amore
per farmi poi morire di dolore.

Tornerà un altro inverno cadranno mille petali di rose la neve coprirà tutte le cose e forse un pò di pace tornerà.
odio estate
che ha dato il suo profumo ad ogni fiore
estate che ha creato il nostro amore
per farmi poi morire di dolor.
odio estate.
odio l'estate.

Clara_vuust1wMettejuul1wLynne72145ew_20190915212101Francescatandoi1w

(Clara Vuust,  Mette Juul,  Lynne Arriale,  Francesca Tandoi)

[ Estate (夏 ) 日本語訳 ]

山本のりこ訳 (http://noriko-yamamoto.cocolog-nifty.com/memo/2011/07/estate-0e4b.html )
Cdw
それは失ったキスのように熱く
心から消してしまいたいと私が願う
ある過ぎ去った愛に満ちている

私たちを毎日温めた太陽
絵のように美しい夕暮れ
いまは怒り狂うように照りつける
また冬になれば
幾千の薔薇の花びらが落ち
雪がすべてをおおうだろう
そうすれば しばらくの平和が戻ってくる

それぞれの花に香りを与えて
夏は二人の愛をつくった
私を苦しみで殺すほどに
夏を憎む

 これはがマルティーノが「夏の恨み節」を歌ったようだが、女心なのか自分の経験の男の歌なのかそれは良く解らないが、現在は殆どが女性に歌われていて、私としては女心ではないかと。推測している
 ヴォーカルでは、Clara Vuustが素直な歌、Mette Juulはしっとりと、Sara Lancman、Francesca Tandoiは恨み節、Eliane Eliasは大人の回顧といった感じですね。
 演奏ではMichele Di Toroは静かに回顧する、Lyne Arrale Trioは思い出をかみしめて、Steve Rudolph Trioは思い出を軽く美しく、The Kirk Lightsey Trioは人生の新たな出発点として・・・と、いった異なったムードの演奏だ。

 ヴォーカルもそれぞれ違うし、演奏も全く異なる世界に・・と、十分聴き応えがあった。これぞミュージシャンってとこですね。

 

(試聴)

①   Clara Vuust

②  Eliane Elias

 

③ Lynne Arriale Trio

 

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2019年9月14日 (土)

イリアーヌ・イリアスEliane Elias のニュー・アルバム「Love Stories」

ストリングス・オーケストラを擁しての「いろいろの形の愛」を歌う

<Jazz>
Eliane Elias 「Love Stores」
CONCORD Jazz / JPN / UCCO-1210 / 2019

Lovestoriesw_20190912210001

Eliane Elias- vocals, piano
Marc Johnson – bass
Mark Kibble – background vocals (2)
Marcus Teixeira – guitar (1, 2, 3, 6, 9)
Daniel Santiago – guitar (2)
Roberto Menescal – guitar (8)
Edu Ribeiro – drums (1, 2, 3, 9)
Rafael Barata – drums (5, 8)
Paulo Braga – drums (4)
Celso de Almeida – drums (6)

 円熟のイリアーヌ・イリアスのニュー・アルバム登場。近年では、2015年作品『メイド・イン・ブラジル』でグラミー賞を獲得し、その後も『DANCE OF TIMES』(2017)、『MUSIC from Man of La Mancha』(2018)と矢継ぎ早にアルバムをリリースしているピアニストのイリアス、もうこれで26・7枚目位になる。彼女は1960年生れですから、すぐ還暦です。しかしアルバム・ジャケの写真は若くて驚きますね。写真というものは恐ろしいです(笑い)。
 今作は新たなオーケストラ・プロジェクトを擁して、「イリアーヌの愛へのオマージュ」と銘打っている。中身は多彩で、全て彼女のアレンジによるもので、当然と言えるボサ・ノヴァ、そしてなんとシナトラ・ヒット、更に自己のオリジナル曲(3+1)までを収録している。とにかく彼女のピアニスト、ヴォーカリスト、アレンジャー、コンポーザーそしてプロデュサーとしての多彩な才能発揮のアルバムである。

Eliane_elias (Tracklist)
1. A Man and a Woman
2. Baby Come to Me
3. Bonita
4. Angel Eyes
5. Come Fly with Me
6. The Simplest Things *
7. Silence *
8. O Barquinho (Little Boat)
9. The View *
10. Incendiando * (Bonus Track)
*印 Music by Eliane Elias

 まず聴いてみて解るのは、所謂ピアノ・トリオのスタイルに曲によりギターが加わり、そして全曲ストリングス・オーケストラが支えていて、所謂ジャズ演奏よりはムーディーな彼女のヴォーカル・アルバムと言うところを優先している。前作『MUSIC from MAN of La MANCHA』が彼女のヴォーカル抜きの本格的ピアノ・トリオ・ジャズだったので、おそらく、ここではジャズ・ファン向けと言うより広く一般向けに仕上げたアルバムを企画したのだろう。又全曲英語で歌っていることもあり、これは久々にかなりのヒット作となりそうだ。
 アルバム・テーマは「愛」だが、イリアーヌは、「ロマンチックな愛は、感情の現れる様々な愛のうちの一つにすぎず、本作収録の様々な曲を通じていろいろな形の愛を実感してもらい、また愛おしく感じてほしい」というのだ。

Eestagew

 スタートは、M1."A Man and a Woman"と、なかなか振るっている。この曲の出典である映画「男と女」はここでもふれたので、中身はそちらに譲るが世界的ヒット曲だ。この冒頭からイリアーヌのマイルドにして中低音がソフトな包容力ある歌声が広がる。
 M4."Angel Eyes"は珍しく中盤から後半には、ピアノ・トリオの演奏が中心となるが、やはりストリングス・オーケストラが加わる。この曲は、むしろオーケストラ抜きの方がよかったのでは、というのは私だけだろうか。
 M6."The Simplest Things"は、彼女のオリジナル曲で、なかなかムーディーで、彼女の優しさ溢れる歌が堪能出来る。
 M7."Silence"も彼女のオリジナル。更に静かに流れるような曲で、ストリングス・オーケストラが美しく曲を流して、これぞオーケストラの有効な曲だ。歌も微妙な愛の姿を切々と歌い上げての佳曲。
 M8."Little Bout"は、取り敢えず定番のボサノバ。
   M9."The View"も彼女のオリジナル、やはりやや哀感のあるラブストリーだ。このアルバムはこれで締めくくりとなる。

 日本版は、更にM10のボーナス曲が収録されているが、イメージは全く異なる曲で、このアルバムの仕上げの描いた世界をむしろ壊している。曲は良いのだが、アルバムをトータルに仕上げているのに対して意味の無いボーナス曲、ちょっとセンスを疑う。

 イリアーヌのジャズ・ピアノを期待すると少々空しいが、ヴォーカル・ファンにとっては最上級の仕上がりだった。又彼女の作る曲はかなり美的な説得力があって、そうなのかとやや驚きつつ納得した。そんなアルバムとして取りあえずは無難な良盤と評価しておこう。

(評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★☆ 
□ 録音     : ★★★★☆

(試聴)

 

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2017年4月 1日 (土)

イリアーヌ・イリアスEliane Eliasのニュー・アルバム「DANCE OF TIME」

イリアーヌ流のブラジル・テイストなヴォーカルとピアノのジャズ・アルバム

<Jazz>
ELIANE ELIAS 「DANCE OF TIME」
CONCORD / US / 7202305 / 2017

Danceoftimew

Eliane Elias(piano,vocal,compose,arrange,produce)
Marcelo Mariano(bass)
Marcus Teixeira(guitar)
Conrado Goys(guitar)
Edu Ribeiro(drums)
Celso de Almeida(drums)
Gustavo di Dalva(percussion)
Marivaldo dos Santos(percussion)

Produced by Steve Rodby and Marc Johnson
Recording information: Dissenso Studio, Sao Paulo, Brasil; NaCena Studios, Sao Paulo, Brasil.

 そう言えば前作『Made In Brazil』 (2015年)が第58回グラミー賞にてBest Latin Jazz Albumを受賞したピアニストにしてシンガーのイリアーヌ・イリアス。まあ適度なタイミングでニュー・アルバムの登場だ。なんと25作目と言うことになるらしい。

 もともとピアニストからの出発しての彼女、コンポーザーでもあり、曲の編曲もうまい。それはそうですね、もう還暦になろうとしているベテランですから。
  ここでは何回か彼女の多くのアルバムを取りあげてきたので、彼女の紹介は過去のモノに譲るが、基本的にはジャズと言ってもブラジリアン・テイストな曲が得意なのだが、結構ピアノ・トリオとしてのオーソドックスな演奏も聴かせてきた。今回は前作の流れを繋いでやっぱりブラジリアン・スタイル・ジャズ演奏とヴォーカルを聴かせる。
 そしてブラジルでの録音だが、ゲスト・ミュージシャンとしてブラジルからAmilton Godoy(p)、João Bosco(g, voc)、Toquinho(g, voc)の3人に加え、そこにアメリカからもRandy Brecker(flug.), Mike Mainieri(vib.)、Mark Kibble(voc.)の参加もある。このあたりが、彼女の目指しているジャズのスタイルを知ることが出来るところだ。
 
Ee2 オープニングM1.” O Pato ”これは"ガチョウのサンバ"だ。典型的ブラジル・ムードを展開、このアルバムが前作からの流れを感じさせるテイスト。
 M2.”A Habit With Me ”となると得意のピアノ・プレイが中盤で展開して、彼女のソフトなヴォーカルも味わい深い。
 前半はとにかく楽しいボサノヴァ・アルバム。そして中盤から後半に入ると・・・・
 M7.” Little Paradise ” は、彼女の包み込むような優しく暖かいヴォーカルとピアノそしてビブラフォンがJazzyな静かなムードを盛り上げる。このあたりはイリアーヌ世界も絶頂に。実はこのパターンが、私が彼女に期待するところ。
 M8. ”Speak Low ”は、flugelhorneも入って、ブラジル・ムードとNYスタイルの交錯が感じられる仕上げ。

  こうしてこのアルバムは、やっぱり単なるブラジル版というのでなく、何時ものように、イリアーヌ流のヴォーカルとピアノが演ずるブラジル・テイストなジャズ・アルバムとして楽しませてくれる。

(Tracklist)
1. O Pato
2. A Habit With Me
3. Copacabana
4. Coisa Feita
5. By Hand
6. Sambou Sambou
7. Little Paradise
8. Speak Low
9. Samba de Orly
10. Na Batucada da
11. An Up Dawn
12. Not to Cry


(視聴)

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2015年3月30日 (月)

イリアーヌ・イリアスEliane Eliasの新譜「メイド・イン・ブラジルMade in Brazil」

       <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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南イタリア・マテーラMATERA・・・・・洞窟住宅を使ってのレストランにて(岩の削られた壁)
                                                                    (photo  2014.12)

            *    *    *    *

ブラジル色・・・・・一色に包まれたヴォーカル・アルバム

<Jazz>
         Eliane Elias  「Made In Brazil」
         CONCORD JAZZ / UCCO-1154 / 2015

 

Brasil
 もうとにかく徹底してのブラジル一色のアルバムです。彼女の24作目のアルバムということのようだが、今回は彼女のルーツのブラジルに思いを馳せての作品。過去のアルバムを全ては持っている訳ではないが、私としては彼女のモノは発売と同時に買うミュージシャンなんですね。
 ジャズ・ピアニストである実力が評価される彼女ですが、よって、勿論ピアノ・プレイが全編飾ってますが、やっぱりこれは彼女の”ヴォーカル・アルバム”主力ものです。

Brasillist2 Tracklistは左のごとく(クリック拡大)・・・。

 彼女のオリジナル曲6曲と、ブラジル作曲者3人の6曲(Antonio Carlos Jobim の曲も3.8.の2曲)という構成で、ボサ・ノヴァ・スタイルを主体に歌い上げるが、ちょっとムーディーな曲も歌ってくれる(特に彼女自身の曲”Searching”、”A sorte do amor”)。

 全曲彼女のアレンジであり、今回は、ゲスト・ミュージシャンも多く、ストリングス・オーケストラ(Rob Mathes のアレンジと指揮によるロンドン・シンフォニック・オーケストラ)も入ると言うところで・・・・ポピュラーからジャズ・ファンまでカヴァーする売れ筋狙いの彼女の魅力たっぷりアルバム仕上げ。
 ただしこうしたストリングス・オーケストラの音がバックに流すのは、Jazzy not Jazz路線のムードを盛り上げる一つの手法だろうと思うのですが、私の好みからはオーケストラなしの小編成で仕上げてもらった方がボサ・ノヴァ・ムードは高まると思うところだが、如何なところか。

 彼女のソフトにしてマイルドな低音部を中心とたハートウォーミングな歌声と評されるボッサ・ヴォーカル(特に”Vida”)で、はやく暑い夏の夜に聴きたいというところである。

Brasilphoto
 とにかく彼女は1960年ブラジル・サンパウロ生まれですからもう既に55歳、夫のベーシストであるMarc Johnson が当然参加し、プロデュースも行っている。更に5曲目の”Some Enchanted Place”では、娘のAmanda Breckerがヴォーカルで参加している。
 また「テイク6」のヴォーカル・グループの参加も話題の一つ。こうしてブラジル・テイクなムードの彼女のヴォーカルのバックに彼らのハモッた歌声が見事に色づけしている(特に”Incendiando”)。
 こんな調子で広い範囲に向けてのミュージックとして作り上げられていて、単なるジャズ世界でなく多岐にわたったミュージック・ファンに受け入れられそうなアルバムの印象だ。

(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat45434491/index.html

(試聴)

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2014年6月22日 (日)

イリアーヌ・イリアスの「USA 2014」の ピアノ・プレイとヴォーカルを堪能

ピアノ、ベース、ギターのトリオで・・・・そしてイリアーヌ節のヴォーカルが入って

<Jazz>
       Eliane Elias Trio 「Chaga de Saudade」
              Live at Sculler's, Boston April 11, 2014

Chegadesaudade_2


Eliane Elias : piano, vocal
Graham Dechter : guitar
Marc Johnson : bass

 

(tracklist)
1. You and the night and the music
2. Chega de saudade
3. I thought about you
4. This can't be love
5. Embraceable you
6. I've never been in love before
7. Stairway to the ninth dimension
8. So danco samba
9. Rosa morena
10. band intro
11. Bowing to bud
12. There will never be another you

 今年(2014)の4月、まだ直ぐ2ケ月前のボストン公演のライブ版。これがなかなか楽しいライブものになっている。相変わらずイリアーヌのピアノ・プレイも見事にギターとベースとのトリオでボサノバの世界を聴かせてくれるが、tracklistをみてお解りの如く先のアルバム「I Thought About You」からの曲も何曲か登場。
Grahamdechter2

 特にドラム・レスで、クレイトン・ハミルトン楽団の若手ギタリストのグラハム・デクター(→)のギターがボサノバ・ギターにこだわらず、いわゆるモダン・ジャズの典型的なエレクトリック・ギターを展開し、彼女のピアノ・プレイが主役と云ってもなかなか良い味付けしてくれている(彼は20歳代ですよね。アルバム「TAKIN' IT YHERE」、「RIGHT ON TIME」の2枚リリースしているようですが、私は聴いてないのですが)。
 ベースは言わずもがなマーク・ジョンソン。これがなかなか女房を主役に影になって支えていると云った感じだが、息の合ったところは充分感じ取れる。隙の無い演奏だ。
Eliane62

 しかし、イリアーヌ・イリアスは相変わらずの彼女独特のまろやかな低音で包んでくるようなヴォーカルが健在で、この会場を沸かせている。” Embraceable you”なんかはちょっと聴き惚れてしまう。彼女は1960年生まれなので、もう50歳を越えての円熟プレイヤーだ。
 もちろん彼女のピアノ・ソロも登場して盛り上がる。
 この会場はそんなに大きくないようで、彼女は会場に話しかけるようなところも多く見られ、こんなライブに参加したいと思わせるところ。

 もちろんこれはブート盤である。しかし音質は、サウンド・ボード録音というだけあって、それなりに聴けるところが魅力。しかしこんなライブ盤もオフィシャルにあっても良いのでは・・・と。

(参考視聴)

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2013年9月22日 (日)

ムードたっぷりジャズ(2)~「Jazz For When You're Not Alone」

(続) 究極のロマンティック・ジャズは如何!

<Jazz> Mellow Jazz for Peaceful moments (V.A.)
  「Jazz For When You're Not Alone 」
      SAVOY JAZZ   SVY-17458 ,  2005

Jazznotalone
 SAVOY-JAZZ の企画、ロマンティック・ジャズ・シリーズの究極は?。この話はどうしようかと思いましたが、更に続けることにいたします。

 なにせ・・・・・Experience moments of complete relaxation to the gently awinging sounds of these legendary artists in now-classic recordings from the Savoy Jazz vaults ・・・・と、言うことですから。

 秋の夜にぴったりのシリーズ。前回紹介の「Jazz For When You're Alone」 が好評であったために、その続編としてリリースしたものと思って良いのでしょうね、このアルバムは。
 又々伝説的ジャズの名手が、これも不思議と言えば不思議な好音質で登場というところで、・・・・・そのムードに納得し、そして感動を呼ぶアルバムです(大袈裟)。どうですか?このジャケは如何でしょう?。お気に入りの方は聴いてみてください、期待は裏切りません(笑)。

Jazznotalonelist これもCD二枚組、20曲(クリック拡大)。
 登場は、ヒューストン・パーソン、チャールズ・アーランド、ソニー・ステット、リッキー・フォードのサックスが心に響きますね。そしてジミー・ポンダーのギター、更にラッセル・ガン、ウォレス・ルーニー、ウディ・ショウのトランペット。この時代ものはあまり聴いてないために、このサウンドで聴けるのは嬉しいところ。
 ピアノは、イリアーヌ・イリアスのライブものも登場してそれに加えてハンク・ジョーンズ、シダー・ウォルトンが演じます。
 その他、カーティス・フラーのヴィブラフォン、バド・シャンク、ヴィンセント・ハーリングのサックスも聴けます。珍しくトゥーヅ・シールマンスのハーモニカも登場と多彩にしてムード溢れるアルバムとなっているんです。
 そうそう忘れてはいけない渡辺貞夫も登場します。

 こうした企画物は、どうしても多くのアーティストを取り上げる為、サウンド面も雑になりやすい。しかしこのSAVOY JAZZ は、多分レーベルの意地もあるのでしょうね、このあたりは成功アルバムの再発として、サウンドは十分検討し多分リマスターしての現代版として聴かせてくれていることと思う。更に二枚組というサービスも追加していて、そのあたりは私は評価をするのである。(このシリーズの2000年以降の二枚組再発・良好サウンド・サービス盤は、掘り起こすとまだまだ沢山出てきます。とにかく1940年代からのジャズ名門レーベル、ネタには尽きるところが無いのでしょう~参考まで)

(試聴) Sonny Stitt "Angel Eyes" http://www.youtube.com/watch?v=nQRNbH-sqeU
            Hank Jones"'Round Midnight" http://www.youtube.com/watch?v=rTO438Ps0xU

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2013年6月 5日 (水)

イリアーヌ・イリアス Eliane Elias のニュー・アルバム : 「I Thought About You」

今度はイリアーヌのヴォーカル・アルバムだ!

<Jazz> ELIANE ELIAS 「I Thought About You」
             ~A Tribute to Chet Baker~
             Concord Jazz    CJA-34191-02 ,  2013

Ithoughtaboutyou

 昨年秋の前作( 「Swept Away」 参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/eliane-eliasswe.html)は彼女のヴォーカル抜きのピアノ・プレイで楽しませて頂いたところで・・・・、早々にニュー・アルバムの登場。今回は彼女の完全なヴォーカル・アルバムと言っていい仕上げ。
 副題に”A Tribute to Chet Baker”とある。チェット・ベイカー といえばウェストコースト・ジャズの名トランペッターでありシンガーであったわけだが、ここでトリビュート・アルバムをリリースするというのにはそれなりに意味のあることだろう。彼女のジャズ・スタイルはなんと言ってもボサノヴァだ。そのルーツをたどるとベイカーの唄う名曲”My Funny Valentine”をブラジルの歌手ジョアン・ジルベルトが聴いて、その歌唱法を取り入れることによって、そこからボサノヴァが誕生してゆく大きな因子となったという歴史があるが、それに彼女が対応したというところであろうか。
( イリアーヌに関しては何度かここで取り上げているので参考にして欲しい=http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat45434491/index.html )
 

 あのボサノヴァがどのようにして生まれたかというところも興味のあるところだが、このジョアン・ジルベルトのサンバのギターに導かれる彼の歌唱法に感動したアントニオ・カルロス・ジョビンが「想いあふれて Chega de Saudade」という曲を作り、そしてそれをジルベルトが唄ったものが、ボサノヴァの元祖と言われている。この曲こそあのボサノヴァのささやき歌唱法の原点というところにあるようだ。

Ithoughtaboutyoulist


 さてこのアルバムは左のように14曲。1曲目のアルバム・タイトル曲”I Thought about You”からチェット・ベイカーゆかりの名曲でスタートしている。全ては解らない曲もあるが、究極のところチェット・ベイカー関係の曲を網羅していると言っていい。
 そしてこのアルバムもベースには夫のマーク・ジョンソンがしっかりサポートしていて、メンバーは結構一流どころを揃えて下記の通り。
  (members)
   Eliane Elias : vocals, piano
   Marc Johnson : ac.bass
   Steve Cardenas : elec.Guitar
   Randy Brecker : trumpet
   Oscar Castro-Neves : ac.guitar
   Victor Lewis : drums
   Refael Barata : drums
   Marivaldo Dos Santos : percussion
 


 このメンバーで、面白いのはイリアーヌの前の夫のランディ・ブレッカーがトランペットで特別参加をしているところ。いやはやこの世界は不思議なところがある。

Eliane62


 勿論このアルバムも彼女特有のボサノヴァの流れで曲を仕上げているが、それは彼女が彼女なりきにプレイするピアノの味を加味したボサノヴァの世界があるのが特徴的なのだ。
 もともとボサノヴァはギターの奏法により描くところから始まっているし、今もその流れは変わっているわけではないが、イリアーヌの場合は彼女自身のヴォーカルつまり中低音域を中心としたソフトな唄い方はこのアルバムでもそのままであり、それによってボサノヴァのイリアーヌ世界がピアノ・プレイと相まって築かれている。
 これは余談だが、もともとこのボサノヴァが生まれた流れはジョアン・ジルベルトに始まるのは取り上げたとおりだが、そのジルベルトがチェット・ベイカーに影響をうけたのと同時に、歌手としては当時ブラジルでも圧倒的人気のあったフランク・シナトラの影響も大きいという。

 このアルバムでは、チェット・ベイカーの関係しての曲の”You don't know what love is”のムードは、中でも私好みの出來。
 その他”Embraceable You”、”Everything Depends on you”、”Girl Talk”等の皮肉にもトランペットなどの入らないで、彼女のピアノが演ずるところが大きいどちらかというとスロー・タッチの曲が、大いに気に入ったところであった。

 彼女のジャズ・ピアニストとしてのアルバムも良いが、こうしたヴォーカルものも一味も二味もあるので、やっぱり忘れずリリースして欲しいところである。

(試聴)Eliane Elias  http://www.youtube.com/watch?v=CJeKND-rRFQ
          Chet Baker "My Funny Valentine" http://www.youtube.com/watch?v=IzpfZaZfsZg

             [PHOTO  今日の一枚]

P6030030monoblog
(OLYMPUS OM-D E-M5     M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm 1:3.5-6.3 EZ)

 

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2012年10月 1日 (月)

今宵はイリアーヌEliane Eliasのピアノ・プレイで・・・・・「Swept Away」

マーク・ジョンソンMarc Johnson とのコラボで・・・・・

Eliane  久々のイリアーヌ・イリアスEliane Eliasのピアノ・プレイ・アルバムの登場で堪能しています。彼女のヴォーカルに期待する諸氏もこのアルバムにはヴォーカルなしでも納得のはず。

 それも、ご主人様のマーク・ジョンソンとのコラボレーションで、本格的秋の夜にふさわしいカルテット・アルバム。しかもイリアーヌが5曲、ジョンソンが3曲、両者で2曲と完全なオリジナル・アルバムで、聴かせてくれます。
 このパターンはマーク・ジョンソンのリードによるジャズなんでしょうね。


Marc Johnson    Eliane Elias  「Swept Away」

ECM Records  ECM 2168 ,   2012

Sweptaway

members
   Eliane Elias(p)
   Marc Johnson(double-bass)
   Joey Baron(ds)
   Joe Lovano(ts)

 Marc Johnsonのスマートなdouble bassのプレイに、Joe Lovanoのテナー・サックスがゆったりと奏でる中に、イリアーヌのピアノが物語るプレイ。これだけで想像がつくと思いますので多くを語らず、とにかく秋の夜を味わいましょう。

Marcelian
1. swept away
2. it's time
3. one thousand and one night
4. when the sun comes up
5. B is for butterfly
6. Midnight blue
7. moments
8. Siens of tian
9. foujita
10. inside her old music box
11. shenandoah

 最後の曲のみ American Folk Song で、このアルバムの納め方が、スマートでお見事。 

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2012年9月15日 (土)

残暑の夜は・・・・映像で迫るイリアーヌ・イリアス「Eliane Elias BASEL 2010」

この柔らかい大人のヴォーカルと洗練されたピアノ・プレイは魅力

Eebasel2010  <DVD>  Bootleg 
Eliane Elias
「BASEL 2010」

Live at BASEL, Switzerland 11/14/2010


 残暑厳しい今年のSeptemberですが、それでもやはり夜長の時期になりました。
 もともと、Jazz やRockの分野はアルバムとは違って、ステージ・ライブものはオーディエンスとの対話もあったり、アーティストら自身のその日の意欲も見えたり、又演奏やヴォーカルも手に届くごとくのあまり技巧を凝らした音作りはされておらず私は好むところです。
 と、・・・・・なるとライブ会場に足を運びたいのですが、なかなかそれもままならず、せめてもブートであっても映像もので接してみたいというのが、私のお恥ずかしい習性であります。

 さてそこで、ここでも何回か取り上げた(6回ぐらい取り上げたと思うが)大人のボッサを感じさせてくれるイリアーヌですが、2010年11月ではありますが、スイスのBASELでのスペシャル・ライブもののプロショットで十分納得のDVD盤を紹介しましょう。

(Members)
  Eliane Elias : Piano ,  Vocals
  Rusens de la Corte : Guitar
  Marc Johnson : Bass
  Rafael Barrata : Drums



Eebasel2010list Listは左の7曲。ご覧の通り、ボッサからスタンダードのお馴染みの曲のプレイが堪能できる。
 イリアーヌは、洒落たハイヒールを脱いで、それをピアノの脇に置き、裸足でペダルを踏む演奏スタイル。彼女はピアノは一般的なステージに向かって左に位置して、ギター、ベース、ドラムスの演奏人と顔を合わせながら、やっばり貫禄ですね、リードしつつ演奏し、ヴォーカルを聴かせる。(私は何時も不思議に思うのはダイアナ・クラールの場合で、彼女はバンド仲間に背を向けての演奏で、このあたりは何故なのか解らない)映像はプロショットで非常に綺麗。アップも手頃に取り入れ、比較的落ち着いたカメラ・ワークで納得のところ。

Baselband  バンド・メンバーは、ベースのMarc Johnson は、あのビル・エバンス・トリオの最後のベーシストで実力派、何よりもイリアーヌの旦那様だ。ここでもナイス・プレイを披露。
 ギタリストのRusens De La Corte は、ブラジル・サンパウロ出身の若きエース、2004年からイリアーヌのツアーには同行したりしている。
 ドラムスのRafael Barrata もブラジル(リオデジャネイロ)出身で2008年からイリアーヌとの接触がある。彼女はこうしてブラジル・メンバーを大切にしつつ、ニュー・ヨークで頑張っている姿がこの編成をみても解る。

Eliane5  左のショットは、このライブでのイリアーヌであるが、歳のことを言うと叱られそうだが(こっそり言うと1960年生まれ)、それにひかえ見事に見るに堪えるところが恐ろしい。彼女の眼は、良い意味で猫の目に似ているように思うのだが、この見開いたところは見事だ。これは余談である。
 もともとはヴォーカルよりはピアニストとしてスタートしている彼女であり、最後の”Desafinado”の演奏は見事と言える。又ヴォーカルもソフトで流すところは大人のヴォーカルそのもの。”Bananeira”の楽しそうな演奏とヴォーカルはこの映像盤でも印象的。
 イリアーヌの映像盤は少ないので、ここに相変わらず健闘しているところ(姿)が嬉しいというブートのお話しでした。

(参考)
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/eliane-elias-bo.html
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/eliane-elias-ki.html
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/eliane-elias-99.html

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2012年2月 6日 (月)

イリアーヌ・イリアス Eliane Elias (その6): 「Bossa Nova Stories 私のボサ・ノヴァ」

オーケストラをバックにしてのヴォーカル・アルバムにも存在感・・・・・

 前回は、ブラジル出身のイリアーヌのヴォーカルとジャズ・ピアノ・プレイとの関わりのよくわかるアルバムを取り上げた。しかし近年は、ヴォーカル・アルバムとピアノ・プレイ・アルバムを、実は明瞭に分けているのではないかと思う。と、言うことはヴォーカリストとしての存在意義にも自信があるとみていいところだ。ここではヴォーカルを前面に出したアルバムに焦点をあててみよう。

Bossanovastories 「Eliana Elias / Bossa Nova Stories 私のボサ・ノヴァ」 BLUE NOTE  50999 2 28103 28 ,  2008

 このアルバムでは、イリアーヌのヴォーカルが中央、前面に位置して録音されている。そしてバック・バンドは彼女のピアノにマーク・ジョンソンのベースは当然として、ギター(Oscar Castro Naves,  Richardo Vogt)、ドラムス(Pauro Braga)、それにオーケストラという布陣になっている。これは明らかに彼女のヴォーカル・アルバムという形を狙ったものだ( 参考までに、この翌年には彼女はヴォーカル抜きのピアノ・トリオ・アルバムをリリースしている「Eliane Elias Play Live」 )。なぜなら、彼女がジャズ・ピアノ・プレイを前面に出したのであれば、おそらくオーケストラは必要ないと思うからである。

Bossanovastorieslist_2  収録曲は左のようにジョビンのボサ・ノヴァ曲から始まって多彩に14曲。
 アルバム「Sings JOBIN」(1998)と異なって、同じボサ・ノヴァ・アルバムといえども、彼女ヴォーカルを主体とした曲の仕上げと録音になっている。聴き比べてみると面白いところ。例えば冒頭に”The Girl From Ipanema (イパネマの娘)”が登場するが、その違いが明瞭で興味深いのである。

Eliane4_2  このアルバムを通して聴いてみると解るが、基本的には彼女のソフトであり、低音から高音にいたるまでややハスキーな包み込むような唄は変わってはいない。しかし音量においてはここでは明らかに彼女のヴォーカルの比重が多い。そしてそれは言葉においてもブラジルのポルトガル語が主であった「Sings JOBIN」に比べて英語も多くなり、ヴォーカルを聴かせようとしていることがわかる。今時の流行の女性ジャズ・ヴォーカル・アルバムのパターンなのだ。 そしてその仕上がりは、情熱的な南国でなく、彼女の世界といえるややアンニュイという雰囲気をうまく表現している。やはり唄における技量も一流であることが解かる。

 その他、”chega de saudade 想いふれて”、”desafinado”などポピュラーなボッサ曲を聴かせてくれるし、”day in day out”では、オーケストラをバックにしての説得力あるイリアーヌ節をも堪能できる。
 このアルバムのこうした彼女のピアノ・プレイを控えめにしたところは、ちょっと寂しいところでもあるが、ストリングス・オーケストラがバックを支えてヴォリューム感は増している。

Lightmyfires  このアルバムのようなヴォーカル・アルバムとしての仕上げのものは、近作アルバムは「light my fire」 (左 2011 = 当ブログ2011.8.27「ボサノヴァとジャズ・ピアノとヴォーカルと」参照)であるが、ここでもアルバム・タイトルになっている曲の”light my fire”を聴くと、もはや彼女のヴォーカルも熟成の感ありと言っていいだろう。

 

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