波蘭(ポーランド)ジャズ

2021年9月14日 (火)

マルチン・ボシレフスキ Marcin Wasilewski Trio 「En attendant」

鉄壁のトリオによるインプロの華と深遠なる美

<Jazz>

Marcin Wasilewski Trio 「En attendant」
ECM / IMPORT / ECM 2677 /2021

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Marcin Wasilewski(p)
Slawomir Kurkiewicz(double-b)
Michal Miskiewicz(ds)

Recorded August 2019
Studio La Buissonne,Pernes-les Fontaines
Engineer : Gerard de Haro
Mastering : Nicolas Baillard
Cover photo : Max Franosch
Design : Sascha Kleis
Produced by Manfred Eicher

  待望のマルチン・ボシレフスキMarcin Wasilewski(このポーランド人の名前の読み方が難しく、当初このように言っていたのでそのままとしている)のトリオによるニュー・アルバムのリリース。
 もう何年か前に彼が新進気鋭としての結成したシンプル・アコースティック・トリオの『コメダ』がお気に入りになってから、もうこのトリオも25年にはなると思うが、とにかくポーランドの音楽性の高さには何時も驚かされてきた。そして彼も円熟して最高潮の中で、こうして久しぶりにトリオのみのメンバーでのアルバムと言うことで大いに期待していたところである。
 近年はネットにての音楽配信が盛んになり、既に当アルバムの曲MQAハイレゾ・サウンドの"In Motion,Part Ⅰ"をダウンロードして聴いていたので、おおよそのこのアルバムの雰囲気も解ってはいたが、ここにやはりアルバムを手にして全7曲を一貫して聴くとその感動も大きい。

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(Tracklist)

1.In Motion (Part I)
       Wasliewski/Kurkiewicz/Miskiewicz
2.Variation No.25 from: Goldberg Variations
       J.S.Bach,Goldberg Variations
3.Vashkar
       Carla Bley
4.In Motion (Part II)
       Wasilewski/Kurkiewicz/Miskiewicz
5.Glimmer Of Hope
       Marcin Wasilewski
6.Riders On The Storm
       Morrison/Densmore/Krieger/Manzarek
7.In Motion (Part III)
      Wasilewski/Kurkiewicz/Miskiewicz

  昨年5月にリリースしたテナー・サックスのJoe Lovanoを迎えた作品『Arctic Riff』も好評だったが、今回はマルチン・ボシレフスキ・トリオとしてのECM7作目。やはり私としては純粋にこのようなトリオの作品が圧倒的に好きで、今回は大いに喜んでいる。

 そもそもこのトリオはスタートは「SIMPLE ACOUSTIC TORIO」の名前であったが、現在はピアニストのボシレフスキをリーダーとして「Marcin Wasilewski Trio 」と名乗っている。しかしメンバーは一貫して変わっておらず、鉄壁のトリオで音楽性においても三者共に乱れのない発展をしてきているところが魅力。ジャズ界では美しさと真摯なる世界としてもピアノ・トリオが燦然として輝いているが、欧州でのその発展は素晴らしい。そんな世界を堪能出来るのである。

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 三人による共作"In Motion"が、上のリストにみるようにPart 1から3と、3曲構成としてアルバムのスタート、中盤、締めくくりと位置している。このようにトータル・アルバムを一つの世界として描いていて、その美しさと深遠さとそしてフリー度が高まった世界で有りながら三者の乱れない奥深さに納得する。
 そしてなんとバッハのM2."Variation No.25 from: Goldberg Variations"が登場し、これがここではモーツァルトの美しさの如く演じられるのには驚いた。
 更に何故かCarla BleyのM3."Vashkar"の登場、彼女の実験色の世界に突入。
 そしてボシレフスキー自身の安らぎに通ずる曲M5."Glimmer Of Hope"、更にM6."Riders On The Storm"と、ドアーズの曲が気品をもって演じられるところは、かなり謎が掛けられた気分である。

 しかし、究極はマンフレッド・アイヒヤーの世界に通ずるところ、彼らのトリオの描くインプロヴィゼーションの不思議な美に纏め上げられたこのアルバム、静かにして深遠、そしてその美しさは、ピアノのメロディー・ラインや響きに止まらず、繊細なスティック音のドラムスや、ベースの単なるズム隊でなくメロディにも大きな役を担っていて、トリオとしてのセンスの高さが感じられた。
 相変わらず、このトリオは虜にされてしまう世界を持っている。

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[参考] Discography

(Marcin Wasilewski Trio)
『シネマ・パラディーゾ』 - January (2008年、ECM)
『フェイスフル』 - Faithful (2010年、ECM)
「Spark of Life」 (2014年、ECM) (with Joakim Milder)
「Live 」(2018年、ECM)
「Arctic Riff」(2020年、ECM) (with Joe Lovano)

(Simple Acoustic Trio)
『コメダ』 - Komeda (1995年、Gowi)
「When Will the Blues Leave」 (1996年、Polonia)
「Live in Getxo」 (1996年、Hillargi)
『HABANERA』 - Habanera (2000年、Nottwo)
『ララバイ・フォー・ローズマリー』 - Lullabay for Rosemary (2001年、Nottwo)
『トリオ』 - Trio (2005年、ECM)

(評価)
□ 曲・演奏 :  90/100
□   録音   :  90/100

(試聴)

 

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2019年9月27日 (金)

アダム・バウディヒAdam Bałdych =「sacrum profanum 」ジャパン・ライブ

Daldychdys アダム・バウディヒとクシュストフ・ディスのライブ・デュオ

・・・小ホールでの白熱の緩急自在の完全アコースティック演奏
・・・今年リリースしたアルバム「sacrum profanum」から

 

 ポーランドのヴァイオリニストのアダム・バウディヒは牧歌的であり静謐な世界を描くことで数年前から注目しているが、その彼とピアニストのクシュストフ・ディスの昨日(2019/9/26)ライブ・デュオ演奏。(アダム・バウディヒのアルバムは過去にもここで取り上げている=アルバム「Bridge」(2015/11/14)、アルバムBrothers」(2017/7/30))

 会場は上越ラ・ソネ菓寮。曲目はACTレーベルから今年リリースされたアルバムからである。(↓)

<Jazz>
Adam Bałdych Quartet「sacrum profanum」
ACT / Germ / 9881-2 ACT / 2019

Sacrumprofanum

(このジャケはアダム・バウディヒとクシュストフ・ディスに当日サインして頂いたもの)

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 収録曲は上のようで、アダム・バウディヒのカルテットである。そして今回来日ライブはそのメンバーのアダム・バウディヒとクシュストフ・ディスのデュオという形である。

Adam Bałdych アダム・バウディヒ - violin
Krzysztof Dys クシュストフ・ディス - piano

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 曲目は全く私には解らないのだが、紹介による上のように神聖でクラシックな Hildegard von Bingen (ヒルデガルト・フォン・ビンゲン )或いは Thomas Tallis(トーマス・タリス)の曲などを アダム・バウディヒによりアレンジされたものとポーランド・フォークの影響を受けた彼の曲と言うことだ。
 過去のアダム・バウディヒのアルバムも、ヘルゲ・リエン・ピアノ・トリオをバックに、牧歌的な優雅にして広大な世界、そして静謐な音展開、更に時として激しい高揚をみせる演奏で注目してきたが、今回もその通りの演奏を小さなホールで、完全アコースティック演奏を聴かせてくれた。
 特に緩急自在の彼のヴァイオリンは感情を込めた静謐の演奏が特に素晴らしい。それにクリシュストフ・ディスは元クラシック・ピアニストであるだけに演奏の確実性はみごとで、インプロもまじえながら美しい世界を描いていた。

 何時も感ずることだが、この上越のラ・ソネ菓寮に於けるライブは小会場であるだけに、完全アコースティックで、静かな中の緊張感は尋常で無く、そこに繊細なデュオによる音が交錯しそして次第に演奏は盛り上がり絶頂に至る流れは素晴らしい。とにかくアット・ホームで、演者と聴衆の親密感があり素晴らしいライブであった。

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(会場ラ・ソネにて    右は私も一緒に記念撮影)

 

[(参照) 以下 ブログ「タダならぬ音楽三昧」よりの紹介文]

Adam Bałdych (アダム・バウディヒ)

 ポーランドのヴァイオリニスト、作曲家。16歳で既に国際的に活躍(ドイツ、ポーランド、セルビア、ハンガリー、インドネシア、スペイン、フランス、アメリカ)していた。最初、天才児と呼ばれ、今はヨーロッパで最もすぐれたジャズ・ヴァイオリニストの一人と言われている。2012 年、ACT Music レーベルより最初のアルバム "Imaginary Room" をリリース。これはヨーロッパの第一線で活躍するジャズ・ミュージシャン (Lars Danielsson、Jacob Karlzon、Verneri Pohjola、Morten Lund、Marius Neset)と録音されたもの。第二作目 "The New Tradition"はイスラエルのピアニスト Yaron Hermanと録音され、2014年5月にリリースされた。そして三作目 "Bridges" はノルウェーの Helge Lien Trio とコラボレーションしたもので 2015 年 8月に、四作目 "Brothers"は 2017 年 8月に Helge Lien Trio と Tore Brunborg とが参加している。

 Adamはドイツで最も重要な音楽賞 ECHO Jazz 賞の2013 年優勝者であり、ポーランドの「素晴らしき芸術」(Gazeta Wyborcza、Radio Zachod とTVPの三つのメディアによる)投票の優勝者でもある。更に、2011 年 Jazz Melomani の Jazz Hope 部門でグランプリ、 2012年には Jazz Melomani で年度優勝している。

 彼はまた 2013 年と 2015 年にポーランドの音楽賞 Fryderyk 賞(アメリカのグラミー賞相当)にノミネートされた後、2016 年度ジャズ・アーティストに選ばれている。アルバム "The New Tradition" は Best Jazz Album 2014 賞を受賞(TVP プログラム 2 と Jazz Melomani 協会により毎年 Gala Grand Prix Jazz Melomani の中より選ばれる)。2016 年 6 月にはポーランド大統領より Gold Cross of Merit 勲章を受章した他、Medal of Merit 勲章を文化的貢献・成功に対して受章している。

 2019年に 3月、新たにAdam Baldych Quartet (Baldych / Dys / Baranski / Fortuna)のアルバム "Sacrum Profanum" を発表している。

 

Krzysztof Dys (クシュストフ・ディス)

 1982 年生まれ。ポーランド人のピアニストで即興演奏家。イグナシー・ヤン・パダレウスキー音楽院でクラシックピアノの博士号を取得、現在は同学院で講義も受け持つ。クラッシックではスクリャービン国際ピアノ・コンクールで 3位(2007 年、パリ)、ジャズでワルシャワ・ジャズ・コンテストで 2位、「ジャズ・ナッド・オドゥラ」フェスで 1位となるなど、若いうちからクラシックピアノの賞を数々受賞。マイルス・デイビス、ハービー・ハンコック等に触発され、ジャズに傾倒。2002年以来、Soundcheck Quartet の一員として、6 枚のアルバムをリリースし、国内外の名だたる賞を受賞している。2016 年に自身が主宰するトリオとして初のアルバム『Toys』を発表。Adam Bałdych Quartet のメンバーでもある。

(視聴) Adam Baldych Quartet

 

 

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2019年1月30日 (水)

アガ・ザリアンの久々のニュー・アルバムAga Zaryan 「HIGH & LOW」

ポーランドからの
相変わらずの美しいソフトなヴォーカルが・・・・・しかし

<Jazz>
Aga Zaryan 「HIGH & LOW」
WARNER MUSIC POLAND / IMP./ ZARYAN201801 / 2018
Hl
Aga Zaryan (Vocals)
Michal Tokaj (Keyboards)
David Doruzka (Guitars)
Slawek Kurkiewicz (Electric Bass)
Pedro Segundo (Drums,Percussion)
Lukasz Zyta (Drums #4,9)
Munyungo Jackson (Percussion #3)
Marcin Kaletka (Tenor Saxophone)
Robert Majewski (Trumpet,Flugelhorn)
Grzegorz Nagórski (Trombone)
Corbin Jones (Tuba #5,9,10)
Irena Kijewska (Background Vocals)
Recorded in Warsaw, Sep.-Oct. 2018, Polish Radio Studio S4
  いやはやポーランドの女性シンガー・アガ・ザリアンAga Zaryanの話になるのも久しぶりである。
 ここで彼女のアルバムを取り上げた最後が、ポーランドで手に入れたライブ・アルバム『LIVE AT PALLADIUM』(COSMOPLIS 070・071/2008)の紹介だったと思うので6年前の話になる。とにかく歴史的な悲劇のワルジャワ蜂起をテーマとしてのアルバム『UMIERA PIEKNO』(ポーランド2007年、EMI music poland/2010)を製作して、国家的評価をも勝ち取り頂点に立った彼女である。その後日本でも知られるようになるのだが、ポーランド・ミュージックの日本紹介はそれ程歴史が無い。彼女についても日本でのデビューは2010年になってからだった。従って彼女の数枚のアルバムは殆ど当時に纏めて注目されたのである。
 その後はアルバム『A BOOK OF LUMINOUS THINGS』(2011)を聴いたが、今後への発展におそらく問題意識にテーマがなかなか持てなかったのではと推測する。私にとってはそれ以来7年の経過がある。そしてここに久しぶりにニュー・アルハセムを聴く事になった。
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(Tracklist)
1. Back
2. High & Low
3. Not Here For Long
4. Paths
5. Spirit Voices
6. Proof
7. Dreams, Themes & Schemes
8. Turn Me On
9. A Story From A Tram (Listen, Little Man)
10. Boo To You Too
11. Geri
12. Evil

 相変わらず、彼女の歌声はソフトできつい刺激というものはない。そして充実感あるところがいい。
 ただ今回のアルバムのコンセプトは?、実はよく解らない。しかしバックの演奏はMichal Tokaj (Keyboards)を中心に、構成はジャズ・バンドそのものである。
 アルバム・タイトル曲のM2."High & Low" は、バックにトランペット、トロンボーンが入ってギターを主力に展開する如何にもジャズらしい曲。しかしどうも心に響いてこない。旋律に美しさというもが感じないためかと思う。
 ほとんどの曲はアガ・ザリアン自身が英語で詩をつけているので・・・そのあたりを聴きこまないと・・・・。
 M4 "Paths"にはバックのサックスも歌い上げるのだが、どうも曲自身がピンとこない。
 全体に暗さはなく、むしろ弾むほうが印象深い。
 ただそんな中で後半になって、M6 "Proof"、M7."Dreams, Themes & Schemes"にそれでもキーボードと彼女の唄に美しさが感じられたことは救いであった。
   又M8."Turn Me On"、M11." Geri"はしっとりと歌い込んで不思議なムードがあり、彼女の味が出ていて、この辺りはちょっと注目される。



 とにかく、このアルバムを聴くにつけ何を期待して何に感動するのか、というポイントが見つからないのである。彼女のアルバム『UMIERA PIEKNO』(2007)は、ポーランドという国の独立するまでの苦しい時代を生きてきた女性たちの心が歌われていて、そこには悲劇と陰と力強い意志とが美しく歌われたのだが、そのイメージがあまりにも強いので、このようなよりどころのないヴォーカル・アルバムを聴くと、彼女の歌がうまいだけにちょっと逆にむなしくなる。
 

0006yls0q4em06usc122[アガ・ザリアンAga Zaryan]
 1976年、ポーランド・ワルシャワ生まれの円熟女性ジャズ・ヴォーカリスト。父はクラシック・ピアニスト、母は英語教師/作家らしい。紹介ではエラ・フィッツジェラルドとマイルス・デイヴィスを聴いてジャズに夢中になったという話がある。2002年にアルバム『My Lullaby』でデビュー。2010年のアルバム『Looking Walking, Being』(日本盤は翌年発表)は、ポーランドで最も権威にある音楽賞“フリデリク”でジャズ・コンポーザー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。スタンダードからポップス、ワールド・ミュージックのフィーリングを織り交ぜ、作品ごとに多彩な味付けがある。私の推薦盤は『Umiera Piękno』。
<Aga Zaryan  Discography>
2002 My Lullaby
2006 Picking

2007 Umiera Piękno
2010 Looking Walking, Being
2011 A Book Of Luminous Things
2013 Remembering

2018 High & Low
(評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★☆
□ 録音      : ★★★★☆
*
(視聴) 参考までにアルバム『UMIERA PIĘKNO』より"MIŁOŚĆ"

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2018年11月19日 (月)

アンナ・マリヤ・ヨペクの新作 Anna Maria Jopek 「ULOTNE幻想」

「ポーランド民族音楽への愛」からの回想か・・・・・

<Jazz>

 

Anna Maria Jopek & Branford Marsalis 「ULOTNE 幻想」
AMJ / Import / AMJ001 / 2018


Ulotne1

Jopek Anna Maria (voc)
Marsalis Branford (ts,ss)
Krzysztof Herdzin (p,arr)
Mino Cinelu (per)
Maria Pomianowska (Bilgoray suka)
Robert Kubiszyn (b)
Piotr Nazaruk (cytra)
Marcin Wasilewski (p)
Atom String Quartet

 

 近年、世界各地の音楽とミュージシャンとの共演に挑戦してきたアンナ・マリヤ・ヨペクのニューアルバム。
 これは自主製作盤といってよいものであるが、おそらく彼女の意志が大きく働いてのものと推測する。ジャケ、ブックレットもポーランド語、英語、日本語が記されている。今や日本は彼女にとっては音楽的にも最愛の国でも有り、その結果であろう。

 

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 彼女としてみれば、ポーランドから発して世界各地の民族的愛を探究してきたことより、なんとしても根本的には自己の”ポーランド民族音楽への愛”をアルバムにしたかったという究極の一枚と思われる。それにはクラリネットとか、ソプラノサキソフォンの音が欲しかったのかも知れない。その結果ソプラノ・サックスにブランフォード・マルサリスBranford Marsalis をフィーチャーしての二人名義のアルバムを完成させた。又ピアニストはクシシュトフ・ヘルジンKrzysztof Herdzin が務めているが、彼の編曲も大いに力を発揮した作品とみる。日本での人気の高いピアニストのマルチン・ヴァシレフスキMarcin Wasilewski の登場もある。更にこのアルバムへの貢献は夫のマルチン・キドリンスキMarcin Kydrynskiであることが、曲の作曲者を見ても伺える。

 

(Tracklist)
DISC 1
1. W Polu Lipenka (tradycyjny)/野に立つ菩提樹
2. W Kadzidlanskim Boru (tradycyjny/Tadeusz Sygietynski)/カジドランスキ森
3. Niepojete i Ulotne (Marcin Kydrynski)/おぼろげ
4. Patrz i Sluchaj (Anna Maria Jopek/Marcin Kydrynski)/見て、耳を澄ませて
5. Niezauwazone (Anna Maria Jopek/Marcin Kydrynski)/見過ごされしもの
6. Czekanie (Anna Maria Jopek)/待ち侘びて
7. Na Droge (Anna Maria Jopek)/旅立ち
8. Opowiesc (Krzysztof Herdzin)/物語
9. Czule Miejsce (Anna Maria Jopek/Marcin Kydrynski)/繊細な心
10. Nielojalnosc (Andrzej Zieliński/Adam Kreczmar)/移り気

DISC 2 Bonus CD
1. Pozegnanie z Maria- pamieci Tomasza Stanko (Tomasz Stanko)/マリアとの別れ
2. A Night in the Garden of Eden (Karry Kandel)/
3. To i Hola (tradycyjny)
4. Czekanie – Alternate Version (Anna Maria Jopek)/待ち侘びて

 

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           (当アルバム・ゴールド・ディスクの獲得)

 

 上に紹介したように、このアルバムはアンナ・マリア・ヨペックとブランフォード・マルサリス(Sax)のコラボレーションアルバムの型を取っていて、通常のCD にボーナスCD がついたスペシャル・エディションとなっている。
 タイトルの「ULOTNE」は、「幻想」と訳されていて、中身はスラブ民族のトラディッショナルとポーランド民族音楽にインスピレーションを受けたものからの作曲など、ヨペクの民族音楽への拘りと思い入れの曲集である。又トマシュ・スタンコを追悼して、2年前に共演し、レコーディングされた楽曲「マリアとの別れ」もボーナス盤に収録されていた。

Na こんな事からして、彼女のキーバのゴンザロとの前作『Minione』(Universal Music Poland/2017→)とは全く趣向の異なった作品で、我々日本人からしても馴染みのない民族音楽に若干戸惑うのである。音楽ジャンルもこれというものでなく色々なタイプが混在し、文化の多様性を集約している作品として受け取れる。そんなところから、一般的ジャズ・アルバムとは性質を異にして、マルサリスの美しく歌いあげるソプラノ・サックスや、ピアノの音もそれぞれ美しいのだが、如何せん私の聴く立場としてスラブ民族音楽旋律を理解してついて行くことが出来ず、又肝心のヨペクのヴォーカルも情緒たっぷり引きつけるところがあり、高音部への歌いあげなどかなりの技能を発揮してはいるが、今回は私の鑑賞能力に無理があり、理解が追いつかず聴くに大きな感動というものには巡り会えなかった。

 

 まあこうしたアルバムは、ヨペクのようにジャズ・ヴォーカリストとして一定の評価を勝ち取ったものとして、彼女の今だから出来る事としての「拘り」として、ポーランドにおける一つの自己の世界の格調を高めたものとして作られた感がある。従って若干自己満足的なニュアンスもあり、一般ジャズ愛好家に広く愛着あるアルバム作りをしたというものではないと思う。もともと過去の彼女のアルバムにはこうしたトラッドものが顔を出していたのは事実で、その拘りは感ずるが・・・・・ここまで迫られると芸術性が高くなった分、ちょっと難物となった。

 

参考)
62557_444917708535_5510521_n<ブランフォード・マルサリスBraford Marsalis>  (ネットにみる紹介)
  1960年8月26日、ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。教育者エリスを父に持つ音楽一家に育ち、4歳でピアノ、小学校でクラリネット、15歳でアルト・サックスを演奏。父親が教鞭を執るニューオリンズの芸術専門学校と、ボストンのバークリー音楽大学に学び、’80年にクラーク・テリー・ビッグ・バンドでプロ・デビューした。’81年には、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズと、実弟ウィントンのグループに加入。’83年に、故ケニー・カークランドやジェフ・ワッツらと初リーダー作『シーンズ・イン・ザ・シティ』を発表し頭角を現した。以後、『ロイヤル・ガーデン・ブルース』『ルネッサンス』などの話題作を出す一方、マイルス・デイヴィス・グループでも活動し、『デコイ』の録音に参加。’85年にスティングの『ブルー・タートルの夢』に加わると、ツアー・メンバーとしても後援し、’88年には同バンドの一員として来日した。
 ’92年のアルバム『ブルース・ウォーク』で、グラミーの「最優秀器楽ジャズ・グループ賞」を受賞。’00年は、ピアノにジョーイ・カルデラッツォを迎えたカルテットによる『コンテンポラリー・ジャズ』で3つ目のグラミーを獲得。それに並行し、オルフェウス室内管弦楽団との近代フランス音楽集『クリエイション~20世紀フランス音楽作品集』もリリースし、ジャズ以外の舞台にも成果を残してきた。カルテットによる最近作は、『ブラッグタウン』と『メタモルフォーゼン』で、共に世界的なヒットになった。

 

(評価)
□ 曲  :  ★★★★☆
□ 演奏 : ★★★★☆
□ 録音 : ★★★★☆

 

(視聴)

 

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2018年10月 3日 (水)

マルチン・ボシレフスキMarcin Wasilewski Trio 「Live」

抒情派の真髄と、圧巻の迫真プレイで迫る熱演が聴ける

<Jazz>
Marcin Wasilewski Trio 「Live」
ECM / Germ / ECM 2592 6738486 / 2018

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Marcin Wasilewski (piano)
Sławomir Kurkiewicz (double bass)
Michał Miśkiewicz (drums)

 Recorded Aug. 2016 at Jazz Middelheim, Antwerp

Marcinsolo_imgwjpg ポーランドの人気ピアニスト:マルチン・ボシレフスキMarcin Wasilewski (1975年ポーランドのスワヴノ生まれ)の、今回もレギュラー・トリオによる、2016年8月ベルギーのジャズ祭でのライヴ収録盤。もともとシンプル・アコースティック・トリオ(私は1995年アルバム『Komeda』(その後『Lullaby for Rosemary』に変わる)以来ファンである)で注目され、その後も不動のメンバーで、自己名義トリオに名を変えての活動が続いている。
 哀愁の抒情派ピアノを演じ、一方ではかなりの躍動的な展開をみせるこのトリオは、取り敢えずは注目株で、ニュー・アルバムは何時も待望しているところだ。

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(Tracklist)
1. Spark Of Life / Sudovian Dance [Live]
2. Message In A Bottle (Sting)[Live]
3. Three Reflections [Live]
4. Night Train To You [Live]
5. Austin [Live]
6. Actual Proof (Sting)[Live]

Sparkoflife さて、このアルバムのM2、M6以外は、Marcin Wasilewski のオリジナル曲だが、2014年のアルバム『Spark Of Life』ECM/ECM2400/2014)(→)でお目見えした曲M1、M3、M5が演奏されている。ただ2016年のライブ録音で有り、当初のアルバムにみるスタジオ録音盤との違いというか発展形というか、そのあたりが興味の持たれるところである。
 M1."Spark Of Life "、"M5." Austin "は、スタジオ・アルバム同様抒情的にしてメロディーも優しく心に染み込んでくる。これぞマルチン・ボシレフスキと言いたくなるところだ。

Faithful しかし思うに今回の目玉はM4. "Night Train To You"の圧巻のプレイだ。この曲は2011年のアルバム『Faithful』 (ECM/ECM2208/2011)(→)に登場した曲だ。成る程これがライブの醍醐味でもある。 とにかくこの14分に及ぼうとする迫真のプレイは凄い。ボシレフスキ(p)の集中力でアドリブが尽きること無く演じきる熱演に痺れる。しかもそれを支えるリズム隊の挑戦的アプローチによる攻撃的プレイが一層この展開に凄みを加味して迫ってくる。ベースの途切れること無く流れるようなプレイ、ドラムスはかってのスタジオ盤よりは録音の締める位置も高く楽しめる。しかもその3者のプレイに何故か美しさが秘められていて感心するのである。こうゆう演奏をECMがリリースするのは珍しいと思うが、中にちゃんと”Album produced by Manfred Eicher”と記されていて、Eicherご承認の演奏というところにあるとみる。

 ポーランドのジャズに限らずあらゆる分野の音楽レベルの高さは何時も感心するところだが、20歳代でデビューしたこのトリオは確実に発展・進歩しているところが嬉しい。ヨーロッパ耽美系らしい叙情性が満ちたところと、スリリングなトリオ格闘が聴けるこのトリオは貴重だ。
 さてさて次なるスタジオ・ニュー・アルバムに益々期待が持たれるところだ。

(評価)
□ 演奏 ★★★★★☆
□ 録音 ★★★★☆

(My Image Photo)  2018 Autumn

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Sony ILCE-7M3,  Zeiss Vario-Tessar Fe 4/16-35 ZA OSS, PL

(視聴)

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2018年7月10日 (火)

ヤスクウケ・セクステットJaskułke Sextet 「Komeda Recomposed」

プログレッシブな~格好いいジャズだ!!

<Jazz>
Jaskułke Sextet 「Komeda Recomposed」
CORE PORT / JPN /RPOZ-10041 / 2018

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スワヴェク・ヤスクスケSławek Jaskułke  (作曲、グランドピアノ、アップライトピアノ)
エミル・ミシュクEmil Miszk (トランペット、フリューゲルホルン)
ピョトル・ヘンツキPiotr Chęcki (テナー・サックス)
ミハウ・チェシェルスキMichał Jan Ciesielski(アルト・サックス)
ピョトル・クワコフスキPiotr Kułakowski (ベース)
ロマン・シレファルスキRoman Ślefrarski (ドラムス)

 上のアルバムの演奏メンバーを見て解るとおりセクステットなのだ。ピアノ・トリオ+トランペット、テナー・サックス、アルト・サックスという珍しいタイプ。とにかく私の好きな編成じゃないのだが、聴いてみると結構格好いいジャズを展開している。

Komeda ポーランドが舞台のジャズの話題となると、なんだかんだ言っても、ポーランド・ジャズ史上最高の作曲家クシシュトフ・コメダ(Krzysztof Komeda:1931-1969)(→)と言うことになる。

 そのコメダの曲を楽しませてくれたのは過去にも取りあげたMarcin WasilewskiのSimple AcousticTrio(『Lullaby for Rosemary』(2001))やNBS Trio(『Plays KOMEDA(2010)) とかLeszek Moźdźer(『Komeda』(2011))ですね、そうそうKomeda Project(『Crazy girl』(2006))もあった。

01tr そしてここに又ポーランドの人気ピアニストのスワヴェク・ヤスクウケSławek Jaskułke(←)  によってのコメダの登場となったのだ。
 しかし・・・・それが安易にコメダの美メロディーということに期待したら、なんと一発食らうのは間違いない。ポーランドのジャズとなると今やオラシオ氏の登場となるが、彼のライナー・ノーツを見ても、これは「カヴァー・アルバム」じゃないと強調している。難しい話だが、コメダの名曲を文字通りアルバム・タイトルにある”Re-Composed”つまり”再構築”するという斬新と言えば斬新な内容。まあ原曲はそう多く私は知っているわけでは無いので、完全にここではヤスクウケのオリジナル曲に近い。

(Tracklist)
1. KATO(「Astigmatic」(1965)収録Kattoma、その他より)
2. OXIS
3. NASTIC
4. CRAZY(映画「水の中のナイフ」収録曲Crazy Girl、その他より)
5. SVANTE(「Astigmatic」(1965)収録Svantetic、その他より)
6. ETIC(SVANTEのPart2)
7. SZARO(Szara Koledaより)
8. EPILOG

  こうして見ると、あの名作と言われるコメダ・クインテットのアルバム『Astigmatic』(1965)とか、映画ロマン・ポランスキ監督の『水の中のナイフ』の曲”Crazy Girl”あたりが注目点なんですね。素人っぽい私から見ると”ローズマリーの赤ちゃん”などが最右翼なんだがちょっと違う。
 そして曲はその曲をただなぞるという手法で無く、その血となる部分、骨となる部分をヤスクウスケ流に構築し直してのコメダ独特の短いリフが複数のコメダ曲から取り出して組み上げる手法で、まさに彼自身の曲として再構築されている。成る程これが「Recomposed」という事なんだと解る。

 セクステットのメンバーは結構若くて、これが又ロックとジャズといったジャンルに拘らない世界のコンテンポラリー・ジャズを演じて、流れは静寂性を描いたり、ダイナミックなパワーを見せつけたり、この絶妙にコントロールされた両極の世界はとにかく格好いいのです。特にピアノの流れとドラムスの迫力のリズム(ジャズでも時にはこれだけ叩くのも有りだ)は聴きどころ。不思議な世界を頭に描かせる冒頭のM1." KATO"が典型。
 又ピアノとトランペット、サックスとのインタープレイも奥深い。
 アルバムを通してM1." KATO"からM8. "EPILOG"までで起承転結がきちっと出来ているところもお見事。
  ヤスクウケのピアノがこうしてコメダを自己表現の世界に引っ張り込んだでの新しいジャズ・シーンに打って出た格好で、いやはや驚きのポーランド・ジャズだ。

[スワヴェク・ヤスクスケSławek Jaskułke] 
 1979年1月2日生まれ、ポーランド・プツク出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー。名門カトヴィツェ音楽大学へ進むも退学し、2年間欧州の各地を放浪しながら音楽を演奏。ポーランドへ戻るとサックス奏者のズビグニェフ・ナミスウォフスキに見出され、プロキャリアをスタート。自身のピアノ・トリオやショパンのカヴァー・プロジェクトなど、多彩な活動を展開。かつてはポーランドの人気パンク・ジャズ・ユニット、ピンク・フロイトでの活動経験も。映画音楽やモダン・クラシカルの仕事にも関与。2002年の初リーダー作以来、10枚以上の作品を発表。2017年にピアノ・ソロ作『夢の中へ』(原題:SENNE)をリリース。(ネットに見る紹介内容)

(評価)

□ 演奏・曲  ★★★★★☆
□ 録音    ★★★★★☆

(参考視聴)

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2018年4月30日 (月)

ポーランドのマテウス・パルゼクMateusz Pałka Trio「SANSA」

[My Photo Album (瞬光残像)]  Spring/2018

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(Nikon D800 / 90mm / 22,Apr.2018)

ポーランドの若きトリオによる現代感覚の思索的世界

<Jazz>
Mateusz Pałka Trio「SANSA」
EMME RECORDS / POL / ERL1704 / 2017

Sansaw

Mateusz Pałka(p)
Piotr Południak(b)
Patryk Dobosz (ds)
Recorded at RecPublica Studios Lubrza, Feb 24-25, 2017

 このアルバム、つい昨年末にリリースされたものだが、どうも思い出せないのが、このポーランドの若きトリオ・アルバムをどうして購入したか?って事なんです。私の一つの興味はポーランドの音楽事情なだが、ジャズばかりでなくロック畑でもなかなかのものに逢える。そんな中でこのアルバムの接点が何であったのか・・・・?、いずれにしても味のある価値あるアルバムにお目にかかったものだ。
 このトリオは、ポーランド南部にある歴史情緒ある町クラクフ出身の新世代ピアニスト、マテウス・パルゼクMateusz Pałka(1993年生まれ)率いるトリオで、これは記念すべきデビュー作だ。若き彼らにしては、なんか意外にも円熟感すら感ずる思索的で叙情性をもったピアノトリオ作品なのである。
 (参考)このクラクフKrakówの町はポーランド王国の首都、中央ヨーロッパの文化の中心地であったところ。ポーランドは第二次世界大戦では壊滅的な打撃を受けたのだが、ここにドイツ軍の司令部が置かれていたため、戦災を逃れた都市。ポーランドの京都みたいなところ。欧州では私の好きな町の一つ。

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(Tracklist)
1.  Godbye Truth And Consequences *
2.  This Is Not A Time For A Barber *
3.  Sansa *
4.  Maia *
5.  I Love You (C.Porter)
6.  Hungry Young Rabbit *
7.  Mantra (P.Poludniak)
8.  Little Gold Man *
9.  Eleven *
      ( *印 Written by Mateusz Pałka)

 主たる曲群はマテウス・パルゼクのオリジナル曲であるが、ただ抒情的メロディーに流れるので無く、現代的なセンスに溢れたアグレッシブな因子に支えられた中での如何にも思索的な世界を築いている。
 聴いていると、あっと言う間に収録51分が流れてしまう。それは展開の変化が複雑なので飽きないのだ。そしてピアノ・トリオといえどもドラムスは奥に引っ込んでいるのでなく、見事に対等に演じている。M6."Hungry Young Rabbit"は展開も早くドラムスの威勢も良いのだが、不思議に聴きやすい。そしていつの間にかピアノがリズムを築く展開へという変化がうまいのだ。
 イタリア的なしっとり感の抒情性と異なって、やや乾いた味の旋律やリズムが抒情的なのである。そしてそこが新鮮なのだ。
 過去のものに捕らわれない自己の道を突き進んでいるようで、そこが若さなのであろうが、曲の出来は見事で新鮮にして革新的であるも、なんとそこには円熟感すら感じてしまう。
 M9.  "Eleven"は、最も静寂感あるところからスタートするが、ピアノの音が美しく響き、三者の音の間のとり方もそれぞれが 築くところがうまく融合して快感の出来。アルバム・タイトル曲のM3. " Sansa"が思索的で出色。
 これからも注目株のトリオである。

(評価)
□ 曲・・演奏:  ★★★★☆
□ 録音    : ★★★★☆

(視聴)

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2018年4月15日 (日)

ポーランド・ジャズ・コンピレーション盤「POLISH LYRICISM」

[My Photo Album (瞬光残像)]  四月の高原

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「融雪の時」・・・・・ No4

ポーランドのリリシズムを追って・・・・・・

<Jazz,  Contemporary Classical>
「POLISH LYRICISM」
CORE PORT/ JPN / RPOZ-10040 / 2018

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Tomasz Mrenca 、 Adam Kowalewski feat.Piotr Wylezol 、 Babooshki 、 Slawek Jaskulke Trio 、 Early Birds 、 Sebastian Zawadzki、 Krzysztof Herdzin、 Paweł Kaczmarczyk

 ポーランド・ジャズといえば、その道を極めんと奮戦しているのは、オラシオ(白尾嘉規)氏ですね。ポーランド・ジャズ界から彼の選曲により先般コンピレーション・アルバム『ポーランド・ピアニズム』(RPOZ-10037)がリリースされ喜んだのだが、ここに来て続いて第2弾の登場だ。
 今回はリリシズム・抒情美が味わえるトラッドやクラシックをベースとしたポーランド・ジャズ音楽を特集している。ポーランド独特の魅力をリリシズムというテーマで一歩深めた作品とみて良いだろう。ジャケ(↑)もなかなか印象深い代物。

(Tracklist)

1 トマシュ・ムレニツァ/ランドスケイプ
Tomasz Mreńca / Landscape
(Tomasz Mreńca) from "Land" album PC 2016 For Tune
*Tomasz Mreńca (vln, synth)

2 アダム・コヴァレフスキ feat.ピョトル・ヴィレジョウ/ララバイ・フォー・ユー
Adam Kowalewski feat.Piotr Wyleżoł / Lullaby For You
(Adam Kowalewski) from "For You" album PC2013 Hevhetia
*Adam Kowalewski (b), Piotr Wyleżoł (p)

3 バブーシュキ/ジャリ・モイ、ジャリ
Babooshki / Żali Moji, Żali
(Trad; Karolina Beimcik, Dana Vynnytska, Michał Jaros) from "VESNA" album PC2013 Multikulti Project
*Karolina Beimcik (vo, vln), Dana Vynnytska (vo), Jam Smoczyński (p), Michał Jaros (b), Dima Gorelik (g), Bogusz Wekka (perc)

4 ヤスクウケ・トリヨ/チリ・スピリット
Jaskułke 3yo / Chili Spirit
(Sławek Jaskułke) from "SUGARFREE" album PC 2003 Sławek Jaskułke
*Sławek Jaskułke (p), Krzysztof Pacan (b), Krzysztof Dziedzic (b)

5 アーリー・バーズ/ニェ・モジュナ・ザビチ・ミウォシチ
Early Birds / Nie Można Zabić Miłości
(Martyna Kwolek / fragment wiersza Odłamałam gałaź miłości Haliny Poświatowskiej) from "Świt" album PC 2017 Hevhetia
*Martyna Kwolek (vo), Marcin Pater (vib), Mateusz Szewczyk (b), Patryk Zakrzewski (perc), Piotr Budniak (ds), Marta Fedyniszyn i Gabriela Szymańska (back vo)

6 セバスティアン・ザヴァツキ/エクリプス・オブ・シャドウズ
Sebastian Zawadzki / Eclipse Of Shadows
(Sebastian Zawadzki) from "Luminescence" album PC2014 For Tune
*Sebastian Zawadzki (p)

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7 クシシュトフ・ヘルヂン/07ズグウォシ・シェン
Krzysztof Herdzin / 07 Zgłoś Się
(Włodzimierz Korcz) from "Seriale Seriale" album PC1998 Krzysztof Herdzin
*Krzysztof Herdzin (p, arr), Mariusz Bogdanowicz (b), Piotr Biskupski (ds), Krzysztof Bzówka (vln), Józef Kolinek (vln), Andrzej Staniewicz (vln), Robert Dąbrowski (vln), Piotr Reichert (viola), Jan Kuta (cello)
 (Krzysztof Herdzin →)

8 パヴェウ・カチュマルチク・オーディオフィーリング・トリオ&ミスター・クライム/インヴィテイション
Paweł Kaczmarczyk Audiofeeling Trio & Mr. Krime / Invitation
(Bronislaw Kaper) from " VARS & KAPER deconstructiON " album PC2016 Hevhetia
*Paweł Kaczmarczyk (p), Maciej Adamczak (b), Dawid Fortuna (ds), Mr.Krime – Wojciech Długosz – (turntablism & electronics)

9 スタニスワフ・スウォヴィンスキ・セクステット/ライフタイム
Stanisław Słowiński Sextet / Lifetime
(Stanisław Słowiński) from "Visions / Between Love and Death" album PC2017 Hevhetia
*Stanisław Słowiński (vln), Zbyszek Szwajdych (tp), Szymon Mika (g), Kuba Płużek (p), Justin Małodoby (b), Dawid Fortuna (perc)

10 スフェア/ブルゴーニュ
Sphere / Burgundy
(Ania Rybacka) from "Synesthesia" album PC 2014 Hevhetia
*Ania Rybacka (vo), Marek Kadziela (g), Kuba Dybżyński (cl)

             - - - - - - - - - -

▶▶
 上記のように全10曲、なかなか中身はジャズの色づけはあるのだが、ピアノ・トリオ、女性ヴォーカル、トラッド、クラシック・ベースの演奏、弦楽6重奏の味付けなどと多岐に渡って多彩だ。ポーランドの民族的な感覚を大事にしているといった選曲。

 M1.Tomasz Mreńca ."Landscape"はアンビエントもの、ちょっとピンと来ないのだが・・・、まあアルバムとしては、次に来たるモノを期待させるには面白いオープニング。
 M2.Adam Kowalewski feat.Piotr Wyleżoł "Lullaby For You"は、ベーシストのコヴァレフスキのピアニスト・ヴィレジョウとのデュオ作品。ベースが結構重く響いてくるが、ピアノがリリカルだ。
 M3.Babooshki "Żali Moji, Żali" 女性ヴォーカルによる民謡ベースのローカル・ムード。
 M5.Early Birds "Nie Można Zabić Miłości" 女性ヴォーカルものでファンタジックな世界。
 M6.Sebastian Zawadzki "Eclipse Of Shadows" クラシック・ピアノ・ソロの世界
 M7.Krzysztof Herdzin"07 Zgłoś Się" 美しさと優しさでは出色。なんとピアノ・トリオと弦楽6重奏の合体。まさにピアノは抒情的そのもの。
Pawel_kaczmarczykw  M8.Paweł Kaczmarczyk Audiofeeling Trio & Mr. Krime " Invitation" これは驚きのピアノ・トリオ+エレクトロニクスといった前衛的なユニットの作品。(Paweł Kaczmarczyk →)

 やっぱりなぁ~~と思わせるのはポーランド命のオラシオ氏の選曲。それはリリカルな世界を描こうとしているのは解るが、ジャズ・ファンとしてはその凝り過ぎにむしろ不満も少々というところ。
 前作の『POLISH PIANISM』もそうだつたが、ポーランドを描こうとしてどうしても”トラッドをリリカルに”に焦点を当てすぎである。その為ジャズの面白さがむしろ後退しては居ないだろうか?、そんな疑問を持ちながらも、まあこのようなアルバムをリリースしてくれたことには喜びもある。なんと言っても一聴には値する。私的にはM7.クリシュトフ・ヘルヂン(Anna Maria Jopekのヴォーカルのバックも務めている)、M8.パヴェウ・カチュマルチクが大推薦。

(評価)
□ 演奏 ★★★★☆
□ 録音 ★★★★☆

(参考視聴)  ① Krzysztof Herdzin Trio

               *          *

         ② Paweł Kaczmarczyk Audiofeeling Trio

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2018年1月 1日 (月)

謹賀新年   波蘭ジャズ=ピアノ・コンビレーション・アルバム「POLISH PIANISM」

 明けましてお目出度う御座います
 今年もよろしくお願いします       2018年元旦


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                             (Mt. Asama)
                  *          *          *          *


波瀾ジャズ=更なる
発展期待のアルバムの登場だ!

<Jazz>
「POLISH PIANISM」
CORE PORT / RPOZ-10037 / Japan

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Mozdzer = Danielsson = Fresco,  Franciszek Raczkowski Trio,  Slawek Jaskulke Trio, Piotr Wylezol,  Hania Rani & Dobrawa Czocher,   Simple Acoustic Trio,   Sebastian Zawadzki Trio & Strings

  いずれそんな時が来るのでは・・・と、期待を込めながら待っていたアルバムの登場だ。ここれはポーランドのピアノを中心としたジャズ演奏陣のコンピレーションもの。
 このポーランドと言えば、2012年に旅行したことがあるのだが、とにかくクラシックは当然としてロック、ジャズをはじめ音楽というモノ全体を非常に愛して居る国民によって、重みのある長い歴史を乗り越えてきた新しい時代の国作りが行われいる国だ。
 又あのショパンの国だけあって、あらゆる音楽にその基礎には”音楽という学問”がきちんと備わっている印象を受けるのである。多分想像するに、国民の教育には音楽の価値感をしっかり幼少時からたたき込んでいるのではないかと思うのである。
 そんなところからも、ロックにおいてもプログレッシブ・タイプが好まれているし、ジャズにおいても美しいリリカルな旋律を聴かしながらも、新しいところにアプローチしていく姿が感じ取れる。しかも歴史的トラッド的ミュージックの尊重の姿もしっかり備わっているのだ。
 そんなところから、新年の第一号のアルバムとしては、これだと満を持して登場させる。

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                                         (Kraków(Poland)にて 2012年筆者撮影)

 このアルバムは、そんなところを背景にこのジャンルに於いて今や追従を許さないオラシオ氏が選曲して作り上げたものだ。その結果下に全てを記すが、今やポーランドに限らすユーロ圏そして世界に支持者のいるミュージシャンの集合となった。
 かってのポーランド・ジャズ界での功労者クリシュトフ・コメダを思い起こすわけだが、今日に於いては、その流れをしっかりと発展させているレシェク・モジジェル、マルチン・ヴァシレフスキなどが、ここにも登場して楽しませてくれる。

  さてオラシオ氏の選曲だが、このアルバム製作に於いて彼の意気込みはかなりのものであったかと理解は出来るが、ちょっとポーランドのミュージシャンの芸術性に少々懲りすぎた感はぬぐえない。まあそんなところで、少々力が入りすぎたか?、このアルバムは非常に奥深く聴き応えは十分ではあるが、ちょっとゆとりを持って、ポーランドの親近感を増す為にも、もうちょっとポピュラーなイジーリスニング的な面も盛り込んでは良かったのではと、ふと思う。例えばコメダものであれば、Simple Acoustic TrioかLeszek Możdżerの”Sleep Safe a Warm (ローズマリーの赤ちゃん)”とか。
 そうは言っても、私のように特にジャズにおいてはユーロ系のリリカルな世界を好む人間にとっては、ポーランドというのは当然その対象として重要で有り、こうしたアルバムが登場したことは、極めて歓喜に値すると評価してしまうのである。

(Tracklist)

Leszek_mozdzerw1 モジジェル=ダニエルソン=フレスコ/「サファーリング」
Możdżer - Danielsson – Fresco / 「Suffering」
(Lars Danielsson) from "THE TIME" album P C 2005 Leszek Możdżerc
# Leszek Możdżer (p), Lars Danielsson (b), Zohar Fresco (perc)

2 フランチシェク・ラチュコフスキ・トリオ/「5/8」
Franciszek Raczkowski Trio / 「 5/8」
(Franciszek Raczkowski) from "Apperentice" album PC2015 for tune
# Franciszek Raczkowski (p), Paweł Wszołek (b), Piotr Budniak (ds)


Slawekjaskulke2trw_23 スワヴェク・ヤスクウケ・トリオ/「メアリ」
Sławek Jaskułke Trio / 「Mary」
(Sławek Jaskułke) from "ON" album PC2015 Sławek Jaskułke
# Sławek Jaskułke (p), Max Mucha (b), Krzysztof Dziedzic (ds)

4 ピョトル・ヴィレジョウ/「ホワイト・ウォーター」
Piotr Wyleżoł / 「White Water」
(Piotr Wyleżoł) from "Improludes" album P C 2014 Hevhetia
# Piotr Wyleżoł (p)

5 ハニャ・ラニ&ドブラヴァ・チョヘル/「レプブリカ・マジェニ」
Hania Rani & Dobrawa Czocher / 「Republika Marzeń」
(Grzegorz Ciechowski, Zbigniew Krzywański) from "Biała Flaga" album P C 2015 MyMusic
# Hania Rani (p), Dobrawa Czocher (cello)


Marcinw6 シンプル・アコースティック・トリオ/「シンプル・ジャングル」
Simple Acoustic Trio / 「Simple Jungle」
(Marcin Wasilewski) from "Habanera" album PC 2000 Marcin Wasilewski
# Marcin Wasilewski (p), Sławomir Kurkiewicz (b), Michał Miśkiewicz (ds)

7 セバスティアン・ザヴァツキ・トリオ&ストリングズ/「ズヴウォカ」
Sebastian Zawadzki Trio & Strings / 「Zwłoka」
(Sebastian Zawadzki) from "Euphony" album PC2015 for tune
# Sebastian Zawadzki (p), Sofie Meyer (1st vln), Polyxeni Zavitsanou (1st vln), Kalina Wasilewska (2nd vln), Susan Bregston (viola), Valeriya Sholokova (cello), Johannes Vaht (b), Morten Lund (ds)

1tubisw8 トゥビス・トリオ/「シェデム・シェデム」
Tubis Trio / 「Siedem Siedem」
(Maciej Tubis) from "Live in Luxembourg" album PC2008 Maciej Tubis
# Maciej Tubis (p), Marcin Lamch (b), Przemek Pacan (ds)


9 レシェク・クワコフスキ/「プションシニチュカ」
Leszek Kułakowski / 「Prząśniczka」
(Stanisław Moniuszko) from "Katharsis" album PC1999 Leszek Kułakowski
# Leszek Kułakowski (p), Jacek Niedziela (b), Marcin Jahr (ds), Paweł Kukliński (1st vln), Jakub Rabizo (2nd vln), Błażej Maliszewski (viola), Tadeusz Samerek (cello)


Michaltoajw10 ミハウ・トカイ・トリオ/「ザ・サイン」
Michał Tokaj Trio / 「The Sign」
(Michał Tokaj) from "the sign" album P C 2014 Hevhetia
# Michał Tokaj (p), Michał Barański (b), Łukasz Żyta (ds)

11 スワヴェク・ヤスクウケwithハンセアティカ・チェンバー・オーケストラ/「バイ・ゾポト」
Sławek Jaskułke with Hanseatica Chamber Orchestra / 「By Zopt」
(Sławek Jaskułke) from "Fill the Harmony Philharmonics" album PC2005 Sławek Jaskułke
# Sławek Jaskułke (p), Sławomir Kurkiewicz(b), Krzysztof Dziedzic(ds), Hanseatica Chamber Orchestra

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2017年7月30日 (日)

アダム・バウデフとヘルゲ・リエン・トリオAdam Bałdych & Helge Lien Trio のニュー・アルバム「Brothers」

牧歌的な静謐とスリリングな緊張感と・・・私好み!!
 ~果たして、神への賛美の叫びか~

<Jazz>
Adam Bałdych & Helge Lien Trio 「Brothers」
ACT / Germ / ACT 9817-2 / 2017

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Adam Bałdych (vln, renaissance vln)
Helge Lien (p)
Frode Berg (b)
Per Oddvar Johansen (ds)
Tore Brunborg (sax) (M5,6,8)

Music composed and arranged by Adam Bałdych
except 7 composed by Leonard Cohen and arranged by Adam Bałdych & Helge Lien

 ヴァイオリニストのアダム・バウディフAdam Bałdych(ポーランド1986年生まれ)の新作だが、前作『Bridges』(ACT9591-2,  2015)同様にノルウェーを代表する我が愛するヘルゲ・リエン・トリオとの共作となっている。しかし曲はバウディフによるもので(レナード・コーエンの”Hallelujah”の1曲以外)、あくまでもヘルゲ・リエン・トリオはサポート役。と、言ってもヘルゲ・リエンのピアノが重要で、この音なしでは考えられない曲作りである。
 又ノルウェーのサックス奏者トーレ・ブルンボルグが3曲に参加して味付け。
 どうもバウディフの原因は解らないが亡くなった弟の為に捧げられたアルバムのようだ。そんなところからも哀感あるアルバム作りとなっている。

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(Tracklist)
1. Prelude (1:22)
2. Elegy (7:34)
3. Faith (4:52)
4. Love (6:21)
5. One (6:50)
6. Brothers (6:06)
7. Hallelujah (6:08)
8. Shadows (6:32)
9. Coda (4:21)

Adambaldych4_teaser_700x M1. ”Prelude” は、ヴァイオリンとピアノのデュオで冒頭から私が勝手に感じている北欧的な哀愁そのものだ。
 M.2. ”Elegy”の入り方はドラムスとピアノの不安なる打音でピンク・フロイド(ロジャー・ウォーターズ)流。ここでもヴァイオリンとピアノが哀感のある叙情を描き、又一方スリリングな味のヴァイオリンも登場し、懐かしのキング・クリムゾンといった雰囲気をみせる曲。ロジャー・ウォーターズの近作『is this the life we really wants? 』は、ピアノの音を重量感を引き出すに使っているが、それは感覚的には、この曲でも共通点。・・・・と、こんな具合にプログレッシブ・ロックと比較することは叱られそうだが(リエンがウォーターズのファンだと言うのでお許しを)、しかしその共通点が見いだされるところが面白い。しかし醸し出す哀感は完成度の高い曲だ。
  M3.”Faith”はピアノの美しさが前面に。M4. ” Love”の、ヴァイオリンのピッチカート奏法は意外に牧歌的というかトラッド的雰囲気を生み出すんですね。

02helgelientrio2014_lamapre M6.”Brothers”が凄い。静から動、そしてダイナミックな展開。これは単にジャズという世界に止まっていない。聴きようによってはプログレッシブなロックでもある。人一人の激動の人生を表現しているのだろうか?素晴らしい。さすがピンク・フロイド党のリエンが・・・関わっているだけのことはある。
 M7.” Hallelujah” 先頃惜しまれて亡くなったレナード・コーエンと言えばこの曲だ。彼が亡くなる直前までライブで歌い込んでいた。しかし私はこの曲の良さは知っているが、実はその唄う意味を完全に理解しているわけで無い。これ自身は”神の賛美、喜び・感謝の叫び”というのは解るが、ここに取りあげられたことから逆にその中身の深さに迫ってみたいと思ったところである。しかしこの曲も完全に彼らのこのアルバムのモノに昇華している。
 M8.“Shadows”の、ヴァイオリンとサックスが、このように美しく重なり合っての演奏は発聴きだ。
 M9.”Coda”ヴァイオリンそしてピアノの調べは如何にも哀愁感たっぷり。

 実はこのアルバム、購入に若干ビビッていたのだが、Suzuckさんが絶賛しているので、これはと言うところで手にしたモノ。なんとそれは正解で、全編ムダな曲が無く完璧なコンセプト・アルバム。傑作だ。

(参考視聴) Adam Bałdych とHelge Lien Trio の共演(当アルバムとは別)

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