ホリー・コール

2012年11月22日 (木)

夜を唄うホリー・コールHolly Cole : 記念アルバム「NIGHT」

日本デビュー20周年記念アルバムは納得ものであった


Holly2 今年の春にライブ映像アルバム「STEAL THE NIGHT」で喜んでいたんですが、彼女の日本デビュー20周年記念アルバムとしての「夜NIGHT」も今年リリースされている。そして2013年早々の1月には日本公演も決定しているというところで、貫禄の(1963年生まれ)ホリー・コールの話題も久々に賑わっている。
 いずれにしても”夜”が好きという彼女のそのものとも思われるアルバムであり、久々に私にとっても納得ものであったのでここに取り上げてみた。

HOLLY COLE  「NIGHT」
Rumpus Room Records  TOCP-71318  ,  2012

Night

 アルバム・ジャケの彼女の顔は、いやに鋭い目つきで恐ろしそうだが、なんとなんと心配なく優しく”夜”を唄ってくれる。もともとアルバムのタイトルは、後から付けられたらしいが、最終的にその出來が”夜”のイメージに仕上がってのことでタイトル名が決まったようだ。考えてみれば、スタジオ・アルバムとしては4年ぶりになるのだろうか?。
 なんと言ってもホリー・コールと言えば”Calling you”ということになるが、独特の節回しは結構日本人に受けて、所謂アメリカン・ジャズ・ヴォーカルと言うのとは一線を画して、ホリー・コール節のJazzyなヴォーカルアルバムと言った方が良いのかも知れない。そして女性にも人気があるところが特徴だ。(日本盤にはボーナス・トラックとして、前映像ライブ・アルバム「STEAL THE NIGHT」のなかより”Calling You”などが納められている)

  今回の新録音物の主たるメンバーは
   holly cole : voice
       Aaron davis : piano
       Marc rogers : bass
       Davide direnzo : drums

Nightlist_2 収録リストは左のようなところ。
 スタート”You only live twice”は、あの”007は二度死ぬ”のテーマからであるが、これが又ホリー・コール節で別の曲のようだ。
 このアルバムで最も気に入ったのは4曲目”You've got a Secret”、これは前ライブ・アルバムにも登場したもので彼女自身のオリジナル曲。"隠しごとがあるんでしょ、何をやらかしたのかしら、その眼差しには悲しみの色がうかんでいる、歌にならないなにかが"と唄う。これぞホリー・コールという夜の心が感じられる落ち着いたいい曲だ。途中から入るクラリネットもムードを盛り上げて歌い上げる。
 8.”Love lies”、それに続くトム・ウェイツの9.”Whistlin' past the graveyard”、そして10.”If you go away”と、私好みに夜のムードが続く。そして最後の曲まで秋の夜にはぴったりだ。

 いずれにしても、これは彼女のアルバムでも出色の部類に入ると思う。

(試聴)    http://www.youtube.com/watch?v=HTP8Rikg5RU

(参考)  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/holly-cole-stea.html

Pa061731monoblog
(ポーランド・クラクフにて  2012.10)

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2012年4月19日 (木)

ホリー・コールHolly Cole のニュー・アルバム「STEAL THE NIGHT」

なんと、映像付き(CD+DVD)のライブ・アルバムが登場

Stealthenight 「HOLLY COLE / STEAL THE NIGHT」 Alert 61528-10449  ,   2012  (Recorded Live  at Glenn Gould Studio, Toronto, Ontario, CANADA , 8.11.11)

 ホリー・コールHolly Coleは昨年来日を記念して日本版ベスト・アルバム(「私の時間」)をリリースしているが、実は彼女も50歳になろうとしているわけで(1963年カナダはノヴァ・スコシア洲、ハリファックス生まれ、しかしあのジャケ写真は若すぎる)、ここにライブ・アルバムのニュー・アルバムが出るとは実は思っていなかった。しかもCD+DVDで、映像ものが主力になっていて驚きである。昨年収録のライブ映像で、5.1サラウンドものと来るから私にはたまらないプレゼントである。
 カナダは最近ジャズ界に於ける活動は盛んで、特に女性ヴォーカルものは勢いがある。そんな中でも歴史的には彼女は先陣を切ったほうで、現在の多くのものに影響を及ぼしている。

Stealthenightlist1  さてこのアルバムは、彼女としては15枚目になるという。特にニュー・ソングというよりは、過去に評判の良かったもののライブものと考えて良い。なんと言っても”calling you”は、是非又聴いてみたい曲であるが、ここに彼女のキャリアを凝縮して4曲目に登場する。
 収録曲は映像ものDVDでは左のように12曲。
 スタートは勢いのよい”charade”で登場。この曲順はステージのそのものでなく編集したもの。曲調が急緩の交互配列になっている。諸々のところでの写真を見ると、彼女も相当なオバさんになっていると思っていたが、このステージの姿を見ると年齢相応といえばそうだが、思いの他元気で若いとも言える。声量も十分あるし、例のごとく曲の内容や編曲による唄の表情は、多彩に変化する。それは相変わらずの変幻自在で、低音にはボリューム感たっぷりで高音部の変化もホリー・コール節そのものがここでも観て取れる。
 ”good time charlie”ではピアノとベース主体のバック演奏で、今度はしっとりと歌い上げる。
 彼女はもともとジャズ・ヴォーカリストということになるが、ジャンルはそれに止まらずオルタナティブな感覚も身につけているところがミソ。
Stealthenightlist2  ”smile”もピアノとベースのリズムの刻みが面白く、それにスローに歌うホリー・コール独特の歌い回しで彼女の唄に仕上げているところが見事。
 あの”tea for two”も、こうゆう曲になってしまうのかというほど、編曲と唄の妙が聴ける。
 ホリー・コールの曲”you've got secret”は、比較的シンプルなベースとクラリネットの落ち着いたバック演奏ににのっての彼女の語り唄は、やっぱり大人の味が十分に感じられ、私はつい乗ってしまう。

 とにかく予期せぬ映像を加味したニュー・アルバムの登場で、昨年日本に来ての活動ががあったとは言え、ここにホリー・コールの健在ぶりを十分感じ取れた。
 ただ、欲を言えば彼女のセンスを生かした新曲のニュー・アルバムも欲しいところでもある。

参考:2012.1.8 「不思議な魅力を醸し出す~ホリー・コール」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/holly-cole-9b3c.html

(members)
   Holly Cole : vocals
   Aaron Davis : piano
   David Piltch : bass
   David Direnzo : drums
   John Johnson : all horns
   Robert Pilth : guitars

Stealthenightband

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2012年1月 8日 (日)

不思議な魅力を醸し出す~ホリー・コール Holly Cole

聴いていく度に味が増すというのは彼女の唄だ

Hollycole1  なんとなく聴いてきたホリー・コール。病み付きになると言うこともなかったが、ベスト盤以外最近ニュー・アルバムもないままだと、ちょっと寂しくなるというこの頃でである。
  私は全アルバムは持っていないが、2~3のアルバムを今年になってなにとはなしに引っ張り出して聴いていると、やはり聴く度に味が増すというのは彼女の唄だと思う。

Hollycole 「HOLLY COLE」 KOCH Records KOC-4404 , 2007

 多分このアルバムがベスト盤を除くと最近作だと思う。何故か彼女のネームがタイトルで、その意味は?と考えると最終盤と言うことなのか?。日本盤は「シャレード」だった。
 ここには”charade”とか”i will waite for you シェルブールの雨傘”などのポピュラーな曲が登場するが、このアルバムにおいても、彼女の唄は相変わらず異空間に導き入れるようなムードに包まれている。明るくはないが、その影のある世界感がなかなか魅力的なのだ。低音が充実していて、そしてスモーキーな歌声は、高音になると艶やかに伸びる。
 とにかくカナダ出身で、1963年生まれであるので、このアルバムは40歳過ぎてのもの。それだけその大人のムードは隙がない。
Hollycolelist曲目は左のとおりである。そしてこのアルバムのバック・バンドは、Piano、Guitar、 Bass Drums という常識的布陣に加えて管楽器が幾種類か加わる。それはfluto、clarinet、 trombone、 french horn、 alto ,tenor, barritone saxophone などなど曲によって入れ替わっての参戦。
 オープニングの”the house is haunted by the echo of your last goodbye”は、フル・バンドのゴージャスなバックで、ちょっと古くさい感があるところもあり、その上もともとこうしたゴ-ジャス・スタイルは私はあまり好まない。そのあたりは過去のTRIOものの方が好きである。しかし、軽快な”charade”もホリー・コールらしく独特で、その後の3曲目の”シェルブールの雨傘”から、ホリー・コール節がいよいよ始まり、中盤後半はバックの管楽器も単管によるものが多くなり、彼女のヴォーカルが生きてきて、その独特な深い流れの世界に浸れる。”you're my thrill”、”reaching for the moon”などは好きですね。

Trio_3 「HOLLY COLE TRIO / BLAME IT ON MY YOUTH    ホリー・コール/Calling You」 EMI TOCP-54229  ,  1992 
 
 さて、やっぱり私のホリー・コールのアルバムで好きなのはこれですね。このシンプルなトリオ構成がよい、彼女の歌声がじっくりと響いてきてその歌唱力のレベルの高さと同時にその味が実感できる。
 もっとも世に彼女の名を轟かせた曲は”calling you”ですから、その収録アルバムとしても人気がある。この曲は映画「バクダット・カフェ」のJevetta Steeleの歌ったテーマ曲のカバーというが、日本でもかなりインパクトがあって広く聴かれた曲だ。これは彼女の3rdアルバムであるが、日本では彼女のデビュー・アルバム。
 (members)
  Holly Cole : voice
  Aaron Davis : piano
  David Piltch : string bass
Triolist  左のような全10曲が収まっている。スタートの”trust in me”から2曲目の”i'm gonna laugh you right out of my life”がこのアルバムの色づけと方向性を見事に表現した出来で、これも一つのポイント。始めに語ったようにまさに異空間に導くのである。
 チャプリンの”smile”も、静かな中に熱情のある曲にこのように変身させているところが見事。
 ”calling you”は当然だが、続く”good will”もベスト盤にも採用される出来の良い仕上がり。そして”on the street where you live 君住む街角”は、やや前衛的なバックから始まり、おやっと思わせるがここまで変身させるこのトリオの意欲が感じられ、私は結構気に入っている。

 現在は多分50歳を過ぎている彼女であるが、昨年「私の時間~ベスト・オブ・ホリー・コール」(EMI TOCP71060)というベスト盤が日本でお目見えしているとはいえ、やはりこのあたりで新作の便りはないものかと、心待ちしているところである。



 

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