モニカ・ボーフォース

2016年7月21日 (木)

モニカ・ボーフォースMonica Borrfors 「Hello Young Lovers !」

まさに円熟の女性ジャズ・ヴォーカル

    <Jazz>
     Monica Borrfors「Hello Young Lovers !」
     GAZELL / SWE / GAFCD1119 / 2016

Hello_y_l
Recorded in the OAL Studio, Sollentuna , May, 2015

Monica Borrfors(vo)
Gösta Nilsson(p)
Filip Augustson(b)
Jesper Kviberg(ds)
Anders Bergcrantz(tp)
Fredrik Lindborg(ts)

138329917kyqe  ジャズ・ヴォーカルは殆ど女性にまかせろという時代だと思う。そのよって来たるところは、聴く者は男性が圧倒的に多いのかも知れない。そしてその魅力というのは可愛い魅力、美しい声の魅力、セクシーな魅力、ジャズ的センスに満ちている魅力、落ち着いた大人の世界の魅力などなど多彩だ。そんな中でここに取りあげるのは、まさに大人の包容力あるゆったりした世界でソフトでマイルドに包んでくれるジャズの一枚である。

 1980年から活躍しているスウーデンを代表するベテランで、大人の女性ジャズ・ヴォーカリスト、モニカ・ボーフォースMonica Borrfors(1954年生まれ)の久々の新作。2010年リリースの『Li'l Darlin』以来である。彼女のアルバムは数枚もっているが、これは彼女のリーダー作として10作目のアルバムになるらしい。
 スタンダードをしっとりと聴かせてくれます。とにかくベテランの味が満載のアルバム。

Band
 バックの演奏も充実。ピアノ・トリオをベースにトランペット、テナー・サックスが曲によって入る。特にピアノのGösta Nilssonは彼女の夫君で、私の持ち合わせているアルバムでは、私のお気に入りの1995年のアルバム『Slowfox』でも勿論関わっており、前作『Li'l Darlin'』(2009年)でも今回のピアノ・トリオは変わっていない。そしてこのアルバムではプロデュースとアレンジを行っていて、製作にはやはり彼の力が大きいようだ。

 この他参考までに、彼女は以前ここで取りあげた「スウィート・ジャズ・トリオ」との共演によるアルバムもなかなか魅力的な世界を演じてきている。(アルバム『a certain sadness』(2002年)、『Remembering Billie』(2004年))
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/monica-borrfors.html

List さてこのアルバムのTracklistは左のような16曲。特にアルバム・タイトル曲”Hello Young Lovers”にも表れているが、彼女の孫達に捧げられているアルバムとしても作り上げられたようだ。

 最後の曲”Epilogue after The Storm”のみはプロデューサーでピアニストのGösta Nilssonの曲で、締めくくりとしてのソロ演奏である。その他はスタンダード曲集であり(と言っても、私にとっては初聴きの曲も多い)、全てに彼女の暖かいマイルドにしてソフトなしかも英語による歌声が聴ける。
 特にM3.”Nature Boy”のしっとりとした歌い込みとバックのベースと共に描く世界は静かな落ち着いた夜の世界を感じ取れるのである。それは続いてM4.”It Never Entered My Mind”もミュートを効かしたトランペットの静かに響き渡る音と彼女のヴォーカルが素晴らしく共鳴して心に響いてくる。このあたりは完全に大人の世界ですね。
 又彼女のヴォーカル・アルバムであるが、M10.”Doxy”、M11”The Boy Next Door”、M12.”I Didn't Know What Time It Was”のようにバックの演奏陣がたっぷりと中間部でヴォーカル抜きで演ずるところもあって、このアルバムは演奏陣にとっても気合いが入って居るというか、プロデューサーのGösta Nilssonの意志が相当に入っていることが解る。

いやはやとにかくこれぞ大人のジャズ世界ですね。

(視聴)

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2013年2月 8日 (金)

大人の女性ジャズ・ヴォーカル~モニカ・ボーフォースMonica Borrfors 「a certain sadness」

北欧スウェーデンからの夜の和みを演出してくれる耽美なジャズ

<JAZZ> Monica Borrfors & Sweet Jazz Trio
       「a certain sadness」

          arietta DISCS   SOL J-0007  ,  2002

Acertainsadness

 ひょんなことから知った北欧スウェーデンの実力派ベテラン女性ジャズ・ヴォーカリストであるモニカ・ボーフォースMonica Borrfors。これがなかなか味わい深く、今になって感動しているわけであるが、その彼女の10年前のアルバムを掘り起こしてみたら、これまた納得の名盤。そしてこのジャケが又いいですね(このボケ味は見事です)。私のお気に入りに当然入ったわけで、ここで取り上げることになった。

Monicaborrfors2_3  彼女は調べてみると1954年5月生まれであることが解った。このアルバムの録音は2001年であるから年齢は推して知るべしといったところ。ストックホルムで歌手としてのデビューは1980年というから、まあ遅咲きと言っていいと思う。夫君はイョスタ・ニルソンGösta Nilssonというピアニストで、彼のピアノに魅せられて歌手となったという。2004年には来日(このアルバムのスイート・ジャズ・トリオと)も果たしている。
 彼女のアルバムとしてはこれが4枚目で、日本では始めて2002年に国内盤として登場したという記念すべきもの。そして現在もストックホルムを中心に活動中である。そしてヴォーカルは全て英語でこなしている。

Sweetjazztrio  このアルバムは、スウェーデンのスイート・ジャズ・トリオとの共演が特徴だ。このトリオは構成が、コルネット(Lasse Törnqvist)、ギター(Mats Larsson)、ベース(Hans Backenroth)という珍しいチェンバー・ジャズ・ユニットで、その演奏の描くところはソフトでメロウで品を感じさせる耽美な世界は何とも言えない深遠な幸福感がある。トリオ・ジャズを好む私にとっては、ピアノレス、ドムスレスというところは意外性に満ちているが、これが又聴いてみるとそれなりに良さは十分であるところが驚きだ。

Acertainsadnesslist  さて、Track-Listは、左のようで、内容はスタンダード集というところ。
 彼女の声は中低音はややハスキーで、高音部はそれに引き替え透明感あるところが魅力的。もともとアップテンポでスイングするジャズを唄うと言うが、このアルバムは全く異なって、私好みのバラードをしっとりと語り聴かせるがごとくに唄って聴かせる。これはスイート・ジャズ・トリオとの共演が一つの因子であるところは間違いないのであろう。ただ彼等との共演の結果というのでなく、これは紛れもなく両者の生んだもであると思う。

Slowfox_3  ・・・・・なぜなら、私が彼女を知ったのは、1995年の「Slowfox」 (右:試聴 http://www.youtube.com/watch?v=yIlqZC4MhzM ) というアルバムであったからだ。このアルバムはGösta NilssonやLars Janssonのピアノ、Lars Danielssonのベースが登場するもので、彼女がスタンタード曲を唄ったものである。これが又立派なバラード集で、何とも言えないスウィートでソフトでデリケートな唄い回しが素晴らしく、魅力的なアルバムなのである。
 
 さて話は戻って、このアルバム「a certain sadness」には、曲によってTrumpet(track 2,9,12) や、Baritone Saxophone(track 5) も登場する。しかしスイート・ジャズ・トリオの耽美な演奏がバックの中心で、そこにモニカ・ボーフォースのしっとりとしたバラードの唄声は北欧の詩情の世界と言えるものなのであろう。そんな代表的曲が”once upon a summertime”だ。ベースとギターの静かな中に描く詩情、そしてコルネット、サックスとの味が加味し、モニカの唄が素晴らしい。又”my foolish heart”も米・英とちょっと違った節回しが妙に魅力的。いやはやスウェーデン恐るべしといったところだ。

 北欧のこうした”夜の和みを唄うデリケートな歌の世界”は、雪の降る冬の夜の暖かい部屋で聴くのは最高である。

<Today's PHOTO>

P1282169monoblog2
(Olympus PEN E-P3,  M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm 1:4-5.6)

 
 

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