アヴィシャイ・コーエン

2015年4月13日 (月)

アヴィシャイ・コーエン・トリオAvishai Cohen Trio 「FROM DARKNESS」

エスニックな世界を持ったベーシストのトリオ作品

<Jazz>

         AVISHAI COHEN TRIO 「FROM DARKNESS」
          Razdaz Records / RD 4616 / 2015

Fromdarkness 
 イスラエル出身のベーシストででアメリカでジャズをしっかりと身につけた(チック・コリアのベーシストを務めたことでも実績を積み重ねている)アヴィシャイ・コーエン、これは彼のトリオ編成の近作。

Avishai_cohen571 私が彼のトリオ作品に接したのは2008年リリースのアルバム「Gently Disturbed」で、どちらかというとイスラエルという異国ムードが感じられるとはいえ、ヨーロピアン・ジャズ寄りの味付けが特徴というところを聴かせてくれ、それ以来何となく聴きたいミュージシャンとなっているのである。
 一年前には「ALMAH」というトリオ+ヴァイオリン、ヴィオラという編成で、ジャズとクラシックの融合を試みた作品もリリースしていて、その活動は盛ん。

(参照)
「Gently Disturbed」(2008)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/avishai-cohen-t.html
「SEVEN SEAS」(2011)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/seven-seas.html

Fromdarknesslist このアヴィシャイ・コーエン・トリオというと、やはり彼のベースの演奏と共に、彼の曲の美しさをに期待が大きい。今回のこのアルバムも11曲中10曲が彼のオリジナル曲で構成されている。(最後の”Smile”のみ誰もが知るチャプリンの曲)

 メンバーは
   Avishai Cohen : Bass
      Nitai Hershkovits : Piano
      Daniel Dor : Drums

                         ・・・・・・・と、重要なピアニストは、前作のベースとピアノのデュオ作品「Duende」(2012年)からのNitai Hershkovits がこの作品でも起用されている。
 2011年の「SEVEN SEAS」は、イスラエル関係からの多彩なプレイヤーとコーエンのヴォーカルと、とにかくイスラエル・ムードたっぷりのエスニックな背景を持ったアルバムだったが、今作のような彼のベースとピアノ、ドラムスとのトリオ作品は、以前からメンバー・チェンジはあるとは言えオーソドックスなジャズ・アルバムに仕上げている。

Dsc04946small このアルバムでは最も長い曲”Ballad for an Unborn”が良いですね。美しいピアノのメロディー、それにベースが響き、ドラムスが追って乗ってくる。やがてベースがピアノが交互に旋律を奏で、そしてここでは静寂と異空間のドラムスがその後に続く。絶妙の間をとって三者が叙情的な世界を構築している。
 全体的にベースとドラムスのリズム取りはパワーがある。そんなところはこのトリオの特徴だ。
 アルバム・タイトル曲”From Darkness”では、モダニスティックな世界が展開されるが、一方”Halelyah”、”Almah Sleeping”ではクラシック的なピアノが聴ける。
 最後は懐かしのメロディーで心を和らげて締めくくるのである。
 異色と言えば異色なのかもしれないが、非常に聴きやすいトリオ・アルバムである。

(視聴) "Beyond"

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2013年8月30日 (金)

アヴィシャイ・コーエンAvishai Cohen : 「七つの海 SEVEN SEAS」

これはやっぱりユーロでなく、アメリカンでもなく・・・・不思議なジャズ

 アヴィシャイ・コーエンAvishai Cohenはイスラエル出身のジャズ・ベーシスト。私が何でこの中東イスラエル系のジャズを聴くのかと言うと、先日取り上げたピアノ・トリオ("アビシャイ・コーエン・トリオ"参照)がなかなか異色作で魅力もあるところからちょっと気になっている為です。このアルバムも友人からの紹介なんですが、その友人がなんでこれにご執心なのかは実は聞いてないのです。

<Contemporary Jazz> AVISHAI COHEN 「SEVEN SEAS」
                               Blue Note   TOCJ 90070  ,  2011

Seven_seas3
 このアルバムはベーシストのアヴィシャイ・コーエンの12作目のようだ。先日話題にした彼の名を冠したピアノ・トリオものとは異なって、これはかなり彼の拘りの世界。つまりイスラエルの臭いのするジャズ、民族色のあるコンテンポラリーなもので、彼の活躍の舞台であるアメリカン・ジャズそのものとは別物と言って良い。従ってそれだけ異色のメロディー、リズムが交錯しくると、私にとってお気に入りになると言うより、興味を持つと言う点においての注目もの。しかし彼のベースはしっかり楽しめるところは、ファンにとっては貴重なんでしょうね。この盤は録音も良く、ベースの音が厚く低音が充実していて良好~これも魅力。

(クレジット)
Avishai Cohen: Bass, Vocals. (Piano on 'Dreaming' and 'Tres Hermanicas Eran').
Shai Maestro: Piano.
Itamar Doari: Percussion, Vocals on 'Two Roses'
Karen Malka: Vocals.
Amos Hoffman: Oud and Electric Guitar.
Jenny Nilsson: Vocals on 'About a Tree'.
Jimmy Greene: Soprano and Tenor Saxophone.
Lars Nilsson: Flugelhorn.
Bjorn Samuelsson: Trombone.
Bjorn Bholin: English Horn.


Ak2Recorded, mixed and mastered by Lars Nilsson at Nilento Studios, Goteburg, Sweden in September and October 2010.

All songs written and composed by Avishai Cohen, except 2.9. and 10. (下記Tracklist参照)
All songs Arranged by Avishai Cohen except 1. and 3. by Avishai Cohen and Itamar Doari/ Horns arrangements on 6. by Shai Maestro.

 上のクレジットを見ても解るように多くの楽器、そしてアヴィシャイ自身とその他のヴォーカルも入る。特にあの中東の楽器ウード(日本の琵琶みたいな撥弦楽器)も入っての聴き慣れないアンサンブルを展開する。収録されている曲は彼自身の7曲を中心に、全て彼のアレンジで演奏されている。
 

Tracklist
1. Dreaming
2. About a Tree (oyfn weg shteyt a boym)
3. Seven Seas
4. Halah
5. Staav
6. Ani Aff
7. Worksong
8. Hayo Hayta
9. Two Roses (shnei shoshanim)
10. Tres Hermanic Eran

 第一曲目の” Dreaming”がピアノ・トリオ風の演奏で取っ付きやすく、なかなか旋律も魅力的、バックに女性のスキャト風なヴォーカルが入るが、途中のリズムはラテンもの風なところも入って面白い。
 続いての ” About a Tree”も自然に聴けるピアノによる親しみやすいメロディーが流れ、その後からアヴィシャイのヴォーカルが入りつつ、ベースがしっかりとそれを受け継いで旋律を奏でて、そうそうこれはベーシストのアルバムであるのだと自覚させる。このように全体を通してもイスラエルの若きシャイ・マエストロのピアノがメロディを聴かせる良い役割を果たしていて、無くてはならない世界を構築している。そして少なくともこの二人の描くところがイスラエル節なんでしょうね。
 アルバム・タイトル曲” Seven Seas”は、やはり奇妙なリズムが軽快に展開し、後半のピアノ・プレイはアメリカン・ジャズの臭いも出てくる。なるほどこのあたりが彼らの独特のジャズなんだろうなぁ~~。
 ” Halah”ではウードの音色がしっかり聴かれ、如何にも中東世界を頭に描かせてくれる。なかなかこの曲魅力あります。 
 そして” Ani Aff”となると、いやはや馴染みの無い旋律、リズムが展開してちょっとついて行くに大変。
 ”Hayo Hayta”は曲名の意味は解らないが、哀愁感を醸しだし中東社会を頭に描かせる。落ち着いた良い曲。

 とにかく、ちょっと聴いてみるには異色の世界で、ご馳走の味直しには最適なアルバムだ。しかしこれがインターナショナルにジャズ・ファンに広く受け入れられて行くとはちょっと考えにくい。まああのトリオ・アルバムぐらいが私にとっても良いところといった感じだった。

(参考)"Avishai Cohen Trio" http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/avishai-cohen-t.html

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=2p6nlhe9jy8

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2013年8月26日 (月)

アヴィシャイ・コーエン・トリオAvishai Cohen Trio:「覚醒 Gently Disturbed」

独特なリズムが襲ってくるコンテンポラリー・ジャズ

 ジャズ・ベーシストであり、トリオもの等で素晴らしいアルバムを作成しているスウェーデンのラーシュ・ダニエルソンは私が一押しのベーシストであり、ちょっと友人に紹介したら喜んでくれて、そのお返しが来た。それがこのアヴィシャイ・コーエン。なるほど、ここにも異色(”簡単には語れない”の意味)のベーシスト作品があるのだなぁ~~と、感心しながら聴いているところ(感謝)。久々にジャズ・トリオを取り上げる。

<Jazz> Avishai Cohen Trio 「Gently Disturbed 」
            Sunnyside    4607 ,  2008

Gently_disturbed
 アヴィシャイ・コーエンAvishai Cohenはイスラエル出身のベーシスト、このトリオのピアニストShai Maestroも21歳のイスラエル人である。さてこのジャズ・アルバム とにかく不思議なリズムと意外に優しいメロディーが漂うのである。
 コーエンはイスラエルで幼少の頃からピアノを弾き、14歳にアメリカ・セントルイスへ父親の仕事の関係で移住。そこでジャズを知り15歳からベースを奏するようになる。その後イスラエルに帰るも、ジャス音楽の道に志しを持って、十代にして今度は単身アメリカ・ニューヨークに渡ったという経歴。そして彼の活動の場は地下鉄、公園など所謂ストリート・ミュージシャンとしての人間最低限の生活から這い上がってきたという。
 ジャズ・クラブに出ることが出来るようになって(1993年)、チック・コリアに認められたことが彼の開花の発端だったらしい。その後2003年まではチック・コリアと活動を共にしている。

560858Avishai Cohen - Bass
Mark Guiliana -  Drums
Shai Maestro -   Piano

Avishai Cohen uses Aguilar Amplifiers.
Mark Guiliana uses Sabian Cymbals and Vic Firth Drumsticks.

Nilento Studios AB. Algvagen 1 428 34
Kallered. Gothenburg. Sweden
www.nilento.se


演奏曲は、以下の通りtraditionalが2曲(*印)入って、他はコーエン中心ののオリジナル。
  1 Seattle
  2 Chutzpan
  3 Baiom Velo Balyla *
  4 Pinzin Kinzin
  5 Puncha  Puncha *
  6 Eleven Wives
  7 Gently Disturbed
  8 Ever Evolving Etude
  9  Variations in G Minor
10 Umray
11 Structure In Emotion
  ~All compositions written and arranged by Avishai Cohen GADU MUSIC/BMI
  ~Tracks 4 and 6 Co-written with Shai Maestro and Mark Guiliana (HEERNT Music/BMI)


 このアルバムは・アヴィシャイ・コーエンにとっては9作目とのこと。かっては中近東色を打ち出しての作品作りをしていたようだが、ここに来てトリオ・アルバム制作に着手。アルバムの醸し出す雰囲気がイスラエルであると言うことではないと思うが一種独特な世界がある。彼は全曲ウッドベースを使用していて、そして前面に出ると言うことでなく、トリオとしてのバランスは保ちつつ、どちらかと言うとオーソドックスなベースを聴かせる。と言っても、やはりあまり聴くことのない変拍子手法が出現する。このあたりは特徴と言えばそうなるところ。
 曲ではイスラエルのトラディッショナルという”Baiom Velo Balyra”、”Punca Punca”の2曲も登場するが、ピアノが美しい世界を展開してゆく中で、それにに続いてベースのサウンドもリズムを刻みつつその上になんとなく哀愁感があるメロディを奏していて気に入ってしまった。
 ピアノのシャイ・マエストロShai Maestroはなかなか良い役をこなしており、結構クラシックっぽいところにある(特に”Variation in G Minor”など)のが特徴。彼は1987年生まれで新鋭そのもの。テルアビブ郊外のギバタイムというところにあるテルマ・イェリン国立芸術高等学校でジャズ、クラシックを学んだという。いずれにしてもなかなかの注目株。
 このアルバムにみるコーエンの曲は、多分イスラエルということとは関係なしに彼の築いた世界なのであろうが、何か不思議なリズムを持っていて、そしてトリオで次第に盛り上げていく手法がなかなか魅力的。特に”Eleven Wives”はアメリカン・ジャズとの違いを十二分に感ずるのだが・・・・どちらかというとヨーロッパ的な方向だ。これが彼のコンテンポラリー・ジャズなのであろう。

(試聴)

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