ラーシュ・ダニエルソン

2016年10月 1日 (土)

秋=レシェック・モジュジェル Leszek Możdżer の硬質・透明感のピアノ

ショパンから始まったモジュジェルのジャズ・ピアノ

 今年の天候の変化は例年にはない様相を示す事が多かったが、そうは言ってもやっぱり10月の声を聞くと風情は「秋」ですね。
 そんな秋に覗いた好天は、やっぱり澄んだ青空である。そんな秋には透明感抜群のピアノの調べがいかにもお似合いというところで・・・・思い起こすのはジャズ畑では、ポーランドのレシェック・モジュジェルLeszk Możdżerですね。彼はショパンのジャズ化を成し遂げた(アルバム「Chopin - impressions 」1994年)。

Leszek_mozdzer_www_2
 ジャズ・ピアノと一口に言っても、演者による音の質の違いは多種多様。同じピアノといってもこれほど音が違うのかと思うと凄い。中でも冷たく硬質にして透明というところでは、このレシェック・モジュジェルがナンバー1だろうと思う。暖かいピアノの音というのはよく私には解らないのだが、この硬質にして冷たいと思われるほどの透明感というのが実は私は好きなんです。

P9271737trw そして不思議に私の愛用している40年以上前のエレクトロヴォイスのスピーカー( EV SP-15A,  エンクロージュアE-15II)が、この空気の乾燥してきた秋になると気のせいか彼のピアノを良く響かせてくれるんですね。
 もともとスピーカーから出す最も難しい音というのがピアノの音と言われるところで、これが上手く鳴れば名スピーカーと言って良いらしい。まあ私のものはそこまでは当然ゆくことはないのだが、秋はどうした訳か、このスピーカーとしてはベストな音を出してくれるのです。

Piano■ <Jazz> 
Leszk Możdżer 「piano」
OUTSIDE MUSIC / EU / OM CD 005 / 2009


 余談はさておき、彼の関係したアルバムは、このブログでもいろいろと過去に取りあげてきたのであるが、私の持ち物の中では、この彼の2004年のソロ・アルバム『pianoピアノ』で彼の持ち味は十分堪能させられた。
 このアルバムは収録12曲中7曲は彼のオリジナル曲で締められており、それはメロディアスで聴き慣れた曲で無いために若干取っつきにくかった。
 それも彼のLars Danielssonとの共演ものなどのように、実にメロディアスであり叙情性にも富んでいて聴き惚れてしまうのだが、それとは相対している為というところによるのだと思う。

 しかし彼のソロといえば何時ぞやここで取りあげた『コメダKomeda』(ACT /Germany / ACT9516 / 2011  (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/leszek-moder-06.html )が良いですね。あれは最高です。私の好きな”Sleep Safe and Warm ローズマリーの赤ちゃん”が演じられているという事だけでなく全体に好きですね。お勧め品。

61rsaqo■ <Jazz>
Możdżer  Danielsson  Fresco  
「THE TIME」
OUTSIDE MUSIC / OM CD001 / 2005

 このアルバムはモジュジェルのLars Danielsson (Cello ,Bass) と、 Zohar Fresco(Percussion, Vocal) とのトリオもの。もう10年も前のアルバムであり、このトリオとしては、この後に『Between Us And The Light』(2006)、『Polska』(2013)の2作がリリースされている。
 私の場合この2005年の『THE TIME』は、2014年に3作目の『Polska』を聴いてから逆にこの不思議なトリオの原点を知りたくなって後から手に入れ聴いたものだ。しかしその結果は、素晴らしさに感動したもので、従ってここに取りあげているという次第。(私にとってはアルバム『Polska』よりは愛着のあるものとなっている)
  曲は下記のとおりで、殆どモジュジェルとダニエルソンのオリジナル。

1. Asta +
2. Incognitor * 
3. Sortorello
4. Tsunami *
5. The Time * #
6. Asta II +
7. Easy Money *
8. Smells Like Teen Spirit
9. Svantetic
10. Suffering +
11. Trip To Bexbach *
12. Asta III +
13. Suffering +

(*印:Możdżer, +印:Danielsson, #印:Fresco)

 『Polska』については、私から見るとどうも異なる三者の不思議な異色トリオ作として捉えたわけだが(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/polska.html )、
  こちらのこのトリオのオリジナル・アルバム『THE TIME』も決して並の世界で無い。やはりその醸し出すムードは異色である。しかしそこにはなんの抵抗もなく自然とその世界に溶け込んで行く魅力のある曲群で占められていて、このトリオものの中では一番好きなアルバム。それはどうもトラッドをベースにした曲展開で、どこか郷愁を誘ってきて、それは我々日本人にも伝わってくるのではないか。
 もともとLars Danielsson はスウェーデンのベース&チェロ奏者、作曲家で、どちらかというと甘いメロディーで取っつきやすい。ACTレーベルからの彼の作品はどれもなかなか素晴らしい。そしてスウェーデン、ポーランドと、いったところからモジュジェルとの関係は不思議なことでは無い。
 ところがパーカッションのイスラエルのZohar Frescoとの関係が、どうしてこうなったのか解らない(過去に映画のサントラでモジュジェルは共演したらしいが・・・)。彼の強烈な個性が中近東風の異国ムードを作り上げ、このトリオの特徴となっていることは間違いない。しかしそこにモジュジェルの硬質で澄んだピアノの音が、従来のユーロ系のピアノ・トリオと違った世界を構築して面白いのである。

(参考1)Możdżer  Danielsson  Fresco のライブ映像を見ると、Możdżerは、ピアノはジャズ・ミュージシャンに多いSteinway & SonsでなくYAMAHAを使ってますね。

(参考2=Leszek Możdżer - Discography)
Chopin - impressions (1994)
Talk to JesusJazz Forum (1996)
Facing the Wind,  (1996)
Chopin Demain-Impressions (1999)
Makowicz vs Możdżer,  (2004)
Piano (2004)
Możdżer, Danielsson, Fresco – The Time,  (2005)
Możdżer, Danielsson, Fresco – Between Us And The Light,  (2006)
Pasodoble ,  (2007)
Firebird V11,  (2008)
Kaczmarek by Możdżer (2010)
Komeda (2011)
Możdżer, Danielsson, Fresco – Polska (2013)

(試聴)Możdżer Danielsson Fresco

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2015年2月 9日 (月)

あのカルテットの第2弾~ラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson「Liberetto Ⅱ」

       <My Photo Album 瞬光残像= 南イタリア編>

Dsc01151monows

タオルミーナTaorminaにてイオニア海を望む(南イタリア・シチリア島)
 タオルミーナという地は、ダイビングに魅せられた男たちを描いた映画「グランブルー」の舞台の街で、マリンブルーの海と背景にはシチリアの最も高い活火山エトナ山があってリゾート地として有名になったところ。温暖な気候で冬でもハイビスカスなどの花が咲くなど、さらにここを人気の地にしている。ここにも紀元前3世紀といわれるギリシャの遺跡が残っている。
                                       (photo  2014.12)

                  *    *    *    * 

   <Jazz>
     Lars Danielsson 「Liberetto II」
     ACT / Germany / 9571-2 / 2014

Liberetto2

Lars Danielsson / bass, cello, piano (on 01),piano melody (on 03 & 09)
Tigran / piano, fender rhodes
John Parricelli / guitar
Magnus Öström / drums, percussion, electronics


Special Guests:
Mathias Eick / trumpet
Dominic Miller / guitar (on 01)
Cæcilie Norby / voice (on 12)
Zohar Fresco / percussion & vocals (on 09)

 北欧スウェーデンの重鎮ベーシストが3年前に結成したクァルテットの続編(第2弾)を登場させた。(参照:2012年作アルバム『Liberetto』http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/lars-danielson-.html )
  ピアノにあのティグランを再び呼び、そしてドラムスはE.S.T.のマグヌス・オストロム、ギターにドミニク・ミラー。クラシック、フォーク、トラッドの音楽の流れは今回も生きていて、そのアコースティック・サウンドは、不思議な異国の情緒を描き、郷愁を感じさせる。ゲストにマティアス・アイク(tp)など、これまたダニエルソンの流れに溶け込んで味つけが見事。

Liberetto2list Tracklistは左のように12曲。M8はティグランの曲で、M10はダニエルソンとティグランの曲、その他はすべてダニエルソンのオリジナル。
 なかなか多彩な曲が展開する。第1曲目”Grace”からトランペット、ピアノ、ギターともう郷愁感たっぷりのメロディーを交互に聴かせダニエルソンの美学が響く。そして”Passacaglia”(M2)はギターのリズムにダニエルソンのベースが追いかけるように展開して民族ダンスが目に見えるようだ。”Miniature”はアルコ奏法で異空間に誘う。M5、M6、M7は、トランペットとベースのデュオの3部曲。こんな調子でそれぞれの曲に工夫が凝らされていて、全編一曲ごとに新鮮に聴こえてくる。

Ld3 なんと言っても、ダニエルソンの曲は北欧の大地から生まれてくるような印象で、メロディーが美しく、そしてなにかローカルな郷愁感に満ちていてつい引き込まれてゆくのである。このアルバムもその線は一つも崩れていない、と言うより益々それは高まっている。
 一口にジャズと言っても、こうした世界はやはり異色であって、その広さに驚くところだ。そしてなぜか何時も彼のアルバムを流すときは一人でじっくりと聴きたいのである。
 彼は1958年スウェーデン生まれで、、60歳少々前という年齢であり、今が一番脂がのっていると言っていいだろう。イェテボリの音楽院でクラシックのチェロを学び、その後ベースに転向。そしてジャズの世界に踏み込んだという経歴で、今やスウェーデン・ジャズ界ではなくてはならない存在となっている。

(試聴)このアルバム最後を締めくくる美し曲”Beautiful Darkness ”

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2014年2月24日 (月)

モジュジェル・ダニエルソン・フレスコ : 異色作「Polska」

レシェック・モジュジェル、ラーシュ・ダニエルソン、ゾハール・フレスコの創造的トリオ版

<Jazz> Możdżer Danielsson Fresco 「Polsca」
              ACT Music  / 9557-2 / 2013

 

Polska

  ポーランドの注目すべきピアニストのレシェック・モジュジェルLeszek Możdżerの昨年リリースされた最新アルバム。今回はあのスウェーデンのラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson(アルバム「PASODOBLE」における二人の共演作の素晴らしさは既に取り上げてきた)のベースに、イスラエルのゾハール・フレスコZohar Fresco のパーカッションも加わって、基本的にはモジュジェル主導の印象はあるが、不思議なトリオのアルバムと言ってよいものだ。このトリオはどのような事で出来た関係かは知らないが、何年か前からの既成観念を打ち破る演奏活動がこうして継続されている(「THE TIME」というアルバムがある)。
 そしてなんとアルバム・タイトルが「Polska」となっている。これはまさに”ポーランド”という意味で、モジュジェルの自国の名を付けた曲を持ってきたところにその迫力がある。

 
  Leszek Możdżer (piano, celesta, Vibraphone, synth)
  Lars Danielsson (cello, bass)
  Zohar Fresco (percussion, vocal)


Polskalist_2 Tracklistは左のとおり。
モジュジェルが6曲、フレスコが3曲、そしてダニエルソンが2曲という構成。もともと良く解らないこの取り合わせで、一歩も二歩も異彩を放つ作品がここに登場したわけだ。

 そして更に良く解らないが何故かあのロック・ギタリストのJimi Hendrix の曲”Are You Experienced?”が最後に登場(11曲目、これはジミヘン・バンド=エクスペリエンスの1960年代の最初のアルバムから)、それもオーケストラがこの曲のみにバックに加わる。このアルバムにおいてはますます理解が難しい雰囲気を放っている。つまりこの曲で、このアルバムの創造的試みを聴いてくれたか?と言いたいのだろうか?。このあたりについて解説してくれるものがないだろうか?と・・・・・・探したくなるところ。

Leszek_mozdzer4  まああまり難しく考えずにこのアルバムを聴くことにしましょうよ、・・・と、言うところで先ずは冒頭の”Chai Peimot”、この曲はモジュジェルの澄んだリリカルなピアノの響きからスタート。これはなかなか良いぞと思わせるに充分の曲。そのうち驚きはフレスコのヴォーカルが入ることだ。そしてそれを支えるようなダニエルソンのベースが入ってくる。そのあたりからこれがイスラエルの世界なのだろうか?、アヴィシャイ・コーエンをふと思い出させる異国ムードが出てくる。しかしモジュジェルのピアノが流れるとやっぱりポーランドと思わせるヨーロッパの響きなのである。最初から聴く者を迷わせる感動が襲う。
 モジュジェルのアルバム・タイトル曲”Polska”は、5曲目にお目見え。これが又不思議なメロディー、ポーランドにある曲なのであろうか?、しかしクレジットは彼の曲になっている。これを聴く限りに於いて、ジャズといったところにこだわらない世界を感ずる。
 そしておもむろにダニエルソンの”Africa”が続いて登場するが、彼の美しさが垣間見れる曲。10曲目の”Spirit”になって、あの「PASDOBLE」を思わすメロディーが美しく流れる。

 とにかくこの三者の異なった持ち味をミックスさせた私にとっては不思議な世界。彼等の挑戦的な創造的アプローチを表しているアルバムと言って良いものなのか?。
 

(試聴)”Chai Peimot”

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2012年12月14日 (金)

やはり北欧の味:ラーシュ・ダニエルソンLars Danielson 「Liberetto」

ティグラン(アルメニア)を迎えての安堵感のもてる作品

Lars Danielsson 「Liberetto」
ACTmusic  ACT9520-2 ,  2012

Liberetto_3
Recorded on June 13-17,2011,mixed and mastered on September 5-7,2011 at Tia Dia Studios Mölnlycke,Sweden

 ユーロ・ジャズには欠かせないベーシストのラーシュ・ダニエルソン。この今回のアルバムは、東欧アルメニアの神童ピアニストのティグラン・ハマシアンTigran Hamasyan(1987年生まれ)を迎え、更にあのe.s.t.のドラマーであったMagnus Öströmも参加しての興味あるアルバム。前作「TARANTELLA」(2009年)もお気に入りであったし、是非聴きたいアルバムであった。

 過去に北欧スウェーデンからの暖かみのある美しいメロディーを聴かせて来てくれたラーシュ・ダニエルソンは、ベーシストでこれだけ聴かせてくれるのも珍しく私の好きな一人。今回のメンバーは下記の通り、前作からはギターのJohn Parricelli のみが参加している。

  Lars Danielsson : Bass, Cello
    Tigran : Piano
    John Parricelli : Guitar
    Arve Henriksen : Trumpet
    Magnus Öström : Drums & Percussion

Liberettolist2 収録は左のごとく12曲。主としてダニエルソンの曲だが、ティグランも2曲と、ダニエルソンとの共作1曲という貢献もしている。そしてティグランの母国アルメニアのフォークソング1曲が取り上げられている。

 スタート曲は何故か不思議なサウンド、各楽器が一斉に流す音で、ええ?これがラーシュ・ダニエルソンのアルバム?と、思うところ。ティグランの曲であることから、アルメニアという国を先入観でなんとなく想像させる。
 ところが2.”Liberetto”で美しいピアノとベースの調べが流れ、おおこれだこれがダニエルソンだと思いながら聴き惚れる。そうそうこの曲名がアルバムのタイトルでもあるのだ。
 3.”Day one”は、ベースをバックにピアノとトランペットが何故か哀愁を呼ぶ。
Liberettomembers  4.”Orange Market”では、なんか自分の曲のようにティグランはジャズ・ピアノを弾き、このアルバムでも最もジャズの持ち味である展開の妙をみせる。ドラムスもe.s.t.をふと思い起こすオストロムの活気あるドラムスを聴かせている。
 7.”Hov arek sarer djam”は、アルメニアのフォーク・ソングというが、これがダニエルソンのチェロと思われる伴奏にピアノが語る曲調で、なかなか魅力ある曲調に仕上がって、このアルバムでも一つのポイントだ。そしてなんとティグランのヴォーカルが後半に入るという味付けが面白い。 8.”Party on the planet”は、一転して珍しく陽気な曲。
 9.”Tysnaden”は短い曲だが叙情豊かでもう少し聴きたくなるところ。

 全体に気楽に聴きやすく若干刺激は少ないが、それなりにハッとするメロディーも聴かれ無難なアルバムと言っていいだろう。そして録音も非常に良い。
 ティグランは、19歳(2006年)にしてジャズ界に頭角を現し、オリジナル曲に加えて民謡をも取り入れてのアルバム「World Passion」が評判だった神童。ラーシュ・ダニエルソンがその彼を起用したというところがミソのアルバムで、次はどのピアニストを連れてくるかという早、次に期待と興味も湧くアルバムだった。

(試聴)http://www.youtube.com/watch?v=MyKGq733fiw
(参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/lars-danielsson.html

Pa081988trmonoblog
(ポーランド・ワルシャワにて     2012.10)

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2012年5月28日 (月)

デュオを楽しむ~ラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson 「PASODOBLE」

  シンプルが故に北欧の叙情性が一層増して・・・・・

Lars Danielsson & Leszek Możdżer  「PASODOBLE」
ACT Music  ACT99458-2   2007

Recorded at Nilento Studios in December 2006 and January 2007

Pasodoble_3
このジャケのシンプルさの中から与えられるイメージは、何にも勝る強い印象をもたらす名アートと思う。

Lars Danielsson : bass, cello
Leszek Możdżer : piano, celesta, harmonium

収録曲
1.Praying (Danielsson, Lars)
2.Fellow (Danielsson, Lars)
3.Entrance (Danielsson, Lars)
4.Prado (Danielsson, Lars)
5.Pasodoble (Danielsson, Lars)
6.Daughter's Joy (Danielsson, Lars)
7.It's Easy With You (Możdżer, Leszek)
8.Hydrospeed (Możdżer, Leszek)
9.Reminder (Danielsson, Lars)
10.Innocence 91 (Możdżer, Leszek)
11.Follow My Backlights (MMożdżer, Leszek)
12.Eja Mitt Hjärta (traditional)
13.Berlin (Danielsson, Lars)
14.Distances (Możdżer, Leszek)

Larsphoto  知る人ぞ知る叙情性豊かで人気のスウェーデンのベーシストのラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson(左) が、Leszek Możdżer(ポーランド) のピアノと組んでのオリジナル曲のデュオ・アルバム。

 北欧独特の叙情性のある曲が両者の見事なコンビネーションとそれぞれの個性とで展開するアルバムで私好みである。
 アルバム・タイトルの曲”pasodoble”はこのアルバムの中でも両者が単なる叙情性の追求でないアクティブな演奏でうねりのある展開の曲。彼らも楽しんでいる様が目に見えるようなところ。それに続く”dauter's joy”は、ピアノが美しく流れ、そしてベースがゆったり語り心が安まる曲。
 デュオというシンプルな組み合わせが、一つ一つの音に神経が使われていて、その響きは叙情性たっぷりで極上。

 ラーシュ・ダニエルソンはスウェーデンで1958年生まれている。ヨーテポリというところの音楽院でチェロを学び、その後にジャズに転向してベースを演奏する。ラーシュ・ヤンソン・トリオ、そしてカルテットなどをこなし、米国ミュージシャンとの共演してその名も世界的になった。
 

 ここで、ついでと言うか是非ともラーシュ・ダニエルソンの2004年の様々のミュージシャンとの共演による素晴らしいSACD-Multichannel盤があるので紹介しておこう。私の一押し盤。
Liberame LARS DANIELSSON 「Libera Me」
Guests  Nils Petter Molvaer  Jon Christensen  Caecilie Norby 

ACT Music ACT9800-2  ,  2004
Recorded between January 2003 and May 2004 at Rainbow Studio Oslo

 このアルバムはデュオ「PASODOBLE」とは全くの手法が異なって、オーケストラの導入、多くのミュージシャンとの編成バンドで、一曲では女性ヴォーカルも入る。
 しかし、やはり叙情的で哀愁感たっぷり。曲によってダニエルソンのベースが、Nilsのトランペットが、サックスが、ピアノがと、歌うがごとくの響きは聴き応え十分。

Lars Danielsson - acoustic bass, cello, piano, guitar
Jon Christensen - drums, percussion
Nils Petter Molvaer – trumpet
Xavier Desandre Navarre – percussion
David Liebman – soprano saxophone
Anders Kjellberg – cymbals
Jan Bang – samples
Carsten Dahl – piano
Tobias Sjörgren - guitar

DR Danish Radio Concert Orchestra conducted by Frans Rasmussen

Special Guest:
Cæcilie Norby – vocals on “Newborn Broken”

Liberamelist  曲目は左の12曲。1曲目は、娘に捧げたという優しい愛情の曲。そして続くいずれの曲も北欧というどこか哀愁に満ちたムードを持っていて、ダニエルソンのベースの響きにマッチしたトランペットをはじめそれぞれの楽器が、代わる代わる映画の場面を想像させるがごとく演奏される。
 いやはや、こうしたジャズのスタイルは、北欧独特な世界として感じ取って良いのであろう。
 そして一つ一つの楽器の音が非常に大切に生かされた演奏スタイルで、そのあたりの味わいは格別のもの。
 メロディーの哀愁あるそして甘味のある世界が好きであるならお勧めである。
 

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