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2016年10月15日 (土)

アンジェイ・ワイダAndrzej Wajda監督 波乱の人生に幕

多くの教訓を残して90歳で死去

640  悲しい訃報ですが、'50年代後半からポーランド映画界での活躍によって、映画史に残る映画監督・巨匠アンジェイ・ワイダ Andrzej Wajdaが10月9日に亡くなった。90歳でした。

 初期の代表作「抵抗三部作」と言われる(「世代」、「地下水道」、 灰とダイヤモンド」)でも日本でも広く知られて来た訳だが、ポーランド社会の宿命的苛酷な運命を描き、それは国際的評価を得た。ポーランドの激動の時代に波瀾万丈の人生を生き抜いて来たワイダは、映画を通じて我々に多くの教訓を残してきた。

58_ その多くの作品の中でも、まず「灰とダイヤモンド」(1958)は、私の映画史に於いても重要な位置にある。ドイツ・ナチス占領下からドイツ降服に至った直後の1945年のポーランドを背景に、そこにみたソ連共産主義統治下の圧政に対しての抵抗組織に属した青年を描いたもの。その彼が労働党書記を暗殺しようとすることで起こる暗い悲劇の物語だ。ゴミ捨て場で人間の価値観も感じられない虫けらのように息絶える主人公のラストの姿の虚しさを見るにつけ、歴史に翻弄されるポーランドの悲劇そのものを描いて衝撃的でした。

   アンジェイ・ワイダは、1926年、ポーランド北東部スヴァウキ生まれ。第二次世界大戦中は反ナチスのレジスタンス活動に参加した。ウッチ映画大学を卒業後、1954年に「世代」で監督デビュー。常にポーランドを愛し、この国の苛酷な運命を描いた。
   81年には、ポーランド民主化を率いた自主管理労組「連帯」を題材にした「鉄の男」を発表し、カンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)を獲得した。だが同年の戒厳令で映画は公開禁止となり、映画人協会長の職を追われた。その後一時消息不明となる。
 しかし民主化激動の89~91年には上院議員を務め、連帯議長から大統領に就任したワレサ氏の諮問機関「文化評議会」の議長に就いた。

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 2000年以降も80歳という高齢でありながら、創作意欲はすざまじく、ソ連によるポーランド軍人らの2万人以上と言われる大量虐殺事件が題材の「カティンの森」(07年)を製作した。この映画の描く虐殺された軍人の一人は彼の父親でもあったことから、ワイダにとってはようやく自由を勝ち取ったポーランドで描かざるを得なかった宿命の映画であっとも言える。この映画が日本に紹介されるまでは、彼の存在すら明らかで無く、投獄されていたという話もあった時期があった。その為この映画の出現は、映画以上に私にとっては驚きを持って歓迎したのであった。

 更にポーランド民主化への労働者に生まれた運動を描いた「ワレサ 連帯の男」(13年)などを発表した。もうここまで来ると映画の出来ということより彼の生きてきた執念の総決算という感じだった。
 そして今年、90歳になっても、共産主義時代を生きた前衛芸術家を描く新作を完成させたばかりだった。

 一方、ポーランドと言う国は歴史的にも日本との関係は良好で、今でも語られる杉浦千畝のユダヤ人救出、シベリアにおけるポーランド孤児救出、モンテ・カシーノの激戦にてポーランド部隊と日系人部隊の共闘などから親日家が多い。
Photo
 芸術を愛するワイダも若き日に浮世絵などの日本美術に感銘を受け、そんなところからも親日家だった。87年に受賞した京都賞の賞金を基金に母国の古都クラクフに日本美術技術センター「マンガ」(→)を設立した。このセンターは日本の伝統工芸品や美術作品で中・東欧随一のコレクションを持っている。

 アンジェイ・ワイダの死は、世の定めとは言え日本にとっても悲しい出来事である。しかし彼もようやく安らかな時を迎えたのかも知れない。いずれにしてもご冥福を祈りたい。

(参考)<アンジェイ・ワイダ監督作品>

 世代 Pokolenie (1955年)
地下水道 Kanał (1957年)
灰とダイヤモンド Popioł i diament (1958年)
ロトナ Lotna (1959年)
夜の終りに Niewinni czarodzieje (1960年)
サムソン Samson (1961年
シベリアのマクベス夫人 Powiatowa lady Makbet (1962年)
Popioły (1965年)
Gate to Paradise (1968年)
すべて売り物 Wszystko na sprzedaż (1969年)
蝿取り紙 Polowanie na muchy (1969年)
戦いのあとの風景 Krajobraz po bitwie (1970年)
白樺の林 Brzezina (1970年)
婚礼 Wesele (1973年)
約束の土地 Ziemia obiecana (1975年)
大理石の男 Człowiek z marmuru (1977年)
麻酔なし Bez znieczulenia (1978年)
ヴィルコの娘たち Panny z Wilka (1979年)
ザ・コンダクター Dyrygent (1980年)
鉄の男 Człowiek z żelaza (1981年)
ダントン Danton (1983年)
ドイツの恋 Un amour en allemagne (1983年)
愛の記録 Kronika wypadków miłosnych (1986年)
悪霊 Les possédes (1988年)
コルチャック先生 Korczak (1990年)
鷲の指輪 Pierścionek z orłem w koronie (1992年)
ナスターシャ Nastasja (1994年)
聖週間 Wielki Tydzien (1995年)
Panna Nikt (1996年)
パン・タデウシュ物語 Pan Tadeusz (1999年)
Zemsta (2002年)
カティンの森 Katyń (2007年)
菖蒲 Tatarak (2009年)
ワレサ 連帯の男 Walesa. Czlowiek z Nadziei (2013年)

(アンジェイ・ワイダの人生)

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2016年9月11日 (日)

繊細にして好音質盤が聴きたくなる「秋」の到来

ヘンデル「ハープ協奏曲」

 昼間はまだ暑いとは言え、夜になると秋の到来も感ずる今日この頃。なんとなくそんな夜には繊細にして好録音の音が聴きたくなる。私はそんな時には、もう何十年繰り返して聴いているアルバムがある。

<classic>
G.F.Händel 「KONZERT FÜR HARFE UND ORCHESTER ハープ協奏曲」
Deutsche SchallPlattan / 徳間ジャパン / 32TC-38 / 1985

Photo
ユッタ・ツォフJutta Zoff :ハープ
ハインツ・レーグナーHeinz Rögner : 指揮
シュターツカペレ・ドレスデンSächsische Staatskapelle Dresden」

 1973年7月11-14日 ドレスデン・ルカ教会 録音

 LPからCD時代になって、その当時かってのLP好録音盤がぞくぞくCDで発売されたことがあった。このCD盤もそんなときの一枚である。

Haendel ヘンデルのハープ協奏曲は、音楽史上最初のハープ協奏曲といわれている。もともとはオルガン協奏曲第6番変ロ長調から生まれてたものだが、現在はハープ協奏曲として知られているもの。
 ハープの調べは非常にエレガントと言って良いだろうか、典雅な響きが魅力的で気持ちを安らげてくれるので私は好きだ。気持ち的には真夏向きでは無いが、ふと静かな秋を感じた時には、まことにおあつらえ向きなのである。

 このアルバムはなんと1973年録音であるがとにかく音が良い。ハープの響きは繊細さのある切れの良い音で広がる。ストリングスも繊細な高音、低音の響きで美しい。特徴はホール感の充実であり、非常に品がある。

 このレーベル「Deutsche SchallPlattan ドイツ・シャルプラッテン」は、旧東ドイツ時代に、唯一の国営レコード公団として1946年に設立されて以来、実に数多くのクラシックの名演を残してきた。このレーベルの振るっているのは、クラシックばかりでなくロック、ポップス、現代音楽と多岐に渡っている。
Dresden_lukaskirche_2 又名演、名録音で名高いのが、このアルバムの録音場であったドレスデンの「ルカ教会」ものである。この教会は住宅街の中に古びた外観のものであるが、1945年2月に連合国軍がおこなった無差別空爆(ドレスデン爆撃)で被爆、教会内部までも破壊されたが、戦後になって修復され、東ドイツで唯一の国営レコード会社であったドイツ・シャルプラッテンによって、レコーディング専用の施設として使われることになったというもの(現在も空爆による破壊で尖塔が無い)。
 ここは「名盤の聖地」と呼ばれ、最近オリジナル・アナログマスターの持つ音質を楽しむために、かっての録音ものをキングでハイレゾ配信も行った。
 とにかく天井も高く、技術陣によって響きも改良され、ここの地元の名門楽団シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)をはじめ、オペラから室内楽、歌曲まで数々の名録音を残している。

Juttazoff2_2 このハープ協奏曲も、この名門楽団もので有り、ハープ奏者は女性ユッタ・ツォフJutta Zoff で(←)、この楽団シュターツカペレ・ドレスデンの首席ハープ奏者である(1967年以降)。
 彼女は東ドイツを代表する存在で、ヨーロッパ各国に知られていた。
 幼いときはピアニスト、その後はサキソフォン奏者の経験もある。とにかく演奏はノーブルという表現がぴったりの品のあるものであった。

Hrogner 指揮はハインツ・レーグナーHeinz Rögner (1929-2001)で(→)、既に十数年前に亡くなっているが、彼はどちらかというと地味な指揮者であったが、ブルックナー、ワーグナー等の名演がある。1958年、ライプツィヒ放送交響楽団の首席指揮者、1962年、ベルリン国立歌劇場の常任指揮者、1973年、ベルリン放送交響楽団の首席指揮者。1983年4月から1992年3月には読売日本交響楽団の第5代常任指揮者。

 この「ヘンデルのハープ協奏曲」は、3楽章構成。
 第1楽章は、4分の4拍子。テンポは「アンダンテ アレグロ(歩くように快速で)」でリズムカルで快調。オーケストラは静かな時が多く、ハープの響きを堪能できる。
 第2楽章は、4分の3拍子。ラルゴの短調の緩徐楽章、哀愁感が見事。ハープの高音も美しい。
 第3楽章は、8分の3拍子。テンポはアレグロ・モデラート。かなりハープの弾きが最高潮に響く章。

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 なお、参考までに、現在
『ハープ協奏曲 ツォフ・レーグナー&シュターツカペレ・ドレスデン』(KING / KICC3599)
というCD盤(→)が手に入るが、多分これはここで紹介した1985年リリースものと録音日も同一であり、確認はしてないが同一で、これが現在売られている盤だと思われる。なかなか長生きのもの。

収録曲
■ヘンデル/ハープ協奏曲変ロ長調作品4-6
  第Ⅰ楽章 アンダンテ・アレグロ
  第Ⅱ楽章 ラルゲット

  第Ⅲ楽章 アレグロ・モデラート
■ディッタースドルフ/ハープ協奏曲イ長調

  第Ⅰ楽章 第Ⅱ楽章 第Ⅲ楽章
■シャン・フランセー/ハープとオーケストラのための六楽章の詩的な遊戯
  第Ⅰ楽章 第Ⅱ楽章 
第Ⅲ楽章 第Ⅳ楽章 第Ⅴ楽章 第Ⅵ楽章

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2016年6月19日 (日)

初夏と写真とミュージック:”改造レンズ”、”企画もの~NEW YORK TRIO”

写真撮影~改造レンズの味

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                     *           *

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 我が家の庭には、私はまったく手を出さないのだが、薔薇が一面に咲き、そしてその盛りも終わって、いよいよ初夏を迎えた。春から今年は気温が高い日が多く、いつの間にか夏になってしまったという感がある。これも歳のせいで季節感覚も鈍くなったのかなぁ~と、ちょっと寂しいのだが。この写真もそんな時の1カット。レンズ効果の一例だ。

 

P6161774trw 私の一つの趣味の世界である「写真・カメラ」に関しても何となく現Digital時代となって、夢中になる時も無くなってきているのは、そのDigital化のせいなのか私の歳のせいなのか、そのあたりはよく解らないが・・・・とにかくかってような夢中になることが無くなっていると言うことは事実だ。
 そんな時に、ふと昔のパソコン通信(PC-VAN)の時代の友(写真SIG)である/tenさん製作のレンズを思い出して、使ってみたのがこの一枚である。(興味ある方には又別に詳しく)
 (参照)「SL66LIFE photography」 http://sl66life.sblo.jp/

 最近のDigital機は、カメラ搭載ソフトによってアートフィルターとかアートエフェクト効果をもたらして画像を作り上げるのと、コンピューター機能画像ソフトによって諸々の効果をもたらすと言うのが主力だろうと思うのだが・・・・、と、言うことは取り敢えず撮ってきて後処理を行うという作業のウェイトが高い。
 かってのフィルム時代のアナログ機撮影においては、その操作はレンズ効果が最も中心であった。そんな意味でも色々の工夫をアナログの世界で行った訳で、それは主として撮影現場に於ける操作であった。今となるとそれが懐かしいし、それが夢中になる興味を推し進めたんだろうなぁ~~と思うのであるが?。

          *         *         *         *         *

<今日のミュージック>

51si6bbpyzl<Jazz>
~The Best Coupling Series~
NEW YORK TRIO
「Stairway To The Stars / Always」
Venus Records / JPN / VHCD-1199 / 2016

Bill Charlap(piano)、 Jay Leonhart(bass)、 Bill Stewart(drums)


 これは、先般取りあげたニュー・ヨーク・トリオのアルバムNo4とNo7の二枚のアルバムのカップリング盤。こうゆう企画は廉価になるので大賛成。特にVenus Records にはかなり貢いでいるので(笑)当然やって欲しい企画だ。
 とにかくBill Charlapのピアノを中心にしてのこのトリオは、スタンダード・ナンバーを快く聴かせてくれる技は一流と言って良いだろう。又スウィングするジャズの基本を十分心得てのアドリブはなかなか楽しい。そんな意味でバック・グラウンド的ジャズ観賞を楽しむには、まずはお勧めモノである。

(視聴)

 

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2016年6月15日 (水)

私の映画史(25) 感動作ジョン・フォード作品「捜索者」

 映画が社会文化であった時代の感動作

 このところ、西部劇映画ファンであった私の昔話のなかで、なんとなく西部劇というモノが下降線を辿(たど)るようになった時代に、あっと驚きの作品群が1960年代の「マカロニ・ウエスタン」であって、その為印象が強かったものを懐かしく回顧してきたわけだが(「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続夕陽のガンマン」 「怒りの荒野」など)。
 ・・・・ここまで西部劇映画に焦点を当てるとなると、やっぱり取りあげなければならない映画があって、ここに登場させるのだ。

ジョン・フォード監督・ジョン・ウェイン主演
「THE SEARCHERS 捜索者」 (1956年米)

61vudua5r6l__sl1087_監督:ジョン・フォード 
製作:C・V・ホイットニー 
製作総指揮:メリアン・C・クーパー 
原作:アラン・ルメイ 
脚本:フランク・S・ニュージェント 
撮影:ウィントン・C・ホック 
音楽:マックス・スタイナー

出演:ジョン・ウェイン、ジェフリー・ハンター、ナタリー・ウッド、ヴェラ・マイルズ、ウォード・ボンド


 ジョン・フォード監督とジョン・ウェインのコンビの西部劇映画となれば、やっぱり名作は「駅馬車 STAGECOACH」(1939年米)と言うことになるのだが、その後の1940年代の「アパッチ砦」(1948)、「黄色いリボン」(1949)、 「リオ・グランデの砦」(1950)の騎兵隊3部作と言われる名作もある、これらは、私は日本公開時に観たものでなく、後から評判の映画として観たものだ。しかしこの「捜索者」は、自分で映画を観ようと思って見た日本公開リアルタイム観賞映画の感動作なんですね。そんなことで印象も深いわけである。

原作はアラン・ルメイの小説だが、1960年に実際に起きた事件をヒントにしたもの。
(物語)
 アメリカ南北戦争の南部連合に従軍し敗戦後、帰ってきた西部にて、コマンチ族に弟一家を殺され、二人の姪(ルーシー、デビー)をさらわれた男イーサン。もともと時代の変化に取り残された西部開拓の中で活きてきた彼は、ネィティヴ・アメリカンを異様なまでに憎悪する男であり、さらわれた直後には殺された姪ルーシーを発見したが、幼い妹のほうのデビーは連れ去られた事を知り、彼はコマンチ族に対して一層増した憎悪を燃やす復讐鬼となった。そして、彼は何年も捜索を続けていたのだったが、年月が経過する中で、連れ去られインディアンに育てられた姪デビーは既に白人ではないと考え、たとえ見つけても殺さざるを得ないという気持ちになってくる。案の定やっと探し当てた姪のデビーは、インディアンの言葉を操り、イーサンから逃れようとする。完全なコマンチ族となってしまった(?)デビーに、イーサンは銃を向けるが……。

Img_1_m ジョン・フォードの描くこの男の執念の旅の叙情詩は、期待と空しさを交錯させる闘いの時代を生きてきた鬼気迫る男の姿を広大な西部をバックにして観る者に訴えてくる。
 西部開拓、南北戦争と生き抜いてきた男が、新しい時代にどう活きるのか?・・・・、そんな時に起きた事件で、彼の人生の全てを賭けての復讐劇が始まるのだ。そして彼が目的を果たしたときに空虚な気持ちと孤独感に襲われながら、自分の時代は終わったと、映画ではその彼の後ろ姿をシルエットとして描き終わるのである。

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 西部劇の名監督とされるジョン・フォードであるが、彼の描くところはやはり人間劇である。この映画は究めて残酷で暗いテーマであるが、その残酷シーンは、想像させるだけで映像としては描かない。又暗い物語であるが、人間の人間らしいユーモラスな姿を必ず挿入して単なる暗さに終わらせない。
 更に最後には主人公のイーサンが幾多の闘いの歴史から形成されてきた自己の人格による孤独の中に、新しい時代に向かおうとする未来志向の印象も少しは残しているところがジョン・フォードの見事な手法なのである。
 派手な活劇のオンパレードを期待した当時の西部劇ファンは若干がっかりしたようだが、その後時代とともにこの映画の評価は上がってきたと言う代物。近年の西部劇ベスト・テンではトップに躍り出ることが多い。又主演のジョン・ウェインは微妙な心理の変化を十分演技しているところにその評価もある。
 やはり西部劇映画の名作である。

(参考映像 1)

(参考映像 2)

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2016年3月25日 (金)

懐かしの西部劇と音楽=モリコーネEnnio Morriconeとマカロニ・ウェスタン -私の映画史(23)-

映画音楽が盛り上げたと言えば「マカロニ・ウェスタン」

 もともと私は映画音楽から音楽に興味を持った人間と言ってもよいくらいに、感受性豊かな年頃の時は映画音楽が花盛り。ヒット・チャートでも殆どが映画音楽が上位を占めていた。
 最近、ふと昔の映画が懐かしくなって観ることがあるのだが、懐かしの西部劇となればやはり日本の時代劇と同じに、アメリカ本場の西部劇も1939年の『駅馬車』がスタートで、ジョンフォード監督、ジョン・ウェイン主演のパターンの歴史みたいなものだったとも言えるが、とにかく1950年代が花。この辺りの映画については今までもすこしづつ触れてきたのでいずれ又もう少し掘り下げたいが・・・、1960年代にはもはや西部劇も斜陽映画となってしまった。

 ところが、なんとイタリアが自国での映画の不振に陥り、その一つの突破口として、日本の黒澤明監督・三船敏郎主演の『用心棒』(1961年)からヒントを得て、所謂「マカロニ・ウェスタン」作成に入ったら大当たり。これから一時代を築くことになった。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-6db1.html

Em1_2 そこで「マカロニ・ウェスタン」で、ふと思い出すのは、所謂『ドル箱三部作』(Dollars Trilogy)、または『名無し三部作』(Man with No Name Trilogy)と言われたクリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督作品のマカロニ・ウェスタン3作品だ。
 そして音楽はこの三作ともエンニオ・モリコーネEnnio Morricone(1928~)だ。これによって彼も映画音楽作曲家として世界的になった。そしてその後の映画界に残した音楽としての功績は大きく、現在も80歳後半に入って健在。そうそう思い起こせば『ミッション』、『アンタッチャブル』、『海の上のピアニスト』も良かったですね。

Photo
■ 『荒野の用心棒』 ( A Fistful of Dollars、1964年(日本公開1965年))
  監督 セルジオ・レオーネ
  主演 クリント・イーストウッド
  音楽 エンニオ・モリコーネ

  とにかくこの映画、若きまだ無名のセオジオ・レオーネ監督が、日本の『用心棒』をそっくり拝借して西部劇版として作成したんですね。それが断りなしに作ったものだから、日本東宝から訴えられてしまった。それが又”不幸中の幸い”と言ってよいのか、世界でそのことが話題になって興味を呼んで大ヒットした。なんと言っても話の筋はもともと面白く出来ているので、それはそれで観た者には喝采を浴びたのだのだが・・・、バックに流れる音楽が又最高でした。そこはやっぱりイタリアですね、あのエンニオ・モリコーネが作った「さすらいの口笛」、これは孤高のガンマンのムードたっぷりで、この映画を大いに盛り上げたのだった。

511rrwztrpl■ 『夕陽のガンマン』 (For a Few Dollars More、1965年)
  監督 セルジオ・レオーネ
  主演 クリント・イーストウッド
      リー・ヴァン・クリーフ
  音楽 エンニオ・モリコーネ

 しかしマカロニ・ウェスタンと言っても、監督と音楽はイタリアであるが、主演はアメリカからのクリント・イーストウッドであり、又 リー・ヴァン・クリーフであってアメリカとは別物というわけでもない。撮影はスペインで行われたという代物。
 ここでもイーストウッドの特に名前のない賞金稼ぎのニヒルにして格好良さも売り物の話だが、もう一人のモーティマー大佐役のクリーフの役柄の味付けも良く、話は面白くなっている。彼の映画俳優としても、その存在が国際的になった映画でもあった。
 やはりここでもエンリオ・モリコーネの音楽が盛り上げるんですね。

817ilctx8l__sl1500_2 『続・夕陽のガンマン~地獄の決斗』 ( The Good, The Bad and the Ugly、1967年)
  監督 セルジオ・レオーネ
  主演 クリント・イーストウッド
      リー・ヴァン・クリーフ
      イーライ・ウォラック
  音楽 エンニオ・モリコーネ


 南北戦争の時代背景での善玉、悪玉、卑劣漢の三人のガンマンの隠された金貨を巡ってのあれやこれやの奪い合い。これもイーストウッドとクリーフの味付けが映画を面白くしていた。
 そしてモリコーネの音楽がバックで盛り上げるんですね。「黄金のエクスタシー」(原題:L'Estasi Dell'Oro)が流れ、三人による対決には「トリオ」(原題:Il Triello)が流れる。映画史の中でも必ず取りあげられるほどの三つどもえの決斗シーンは有名だが、これも音楽があっての緊迫感であった。

 エンニオ・モリコーネのマカロニ・ウェスタンの音楽は絶賛を浴びたのだが、これも彼に言わせるとベースは、あの映画『リオ・ブラボー』、『アラモ』に流れる”皆殺しの歌”(ディミトリ・ティオムキン作~彼はやっぱり凄いです)の線を頭に入れて作ったとか、なるほどと思わせるところである。

(試聴1)「荒野の用心棒」

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(試聴2)「夕陽のガンマン」

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(試聴3)「続・夕陽のガンマン」

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2015年11月25日 (水)

<時にはクラシック?> ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」「スプリング」

 ヴァイオリン・ソナタ の味わい
  ~そしてロック話も=デヴィッド・クロス、ダリル・ウェイ

 やっぱり初冬の臭いのする晩秋のせいでしょうかね、私は時にクラシックが聴きたくなるんですが、このところそんなムードなんです。
 そして好きなものの一つは”ヴァイオリン・ソナタ”なんですが、とにかくなんだかんだ言っても、このベェートーヴェンの2曲”クロイツェル”そして”スプリング(春)”には敵わないですね。これも先日の ジャズ・アルバムAdam Bałdych & Helge Lien Trio 「Bridges」 を聴いての流れなんです・・・・・    

   <Classic>
          MAEHASHI/ESCHENBACH 「Kreutzer & Spring」
          CBS/Sony / JPN / 32DC679 / 1986

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  LUDWING VAN BEETHOVEN
   Sonata No.9 in A Major for Piano and Violin. Op.47
    Sonata No.5 in F Major for Piano and Violin. Op.24

    Teiko Maehashi : Violin
      Christoph Eschenbach : Piano

Beethoven  ヴァイオリン・ソナタというのは、ヴァイオリンとピアノによる二重奏の演奏形態でソナタ形式(3部分からなる楽曲形式、つまり提示部,展開部,再現部から成る)の楽曲のことを一般には言うので、ヴァイオリンと言えどもピアノも対等なかなり重要な位置を占める。むしろ古典的にはヴァイオリンの助奏付きピアノ・ソナタであって、ピアノのウェイトが高いのだが、特にベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、彼自身がピアノ奏者だけあって、そのピアノの役割の重要さが大きい。ところがしかしこの「クロイツェル」はヴァイオリン奏者に捧げる意味もあったためか、ヴァイオリンがピアノと対等に協奏させたところに魅力がある(この曲はいろいろと曰くがあるが、フランスのヴァイオリニストのルドルフ・クロイツェルに捧げられたもので「クロイツェル」と呼ばれているもの)。

 こんな講釈はそれまでとして、やっぱり私の好みからはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの1から10番までの中で、この第9番イ長調作品47「Kreutzerクロイツェル」は最高なんです。それはやっぱりヴァイオリンが助奏役で無く、ピアノとバトルを展開するところが面白い。もともとヴァイオリンというのは美しい旋律を聴かせてくれるところが魅力の楽器だと思うのだが、弾きようによっては、それ以上のものがないと言うくらいにスリリングな展開と迫力のある楽器だと思う。そのあたりがこの曲では見え隠れするんですね。


Starless_s (ちょっとロック話)

KING CRIMSON
 実はそのヴァイオリンの迫力に気がついたのは、恥ずかしながら昔から聴いてきたクラシックと言うよりは、1960年代からのロックに魅せられた当初、あのプログレッシブ・ロックの雄:キング・クリムゾンKing Crimsonを聴くと、70年代にデヴィッド・クロスDevid Crossのヴァイオリンが入ると、ものすごくスリリングな音と展開になるんです。
  最近リリースされた彼とロバート・フリップによるアルバム「STARLESS STARLIGHT」 (VIVID SOUND / VSCD-4294 / 2015 ~これは当時と違ってかなりアンヴィエントな世界ですが)がまさしくそれを思い出させます。

CURVED AIR
Curvedaircondition 又ロックのついで話となれば、やっぱり1970年デビューのカーヴド・エアCurved Airを思い出しますね。ソーニャ・クリスティーナの魅力のヴォイスは勿論ですが、ダリル・ウェイDarryl Wayのヴァイオリンが忘れられない。彼らの1st「Airconditioning」の”Vivaldi”には度肝を抜かれ圧倒された。
 そうそうダリル・ウェイズウルフWolf「CANIS-LUPUS」もスリリングでした。
 そしてそして更に再結成されたカーヴド・エアの1974年の「Curved Air Live」の迫力。と、ロック話になってしまいそうであるので、なんとか元に話は戻すが・・・・・・。

Photo・・・・・・話は戻って
 ここに取り上げた前橋汀子とクリストフ・エッシェンバッハのベートーヴェン「クロイツェル」は、このアルバムのリリースされた1980年代の当時、CDとしては、なかでも録音が良かったために良く聴いた懐かしのアルバムなのである。今Amazonで探してみると、まだこのアルバム販売していますね、クラシックものはなかなか長生きです。

 これを聴いてみると解りますが、クラシック・ヴァイオリン・ソナタと言えどもなかなか熱い演奏に惹かれます。非常にダイナミックであると同時に、ヴァイオリンの美しさ、ピアノの美しさもきちっと備えていて良いと言うところですが、特にクラシックですから多くの演奏家のものに接することが出来ますが、特にこの前橋ものは熱いですね。

 前橋汀子は1943年生まれですから、現在は既に七十歳を超えてデビュー50周年も既に経過しているバイオリニスト。17歳にして当時のソ連サンクトペテルブルグ音楽院に留学している。2004年日本芸術院賞受賞、2007年エクソンモービル音楽賞受賞、2011年紫綬褒章受章。

 しかしいずれにしてもこれはクラシックのヴァイオリン・ソナタであって、この晩秋に突入している今にして、なかなかシーズンを感ずるには良い気分で聴いているのである。
 なお、このアルバムは更に日本では一番愛されている第5番へ長調作品24「スプリング(春)」も収録されていて、まさに典型的なベートーヴェンものと言って良い物です。

(参考)

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2015年11月22日 (日)

映画 時代劇回顧シリーズ (7) 勝新太郎「座頭市物語」  -私の映画史(21)-

一世を風靡した勝新太郎の”座頭市シリーズ”

 1960年代前半に東映は既に時代劇に精細を欠き”任侠路線”に主なるところは切り替え、そこに来て1966年中村錦之助退社で時代劇は打ち切られた。一方大映は市川雷蔵の1963年”眠狂四郎シリーズ”と1962年「座頭市物語」をヒットさせ、その後1973年「新座頭市 笠間の血祭り」まで勝新太郎の”座頭市シリーズ”は25作と連続ヒットさせた。しかしその大映も1969年に市川雷蔵の死去などにより一次の華々しさは消え、なんと1971年は倒産している。
 しかしその座頭市は、勝プロによって1989年には勝新太郎が自らのメガフォンをとって「座頭市」26作目を制作した。

大映映画 勝新太郎「座頭市物語」
                         (1962年公開)

  • B
    企画:久保寺生郎
    原作:子母沢寛
    脚本:犬塚稔
    監督:三隅研次
    撮影:牧浦地志
    録音:大谷巌
    美術:内藤昭
    照明:加藤博也
    音楽:伊福部昭
  •  (キャスト)
    座頭市:勝新太郎
    平手造酒:天知茂
    おたね:万里昌代
    飯岡助五郎:柳永二郎
    笹川繁造:島田竜三
    松岸の半次:三田村元
    飯岡の乾分・猪助:中村豊
    飯岡の乾分・蓼吉:南道郎
    飯岡の乾分・政吉:千葉敏郎

     あの時代劇映画に新風を吹き込んだ勝新太郎の「不知火検校」から発展したという座頭市シリーズ。その第一作が1962年に公開されたのがこの「座頭市物語」であった。これもシリーズとして作られたのではなく、大ヒットでこの後次々と制作されるに至ったもの。

    Photo_2
     もともとこの座頭の市というのは、子母澤寛が雑誌「小説と読物」へ1948年に連載した「ふところ手帖」の一編「座頭市物語」が原作だという。しかしこの原作の座頭市像と映画ではかなり違いがあって、この映画にみる座頭市像は、脚本の犬塚稔や監督の三隅研次、そして勝新太郎によって作られたモノと言ってよいようだ。
     同じめくらと言っても、不知火検校のような悪人像で無く、世間からはまともに相手にされない者の生き様を描いたのであり、そんな中でのしぶとさとしたたかさ、そしてその強さには感服する。
     しかし、これはハンディを背負った人間の哀歌でもある。万里昌代演ずるおたねとの関係も決して対等に相対すことの出来ない市の一歩退いた哀しさを描いているのである。
     そして天知茂の平手造酒と勝新の座頭市との全く異なったタイプの対比とその運命の流れがこの映画では良いですね。いずれにしても人間ドラマなんですね。
     やっぱりヒットの要因は、盲目の市の瞬速の居合い斬りの迫力、そして仕込み杖・逆手刀殺法がお見事だったことでしょうね。それに人情味溢れた物語には、やっぱり痺れたんです。

    Photo_4
     この後、このシリーズは、次第に市の不気味さとスーパー・マン的強さを見世物に観衆を沸かせるシリーズとなって行くのであるが・・・・。
     最大のヒットは1970年の第20作「座頭市と用心棒」でした。人気の三船敏郎=用心棒を登場させたのには、ファンも驚きだった。しかも嵐寛寿郎までも登場して脇を固めた。これがこのシリーズの絶頂期と言って良いのであろう。

     勝新太郎は当時別に映画「悪名」「兵隊やくざ」などもヒットさせていたが、やっぱりこの座頭市は群を抜いて人気があり、彼の俳優生活の看板にもなったのであった。

     そして時代は劇場公開映画から茶の間のテレビ時代と変化する時でもあって、後にテレビでも「座頭市」をシリーズ化して、茶の間を湧かしたのである。

    <映画 座頭市シリーズ>

    ①座頭市物語(1962年)
    ②続・座頭市物語(1962年)   
    新・座頭市物語(1963年)
    ④座頭市兇状旅(1963年)
    ⑤座頭市喧嘩旅(1963年)
    ⑥座頭市千両首(1964年)
    ⑦座頭市あばれ凧(1964
    ⑧座頭市血笑旅(1964 
    ⑨座頭市関所破り(19641230日)
    ⑩座頭市二段斬り(196543日)
    ⑪座頭市逆手斬り(1965918日)
    ⑫座頭市地獄旅(19651224日)
    ⑬座頭市の歌が聞える(196653日)
    ⑭座頭市海を渡る(1966813日)
    ⑮座頭市鉄火旅(196713日)
    ⑯座頭市牢破り(1967812日)
    ⑰座頭市血煙り街道(19671230日)
    ⑱座頭市果し状(1968年810日)
    ⑲座頭市喧嘩太鼓(19681228日)
    ⑳座頭市と用心棒(1970年115日)
    ㉑座頭市あばれ火祭り(1970812日)
    ㉒新座頭市・破れ!唐人剣(1971113日)
    座頭市御用旅(1972115日)
    ㉔新座頭市物語・折れた杖(197292日)
    ㉕新座頭市物語・笠間の血祭り(1973421日)
    座頭市(198924日)

    (参考)

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    2015年11月 7日 (土)

    映画 時代劇回顧シリーズ(6) 市川雷蔵「眠狂四郎 女妖剣」   -私の映画史(20)-

    1960年代の多様な映像時代、遂にエロティシズムeroticismの登場

     映画の下降線、そして更に時代劇の下降線に入った60年代。又社会も多様化して、映画に求めるモノも多様化した。
     時代劇の東映は、その線を繋ぎながらも人気の出てきた”任侠路線”に次第にシフトしてゆく。

     そんな中で華の50年代のスター中村錦之助は「関の彌太っぺ」「沓掛時次郎 遊侠一匹」と時代劇任侠路線と「反逆児」のような戦国武将ものを、三船敏郎は「椿三十郎」、「侍」など浪人モノなどで、まだまだそれなりの興行成績を上げていた。しかしここに剣術とエロティシズムとの新路線として市川雷蔵の「眠狂四郎シリーズ」、又勝新太郎のかっては考えられなかった兇状持ちで盲目の侠客という「座頭市シリーズ」が成功する。


    大映映画 市川雷蔵「眠狂四郎 女妖剣」 (1964年公開)
           監督:池広一夫、脚本:星川清司、音楽:斎藤一郎
            出演:市川雷蔵、藤村志保、久保菜穂子、城健三朗、春川ますみ、根岸明美

    Photo  「眠狂四郎」というのは、虚無主義なる浪人モノの世界を描くを得意とした柴田錬三郎の昭和31年5月から「週刊新潮」に連載された「眠狂四郎無頼控」(読切連作の形で書きつがれた狂四郎シリーズは、以後約二十年にわたって続いたから人気の度合いも解るところ)からのもの。

     映画化された中でも人気は1963年から1969年までの市川雷蔵で描いた大映映画12作。市川雷蔵の当たり役となった。
     実は1950年代にも東宝であの鶴田浩二で3作の「眠狂四郎」(1956-1958年)があるがあまり話題にならなかったモノ。
     又市川雷蔵の後に松方弘樹で続けたが当たらず(1969年2作)というところだった。雷蔵と松方ではちょっとイメージが違いすぎたのだろう。

    Photo_2 この市川雷蔵の眠狂四郎シリーズと言えども、第一作(1963年)は興行成績は不振。二作目は良く出来ていた割には、やはり売れず。三作目はボチボチであったが、しかしこの四作目からのエロティシズムの濃厚登場で人気沸騰。
     この4作目「眠狂四郎 女妖剣」では、久保菜穂子、春川ますみ、根岸明美ほか、藤村志保までもエロティシズムの役柄を披露しているし、物語としては、眠狂四郎の生まれの秘密に迫り、転びバテレンと武士の娘との間に生まれた宿命を教える。

     虚無の剣士の生き様を通して、暦年の時代劇の正義の剣の姿ではなく、武士の魂をも描くのでは無い。眠狂四郎は女性に対しては犯すこともあれば、凶器としての剣によって斬ることも容赦しない。そして虚無の意識と孤独感を更に深めて行く。こんな姿は60年代の日本の裏も表もある高度成長社会には見事に受け入れられたのだった。
     凶器の剣の円月殺法は相手を惑わす剣法で、その姿は見るものにとっては美しい。この4作目から狂四郎の円月殺法のシーンで初めてストロボ撮影が用いられ、剣の流れを見事に描写した。この手法はこれ以降の作品で使われるようになった。

    Photo_3  狂四郎の素性の説明があったこと、この後続くエロティシズムのスタートであったこと、そして円月殺法の描写が確立したこと、そして何よりもヒットしたことなどから、この作品が市川雷蔵の眠狂四郎のスタートとも言える作品であった。
     柴田錬三郎に言わせると”剣豪としての姿で無く、現代にある罪悪を背負った狂四郎という主人公が、ある意味では人としての感覚を抑えざるを得ない状況の中で、内面的には苦しみながらニヒルに生きていく姿を描いた”と言うことであったのだろう。
     
     つまり時代劇というものを背景にしてはいるが、最も社会の歪みが顕著になりつつある当時の60年安保闘争以降の日本社会の中で、現実的にはあり得ない人間像に思いを馳せた。こんな近代的な感覚を盛り込んだところに多くの関心と支持を得た作品になった。

    (市川雷蔵の「眠狂四郎」全作品)

    1. 眠狂四郎殺法帖(1963年11月2日公開)  
          監督:田中徳三、脚本:星川清司、音楽:小杉太一郎
          共演:中村玉緒、城健三朗、小林勝彦、真城千都世
    2. 眠狂四郎勝負(1964年1月9日公開)
          監督:三隅研次、脚本:星川清司、音楽:斎藤一郎
          共演:藤村志保、高田美和、久保菜穂子、加藤嘉、須賀不二男
    3. 眠狂四郎円月斬り(1964年5月23日公開)
          監督:安田公義、脚本:星川清司、音楽:斎藤一郎
          共演:浜田ゆう子、丸井太郎、成田純一郎、毛利郁子
    4. 眠狂四郎女妖剣(1964年10月17日公開) 
          監督:池広一夫、脚本:星川清司、音楽:斎藤一郎
          共演:藤村志保、久保菜穂子、城健三朗、春川ますみ、根岸明美
    5. 眠狂四郎炎情剣(1965年1月13日公開)
          監督:三隅研次、脚本:星川清司、音楽:斎藤一郎
          出演:中村玉緒、姿美千子、島田竜三、西村晃、中原早苗
    6. 眠狂四郎魔性剣(1965年5月1日公開)
          監督:安田公義、脚本:星川清司、音楽:斎藤一郎
          出演:嵯峨三智子、長谷川待子、須賀不二男、明星雅子、稲葉義男
    7. 眠狂四郎多情剣(1966年3月12日公開)
          監督:井上昭、脚本:星川清司、音楽:伊福部昭
          出演:水谷良重、中谷一郎、五味龍太郎、毛利郁子
    8. 眠狂四郎無頼剣(1966年11月9日公開)
          監督:三隅研次、脚本:伊藤大輔、音楽:伊福部昭   
          出演:天知茂、藤村志保、工藤堅太郎、島田竜三、遠藤辰雄
    9. 眠狂四郎無頼控 魔性の肌(1967年7月15日公開)
          監督:池広一夫、脚本:高岩肇、音楽:渡辺岳夫
          出演:鰐淵晴子、成田三樹夫、久保菜穂子、金子信雄、遠藤辰雄
    10. 眠狂四郎女地獄(1968年1月13日公開)
          監督:田中徳三、脚本:高岩肇、音楽:渡辺岳夫
          出演:高田美和、田村高廣、水谷良重、小沢栄太郎、伊藤雄之助
    11. 眠狂四郎人肌蜘蛛(1968年5月1日公開)
          監督:安田公義、脚本:星川清司、音楽:渡辺宙明
          出演:緑魔子、三条魔子、川津祐介、渡辺文雄、寺田農
    12. 眠狂四郎悪女狩り(1969年1月11日公開)
          監督:池広一夫、脚本:高岩肇、宮川一郎、音楽:渡辺岳夫
          出演:藤村志保、江原真二郎、久保菜穂子、松尾嘉代、小池朝雄

    (参考映像) 「眠狂四郎」

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    2015年10月31日 (土)

    映画 時代劇回顧シリーズ(5) 中村錦之助「宮本武蔵」5作品   -私の映画史(19)-

    時代劇映画の更なる新しい道・・・・・・文芸路線へ

     とにかく映画の全盛時代の1950年代を経て、1960年代となると映画そのものが次第に下降路線となりつつある時、その時代を反映しつつそこには新路線が登場したわけだが、その一つがリアリズム映像であり、更にもう一つの方向として単なる痛快娯楽路線から一歩進んで、文芸的な世界を模索する路線も誕生してきた。

    東映映画 内田吐夢   監督
           中村錦之助 主演

              「宮本武蔵」            (1961年公開)
              「宮本武蔵 般若坂の決斗」 (1962年公開)
              「宮本武蔵 二刀流開眼」   (1963年公開)
              「宮本武蔵 一乗寺の決斗」 (1964年公開)
              「宮本武蔵 巌流島の決斗」 (1965年公開)

    B
     吉川英治原作の「宮本武蔵」の映画化である。なんと5年かけての製作、当時とすればこの5年間は非常に長く感じられたものだった。そしてこの映画は、監督内田吐夢の一つのロマンの作品と言われている。過去の時代劇と違って、人間の姿・心を描こうとするところに文芸作品と言われる所以である。
     又、武蔵を演ずる中村錦之助の代表作とも言われるところは、彼のこの5年間の役者としての進歩の姿がこの一連の作品に見えてくるところだ。特に第一作での気合いの入れ方は当時驚かされたものだ。

    Photo_3製作:大川博 
    企画:辻野公晴、小川貴也、翁長孝雄 
    原作:吉川英治 
    脚本・監督:内田吐夢 
    脚本:鈴木尚之、成沢昌成
    撮影:坪井誠、吉田貞次 
    照明:和多田弘、中山治雄
    録音:野津裕男、渡部芳丈 
    美術:鈴木孝俊 
    音楽:伊福部昭、小杉太一郎 
    編集:宮本信太郎 
    助監督:山下耕作、富田義治、杉野清史、鳥居元宏、加藤晃、篠塚正秀、野波静雄、鎌田房夫、菅孝之、大串敬介 
    記録:梅津泰子 
    装置:上羽峯男、館清士、木津博 
    装飾:宮川俊夫、佐藤彰 
    美粧:林政信 
    結髪:桜井文子 
    衣裳:三上剛 
    擬斗:足立伶二郎 
    進行主任:植木良作、神先頌尚、片岡照七、福井良春
    邦楽:中本敏生

     出演:
    中村錦之助(宮本武蔵)
    高倉健(佐々木小次郎)
    片岡千恵蔵(長岡佐渡)
    三国連太郎(宗彰沢庵)
    月形龍之介(日観)
    田村高広(柳生但馬守)
    里見浩太郎(細川忠利)
    木村功(本位田又八)
    丘さとみ(朱実)
    入江若葉(お通)
    平幹二朗(吉岡伝七郎)
    江原真二郎(吉岡清十郎)
    岩崎加根子(吉野太夫)
    薄田研二(柳生石舟斉)
    浪花千栄子(お杉)
    木暮実千代(お甲)
    河原崎長一郎(林吉次郎)

     この作品は、内田吐夢監督の拘りが見事に描かれた。勿論吉川英治原作の意志は尊重されているが、内田吐夢自身の人間像に迫るところに魅力がある。 又キャストを見ても当時の東映の総力を挙げている。

     第一作「宮本武蔵」 (1961年公開)
     関ヶ原の戦いに敗れ、敗軍の兵として追われる錦之助の過去の美剣士錦之助像を殴り捨てた武蔵(たけぞう)の演技。それをみる三國連太郎の沢庵坊主の若き者への人間像への導きにポイントがあって、内田吐夢のこの映画への目的が明確に出る。

     第二作「宮本武蔵 般若坂の決斗」 (1962年公開)
     名門吉岡道場にて門弟を打ちのめして遺恨を残す。奈良の宝蔵院にての僧兵を一撃で即死させる。前半を静かに描いて、クライマックスの般若坂の決斗で爆発的にリアリスティックに闘いを描く。浪人の首が飛ぶところは、話題になった映画「用心棒」の壮絶さの上を行く。このあたりが内田吐夢の手法が見事に観客を虜にする。しかしこの二部でも”闘いの結果の殺人”と”僧の世界の真髄”に疑問を持つ武蔵。
    B
     
     第三作「宮本武蔵 二刀流開眼」
    (1963年公開)
     柳生石舟斉へと向かうも高弟との闘いとなり、二刀流が自然に生まれる。吉岡清十郎との洛北蓮台寺野に於ける決闘に勝利。名門の当主のプライドを守り通そうとする清十郎の悲壮感は壮絶に描かれる。勝利無くして武士の姿なしと剣の道に疑問を持ちながらも進む武蔵。

    Photo_7 第四作「宮本武蔵 一乗寺の決斗」 (1964年公開)
     吉岡一門の怨念は深く、平幹二朗演ずる吉岡伝七郎との三十三間堂の対決、そして73対1の一乗寺下り松の決死の闘いを描く。主題の一乗寺下り松の闘いでは、敵の総大将には子供が立てられ、武蔵はそれを殺す。その罪を武蔵は背負って生きる事になる苦痛を描く。又闘いのシーンは内田吐夢のリアリズムが展開する。とにかく武蔵は一本の田圃のあぜ道を走って走って走りまくり、追っ手と一対一の状態をつくり戦う。昔からの東映の踊りに近い大勢に囲まれてのチャンバラとは違う。勝負は一対一でないと勝てない姿が真実感を増す。しかもこのシーンだけがモノクロとなるとこに拘りが見えた。

     第五作「宮本武蔵 巌流島の決斗」 (1965年公開)
     佐々木小次郎との巌流島における宿命の決闘。常に勝利の為の方策、そしてその後の追っ手から逃走の道まで考えて闘いに望む武蔵の計算高いところを描きつつも、相手を殺したことへの勝者としての喜びは無い。ここでは武蔵の殺人への罪を実は内田吐夢は強調する。「戦う」ことから生まれる悲劇、剣の道から人間に迫ろうとした武蔵には・・・・残るは「空虚」のみ。

          ”この空虚・・・・所詮、剣は武器・・・・・・”

     この映画の制作中の5年間には又映画界には変化が起きていた。「時代劇の衰退」と「任侠映画の劉生」である。そんな時の時代劇の生き方への一つの回答であった作品でもあった。

    (視聴)

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    2015年10月 9日 (金)

    映画 時代劇回顧シリーズ(2) <仙台藩伊達家物語>中村錦之助「独眼竜政宗」・嵐寛寿郎「危うし!伊達六十二万石」    -私の映画史(16)-

    娯楽映画として、時代劇の華の時代(1950年代)の
         ”伊達六十二万石物語”2作

     とにかく1950年代というのは、最も映画界は華々しかったと言って良い。それは戦後1945年、日本は敗戦国としてGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下で、CIE(民間情報教育局)、CCD(民間検閲支隊)などから日本映画は検閲を受け、特に戦前の娯楽映画の筆頭であったチャンバラ時代劇は、危険なもの(軍国主義)として禁止されていた。 そして1951年になって講和条約成立により、ようやく自由に映画が作れる時代に入り、娯楽映画の冴えたるものの時代劇映画の華々しい復活の時代を迎えることが出来た為だ。
     戦前の阪東妻三郎、大河内傳次郎、片岡知恵蔵、嵐寛寿郎、市川右太衛門、長谷川一夫らも復活したわけだが、若きニュー・スターの誕生もみた。その筆頭格が1954年デビューの中村錦之助(後に萬屋錦之介)だ。

    東映映画 中村錦之助「独眼竜政宗」
                            昭和34年(1959)作品

      監督:河野寿一    キャスト: 中村錦之助(伊達政宗)
      企画:辻野公晴          月形龍之介 (伊達照宗)
          小川貴也          岡田英次  (片倉小十郎)
      脚本:高岩肇                  大河内傳次郎 (勘助)
      撮影:坪井誠            佐久間良子 (千代)
      美術:鈴木孝俊          大川恵子   (愛姫)
      音楽:鈴木静一          浪花千栄子 (喜多子) 

    Web

     とにかく1950年代後半は、時代劇で花を咲かせた東映は映画業界トップに躍り出た。そしてその主役が中村錦之助で、娯楽チャンバラ時代劇の華であった。社会はようやく娯楽を求めることに向き合えた時代になった一つの姿であった。
     錦之助の戦国武将ものでは、これは織田信長役に次ぐもので、見事な演技を見せたのがこの「独眼竜政宗」であった。言うならば彼の演技派へのスタートでもあったもの。翌年には「親鸞」、その後は「宮本武蔵」と流れていく。戦後の時代劇の歴史は彼の流れをみれば解るとまで言われる。
    Photo
     この映画の物語は、戦国乱世から豊臣秀吉により統一に向かっていた時代のもの。秀吉にとっては陸奥の伊達家の知勇ともに優れた政宗(錦之助)は一つの難物であった。そこで秀吉は暗殺団を送り、政宗を襲う。政宗はその一味の矢を右眼に受けて重症を負いながらも壮絶な闘いを果たし、生き延びる。この壮絶な闘いシーンは当時話題になったもの。
     政宗は難をなんとか逃れ、その後父親照宗や侍医などから心配なく回復し失明は逃れるとの話で、期待を持ちつつ治療に専念。回復宣言の二日前に待ちきれず、期待して眼を被った包帯をとって刀に映してみると、そこには回復どころか無残にも潰れた右目の醜い傷のみが見えた。その驚きと周囲からは治ると期待を持たされた事に裏切られた政宗の哀しく空しい胸中を見事に錦之助は演じた。その悲劇から奮い立つ政宗の姿を描いたもの。
     この映画は原作は無く、そもそも政宗の右眼は幼少時の病によって失明したと言われているのだが、それとは別にこの物語を作り出しての錦之助の演技を見せるべく脚本は書かれたのであろうと思う作品であった。まあ典型的な娯楽作品そのものであったとも言える。

                   ◇        ◇        ◇

    新東宝映画 
    嵐寛寿郎「危うし!伊達六十二万石」
                        昭和32年(1957年)作品

    4脚本三村伸太郎
    監督山田達雄
    キャスト 嵐寛寿郎:伊達甲斐
          明智十三郎:松前鉄之助
          中山昭二:板倉内膳正
          高田稔:伊達安芸 
          日比野恵子:浅倉
          太田博之:亀千代

     さてこちらは、仙台藩伊達家の江戸時代に於けるお家騒動である”伊達藩3代伊達綱宗隠居事件”が物語。この物語の元は、日本の貴重な文化であった”講談”であり、お馴染みの逆臣悪役の原田甲斐を取り上げたもの。その悪人を正義の味方「鞍馬天狗」の颯爽とした格好良さを演じてきた嵐寛寿郎が演ずるところに、これも娯楽的には大きな興味が持たれた作品。

      とにかく嵐寛寿郎が演ずる頭脳明晰にして剣の腕は超一流の悪人である原田甲斐は、凄みと迫力においては満点。さすがは”アラカン”であった。
    Photo_2
     当時、映画制作の諸会社での話題は、嵐寛寿郎の殺陣の立ち回りにおいては、そのスピードと凄みなどにおいてNo1であったと評判であったとか。又この悪役を大スターが演ずることは、いろろいな意味でタブーとも言われたが、そこはアラカン、文句なく挑戦したようだ。そしてその脚本も甲斐の悪事が明確となり、伊達安芸邸での甲斐の刃傷のシーンが最も見せ場として作られている。
     伊達綱宗の江戸屋敷に於ける乱行により、幼き亀千代が家督を相続するわけだが、甲斐は亀千代を毒殺して兵部の息子市正を当主にと企てるが成功せず、老臣伊達安芸らの訴えにより窮地に陥いる。そこで甲斐は安芸を殺害の刃傷に及ぶも、松前鉄之助らに殺される。この刃傷沙汰から殺されるまでの甲斐を演ずる嵐寛寿郎の殺陣と立ち回りの迫力が、流れる浄瑠璃の音に乗って、見せ所として見事なシーンを作って終わる。

     映画の華々しい時代の仙台伊達藩に関する二つの時代劇を取り上げたが、これらは当時の日本に於ける「最高の娯楽であった映画」というもの姿が見て取れる作品である。つまり”文芸”・”芸術”というよりは文句なく社会が求めた”娯楽”なのであって、そうしたものが当時の多くの人達に求められ受け入れられたのであった。映画を評するに一流、二流という表現があるが、これらはまさに娯楽としての一流であったと言える。

     この後、戦後の混乱から立ち上がっての日本人は、ようやく社会に於ける自己を見つめることが出来るようになり、そして大衆運動の”60年安保闘争”が勃発。日本の戦後の最も重大な事件を経て、新しい時代を迎える。映画もそんな社会を反映して、次の時代に移ってゆくのであった。

    (参考視聴) Youtubeに中村錦之助「独眼竜政宗」が見当たらないため、同年公開された戦国武将ものの「風雲児・織田信長」

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