パトリシア・バーバー

2020年2月17日 (月)

パトリシア・バーバーPatricia Barber 「HIGHER」

ベテランの醸し出す世界は展望に満ちていた

<Jazz>

Patricia Barber 「HIGHER」
ArtistShare / U.S.A / AS0171 / 2019

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Patricia Barber, piano, voice
Patrick Mulcahy, bass
Jon Deitemyer, drums
Neal Alger, acoustic guitar
Jim Gailloreto, tenor saxophone
Katherine Werbiansky, lyric soprano

 ヴォーカリスト、ピアニストにして作曲家でもあるパトリシア・バーバーの久々の新作(レーベルはArtistShare、彼女のDiscographyは末尾参照)。私の米国では最もと言ってよい関心の高い女流ミュージシャンだ。なんと1955年生まれであるから、歳はおして知るべしというところ。
 過去にここで何回か取り上げてきたように、様々な作品に取り組んできたヴェテランである。そして今回は8曲の自作曲でジャズの枠組みの中での組曲的手法によって聴かせるところに、まだまだチャレンジ精神はみなぎっている。そんな意欲作であるが、極めてヴォーカルは聴きやすく優しく説得力あるところにある。いずれにしてもヴェテランならではの味わいが溢れている。

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Angels, Birds, and I ...

1. Muse (Patricia Barber)
2. Surrender (Patricia Barber)
3. Pallid Angel (Patricia Barber)
4. The Opera Song (Patricia Barber)
5. High Summer Season (Patricia Barber)
6. The Albatross Song (Patricia Barber)
7. Voyager (Patricia Barber)
8. Higher (Patricia Barber)
- - - - - - - - -

9. Early Autumn (words: Johnny Mercer, Ralph Burns, Music: Woody Herman)
10. In Your Own Sweet Way (Music: Dave Brubeck)
11. Secret Love (Words: Paul Francis Webster, Music: Sammy Fain
12. The Opera Song with Katherine Werblansky (Patricia Barber)

 スタートのM1."Muse "がいいですね、語り調で優しいヴォーカル、そしてそれにも増して優しさ溢れるピアノの美旋律。
   このM1.からM8.まで彼女のオリジナル曲が連なり、" Angels, Birds, and I "命名されたこの8曲の組曲に仕上げているようだ。
 M2."Surrender "はアコースティック・ギターを中心にバックを支える。ここにも後半のピアノの美しさの流れは圧巻。
 M3."Pallid Angel"にはサックスの登場と多彩。M4."The Opera Song "はこの流れの中で、特異な展開に驚く。
 流れは比較的ゆったりとしていて、一つ一つかみしめての味わいを示すが、曲は多彩な展開をしている。
 M6."The Albatross Song "の描くところは解らないにしても、何か抵抗との対抗的な雰囲気あり。
 それに続くM7."Voyager"では、新しき迫る世界に向かってのやや複雑な試みと展開がなされる。そしてアルバム・タイトルのM.8""Higher は、ゆったりとしたピアノ・ソロのバックで、ここに来る展開を経ての身に感じての射してくる光明を感じさせ、展望の中に終わる。

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 続いて組曲によるコンセプトは一締めとなって・・・カヴァー曲となる。
 M9."Early Autumn "の優しいヴォーカル、そして後半のピアノの流れは美しいの一言。
 M10."In Your Own Sweet Way "では、彼女のジャズ・ピアノのテクニカルな聴かせどころ。ここに来てベース、ドラムスとのジャズ展開が堪能出来る。
 M11."Secret Love"は、聴き慣れた曲をハイテンポで演奏してみせ、彼女の一筋ならないところを垣間見せる。
 M12."The Opera Song with Katherine Werblansky " ここで締めとして彼女の曲となり、高音のオペラティックなヴォーカルには驚かされる。いっやー、ただでは終わらないのが彼女だ。

 パトシア・バーバーは、音楽一家で育った米シカゴ州出身のジャズ・ピアニスト・作曲家でありヴォーカリスト。アイオワ大学では当初クラシック・ピアノを専攻、しかし次第にジャズへの要素が濃くなる。89年に1stアルバム『Split』で30歳代半ばでCDデビューを果たすと、94年の3rdアルバム『Cafe Blue』(BN 90760)で一気に日本でも知られるところとなる。注目点は20世紀時代の米国音楽芸術に対して、なんと私も注目のロックの要素も大胆に取り入れた。それらは彼女独自のむしろクールと言われる感覚の一つの姿であり、そんなジャズを超えた作品を多く発表している。2002年に通算7枚目となるスタジオ・アルバム『VERSE』(KOC-CD-5736)やその後『Smash』(Concord Music/2013)などをリリース。又2017年に『Modern cool』(Blu-ray Audio/2013)をサラウンド・サウンドで再発している。
 いずれにしても、米国ジャズ界での一つの世界を築いてきており、私にとっても貴重なミュージシャンだ。

83775193pb2bw (参考) <Patricia Barber  : Discography>
1. Split : Premonition Records (1989)
2. Distortion of Love : Antilles (1992)
3. Cafe Blue (Two versions) : Blue Note Premo. Records (1994)
4. Modern Cool (Three versions) : Blue Note, Premo. Records (1998)
5. Companion : Blue Note, Premonition Records (1999)
6. Nightclub : Blue Note, Premonition Records (2000)
7. Verse : Blue Note, Premonition Records (2002)
8. Live: A Fortnight In France : Blue Note (2004)
9. Live: France 2004 :DVD Blue Note (2005)
10. Mythologies (Two versions) : Blue Note (2006)
11. The Premonition Years : 1994-2002 Blue Note (2007)
12. The Cole Porter Mix : Blue Note (2008)
13. Smash : Concord Records (2013)
14. MONDAY NUGHT (Live at the Green Mill) : not an Label (2016)
15. Higher : ArtistShare  (2019)

(評価)
□ 曲・演奏・歌  ★★★★★☆    90/100
□ 録音      ★★★★☆    80/100  

(試聴)

 

 

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2013年3月28日 (木)

<Blu-ray Audio 盤>ロック心を揺さぶるジャズ~パトリシア・バーバーPatricia barber(3) : 「modern cool」

パトリシアの心意気が14年の経過を経てブルー・レイ・オーディオ・ディスクで登場

<JAZZ, ROCK> Patricia Barber 「Modern Cool」
                       Blu-ray Disc    Premonition Records 90761-4 ,  2013

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 パトリシア・バーバーの多くのアルバムの中でも一,二を争う名盤。これは1998年リリースされた4thアルバムだが、ここに来てリマスターされ、サウンドの改良を経て5.1surround(DTS HD MA 24/96KHz) & 2.0 LPCM 24/192KHz の2タイプを搭載してリリースされたのだ。このブルー・レイ・オーディオは、目下私が最も期待しているもので既に紹介したが、PCオーディオ時代になって、CD、SACD を超える一つのメディアとして期待されるもの。目下は一般のBlu-ray再生機で対応可能とするために、96kHZも搭載している訳だが、これからはこの盤の性能を引き出すには、192kHZに対応した再生機が必要となるが、それはこの盤の普及次第というところだろう。
 
  さて、このアルバム話に戻るが、彼女の Discography は、「2013. 3. 17 パトリシア・バーバーの傑作アルバム考」(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-f82c.html)を参照にして欲しい。

Moderncoollist  このアルバムのTRACK-List 及びメンバーは左のようなところ。彼女の曲は12曲中8曲登場。

 オープニング”Touch of trash”、”Winter”の彼女のオリジナル2曲の格好良さに圧倒される。John McLeanのギターが泣き、ピアノがバックでむしろスロー・リズムを刻み、トランペツトが唄う。そしてパトリシアのダークなヴォーカルが漂う。いやはやこの世界はジャズであってロック心を揺さぶってきて、私の泣き所をしっかり掴んでいる。まいった。

Patricia5b  カヴァーとしいは”Light my fire”がパトリシア節への編曲が見事で、そしてポール・アンカの”She's a lady”などが登場する。
 ”3.You & The night & the music”が又なかなか良いです。ジャズ心の夜のムードが迫ってきます。こうゆうのにも私は弱いんですね(笑)。
 その他、”8. Let it rain”、”11.Postmodern blues”では、ブルース心をも刺激してくれて満足。いやはや奥深い。

 ここでリリースされたサウンド改良版は実に嬉しいところであった。

(試聴)① Light My Fire http://www.youtube.com/watch?v=0yp_PY9MQzI
          ② Company http://www.youtube.com/watch?v=GWO09Vh3IRM
          ③ Postmodern Blues http://www.youtube.com/watch?v=3wv60d0KH2Y

            [PHOTO  今日の一枚]

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(OLYMPUS PEN E-P3   M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm 1:3.5-6.3 EZ)

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2013年3月17日 (日)

パトリシア・バーバーPatricia Barberの傑作アルバム考(2) : 「café blue」, 「VERSE」

Patricia7 聴けば聴くほど病みつきになるこの世界

 前回に続いてパトリシア・バーバーPatricia Barberだ!!。
 
  先ずは彼女のDiscographyを下に紹介する。1stアルバムが1989年ですから、結構彼女は遅咲きでしたね(34歳)。
 もともとはピアニストの世界であったのではないかと思われるが・・・・あの特異な低域のヴォーカルでの伝統的ブルース・ジャズとクラシカル・ロックの融合に、オリジナルな発想での曲が生まれ開眼したのではないかと想像するところだ。
 

<Discography>
1.Split Premonition Records (1989)
2.Distortion of Love Antilles (1992)
3.Cafe Blue (Two versions) Blue Note Premo. Records (1994)
4.Modern Cool (Three versions) Blue Note, Premo. Records (1998)
5.Companion Blue Note, Premonition Records (1999)
6.Nightclub Blue Note, Premonition Records (2000)
7.Verse Blue Note, Premonition Records (2002)
8.Live: A Fortnight In France Blue Note (2004)
9.Live: France 2004 DVD Blue Note (2005)
10.Mythologies (Two versions) Blue Note (2006)
11.The Premonition Years: 1994-2002  Blue Note (2007)
12.The Cole Porter Mix Blue Note (2008)
13.Smash Concord Records (2013)


  前回は、私が最初に聴いた1stアルバム「Split」と、何年かの間をおいてここに再会してお気に入りになったアルバム6.「Nightclub」 、そして最新アルバム13.「Smash」の3枚のアルバムを取り上げた。ここでは彼女に惚れ込むであろう素晴らしいアルバムがあるので、順次紹介・推薦することとする。


<JAZZ>patricia barber 「café blue」
      Blue Note(Premonition) 90760 ,  1994 

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  Patricia Barber : vocals,piano
  Michael Arnopol : bass
  John McLean : guitars
  Mark Walker : drums, percussion, body parts

TRACKLIST
-What A Shame - lyrics*
-Mourning Grace*
-The Thrill Is Gone
-Romanesque
-Yellow Car III*
-Wood Is A Pleasant Thing To Think About -lyrics*
-Inch Worm
-Ode To Billy Joe
-Too Rich For My Blood -lyrics*
-A Taste Of Honey
-Nardis
-Manha De Carnaval
      (*印は彼女オリジナル)

これは3rdアルバムで、彼女のキャリアーの中でみれば、比較的初期に近い。しかしこのアルバムで彼女は一躍注目を浴びたようだが・・・まさにその通りの素晴らしいアルバムだ。彼女の前衛的なピアノ、そしてそれに呼応するがごときに演ずるJohn McLeanのギター。ヴォーカルは美しさとダークな両面をみせ更に深遠な空間を感じさせて魅力的。異色な世界は間違いないが、そこにはハイセンスな世界が展開しているのだ。はっきり言うと”通”にもてるであろうJazzyな曲であり、しかもロックの心も忘れていない。
Too Rich for My Blood”の彼女の曲のように、時に高音の響きを歌い上げる不思議な唄であるところもユニークと言われる所以であろう。マイルスの”Nardis”におけるピアノの美しさも出色であり、又即興的展開部も見事。

(試聴)Nardis http://www.youtube.com/watch?v=Zi3i-HqDNFI


<JAZZ>Patricia Barber 「VERSE」
      Premonition Records  KOC-CD-5736 ,  2002

Verse

members
   Patricia Barber : vocals, piano
   Michael Arnopol : bass
   Neal Alger : guitars
   Dave Douglas : trumpet
   Joey Baron & Eric Montzka : drums


 このアルバムは2002年の7thアルバム。既に彼女の評価も確立してユニークなジャズは更に一歩前進する。それは今までのピアノ、ギター、ベース、ドラムスのカルテット編成にトランペットが加わって、ジャズを一層深めるのだが、そこにはロック心は相変わらず彼女流の解釈で流れている。

Verselist TRACK-LISTは左のような10曲。彼女自身のオリジナル曲で埋められている。彼女のダークな低い声が一役買ってのことであろうが、”悪が強い”という表現もするものがいる。ここでも曲自身が異様な展開がみられるし、それも一つの評価かも知れない。しかし私からみればむしろソコが魅力であるのだ。
 ”I Could Eat Your Words”は、グルーヴィーなピアノの曲の流れ、彼女のダークなヴォイス、途中から唄うトランペット、これぞジャズという典型的な曲。
 ”Regular Pleasure”や”The Fire”のムードはピカイチ。
 そして最後の”If I Were Blue”での哀愁の世界も印象深い。もともと性的問題も抱えている彼女のようで、この曲では何かそんな世界も見え隠れする感じだが。

(試聴)①Dansons La Gigue  http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=wOxp7KiqZcs&NR=1
② If I Were Blue (1)http://www.youtube.com/watch?v=3xxZKbGTcuU
                        (2) http://www.youtube.com/watch?v=BN5hNMemCWc

どうもまだ紹介しきれない。もう少し続けて彼女のアルバムに焦点をあててゆきたい。

[PHOTO  今日の一枚]

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(OLYMPUS PEN E-P3   M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm 1:4-5.6 R,  PL)

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2013年3月13日 (水)

ジャズであってロック心を昇華するパトリシア・バーバーPatricia Barber(その1) : 「SMASH」,「SPLIT」etc

私の世界に復活した”ジャズとロックの強力な交錯の世界”

Patricia1   とにかく驚きであった。女性の美学をこよなく探求する友人からの紹介で届いたアルバムがある。聴くと同時に虜になったピアニスト、シンガー・ソングライターのパトリシア・バーバーPatricia Barber。これぞ一つの究極の女性ヴォーカル・アルバムだ( 「Nightclub」(2000) ↓)。
 ところが・・・・なんと私の頭の中で何かが騒いだ。”ええ!、もしかしたらかって聴いたことのあるあのアルバムの?”と言うことで、既に満杯で処理に困っているCD棚の中や、収納の中を探し回って出てきたのが、彼女の1stアルバム「SPLIT(1989)だった 。

 この「SPLIT」しか知らなかった私が、頂いたアルバム「Nightclub」で、何年ぶりかに彼女に再会してみると、その変身にビックリ。見事に円熟したそして洗練されたヴォーカルと演奏のジャズ・ミュージックが開花している。まさに女性ジャズ・ヴォーカルを聴こうとするならば、この世界は知らなきゃ損という傑物であった。

<Jazz> PATRICIA BARBER 「nightclub」
BLUE NOTE (PREMONITION RECORDS) 90763 ,   2000 

 

Nightclub

Patricia Barber - vocals, piano
Michael Arnopol - bass (5, 9, 10)
Adam Cruz - drums (4, 5, 6, 8, 9, 11)
Charlie Hunter - 8-string guitar (4, 6, 11)
Marc Johnson - bass (1, 2, 3, 7, 8)
Adam Nussbaum - drums (1, 2, 3, 7, 8)

 

TRACK-LIST
-Bye Bye Blackbird 4:01
-Invitation 4:59
-Yesterdays 6:41
-Just For A Thrill 3:21
-You Don't Know Me 3:46
-Alfie 4:51
-Autumn Leaves 5:04
-Summer Samba 3:44
-All or Nothing At All 3:23
-So In Love 3:42
-A Man & A Woman 4:19
-I Fall In Love Too Easily 3:28


 このアルバム、上のLISTのようにスタンダード曲、ポヒュラー曲のオンパレード。しかも”これぞジャズ・ヴォーカルだ!”と言ってしまいたくなるパトリシア・バーバー節。個性的な低くダークでありながら夜の夢を感じさせるところがミソ。私の好みの都会の夜が静かに現れる。となかく彼女の洗練されたピアノのインプロヴィゼーション演奏が絡んでくるのでたまらない。それもマーク・ジョンソンがベースを担当している曲群がなかなか良く、これぞニュー・ジャズの究極に迫らんとしている。こんな世界になっていたのかと聴き入ってしまった。ものうい夜のジャズ・ヴォーカルの一級品。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=qIaBzdfl_rw 

 ・・・・・・・・・・ところがところが、更にそれならばと最新作( 「SMASH」(2013) )をと手に入れてみると、これ又意外や意外、・・・・油断大敵、アルバム「Nightdlub」とは一線を画したアルバムに対峙することになる。こうも進化するのかと驚かされたロック心が見事に昇華したジャズ・アルバムに至ったのである(↓)。

 

Smash_2 Patricia Barber 「SMASH」
Concord Music  0888072336766 ,  2013

 

members
  Patricia Barber : Vocals,Piano
 John Kregor : Guitar
 Larry Kohut : Bass
 Jon Deiitemyer : Drums



 このアルバムで、これぞ常識的なヴォーカル・ジャズに一線を画した彼女の異様空間とまで言える渋いジャズの世界が完成している。そしてそこにはなんとロックの導入によるインパクトの襲う世界をも描ききっている。まさにgroovyと言われる彼女のピアノ・サウンドが強力に彼女自身の独自の世界を築いているのだ。
 そうだこれがパトリシア・バーバー!。これで私の記憶にあった彼女(アルバム「SPILIT」)が納得できるのである。
 このアルバムは上の「Nightclub」とは全く異なって、全て彼女のオリジナル曲。このアルバムこそ久々にリリースした彼女の入魂の世界なのだ。
 驚くなかれ、彼女は1955年シカゴ生まれ。ということはなんと57歳。いっやー、頑張っている。父はかの有名なグレン・ミラー楽団のサックス・プレイヤーだったらしい。1989年デビュー。

TRACK-LIST
01 – Code Cool
02 – The Wind Son
03 – Romanesque
04 – Smash
05 – Redshift
06 – Spring Song
07 – Devil’s Food
08 – Scream
09 – The Swim
10 – Bashful
11 – The Storyteller
12 – Missing


 TRACK-LISTは上の12曲。 冒頭からロック心を刺激する異様な空間を彷徨うジャズ世界の展開が襲ってくる。そして”Romanesque”ではピアノとヴォーカルのつぶやきと語りが静かな情景が見えて魅力的。
 さて問題は、アルバム・タイトル曲”Smash”だ。4分20秒の曲の前半約2分は、ピアノが美しく流れるが、中盤突如としてエレクトリック・ギターが泣いてヘビー・ロックの世界が展開。これは私的にはたまらない曲の構築だ。
Spring song”は、ベースとピアノの美しさが押し寄せてくるジャズ。

(試聴)① SMASH http://www.youtube.com/watch?v=sFOqtQpquiU
     ② CODE COOL http://www.youtube.com/watch?v=0qtA8iwo1n0


*

Split  さて、ここで何年か前に初めてパトリシア・バーバーを知った1989年の1stアルバム(左)を挙げておく。もちろん私の初の出会いとは言っても、せいぜいここ10年以内のところで、リアルタイムでは全くない。

Patricia Barber 「SPLIT」
Premonition Recprds  KOC-CD-5742 ,  2000 (Origonal 1989)


 Patricia Barber : Piano, Vocals
  Michael Arnopol : Bass
  Mark Walker : Drums

TRACK-LIST
  1. early autumn
  2. greys*
  3. alone together
  4. spy sly*
  5. easy to love
  6. too late now
  7. winter illusion*
  8. retrograde*
  9. two for the road
10. then i'll be tired of you

        (*印 彼女のオリジナル曲)

 ここに単純なジャズでない彼女の世界のスタートが知ることが出来る。このアルバムは、カヴァー曲と彼女の曲がほぼ交互に登場するが、彼女の曲はインストメンタルでトリオ演奏の世界。ピアノ演奏に自己の主張が濃厚な曲展開。そしてカヴァーものは、彼女のやっぱりジャズなんだろうがただそれに止まっていない独特な味のヴォーカル曲という編成。これが実に不思議な世界を醸し出すのである。この特異のジャズ世界に出会いながら、ここまでその後のアルバムに接しないで来てしまっていたのだ。もう一歩、訴える何かが欲しかったアルバムであったと言える。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=pn1XEoS4E0I

 

さて・・・・ここまでは私のパトリシア・バーバーとの巡り会いの物語であるが、次回に推薦盤を紹介したい。

 

[PHOTO 今日の一枚]

 

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(OLYMPUS PEN E-P3 ,  M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm 1:4-5.6 R)

 

 

 

 

 

 

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