ペレス・プラード

2011年10月 1日 (土)

秋の夜長の回顧シリーズ(番外編) : ローズマリー・クルーニーとペレス・プラード

ご機嫌な一枚といったらこのアルバムがNo1!!

 

Rosemaryperez 「タバスコの香り / ローズマリー・クルーニー&ペレス・プラード A TOUCH OF TABASCO / Rosemary Clooney & Perez Prado」 RCA (BMG) BVCJ 37569 , 2006 (original 1959)

 

 この秋の夜長を回顧するところで、ローズマリー・クルーニーとペレス・プラードが出て来たところで、このアルバムを取り上げないわけにはゆかない。なにはともあれご機嫌そのものの一枚。最近はどうしてこうしたアルバムがないのかと、むしろ時代を憂うところでもある。

 

Rosemaryc Perezprado1  とにかく銀幕と歌声で人気絶頂のローズマリー・クルーニー、そして世界にマンボ旋風を起こして音楽革命とでも言っていいペレス・プラードの活躍。その両者が合体したところにこのアルバムが生まれたわけだ。これも基本はペレス・プラード楽団のマンボの流れに、器用な歌回しが出来るローズマリー・クルーニーの技量が乗ったわけである。
 それも1959年のことであった(いやはや50年も前の話である)。これはその当時のLPをデジタル・リマスターしたもので、今においても十分サウンド的には耐えうるCDとなっている。よくぞここまで復活させてくれて有り難うというところ。
Rosemaryperezlist_2
さてその曲は左のとおりである。
 もう既に話題にした”キエン・セラQuen sera(Sway)”がなんと言っても最高!、もともとメキシコの曲であるが、ペレス・プラード楽団はヴォーカルなしで演奏していた。又あのディーン・マーティンも歌ってヒットしていた曲である。英語詩を付けて”sway”というタイトルで世界に愛されていたもの。このリズムの快適さに、クルーニーの情熱的なヴォーカルで最高になった。とにかく無条件に私の好きな仕上がりの曲。
 又、”メロンの心corazo'n de melo'n”も楽しい。この曲を歌ったヴォーカリストも多いが、やっぱりこのコンビが最高だ。一世を風靡したものだ。
 その他”マック・ザ・ナイフmack the knife”、これもなかなかのパンチが効いて盛り上がりがいいし、プラードの演奏も乗っている。
 ”バリ・ハイBali ha'i”がこうゆう化け方をすると、音楽って演奏者しだいだなぁ~~と、つくづく思わせる。

 とにかくご機嫌なアルバムの筆頭株として、取り上げざるを得ないところであった。

 

(試聴)

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2011年9月28日 (水)

秋の夜長の回顧シリーズ(5) : 全てはペレス・プラードPerez Prado楽団から始まった

日本に音楽革命を起こしたペレス・プラードの”セレソ・ローサ”

 夜が長いと言うことは、音楽を聴くものにとっては有り難い。やはりこうゆう時にこそ私自身の回顧もしながら音楽を聴いてみたい。

Prezpbest_2 ペレス・プラードPerez Pradoと言っても、今の若者には多分”それってな~に?”ってとこだろう。しかし多分戦後日本に於いて外国の音楽の楽しさを教えてくれたのは彼であったろうと言っても間違いない。 彼の率いるペレス・プラード楽団といえば、イコール”マンボ”だ!!。左のアルバムはその音質改良版のSHM-CDのベスト盤である。

「マンボNo.5 ペレス・プラード Perez Prado  Best Selection」 Universal Music  UICY 80035 ,   2009

 とにかくキューバで昔からのルンバのリズムをジャズ・アレンジして作られたという1940年代に生まれた新しいリズムの”マンボmanmo”を世界に広めたのはペレス・プラードだ。そして1950年代になって、なにはともあれ日本で大ヒットした曲は”セレソ・ローサcrezo rosa”として愛された”cherry pink and apple blossom white”だ。当時まだSP盤(78回転)で売られたもの。
Prezbestlist このベスト盤に納められた曲は左のような28曲、ここにはラテンものから日本でヒットしたポピュラーものまで、全てが彼の手でマンボのリズムにアレンジされて演奏された曲集である。
 ここには彼の18番である”マンボNo.5”、”闘牛士のマンボ”、”タブー”、”マンボNo.8”などステレオ録音で収まっている。と、言うことはここに収録されたものはヒット当時のオリジナルでなく、その後に演奏されたものである。それが実は聴いていて残念ながら虚しいのだ。ヒット当時の演奏の迫力がない、リズムも切れが見られないなど全盛期を過ぎた末期の彼の楽団の演奏集なのである。私にとっては決して納得いくものではないのだ。

Prezpdance そこでちょっとゲテものっぽいCDがある(左)。

「ダンス・ミュージック マンボ Let's Dance MAMBO NUMBERS」 AILE DISC GRN-2067 ,  1991

 これがなかなか泣かせるCDなのだ。ここにはペレース・プラード楽団8曲、ザビア・クガート楽団6曲の計14曲が収まっている。
 これがなんとモノラル録音もあるオリジナル・ヒット演奏なのだ。
 特にペレス・プラードが1949年にキューバからメキシコに渡って楽団を結成しての初ヒット”エル・マンボmambo jambo(oue rico el mambo)”、そして1950年になっての大ヒット”マンボNo.5”、”マンボNo.8”は当然オリジナルで聴ける。
 彼はマンボということで、ジャズ又はラテン音楽と考えやすいが、そもそもは両親はなかなかのインテリで、彼には子供の頃からクラシック・ピアノを学ばせていたという。次第にポピューラーに興味を持ったと言うことだが、そんな音楽的基礎があっての彼のマンボなのである。

Prezdancelist 納められた14曲は、左のとおりである。
 そしてなんと言っても、日本に於ける大ヒットは1955年の映画「海底の黄金」の主題曲であった”セレソ・ローサCerezo Rosa (cherry pink and apple blossom white)”だ。私はこの曲を聴いて育ったようなものだ。あのトランペットの歌い上げる音に、ペレス・プラードのかけ声、そしてブラス合奏とボンゴ、コンガによる刻むリズム。日本にとっては革命的音楽であった。この曲もこのアルバムに納められた演奏が切れがあっていい。
 ”闘牛士のマンボ la macarena”、”タブーTaboo”など日本中で愛されたのだった。
 そして私に決定的なパンチが来たのはローズマリー・クルーニーの唄とペレス・プラード楽団の演奏の”キエン・セラ Sway”だ。この曲の快感は今聴いても何十年前と同じである。

 これらの曲によって外国には素晴らしい音楽があると知らされたわけだ。日本人にはこのラテン音楽の流れからのマンボは、ほんとに愛された。ペレス・プラードも日本を愛してくれた。彼ほど日本に来て演奏をした回数は右に出るものがないであろう。

 この後はエルビス・プレスリーへの流れが私を襲うわけである。いやはや秋の夜長の回顧は語るに尽きない。(この話はどうももう少し続きそうである)

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