ブラッド・メルドー

2016年12月 7日 (水)

ウォルフガング・ムースピールWOLFGANG MUTHSPIELのクインテット・アルバム「 RISING GRACE」

ブラッド・メルドー参加の豪華クインテット
やっぱり一枚上手のハイセンス・ジャズ・アルバム

<Jazz>
WOLFGANG MUTHSPIEL 「RISING GRACE」
ECM / GER  / ECM 2515 / 2016

41ytseeaxsl

Wolfgang Muthspiel(guitar)
Ambrose Akinmusire(trumpet)
Brad Mehldau(piano)
Larry Grenadier(double-bass)
Brian Blade(drums)

 Recorded Jan. 2016  ( Studio La Bussonne, Pernes-les-Fontaines )

  ロックの場合、まずはギターに注目するのですが、何故かジャズとなると思いの外、ギターものを私はあまり聴かないんですね。このアルバムも今や押しも押されもしないピアニストのブラッド・メルドーBrad Mehldau参加と言うことで入手したアルバム。現代ジャズを代表するとまで評価のあるオーストリア人ギタリスト=ウォルフガング・ムースピールWolfgang Muthspielの最新作だ。
 そしてこれがなんとトランペッターに新進気鋭のアンブルーズ・アキンムシーレAmbrose Akinmusire、そしてアメリカのジャズ界のプライアン・ブレイド(drums)とラリー・グレナディア(double bass)というメンバーの豪華クインテット・アルバム。

Qu
 しかしこのアルバムはジャズとしてのレベルが高い。メンバーのそれぞれが力むこと無く、これが現代ジャズのセンスと究極の姿だと言わんばかしの世界を構築している。いっやー、恐れ入れました。その上に久々にギターのジャズ心にも触れることが出来た感ありです。

  アヴァンギャルドにして、即興の醍醐味と、クインテットとしてのアンサンブルの美しさなど、ECM世界であるからこそ尚更やっぱり一枚上のジャズを聴かせてくれる。
 そして何故か大人しいメルドーのピアノと思いきや、しっかりギター、トランペットを支えるが如く弾いているが、やっぱり自己の位置を確保して訴えるところは訴えてくる。M8.”Den Wheeler, Den Kenny ”なんかはその典型です。又 M5.”Wolfgang's Waltz”では相変わらず美しさと流麗なピアノの音が流れてくる。
 私は、あまり聴かなかったムースピールですが、確かにリリカルなギターを聴かせてくれますね。エレクトリック・ギター、アコースティック・ギターをこなしてなかなか魅力的。メルドーのピアノやアキンムシーレの控えめなトランペットとのインプロヴィゼーションの交錯もお見事。

 収録曲は、ECMの先輩Kenny Wheelerへのトリビュート曲だと言う“Den Wheeler, Den Kenny” などを始めムースピールのオリジナル曲集だ(1曲のみメルドーが本作のために書き下ろした曲M.5."Wolfgang’s Waltz.”)。
 いやはや、「ジャズ世界の奥深さとレベルの高さを聴いて見ろ!」と、たたき込まれたアルバムでした。お見事。

(Tracklist)
1. Rising Grace
2. Intensive Care
3. Triad Song
4. Father And Sun
5. Wolfgang's Waltz
6. Superonny
7. Boogaloo
8. Den Wheeler, Den Kenny
9. Ending Music
10. Oak

Wolfgangmuthspielw(参考1)
<ウォルフガング・ムースピール
Wolfgang Muthspiel
 1965年3月2日オーストリアのシュタイアーマルク州スティリア生まれ。6歳でヴァイオリンをはじめ、13歳からギターを手にする。2人の兄はいずれも音楽を愛し、そんな環境で幼い頃から楽器を演奏しての生活をしていた。それがきっかけでジャズを聴き始め(14歳)、その後グラーツでクラシックとジャズを学ぶ。
 ギター奏者として、1986年に渡米し、ミック・グッドリックに師事するためニューイングランド音楽院に入学。卒業後同じくボストンのバークリー音楽大学に入学する。在学中にゲイリー・バートンのバンドに2年間参加し注目を集める(この時、後にたびたび共演するラリー・グレナディアも同バンドに在籍していた)。
 卒業後、ニューヨークに渡り1989年初リーダー作『Timezone』を録音する。2002年からウィーンに移住し本格的に活動拠点をヨーロッパに移す。同年自己レーベル、マテリアル・レコーズを設立し、自身の作品や若手ミュージシャンの作品をリリースしている。
 多くのアルバムを残しているが、現在はスイスのバーゼル音楽大学の教授でもある。


Ambrose_akinmusire(参考2)
<アンブルーズ・アキンムシーレ
Ambrose Akinmusire
 1982年、ナイジェリアの血をひいているが、カリフォルニア州オークランド生まれ。幼少期、教会で4歳から始めたピアノでゴスペルを演奏。12歳の時音楽の授業がきっかけでトランペットを始める。バークレイ高校のジャズアンサンブルに所属。サックス奏者のスティーヴ・コールマンに声をかけられ彼のバンド、ファイブ・エレメンツに加わり、マンハッタン音楽大学在学時まで所属。卒業後はロサンゼルスの南カリフォルニア大学の修士課程に進学。同地のセロニアス・モンク・インスティテュートに入り、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、テレンス・ブランチャードに師事する。
 2007年度“セロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティション”で優勝、同年カーマイン・カルーソー国際ジャズ・トランペット・ソロ・コンペティションでも優勝し、一躍ジャズ界の注目の的となったトランペッター。2011年にリリースした『うちなる閃光』が絶賛される。

 

(視聴)

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2016年6月11日 (土)

ブラッド・メルドー・トリオBrad Mehldau Trio 「BLUES AND BALLADS」

いっや~~~快感のアルバムだ!!

<Jazz>
Brad Mehldau Trio 「BLUES AND BALLADS」
Nonesuch / EU / 7559794650 / 2016

Bluesandballads

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jeff Ballard (drums)

TRACK 1,4,6,7 2012年 12月10日録音(Avatar Studio,  NY)
TRACK 2,3,5 2014年 5月12日録音(Avatar Studio,  NY)

01. Since I Fell For You (Buddy Johnson)
02. I Concentrate On You (Cole Porter)
03. Little Person (Jon Brion)
04. Cheryl (Charlie Parker)
05. These Foolish Things (Jack Strachey)
06. And I Love Her (John Lennon & Paul McCartney)
07. My Valentine (Paul McCartney)

Bradmehldau2015 ようやく届いたフラッド・メルドーのニュー・アルバム。昨年のソロ・アルバムに続いてのなんか久しぶりの感じのブラッド・メルドー・トリオのスタジオ録音盤、約3年半ぶりとなるんですね。
 タイトルが示すとおりのブルース&バラード集だ。バディ・ジョンソン、コール・ポーター、チャーリー・パーカー、ビートルズなど、広く知られるアーティスト達をカヴァーした作品となっている。
 録音日をみるとそう近作という訳で無く、2012年から2014年のスタジオ録音。

09_2
 スタート曲” Since I Fell For You ”で、グッとくるブルース・ナンバー。これがなかなか痺れます。やっぱりメルドーですね、アレンジに洗練された味が感じられます。
  ”I Concentrate On You” は、意外に楽しいリズムに乗って演奏される。こんなポピュラー感覚で聴きやすいのも久しぶり。
  ”Cheryl” はCharlie Parkerの曲だが、Larry Grenadierが頑張っている。
 ”These Foolish Things”の優しく説得力ある聴かせに堪能。
 ”And I Love Her”ではメルドーらしい左手の低音メロディーが曲を支え、右手の高音メロディーが美しい。このトリオらしい世界を構築して楽しませてくれる。

 ブラッド・メルドーのテクニカルな演奏を楽しむと言うよりは、久々にこのトリオのゆったりした味を楽しめる一般向け快感のアルバムであった。

(試聴)

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2014年3月 6日 (木)

ブラッド・メルドー BRAD MEHLDAUのニュー・アルバム 「MEHLIANA-Taming The Dragon 」

メルドー、本気か?~エレクトリック・デュオ

<Jazz(Altenative、Contemporary) , Progressive Rock , > 
 BRAD MEHLDAU & MARK GUILIANA
       
 「MEHLIANA  Taming the Dragon」
         NONESUCH Records  / CD / NONESUCH 7559-79579-5 / 2014

Mehliana

01. Taming the Dragon*
02. Luxe**
03. You Can't Go Back Now**
04. The Dreamer**
05. Elegy for Amelia E.**
06. Sleeping Giant*
07. Hungry Ghost*
08. Gainsbourg*
09. Just Call Me Nige**
10. Sassyassed Sassafrass*
11. Swimming*
12. London Gloaming**

(*印ブラッド・メルドー、 **印ブラッド・メルドー&マーク・ジュリアナ

Brad3b BRAD MEHLDOU : Synths, Fender rhodes, Piano, Voc.
MARK GUILIANA : Drums, Electronics

 メルドーがマーク・ジュリアナとのエレクトリック・デュオを展開。もともとこの二人、もう数年前から実験的プログレッシブ・ミュージックを展開してきている。
 そこで登場のこのアルバム。しかし何たるや凄いジャケですね。そしてなんとなんと一曲目”Taming the Dragon”が迫力がある。”いっやー、来たな”とエレクトリック・サウンドと彼のヴォーカルの格好良さに連れ込まれる。そして2曲目” Luxe”これもなかなか圧倒するパワーが湧いてくる。フュージョン、ファンキー、コンテンポラリーと言うニュアンス。そう言えば、昔ハービー・ハンコックがそうした時代があったのを思い出した。ジャズ・ファンキーと言うか、ロックとのクロスオーバーを試みた(あの「シークレッツ」 というアルバムがお気に入りだった)。あれも結構楽しんだので、”やや、メルドーもおまえもか?”と、このアルバムと向き合うのだ。

 しかしメルドーは、あのハンコックのロック・ファンキーとはちょっと違う。なかなかムードのある曲も流れてくるのだ。かってのプログレッシブ・ロックにも通ずる美しさも・・・、ちょっとイーノを思わすところもある。
 メルドーの単なる実験的世界だけとはこれはどうも言えない。既に彼はこの道でもあるところに自分を見つけているのだろう。5曲目の” Elegy for Amelia E”からムードが変わってくる。あの伝説の謎の死を遂げた女性飛行士のアメリア・イアハートに捧げたのであろうか?、メルドーがどんなところから彼女に関心があるのだろうか?、バックはスペーシーでありながら、Elegyと言うだけに哀愁が漂っている。私はこうした曲が登場するとは良い意味で意外であった。そしてこのエレクトリック・ピアノをアコースティックで演じたらどうなるのだろうか、興味は尽きない。
 
 ドラムスとエフェクト担当のジュリアナは1980年ニュー・ジャージーの生まれ、あのイスラエルのアヴィシャイ・コーエンとトリオで、コンテンポラリー・ジャズを展開した強者(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/avishai-cohen-t.html )。
 そして”Hungry Ghost”で次のこのデュオの楽しさを披露する展開に入る。結局のところ挑戦者メルドーの好きな一つの世界をやっているアルバムなんでしょうね。”Gainsbourg”も最後は思索的に終わらせるところがにくい。しかしこうしたアルバムをリリースする彼の度胸には驚かされた。しかし私のミュージック愛好歴からは何の抵抗もなく聴き込んだというのは言うまでも無い。

(試聴) ”Hungry Ghost”,  ”Just Call Me Nige”

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2013年2月22日 (金)

(更に)ブラッド・メルドー・トリオBrad Mehldau Trio の映像 : 「BURGHAUSEN 2008」

2008年ライブでこのトリオの完成形が見えてくる

 このところ映像ものにどっぷりとつかっているわけであるが、ブートDVDの世界も探せばいろいろと出てくるのは楽しいところ。嬉しいことに、あのブラッド・メルドー・トリオの2008年のこれまた優良映像ものに出くわした。

<JAZZ> BRAD MEHLDAU TRIO 「BURGHAUSEN 2008」
Bootleg DVD  MegaVision 
LIVE at BURGHAUSEN, GERMANY ,   March 5, 2008

Burghausen2008
 これはブートとは言え、ドイツのBURGHAUSENにおける「39. INTERNATIONALE JAZZ WOCHE 2008」のステージを、じっくりとプロショット映像の好録音で楽しめるのである。

 トリオ・メンバーは、2005年からの・・・
   ブラッド・メルドーBRAD MEHLDAU :     Piano
       ラリー・グレナディアLARRY GRENADIER : Bass
       ジェフ・バラードJEFF BALLARD :      Drums

                    ・・・の不動のメンバー。
 このブラッド・メルドートリオは、スタジオものとしてはパット・メセニーとの「QUARTET」以来5年ぶりにリリースされた昨年の2枚のアルバム「ODE」、「WHERE DO YOU START」でお馴染みのとおりで、ここ7年しっかりと組んでいる。特にベースのラリー・グレナディアは、ブラッド・メルドーとは1996年からで、あの「THE ART OF TRIO」シリーズの5枚のアルバムでもその実績を積んできた。このベースのグレナディアと、ドラムスのバラード(2005年から)のご両人は、結構人気者でマーク・ターナーとの”サックス・トリオのFLY”のメンバーだったりするのはご存じの通りで、その他での活動も多い。

Burghausen2008list Track-List は、左にみるように8曲。”1.Kurt Vide” は、昨年のオリジナル曲集アルバム「ODE」に登場していて聴き慣れている。そして”6.Baby Plays Around ” ”7.Holland” は、もう一枚のカヴァー集アルバム「WHERE DO YOU START」に登場した曲だ。

 さてこのブートDVDの映像だが、特に意識してのことと思うが、メルドーの両手の動きが良くわかるように、鍵盤の上からのカメラ・ショットがあって、なるほど旋律を奏でる左手、右手が面白いように見て取れる。
 又、ベース、ドラムスもクローズ・アップも十分効果を上げていて映像ショットは文句ない。ジェフ・バラードの切れの良い緻密なドラミングは相変わらずで見応えある。もう完全にメルドーとの交錯と協調はここにきて完成域にある事が解るのだ。
 ベースのグレナディアは、サンフランシスコ出身だが、スタンフォード大学英文学科卒業というちょっと意外な学歴の持ち主のようで、メルドーが比較的おとなしいせいか、あまり派手な仕草もなく淡々と演奏するも、かなり高度なテクニックの持ち主である事も、映像を通して知ることが出来る。特に”We See”のプレイは圧巻。この曲ではバラードのドラム・ソロも豪快に展開する。
Bradmehldau  又”Samba do Grande Amor”は、ゆったりしたリズムカルな哀愁あるムードで、トリオの余裕あるライブの中間の演奏として楽しめる。メルドーの目をつぶったままの演奏も印象的。
 ”Baby Plays Around” は更に美しい余韻を楽しむピアノの調べでムードたっぷりだ。

 いやはや、このブート映像は私の評価では優良の部類に入るものとして紹介しておこう。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=7UpqUbHtbxw

          [ PHOTO 今日の一枚]

Dsc_0503monoblog
(Nikon D800 ,  SIGMA 24-70mm 1:2.8 DG HSM , PL)

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2013年2月13日 (水)

ブラッド・メルドーBrad Mehldau の映像もの : 「JAZZ BALTICA ~SALUSA 2006」

ブラツド・メルドーの両手テクニックは映像で・・・・・

<JAZZ-DVD> BRAD MEHLDAU 「SALUZA 2006」
Bootleg    MEGAVISION
Live at SALUZA, GERMANY / JUNE 30, 2006

Bmsaluza2006
 どうもテクニシャンのジャズ演奏に当たっては、ライブ演奏に参加できればそれにこしたことはないのだが、それもままならなければ、映像ものにてなんとかその欲求を満たしているというところである。
 そんな一人というか、トリオの中でも是非とも良好な映像とサウンドで接したいのがブラッド・メルドー・トリオだ。
 そこで諸々探っていて当たったのがこのブート映像アルバムだ。これが又ブートとは思えない良好なプロショット映像(16:9)、良好なサウンドで満足度は高い。何処でどうなって流れてくるのかは知るよしもないが、こうした良質のブートは歓迎である。

 さてこの映像は、ドイツのバルティック地方で行われてるジャズ・フェスティバル”JAZZ BALTICA”の2006年6月(SALUSA)の収録もの。と言うことは「Metheny/Mehldau」のリリースされた年であり、前回紹介したパット・メセニーとの共演ライブ(参考: http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/jazzaldia-festi.html )の直前と言うことになる。

Bmsaluza2006list 収録リストは左のように7曲。トリオ・メンバーは一時代を築いた「Art of The Trio」時代から、ドラムスが変わって、近年のトリオの Jeff Ballard に変わっており(2005年から)、ベースは変わらずの Larry Grenadier である。

 誰もが知っている”Granada”からスタートするが、もうスタートからメルドーの両手のメロディーがアクロバティックに展開し複雑性とその統一性が興味を増す。
 ”Secret Beach”の落ち着いたメロディーの流麗さも快感。
”Untitled”、”Knives Out”では彼の両手の旋律の流れの妙と、トリオのそれぞれのリズムが個性豊かに展開して、そしていつの間にか融合してゆくところはお見事である。
Bmsaluza2006photo  ”The Very Thought Of You”では、メルドーは音の余韻を大切にしたゆったりとした演奏で、まさに美しく仕上げてくれ、そして後半にはソロに近い演奏となり、両手メロディの交錯が圧巻で堪能する。
 彼はこの時はデビューして11年目、36歳というまさにこれから充実期という時であり、又新メンバーでの1年経過した時の映像。
 最後は”She's Leaving Home”で締めくくる。

 時々こうした良好ブートに出会えることから、ブート探しも止められない私の一端でした。
 
 

 (試聴)http://www.youtube.com/watch?v=kWN36UqASjY

<Today's PHOTO>

Dsc_0219monoblog
(Nikon D800 ,  SIGMA 24-70mm 1:2.8 DG HSM , PL)

 

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2012年12月26日 (水)

メセニー&メルドー・トリオの映像もの:「Jazzaldia Festival 2007」

  パット・メセニー&ブラッド・メルドー・トリオによるライブ映像

PAT METHENEY  BRAD MEHLDAU  QUARTET  2007
Jazzaldia Festival, San Sebastian, Spain       July 28, 2007


Patbraddvd_3  今年は久々のブラッド・メルドーのピアノ・トリオのニュー・アルバムが2作リリースされて楽しませてもらった年であったが(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/ode-where-do-yo.html)・・・・、意外に彼等のオフィシャルな映像ものが今時非常に少ない(YouTubeではライブものがあれやこれやと結構みれるものが載っているというのにひきかえ・・・・)。
  あの1996年から2001年の「the ART of the TRIO」シリーズの5つのアルバムに痺れながら年を経ていても(よくよく考えると10年以上前の話になってしまう)、考えてみると映像ものを持っていなかった。

 やはりライブの実感を映像付きで味わいたいわけで、どこかにありそうなものだと探してみると、1,2あることはある。そうした中で、ブートBootlegであるが手に入った2007年のライブものがある。
 これは丁度パット・メセニーとの共演アルバムで、2作目の「QUARTET」の時期のもの。伝統のジャス・フェスティバル”JAZZALDIA”に、2007年、スペインはサン・セバスチャンでのパット・メセニーとメルドーのトリオがカルテットとして出演した際の記録である。
 ブートといえどもプロショットで、彼等の捕らえた方は見事、記録映像の出来もまあまあの80点というところで、サウンドも一応良好、結構納得のものであったので取り上げたわけだ。

Patbraddvdlist 収録曲は左のとおり10曲で、やはりアルバム「METHENY MEHLDAU」、「METHENY MEHLDAU / QUARTET」の2枚からのメセニーとメルドーのオリジナル曲が中心。メルドーは1970年生まれなので当時は37歳の若き華麗な演奏と、彼のピアノ・トリオのリズム隊の二人の奮闘、そしてメセニーもギターの多芸を披露してみせる。
 なかなか観ていると引き込まれる彼等のテクニックが実感できるのだ。

Trio  アルバム「METHENY MEHLDAU」からは、01、03,07の3曲。当然”01.Unrequited”、”02.All the things you are”はメセニー、メルドーのデュオで、静かに始まりムードたっぷり、そして2曲目はフュージョンの世界、これになって次第に両者のテクニックのバトルに近い演奏を展開。
 ”03.Annie's bittersweet cake/Better days ahead”は、メルドーのピアノ・ソロがみれて、後1/3になってメセニーのギターが入る。
  ”04.A night way”からはカルテットとなる。メンバーはお馴染みのとおり。
 Brad Mehldau : piano
  Larry Grenadier : bass
  Jeff Ballad : drums

  そして、Pat Metheny : Guitar

  アルバム「QUARTET」からは、04、05、06、08、09 の5曲が登場。”04.A night way”は、カルテットの心搏の演奏が展開する。

Pat2  ”08.The Sound of Water”は、メセニーの42-String Guitarの演奏がじっくり拝見出来る。
 そしてメルドーの曲          ”09.Secret Beach”はカルテットの味を十二分に堪能できる。
 ”10.Vera cruz”では、バラッドのドラム・ソロも迫ってきて楽しめた。

 とにかく、メルドーは、ロックなどにも積極的にアプローチして、ジャズとして楽しませてくれる。ピンク・フロイドの
「The Wall」からの”Hey you”など、ピアノ・ソロでにくい味を出す。そして彼の場合もライブものは映像が貴重。メルドーの左手のメロディーを奏でるテクニックはやっぱり映像物でなくては味わえない。今やBD時代、そろそろ高画質・高音質のオフィシャル・ライブものが観たいところだ。

(試聴) ①http://www.youtube.com/watch?v=EETFKDVurZ4   
           ②http://www.youtube.com/watch?v=ZHyPKwQwKI4

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2012年10月24日 (水)

ブラッド・メルドー・トリオBrad Mehldau Trioの2部作:「ODE」 & 「WHERE DO YOU START」

トリオの今年の2連発はそれぞれの味を楽しめた

① BRAD MEHLDAU TRIO  「ODE」
       NONENSUCH Records  Nonensuch 529689-2,  2012

Bm1
1. M.B. 2. Ode 3. 26 4. Dream Sketch 5. Bee Blues 6. Twiggy 7. Kurt Vibe 8. Stan The Man 9. Eulogy For George Hanson 10. Aquaman 11. Days Of Dilbert Delaney

② BRAD MEHLDAU TRIO   「WHERE DO YOU START」
       NONENSUCH Records    Nonensuch 532029-2 ,  2012

Bm2
1. Got Me Wrong 2. Holland 3. Brownie Speaks 4. Baby Plays Alound 5. Airegin 6. Hey Joe 7. Samba De Amor 8. Jam 9. Time Has Told Me 10. Aquelas Coisas Todas 11. Where Do You Start?

(members)
   Brad Mehldou : piano
   Larry Grenadier : bass
   Jeff Ballard : drums

 ブラッド・メルドーについてはここで語ったのは、かってメセニーとの共演の2枚のCDであったかと思う。あの「カルテットQUARTET」(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/quartet-26ff.html)のアルバムは、メセニーのギターとこのトリオによって作られたアルバムであったが、あれから既に5年が経過している。
 今回は、今年になってあっという間の2作のリリース。似通ったジャケが笑っちゃうが、まあそれも当然と言えば当然で、この両アルバムは同じ日に録音されたもので(両者ともNovember 17,2008 と April 19,2011の録音もの)、2枚組でも良かったのかな?と思うのだが、なるほど聴いてみると両者はそれなりに違いが出ている。これはやっぱり一つの”対”として彼らの意志を表したのかも知れない。

Brad1tr  メルドーは1990年代(彼は1970年生まれであるから20歳代)に既にトリオ作品を並べ(1996年からの「Art of The Trio」シリーズ)、良い評価を得ていたが、もともとカヴァー曲の範囲も広くジャズに固執しないスタイルで自己の世界を築いてきた。作品「Highway River」は、トリオ+オーケストラで、ジャズを超えての世界をアッピールしていたのが印象深い。
 さてそこで今回の2アルバムだが、これは純粋にジャズの世界のオーソドックスな彼のピアノにベース、ドラムスというトリオ作品だ。そしてなんと①の「ODE」は、彼のオリジナル曲集、そして②の「WHERE DO YOU START」は、1曲(8.Jam)以外は全てカヴァー集、それもスタンダード集というのでなく、ジャズ、ロックを始め多岐にわたる曲を演ずる。しかしさすがに出来上がった彼らの演奏は、やっぱりトリオ・ジャズであるところがミソ。

 さてこの両者の好みはそれぞれだろうが、やっぱり聴きやすいのは②のカヴァー集、そんなに知っている曲でもないが、なんとなくメロディーも感じられる中にトリオとしての交錯はピアノ主導でもあるが味わい深い。
 そうは言っても、①のオリジナル集は、多分メルドーのやりたい世界のアッピールでもあるのだろうが、決して難解でなく、聴き込んでいくとむしろ味も出てくる。”4.Dream Sketch”の情感は私は好きですね。更に”7.Kurt Vibe”の異空間への誘いは魅力たっぷり。私は当初の印象と違って、何回と聴いていると、①のオリジナル集のほうが好きになってくる。”8.Stan the Man”のトリオ・メンバーそれぞれの乗りも快適だ。ちょっとアメリカ離れも感ずるアルバム。

 このトリオ・メンバーも、お互いのパターンも知り尽くしての作品作りも板に付いていて、これからが更に楽しと言うところである。

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2012年4月 4日 (水)

ジャケ党を泣かせるアルバム(番外編)~メセニー&メルドー「METHENY MEHLDAU QUARTET」

ギターとピアノのデュオの発展型としてのカルテット

Mmquartet_3 「METHENY MEHLDAU QUARTET」 Nonesuch Records  NONESUCH 104188-2 ,  2007

 前回、メセニーPat Metheny のソロ・アルバムを取り上げた中で、是非とも彼のギターのジャズ界に於ける活躍を感じ取れるアルバムとして、このメルドーBrad Mehldou のピアノとの共演を取り上げたので、少々このアルバムを整理しておく。

 もともと両者の共演はメセニーのプロデュースによって2006年にリリースされたデュオ・アルバムの「METHENY MEHLDOU」 ( WPCR-12454 , 2006 ) の成功だった。そして一年後にメルドー・トリオにメセニーのギターが乗ってのアルバムが、この「QUARTET」だ。

  (members)
    Pat Metheny : Guitar
    Brad Mehldau : Piano
    Larry Grenadier : Bass
    Jeff Ballard : Drums

Mmquartetlist 収録は左の様に11曲。
 メセニーが7曲、メルドーが3曲、両者で1曲という内容。
 カルテットであり、リズム隊がしっかりバックを出しゃばらずに支えているため、メセニーのギター、バルドーのピアノが凌ぎを削って襲ってくる。しかしその様は面白いようにお互いに融合しての何かを求めているが如くの曲作りにひきこまれる。パターンはやっぱりフュージョンの世界である。
 3曲目”fear and trembling”では両者のバトル様のアクティブな演奏が展開して、その後の4曲目”don't wait”は、ピアノが美しく、又7曲目”en la tierra que no olvida”は、ギターの美しさと引き続いてのピアノの美しさ、そして後半には交互に変わる主役の美も面白い。

Patmethenybradmehldau

 貫禄のメセニーに、若きパワーのメルドー(若いと言っても1970年生まれであり、この時は30歳後半)のコンビとはいえ、メセニーのフュージョンの世界はやはりメルドーの刺激になるのであろう。スタート曲”a night away”にみるように、両者のバランスに乱れなく、彼らの世界はこれなんだと言っているような展開は、古くからのコンビのようにも聴けてくる。
 ”the sound of water”の1曲のみではあるが、メセニーが42ストリングス・ギターを美しく聴かせる。もう1~2曲、このパターンも聴きたかった。それでも”serect beach”では、スローなペースで、ギター・シンセによる美しい音はやっぱり聴きどころでもあり、それに美しさで輪をかけてゆくメルドーのピアノもなかなか聴き応えあって、私にとっては好きな曲。

 このところのメセニーの話題に、数年前の気になったアルバムを取り上げてみた。

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