スティーヴン・ウィルソンのライブ映像盤(BD)2枚:「Anesthetize」「Get All You Deserve」
まさに70年代から現代、そして未来へのプログレッシブな総集編
~ロックは、やはりステージ・ライブだ!~
スティーヴン・ウィルソンの音楽エンジニアの活動はさておき、演奏家としての活動は目下「ポーキュパイン・ツリー」から「ソロ・ユニット」への2面に遭遇するが、その両者の映像盤である。
<Progressive ROCK> Stoeven Wilson 「get all you deserve」
Blu-ray Kscope Ksope514 , 2012
スティーヴン・ウィルソンのソロ・ユニット・ライブ映像。主として近年「Porcupain Tree」から離れての2011年の彼の2ndソロアルバム「Grace for Drowing」リリース直後の2012年4月のメキシコ・ツアー映像。
従ってメンバーはアルバム制作群:Steve Wilson(Vocals,guitar,keybords), Marco Minnemann (drums), Nick Beggs (bass), Theo Travis (flute and sax), Adam Holzman (keys) and Niko Tsonev (guitars)。
List は下記、明らかにクリムゾン・タイプのウィルソン世界。6人バンドとしてそれぞれの楽器の繊細さとダイナミックさを見事に取り混ぜての迫力と説得力は素晴らしい。各メンバーの演奏力も高く、ウィルソンにとっては納得ユニットと思われる。はっきり言って全体的には暗い、しかしその暗さが深遠さを増して素晴らしい。”Veneo Para Las Hadas”のようにスローな説得力がある曲、”raidderII”の各演奏陣との連携プレイの妙と静粛な音の間の取り方、一転しての激しさの展開、この大会場の聴衆を彼等に惹きつけてしまう。なかなかプログレッシブなステージは感動もの。彼はこの世界で次のアルバム作りにも進むわけだ(「The Raven That refused to sing 」(2003) 参照①)
1. Intro ('Citadel')
2. No Twilight Within the Courts of the Sun
3. Index
4. Deform to Form a Star
5. Sectarian
6. Postcard
7. Remainder the Black Dog
8. Harmony Korine
9. Abandoner
10. Like Dust I Have Cleared From My Eye
11. Luminol
12. Veneno Para Las Hadas
13. No Part of Me
14. Raider II
15. Get All You Deserve
16. Outro ('Litany')
<progressive ROCK> Porcupine Tree 「anesthetize」
DVD+Blu-ray Kscope Kscope506 , 2010
こちらは2008年のスティーヴン・ウィルソン率いる「Porcupine Tree」 の”Fear of a Blank Planet-Tour”のNetherlandsのステージ模様だ。4人のメンバー(Steven Wilson(v, g,key)、Richard Barbieri(key)、Colin Edwin(bass)、Gavin Harrison(dr.))にお馴染みJohn Wesleyが、Guitarとbacking Vocalsで加わっての5人バンド。
この後の2009年に彼等のスタジオ・アルバム「The Incident」、ライブ・アルバム「Octane Twisted」(2012年)がリリースされたが、目下活動はそれ止まり、映像はこれが近作。
ステージ演奏はアルバム「Fear of a Blank Planet」全曲+αで135分に及ぶ。彼等のベースにはヘヴィ・ロックのビートをもっていることが解るが、元ジャパンのリチャード・バルビエリのキーボードが重要な役割を果たしている結果、クリムゾン的要素を持っているスティーヴン・ウィルソンでありながら、このバンドはどちらかというとピンク・フロイド、マリリオン流の曲展開をする(参照②)。曲の印象も内省的であるが、意外にウィルソンのギター音はエコーを効かせた方向に行かずやや乾燥感のあるデジタル・ロック傾向にある。しかしJohn Wesleyがなかなか泣きとヘヴィ・メタル両面のギターを効かせて貢献度大(18分に及ぼうとする物語を感ずる”Anesthetize”がたっぷり堪能できる)。
多分、ウィルソンは、もう少しヘヴィーで攻撃的、クリムゾン的アプローチを期していたのであろう。この後のアルバム「The Incident」にはその方向が見えたし、その後の彼のソロ・ユニットの流れをみるとそんな点が明瞭だ。ウィルソンはこのバンドの20年の歴史をこれからどう生かして行くのであろうか?。
(参照) ① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/steven-wilson-t.html
② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/porcupine-tree-.html
(試聴)"Luminol"http://www.youtube.com/watch?v=E3MpGBwGdVk
"Anestthetize"http://www.youtube.com/watch?v=AKeTD8E8Nkg
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