文化・芸術

2017年3月17日 (金)

[Culture]ボールペン文化・・・万年筆を超えられるか?

最高の書き味のボールペンは???

 このブログの事の始めは、「日頃の興味話」をと思っていたのですが、いつの間にかミュージックに偏ってしまっている。しかしそれも当然の結果だったのかも知れません。これからも多分そんな姿が続くのかとも・・・・・と、言うところなんですが、時には身近な雑談も良いのかなぁ~~と・・・・今日はこんな話になりました。

■前置き■
 私のように歳も重ねたものは、重要文書をボールペンで書くというのは未だにピンとこない。又一般の記録物にも、その書き味も昔の万年筆文化で育った者としては納得出来ないのである。しかもつい最近までは、ボールペンで沢山書くと、とにかく手が疲れる。

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愛用の万年筆
SHEAFFER
(←)

Zebra_g_2 勿論、仕事場に於いては、私はつい最近まで「Gペン」(→)にインクを付けて書いていたのだが、周囲から嫌がられて、最近はしぶしぶポール・ペンを使うようになった。(驚いたことに”つけペン”と言われる「Gペン」って知らない若者が多いのですね。あれほど書きやすく、値段も安くて便利なものを知らないとは・・・)
 又、ちょっと書類などにサインしてくださいと言われたときに、万年筆を出すと不思議がられる・・・変な世の中になったものだ(私的感覚)。

 かって私の師匠は、「記録というのはブルー・ブラック・インクで書きなさい」と指導された。それはこのインクは時間を経るに従って質が変化して、水につけても溶け出さないで滲まなくなる上に、時間の変化もおおよそ解ると言うことであった(従って書類に年を経てから追記した場合、その事は解るのだ)。今もそのブルー・ブラックは私の愛用インクだが、書き味から”PARKER”のものと決めている。それははっきり書き味のなめらかさが違うからだ。もうかなり前だが、並べて比較してみても国産はとても敵わなかった(ここに来ての現在はどうだろうかは不明)。ただしその成分などは未だに研究したことが無いので何故かは知らない。

■主題■
 さてところが驚いたことに、近年のボールペンの変化も著しい。それは非常に滑らかに書きやすくなったことだ。従ってこれならば私は書類を書くに当たって納得出来るのである。
 とくに油性のインクによるボールペンが一般的であるが、書き味が良いという水性のゲルインクのボールペンも現れている。又書かれた線の太さにも太字・細字のタイプもあって、用途によって使い分けられる。

Photo(←)水性ゲルインクの書き味No1は、「ペンテル・ENERGELエナージェル」でしょうね。

      *        *        *


 さて、ここでは従来からの「油性のもの」に焦点を当てると、まあ若干細めではあるが、目下私が一般的には使用するようにようやくなったのは、標準タイプの0.7mmというタイプだ。それも近年の書き味の滑らかさの改良は著しく、このところは最も良いと思ったものは、一世を風靡した「三菱鉛筆・JETSTREAMジェットストリーム」であった。

Photo_2 ところが、近年更に滑らかさと、線の美しさでの私の評価では、No1に躍り出たものがある。
 それは「ぺんてる・VICUÑAビクーニャ」だ。目下私はその中で右のタイプ(多機能ペンEX3シリーズBXW3375 0.7mmタイプ)を愛用しているのだが、その滑らかさは抜群である。又書いた線の安定性も良く、黒も美しい。ここまでポールペンは改良されたかと感動しているのである。

 そして更にこの改良時代なら、その他のものはどうかと研究(笑い)を進めたのであるが、以前から時には必要で使用していた名門ドイツ製「モンブランMONTBLANCも更に改良されているのでは?と思い、さっそく最近のレフィルを取り寄せて入れ替えてみた(↓の写真の上がもう10年以上前のもの、下が先日取り寄せた新しいMystery Black というレフィルである。ちょっと注意が必要だが、このように見た目は新旧同一ものに見えるが、ノック式のペンにおいて取り替えてみると若干先端の出方が小さく異なっていた。何かの理由によって変更されているようだ)。

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 しかし残念ながらこのモンブランMONTBLANCは、日本の近年のものには書き味の滑らかさにおいて全く及ばない。いやはや恐るべし日本の文房具メーカーだ。

 そこで、やや太めの線を描いてくれるボールペンも欲しいと言うことで、今度は諸々のメーカーのものを試し書きしてみたが、なんと太めでは「PILOT CUSTOM 74」(アクロインキ使用)がなかなか良好であった。

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 写真(↑)、上部のレフィル・ケースに乗せてあるのが10年前のレフィルを近年のモノに交換したMONTBLANCのボールペン。手前が先日購入した「PILOT CUSTOM 74」である。

 まあ、書き味の好みは人それぞれと思うが、ここでの評価は全く私個人のものであり、特に滑らかさに焦点を当てての感想だ。(皆さんはどうですか?、良いモノがあれば教えて欲しいです)
 こうして万年筆から、時代に遅れることのないよう日本の「ボールペン文化」になんとか適応しようと心がけているのであるが・・・・・・・・。
 しかしまだまだ・・・・私の万年筆文化は続くことと思っている今日この頃です。

(参考視聴)

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2016年10月15日 (土)

アンジェイ・ワイダAndrzej Wajda監督 波乱の人生に幕

多くの教訓を残して90歳で死去

640  悲しい訃報ですが、'50年代後半からポーランド映画界での活躍によって、映画史に残る映画監督・巨匠アンジェイ・ワイダ Andrzej Wajdaが10月9日に亡くなった。90歳でした。

 初期の代表作「抵抗三部作」と言われる(「世代」、「地下水道」、 灰とダイヤモンド」)でも日本でも広く知られて来た訳だが、ポーランド社会の宿命的苛酷な運命を描き、それは国際的評価を得た。ポーランドの激動の時代に波瀾万丈の人生を生き抜いて来たワイダは、映画を通じて我々に多くの教訓を残してきた。

58_ その多くの作品の中でも、まず「灰とダイヤモンド」(1958)は、私の映画史に於いても重要な位置にある。ドイツ・ナチス占領下からドイツ降服に至った直後の1945年のポーランドを背景に、そこにみたソ連共産主義統治下の圧政に対しての抵抗組織に属した青年を描いたもの。その彼が労働党書記を暗殺しようとすることで起こる暗い悲劇の物語だ。ゴミ捨て場で人間の価値観も感じられない虫けらのように息絶える主人公のラストの姿の虚しさを見るにつけ、歴史に翻弄されるポーランドの悲劇そのものを描いて衝撃的でした。

   アンジェイ・ワイダは、1926年、ポーランド北東部スヴァウキ生まれ。第二次世界大戦中は反ナチスのレジスタンス活動に参加した。ウッチ映画大学を卒業後、1954年に「世代」で監督デビュー。常にポーランドを愛し、この国の苛酷な運命を描いた。
   81年には、ポーランド民主化を率いた自主管理労組「連帯」を題材にした「鉄の男」を発表し、カンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)を獲得した。だが同年の戒厳令で映画は公開禁止となり、映画人協会長の職を追われた。その後一時消息不明となる。
 しかし民主化激動の89~91年には上院議員を務め、連帯議長から大統領に就任したワレサ氏の諮問機関「文化評議会」の議長に就いた。

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 2000年以降も80歳という高齢でありながら、創作意欲はすざまじく、ソ連によるポーランド軍人らの2万人以上と言われる大量虐殺事件が題材の「カティンの森」(07年)を製作した。この映画の描く虐殺された軍人の一人は彼の父親でもあったことから、ワイダにとってはようやく自由を勝ち取ったポーランドで描かざるを得なかった宿命の映画であっとも言える。この映画が日本に紹介されるまでは、彼の存在すら明らかで無く、投獄されていたという話もあった時期があった。その為この映画の出現は、映画以上に私にとっては驚きを持って歓迎したのであった。

 更にポーランド民主化への労働者に生まれた運動を描いた「ワレサ 連帯の男」(13年)などを発表した。もうここまで来ると映画の出来ということより彼の生きてきた執念の総決算という感じだった。
 そして今年、90歳になっても、共産主義時代を生きた前衛芸術家を描く新作を完成させたばかりだった。

 一方、ポーランドと言う国は歴史的にも日本との関係は良好で、今でも語られる杉浦千畝のユダヤ人救出、シベリアにおけるポーランド孤児救出、モンテ・カシーノの激戦にてポーランド部隊と日系人部隊の共闘などから親日家が多い。
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 芸術を愛するワイダも若き日に浮世絵などの日本美術に感銘を受け、そんなところからも親日家だった。87年に受賞した京都賞の賞金を基金に母国の古都クラクフに日本美術技術センター「マンガ」(→)を設立した。このセンターは日本の伝統工芸品や美術作品で中・東欧随一のコレクションを持っている。

 アンジェイ・ワイダの死は、世の定めとは言え日本にとっても悲しい出来事である。しかし彼もようやく安らかな時を迎えたのかも知れない。いずれにしてもご冥福を祈りたい。

(参考)<アンジェイ・ワイダ監督作品>

 世代 Pokolenie (1955年)
地下水道 Kanał (1957年)
灰とダイヤモンド Popioł i diament (1958年)
ロトナ Lotna (1959年)
夜の終りに Niewinni czarodzieje (1960年)
サムソン Samson (1961年
シベリアのマクベス夫人 Powiatowa lady Makbet (1962年)
Popioły (1965年)
Gate to Paradise (1968年)
すべて売り物 Wszystko na sprzedaż (1969年)
蝿取り紙 Polowanie na muchy (1969年)
戦いのあとの風景 Krajobraz po bitwie (1970年)
白樺の林 Brzezina (1970年)
婚礼 Wesele (1973年)
約束の土地 Ziemia obiecana (1975年)
大理石の男 Człowiek z marmuru (1977年)
麻酔なし Bez znieczulenia (1978年)
ヴィルコの娘たち Panny z Wilka (1979年)
ザ・コンダクター Dyrygent (1980年)
鉄の男 Człowiek z żelaza (1981年)
ダントン Danton (1983年)
ドイツの恋 Un amour en allemagne (1983年)
愛の記録 Kronika wypadków miłosnych (1986年)
悪霊 Les possédes (1988年)
コルチャック先生 Korczak (1990年)
鷲の指輪 Pierścionek z orłem w koronie (1992年)
ナスターシャ Nastasja (1994年)
聖週間 Wielki Tydzien (1995年)
Panna Nikt (1996年)
パン・タデウシュ物語 Pan Tadeusz (1999年)
Zemsta (2002年)
カティンの森 Katyń (2007年)
菖蒲 Tatarak (2009年)
ワレサ 連帯の男 Walesa. Czlowiek z Nadziei (2013年)

(アンジェイ・ワイダの人生)

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2015年10月31日 (土)

映画 時代劇回顧シリーズ(5) 中村錦之助「宮本武蔵」5作品   -私の映画史(19)-

時代劇映画の更なる新しい道・・・・・・文芸路線へ

 とにかく映画の全盛時代の1950年代を経て、1960年代となると映画そのものが次第に下降路線となりつつある時、その時代を反映しつつそこには新路線が登場したわけだが、その一つがリアリズム映像であり、更にもう一つの方向として単なる痛快娯楽路線から一歩進んで、文芸的な世界を模索する路線も誕生してきた。

東映映画 内田吐夢   監督
       中村錦之助 主演

          「宮本武蔵」            (1961年公開)
          「宮本武蔵 般若坂の決斗」 (1962年公開)
          「宮本武蔵 二刀流開眼」   (1963年公開)
          「宮本武蔵 一乗寺の決斗」 (1964年公開)
          「宮本武蔵 巌流島の決斗」 (1965年公開)

B
 吉川英治原作の「宮本武蔵」の映画化である。なんと5年かけての製作、当時とすればこの5年間は非常に長く感じられたものだった。そしてこの映画は、監督内田吐夢の一つのロマンの作品と言われている。過去の時代劇と違って、人間の姿・心を描こうとするところに文芸作品と言われる所以である。
 又、武蔵を演ずる中村錦之助の代表作とも言われるところは、彼のこの5年間の役者としての進歩の姿がこの一連の作品に見えてくるところだ。特に第一作での気合いの入れ方は当時驚かされたものだ。

Photo_3製作:大川博 
企画:辻野公晴、小川貴也、翁長孝雄 
原作:吉川英治 
脚本・監督:内田吐夢 
脚本:鈴木尚之、成沢昌成
撮影:坪井誠、吉田貞次 
照明:和多田弘、中山治雄
録音:野津裕男、渡部芳丈 
美術:鈴木孝俊 
音楽:伊福部昭、小杉太一郎 
編集:宮本信太郎 
助監督:山下耕作、富田義治、杉野清史、鳥居元宏、加藤晃、篠塚正秀、野波静雄、鎌田房夫、菅孝之、大串敬介 
記録:梅津泰子 
装置:上羽峯男、館清士、木津博 
装飾:宮川俊夫、佐藤彰 
美粧:林政信 
結髪:桜井文子 
衣裳:三上剛 
擬斗:足立伶二郎 
進行主任:植木良作、神先頌尚、片岡照七、福井良春
邦楽:中本敏生

 出演:
中村錦之助(宮本武蔵)
高倉健(佐々木小次郎)
片岡千恵蔵(長岡佐渡)
三国連太郎(宗彰沢庵)
月形龍之介(日観)
田村高広(柳生但馬守)
里見浩太郎(細川忠利)
木村功(本位田又八)
丘さとみ(朱実)
入江若葉(お通)
平幹二朗(吉岡伝七郎)
江原真二郎(吉岡清十郎)
岩崎加根子(吉野太夫)
薄田研二(柳生石舟斉)
浪花千栄子(お杉)
木暮実千代(お甲)
河原崎長一郎(林吉次郎)

 この作品は、内田吐夢監督の拘りが見事に描かれた。勿論吉川英治原作の意志は尊重されているが、内田吐夢自身の人間像に迫るところに魅力がある。 又キャストを見ても当時の東映の総力を挙げている。

 第一作「宮本武蔵」 (1961年公開)
 関ヶ原の戦いに敗れ、敗軍の兵として追われる錦之助の過去の美剣士錦之助像を殴り捨てた武蔵(たけぞう)の演技。それをみる三國連太郎の沢庵坊主の若き者への人間像への導きにポイントがあって、内田吐夢のこの映画への目的が明確に出る。

 第二作「宮本武蔵 般若坂の決斗」 (1962年公開)
 名門吉岡道場にて門弟を打ちのめして遺恨を残す。奈良の宝蔵院にての僧兵を一撃で即死させる。前半を静かに描いて、クライマックスの般若坂の決斗で爆発的にリアリスティックに闘いを描く。浪人の首が飛ぶところは、話題になった映画「用心棒」の壮絶さの上を行く。このあたりが内田吐夢の手法が見事に観客を虜にする。しかしこの二部でも”闘いの結果の殺人”と”僧の世界の真髄”に疑問を持つ武蔵。
B
 
 第三作「宮本武蔵 二刀流開眼」
(1963年公開)
 柳生石舟斉へと向かうも高弟との闘いとなり、二刀流が自然に生まれる。吉岡清十郎との洛北蓮台寺野に於ける決闘に勝利。名門の当主のプライドを守り通そうとする清十郎の悲壮感は壮絶に描かれる。勝利無くして武士の姿なしと剣の道に疑問を持ちながらも進む武蔵。

Photo_7 第四作「宮本武蔵 一乗寺の決斗」 (1964年公開)
 吉岡一門の怨念は深く、平幹二朗演ずる吉岡伝七郎との三十三間堂の対決、そして73対1の一乗寺下り松の決死の闘いを描く。主題の一乗寺下り松の闘いでは、敵の総大将には子供が立てられ、武蔵はそれを殺す。その罪を武蔵は背負って生きる事になる苦痛を描く。又闘いのシーンは内田吐夢のリアリズムが展開する。とにかく武蔵は一本の田圃のあぜ道を走って走って走りまくり、追っ手と一対一の状態をつくり戦う。昔からの東映の踊りに近い大勢に囲まれてのチャンバラとは違う。勝負は一対一でないと勝てない姿が真実感を増す。しかもこのシーンだけがモノクロとなるとこに拘りが見えた。

 第五作「宮本武蔵 巌流島の決斗」 (1965年公開)
 佐々木小次郎との巌流島における宿命の決闘。常に勝利の為の方策、そしてその後の追っ手から逃走の道まで考えて闘いに望む武蔵の計算高いところを描きつつも、相手を殺したことへの勝者としての喜びは無い。ここでは武蔵の殺人への罪を実は内田吐夢は強調する。「戦う」ことから生まれる悲劇、剣の道から人間に迫ろうとした武蔵には・・・・残るは「空虚」のみ。

      ”この空虚・・・・所詮、剣は武器・・・・・・”

 この映画の制作中の5年間には又映画界には変化が起きていた。「時代劇の衰退」と「任侠映画の劉生」である。そんな時の時代劇の生き方への一つの回答であった作品でもあった。

(視聴)

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2015年10月 8日 (木)

中西 繁「哀愁のパリ」油彩画展からのお話

今回は、パリの美しさと哀愁と・・・・・・そして人間性

 ここ一週間において、楽しく嬉しいイベントがありました。私がかってこのブログでも取り上げさせていただいた中西繁画伯の作品展を鑑賞できました。
 (中西繁先生については、ちょっと量がありますが、当ブログ・カテゴリー”中西繁http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat44430537/index.html”を、通して見て頂くと、私が何故期待しているかがご理解いただけると思います)

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         (中西繁画「雨のモンパルナス」F8~油彩画展案内から)

 実は今回の重大なイベントは、油彩画展鑑賞に加えての先生との”絵画は勿論ですが、それを超えたお話”が出来たことです。
 私は先生には以前にも書いた事があるのですが、三つのポイントで大きな関心を持っているのです。それは①「絵画の技術と美」、②「哀愁の心」、③「人間的・社会的問題意識」と言って良いでしょうか?。

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        (今回の「油彩画展」~中西繁先生の公開写真)

 そして今回の油彩画展は「哀愁のパリ」とテーマされてありますから、①および②が中心の世界ですが、実は私どもの為に数時間も用意して頂いたことになった”楽しい会合”によって、先生の魅力ポイントに④を追加したいと思っています。
  その追加ポイントは「魅力的な人間性」といったところでしょうか。この魅力は、感ずる者によって左右されるものであると思いますが、私にとっては更なる大きな魅力が感じ取れたと言うことで、今回のイベントの大きさを感じているところです。それはこの油彩画展に展示された作品に、あのパリのセーヌ川にかかる「ポン・デ・ザール」と「ボン・ヌフ」を描いた2作があったのですが(写真を撮るのは控えましたので、ここで紹介できないのですが)、そのセーヌ川の色の輝きです。これはなんと言っても観た者でなければ解らないところですが、まさにこれが中西繁画伯の人間性の輝きと思ったところです。絵画というのは、こうしたその人の姿が現れるところが素晴らしいですね。

 さて、この点については、いずれもう少し究めたいと思っていますが、今日はこんなイベントがあって、私にはこんなプラス・ポイントが加わったと言うことを記させて頂いて、いずれここに詳しく紹介したいと思っているところです。

(参考映像) 中西繁展「廃墟と再生」

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2015年3月12日 (木)

男のロマンのエッセイ集:中西繁著「À Paris~ゴッホの部屋の日々」(その2)~映画「男と女」

       <My Photo Album 瞬光残像 = フランス編>

中西繁先生の「パリ」に刺激されて・・・・私も懐かしのもう何年か前の「パリ・セーヌの夜」の撮影モノクロ・フィルムを引っ張り出しての一枚です(↓)。この頃は”夜のパリ”が好きでした。

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サンジュ橋pont au change 越しに観るコンシェルジュリーLa Conciergerie (遠くにはエッフェル塔のライトが見える)

          *    *    *    *
さて、本題↓

 男のロマン貫く・・・・・・中西繁

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 フランスとは・・・・まさにオールラウンドに芸術の国と、私自身の人生の中では位置付いている。中西繁の絵画の世界は当然として、私の好んだ音楽や映画そして写真の世界でも・・・なかなかこの国の右に出るのは簡単には見つからない。
 さて、中西繁のエッセイ集「ゴッホの部屋の日々」感想の続きである。

Photoモンマルトルからモンパルナスへ~モンパルナスの朝

 中西繁は2006年までの2年のパリ生活後は、冬期にパリに2,3ケ月滞在する生活のようだ。これはまさしく正解だと思う。
(←中西繁画「雨上がりのモンパルナス大通り」)
 私はパリは冬期が好きだ。街も葉を落とした街路樹と建物が美しい。ただ私と違うのは、彼は朝早い、そしてそこにフランスらしい姿を感じている。私は夜派、夜のパリの姿に酔った。

ドーヴィル・トローヴイル   ( 映画「男と女」

41ck0svwlrl1_2 この街はあのノルマンディー地方の海を望む港町。私はフランス映画「男と女Un homme et une femme」 (1966年)が、このドーヴィルを舞台としていることは、彼のこのエッセイで初めて知った。とにかくこの映画を見た頃は、フランスにおける都市の位置関係など理解していなかった為だ。
 いつぞやも中西繁はこの映画「男と女」がお気に入りであったことは知っていたが・・・このエッセイ集でもこの映画の監督のクロード・ルルーシュの言葉”人生は2,3のパターンしかなく、人々はそれを繰り返し残酷なまでに同じ道を歩いて行く”と、そして彼の画集に記した”人生は無数のパターンの足跡として残る”を対比して・・・・”人は歳を重ねるほど、ますます過去を想いながら生きてゆくものなのだ”と結ぶ。このあたりが中西繁節。

21 さてこの「男と女」の映画に話しを戻すが、これからは私のこの映画感想。話の筋はそれほど・・・・・?で、つまり公開当時のキャッチコピーを見ればその通り→”たちきれぬ過去の想いに濡れながら、愛を求める永遠のさすらい ・・・・・・その姿は男と女”。

 この映画の主題歌はフランシス・レイの”男と女”、これが又映画以上に世界を魅了した。又映像を音楽が作り上げるという技も見えた。
22 又「映像」というそのものの意味にも迫った。アングル、クローズ・アップ、動き、光の陰影、明るさ暗さ、そしてなんと言っても画面のお膳立てとしての”雨”。このドーヴィルという地は、日本で言えば冬期は暗い日本海に面した地と似ているのだろう。その暗さも重要な役割を果たす。そんな背景下の映像の素晴らしさも教えてくれた映画である。

 そして更にこの映画、カラーとモノクロの対比が素晴らしい。場面によって使い分けしているのだ。両者は互いに否定するものでなく、それぞれが優れたものである事を教えた。ただ私自身はこの映画ではモノクロに軍配を挙げている。

・・・・と、中西繁のロマン・エッセイ集はいくらでも私の書くことが脱線する要素を持っていて、私には楽しい一冊なのである。

(参考)

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2014年10月 4日 (土)

ステファン・オリヴァSTEPHAN OLIVAのピアノ・ソロ・アルバム  「VAGUEMENT GODARD」

あのヌーベルバーグを今にして解釈すると・・・・

<Jazz>

          STEPHAN OLIVA 「VAGUEMENT GODARD」
          ATEIER SAWANO/JAPAN/CD/ILL313006/2013

Vaguement_godard

 フランスにて1960年代のヌーベルバーグを代表する映画監督ジャン・リュック・ゴダールJean-Luc Godardの映画作品に登場する曲を中心にして、ステファン・オリヴァStephan Oliva (フランス・ジャズ・ピアニスト)が、ピアノ・ソロで今に我々に迫ってくる。これは一聴の価値があると言えるのだが、それは明らかに映画音楽集では無く、オリヴァの彼なりきの解釈でのジャズ・ピアノ・ソロ集であるところが注目。そしてこれは映画音楽をモチーフにしてのアルバム作りの彼としては3作目。今、何でゴダールなのかというところに実は迫らなければいけないのかも知れないのだ。

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Stephan Oliva (piano)
   (*印 Stephan Oliva のオリジナル曲)

1, Vivre Sa Vie (女と男のいる舗道)
2, -2.1, Partir En Vitesse*
 -2.2, La Mort Bleue (気狂いピエロ)
3, -3.1, Sortir D'un Mauvais Reve*
  -3.2, Ferdinand (気狂いピエロ)
4, A Bout De Souffle Suite(勝手にしやがれ)
5, Portrait D'Anna Karina
 -5.1, Chanson D'Angela(女は女である)
 -5.2, Bande A Part(はなればなれに)
 -5.3, Angela, Strasbourg Saint-Denis(女は女である)
6, Blues Chez Le Bougnat (カラビエニ)
7, Valse Triste (アルファビル)
8, The Sea XII (フォーエバーモーツァルト)
9, Ouverture / Camille (軽蔑)
10, Elle Hesite ! (ゴダールの探偵)
11, -11.1, La Torture C'est Monotone Et Triste* (小さな兵隊)
   -11.2, Agnus Dei (パッション)
12, Sauve Qui Peut (La Vie) (勝手に逃げろ)
13, Est-ce Que Vous M'aimez ? (気狂いピエロ)

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 それぞれの曲の映画の邦題は( )に記したとおりで、私の知っている映画は「勝手にしやがれ」、「気狂いピエロ」(左)の二っ位である。そうそう「軽蔑」は、あのブリジッド・バルドーが演じていて評判だったが残念ながら観てないのです。まあ私は当時はここに選ばれふたヌーベルバーグの”女と男の物語り”というパターンはあまり好んで観なかったんですね。
 それでもここで最も多く3曲取り上げられている「気狂いピエロPierrot Le Fou」(フランス・イタリア合作映画)は、どうゆうわけか観ています。あの主演のアンナ・カリーナ(デンマークの女優、ゴダール監督と結婚していたがこの映画の後離婚)の特別のファンでも無かったんですが、日本人向けの美人ではありましたね。しかも主演男優のジャンポール・ベルモントってどうもあまり好きで無かったんですが・・・・。
 日本公開1967年ですから、ほんとに懐かしいですね。

 このどちらかというと男にとって魔性の女とも言えるタイプを描いたものとしては、ピンク・フロイドの曲で描かれた「モアMore」 (1971年、ミムジー・ファーマー、クラウス・グリュンバーグ主演、ルクセンブルグ映画)とも共通したところがある。(私の映画史「モア」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-dd3f.html参照)これはこのコダール監督の助監督を務めたバーベット・シュローダーBarbet Schroeder監督作品だ。両者とも社会的な冒険と知識欲の旺盛な若い世代の愛を描いていると思うが、そこには悲劇的な結末が待っているところは共通している。

 
  さてこのオリヴァのピアノ・アルバムであるが、このようなヌーベルバークと言われた新世代の男女の関係を主体とした映画の音楽を取り上げ、彼の聴く者に思索的な世界に引っ張り込む彼自身の曲と組み合わせ、そして社会の裏側と人間の本質を見つめさせるが如く、ピアノの音と余韻とその流れが襲ってくるところは見事である。8曲目の”The Sea XII ”は、私が関心を持つあのケティル・ビヨルンスタの曲ですね。その他、有名どころのミッシェル・ルグラン、マーシャル・ソラールなどの曲が取り上げられているんです。
 このアルバム、澤野工房から昨年末にリリースしているんですが、今にして聴く機会が持ててここに取り上げた次第。

(参考) 映画「気狂いピエロ」

(試聴)

 

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2013年11月18日 (月)

葡萄牙(ポルトガル)~瞬光残像(1)

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「ポルトガル・ナザレNazaréの夕景」
      Olympus OM-D EM-5 ,  OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm 3.5-6.3 EZ
                                

   アマリア・ロドリゲスの最もヒットした曲「暗い艀(はしけ)」の登場したフランス映画「過去をもつ愛情」で、世界的に有名になった港町ナザレにてのワン・ショット。私の訪れた11月4日は、既に夏の賑わいはないが、海岸に面した通り(レプブリカ通り)には観光客が暗くなるまで右に左に流れていた。この町の面した大西洋の波は高くサーフィンとしても人気のところとか。 高台のシティオ地区には、17世紀の建物のナザレ教会(Igreja Nossa Senhora da Nazaré)があり、ここにはあのヴァスコ・ダ・ガマも訪れているという。その近くの崖の上からのこの街の展望は素晴らしい(↓)。

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                            (2013.11.4  撮影)

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2013年11月12日 (火)

葡萄牙(ポルトガル)縦断の旅(2)~大学の街に唄われるコインブラ・ファド

文化的充実度満点の大学都市コインブラ~音楽を愛する街でもある

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          (コインブラ大学学生達の演奏~2013.11.2)

Coimbra ポルトガルといえば、日本に西洋文化を運んだ最初の国、そんな親密感がありますが、しかし考えてみればユーラシア大陸の最も西の国、まさに遠い国ですね。 大西洋に面しているため食事は魚類が豊富で日本に似ている。印象としてはワインとコーヒーの国といった感じだが・・・・・。
 
 

 そのポルトガル第3の都市は文化の中心、丘の上にあるポルトガルの歴史を作ってきた由緒ある大学を中心にして丘陵地に広がる美しい街コインブラCoimbraだ。そしてここにもポルトガルを代表する音楽ファドが育ってきた。リスボンの女性の唄う哀愁のファドと異なって、男性が唄うところから、”コインブラ・ファド”と言われている。メロディーは意外に明るくそして繊細で、この大学を卒業した男性によって歌い継がれている。
 ここの学生は黒いマントを羽織って歩くところがミソで、ファドを唄う時にもそのマントを羽織って唄うのである。

Frederico さて、このコインブラ・ファドもコインブラの街及びリスボンのレストランで聴くことが出来た。

(左)Frederico Vinagre

 彼はなかなか顔に似合わず美声の持ち主、歌のテクニックも素晴らしい。今回のポルトガル旅行で初めて知った”コインブラ・ファド”というもの。こうして世界を歩いてみると、その地の伝統を持った音楽があることに感動もしたというところ。
 しかもこの彼は愛嬌もたっぷりであって、ショーが終わった後、私がこのレストランの別コーナーに彼の座っているテーブルに行き、CDの話をすると、自分のCDを沢山出して積み上げて、さてこれから売ろうとニッコリとして話しかけてくる。私がポーランド語が解る訳はないのだが、なにかその仕草が人なつこく、なんとなく意味は通ずるところが面白い。
Gredericovinagre
 そこで男もののファドCDは買うつもりが無かったのだが・・・・、取り敢えず20ユーロを出したら、嬉しそうにしてくれた。当然買ったと言うことになる。( ←「Coimbra」Metro-som CD 204 P)。
 

・・・と言う調子で、ご機嫌なポルトガルの音楽の一夜を食事と音楽で過ごしたのであるが、私が帰る時になると外に出てきて送ってくれた。そんな帰り際に、こんなスナップ写真を撮ったわけだ(私の顔はボカしてあるがあしからず)。

Fredericofloyd

(参考視聴)① Frederico Vinage  http://www.youtube.com/watch?v=6NLZIhZ7yk4

 

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2013年11月10日 (日)

葡萄牙(ポルトガル)縦断の旅(1)~民族歌謡ファドFado

やはりポルトガルと言えば民族音楽ファドFado

Port_2
                         (ポルトガル北の都市ポルトにて・・・2013.11.1撮影)

 ちょっと気晴らしの旅としてポルトガルに行って来たのですが、縦断の旅としては北部の空港のある都市ポルトからスタート。ここは日本としてはポート(port)・ワインの地と言えば解るところ。しかし実はポルトガルという国の発祥の地でもあるのである。なかなか美しい街ですが、ここからリスボンに縦断南下しました。
 そんな観光話は別として、やっぱり音楽話としては、ポルトガル=民謡ファドですね。まあ私はアマリア・ロドリゲスぐらいしか知らなかったのですが・・・と言うことはそれほど興味も無かったと言うことになる。
 ファドとは”Casa do Fado”と言われるぐらいレストランなどで唄われる大衆歌謡なんですね。いまや首都リスボン行くと誰もが楽しく接することが出来る。

 そこでリスボンのファド・レストラン(”O FORCARDO” - restaurante Típico)で聴いたファドの紹介

Fernanda(左)Fernanda Santos

 彼女は体格も良いがその声量には圧倒される。もともと私の場合は、CDその他で女性のファド・ヴォーカルを聴いてきたものとは相当に違っていた。もともとファドとは「運命」という意味で、失われたモノに対する郷愁、悲しみや懐かしさなどの複雑な心を描いた哀愁の曲として受け止めており、このような広い会場に朗々と響く圧倒的な声量での歌声で演じられるのに驚いたのである。

Forasilva(左) Flora Silvia

 なかなかのベテラン歌手ということは、相当な歳です。それでも声量は十分納得させる実力を持っている。YouTubeなどにも多く登場しているので、実力と貫禄の歌手なのであろう。

 さて、その後は私の得意の行状。彼女たちとの別室での3人でのお話しが持てた。全く言葉は解らないが、それでもお互いの雰囲気手振りなどで意味は解る。この店ではFlora SilviaのCDは売っていたので取り敢えず彼女から直接買ったんですが、Fernanda SantosのCDがないので、彼女本人に迫ると、おもむろにバックを開けて、入っていた一枚のみのCDを私にプレゼントしてくれた(歌が気に入った話をした為か、いやはや感謝)。もちろん私の名前も入れてのサインを付けて。
Listmemo


 そして左は彼女らが今夜唄ったリストをそれぞれ自筆で書いてくれたメモである。

Fernandasantos
(左) これらが、彼女らの2枚のCDのジャケ。アマリア・ロドリゲスがフランス映画「過去をもつ愛情」で世界的に有名にしたファドの曲”暗い艀(はしけ)BARCO NEGRO”も唄われている。

 この夜のファドの話はまだ続くのですが・・・・

 とにかく、ファドとはかってポルトガルはブラジル、アフリカ、アジアと世界各地に侵出した。そして植民地から多くの文化が入ったわけだが、特にその中ではこのファドという大衆的音楽は、特にブラジルにおけるアフリカ人奴隷が親しんでいた音楽という説があったりするが、いずれにしてもリスボンの下町でつらい生活の中でひとときの娯楽として広がったというところは事実であったようだ。
Florasilva 楽器は、ポルトガルのギターのギターラ(12弦)と、一般的クラシック・ギター(ヴィオラ)が一般的。

 ポルトガルと言うととにかくまずは民族音楽としてファドを取り上げなければならないところ。又このファドにはリスボンから少々離れたコインブラという大学都市にもコインブラ・ファドというものがあり、これはリスボンのファドは女性の心情を唄うモノであるが、それに対してこのコインブラ・ファドは男子の歌であり、どうもこれは学生が女性に捧げたセレナーデであるようで、こちらはむしろ明るさもある。このあたりは又次回。

(参考視聴)Amalia Rodrrigues "Barco negro" http://www.youtube.com/watch?v=bKmCib5YsYo
                 Flora Silva ""Janelas do rés-do-chão"  http://www.youtube.com/watch?v=Dh0aNLd9Z0I

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2013年9月24日 (火)

ブログの製本化=「ココログ出版」終了に思う~アンジェイ・ワイダ、ロジャー・ウォーターズ

ブログを書籍として出版の意味は?そしてブログ自身の将来は?
   ~「灰とダイアモンド」、「月の裏側の世界」に期したものとは~

目下全五冊の「灰とダイアモンドと月の裏側の世界」

5sazu
(製本化された当ブログ)

 この”Niftyのブログ=ココログ”を利用して小生のブログ「灰とダイアモンドと月の裏側の世界」を書き始めたのは2006年12月24日”「灰とダイヤモンドの世界は・・・・」”というもの。既に思い起こすと6年半以上が経過している。

Katyn_wajda もともとこのブログは映画や音楽、書籍などを通じて”問題意識”というものを大切にして行きたいという発想からであったのだが・・・・。
「灰とダイアモンド」
 当初”信念のポーランドの独立運動家としてのアンジェイ・ワイダ”を、彼の監督する映画の抵抗三部作といわれる作品の中の「灰とダイヤモンド」 を取り上げた。
 この作品は、ポーランドにおける第二次世界大戦末期のドイツ軍の降伏によって解放されたかと思われた際のロンドン亡命政府系ゲリラと、ソ連を背景に持ったポーランド労働党との内紛の姿を描いた。ワイダの描くところはポーランドの悲願の独立を期すところ・・・・、しかしその後は悲劇のソ連統治下に置かれ、近年の解放される前には、一時彼の消息は全く無く、投獄されているという話もあった。そんなところからもポーランドのアンジェイ・ワイダの意志は語り繋いで行かねばならないと思っていた。
 しかしこのブログを始めて後に、驚いたことに「カティンの森」 というアンジェイ・ワイダの作品が登場した(2007年)。これは私にとっては夢にも思わなかった驚きの彼の健在のニュースであった。この映画は、ベルリンの壁崩壊からポーランドもソ連から解放されるに到り、その結果自由が獲得されたことから、彼の人生の究極のあるところを80歳を過ぎて執念で描き完成させたもの。この事は私にとって彼の健在を知ることが出來て感動したところであった。しかもその後逆に日本の東日本大震災においては、彼からの激励のメッセージが日本に届いたことは更に驚きであった。私のブログが始まって以降、全く信じられないほどの展開もあったわけである。(又、彼の目下のところの最後の2009年作品「菖蒲」は、これからDVDとしてリリースされるので観ようと思っている)
 そして目下彼は87歳にして最後の作品として、「ワレサ」に意欲を高めている。既に製作に入ったかどうかは不明だが、あの自主管理労働組合「連帯」のリーダーのワレサ(元大統領)を描こうとしているのだ。

Rogerw1 一方、「月の裏側の世界」と言うのは私の音楽においてのリアルタイムなロックの歴史でもある~ご存じ”ピンク・フロイドの世界”だ。あの”当初のリーダーのシド・バレットが行ってしまった狂気の世界”。それを必死で次いだロジャー・ウォーターズにより表現された世界("The Dark Side of The Moon"=地球からは見れない月の裏側)。つまり常人では理解不可能な人間の狂気の世界を意味していたのだが・・・・・・。
 このことに限らず、”ロックRock”と簡単に言ってしまうが、このロックは多くのミュージシャンにより1960ー70年代に世界が躍動し動いた音楽だ。ここにこそ、”若い者のエネルギー”が、”問題意識”が、”訴えの世界”更に”創造の世界”が存在しているのだという事を書きたかったところであった。つまり私の年代は奇しくもロックの歴史と平行して流れてきたのである。
 ロジャー・ォーターズも70歳になろうとして、大規模のものとしては最後のライブと宣言し「THE WALL」ライブを目下4年間にわたって行っている。そこに流れるものは彼の戦争にからんでの不幸な自己の人生を背景として、人間の壁、そして社会の壁を描き、ここに来てイスラエル問題に対峙している。あの築かれたガザ地区の壁の撤廃を求め、イスラエルの人権侵害、国際法への違反を訴えている。

No22 ・・・・・・・しかし、時が流れると同時に、このブログに書き込むテーマも私の単なる趣味化してゆくことになり、いつの間にか「私の趣味の世界の備忘録」となってしまった。そんな訳で見たもの聞いたものなどを記録しいるといったところが現状の姿である。

 そうしたところから、それならば製本化しておけば、将来多分忘れてしまうこともあろかと思われるので、何か意味でもあるかも知れないと・・・・・・現在までこのブログ「ココログ」の企画されている”ココログ出版”を通して製本化してきたわけである。それがいつの間にやら一冊230-250頁の本が五冊となってしまった。ここまで来るとなんとなく製本も止めてしまうのも面白くないので続けゆきたいと思っていたが、残念なことになんとここに来てこの”ココロク出版”による出版サービスが終了と言うことになった。
 なにかちょっと寂しいなような気もする中で、これもインターネット社会の変化の中での一つの現象とも取れる。つまりブログというものも一つの転機が訪れたと言うことを表しているのであろう。かって”インターネットという情報コミュニケーション社会”が形成される以前に、”パソコン通信”というものがあったが、それに私は没頭したした一時期があった。考えてみればそれも歴史の一幕であった。多分この”ブログ社会”も、”ホームページ”のパターンを超えて普及し社会現象化したとはいえ、それも歴史の一幕になって行くのであろう。(既にTwitter社会が広がっている)

 私自身もそんな中で、この当ブログをどうゆうものにするか、丁度考えるに良い時を迎えたと思っている。しかし目下のところ、そうは言っても私は多くの人の書かれるブログを拝見することが出來、そして結構楽しませて頂いている現状がまだまだここにはある。その事は、まだまだ大切にして行きたいと思うところでもあり・・・・、慌てず急がず次の時代も見据えて今後に対峙して行こうと思っているところである。

(試視聴)「灰とダイヤモンド」 http://www.youtube.com/watch?v=fdDo-gDkCFo&list=PLF294DA0CB4007180
       「カティンの森」 http://www.youtube.com/watch?v=1o6yWgR2at8
       「THE WALL-LIVE」 http://www.youtube.com/watch?v=OKxt-fOCB1s

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