ピアノ・トリオ

2019年2月 5日 (火)

アレッサンドロ・ガラティのニュー・アルバム Alessandro Galati 「Live from The Inside Out」

トリオはやっぱりライブが楽しい!!

<Jazz>

Alessandro Galati 「Live from The Inside Out」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1077 / 2019


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ALESSANDRO GALATI(PIANO)
GABRIELE EVANGELISTA(BASS)
STEFANO ATKINSON(DRUMS)

Recorded in 2015-2018 in The Cities of Pisa, Prato, Roma, Bolzano, Palermo.

 このブログを見ると解ると思いますが、私はとにもかくにもアレッサンドロ・ガラティのファンである(ここでは12回目の登場だ)。それはアルバム『TRACTION AVANT』(VVJ007/1994)の感動以来なんですね。
 今回、こうして前回に続いて彼のニュー・アルバムの感想を書くということは、何とも幸せ感いっぱいで有るのだ。寺島靖国の努力から生まれたのでしょうが、今回「ソロ版(『Augustine』(TYR-1078))」とこの「トリオ・ライブ版」が同時にリリースされるという快挙があったのです。

 そしてここでは、この2枚組のトリオ・ライブ版のほうに注目してみる事にした。”アレサンドロ・ガラティ・トリオ”というのはこのところ不変のメンバーで(上記)、これもお互いの関係が上手くいっていると言うことなんでしょうね。ピアノ・トリオといってもベース、ドラムスの活動もしっかりしていてはじめて楽しめるのでありますからね。

A_g_2(Tracklist)
Disc 1
1. L'incontro
2. Sorry I've Lost Your Number
3. Nina
4. Seals
5. How Deep Is The Ocean

Disc 2
1. Casi Abstemia
2. Trampin’
3. Taylor Without Scissors
4. Cherokee



<Disc-1>
 M1-1. "L'incontro"は、アルバム『On A Sunny Day』からの曲だが、うーん寺島靖国はこれから攻めてきたかと、やはり優しく美しく美旋律を大切にしてのライブ・アルバムであることを窺い知れる。
  M1-2"Sorry I've Lost Your Number"も美しい。そしてさらにスリリングな展開が圧巻でそれが美旋律との対比が聴きどころ。3者それぞれが演奏しがいのある曲だろうと思うのだ。聴く方も納得モノ。強弱・遅速の織り交ぜが素晴らしい。ガラティ様々の11分越えの長曲。これを聴いただけでもこのアルバムを買った価値は十分。
 やっぱりM1-4. "Seals"が登場します。この曲があってガラティといったところですので9分とじっくり展開ですね。
 そしてM1-5." How Deep Is The Ocean"が凄い。このスタンダードがこうなるんですね、まさにトリオ作品、3者の美学とパワーが炸裂、これぞライブの醍醐味だ。あっと言う間の11分12秒。

<Disc-2>
 M2-1. "Casi Abstemia" では、ガラティのピアノが美しい旋律を奏でるが、ライブらしく9分以上の曲となっている。アルバム『SEALS』では約5分の曲であった。ここではベースも旋律を奏でたり、ドラムスのスティックの音が印象的で、このあたりはライブの魅力である。
 ガラティの美旋律だけでない面の M2-2. "Trampin’"を登場させてアルバムにアクセントを上手く付けている。この曲では美旋律というよりは3者のインタープレイが楽しめる13分になろうとする長曲。スタジオ盤と違ってドラムスのソロも聴き所となっているし、そこに入っていくピアノも頼もしい。やっぱりライブは良いですね。
 最後はスタンダードのM2-4. "Cherokee"で仕上げですね。ドラムスの奮戦とベースの主張、ピアノの盛り上がりと語り、3者の鬩ぎ合いが楽しめる。

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 今回は、ソロとトリオ・ライブの2タイトルでのリリースで、2019年の幕開けをしっかり楽しませていただいたのだが、やはりソロの美旋律も良いのだが、このトリオ・ライブ盤に私は軍配を挙げる。もともと両者の狙いは違うのだから比較というのもおかしいところだが、やっぱりジャズはトリオが良いですね、しかもライブが。録音もしっかりしている。・・・・今年のベスト・アルバム間違いなし。

(評価)

□ 演奏・曲 : ★★★★★
□ 録音   : ★★★★★

(視聴) "CHEROKEE"

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2019年1月12日 (土)

リン・エリエイル Lynne Arriale Trio 「GIVE US THESE DAYS」

硬派で爽快なプレイの女流ピアニスト作品

<Jazz>
Lynne Arriale Trio 「GIVE US THESE DAYS」
ChallengeRecords / AUSTRIA / CR73453 / 2018

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Lynne Arriale (piano)
Jasper Somsen (bass except 9)
Jasper van Hulten (drums except 9)
Kate McGarry (vocal on 9)
Recorded Decem, 18-19, 2017 at MotorMusic Studioa, Belgium

39051739w 米国ベテラン女性ピアニストのリン・エリエイルLynne Arrialeとオランダ出身のイェスパー・サムセン(b)とイェスパー・ファン・フルテン(ds)の二人と組んだトリオ作品(→)。ベルギーでの録音だ。

  リンは、知る人ぞ知るピアニストだが、長い経歴の中で幾つかの作品がある。しかし実は私は全く知らないということではないが、ちょっと片聴き程度のところだった。と言うとお解りでしょうが、所謂ユーロ系の叙情派とは全く異なって、むしろ今となればアメリカン・ジャズの古典的流れにある”現代ハード・パップ・ピアノの王道をゆく正統派”と表現されるタイプなのだ。しかし彼女の活動の広さを物語るように、今回のこのアルバムはユーロ製作である。

 しかし、彼女の演ずる曲(以前のアルバム『With Words Unspoken』(Digital Music Products/518/2016)に登場する"Where Or When")が、昨年末の寺島靖国の『For Jazz Audio Fans Only Vol.11』に登場して、おやっと、ちょっと関心を抱いたと言う事と、フォーク、ソウル、ジャズに通ずる女性シンガーのケイト・マクギャリーの名もスペシャル・ゲストとして見えた為、ここらで一度はしっかり彼女のアルバムも通して聴いておこうと、この最近作を手に入れた次第。

 彼女は1957年ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ、ピアニスト&作曲家として国際的に演奏活動を行うほか、ノースフロリダ大学でジャズを教え、各国でもワークショップなどを開催。又様々なコンクールで審査委員を務めるという既にもはや重鎮。


Lynne72145ew(Tracklist)
1. Woodstock
2. Appassionata
3. Finding Home
4. Give us These Days
5. Slightly Off-center
6. Another Sky
7. Let it be
8. Over and Out
9. Take it with Me


 これは本流のピアノ・トリオである。そして女流ピアニストということは感じさせない歯切れのよいメリハリのあるピアノ・タッチが特徴といってよいだろう。基本的にはスウィングする流れからの発展形。
 それはジョニ・ミッチェルの曲M1. "Woodstock"の冒頭から見事に展開する。しかもこの曲では、進行するにつれ昂揚のある流れから次第に徐々に盛り上がって、遂に見事なる華を全開する硬派の爽快にして豪快なプレイに驚かされる。
  一方M4. "Give us These Days"のアルバム・タイトル曲では、その心に染み入る抒情的な美しさを演じてくれる。この彼女のオリジナル曲を、アルバムタイトルに持ってきたと云ところからも、彼女はこのようなちょっと物思いにふけるロマンティックな線も大切にしていることと推測できる。
 
M7. "Let it be"は、お馴染みビートルズの曲だが、変にしつこさが無く意外にサラっとしていて原曲も生かしての編曲部もなかなか聴きごたえある。
 
M9. "Take it with Me"は、トリオものでなく、しっとりと聴かせるシンガーKate McGarry が登場する。ピアノとヴォーカルのデュオ作品だ。曲はトム・ウェイツのもので、これが私のもう一つの目当てであったもの。そのムードは抱擁感に包まれて味わい深く良いですね。実はもう一曲ぐらい聴きたいといったところ。

 結論的には、ジャズの先生の基本をクリアした充実作品として聴いた。

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(視聴) "Give Us These Days"

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2019年1月 5日 (土)

エミール・ブランドックヴィスト・トリオEMIL BRANDQVIST TRIO 「WITHIN A DREAM」

全編通して・・・美しき詩的な叙情に包まれて

<Jazz, Contemporary Jazz>
EMIL BRANDQVIST TRIO 「WITHIN A DREAM」
Skip Records / Jermany / SKP9141-2 / 2018

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Emil Brandqvist : drums, percussie, klokkenspel, synthesizer
Tuomas Turunen : piano, celesta
Max Thornberg : contrabas. Gast

Martin Brandqvist : fluit, klarinet, basklarinet, percussie

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 スウェーデン、イエテボリ出身のドラマーであるエミール・ブランドックヴィストEmil Brandqvist の結成したピアノ・トリオのアルバム。とにかく美しさと懐古的心情の美、抒情性などの語り尽くせない美しいアルバム。ドイツからのリリースである。
 その手法はジャズといってもクラシックに近いピアノ・プレイを主軸に、ドラマーのリーダー・アルバムとは思えない美旋律Contemporary Jazzだ。これには勿論ピアニストのTuomas Turunen の力も大きいと推測する。

List
Recorded and mixed at S.Grammofonstudion,Gothenburg,Sweden,Noveber 1-5 and December 2017 by Åke Linton

All Songs written by Emil Brandqvist - exept M4(Tuomas Turunen ) and M12(Tuomas Turunen and Max Thornberg  )

 

 14曲全曲オリジナル、10曲はリーダーのEmil Brandqvist により、残る2曲がTuomas Turunen と Max Thornberg によるもの。

 M1、M3 とクラシカルな響きの美しいTuomas Turunen のピアノの調べで、どこか懐かしさを思い起こさせるムードに包まれる。
 M5 田園の水の流れを描いたと想わせ、終わりの盛り上がりが面白い。
 M6."Dream"夢心地の美しさ。
  M7."星空の下で"と言うところか、静かな北欧の散りばめられた星空の下に美しい情景が浮かぶ演奏。
 M8. いかにも抒情的、哀愁の淋しさ
 M10, M11 ここでもピアノのメロディーを支えるが如くのベース、ドラムス。それは究極の美しさだ。

 ここまで、リーダーがドラマーで「詩的」「美」「牧歌的な静」「哀愁」「懐かしさ」を描くトリオ作品は珍しいのではないだろうか、しかもアルバム全編を貫いている。まさに希有なアルバムだ。
 ここまでの徹底ぶりに、驚きと感動で聴き入ってしまったアルバム。

(Emil Brandqvist : Diacography)
2013: Breathe Out
2015: Seascapes
2016: Falling Crystals
2018: Within a Dream

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★★☆

(視聴)

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2019年1月 1日 (火)

謹賀新年 2019  ウォルター・ラング Walter Lang Trio 「Translucent Red」

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明けましておめでとうごさいます

今年もよろしくお願いします

             平成31年 元旦

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           ◇          ◇          ◇

日本レーベルのリリースも板について・・・日本人好み盤だ

<Jazz>

Walter Lang Trio 「Translucent Red」
Atelier Sawano / JPN / AS164 / 2018

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Walter Lang (piano)
Thomas Markusson (bass)
Sebastian Merk (drums)

 前作に続いて、Atelier Sawanoからのドイツのウォルター・ラングのピアノ・トリオ・ニュー・アルバムの登場。しかしアルバム・ジャケが凄い赤ですね。これを見ると情熱的な激しい内容のアルバムかとしり込みをしていました。そもそもウォルター・ラングは二つの顔を持っていてリリカルなサウンドを持ち味とするこのメンバーのピアノ・トリオと、一方Trio ELFのようなテクノ・サウンドによる世界とがある。
 しかし私好みはこちらのメンバーのトリオであるが、Atelier Sawanoからの前作『Full Circle』(AS-151/2016)は、なんとなく若干不満足であったため、今作の”赤ジャケ”をみると、更に若干尻込みして居たのです。しかしブログ友爵士さんから私のようなタイプは”これを聴かなきゃダメよ”と言う意味と思うが、お薦めが有って聴くに言ったと言う話。
 
  しかしラングは日本との関係に積極的ですね。今や、CD販売流通も世界的には冬の時代。日本はそれでもまだまだ世界から見るとCD派もいて、ミュージシャンにとっては有り難い国であるのかも知れない。さらに曲1曲を聴くというのでなく、アルバム通して聴きたいというところにもあるのかもしれない。

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(Tracklist)
1. Nancy (with the Laughing Face)
2. Afterglow
3. I Wonder
4. Translucent Red
5. La Musa
6. Precious Love
7. Soon
8. I Loves You, Porgy
9. Still Gone
10. They Didn’t Believe Me
11. Any Old Days
12. Sevilla
13. Dawn Song

 M1. "Nancy" これは女の子の名前だろうか、冒頭から優しいピアノの響きが伝わってくる。優しく女の子を見守る姿だろうか。タイトルを見ずに聴いていると、決して夜のムードでなくむしろ新年の静かな朝に通ずる雰囲気。
 M2. "Afterglow" 残照だ。更に優しいピアノの調べからスタート、ベース、シンバルも同様に優しさの溢れた響き。
 M4. "Translucent Red" ”透き通った半透明の赤”ということだろうか、アルバム・タイトル曲だが、その意味すねところは解らないが、これが又メロディーも優しくノスタルジックな抒情性豊かで聴き惚れる。
 M6. "Precious Love" 尊い貴重な愛、こうした曲を聴くと人間の世界が美しく見えてくる。
 M7. "Soon"そしてM9. "Still Gone"、M11." Any Old Days"と、郷愁をさそう。
 M10They Didn’t Believe Me、M12." Sevilla"は珍しく優しさの軽快な曲
 最後はM13. "Dawn Song"夜明け、未来への展望で納めるところがニクイところ。

 いやはや全編通して「優しさ」「懐かしさ」「優美」「叙情」「希望」「愛」など溢れた曲群で一貫している。彼が日本をイメージしているのかその点は解らないが、レーベルAtelier Sawanoの面目躍如たるアルバム作りとなっている。更に技術陣としてイタリアのステファノ・アメリオを起用し、レコーディングから音質まで素晴らしくあのECMアルバムを連想する世界に至っている。
 意外にこのアルバムを評しているブログは少なく、ここに新年早々に是非とも聴いて頂きたいアルバムとして取りあげた。

(参考)ウォルター・ラングWalter Lang
1961年ドイツ・シュヴェービッシュ・グミュント 生まれ。 アコーデオンとピアノを演奏する父と祖父のもとで育った。ボストンのバークリー音楽院とアムステルダム芸術大学でピアノと作曲を学んでいる。トリオは世界中をツアーしており、なんと言っても特に日本のジャズファンから愛されていて、親日家。このところ澤野工房からアルバムをリリース。

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★★☆

(試聴)

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2018年12月25日 (火)

クラウディオ・フィリッピーニ Claudio Filippini Trio 「THE ENCHANTED GARDEN」 & 「BEFORE THE WIND」

ピアノの美しさにコンテンポラリーな味付けのトリオ

<Jazz>

Claudio Filippini Trio 「THE ENCHANTED GARDEN」
CAM Jazz / ITA / CAMJ7839 / 2011


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Claudio Filippini (p,key)
Luca Bulgarelli (b)
Marcello Di Leonardo (ds)


  寺島靖国が『For Jazz Audio Fans Only Voll.11』(TYR-1074/2018)で取りあげた曲"Django"の納まっているアルバムである。当然これは聴いておかねばと注目したもの。
 あのエンリコ・ピエラヌンツィが、ライナーノーツを担当し、その才能を褒めたたえるイタリアのピアニスト、クラウディオ・フィリッピーニClaudio Filippini(1982年ペスカーラ生まれ) の2011年のリリースもの。当時30歳前後の新進気鋭の作品だった。これは日本でも評価が高くそれなりに売れたアルバムだったようだが、私は未聴だったもの。

(Tracklist)
List

Cf なるほど、ピエラヌンツィが目をつけるだけあって、まずはピアノの音が瑞々しく透明感のあるところで、M1."Il Fiore Purpureo"はそのピアノ・ソロからスタートして、シンバル音、ベースと入ってくるところがこれはなかなかと魅力を感じさせる。次第にペースを上げてジャズの世界に突入するも騒がしさが無い中にしっかりと主張はしている。
 M2."Verso Sera"は、所謂スウィング・ジャズとは一線を画して、フリー・ジャズに近い世界を展開。しかしそこにはふとピアノがクラシックを思わせる中に、シンバルの繊細な響き、ベースは曲の支柱になって支えるの音が十分対等に交錯して違和感の無いジャズにしてみせる。これが又録音エンジニアはStefano Amerioとくるから、なかなか快感の音であるのだ。
 寺島靖国はこのアルバムの最後の曲ジョン・ルイスのM13."Django"を選曲したのだが、これが静かにメロディアスな優しいピアノ、そしてベース、ブラシ・ドラムスの音がゆったりと繊細に響き、なんとも言えない魅惑の快感の世界に包まれる。ユーロの世界、イタリアの世界と華々しいアメリカン・ジャズとは別の感覚を楽しませてくれる。
 ミッシェル・ルグランの曲M8."You Must Belieave in Sprig"のピアノの美しさには惚れ惚れする。

  このアルバムは13曲盛り込まれているが、彼らのオリジナルが多く、曲によっては三者の責め合いもあって、単なる抒情性の世界では無く、既成の世界から一歩出て行くフリー・ジャズの色も見せてコンテンポラリーなところは将来楽しみなところである。

(評価)
□曲・演奏 : ★★★★☆
□録音   : ★★★★★☆

                              - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

(参考)

 Claudio Flippini Trio 『BEFORE THE WIND』 
                    (Cam
Jazz/CAMJ 7936-2/2018)

 彼らのトリオは不変で、今年はこのニュー・アルバムをリリースしている。このアルバムもついでにと手に入れてみたが、ここでもクラウディオ・フィリッピーニのややクラシックがかった美しいピアノが展開し、決して難解にならないコンテンポラリーさもやはり持っていて、結構快感で楽しめるところにある。なんとエレクトリック・サウンドも交えるという一幕もある。又ベースのLuca Bulgarelliは、ソロ演奏で聴かしたり、アルコ奏法を交えてうやはり美しいバックを構築するところもある。これもAmerioの録音で、サウンドにうるさい人には是非聴いて欲しい魅力的トリオ・バランスを構築している。

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1. Maia (4:41)
2. Andromeda (5:50)
3. Don’t Elevarsi (6:19)
4. Bassever (1:09)
5. Forever (5:36)
6. Goa (6:21)
7. Mentre Dormi (4:59)
8. Haze (6:14)
9. Encore (4:06)

All music by Claudio Filippini except tracks #4 Luca Bulgarelli;
#6 Claudio Filippini, Luca Bulgarelli, Marcello Di Leonardo

Claudio Filippini(p, keys),
Luca Bulgarelli(b),
Marcello Di Leonardo(ds)

Recorded in Decem.2017 at ARTESUONO RECORDING STUDIO
Recording & Mixing engineer Stefano Amerio

(視聴)

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2018年12月21日 (金)

寺島靖国プレゼンツ 第18巻 「Jazz Bar 2018」

18年目を迎えたシリーズは、やっぱり欧州ムード美旋律曲集

<Jazz>
Yasukuni Terashima Presents 「Jazz Bar 2018」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1075 / 2018

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 このシリーズは、なんとなく毎年手に入れて一年を回顧する習慣になっているもの。そんなところから今年の18巻目は多分寺島レコードからリリースされたAlessndro Galati などを筆頭に、選曲はおそらくこんなところだろうと数曲予想していたのだが、なかなか一筋縄では行かない寺島靖国、完全に予想を翻されて、なんと私の購入アルバムはゼロ。それは予想に反してかなり古いモノを掘り起こしているためだ。そんなわけだか、皮肉にも極めて意外にフレッシュな感覚で聴く事の出来たコンピ・アルバムとなった。ただ予想したるところは、ユーロ系が多いというところにあって、これは私の期待に添っていたことになる。

(Tracklist)
1. SAD TO SAY [Vladimir Shafranov]
2. PIENSA EN MI [Marco Mezquida]
3. MISSION [Varga Gabor Jazz Trio]
4. GIORGIA MOOD [Giorgio Azzolini]
5. FENESTA CHE LUCIVI E MO NON LUCI [Alessandro D'Episcopo]
6. OLD FOLKS AT HOME [Moncef Genoud Trio]
7. MY LAMENT [Martin Terens Trio]
8. JUSTE AVANT [Jean-Pierre Mas]
9. LA CHANSON DES VIEUX AMANTS [Charles Loos Trio]
10. HIDDEN MESSAGE [Laszlo Gardony]
11. MARCIA FUNEBRE [John Taylor]
12. DUST IN THE WIND [Philippe Lemm Trio ]
13. TRES PALABRAS [Abe Rabade]

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*
  さて上の選曲をみても、意外にも売れ筋ではマイナーと言って良い布陣です。そこが味噌と言えば味噌なのだが、私にとってウ~ンそんなところもあるのかと、ニヤっとして紹介された曲の気にいったアルバムを押さえたくなるんですね。しかし今回少々調べてみると結構古いモノが多く、ここまで来るとちょっと寺島靖国もこのところは苦労しているのだなぁと想像もしてみるんです。そんなに無理しないで今年の人気モノも載せておけば良いのにと若干同情もしてしまう。
 それもそう近年は『For Jazz Audio Fans Only』、『For Jazz Vocal Fans Only』、『For Jazz Drums Fans Only』と、立て続けにコンピ・アルバム・シリーズをリリースしているわけで、どうも若干ネタ切れかと想像もしてしまう。

 それもなんと、M3. "MISSION" [Varga Gabor Jazz Trio]は、このシリーズの7年前の「2011年版」の2曲目にも同じモノが登場しているんです。これはやっぱりまずいでしょう。それでも許さなければいけないのかとなると、このアルバム結構値段もお高いので、その分まけて頂戴と言いいたくもなった次第。周りのスタッフも気がつかなきゃいかんでしょう。でも許しましょう、得るモノも大きいので・・・・。

M1. "SAD TO SAY" [Vladimir Shafranov]  は、ジャズという感覚無しで聴ける美旋律。(アルバム上左)
M5."FENESTA CHE LUCIVI E MO NON LUCI"は、まさにイタリアの歌心で心にしみ込んでくる。(アルバム上左から二番目)
MartinterensM7."MY LAMENT"これはちょっと注目もの。ドイツのMartin Terens Trio(→)、どこかアグレッシブな世界を求めている演奏で興味を持つ。録音がシリアスで、ドラムスのブラッシ奏法が効果的(アルバム上左から三番目)
M9."LA CHANSON DES VIEUX AMANTS"なんとなく泣かせる曲。余韻の捕り方がなかなか上手い演奏。(アルバム上右)
M10."HIDDEN MESSAGE"哀愁曲のまあ及第点モノ。

 選曲されたものに関しては、先日リリースの『For Jazz Audio Fans Only Vol.11』と刺激性はかなり低い。まあ優しいというムードといってよいのかとも思う。このシリーズはどちらかというとロマンチックな面や抒情性を重んじての選曲として、我々も受け入れてきたのであるから当然なのかもしれない。そんな世界に作り上げられているアルバムだ。そこが魅力の一つであると言っておこう。しかし少々残念なのは、今回は古いアルバムからの選曲が多く、「2018」と銘打っているにしては?・・・・と、疑問も無いわけではない。取り上げた曲の納められたアルバムにせまってみようという意欲は若干過去に比べると低かったことは否めない。

(試聴)

*

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2018年12月13日 (木)

寺島靖国プレゼンツ「For Jazz Audio Fans Only~ Vol.11」

今回もサウンド・演奏に充実感に浸れる

<Jazz>
Yasukuni Terashima Presents
「For Jazz Audio Fans Only~ Vol.11」

TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1074 / 2018

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 オーディオ・ファンに向けたコンピレーション「For Jazz Audio Fans Only」の第11巻が登場した。ジャズを聴くにはまずそのサウンドが良くないと納得しないと言う寺島靖国の選曲シリーズだ。なにしろ「ジャズは音で聴け!」のコンセプトの下に集められたもので、なるほどと思わせるに十分だ。私もその傾向にあるといえば・・・・そうかも知れない。なんと言っても昔の録音の名演奏シリーズも音にがっかりしてしまうことは何度も経験している。そんな中でこのような企画はこれからのCD製作に良い刺激を与えていることは間違いないだろう。
 今回はそう有名で無いミュージシャンものが多いと思うが、それが私にとっては良い発掘の場ともなっていて楽しみなのである。

(Tracklist)
1 OLD CITY (LOUIS PERDOMO)
2 BALLAD FOR L (MARIO NAPPI TRIO)
3 INTERLUDE (FABIAN MEYER TRIO)
4 DJANGO (CLAUDIO FILIPPINI TRIO)
5 ULTIMO GIORNO IN VIA PALAZZI (MICHELE DI TORO TRIO)
6 AUTUMN LEAVES (SWEET BABY J'AI)
7 WHERE OR WHEN (THE LYNNE ARRIALE TRIO)
8 ILTER FABEL (MAKIKO HIRABAYASHI TRIO)
9 WHEN THE DAY IS YOUNG (STEPHAN BECKER TRIO)
10 SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE (SILVES TRIO)
11 LONGING (EMIL BRANDQVIST TRIO)
12 MISS (ALEXI TUOMARILA TRIO)
13 NO REGRETS (SIMON DENIZART TRIO)

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**今回も圧倒的にトリオものが多い。まぁ私のようにビック・バンドを好まない人間にとっては、これ又歓迎である。

  そしてまずの注目株は2曲目の”BALLAD FOR L”のイタリアの若武者マリオ・ナッピ・トリオMARIO NAPPI TRIOだ。これがなかなかのくせ者。アルバム『Triology Vol.2』からの曲が取りあげられた。彼らはなかなか一筋縄では行かないアグレッシブな世界を築く。そしてそれに相応しいトリオ対等の録音位置にありシンバルも冴える。
 次の注目はM4 "DJANGO" (アルバム『THE ENCHANTED GARDEN』上左)のクラウディオ・フィリッピーニ・トリオCLAUDIO FILIPPINI TRIO、イタリアのトリオだ。このトリオを知っただけでも十分このアルバムを手に入れた成果はある。とにかくピアノが素晴らしい上にドラムスはどちらかというと繊細派、ベースは意外にリード派だ。エンリコ・ピエラヌンツィが才能を認知しているトリオである。そう言えば押して知るべしと言った所。
  M6 "AUTUMN LEAVES" ベースとSWEET BABY J'AIのヴォーカルが低音で迫ってくる。
 M9 "WHEN THE DAY IS YOUNG" (STEPHAN BECKER TRIO、アルバム『Solar Energy』上中央)が録音が素晴らしくピアノが冴える。演奏も思索的で素晴らしい。
 M11 "LONGING" (EMIL BRANDQVIST TRIO)あたりは優しく美しくで気持ちが良い。
 M12 "MISS"は、先日ここで取りあげたALEXI TUOMARILA TRIOで、絶妙なピアノ・プレイが聴き応え十分(アルバム『Seven Hills』より、上右)。

 こんな調子で、なかなか今回のこのコンピ・アルバムは充実感があります。まあ年に一回のリリース・ペースで、あまり第一線の注目盤は避けているようで、その為若干古いリリースものもありましたが、私にとっては意外に新鮮で面白かった。
 

(試聴)

① CLAUDIO FILIPPINI TRIO

           *

② STEPHAN BECKER TRIO

                     *

③  ALEXI TOUMARILA TRIO

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2018年12月 9日 (日)

ラーシュ・ヤンソンのニュー・アルバム Lars Jansson Trio 「JUST THIS」

端麗なピアノ・タッチは緩急・メリハリの効いたメロディーに乗って

<Jazz>
Lars Jansson Trio 「JUST THIS」
Spice of Life / JPN / SOLSV41 / 2018

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Lars Jansson ラーシュ・ヤンソン (piano)
Thomas Fonnesbaek トーマス・フォネスベック (bass)
Paul Svanberg ポール・スヴァンベリー (drums)

 スウェーデン抒情派ピアノのベテラン・ラーシュ・ヤンソンLars Jansson (1951年スウェーデンのオーレブロ生まれ)の、レギュラー・トリオによる全曲13曲をオリジナルで構成したアルバムの登場だ。2015年の『Facing The Wall』(SV-0033/2015)以来3年ぶりとなる。
 前回ここで取りあげたのは2年前のセルフ・カヴァー・アルバム『More Human』(SOLSV-00371/2016)だったが、あのアルバムからは、人間性が溢れていたところにどっぷりと浸かることが出来たが、さてこのオリジナル曲集は?と興味の湧くところである。

20170720_210108trw 少し難題にはなるが、タイトルの「Just This」は彼の探求する禅の心「ビギナーズ・マインド “初心”」の見地から生まれたと説明されている。全13曲には全てが彼の人生への深い想いと彼自身の心の反映されたものとして受け入れられているが・・・・。
 更に、このアルバムをレコーデイングする直前に夫人のクリスティーナの重篤な病気という精神的に苦悩する中での作品作りとなったものと言うことで、彼の持ち前の人間性の表現がここにありと言う世界のようだ。

 ”その追い込まれた精神の中で葛藤する彼のピアノは今まで以上に人間味溢れ極めて説得力のある力強いものになっている”と評価されているが・・・・。
 ヤンソンの言うところよると「人生の全てを受け入れるということは簡単なことではない。しかし現在を見つめ完全に自分を没頭させること、Just This。」と・・・・。

(Tracklist)
01. ジャスト・ジス / Just This
02. ピュア・センセイション / Pure Sensation
03. ワルツ・フォー・ビル / Waltz For Bill
04. レシーヴィング / Receiving
05. ボーヒュースレン / Bohuslan
06. ムスタファ / Mustapha
07. インティメイト・トーク / Intimate Talk
08. チェリッシュド / Cherished
09. ターン・ザ・ホール・シング・アップサイド・ダウン / Turn The Whole Thing Upside Down
10. ノー・パーパス / No Purpose
11. セイフ・トリップ / Safe Trip
12. アナッタ/ Anatta
13. トゥー・ハヴ・オア・トゥー・ビー/ To Have Or To Be

(all tracks composed and arranged by Lars Jansson)


Larsjansson01 スタートからアルバム・タイトル曲M01."Just This"が登場するが、なるほどヤンソンの陰影の感じられない家族愛的優しいメロディーが流れる。
 M02."Pure Sensation"やビル・エヴァンスに捧げたと言うM03."Waltz For Bill"は、ややアップ・テンポに展開する曲。しかし意外に印象に残らない、それは難点らしいところが無いのだ。これが実はヤンソンの演ずる曲の一つの特徴であるように思う。
 M04."Receiving"は、彼の技巧の妙による流れの魅力的な曲。
 中盤には、トリオとしての三者の技量の交錯が聴きどろの数曲が展開する。
 M10."No Purpose"M12. "Anatta"は、彼らしい心に落ち着きと安らぎを与えてくれる。
 最後のM13."To Have Or To Be"は、締めくくりに相応しいどこか愛情のあるバラッド。

  相変わらず彼の持ち味どおりで、難解な展開にはならない。やはり「ピアノ・トリオの教科書」的安定感があり、安心して聴いていられるピアノ・トリオ世界だ。そこがヤンソンの特徴だろうと思うが、聴き終わって”これだ!”というインパクトがない。逆にそうしたところが魅力なのかも知れないが、私にとってはどこか”毒”とまでは言わないが、そんな刺激がないところがちょっと寂しいのである。
 

(評価)
□曲・演奏 ★★★★☆
□録音   ★★★★☆

(試聴)

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2018年11月27日 (火)

ジョバンニ・ミラバッシのニュー・アルバム GIOVANNI MIRABASSI TRIO 「SUMMER'S GONE」

ロマンティック・メロディストの世界は抒情的にして流麗な世界

<Jazz>
GIOVANNI MIRABASSI TRIO 「SUMMER'S GONE」
CAMJAZZ / Import / CAMJ 7938-2 / 2018
Summersgone
Giovanni Mirabassi (piano)
Gianluca Renzi (bass except 5,7,10,12)
Lukmil Perez (drums except 5,7,10,12)
Recording & Mixing Engineer : Stefano Amerio
Recorded at Artesuono Recording Studio in Nov. 2016
 イタリア人であるがパリで活躍しているピアニスト:ジョバンニ・ミラバッシGiovanni Mirabassiの久々のトリオ・アルバム(CamJazz第4弾)。前トリオ・アルバムは、ジブリ・アニメの大ファンだと公言し製作したジブリ曲集でもある『Animessiアニメッシ』(2013)であったが、どうも過去のアルバムと比して若干魅力は失せていた。そしてあれから既に4年半を経過してしまったんですね。
 むしろ昨年のCamJazzからのソロ・アルバム『LIVE IN GERMANY』 が私にとっては魅力を感じたところだ。

 今回の中身は全12曲中11曲がミラバッシのオリジナル曲というところが注目点。しかも彼のピアノ・ソロ曲も挿入されている。とにかくミラバッシとくれば2001年の『AVANTI!』(2001)が強力で、全てあのアルバムと比較して聴いてしまうと言う私である。あのようなソロによるものと、このトリオでは若干意味合いは異なっても、やはり彼の独特な抒情派で有りながらどこかコンテンポラリーなところがあり、又緊張感のある硬質な切れ味を加味してのメロデッックに聴かせるところが大きな魅力である。そんな意味でも待ちに待ったトリオ作品だ。
 更にレコーディング・ミキシング・エンジニアがステファノ・アメリオというところも聴きどころである。
42518634trw(Tracklist)
01. Requiem For N. F. (6:04)
02. A Dirty Job (5:02)
03. Le Voyage De Yui (3:52)
04. Quasi Quasi (5:04)
05. Ausencias (solo piano) (Astor Piazzolia)(8:08)
06. La Mélodie Du Désastre (4:32)
07. Impro 1 (solo piano) (1:06)
08. Summer's Gone (6:41)
09. My Corean Heart (4:55)
10. Impro 2 (solo piano) (0:51)
11. Nana Nana Nana (777) (5:45)
12. Valentina (solo piano) (3:01)


 考えてみるとこのアルバムは、ミラバッシのオリジナル曲集であることが、久しぶりと言うか珍しい部類に入るので、興味は津々というところであった。冒頭のM1." Requiem For N. F"から透明感のあるピアノの響きが止めなく流れ、ベース、ドラムスが快調に展開する。いっや~ミラバッシ世界が始まったなぁ~と嬉しくなる。
   M3." Le Voyage De Yui"
は、彼独特のコンテンポラリーなフリー・ジャズっぽい演奏もしてみせる。そしてそれが良いアクセントになっている。
 .そして皮肉にもこのアルバムの中では、私の場合彼がソロ・ピアノで演じたM5."Ausencias" (唯一彼のオリジナルでないPiazzoliaのカヴァー曲)が、一番お気に入りの曲になってしまった。つまりそれ程彼のソロで演ずるピアノの音は多彩でリリカルにして美しく、まさに宙を舞うが如くの展開に惚れ惚れとしてしまうのである。
*
Trio

 だからと言って、トリオ演奏が劣るわけで無く素晴らしい。特にアルバム・タイトル曲であるM08." Summer's Gone"が心を引きつける。ここにはロマンティック・メロディストの面目躍如なるミラバッシのピアノの音が澄みわたって美しく響き、しかも詩情をたっぷりと感じるところを演じてくれる。
 そしてアメリオの録音は、ピアノ・トリオとは言え、けっしてベース、ドラムスをないがしろにしない。三者をものの見事に配置する。従ってドラムス、シンバルの音も冴え渡り、ベースも心地よく響き、そんな中で、ミラバッシのピアノが非常に多くの音を多彩に演ずる。ふとピアノ・ソロ演奏かと思わせるところがあるくらいだが、ベース、ドラムスの二者はスパイスと高揚感を持たせてくれる役目は十分に果たしてくれる。

 とにかくミラバッシの抒情的で流麗な演奏は、如何にも独特の世界であって、どの曲を聴いてもその美しさに圧倒される。それはイタリア人の歌心なのか、ピアノで演ずる端麗美と詩情と多彩な音により構築するメロディーには彼以外の何物でも無いと聴けばすぐ解るところにある。
 久々にミラバッシのトリオ盤を手にしてご機嫌なのである。
(評価)
□曲・演奏 : ★★★★★☆ 
□録音   : ★★★★★
(参考視聴) 今回のニュー・アルバム映像はまだ見当たらないので、過去のものを・・
 

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2018年11月 9日 (金)

アレクシ・トゥマリラ・ピアノ・トリオAlexi Tuomarila Trio 「Kingdom」

ブラッド・メルドーお墨付きのピアノ・トリオ

<Jazz>
Alexi Tuomarila  Mats Eilertsen  Olavi Louhivuori
「Kingdom」

EDITION / ADN 1090 / 2017

61dzplxxwul__sl1200w

Alexi Tuomarila (アレクシ・トゥオマリラ, piano)
Mats Eilertsen (マッツ・ アイレットセン, bass)
Olavi Louhivuori (オラヴィ・ロウヒヴオリ, drums)

Recorded on 5th December 2017 at K.K.Studio, Finnland
Produced by Alexi Tuomarila
Executive Producer: Dave Stapleton

15977464_1382560951794505_296827606 このピアノ・トリオは初聴きである。この秋、日本ライブが行われて知るに至った。
 ピアニストアレクシ・トゥオマリアAlexi Tuomarila、1974年-)は、Brad Mehldauが絶賛しているというだけあって、なかなかのピアノ・テクニシャン。又ミュージック・パターンもメルドーに一脈通ずるところもある。
 彼は、フィンランドのジャズピアニストだ。クラシック・ピアノを始め、20歳からブリュッセル王立音楽院へと留学しナタリー・ロリエなどに従事した。在学中に自己名義のアレクシ・トゥオマリア・カルテットを結成し、1999年にベルギーのHoeilaartで開催された国際ジャズ祭で最優秀賞に選ばれているとか(アルバムは、二枚リリースされている。末尾Discograpgy参照)。
 ジャズ界の新生と言えば新生だが、既にその後トリオによるアルバムもリリースし、5枚のアルバムが認められる。又賞の受賞もあって年齢的にも円熟のときを迎えていると思う。

(Tracklist)
1. The Sun Hillock (Alexi Tuomarila)
2. Rytter (Mats Eilertsen)
3. The Girl in a Stetson Hat (Alexi Tuomarila)
4. Vagabond (Alexi Tuomarila)
5. The times they are a-changin’ (Bob Dylan)
6. Shadows (Olavi Louhivuori)
7. Aalto (Alexi Tuomarila)
8. Bruin Bay (Alexi Tuomarila)
9. White Waters (Olavi Louhivuori)


 曲は上記の如く、M5は、Bob Dylanの曲で、ほかの8曲はトリオ・メンバーのオリジナル(リーダーのトゥマリラは5曲)である。
 トゥオマリラのピアノ演奏内容は、コンテンポラリーな面と、一方クラシックに通ずる面との混在で、なかなか面白い。ありきたりのジャズは既に超越していてレベルは高い。
 又ポーランドのベテラン名トランペッター・トマシュ・スタンコTomasz Stankoの下で研鑽を積んでいて、そのせいか演奏も中身は濃い。
 このトリオは、メンバーそれぞれが個性を持って演奏するなかなか一筋ならないトリオであり、しかしそのコミュニケーションは素晴らしくお互いが上手く通じ合ってのことであろう、それぞれの存在が録音も良くベースの弱音やドラムスのシンバルの音も明解に解るが、決して乱れては居ない。そのあたりが敬服してしまうところ。

Matseilertsen_02_2Olavilouhivouri2_2

 M2. "Rytter"の流れは、アイレットセンがアルコ奏法をもみせるなか、三者の流れの統一感と盛り上がりは納得もの。
 ただユーロ独特の抒情性溢れるメロディーが心に浸みるというタイプでなく、それぞれ及び三者一体の技量の濃さが聴く者に迫ってくると言うタイプで、プロ好み。M4."Vagabond"やM8. "Bruin Bay"の後半は少々難解である。こんなところは、今まで一般受けはもう一つといったところのポイントか。
 私は結構M9."White Waters"は、北欧的世界を頭に描くことが出来、又フィロソフィーも感じられて評価は高い。

<Alexi Tuomarila Discography>
▼Alexi Tuomarila Quartet
2001: Voices Of Pohjola (Igloo - IGL 158)
2003: 02 (Finlandia Records, Warner Jazz - 0927-49148-2)

▼Alexi Tuomarila Trio (Mats Eilertsen, Olavi Louhivuori)
2006: Constellation (Jazzaway Records - JARCD 030)
2013:  Seven Hills (Edition Records - EDN1041)
2017:  Kingdom (Edition Records - EDN1090)

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★★☆

(参考視聴)

**

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