北欧ジャズ

2024年2月16日 (金)

セバスチャン・ザワツキ Sebastian Zawadzki 「standards vol.1」

クラシックのベースから発展したピアノ・ソロ・ジャズ

<Jazz>

Sebastian Zawadzki 「standards vol.1」

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Sebastian Zawadzki : piano

158894035_155trw  前回に続いてセバスチャン・ザワツキ(Sebastian Zawadzki、1991年10月14日 - )です。こちらはソロ・ピアノによるジャズ・スタンダート演奏集(経歴等は、前回記事参照)。
 彼の近年の活動の多彩さから・・・ちょっと不思議なアルバムの登場だ。ジャズを演ずるところが彼の主力であるという事を我々に知らしめているのか、ここでは意外にもオリジナル曲でないジャズのスタンダード曲、しかもかなり古いものを取り上げているのだ。



 取り敢えず近年の活動の概略をみると、2019年、ザワツキ自身のディスコグラフィーでも重要となる『Piano Works Vol.2』をリリース。この曲は、コペンハーゲンのロイヤル・アカデミーにある古いアップライト・ピアノとグランド・ピアノで録音され、Spotifyで最も人気のあるセバスチャンの作品の1つで、1曲目"Unstoppable Changes"は300万回近くストリーミングされた静かな不思議な世界に誘われる曲だ。
 続いてのアルバム『Songs about Time』(2020)は、ピアノに弦楽四重奏を重ね美しく平和な世界を描き、新しい音楽の道を模索した。一方Youtubeで最も人気曲の1つである"Entropy"(ピアノの押し寄せる波の美しさは秀悦)をもリリースした。
 2021年には、ジャズトリオのために制作されたシングル「Far Away」(静かな自然の美を堪能)をリリースし、ストリーミングサービスで約300万回のストリーミングを獲得しました。

 更に最新作『Viridian』(2022年)と『Altair』(2022年)を登場させ、これらも彼の新展開を示すもので、『Viridian』は、ポーランドのコルブディにあるTall Pine Recordsで録音されたメロディックな即興ソロ・ピアノ曲のシリーズで、『Altair』は交響楽団、マレット、ピアノのためのロング・プレイ・アルバムである。
 そしてそんな経過から、昨年2023年には、エネルギッシュにも『Pax Elysium』、前回紹介の『Vibrations』をリリースし、この今作をも登場させたのだ。

(Tracklist)

1. A Child Is Born (Cover)05:36
2. My Favorite Things #1 (Cover) 04:43
3. All of Me (Cover) 05:05
4. Estate (Cover) 05:02
5. I Didn't Know What Time It Was (Cover) 06:38
6. Interlude 01:43
7. Darn That Dream (Cover) 05:25
8. I Fall in Love Too Easily (Cover) 06:45
9. Ask Me Now (Cover) 06:44
10. My Favorite Things #2 (Cover) 03:27
11. Time Remembered (Cover) 03:09

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 とにかく、静と美と安らぎの感ずる演奏が良いです。
 M1."A Child Is Born" 静かなピアノの優しく美しい調べでスタート。ビル・エヴァンスも演じたトランペッターのサド・ジョーンズの曲。とにかく過去の多くのいずれのミュージシャンの演奏よりも美しさが光っている。ひそかな希望と展望の感ずるところが良い。
 M2."My Favorite Things" '59年のミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」のリチャード・ドジャースの曲。メロディはちゃんと演じてのクラシック・アレンジにビックリ。
 M3."All of Me " とにかく古い時代のヒットものですね。
   M4."Estate " 私の好きな曲ですが、これが登場とは驚いた。テーマをさらっと流してイタリアのねちこさが見事に美しさに変身
 M5." I Didn't Know What Time It Was"  "時さえ忘れていて"これもリチャード・ロジャースですね。とにかく古い世界に足を入れています。
 M6."Interlude" ぐっと落ち着いた静の空間の間奏曲が入って・・・
 M7."Darn That Dream"  女性の片思いの夢の歌ですかね。アメリカの古き良き時代を連想します。ぐっと音の余韻が生きた演奏。
 M8."I Fall in Love Too Easily"  "すぐ恋に落ちてしまう私"というところでしょうか、シナトラとかチェット・ベイカーの世界ですね。
 M9."Ask Me Now " セロニアス・モンクの曲、ぐっとしんみりと迫る演奏
   M11."Time Remembered " ビル・エヴァンスに迫って収めるところがいいですね。

  スタンダードといっても、我々の生まれる前の1930-40年という古き良きアメリカ社会のヒット曲のスタンダード化した曲などを多く取り上げて、彼なりの世界を構築したピアノ・ソロが生きたアルバムだ。時にエヴァンスを想わせるところが彼の一面なんだろうと思って聴いている。
 しかし、かってのスタンダードが益々高潔になってくるところが"セヴァスチャン・ザワツキの世界"なんだということが解るところだ。今後も彼には期待の高まるところである。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏   90/100
□ 録音         88/100

(試聴) "" Estate"

"Time Remembered"

 

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2024年2月11日 (日)

セバスチャン・ザワツキ Sebastian Zawadzki trio 「Vibrations」

クラシックから発展させた北欧ジャズのポーランド俊英のピアノ・トリオ

<Jazz>

Sebastian Zawadzki 「Vibrations」
Self Produced / Import / ZAWA2023 / 2023

Vibrations

Sebastian Zawadzki - piano
Maciej Kitajewski - doublebass
Kacper Skolik - drums

 ポーランド出身で現在はコペンハーゲン(デンマーク)に拠点を置くセバスチャン・ザワツキ(1991-)のピアノトリオ新作。彼は19歳でオーデンセ(デンマーク第3の都市)のシダンスク音楽院に入学し、ピアノを学ぶ。また、クラクフ音楽院(ポーランド)やコペンハーゲンのリトミスク音楽院でも学ぶ。また、ロサンゼルスで行われたリチャード・ベリスとのASCAPフィルム・スコアリング・ワークショップに参加した後、オーデンセのシダンスク音楽院にソリストとして戻ったという経歴。

Avatarsiap9xe2e3s8fl0ysw  彼は、活気あるコペンハーゲンのジャズシーンで現在引っ張りだこのサイドマンで、多くの国でツアーやレコーディングを行って来ている。ピアノ・トリオ作品は2014年以来という。とにかく20歳代前半からのジャズピアニストとして音楽のキャリアをスタートさせていて、彼のファースト・アルバムは『Luminescence』(2014)では、ミニマルな即興曲が収録されているという。セカンドアルバム(2015年)は弦楽四重奏とピアノのために書かれてたもの。幼い頃から即興音楽やクラシック音楽に強く影響を受けていて音楽を学んだ結果、クラシック作品を作曲し、そのうちの1つである「ファゴットと室内管弦楽のための協奏曲」(2016年)は、第9回ワルシャワ新市街音楽祭で初演されたという話だ。

  とにかく彼に関しては話題に尽きないので、少々ここで紹介しておくが、新しい演奏の模索にも力を注いでいて、2017年にはクラシックの楽器奏者と電子楽器(主にモジュラーシンセサイザー)を組み合わせたプロジェクトに取り組み、その実験的なスタイルの1stアルバムは、新古典主義の作品『Between the Dusk of a Summer Night』(2017年)で、ブダペスト交響楽団、ソリスト、アンビエント・エレクトロニクスとのコラボレーションでブダペストとコペンハーゲンで録音されたようだ。

 その後も彼の実験的試みは多岐にわたり、2018年には「ピアノ作品集」と呼ばれる一連のアルバムを制作し、第一弾「Piano Works vol.1」を、続いて、弦楽四重奏、シンセサイザー、ピアノのためのサウンドスケープ『Norn』(2018年)を発表した。第2弾「Piano Works vol.2」は2019年発表し彼の代表作となる。更に声、ピアノ、弦楽四重奏を美しく盛り込んだ次のアルバム『Songs about Time』で、新しい音楽の道を模索し続けました。2021年には、ジャズトリオのために制作されたシングル「Far Away」をリリースし、ストリーミングサービスで約300万回のストリーミングを獲得。最新作『Viridian』(2022年)と『Altair』(2022年)は、更なる新たな出発で、『Viridian』は、メロディックな即興ソロ・ピアノ曲のシリーズで、『Altair』は交響楽団、マレット、ピアノのためのロング・プレイ・アルバムである。

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 さてそんな話題の尽きないザワツキの経歴を知りつつ今アルバムを聴くと、いろいろと納得出来てくる。全曲彼のオリジナル曲が収録されているピアノ・トリオ作品だ。

 (Tracklist)

1. Two (5:06)
2. Underestimated (7:48)
3. Coquelicot (5:37)
4. Vibrations (6:49)
5. November (7:24)
6. Painite (7:13)
7. Melancholia (5:36)
8. Zdrowie (6:37)
9. Purple (5:49)

  いわゆるクラシック音楽の要素と北欧ジャズを実験的に組み合わせて、アンビエント、ミニマリズムなど様々な要素を取り込んだサウンドで、真摯な気持ちで聴き入ることが出来る。作曲されたパートと即興演奏の組み合わせがオリジナルだあるだけ全く不自然さが無く、メロディーは美しく、そしてふと自分だけの時間に物思いにふけったり見知らぬ北欧の自然世界を頭に描いて静かに過ごすにはまことに見事なサウンドが響いてくる。
 ザワツキのピアノのメロディックで美しく繊細なタッチ、マチェイ・キタジェフスキのベースラインとカチペル・スコリクの繊細なドラミングが交錯し、主体はピアノが優位な位置でのトリオ演奏が展開されるが、これぞユーロ・ピアノトリオの一つの逸品と言っていいだろう。

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 オープニング曲M1." Two "から、 静かな北欧の自然豊かな世界を連想するピアノの響きと支えるベースが美しい。
 M2."Underestimated" 及びM8."Zdrowie" は、ピアノのクラシックを思わせる音楽展開が支配するも、後半に顔をだす即興部が面白しい
 タイトル曲M4."Vibrations"は、ミニマリズム手法が演じられ、静とダイナミズムが描くところ単なる美というのでなく躍動感が支配している。
 M5." November"は、まさにクラシック・ピアノの美しさに支配されている。
 M7."Melancholia" このようなメランコリックな世界はお手の物といった演奏。ピアノの打鍵音も美しい。
 M9." Purple" ピアノのベースとのユニゾンが生きた曲

 このトリオの美的インスピレーションの支配する演奏と音楽的感性は優れていて、オリジナリティー溢れた独特のサウンドで生み出される曲群は聴く者を支配する。
 何年ぶりのオーソドックスな作曲家およびリーダーとしてのセバスチャン・ザワツキのピアノ・トリオ作品であり、クラシック音楽の要素と北欧ジャズの世界を見事に組み合わせた作品だ。久々のトリオもので、彼のこれからのジャズ経歴で重要な一つの作品になると思われ、今後への期待は大きい。

(評価)
□ 曲・演奏  92/100
□ 録音    90/100
(試聴) "Underestimated"

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2024年1月22日 (月)

アンニ・キヴィニエミ Anni Kiviniemi Trio 「Eir」

リアルなサウンドで独創的な世界を描くフリー・ジャズ

<Jazz>

Anni Kiviniemi Trio 「 Eir」
WeJazz/ Import / WJCD58 / 2024

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Anni Kiviniemi, piano
Eero Tikkanen, double bass
Hans Hulbaekmo, drums

Composed by Anni Kiviniemi
Recorded & mixed by Aksel Jensen at Newtone AS, Oslo
Mastered by Juho Luukkainen
Executive producer & design by Matti Nives

  米国ロサンジェルスを拠点とするフィンランド人女流ピアニスト、アンニ・キヴィニエミAnni Kiviniemi(下左)は、ベーシストのイーロ・ティカネンEero Tikkanen(1987-下中央)とドラマーのハンス・フルベクモHans Hulbaekmo(1989-下右)をフィーチャーしてのトリオ・デビュー作品。彼女は米国へ移住する前はノルウェーに住んで学んでいたようだ。
  このニュー アルバム「Eir」は、キヴィニエミのオリジナル8曲で構成され、このタイトルは、リリース前に生まれたキヴィニエミの娘にちなんで名付けられたということだ。

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 そしてこのトリオの演ずるところ、"現代クラシック音楽、ノルウェーの民俗音楽、北アフリカと中東の音楽の伝統、フリージャズに関するキヴィニエミの研究の影響を受けています"と表現されていて、"内省的でムーディーでありながらスウィングするピアノ・トリオ"と紹介されている。

 キヴィニエミの言葉(作曲プロセスについて次のように語ってる)
「音楽においても、おそらく人生においても、私は常に未知のものに引き寄せられます。すぐには認識できない珍しいメロディーや奇妙なコードを聴いたら、ピアノに飛び乗って、それが何であるかを理解する姿勢で来た。・・・・私は作曲家として常に自分自身に厳しい制限を設けていますが、仲間のミュージシャンには完全な自由を与えています。 私の音楽を自分なりの方法で解釈してください。彼らが何かを変えたいなら、自由に変えてください。私はバンドリーダーとして驚くのが大好きです。それは私に多くのことを教えてくれて、いつも楽しいです。アルバムは95%は即興ですが、ライブでプレイすると99%に近づいていきます。」

(Tracklist)

1.Tiu Dropar
2.Gwendolyn
3.Judy
4.Arguably
5.Atoms
6.Mére
7.Mengi
8.Choral
   
  スタートのM1."Tiu Dropar"を聴いた瞬間、曲よりもまずトリオのドラムスとベースの音がリアルで驚く。ステック音、シンバル音が響き、ピアノとシンクロするベースの低音も曲を見事に支える。まさに現代的録音だ。そしてそれに引けをとらずのピアノが美旋律という世界でなく即興の為か不思議な展開のメロディーがクリアな音でリアルに迫ってくる。これぞ、寺島靖国の「For Jazz Audio Fans Only」に取り上げられそうな世界である。

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 そして、私は何といっても注目したのはM4."Arguably"だ。このアルバムでは最も長く7分を超えた演奏だが、かなり即興の因子が強い。ぐっと静粛性の中に響くピアノの響き。なんとなく内省的な世界に導かれる。余韻が妙に印象的でドラマーの演ずる太鼓と金属音が深遠だ。ベースもアルコで異様な世界を演ずる。
 そして一転してM.5"Atoms"は、驚きの攻撃的演奏。ドラムス、ベースの演ずるところにピアノも同調。
 続くM6."Mére"はぐっと落ち着いて再び内省的である。
 M7."Mengi"ベースが訴えてくるリズムカルな面白い曲。
   最後M8."Choral"は、ソロに近いピアノ演奏で結論的なまとめを聴かせる。

 女流ピアニスト・コンポーザーと言うことで、ムーディーなのかとちょっと気楽に接したら、なかなかスリリングな演奏が中盤に現れて驚いた。フリー・ジャズを研究しているというだけのものがある。そして一方現代クラシックの世界が響いてきてなかなか聴き応えある。一曲づつというのでなく、アルバムを一つとして聴くと楽しい。
  トリオのコンサート・パフォーマンスは、「叙情的で爆発的」であると同時に、「堂々と独創的で、美しく時代を超越している」、そして「現代のピアノ・トリオ・ジャズの表面的な決まり文句に完全にさらされている」と評されているらしい。確かに美しさと驚きの瞬間が混在していてリアルな音を響かせるところは現代的。

(評価)

□ 曲・演奏  88/100
□ 録音    90/100

(試聴)

 

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2024年1月17日 (水)

アルネ・トールヴィーク Arne Torvik Trio 「Songs for Roman」

ウクライナ戦争勃発の衝撃から生まれた人間主張(?)のアルバム

<Jazz>

Arne Torvik Trio 「Songs for Roman」
Losen Records / Import / LOS2862 / 2024

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Arne Torvik アルネ・トールヴィーク (piano)
Bjørnar Kaldefoss Tveite ビョルナル・カルデフォス・トヴァイテ (double bass)
Øystein Aarnes Vik オイスタイン・オールネス・ヴィーク (drums)

Recorded june 2022 by Peer Espen Ursfjord at Newtone Studio, Oslo, Norway

  ノルウェー西岸のジャズ・フェスティバルでも有名なモルデを拠点とするピアニストのアルネ・トールヴィーク Arne Torvik(1981‒)、ヴォス出身のベーシスト、ビョルナル・カルデフォス・トヴァイテ Bjørnar Kaldefoss Tveite (1987‒)、そしてオスロ生まれのドラマー、オイスタイン・オールネス・ヴィーク Øystein Aarnes Vik(1990‒)の3人による(ピアノ・トリオ)新作2ndアルバムである(デビュー作は『Northwestern Songs』(2020/LOS240))

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 「ノルウェー・モダンジャズ」を「今」の感覚で発展させる活動を続けていると言われるトールヴィーク、この新作の『Songs for Roman』は、ウクライナがロシアの侵略を受けたという衝撃的な出来事によるショックを受けた2022年の春に作曲された曲を中心に作られたものであるという。タイトルの"Roman"というのは、彼がノルデで教えていた「ジャズ国際コース」でインプロヴィゼーションを学んでいたウクライナ出身のトランペッターの名前という事だ。

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「私たちはニュースで見聞きしていることを当初あまり信じていませんでした。数年前、私はキエフを観光客として訪れ、この街を心から楽しみました。しかし突然、街は爆撃を受けて街路が破壊され、人々が命の危険に絶えず恐怖を感じながら暮らさなければならない場所となったのです。この間、私はモルデの「Landslinje for jazz」でローマンという若いトランペット奏者に即興演奏を教えていました。会話を通じて、彼にはウクライナに家族や親戚がいることが明らかになり、彼は混乱と悲しみを感じさました。
 このとこが、私に衝撃を与え、「For Roman」という曲を書くきっかけになりました。新作は、2022年3月にローマンと戦争について話したことからインスピレーションを受けて誕生しました。この作品をリリースすることが、何らかの形で意味のあるものになれば幸いです。(アルネ・トールヴィーク)」

(Tracklist)

1 Going Home
2 Cinematic
3 Longing For The Woods
4 Eastbound
5 Places To Write
6 Geert
7 For Roman

  クラシック・ピアノの雰囲気のある打鍵法の正確性は、聴く者に不快感を与えない。そんな中でのどちらかというとユッタリに寄った端正にして爽快なるピアノが主体性を持ってリードしてゆく。トータルの印象はエレガントで、昔のアメリカン・ジャズ世界は全く感じない。曲は全てオリジナルな為、このトリオの目指すところは何かと聴き込むが、そう抒情派の耽美主義というのでなく、むしろロマンテイックな世界に流れてゆく傾向を感じた。

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 バックに北欧の牧歌的なトラデッショナルな曲調も取り込んでいるように思えたが、そのあたりはあくまでも想像である。
 とにかく聴きやすい展開と、テーマからして真摯な印象を受ける。ベースはあまり主張しないで、ピアノを支える。ドラムスも基本に忠実な展開を見せる。
 私としては、特に印象に残った曲は、M4."Eastbound"は"東へ"と言う意味か、どこか静かな中に人間的な世界を感ずる詩的な真摯な曲。
 M3."Longing for The Woods"は自然へのオマージを感ずる世界で気持ちも洗われる。
 M7."For Roman"は主テーマの曲であろうが、優しく抒情的なピアノが美しく流れるが、終盤には意志の強さも感ずる展開に。

 ただ、ぐっーーと引き寄せられ心情を揺らすような哀愁メロディーに遭遇して痺れたというところはなかった。極めてヨーロッパ的詩的な世界である。テーマがテーマであるが、そう暗さが満ち満ちて沈んでゆくというパターンではない。むしろ人間的な美しさを礼賛して慰めの方向に流れて希望を抱く方向にあるような印象を受けた。

(評価)
□ 曲・演奏  87/100
□ 録音    88/100

(試聴)

 

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2023年12月23日 (土)

マッズ・ヴィンディング Mads Vinding Trio 「Quiet Yesterday」

自然体の中で創造された見事なトリオ作品

<Jazz>

Mads Vinding Trio 「Quiet Yesterday」
Sterville Records / Import / CD / 1014356 / 2024

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Mads Vinding (b)
Dado Moroni (p)
Niclas Campagnol (ds)

  デンマーク・ジャズ界のベテラン・ベーシスト、マッズ・ヴィンディングとイタリアの人気ピアニスト、ダド・モローニ、そしてスウェーデンのドラマー、ニクラス・カンパニョルという豪華メンバーによるピアノ・トリオ・アルバム。2018年9月20日コペンハーゲンの名門クラブ:Jazzhus Montmartreで3人の巨匠が集結して公演を行なった折に録られていたライヴ音源の初ディスク化アルバムである。そしてこのアルバムには5つのスタンダード曲と、モロニによるオリジナル曲「Quiet Yesterday」が収録されている。

Vindingmadsbytorbenw  マッズ・ヴィンディングMads Vinding(右)は、ここで過去にも取り上げたが、1948年デンマーク生まれのベテランそのもののジャズ・シーンの重鎮コントラバス奏者。なんと16歳のときにコペンハーゲンのジャズクラブ、ジャズフス・モンマルトルのハウスベーシストとしてプロとしてのキャリアをスタートさせている。録音だけでも800以上になるというから凄い。最優秀ソリスト、ノルトリング、ベン・ウェブスター賞、パレ・ジャズ賞、ラウニー・グレンダール名誉賞などを受賞。10 枚以上のアルバムをリリースし、ケニー・ドリューやハンク・ジョーンズ、アート・ファーマーらと共演するなど、サイドマンとしても活躍している。

 ピアニストのダド・モロニDado Moroni(1962年イタリア・ジェノヴァ生まれ、下左)は、4歳からピアノを始め独学で音楽を学んだ。10代半でイタリア各地でプロとして演奏し、17歳でファーストアルバムをリリース。1980年代、主にヨーロッパでフェスティバルやクラブで演奏し、1991年に渡米しニューヨークのジャズ・シーンの一員となり、ニューヨークの名門クラブでリーダーやサイドマンとして定期的に出演し、数枚のCDを録音した。その後イタリアを拠点に、世界各地で活動を続けている。2010年、トリノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院のジャズピアノ科教授。今日では、ケニー・バロンとのデュオや、エディ・ゴメスやジョー・ラバーベラとのトリオなど、まさに現代のヨーロッパの巨人。

 ドラマーのニクラス・カンパニョールNiclas Campagnol(1973年スウェーデン・ヴェクショー生まれ、下右)は、長く続いている音楽家系の出身という。音楽へのアプローチが非常に多才で音楽性に優れていて、トーマス・フォンネスベック、ディディエ・ロックウッド、アントニオ・ファラオらと共演してきている人気ミュージシャン。

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 こんなベテラン三者が、それぞれの経験をどのように生かしてトリオ作品を構築するか興味津々の今作である。

(Tracklist)

1.All of You 11:01
2.Quiet Yesterday 08:29
3.Softly, As In A Morning Sunrise 09:01
4.Blue In Green 07:51
5.Alice in Wonderland 08:56
6.Nature Boy 05:28

 上記のように、一曲のオリジナル曲以外、ビル・エヴァンスの名作「Blue In Green」や「Alice in Wonderland」などといったお馴染みのスタンダードナンバーが展開する。このアルバムも録音はピアノは勿論だが、ベース、ドラムスの音もクリアにリアルにしっかり聴きとれてなかなか楽しい。しかしこうしたベテラン達は日ごろ一緒に演じているわけではないのに、彼らの素晴らしい相互作用は、スタンダード・ジャズの解釈に長けているためか、こうして聴くかぎりにおいては、楽々と展開の妙が築かれ、互いに見事なハーモニーやインタープレイを展開し深いつながりの中で共鳴の味わいを聴かせてくれる。

 M1."All of You" スローにスタートするが、次第にベースの響きとドラムスのソロとが軽快にスイングし、ピアノも力みなく達者なパッサージ・ワークに長けた演奏が心地良い。
   M2."Quiet Yeaterday"オーソドックスなベースの歌うが如くの旋律演奏が響く。 
 M3."Softly, As In A Morning Sunrise"  軽快な速攻演奏、ドラム・ソロのカラフルにしてスリリングな華々しさと、それに乗ってのピアノのアドリブの冴えた奮戦が聴きどころ。
 M4."Blue In Green" しっとりとした演奏。録音効果によるところか?エヴァンスものよりピアノがクリアに高だかに響く。
 M5."Alice in Wonderland" 三者の力みのない快適展開の手慣れた感ありの軽快演奏。
 M6."Nature Boy" 最後にきて、ここでは見事なインプロヴィゼーションも展開する。ベースの弦のスラップ奏法の妙が目に見えるように旋律を奏でて、それに乗る硬質でありながら優美さもあるピアノの美しいメロディ。 これを聴くと、もう2-3曲聴きたくなる。

  この3者集合のきっかけは解らないが、こうして組んでの演奏は、歴史的に続いて来たわけではないのだが、不思議にその演奏の結びつきが違和感なく、いつもどおりの情緒豊かなヴィンディングの歌うようなベースの旋律をうまく生かして、それぞれがちゃんと持ち味を出しての協調された演奏は、力みもなくお見事である。この味のあるトリオ共鳴の美は、考えてみると3者それぞれ異なる世代に活動開始しているにもかかわらず不思議と言えば不思議である。これはそれぞれの幾多のサイドマンとしての業績の結果なのかもしれない。
 スタンダード曲を主としている為もあって、親しみやすいメロディーの美くしさ、情緒が響き、それが思いのほか歯切れのいいダイナミックなスウィングで迫ってくる。いずれにしてもオーソドックスな快演と言ったところだった。

(評価)
□ 編曲・演奏  88/100
□ 録音     88/100
(試聴)

 

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2023年12月13日 (水)

E.S.T.結成30周年記念 E.S.T. feat. Joel Lyssarides 「 A TRIBUTE TO Esbjörn Svensson Trio」

リュサリディスらを迎え、セクステットでE.S.T.再現ライブ

<Jazz>

E.S.T. feat. Joel Lyssarides
「 A TRIBUTE TO Esbjorn Svensson Trio」

E.S.T. 30th Anniversary Year / STOCKHOLM JAZZ FESTIVAL 2023
2023 after-hours products. / ah23-196(2CDR)

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Gettyimages550227995estrw Dan Berglund: bass
Magnus Öström: drums
Joel Lyssarides: piano
Ulf Wakenius: guitar
Magnus Lindgren: flute, tenor sax
Verneri Pohjola: trumpet

 結成から30周年となるE.S.T.は、哀しいかなリーダーのエスビョルン・スヴェンソンEsbjörn Svensson(右)の2008年の事故死というアクシデントにみまわれたが、あれから既に15年の経過をみる。しかしその後も残されたメンバーのダン・ベルグルンド(下左)とマグナス・オストロム(下中央)はそれぞれ活動を続けてきた。そしてスヴェンソンの後継者と言われ今最も注目され、ここでも何回か取り上げてきたピアニストのヨエル・リュサリディス(下右)らを向かえ「E.S.T.デビュー30周年記念公演 30Years of E.S.T. - Tribute Esbjörn Svenson Trio」を行った。これは2023年10月13日に開催された母国最大のストックホルム・ジャズ・フェスティバル公演での事である。

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 当日、メンバーは、ヨエル・リュサリディスの外に、オスカー・ピーターソンの最後のカルテットのレギュラー・メンバーを務めた名ギタリストのウルフ・ワケーニウス(下左)、更に18歳でハービー・ハンコックとの共演を果たし注目された実力派フルート/サックス奏者のマグヌス・リングレン(下中央)、プログレッシヴ・ロックのペッカ・ポーヨラの子息で、ヨーロッパでは人気と評価の高いジャズ・トランペット奏者/作曲家のヴェルネリ・ポーヨラ(下右)という、現在のヨーロッパ・ジャズ第一線の強者を迎えて6人の充実したスタイルで行われた。

  さてこのアルバムはブートと言ってもゴージャスなセクステット演奏を、高音質ステレオ・サウンドボードにて1時間半以上にわたり完全収録したCD2枚組で、音質に関しては文句なしのオフィシャルなみ以上の高音質盤。又この公演のセットリストは下記のような、まさに"ベスト・オブ・E.S.T."と言ってもよい見事な内容で、代表曲のオンパレードで感動ものである。

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 (参考)「ストックホルム・ジャズ・フェスティバル(Stockholm Jazz Festival)」は、スウェーデンで最も古く、1980年にスウェーデンのストックホルムで設立された毎年恒例の音楽祭で、もともとは「ストックホルムジャズとブルースフェスティバル」と呼ばれていた。最大のフェスティバルのひとつです。ついこの10月13日から22日まで開催された今年のフェスティバルには、Lakecia Benjamin、Incognito、30 Years of e.s.t. – Tribute to Esbjörn Svensson Trio、Brandee Youngerなどの有名アーティストが出演した。このフェスティバルは、ストックホルム全土の50以上のステージで開催されたもの。

(Tracklist)

(Disc 1)
1. From Gagarin's Point Of View
2.Seven Days Of Falling
3.Tuesday Wonderland
4.Eighthundred Streets By Feet
5.Good Morning Susie Soho
(Disc 2)
1. When God Created The Coffebreak
2.Waltz For The Lonely Ones
3.Behind The Yashmak
4.Dodge The Dodo

 もともとE.S.T.は、美しく深淵なるメロディーが溢れ出る「北欧ならではの静」を描く曲と、対比される彼らが試みたエフェクターを駆使したプレイによるスリリングな「ダイナミックな動」の曲がものの見事に展開する独特の「E.S.T.ミュージック」で流れてきて、私はのめり込まずにはいられなかった。そして未だに彼らのリリースしたアルバムは座右から消えることはない。そんな中での、この30周年記念公演ではピアノ・トリオでの演奏が勿論中心にはなってはいるが、なんとギター、フルート、サックス、トランペットといったジャズに多用される楽器も加わり、上記メンバーによるセクステットのスタイルで、若干お色直ししつつ、迫力のダイナミックさは一層増しての「E.S.T.ミュージック」を聴くことが出来た。

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 Disc1のM1."From Gagarin's Point Of View "では、ヨエル・リュサリディスのピアノがなんといっても美しい。クラシック音楽からの影響の強いジャズを奏でると評されるところ、北欧の冷えて澄み切った大気の清涼感あるイメージにピッタリである。スヴェンソンの築いた世界をしっかり表現しているところはさすがである。
 M2."Seven Days Of Falling"は、ギタリストのウルフ・ワケーニウスの技量が美しく展開して、これまたダン・ベルグルンドのベースのやや異様なアルコ奏法の音と対比して面白い。
 M3."Tuesday Wonderland"では、ピアノの重低音の響きに乗りつつも、マグヌス・リングレンの意外に独自にリズムカルに展開してのフルートの味も見事。ピアノの展開と並行して、かっての60-70年代のプログレ・ロックのフルートを思い出した。
 M4."Eighthundred Streets By Feet"は、今度はヴェルネリ・ポーヨラのトランペットが静かな世界を描く。後半はマグナス・オストロムのドラムスのリズムに乗っての展開をみせ、そこにピアノ、ベースがサポートして素晴らしい。
 
 Disc2においては、M1."When God Created The Coffebreak "のようなコンテンポラリーな世界と、スリリングなところを再現してくれているし、M4."Dodge The Dodo"は、オストロムのドラムソロから始まって全楽器のユニゾン、そしてそれぞれの個性的ソロに近い演奏を挟み込んでの展開、なんと15分を超える演奏で圧巻。

 こうして強者によるこのセクステットは、ピアノ・トリオとは一味違った様相を呈してはいるが、現在のヨーロッパを代表する実力者達の見事な演奏が、ジャズ・ピアノ・トリオの歴史を一変させたE.S.T.のその結成30周年を記念して、むしろE.S.T.の素晴らしい楽曲群が、再びここに新たに息を吹き返すが如く感じられ、もうこの世にいないエスビョルン・スヴェンソンがふとそこに現れるような錯覚をもたらしてくれた。
 録音音質も良好で、各楽器が手に取るように聴きとれて、それでいて音楽的統一感もしっかり築かれていて快感である。

(評価)
□ 演奏・編曲 90/100
□ 録音    88/100

(試聴)

 目下今年のStockholm 2023 のE.S.Tの演奏画像はまだアップされていないので、かっての"Dodge The Dodo"の演奏映像を懐かしく観てください

 

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2023年12月 8日 (金)

ハンナ・スヴェンソン Hannah Svensson「 THE OTHER WAY AROUND」

クール・ロマンティック・ヴォーカルで真摯な世界を歌う

<Jazz>

HANNAH SVENSSON 「 THE OTHER WAY AROUND」
Ladybird / Import / 79556874 / 2023

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Hannah Svensson ハンナ・スヴェンソン (vocal)
Ewan Svensson エーヴァン・スヴェンソン (guitar)
Jan Lundgren ヤン・ルンドゥグレーン (piano)
Matz Nilsson マッツ・ニルソン (bass except 1, 2, 5, 7) (electric bass on 1, 2, 5, 7)
Zoltán Csörsz ゾルターン・チェルス (drums)

録音 2021年12月 ギューラ・スタジオ(Gula Studion)(スウェーデン)

  スウェーデンの女性ジャズ・シンガーソングライター、ハンナ・スヴェンソン(1986‒)は既に6枚のアルバムをリリースしていて、これは『Snowflakes in December(十二月の雪のひとひら)』につづくニュー・アルバム。

 彼女はスウェーデンでは、最も有名なジャズシンガーの一人としての地位を確立してきているようだ。生まれと育ちはスウェーデン西海岸のファルケンベルクで、彼女の音楽教育は、著名なジャズ・ギタリストである父親のユアン・スヴェンソンによるという。ピアノとギターのレッスンを受けた後、17歳のハンナはエヴァ・キャシディの歌声を聴いて、初めて歌に興味を持ち始めた。21歳の時から、ハンナは自身のグループ、"ハンナ&アコースティック3"を率い、父親もギターを弾いていた。それ以来、彼女は独自の道を切り開いて来たと。そして故郷の文化賞やスウェーデンのエグゼクティブジャズ協会の周年記念賞など、スウェーデンでいくつかの賞を受賞している。
 彼女はその他、画家としても活躍している。具象と抽象のブレンドされた作品で知られているようだ。そのように特徴的なジャズ・ミュージシャンの道を歩んでいる。

 さてこのアルバムだが、収録曲は"The Other Way Around"はじめ彼女の8曲のオリシナル曲に、ボブ・ディランの1曲により構成されている。したがつて内容は彼女の人生観が歌い込まれているようだ。

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1. Today Is Gonna Be A Better Day (Hannah Svensson)
2. Crossroad (Hannah Svensson)
3. It's All Over Now, Baby Blue (Bob Dylan)
4. The Other Way Around (Hannah Svensson)
5. The Two Of Us (Hannah Svensson)
6. Time To Go Home (Hannah Svensson)
7. We'll Get Through (Hannah Svensson)
8. Carry On (Hannah Svensson)
9. Little Friend (Hannah Svensson)

 

 このアルバムは、過去盤でも共演していたピアノにヤン・ルンドゥグレーンや父親のエーヴァン・スヴェンソンのギターと再び組んだカルテット編成の伴奏での一編。
 彼女のヴォーカルは、自然体で優しく極めて端正で "北欧固有の冷涼な清風を吹きかけるが如きクール・ロマンティック・ヴォーカル"と評されている。透明感とやや高めのトーンのクリーン・ヴォイスによって、歌詞とメロディーをあくまで大切にし心情豊かに丁寧に語りかけてくるような歌である。
 とにかく奥ゆかしさが感じられる自然体の姿で、謙虚に、真摯に切々と語るがごとくに歌うところには気品が感じられ、思わずぐっと引き込まれる。内容は自己の体験からのポジティブな意志の表現のようだ・・・そんなところからも真摯な世界に描いているのかもしれない。

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M1. "Today Is Gonna Be A Better Day" 自己のオリジナル、かなり私的な心情の姿を描いて歌っているようだが、情に流されるのでなく冷静な印象。その為、いわゆるジャズ・ヴォーカルと言った世界よりはクラシックよりの雰囲気も。
M3. "It's All Over Now Baby Blue" Bob Dylanの曲、ギターをバックに情緒豊かにしかも美しく歌い上げる。私の一押しの曲。
M4. "The Other Way Around"M5. "The Two Of Us" ちょっと物語風の世界。
M6. "Time To Go Home" 新しい出発と未来への意志が美しく歌われる。
M8. "Carry On" 、M9. "Little Friend" 希望の感じられる明るさが見える展開がいい。  

 自らの経験から真摯に未来に向かっての意志を歌い上げた彼女の作詞・作曲・編曲の曲群が、聴く我々に好感を持って迎えられる因子が多い。エーヴァン・スヴェンソンのギター、 ヤン・ルンドゥグレーンのピアノも洗練されていて聴きやすい。なかなかジャズ・アルバムとしてはテーマも特異でもあるが、これも一つの世界として聴くに十分答えてくれるアルバムであった。

(評価)
□ 曲・編曲・歌  88/100
□ 録音      88/100
(試聴)

 

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2023年11月28日 (火)

メッテ・ジュール(メテ・ユール) Mette Juul 「Celeste」

テンダーな心地よい癒されるボーカルが・・・

<Jazz>

Mette Juul feat. Lars Danielsson & Mike Moreno 「Celeste」
Prophone / Import / PCD325 / 2023

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Mette Juul メテ・ユール (vocal, guitar)
Mike Moreno マイク・モレーノ (guitar)
Lars Danielsson ラーシュ・ダニエルソン (cello, double bass, celeste, kalimba, melodica, cymbals)

米ニューヨークのBass Hit Recording録音
2023年スウェーデン作品

  メッテ・ジュールと呼んでたが、最近、メテ・ユールと書かれてますね。彼女はデンマークのホアンシルの1975年生まれの北欧のギタリスト兼ヴォーカリストでこれは最新盤。このProphone Recordsのリリースする『Celeste』は、彼女のソロ・アルバム第6作。スウェーデンのベーシストのラーシュ・ダニエルソン Lars Danielsson(前作も)とアメリカのギタリスト、マイク・モレノ Mike Morenoの共演で、スタンダード曲中心に録音されたヴォーカル・アルバムだ。

02ff38519d8558b501111w  彼女は日本でも既に多くのファンを獲得しているが、若いころからシンガー・ソングライターとして活動し、2007年にエストニアのタリンで行なわれた国際ジャズ・アーティスト・コンペティションで第1位に選ばれた。2010年、ここでも取上げたアレックス・リール・トリオとのデビュー・アルバムのComing from the Dark』(YMCJ-10005)をリリースし好評で、既に13年のキャリアがある。
 彼女は今回のアルバムに関して次のように語っていることが紹介されている
「私は幼い頃にジャズヴォーカルの世界に出会いました。スタンダードのメロディーと歌詞は私に大きな印象を与え、今でも私に語りかけます。マイク・モレノとラース・ダニエルソンと一緒にツアーをして、ジャズスタンダードの曲を一緒に演奏したり、歌ったりすることは、私の長年の大きな願いでした。そしてアルバムには、ジャズのスタンダードだけでなくグラウコ・ヴィエニエやノーマ・ウィンストンの"Distance"などのオリジナルも入れることが出来ました」

  彼女の過去のアルバムも非常にしっとりと描く世界が安らぎに導くところがあり、これは秋の夜長を彩るにふさわしい女性ヴォーカル盤だ。
  今回の録音は、米ニューヨークへ出向き、マイク・モレーノ(g)、ラーシュ・ダニエルソン(b他多数)とのトリオ体制で、ヴォーカルとギターのコンビネーションを基軸に、ダニエルソンのチェレスタ、カリンバ、メロディカ、シンバル、チェロ、ベースなどの多彩な音世界のゆったりとした雰囲気で包まれた作品。いずれにしても彼女のヴォーカルは包容力もあり美しさ優しさを持っているので大歓迎の一枚。

(Tracklist)

01. Beautiful Love (Wayne King / Victor Young / Egbert Van Alstyne / Haven Gillespie)
02. My Foolish Heart (Victor Young / Ned Washington)
03. With A Song In My Heart (Richard Rodgers / Lorenz Hart)
04. Nature Boy (Eden Ahbez)
05. I'm Moving On (Mette Juul)
06. Distance (Glauco Viénier / Norma Winstone)
07. Northern Woods (Mette Juul)
08. Love Is A Many-Splendored Thing (Sammy Fain / Paul Francis Webster)
09. Celeste (Laura Pausini / Beppe Dati)
10. Where You've Never Been 

 相変わらず彼女の世界は、透明感や涼やかさのクリーン・ヴォイスでソフトな温もりをも持ち合わせていて、バラード調の流れで中音域を中心に情感をこめて優しく語りかけ叙情的で、聴く者に好感の持てるところにある。
 曲の展開としてハミング〜スキャット系統の手法も結構取り入れたヴォーカル、全体的にはテンダーにして穏やかで包容力ある美しさとロマンチックな処もある心地よい癒やされる世界である。

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M1. "Beautiful Love" スキャット風のウォーカルも入ってなんとなく幻想的。
M2. "My Foolish Heart" 彼女独特の節回しの入っての編曲効果が大きい不思議な曲仕上げ。
M3. "With A Song In My Heart" しっとりと説得力あるバラード風の世界を美しい中音域で歌い上げる。
M4. "Nature Boy" よく聴く曲が続くだが、美しいギターの調べと共にゆったりと包容力ある歌い込みが魅力的。ダニエルソンのメロディカだろうか、その調べが印象的な世界へ。
M5. "I'm Moving On" Mette Juulのギターの弾き語り調の異色のオリジナル曲。
M6. "Distance"  ギターの調べと共に、ちょっと陰影のあってなかなか美しい曲。
M7. "Northern Woods" これも彼女のオリジナル。北欧の自然の描写だろうか。
M8. "Love Is A Many-Splendored Thing" このように聴き慣れた曲をギターをバックにしっかり新たな気持ちで聴ける歌い回し。
M9. "Celeste"M10. "Where You've Never Been" 両曲はあまり特徴を出さずにソフト・タッチの優良曲と仕上げた。

 ここまで優しさを持って描ききったアルバムは近年珍しい。スウェーデン風と言って良いのか、ちょっと不思議な節回しも入ったり、ハミングで歌ったりと、新鮮味もちゃんとあって飽きさせない。秋向きのいいアルバムだ。

(評価)
□ 曲・編曲・歌  90/100
□ 録音      88/100

(参考視聴)

 

 

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2023年11月23日 (木)

サン・ビービー Søren Bebe Trio 「Here Now」

相変わらずの静謐・美旋律の詩的なアコースティック・ジャズの世界

<Jazz>

Søren Bebe Trio 「Here Now」
FROM HERE MUSIC / Import / FOHMCD023 / 2023

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Søren Bebe(Piano)
Kasper Tagel(Bass)
Knut Finsrud(Drums)

  デンマーク・コペンハーゲンを拠点に活躍しているピアニスト、サン・ビービーSøren Bebe (なかなか発音が難しい、ソーレン・ベベと記載されているものもある:下左)率いるピアノ・トリオの2023年新作6thアルバムの登場だ。以前からここでも取上げてきたのは、彼の演ずるところ静謐な美メロ・ピアノ・トリオでお気に入りだからである。過去においてトルド・グスタフセンや故エスビョルン・スヴェンソンと比較して語られることが多いのだが、トルド・グスタフセンほど哲学的な沈み方はなく、又E.S.T.ほど、コンテンポラリーな色彩は見せない。しかし如何にも北欧ピアノ・トリオらしい自然の情景をやや暗めな世界として描いたり、のどかな牧歌的な自然を聴かせたりとなかなか味わい深いところが魅力である。
 彼は1975年12月生まれで47歳という脂ののった歳だ。2019年にリリースされた『Echoes』(FOHMCD015)は好評であったが、今回はノルウェーのドラマー、クヌート・フィンスルード(下右)を初めてメンンバー迎え、以前からのキャスパー・ターゲル(B /下中央)と新トリオを組んでいる。
 又、サン・ビービーは、最近、デンマークの小さな村に住居を移して、家族とともに森、湖、農地に囲まれた環境にあり、このアルバムは新たに見つけた生活を反映していると言われているが。

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(Tracklist)

1.Here Now 3:29
2.Tangeri 4:44
3.Grateful 3:22
4.Winter 5:12
5.Misha 3:57
6.Be Well 4:16
7.Folksy (To Jan) 3:57
8.Day by Day 3:55
9.Summer 3:37
10.On and On 3:51

 確かに彼の新生活環境を反映してか、静かで瞑想的で広大な地球上の自然の姿がみえるような世界を展開させている。それは流麗で美しいフレー ズが聴きとれるし、もともと澄んだ硬質なピアノ音色がさらにメロディを引き立てていて、相も変わらず北欧ピアノトリオの特徴と言っていいのか、ちょっと沈むような感傷的な味わいが聴く者を引き付ける。

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M.1 "Here Now" 冒頭から静かな世界にちょっと感傷的なピアノの美旋律が流れる
M.2 "Tangeri" どこか明るい心の展望の感ずる美しさのメロディーをピアノが歌う。中盤のベースの響きが魅力的。
M.3 "Grateful" ドラムスのスティック音が優しく響き、ピアノの明るさと安定した世界
M.4 "Winter" 厳しさよりは美しさを描く
M.5 "Misha" 明るさと牧歌的な世界 
M.6 "Be Well" 安堵の情景
M.7 "Folksy (To Jan)" ドラムスからスタートしての明るい展開、ジャズとフォークの融合
M.8 "Day by Day" 若干沈む思索的世界
M.9 "Summer" ドラムスが前面に出ての珍しくアクティブな曲 
M10 "On and On" 未来志向の展開が優しく響く

 とにかく控えめな演奏で若干内省的なところもあるが、優雅でエレガント、究極のところ"詩的なアルバム"といった世界だ。北欧という環境から描いてくれる叙情的でメランコリックなアコースティック・ジャズがこうして聴かれるのは嬉しいことだ。
   10年以上前に聴いた美しい2ndアルバム『FROM OUT HERE』(VFJCO 012/2010)の一つの回答のようなアルバムだ。
 いろいろなジャズ・アルバムを聴く中で、ふと人間的癒しが必要な時には最高アルバムとして位置付けたい。

(評価)
□ 曲・演奏  88/100
□ 録音    88/100

(試聴)

 

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2023年11月18日 (土)

ロヴィーサ・イェンネルヴァルとエラス・カペル Ellas Kapell feat. Lovisa Tennervall 「For All We Know」

女性ヴォーカルとピアノ・トリオによるコンテンポラリーな世界

<Jazz>

Ellas Kapell feat. Lovisa Tennervall 「For All We Know」
PROPHONE / Import / PCD321 / 2023

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Lovisa Jennervall (vocal)
Manne Skafvenstedt (piano)
August Eriksson (bass)
Edvin Glänte (drums)

2023年6月スウェーデン-ヨーテボリのNilento Studio録音

 スウェーデンからの4人組ユニットの3rdアルバム。女性ヴォーカルを立てたピアノ・トリオだ。私にとっては初物であったのだが、女性ウォーカルものというのでなく、あくまでもヴォーカルも入ったカルテットと考えた造りを目指しているようだ。そしてどうもこの「Ellas Kapell」という精鋭トリオは、スタンダード・ナンバーをレパートリーとしているようだが、かなりコンテンポラリーな線を描いていて、ちょっと一筋縄ではゆかないタイプ。そして注目の女性歌手ロヴィーサ・イェンネルヴァルをグループの看板にもしているようだが、その彼女は自己名義のソロ・アルバムもリリースしている。近作では個人的な色彩の濃い『Between You and Me』PCD278/PCD278/2022)が好評の若き実力派女性歌手(兼ソングライター)である。

Lovisajennervall_w  聴いてみるとカルテットといっても、やはり女性ヴォーカルのロヴィーサ・イェンネルヴァル(→)の因子は大きい。彼女は1990年生まれの33歳、ヴェステルノルランドのヘルネサンドとヨーテボリというところで子供時代と青春期を音楽に囲まれて過ごしたと、2015年春、ニューヨークでジャズを学ぶ。帰国後まもなく、ヨーテボリで「ロヴォーサ・イェンネルヴァル・カルテット」を結成。2016年秋、ストックホルム王立音楽大学に入学、最初の学年でプロジェクト「ロヴィーサ・イェンネルヴァル・ウィンドアンサンブル」を立ち上げ、作曲と編曲を担当し、その後「エラス・カペル」を結成、スタンダードを中心にした曲を編曲し歌った『Longing(あこがれ)』(PCD 216)と『What's It All About?』(PCD 266)の2枚のアルバムが話題を呼んだ。


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(Tracklist)

01. I Get Along Without You Very Well  
02. Autumn Leaves
03. For All We Know
04. How Could You?
05. Something On Your Mind
06. Softly As In A Morning Sunrise
07. Devil May Care
08. If I Should Lose You
09. (They Long To Be) Close To You
10. For All We Know

 まずは、この女性ヴォーカリストのロヴィーサ・イェンネルヴァル の北欧の空を思わせる透明感に満ちた豊潤クール・ヴォイスが、時には温もりまでみせ、そこには清楚可憐な雰囲気さえ描き、英語圏とは若干異なる節回しで迫ってくるところに魅力が溢れている。そしてある時は耽美的に、又ある時はダイナミックなタッチをみせるピアノと、ベース、ドラムスも安定感があり、又曲想によって変幻自在なサポートも板についている。それはユーロ・ジャズのクラシカルなものやメロウにして美メロのイタリア風世界などとは違って、基本的にはコンテンポラリー・ジャズを基調にした北欧美意識を盛り込んだタイプと言っていいかもしれない。

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 多くの曲は、まずはトリオが彼女の歌をサポートする形でスタートして、中盤にトリオ演奏として三者それぞれの主体性と協調性による形を作って曲を展開させ、最後はヴォーカルを呼び込んで纏め上げるパターンをとる。しかしスタンダード曲を演ずるに、インプロヴィゼーションを時に生かして、原曲をかなりの編曲によって彼ら自身の曲に仕上げてゆく手法はコンテンポラリーな世界でなかなかのもの。

M1. "I Get Along Without You Very Well"  冒頭から圧巻の高く広がり訴えるヴォーカル。
M2. "Autumn Leaves" 初めて聴くタイプの枯葉。スタートと締めに聴きなれない編曲でのヴォーカル、中盤に編曲されたトリオ演奏。 
M3. "For All We Know" アルバム・タイトル曲。しっとりと歌い込む曲、中盤の情緒的ピアノが美しい。
M4. "How Could You?" ドラムスがリードするタイナミックなトリオ演奏。アヴァンギャルドな雰囲気も。スキャット・ハミング調のヴォーカルも。
M5. "Something On Your Mind" 状況描写を歌い込みピアノの響きも語るが如く。 
M6. "Softly As In A Morning Sunrise" 清々しさと美しさのヴォーカル。スキャットも入れての世界は美しく、ピアノ、ベースも優しく。
M7. "Devil May Care" なかなか軽快さも見事。
M8. "If I Should Lose You" 美しさを描く演奏、説得力のある静かに迫る美しい歌声。
M9. "(They Long To Be) Close To You" 中盤のスキャット・ヴォーカルとベースの新解釈演奏に美しいピアノは注目点。
M10. "For All We Know" ピアノのヴォーカルを導く優しさの展開はお見事で、ドラムスのブラッシ音に乗っての見事なカルテット演奏。

 とにかく聴きなれた曲も初めて聴くが如くの世界に浸れる。今までにない新世界を聴く想いである。特にロヴィーサの清楚感の透明感ある艶と香りの歌唱力に脱帽だ。又ピアノ・トリオはコンテンポラリーな世界にリリカルさとダイナミックさの味をしっかり身に着けていて見事。スウェーデン恐ろしという事で今後が楽しみだ。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌  90/100
□ 録音       88/100
(試聴)

 

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