音楽

2017年8月11日 (金)

ジョルジュ・パッチンスキー・トリオGeorges Paczynski Trio ニュー・アルバム「LE VOYAGEUR SANS BAGAGE~荷物なしの旅」

静の思索的美と動のスリリングさ・・・好録音も聴きどころ

<Jazz>
Georges Paczynski Trio 「LE VOYAGEUR SANS BAGAGE」
Arts & Spectacles / FRA / ASCD 161101 / 2017

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Georges Paczynski (ds, p 15)
Stéphane Tsapis (p)
Marc Buronfosse (b)

Recorded mixed and mastered by Vincent Bruley
Studio Piccolo Paris
All compositions by Georges Paczynski

 とにかく好録音(エンジニアはヴァンサン・ブルレVincent Bruley)は知られたところのドラマー=パッチンスキーGeorges Paczynski のピアノ・トリオ・アルバムの最新盤。
  このジョルジュ・パッチンスキー・トリオは2013年の『LE CARNET INACHEVÉ』以来お気に入りなんですが、今作も、勿論彼のオリジナル曲で埋められており、その哲学的世界は我々を唸らせたピアノ・トリオ作品の前作『LE BUT, C'EST LE CHEMIN』Art & Spectacles / ASCD140901)からの流れの中にある。そして期待度100%で迎い入れるのである。今回も当然同メンバーでのアルバムだ。

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 どうもテーマは一人駅に立つ旅人を神秘的に描いての全16曲と言うことらしい。、1-2分という短い曲から、長くとも5分という曲により構成されている。そこは前作も同じでこれもパッチンスキーの意志とみて良さそうだ。

(Tracklist)
1. La vieille valise (4:43)
2. Le réveil démonté (3:13)
3. La cymbale Fatiguée (2:34)
4. La baguette déformée (5:02)
5. La partition déchirée (4:27)
6. Le pupitre rouillé (3:56)
7. Le disque sans titre (3:02)
8. Le livre sans auteur (2:38)
9. Le miroir lézardé (2:56)
10. La statuette d'un sage (2:50)
11. Sur le quai désert (2:20)
12. En marche arrière (3:56)
13. Le violoncelle de lady L (1:59)
14. Les rails enchevêtrés (1:04)
15. Deux vers d'un poètes (4:07)
16. L'ascension sans fin (2:16)

 しかしヴァンサン・ブルレの録音は素晴らしい。ドラマーのリーダー作と言うことだけではないだろうが、パッチンスキーのシンバル音の素晴らしさは出色だ。しかしピアノ・トリオとしての曲作りは決して崩れていない。Stéphane Tsapis のピアノの旋律は、ピアノ・トリオとしての重要なポジションにあって、思索的な世界に導くのだ。

 今回もどことなく陰があり、しかも美しい。前作の”ある冬の夜に見た夢”という世界同様に思索的な感覚にも陥るし、”旅人の孤独感と期待感との交錯”を描いているようにも思う。パッチンスキーの年齢とは考えられないロマンが存在している。

11g_paczynskipresencesw  M1. ”La vieille valise” スタートのピアノの音にゾクっとする。ピアノからベースに、そしてシンバルの音と思索の世界が始まる。
 M3.”La cymbale Fatiguée” ピアノによるメリハリをシンバルの音が繋いでゆく
 M4..” La baguette déformée” この曲の5分が、このアルバムでは最も長い曲。深夜の落ち着きを描いているが如く流れる。ピアノの繊細さが堪らない。4分あたりでシンバルが響く抑揚が見事で、単調さを感じさせない。
 M5.. ”La partition déchirée”ジャズのスウィング感の心地よさも忘れていない曲。
 M10. ”La statuette d'un sage” 、M12. ”En marche arrière”15. Deux vers d'un poètes  にみる Stéphane Tsapis の緩急のメリハリ、澄んだ音の旋律の美のピアノ・プレイにも注目だ。このアルバムの価値観を高める見事な役を果たしている。
 M14. Les rails enchevêtrés では、トリオ・プレイで見事な前衛性を披露。

 「静の思索的美」と「動のスリリングなところ」を見事に操るプレイに圧倒される。それはリーダーがドラマーであることによるのか、はたまた彼らの目指すところがそこにあるのか、前作に続いて聴き惚れるアルバムであった。

(参考視聴)  (現トリオものが見当たらないので・・・参考まで)

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2017年8月 6日 (日)

ティングヴァル・トリオTINGVALL TRIOのニュー・アルバム 「CIRKLAR」

新世代ピアノ・トリオと言われる中の美旋律が堪らない

<Jazz>
TINGVALL TRIO 「CIRKLAR」
SKIP Records / Germ / SKIP 9157-2 / 2017

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Martin Tingvall  マーティン・ティングヴァル   -  piano and compositions
Omar Rodriguez Calvo
オマール・ロドリゲズ・カルヴォ - double bass
Jürgen Spiegel
ユルゲン・シュピーゲル   - drums and percussion

 私の期待度の高いティングヴァル国際トリオの前作『BEAT』(SKIP Records/SKP9137-2)から3年ぶりの7作目が登場。
 リーダーのティングヴァルMartin Tingvallは、近作はソロ・アルバム(『distance』 SKIP Records / SKP9147-2)が登場していたが、やっぱりこのドイツ、ハンブルグを拠点としたこのトリオは健在でした。国際トリオと言うのは、Martin Tingvallはスウェーデン、Omar Rodriguez Calvoはキューバ、Jürgen Spiegelはドイツ生まれと言うところによる。
 今回も全曲ティングヴァルによるところから、ダイナミックな曲展開である中に、北欧の世界感がにじみ出ているところであるが、それが今までの魅力の一つでもあった。一部にはあのE.S.Tと比較されるものとして、新世代ジャズのピアノ・トリオと言われ注目されているが、意外に聴きやすい安堵感もある。
  ドイツのEcho Jazz (今や世界的な権威ある賞となっている)は、前作までにジャズ部門でゴールド・ディスクを与えている。

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(Tracklist)
01. Evighetsmaskinen 
02. Bumerang 
03. Vulkanen 
04. Bland Molnen 
05. Skansk Blues 
06. Cirklar 
07. Sjuan 
08. Det Grona Hotellet 
09. Tidlos 
10. Psalm 
11. Karusellen 
12. Elis Visa

Tingt4 さて、このアルバムだが、スタートからの三曲は、親しみやすいリズム・旋律と共に、アグレッシブでダイナミックな展開を示し、ピアノの重低音も交えて結構威勢の良いところを聴かせ、三者の意気込みが感じられる曲から始まる。続くM04.”Bland Molnen”  になって深遠なベースのアルコ奏法と期待のピアノの美旋律の登場だ。とにかく彼らの一見するところの出で立ちからは、信じがたいほどの北欧の大地を崇めるが如くの美旋律を聴かせてくれるのだ。こうした新しいピアノ・トリオの姿を試みる代表的トリオとして、今作も聴く者をして感動に導く。
 私はM.06.” Cirklar ” なども好きな曲だが、物語的展開、安堵感、暗さの無い世界でリズミカルな流れに乗ってのピアノとベースの美旋律に注目だ。
  ピアノの静かに流れる美しさは更にM.08.” Det Grona Hotellet”  にも聴くことが出来、10.”Psalm ” にも繊細なシンバルの音の中に堪能できる。
 M 07.”Sjuan” 、 M 09.”Tidlos”  は、彼らの面目躍如の"動"の曲。
 M.12. ”Elis Visa” は、締めくくりに相応しい大地からの声が感じ取れる曲。

 近代的なダイナミックなセンスを持ちながら、そこにはクラシック的表情も見せつつ北欧的優しい美旋律を聴かせるという愛着の感じられるピアノ・トリオである。

(参考) ~Tingvall Trio Discography
   Skagerrak (2006)
   Norr       (2008)
   Vattensaga (2009)
   Vägen        (2011)
   In Concert (2013)
   Beat         (2014)
   CIRKLAR   (2017)


(視聴)

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2017年8月 3日 (木)

グレゴリー・プリヴァ・トリオGrégory Privat Trio 「Family Tree」

フランスで熟成したピアニスト

<Jazz>
Grégory Privat Trio 「Family Tree」
ACT Music / Germ / ACT9834-2 / 2016

Familytree


Gregory Privat (p), Linley Marthe (b),  Tilo Bertholo (ds)

 先般紹介したLars Danielssonの「Liberetto シリーズ」を聴くにつけ、ニュー・メンバー・ピアニストのグレゴリー・プリヴァGrégory Privat にちょっと興味が沸いたのである。そこで彼のリリースしている近作アルバムを聴いてみたもの。
 彼は仏領マルティニーク島(知らなかったので調べてみると、カリブ海に浮かぶ西インド諸島のなかの一島。海を隔てて北にドミニカ国が、南にセントルシアがある。こんなところに、現在もフランス領があるんですね)出身、1984年生まれで今年33歳という若さ。父親がピアニストでその影響を受け、6 歳からピアノを始め、16歳の時には作曲をし、即興に彼なりきのものを既に持つようになったという経過。その後、フランスのトゥルーズで数々のセッションを重ね、そして中心都市パリに移住しての活動となる。その時は 27 歳だったという。

  • Gregory10w(Tracklist)
    1. Le Bonheur 4:13
    2. Riddim 6:25
    3. Family Tree 6:19
    4. Zig Zagriyen 5:00
    5. Le Parfum 5:39
    6. Sizé 5:26
    7. Filao 7:04
    8. Ladja 5:27
    9. Seducing The Sun 6:19
    10. Happy Invasion 7:54
    11. La Maga 4:29
    12. Galactica 8:27
  •  このアルバムの収録曲は上のとおり。全て彼のオリジナル曲である。
     冒頭(M1.”Le Bonheur” )から、不思議な世界に連れられて行くように、彼の流れるようなピアノの音の洪水に誘われる。ACTのトリオ録音も快調だ。
      なんと言ってもアルバム・タイトル曲であるM3.”Family Tree”、これぞカリブ海に浮かぶ島の情景なのか、なぜか哀愁がにじみ出す情感豊かにピアノの描くメロディが流れる。これがプリヴァだからこそ描く世界なのかと聴き入ってしまう。ドラムスも襲ってくる波のような抑揚を演じ、トリオの相性も良い。
     M5. ”Le Parfum”ではオーソドックスなトリオ演奏、そしてM6. ”Sizé” は、美しさから次第に彼らのめくりめくるインプロの交錯の盛り上がりに進む難解さも披露し、一転してM7.”Filao”は、ゆったりしたメロディアスな流れにに、ベースが厚く響き、最後にはピアノの美しさに快い世界を築く。M9.”Seducing The Sun”のピアノの美しさと澄んだシンバルの響きは、やはりこれも快感。

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     彼らの演奏はなかなか技巧的にもハイレベル、私には若さの弱点なんかは全く感じられなかった。こうした逸材であればLars Danielssonに引っ張り込まれるのがよく解ったのである。やはり私にとっては今後も注目的存在。

    (視聴)

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    2017年7月30日 (日)

    アダム・バウデフとヘルゲ・リエン・トリオAdam Bałdych & Helge Lien Trio のニュー・アルバム「Brothers」

    牧歌的な静謐とスリリングな緊張感と・・・私好み!!
     ~果たして、神への賛美の叫びか~

    <Jazz>
    Adam Bałdych & Helge Lien Trio 「Brothers」
    ACT / Germ / ACT 9817-2 / 2017

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    Adam Bałdych (vln, renaissance vln)
    Helge Lien (p)
    Frode Berg (b)
    Per Oddvar Johansen (ds)
    Tore Brunborg (sax) (M5,6,8)

    Music composed and arranged by Adam Bałdych
    except 7 composed by Leonard Cohen and arranged by Adam Bałdych & Helge Lien

     ヴァイオリニストのアダム・バウディフAdam Bałdych(ポーランド1986年生まれ)の新作だが、前作『Bridges』(ACT9591-2,  2015)同様にノルウェーを代表する我が愛するヘルゲ・リエン・トリオとの共作となっている。しかし曲はバウディフによるもので(レナード・コーエンの”Hallelujah”の1曲以外)、あくまでもヘルゲ・リエン・トリオはサポート役。と、言ってもヘルゲ・リエンのピアノが重要で、この音なしでは考えられない曲作りである。
     又ノルウェーのサックス奏者トーレ・ブルンボルグが3曲に参加して味付け。
     どうもバウディフの原因は解らないが亡くなった弟の為に捧げられたアルバムのようだ。そんなところからも哀感あるアルバム作りとなっている。

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    (Tracklist)
    1. Prelude (1:22)
    2. Elegy (7:34)
    3. Faith (4:52)
    4. Love (6:21)
    5. One (6:50)
    6. Brothers (6:06)
    7. Hallelujah (6:08)
    8. Shadows (6:32)
    9. Coda (4:21)

    Adambaldych4_teaser_700x M1. ”Prelude” は、ヴァイオリンとピアノのデュオで冒頭から私が勝手に感じている北欧的な哀愁そのものだ。
     M.2. ”Elegy”の入り方はドラムスとピアノの不安なる打音でピンク・フロイド(ロジャー・ウォーターズ)流。ここでもヴァイオリンとピアノが哀感のある叙情を描き、又一方スリリングな味のヴァイオリンも登場し、懐かしのキング・クリムゾンといった雰囲気をみせる曲。ロジャー・ウォーターズの近作『is this the life we really wants? 』は、ピアノの音を重量感を引き出すに使っているが、それは感覚的には、この曲でも共通点。・・・・と、こんな具合にプログレッシブ・ロックと比較することは叱られそうだが(リエンがウォーターズのファンだと言うのでお許しを)、しかしその共通点が見いだされるところが面白い。しかし醸し出す哀感は完成度の高い曲だ。
      M3.”Faith”はピアノの美しさが前面に。M4. ” Love”の、ヴァイオリンのピッチカート奏法は意外に牧歌的というかトラッド的雰囲気を生み出すんですね。

    02helgelientrio2014_lamapre M6.”Brothers”が凄い。静から動、そしてダイナミックな展開。これは単にジャズという世界に止まっていない。聴きようによってはプログレッシブなロックでもある。人一人の激動の人生を表現しているのだろうか?素晴らしい。さすがピンク・フロイド党のリエンが・・・関わっているだけのことはある。
     M7.” Hallelujah” 先頃惜しまれて亡くなったレナード・コーエンと言えばこの曲だ。彼が亡くなる直前までライブで歌い込んでいた。しかし私はこの曲の良さは知っているが、実はその唄う意味を完全に理解しているわけで無い。これ自身は”神の賛美、喜び・感謝の叫び”というのは解るが、ここに取りあげられたことから逆にその中身の深さに迫ってみたいと思ったところである。しかしこの曲も完全に彼らのこのアルバムのモノに昇華している。
     M8.“Shadows”の、ヴァイオリンとサックスが、このように美しく重なり合っての演奏は発聴きだ。
     M9.”Coda”ヴァイオリンそしてピアノの調べは如何にも哀愁感たっぷり。

     実はこのアルバム、購入に若干ビビッていたのだが、Suzuckさんが絶賛しているので、これはと言うところで手にしたモノ。なんとそれは正解で、全編ムダな曲が無く完璧なコンセプト・アルバム。傑作だ。

    (参考視聴) Adam Bałdych とHelge Lien Trio の共演(当アルバムとは別)

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    2017年7月26日 (水)

    ダン・テファー・トリオDan Tepfer Trio 「 ELEVEN CAGES 」

    並では納まらないフランス気質のニューヨーク流ピアノ・トリオ作品

    <Jazz>
    Dan Tepfer Trio 「 ELEVEN CAGES 」
    SUNNYSIDE / US / SSC1442 / 2017


    Elvencages

    Dan Tepfer (p)
    Thomas Morgan (b)
    Nate Wood (ds)

     ユーロ・ジャズ界の活躍も近年華々しいが、その中でのピアノ・トリオ作品は、なんとなくECM系が一つの有力な世界を造りつつあるような感がある。しかし、ここに取りあげたのは、フランス気質のニューヨーク流作品である。パリ生まれニューヨークで活躍中の新進気鋭ピアニスト=ダン・テファーDan Tepfer(1982年~、両親は米国人)の最新作で、なかなか技巧派をイメージさせる作品に仕上がっている。そして自身のピアノ・トリオ作品としては7年ぶりらしい。
     彼は、ピアノとの接触はクラシックから始めたが、しかし若くしてジャズに開眼し、フランス・ジャズ・ピアニストの巨匠マーシャル・ソラルの指導を受け、その後渡米しフレッド・ハーシュに師事した。既にリリースした作品は様々な賞を獲得し注目されている。最も注目を浴びたのは、2011年にバッハのゴールド・ベルグ変奏曲に挑戦したことだろう(アルバム 『Goldberg Variations/Variations』 (Sunnyside, 2011))。古くはフランスのジャックルーシェが試みたのが懐かしいが、しかしそれとは又異なったジャズ的解釈が評価されている。

    1532022w(Tracklist)
    1. Roadrunner (Dan Tepfer)
    2. Minor Fall (Dan Tepfer)
    3. 547 (Dan Tepfer)
    4. Cage Free I (Tepfer/Morgan/Wood)
    5. Converge (Dan Tepfer)
    6. Hindi Hex (Dan Tepfer)
    7. Little Princess (Dan Tepfer)
    8. Cage Free II (Tepfer/Morgan)
    9. Single Ladies (Stewart/Nash/Harrell/Knowles)
    10. For It (Dan Tepfer)
    11. I Loves You, Porgy (G. Gershwin/I. Gershwin)

      さて、このアルバムの収録曲は上のようで、ほゞダン・テファー自身のオリジナル曲による構成だが、M9.はビヨンセ、最後にガーシュウィンの曲が登場する。
      スタートM1.“Roadrunner”からのハイピッチな展開は圧巻。精密なドラマーの展開にリードされ、押さえた音量で演ずるピアノ、ベースの繊細にして流麗に演ずるセンスに驚かされる。
     M2.“Minor Fall”は、一転して静かに物思いに耽るバラード曲。トーマスのベースが曲の抑揚に魅力をつけ、テファーのピアノは美しいメロディー・ラインを聴かせる。この2曲でただ者で無いぞと思わせるに十分。
     M6.“Hindi Hex”は、いやはやこれぞと複雑なリズム・パターンを乱れなく演じ切る。まさにテクニシャン集団。
     とにかくしっとりとした甘いメロディーと美しい旋律と静謐な世界というところを期待するとしっぺ返しが来る(しかし彼らはその持ち味も持ち合わせていることは、M12.”I Loves You, Porgy”で知れるのだ。つまり十分その味付けをして聴かせるつつ、そしてこの曲でアルバムを終わらせるところがニクイ)。
     しかし彼らの演ずるところ、即興性を加味したコンテンポラリー・ジャズとして聴くと、その魅力を十分に発揮していることが解る。ECM的世界から時にこの世界に塡まるとなかなか新鮮で魅力たっぷりの世界である。これからも期待するに十分な逸材。

    (視聴)

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    2017年7月22日 (土)

    キアラ・シヴェロChiara Civello「ECLIPSE」

    ボサノヴァ系ラテンムード・ヴォーカルでのイタリア世界

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    <Jazz>
    Chiara Civello「ECLIPSE」
    Sony / EU / 889853595327 / 2017

    51wkxk1nxal

    Chiara Civello : Vocals
    Produced by Marc Collin


     ふと思うのだが、ジャズとロック、ポップも多様化して、どうもその境もかなりオーバーラップしてきたように思う。
     このアルバムも、ジャズ分野で取り扱われているが、サンバ、ボサノヴァの流れは実感できるが、M1.M3.M4.M8.M11.など誰もが聴けるポップといってもかまわない曲作りである。
      イタリア出身のキアラ・シヴェロChiara Civello(1975年ローマ生まれ)、イタリアの曲をも取り上げてはいるが、何故か所謂イタリア的では無いという仕上げである。成る程経歴をみると、バークリー音楽院卒業以来ニューヨークをベースとしていて、やはりジャズの世界にいるのだが、ヨーロッパというよりは世界へ羽ばたいている彼女の通算6作目となるアルバムだ。そんな彼女だが、なんと2005年にデビューしていて既に10年選手、しかし私は今回が初めてのお付き合い。
     しかし世界を意識しているとは言っても、全曲イタリア語ですね、そこに何か意味があるのか無いのか?。英語も取り入れて欲しかったような気がするのだが。

    C_4_foto_w(Tracklist)
    1. Come vanno le cose
    2. Eclisse twist
    3. Cuore in tasca
    4. Qualcuno come te
    5. Sambarilove
    6. Parole parole
    7. Amore amore amore
    8. La giusta distanza
    9. Um dia
    10. New York City Boy
    11. To Be Wild
    12. Quello che conta

     プロデュースがフランスのボサノヴァ・プロジェクトの”ヌーベル・ヴァーグNouvelle Vague”のマーク・コリンということによるのか、彼女の目指しているところによるのか、M5.”Sambarilove”のサンバとか、その他ボッサの流れが根底にあって従ってラテン風味が感じられるアルバムなのだ。その中でもM10.”New York City Boy”がイタリア語ではあるが、なかなかジャズっぽくこのアルバムでは私にとっての聴きどころ。M2.”Eclisse twist”は聴いたことがあるなと思ったら、イタリアのミーナの”太陽はひとりぼっち”ですね。M7.”Amore amore amore”これもイタリアの有名曲”あまい囁き”だ。オリジナル曲もあるようだが、全体のムードと反して、こんな風に、なんとなくイタリアを意識したアルバムのようにも感じられる。

      こんなところで、ラテン・ムードで仕上げたイタリア世界というところで、考えて見ると不思議なアルバムであった。とにかく夏の夜にはそれなりにゆったりと開放的に聴くには抵抗がなくてよい。

    (参考)-Chiara Civello Discography-
    ①Last Quarter Moon (Verve, 2005)
    ②The Space Between (Universal, 2007)
    ③7752 (EmArcy, 2010)
    ④Al Posto del Mondo (Sony, 2012)
    ⑤Canzoni (Sony, 2014)
    ⑥Eclipse (2017)

    (視聴)

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    2017年7月18日 (火)

    ラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson 「Liberetto III」

    欧州各地の民族性を網羅したような・・・異色性は更に

    <Jazz>
    Lars Danielsson 「Liberetto III」
    ACT / GERM / ACT9840-2 / 2017

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    Lars Danielsson (b, cello, p intro 5 & 8, wah-wah cello & guembri 9),
    Grégory Privat (p),
    John Parricelli (g),
    Magnus Öström (ds, perc)

    Guests:
    Arve Henriksen(tp 1, 2, 6, 9, voice 6),
    Dominic Miller(ac-g 10),
    Hussam Aliwat(oud 4 & 7),
    Björn Bohlin (english horn 2, 3, 8 & oboe d'amore 1),
    Mathias Eick (tp 10)

     ラーシュ・ダニエルソンのカルテット・タイプの恒例バンド“リベレット”によるシリーズの第3作目。過去に「Liberetto 」&「LiberettoⅡ」の2作に魅了された私であり、当然手に入れたこのアルバムだ。この3作目で変わったのはカルテット・メンバーのあの話題のピアニスト・ティグランだ。彼に変わってグレゴリー・プリヴァが新メンバーとして加入している。
     そしてカルテットと言っても、上のように更にトランペットなどのゲストも迎えての作品だ。

    Larsdw とにかく全ての曲はダニエルソンのオリジナルによるものだが、彼はスウェーデン出身、しかし印象は全く北欧とは違った世界である。それはこの3作目にして更に強まっているのだ。かってTigranが影響していたかと思っていたが、どうもそうでは無かったようだ。とにかくサウンド、曲の旋律、そして醸し出すムード、これらはカラフルそのもので、いやはや欧州を広く総なめの感ありだ。

    (Tracklist)
    1. Preludium (2:09)
    2. Agnus Die (4:56)
    3. Lviv (4:34)
    4. Taksim By Night (4:15)
    5. Dawn Dreamer (6:26)
    6. Orationi (4:02)
    7. Sonata In Spain (4:07)
    8. Da Salo (6:02)
    9. Gimbri Heart (3:56)
    10. Mr Miller (3:31)
    11. Affrettando (5:18)
    12. Berchidda (4:46)

     とにかくこのバンドは、タニエルソンがベース、チェロ、民族楽器グエンブリを演じ、過去の2枚は、アルベニアのティグランTigranのピアノが一つの核でもあったと思う。それが、カリブ海、マルティニークで生まれたというプリヴァGrégory Privatに変わったわけだが、しかしピアノの流れはこれ又快調で、実はこのピアノの占める位置がもっと多くても良いのではと思うぐらいであった。それもノルウェイの注目トランペッターArve Henriksenがゲスト参加し、4曲で重要な流れの位置にあってのこと。それに加えBjörn Bohlin のenglish horn などが、今回のアルバムの一つの特徴を築いていることなどで、少々出番が少なかった感がある。実は、私にとってはピアノが旋律を流してくれるM5,M8,M12などの曲に魅力を感じているのである。

     又かつてエスビョルン・スヴェンソン・トリオE.S.T.で活躍していたドラマーのMagnus Öströmの味もM3, M9あたりで聴き取れてなんかホットしているのである。
      M4.はトルコですかね、M7.はスペインでしょうね、といった具合で、多様な欧州の異国的民族性も盛り込んでいて、更にM6,M10は、トランペットとベースで醸し出す世界は、日本からみると明らかに異国そのものであり、そしてその哀愁を聴かせてくれる。
      とにかくこうしてみると欧州は様々な多様性が基礎にある諸国の集合体で有り、そんな世界をダニエルソンらしい好感メロディーで広く網羅し聴かせてくれたアルバムであった。ただ私の好みからはピアノの役の多かったアルバム「Ⅰ」「Ⅱ」の方に軍配は上がる。

    (視聴)

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    2017年7月14日 (金)

    アナセマAnathemaのニューアルバム「the optimist」

    美しいモダン・プログレッシブ・ロックと評価されて・・・・・

    Anathema1


    <Progressive Rock>
    Anathema 「the optimist」
    Kscope / UK / Kscope356 / 2017

    Theoptimist_2

    Personnel:
    Vincent Cavanagh (vocals, guitar, keyboards, programming);1990-
    Lee Douglas (vocals);2000-
    Daniel Cavanagh (guitor, Piano, Keybord, Vocals)1990-2002, 2003-
    John Douglas (keyboards, drums, programming); 1990-1997, 1998-
    Daniel Cardoso (drums). 2012-
    Jamie Cavanafh (Bass); 1990-1991, 2001-

     こんなところで、ちょっとアナセマAnathemaも聴いておかねばと、ニューアルバムを手に入れた。なにせ美しいサウンドでモダン・プログレッシブ・ロックとも言われるようになってきたのだから。
    810n2oxspilw 昔はゴシック・メタルってとこでしたかね。次第にプログレっぽくなって・・・・、実はそんな変化するこのバンドも2012年の『weather system』Kscope/UK/KSCOPE367/2012)(→)で取り敢えずは締めくくっておこうと思ったのですが・・・・・、あのアルバムはリーダーのヴォーカリスト=ヴィンセント・カヴァナー Vincent Cavanagh と女性ヴォーカリスト=リー・ダグラス Lee Douglas の心に響く歌声が素晴らしいと高評価。更にバンド演奏を支えたドラマチックに盛り上げたたデイヴ・スチュワートのオーケストラ・アレンジ、やっぱり英国としてのなんとなく哀愁を漂わせたところが聴く者の心を捉えたのであった。
     あれから五年経って、彼らの11枚目の作品が登場して、やっぱり何となく手に入れることになるのであった。

     アルバム・タイトルは「ジ・オプティミストThe Optimist=楽観主義者」と銘打って、どうも主たる作曲者のダニエル・カヴァナーDaniel Cavanagh  (ギター/ピアノ/ヴォーカル/ループ)が「半・自伝的」と説明する作品のようだ。

    (Tracklist)
    1. 32.63N 117.14W
    2. Leaving it behind
    3. Endless ways
    4. The Optimist
    5. San fransisco
    6. Springfield
    7. Ghosts
    8. Can't let go
    9. Close your eyes
    10. Wildfires
    11. Back to start

  •    Anathemavcwこのアルバム、冒頭からロジャー・ウォーターズ流のSEを多用している。やっぱりピンク・フロイドがお手本なんですね。
     そしてこのバンドの特徴のミニマル奏法がここでも取られている。特にM5. ”サンフランシスコ”ではその流れが顕著、メタリツクなヘビー・サウンドのミニマルの流れは良いのだが、この手のキーボードによるものはどうも私は苦手だ。
     このグループの曲は、かってそれぞれの曲において同じ手法をとる為か、過去のアルバムでは、どの曲も同じに聴こえてしまうという感想を持ったことがある。
     今回のアルバムは、その意味ではそれぞれの曲の個性も出ていてアルバムをトータルに観賞出来るところは更なる発展を遂げたと言っても良いかも知れない。
     相変わらずリー・ダグラス Lee Douglas の声は美しい。又M6. ”スプリングフィールド”にみるように、静かな流れから次第に盛り上げていく曲の展開はやはり上手い。
     タイトルにみる「楽観主義者」の生き行く道程の波乱に満ちた姿を描こうとしたのか、そんなコンセプト・アルバムとしても仕上げているところが興味ある。M9. ”クローズ・ユア・アイズ”などは、彼らとすれば精神的な世界を描いた感のある異色な曲であり、又M10.”ワイルドフィアーズ”なども高揚感は圧巻の仕上げで、じっくり聴いてみるとその価値が感じられる。(尚、隠しトラックもあって探して聴いてください)

     さてなんと言ってもこのところは、ロジャー・ウォーターズの近作アルバム『is this the life we really want?』に圧倒されているところであって、そこにこのアルバムを聴いたわけだが、どうもそのタイミングはあまり良くなかった。つまりロジャー・ウォーターズと比較と言うことになってしまって、このアルバムは、余りにもその社会感覚と深刻さ、そして曲のスケールと展開などが中途半端な印象なのである。まあ誰がみてもそれは当然比較する相手が悪かったということで致し方ないところであり・・・・もう少し間隔を開けてよく聴き直した方がよいと思っているところだ。
     しかし彼らの一歩又前進したプログレ・アルバムとして、その価値を感じさせる一聴に値するアルバムであることは間違いないところ。
  • (視聴)

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    2017年7月10日 (月)

    女優フローラ・マルティネスFlora Martinezの1stアルバム 「FLORA」

    カナダ-コロンビア映画女優のヴォーカル・アルバム

    Mv5bmtm5nzg

    <Jazz>
    Flora Martinez 「FLORA」
    Music Brokers Arg / Arg / MBB9331 / 2016


    Flora_2

    Prodused by José Reinoso (Arrglos, pianos, guitarras y programaciones)

      またまた”美女狩りシリーズ”です。
     このアルバムの女性ヴォーカルのフローラ・マルティネスFlora Martinezは、カナダのコロンビア映画女優であり又テレビでの活躍も盛ん、その上歌手でもある。カナダ人の母親とコロンビア人の父の間にモントリオールで生まれ(1977)、ボゴタとノースバンクーバーで育った。

    Sexiestl1 私が知ったのは、あの若干奇怪なるアルバム『JAZZ SEXIEST LADIES』(Music Brokers/MBB7238/2017)(→)に登場していたことに他ならないが、映画は全く知らない。しかし1999年の最初の映画とおもわれる「Scopolo」は、フランス・ビアリッツ映画祭で最高女優賞に輝いたり、
    なかなかのものであったようだ。一般的には映画「Rosario Tijeras」(Colombian Film 2005)が有名らしい。

     71fmdg2_2日本でも2000年の「Tuya siempre 抱かれる女」(→)が結構知られているようだし(ジャズが主力の音楽で良かったようだ)、スペインの監督ビセンテ・アランダの「Lolita's Club」 (2007) にも主演した。

     ・・・・と、映画話は、私はどれも観ていないのでこんなところだが、彼女のこの1stアルバムの話にしよう。

    (Tracklist)
    1 Happy
    2 The Captain of Her Heart 
    3 Make You Feel My Love   
    4 The Scientist 
    5 Los Aretes de la Luna
    6 Let's Stay Together
    7 Safe and Sound
    8 De Musica Ligera   
    9 True Colors
    10 Gimme Shelter


    Mvfm2 トラックリストは上の如くのボブ・ディランなどの曲(M3.)が登場している。歌は英語で歌われているが、曲によってはスペイン語(M5.)も登場する。彼女はカナダの市民で英語は勿論だが、流暢なフランス語、スペイン語を話すようだ。
     これは彼女の個性的な声に、ちょっと注目しての昨年リリースされたアルバムを取り寄せてみたもの。
     とにかく意外に低音が豊富で厚く広がり、高音部はやや繊細にと言った歌声だが、まずは特徴はあどけない発音をしてコケティッシュなんですね。曲のタイプはやっぱりジャズというところだが、なかなかポップに近い展開するのでジャズ・ヴォーカルの範疇と言ってもあまりジャンルを問わず広い層で聴けるというところ。それはバックの演奏がピアノ、サックスなどで、ジャズ・タイプであるが聴きやすいことによる。ゆったりとしたそんな展開をするやや異色のアルバムだが、非常に取っ付きやすいのだ。
     多分、映画を観ていて彼女のファンならたまらないアルバムなんでしょうね。

     こうした聴き慣れない女性ヴォーカルものをたまには聴くのも良いものである。

    (視聴)

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    2017年7月 6日 (木)

    ダイアナ・クラールDiana Krall 「FLY ME TO THE MOON」

    15年前の三年間のカルテット・メンバーでの演奏
                                       (
    CD+DVD映像版)

    Dkrallcreditmarkseliger_20120702_85


    <Jazz>
    Diana Krall 「FLY ME TO THE MOON」 (deluxe Edition)
    Live at Marciac Jazz, Marciac, France  July 29, 2002

    Flymetothemoon

    Diana Krall (p, Voc),   Dan Faehnle (g),  Ben Wolfe (b),  Rodney Green (dr)

     ダイアナ・クラールのこのところのJazzy not Jazzに近い路線から原点回帰して、かってのジャズ・ピアノ及びヴォーカルを楽しもうと、2002年のフランスのマルシアック・ジャズ出演の演奏もの(CD +DVD版 = non-official)を仕入れた。
     これはライブ映像版がカップリングされているのだが、今や正規版やブート版などでかなり映像モノも多くなって、我が棚には結構並んでいる現状。この盤はメンバーがDiana Krall (p, Voc),   Dan Faehnle (g),  Ben Wolfe (b),  Rodney Green (dr) というカルテット・スタイルで、この組み合わせの映像版は手持ちに無かったので興味があった。当時、ダイアナ・クラールはこのカルテット・スタイルを3年ほど続けたと思う。

    Dk2
     彼女のCDアルバムの初期のものでも1993年の1st『Stepping out』この時既にJohn Clayton, Jeff Hamilton と組んでいる)から2001年の6th『The Look of Love』までをみても、このメンバーものはなかったと思う。この後の7th『The Girl in The Other Room』(2004)は勿論Anthony Wilson, John Clayton, Jeff Hamiltonだ。
     そんなことで、このカルテットスタイルはかって何かで聴いたことがあるのか無いのか、ふとそんなことを思いつつ視聴した次第。

    Flymetothemoon1 Tracklistは右のようだが・・・・
     M1.”Under my skin”が、静かなギターをバックにスタートしてヴォーカルと共にしっとりしていて良いですね。M2. ”Love being here”はいつも通りの快テンポ・ジャズで、彼女のピアノ・プレイも快調。
     私の好みからはM4. ”Cry me a river”がやっぱりお目当てで納得(正規アルバムのものはストリングス・オーケストラがバックに入るため、こちらの方がジャズっぽい)。M5.”A case of you”はなかなか説得力あるヴォーカル。M9.”Fly me to the moon”は中間部のジャズ演奏がスウィンクして楽しいです。

     この頃のダイアナ・クラールはジャズ・ピアノ演奏家+ヴォーカルで売り出していて(今もライブはそうですが・・・)、そんな姿が楽しいです。

     当時のオフィシャル映像モノは『LIVE IN PARIS 』(Verve, Eagle Vision /YMBZ-20028 /2002=2001年録画)で、John Clayton, Anthony Wilson, Jeff Hamilton等との演奏で人気があるが、この映像のカルテットもなかなかダイアナ・クラール節をうまくリードしていて納得モノ。
     Delux Version として、結構録音のサウンドにも自信があってのことか、CD盤をカップリンクしていていろいろと楽しませてくれる。まあホール感があって良いですが、所謂”CD的”と言われる表現の音ですがね。

    (視聴)

     

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