ダイアン・ハブカ

2012年12月22日 (土)

ダイアン・ハブカDiane Hubka のギター・ヴォーカル・アルバム : 「WEST COAST STRINGS」

この秋に出た多彩なギタリストを迎えてのヴォーカル・アルバム

DIANE HUBKA 「WEST COAST STRINGS」
Sinatra Society of JAPAN ,  XQAM-1524,  2012

Westcoastsrtrings

 冬になったばっかりなのですが、そしてクリスマスというのに・・・・・、もう夏が恋しくなってきた。歳をとると寒さが厳しい今日この頃です(笑)。
 そこで今年の暑かった夏を思い起こし、この11月にリリースされたダイアン・ハブカのアルバムを、部屋を思いっきり暖かくして聴いているんです(嫌ですねぇ~~~)。しかし中身は夏物というわけではありませんから、当然今のシーズンでも楽しめます。
 このアルバムは2007年にリリースしたアルバム「NUAGESヌアージ」の続編的ものかとも思われるが、あれは東海岸での活躍のギタリスト7人をフューチャーしていたが、今回は彼女が2004年には西海岸に移動したことから、ここで再びじっくりと、多くのギタリストを迎え、それぞれの曲でそれぞれのギタリストの個性を生かしながら彼女が唄って、曲を仕上げた様子が良くわかる。

Member  ダイアン・ハブカの紹介については、このブログでも過去に取り上げているので省略する(参考:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/diane-hubka-533.html)。

 さてこのアルバムに登場する多くのギタリストは左のようになる。こんどは西海岸で活躍中のメンバーだ。彼女自身もギタリストですから、このアルバムでは当然自分でも弾いているので、総勢9人と言うことになる。そしてその他のバンド構成は、主としてベース、ドラムスというところだが、曲によってオルガンが入る。演奏も曲の印象は、全体的に派手さを追っていないで、落ち着いた味である。

9657  もともとギタリストの彼女はヴォーカルはギターとの相性はそれなりに研究つくしているのだろうと思う。そんなところでジャズ・ギターをバックにしての彼女のヴォーカルはなかなかいいムードだ。
 それはしつこさがなく、又シャウトするところは当然みられず、そして年期のヴォーカルというところで不安感無い。ライナーノーツ担当の後藤誠に言わせると”さわやか”と表現して書いているが、まあそこまでは言わなくとも、確かに嫌み無く、落ち着いた世界に導いてくれるし、気品もあってなかなかいいじゃないかというのは事実である。欲を言えば、もう少しセクシャル・アッピールがあると面白いのかなぁ~~とも思うが、その点はそうではないから良いというということになるのかも知れない。このあたりは難しいところ。

Westcoastlist  収録はカヴァー曲集というところで13+1の14曲登場するが、私にとっては耳新しい曲もある。
 彼女はもともと大学で歴史と会計学という分野を学んで、ギターを弾くようになったというだけあって、そしてその後十数年は経過しているので、何となくヴォーカルも大人っぽい世界を感じさせる。
 ”Amanhacer”はベテランのジョン・ピサノのギターと、”Never let me go”はラリー・クーンズのギターと、”Slow hot wind” はロン・エシュテのギターと、”a flower is lovesome thing”は女性ギタリストのミミ・フォックスとで、なかなか落ち着いた情感のある味を出している。ダイアナ・クラールでお馴染みのアンソニー・ウィルソンは3曲に登場して、”Someone else is steppin'in”では、ボビー・ピアスのオルガンとリズミカルな展開をソロ演奏も含めて聴かせてくれて、ハブカのヴォーカルがここでは躍動する。

 7弦ギターを操るダイアン・ハブカは、歳は明らかにされていないが、キャリヤから想像してみても40歳以上と想像している。そんな味をむしろ武器にてしっかりとしたハブカ世界を持ってジャズを楽しませてくれるヴォーカリストといっていいと思っている。

(試聴)このアルバムの映像は見当たりませんので・・・・・取り敢えず、ダイアン・ハブカのライブものを参考にどうぞ・・・・・・http://www.youtube.com/watch?v=z_2o4T5TvMQ

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2010年12月23日 (木)

女性ジャズ・ヴォーカル:ダイアン・ハブカ Diane Hubka

7弦ギターを操り、くせのないヴォーカルのダイアン・ハブカ

Photo  私が時として手に入れる雑誌として「ジャズ批評」(左)がある。最近は、「20世紀のCDコレクション」という特集にひかれて、今年の11月号(No153)を購入した。
 これに目を通していて、ウンウンとうなづいてしまった記事があった。それは=”Swingin' Beauties ~いかした美女達~”第38回:清楚な美人歌手にして7弦ギターの名手、ダイアン・ハブカ=という後藤誠一の5頁の記事である。
 その中に~私は彼女のファースト・アルバム「Haven't We Met」を1998年ごろにリアル・タイムに購入しながら、あまり聴く機会もなく、CD棚に眠らせていた。彼女の歌は自己主張があまりなく、さりげなさが前面に出て、それだけ当時の私の駄耳には印象が薄かったのである~と書かれていた。


Goestothemuvies  あれ、私もダイアン・ハブカって聞いたことあるなぁ~~、おやもしかしたら私もと、・・・CD棚を覗いてみると、なんとちゃんとあるではないか。それは彼女の1stアルバムという古いものでなく、2007年のアルバム「DIANE HUBKA Goes To The Movies」18th & Vine , Allegro Corporation 18V-1054  2007  (左)であった(これは日本盤はタイトルが異なっている)。

 後藤誠一氏の彼女のアルバムの印象が、全く私の場合も同様であったことに非常に親近感を持ったというのが偽らざる私の感想である。

 確かにこの私の所持しているアルバムも、彼女のヴォーカルは近年の一般的な流行と異なって、全く癖のないそして素直な発声でしかもやさしくさわやかな歌声。ある人に言わせると透明感の高いのびのびとした声という表現にもなる。
 このアルバムは、日本盤タイトルはセルジオ・メンデスやダイアナ・クラールで有名な映画「カジノ・ロワイヤル」からの”ザ・ルック・オブ・ラブ”の曲名だったと思うが、映画音楽を題材としての彼女ならではの選曲集なのである。

(members)
    Diane Hubka : Vocals, Guitar
    Christian Jacob : Piano, Arranger
    Carl Saunders : Trampet
    Larry Koonse : Guitar
    Chris Colangelo : Bass
    Joe Labarbaera : Drums

  このようにメンバーもなかなかの揃いかたで、質の高い演奏を聴かせる。

Dhubka1 (曲目)
  1. All god's chillun got rhythm
  2. Double rainbow
  3. The look of love
  4. Lovers in New York
  5. He's tramp
  6. The bad and Beautiful
  7.  I'm old fushioned
  8.  The long goodbye
  9. Close enough for love
10. You only live Twice
11. Wild is the wind
12. Manha' de Carnaval
13. Invitation

 3.は「カジノ・ロワイヤル」、10.は「007は二度死ぬ」、5.は「わんわん物語」、12.は、「黒いオルフェ」等々である。
 私の好みとしてはスローな曲になるが、”the long goodbye”、”Close enough for love”、”You only live twise”、”the look of love”などが魅力的。
 そして、これだけのものでありながら、やはり癖のなさが逆にインパクトに欠ける面があると言っていいのか?。とにかく安心して何も思わずに聴けるのである。こうしたレベルも高く良盤であるにもかかわらず私の場合も棚に収まっているままになっていた。そのあたりが不思議なところ。
 この12月には日本ツアー中、新しい発見があるかも知れない。

 ダイアン・ハブカはチェコからの移民の子孫らしい。米国ニューヨーク近郊出身。年齢は不詳とのこと、30-40歳というところか?。ギタリストとしての腕も評価があり、7弦ギターを操る。この紹介したアルバムの12.は、彼女のギターで録音されている。ジャズの研鑽も深いようだ。デビュー・アルバムは1998年、近作は2008年のライブ盤である。
 
 このような実力者であるだけに、日本でも結構ファンはいるようだし、今後どう発展してゆくか?、日本でもどんな形で支持を獲得してゆくか、若干興味のある女性ヴォーカリストである。
 

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