コニー・フランシス

2012年7月10日 (火)

Connie Francis (3) とにかく多いベスト盤

コニー・フランシスもの~ちょっと変なベスト盤もある

Connie2  コニー・フランシスを取り上げて、年寄り得意の回顧シリーズになってしまってますが、まあ、現在の若い女性ヴォーカルものもそれなりに否定はしませんが、ちょっと時代背景があまりにも違って、個人的には意味合いが全く違ってくるのはしょうがいところでしょう。
 日本では、”ヴィ、エィ、シー、エィ、ティ、アィ、オー、エヌ”と叫んで誰もが唄った”Vacation”とか、”ボーイ・ハント”とか・・・・日本の若い女の子のカバーもあってこれらの曲は国民的に愛されたと言ってもいいでしょうね。しかし、彼女はそれ以上に、世界的な広い分野の多くの歌を唄ってくれて、あの時代を盛り上げてくれたのも事実だったように思うのです。

 さて、ベスト盤の紹介を続けます・・・・・・



The Very Best Of CONNIE FRANCIS

 
Original Greatest Hit

Starlight Int'l Development  SICD-08004,  2005

Goldencoll

 いやはやこうしたベスト盤もあるんですね。これは最近手に入れたものだが、"Made in Hong Kong"となっている。どうも、ドリス・ディとかパティ・ペイジ、ザ・プラターズなどなどの何十人のベスト盤シリーズもののうちのコニー・フランシスものらしい。なにせ値段は500円ながら、立派な装丁と歌詞付きブック・レットが付いている。

Goldenclllist 収録は左のようなところ(クリック拡大)。日本の’60年頃のヒットをしっかり15曲納めている。
 さてそこまでは良いのだが、ええ?、コニー・フランシスの丁度聴きどころの高音部がどうも変である。"Digitally remastered from classic recordings"となっているが、明らかにマスター音源からのものでなく、何かの再生装置で再生させて、それをDigital Recording したのかも知れない。これではコニーの魅力半減。どうも他人がまねして唄ったものではなさそうであるが、どうもいかんですね。初めてコニーを聴こうとするものにとっては、魅力点をそいでしまったようなもの。

 こうゆうものも出回っているので、古き時代のベスト盤探しは慎重でなくてはならないですね。まあとにかくこんな歌を歌っていたというところまではこれで良いのでしょうが、それでも私としては彼女の魅力の歌声をしっかりと聴けるアルバムで聴いて欲しいと願うのである。
<評価> ブックレットは歌詞まで載せて良く出来ているのですが、残念ながら・・・ ★★☆☆☆

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2012年7月 8日 (日)

Connie Francis(2) コニー・フランシス を聴こう!

手持ちのアルバム評価紹介

 懐かしの1950-1960年代に回顧しているところで・・・・・この多芸・百戦錬磨のコニー・フランシスについて、もう少し書いてしまいたい。彼女のアルバムで前回取り上げたベスト盤(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/connie-francis-.html)以外のもので、目下まだ手に入れる事の出来ると思われる私の所持品を紹介しておこう。

Connie Francis 「The Ultimate Collection」
Spectrum Music     9807582, 9807583, 9811205,    2003

Ultimatecoll

 これはCD3枚組でタイトルどおり究極のベスト・コレクション盤。早い話が、例の日本ヒットのポップスのコニーを期待してはいけない。彼女が名曲、スタンダード・ナンバーを彼女の女性ヴォーカリストとしての力を結集して歌い上げたもののコレクション盤なのである。
 そして、この曲群は1956-1970年の15年間に唄われたものの総集編。あの日本人がカバーしたようなポップ・ヒット・ナンバーは含まれていない。しかし私はお気に入りのベスト盤である。そしてなんといっても当時のものとしては不思議なくらいに音質は良いのである。そしてコニー・フランシスを知るにはこの世界を知って欲しいのである。

Ultimatecd1 <CD1>

 左の収録曲を見て頂くとわかるとおり(クリック拡大)、彼女のポップ・ヒット集ではない。しかし又それほど難しい曲が続くわけでもない。なんとオープニングは”among my souvenirs”で、彼女の得意パターンの二重録音ハモリの美しさの曲からスタートしているあたりはこのベスト盤が彼女の世界を知り尽くして作り上げたことが良くわかる。

 ”am i blue”の歌唱力の素晴らしさ・・・・、
そして”blue hawaii”、”stardust”、”malaguena”、”danny boy”、”swanee”、”over the rainbow”と名曲がどんどん登場する。
 ”danny boy”は、彼女の泣き節と歌い上げる力量に圧倒される。

 ”like someone in love”は、1964年ものだが、1961年の”how long has this been going on”などと、彼女のこうした世界も貴重な世界である。”malaguena”は1960年で、彼女が売り出して絶頂期。私はよくよく聴いた彼女のマラゲーニャだ。

Ultimatecd2 <CD2>

 ”my foolish heart”は印象深かった曲。”Ritorna a me ”のように美しく唄われるのも決して彼女の特別ものではない。”love me tender”のように、プレスリーものが結構彼女はカバーしている。
 ”vaya con dios”も私の当時の彼女のお気に入りの曲。こうゆうタイプを実は日本でも聴いて欲しいと当時思ったものだ。これは1966年もの。
 ”your cheatin' heart”、”bye bye love”は、彼女の初期の人気曲。

Ultimatecd3 <CD3>

 ”moon river”、”the look of love”、”quando quando quando”、”fly me to the moon”、”strangers in the night”、”the last waltz”等々おなじみの曲が登場。今でもこのbacharachの”the look of love ”あたりは、JAZZYな女性ヴォーカリストにとっては登竜門のような曲だし、ブラジル66がヒットさせた曲とのアレンジの違いを感じとるのも面白い。
 
 とにかく、彼女の中高音部の特徴あるヴォーカルが満載であり、考えてみると懐かしの1950-1960年代、日本が近代化に大きく変化をしてゆく時代のポピュラー・ミュージックであった。バックの演奏陣そしてオーケストラは、時代を感じざるを得ない現代の洗練されたところとは若干異なる古めかしさはあが、それでも奮闘していると言っていいのだろう。
 
 時に日本は60年安保闘争を始め大衆運動が社会を動かしていた激動の時代であったのだが、そんな時代にアメリカから入ってきたポップスに日本人の若き層は大きく影響を受けながらも、日本の将来に思いを馳せていたわけである。

 いずれにしても、この3枚組ベスト盤は、コニー・フランシスの総集編としてお勧めである。 
 <評価> 50年以上前のものを、頑張って制作された点を評価して・・・・・★★★★☆

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2012年7月 5日 (木)

回顧シリーズ(音楽編-8-)そりゃー、なんと言ったって コニー・フランシスConnie Francis

百戦錬磨の芸達者ヴォーカル

Conniefrancis1_2  とにもかくにもコニー・フランシスConnie Francisですね。ええ?何の話?って、そりゃー私の若き時代の話です。
 先日、ザ・ピーナッツの双子の歌手の姉の伊藤エミが71歳で亡くなられたということで、昔の青春時代を思い起こしていた方々が多かったんですが、私の場合は残念ながらもうちょっと古い、つまり1950年代後半が頂点でした。と、言うことで女性の歌声と言えばコニー・フランシス。まさにモノラル時代からの話になってしまう。

 彼女の歌声の私の入り口は”フーズ・ソリー・ナウwho's sorry now?”(モノラル)と”カラーに口紅lipstick on your cllar”(ステレオ)、1958年、1959年の2曲ですね。
 ほんとは当時は、もう一人デビー・レイノルズDebbie Raynoldsが良かったですね。歌は1957年の”タミーtammy”が好きでした(これはコニー・フランシスも歌っている)。それはそれとしてコニー・フランシスはとにかく何でも唄う。ロックン・ロールからの所謂ポップス、そしてラテン、シャンソン、ジャズ、民謡系とほんとに何でもコニー節になってしまう。私は当時あまりまだ無かったステレオ盤で、彼女の”ラテンを唄う”をなけなしの小遣いをはたいて買ったのを思い出す(今は残念ながら当時の盤は重なる何回かの引っ越しで私の元から無くなってしまってます。残念!)。

 とにかくR&Rの”カラーに口紅”は魅力的。ヤッヤッヤッヤ、ヤーヤのバックで始まって、彼女としてはやや低音で歌い始めて、それから軽快にしかもリズムカルに、そうでいながらややクールにと魅力たっぷりの曲。当時の曲”間抜けなキューピットstupid cupid”も同様な展開で高音部で声をひっくり返して愛嬌たっぷり。しかし、ほんとは彼女の魅力は最初のヒットである”フーズ・ソリー・ナウ?”のタイプにあるんです。特に高音部が切ない歌声に変わるところ(泣き節)が何とも魅力であった。

THE VERY BEST OF CONNIE FRANCIS
NOT NOW MUSIC    NOT2CD359 ,  2010


Theverybest

・・・・・・と言うところで、現在手に入る彼女のベスト盤の紹介だ。これはCD2枚組で全50曲が網羅されている。ところが、とにかく彼女のアルバムは50枚に及ぶと言われ、この納められた50曲もほんの一部なのである。

Bestlist1DISC1(左)は、どちらかというとヒット曲集。話題にしている1.2.6.の3曲は当然として、実は私のお勧めは3.”among my souvenirs”('59年)と、5.”my happiness”('58年)の2曲のような彼女の2重録音によるハモリ曲。これが彼女の特徴を知るに十分の曲。とくに前者はビルボード2位まで上昇した。

 そうこうしているうちに、1960年代になって、日本でも人気が上昇し特にポップな歌手として受け入れられた。
 誰でも知っている”ボーイ・ハント”、”ヴァケイション”、”可愛いベイビー”、”大人になりたい”等々、当時の日本の女性ポップ歌手は、彼女の歌をカバーして人気を勝ち取っていったのである。それは伊東ゆかり、ザ・ピーナッツ、弘田三枝子、金井克子、青山ミチ、中尾ミエ、森山加代子、後藤久美子等々これも数え切れないほどだ。

 一方、コニー・フランシスの泣き節というのも有名だった。それもそもそも最初のヒット”フーズ・ソリー・ナウ”から始まっている。
 なにせ、プレスリーの12.”heartbrak hotel ”からはじまって、13.”tennesie waltz”まで、カバー曲の出来も良くおどかされたものである。特に’50年のパティ・ペイジの”tennesie waltz”を10年後に再び泣き節でヒットさせたのも有名な話。

 このベスト・アルバムは日本のポップ・ヒットより、彼女の世界でのヒットを纏めているところが聴きどころ。従って日本だけのヒット曲”可愛いベイビー”、そしてあの”ヴァケイション”などは収まっていない。そこが又味噌のベスト盤である。それだけ当時のコニー・フランシス・ファンにはむしろ涙もののベスト盤なのである。16.”my special angel”などは私にとっては懐かしの曲。

Bestlist2_3 さてDISC2は、彼女のjazzyな歌、そしてじっくり聴いてみたいと思うバラード調の曲など、十分な選曲になっている。特に7.”half as much”は最も好んだ曲の一つ。このDISC2が彼女の多くのベスト盤の中でも歌い込みを中心とした選曲で出色のところである。

<評価>このアルバムも、当時のものをよく頑張って編集したというところを評価して・・・★★★★☆

 ところで、コニー・フランシスについてであるが、彼女は1938年アメリカ生まれのイタリア系歌手だ。本名Concetta Rosa Maria Franconeroという。父親が熱心に彼女に音楽を教育して育ったという。
 そして子役時代からテレビ番組に出ているし、映画にも出演している。根っからのタレント人生であった。

 アメリカのタレントにはよくある話であるが、彼女も4回の結婚、離婚など、又ホテルでの黒人によるレイプ事件、弟の殺害される事件など不幸も多かった。そして躁鬱病のような状態の時も経ているが、その後の立ち直りも立派で、評価は一流のタレントとして現在も活動状態にあるというところ。

 

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