ユーロピアン・ジャズ

2018年10月22日 (月)

ロ・ジェイのヴォーカル・アルバム Lo Jay 「Joue O'day」

フランスからのアメリカン・クラシック・ジャズ

<Jazz>

Lo Jay & Serge Moulinier Trio 「Joue O'day」
France / LISM2011 / 2018

1007739189

Lo Jay (voc)
Serge Moulinier (p)
Christophe Jodet (b)
Pascal legrand (ds)

 フランスものとしては珍しいアメリカン・クラシック・ジャズへの想い、アニタ・オデイ(Anita O'Day、1919 - 2006)回顧の女性ヴォーカル・アルバム。唄うはフランスではそれなりの評価を得ているロ・ジェイLaurence Lo Jayだ。しかし私にとっては初物で、このアルバムも今年リリースされているが、元は2012年作品のようで、元をただせば自主製作盤である。彼女はもともと心からアニタ・オデイのことを敬愛しているとのことで、そんなところからの作品。
 バックにはセルジュ・ムニエルのピアノ・トリオがこれ又スウィング感たっぷりにあのよき時代1950年から1960年代を甦らせている。

Phoca_thumb_l_9878reduit

(Tracklist)

970025_10202984451785880_28500024841. Sweet Georgia Brown 
2. Tennessee Waltz 
3. What is this thing called love 
4. Honeysuckle Rose 
5. Love for sale 
6. Skylark 
7. Boogie Blues   
8. I want a grown up man 
9. Just one of those things 
10. Angel eyes 
11. Tea for two 
12. Anita's 1940's Medley 

 フランス版であり自主製作盤ということで、あの自国気質の強い国なので、フランス語によるものかと思いきや、ロ・ジェイはヴォーカルは英語で唄われている。まあアニタ・オデイに捧げた作品なのであるからそれも当然のことであろう。もちろん世界を相手にするには英語というのは当然だ。

 比較的癖の無い素直なヴォーカルと演奏である。
 M2. "Tennessee Waltz"を聴いても、特別な編曲のもなく一般受けの仕上げ。
  M4. "Honeysuckle Rose"ベースをバックに語るように唄い、感じは良い。後半スウィング感をたっぷり聴かせる。
 M6. "Skylark"かなり優しい歌い込みで好感。
 M10. "Angel eyes" これが一番のお勧め曲。SEが入り、ベースがアルコで重厚に響き、ここで彼女の技量を示すゆったりとした歌い込みが見事。そしておもむろに演じられるピアノが美しい。後半でもやはりベースのバックが抒情的で良いし、ピアノとの交わりもよく、更に彼女のヴォーカルも頂点に。まさにこれ1曲で納得するアルバムである。

 まあ、あまり本気で聴き込もうと思わずに軽く聴くのが良いアルバムである。

(評価)
□ 演奏・ヴォーカル : ★★★★☆
□ 録音        : ★★★★☆

(My Image Photo)  「秋の赤」

Dsc_4453trw
NIKON D800, TAMRON SP90mm F2.8 Di Macro VC USD, PL


(視聴) 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 3日 (水)

マルチン・ボシレフスキMarcin Wasilewski Trio 「Live」

抒情派の真髄と、圧巻の迫真プレイで迫る熱演が聴ける

<Jazz>
Marcin Wasilewski Trio 「Live」
ECM / Germ / ECM 2592 6738486 / 2018

71hfp8sjel__slw

Marcin Wasilewski (piano)
Sławomir Kurkiewicz (double bass)
Michał Miśkiewicz (drums)

 Recorded Aug. 2016 at Jazz Middelheim, Antwerp

Marcinsolo_imgwjpg ポーランドの人気ピアニスト:マルチン・ボシレフスキMarcin Wasilewski (1975年ポーランドのスワヴノ生まれ)の、今回もレギュラー・トリオによる、2016年8月ベルギーのジャズ祭でのライヴ収録盤。もともとシンプル・アコースティック・トリオ(私は1995年アルバム『Komeda』(その後『Lullaby for Rosemary』に変わる)以来ファンである)で注目され、その後も不動のメンバーで、自己名義トリオに名を変えての活動が続いている。
 哀愁の抒情派ピアノを演じ、一方ではかなりの躍動的な展開をみせるこのトリオは、取り敢えずは注目株で、ニュー・アルバムは何時も待望しているところだ。

Marcinwasilewskitriow

(Tracklist)
1. Spark Of Life / Sudovian Dance [Live]
2. Message In A Bottle (Sting)[Live]
3. Three Reflections [Live]
4. Night Train To You [Live]
5. Austin [Live]
6. Actual Proof (Sting)[Live]

Sparkoflife さて、このアルバムのM2、M6以外は、Marcin Wasilewski のオリジナル曲だが、2014年のアルバム『Spark Of Life』ECM/ECM2400/2014)(→)でお目見えした曲M1、M3、M5が演奏されている。ただ2016年のライブ録音で有り、当初のアルバムにみるスタジオ録音盤との違いというか発展形というか、そのあたりが興味の持たれるところである。
 M1."Spark Of Life "、"M5." Austin "は、スタジオ・アルバム同様抒情的にしてメロディーも優しく心に染み込んでくる。これぞマルチン・ボシレフスキと言いたくなるところだ。

Faithful しかし思うに今回の目玉はM4. "Night Train To You"の圧巻のプレイだ。この曲は2011年のアルバム『Faithful』 (ECM/ECM2208/2011)(→)に登場した曲だ。成る程これがライブの醍醐味でもある。 とにかくこの14分に及ぼうとする迫真のプレイは凄い。ボシレフスキ(p)の集中力でアドリブが尽きること無く演じきる熱演に痺れる。しかもそれを支えるリズム隊の挑戦的アプローチによる攻撃的プレイが一層この展開に凄みを加味して迫ってくる。ベースの途切れること無く流れるようなプレイ、ドラムスはかってのスタジオ盤よりは録音の締める位置も高く楽しめる。しかもその3者のプレイに何故か美しさが秘められていて感心するのである。こうゆう演奏をECMがリリースするのは珍しいと思うが、中にちゃんと”Album produced by Manfred Eicher”と記されていて、Eicherご承認の演奏というところにあるとみる。

 ポーランドのジャズに限らずあらゆる分野の音楽レベルの高さは何時も感心するところだが、20歳代でデビューしたこのトリオは確実に発展・進歩しているところが嬉しい。ヨーロッパ耽美系らしい叙情性が満ちたところと、スリリングなトリオ格闘が聴けるこのトリオは貴重だ。
 さてさて次なるスタジオ・ニュー・アルバムに益々期待が持たれるところだ。

(評価)
□ 演奏 ★★★★★☆
□ 録音 ★★★★☆

(My Image Photo)  2018 Autumn

Dsc03492trw2
Sony ILCE-7M3,  Zeiss Vario-Tessar Fe 4/16-35 ZA OSS, PL

(視聴)

| | コメント (7) | トラックバック (2)

2018年9月23日 (日)

ロベルト・オルサーのニュー・アルバム Robert Olzer Trio 「CELESTE」

天空の美はここに!

 「CELESTE(天)より柔らかく注ぐ美音の雫があなたを浄める、典雅にして透明、深遠にして柔和、天才ピアニストが辿りついた至高の世界がここに!」
 ~これはこのアルバムの宣伝文句だ。澤野工房からクラシカルな演奏の抒情派ロベルト・オルサーのニュー・アルバムの登場だ。

<Jazz>
Robert Olzer Trio 「CELESTE」
ATLELIER SAWANO / JPN / AS163 / 2018


Celestew

Roberto Olzer (piano)
Yuri Goloubev (bass)
Mauro Beggio (drums)

Recorded on 28-30th Aug. 2017 at Arteuono Recording Stdios-Cavalicco-Italy
Decorded,mixed & mastered by Stefano Amerio
Roberto Olzer plays FAZIOLI F278 mk III

 イタリアのロベルト・オルサーの久々のトリオ作品。彼は私の注目の期待株。2016年の3rdアルバム『DREAMSVILLE』 以来そんなに間隔が空いているわけでは無いが気持ちは久々である。このところはヴォーカルやトランペットの入ったカルテット作品やソロ・アルバムが続いたためだ。
 今回のアルバム・タイトルは『CELESTE』ということで、なんとこのイタリア語からイタリアの懐かしのプログレッシブ・ロック・グループの”CELESTE”を思い出してしまった。このグループのアルバムがリリースされたのは、オルサーが小児期の話だ。イタリア語で”至高の天空”と言う意味で、その美しく透明感のある音楽が持ち味なのだ。その話とは全く関係ないが、懐かしい”チェレステ”という言葉から回顧してしまったのである。当然このアルバムも狙いは”至高の透明感あふるる典雅な世界”だ。

Ro1(Tracklist)
1 Deliverance*
2 The Old Castle
3 Song 6
4 G-Spot Tornado / Sleep Dirt
5 Parisian Episode VIII*
6 Piece III
7 ... And After*
8 A Simple Song*
9 Celeste
10 Canova*


  オルサー及びメンバーのオリジナル曲が6曲(*印)。その外はMussogsky(M2)、Mompou(M3)の名が出てきたと思うとFrank Zappa(M4)とかWwan Svensson(M6)、Ralph Towner(M9)の名前も出てくる多彩さだが、全体にクラシカルな演奏の美しさ、優しさは一貫している。

 スタートの彼の曲M1 "Deliverance"から、澄んだ美しさのある真摯な気持ちにさせる演奏が飛び込んでくる。”オルサーはこれだから良いのだ”と言いたくなる。
 そして懐かしいメロディーが聴けるムソルグスキーのM2 "The Old Castle"と流れは旨い。
 ちょっと余興っぽいところからスタートするM4 "G-Spot Tornado / Sleep Dirt"、ここではゴロウベフのベースの味も十分堪能できるし、勿論中盤からのピアノの響きの美しさは絶品。なかなか味のある出来だ。繊細なシンバル、ステイックからスタートのM5 "Parisian Episode VIII"はゴロウベフの曲だが、ドラムスのベッジオの如何にも繊細さが滲み出ている。 
 続くM6 "Piece III"は、難しい技巧無しの優しい物語のような曲。
 後半珍しくM8 "A Simple Song"の軽快な曲、そして落ち着いたM9 "Celeste"。最後はオルサーの軽やかなピアノ・プレイのM10 "Canova"で納める。

  やはりロベルト・オルサーはいいですね。今アルバムの私の推薦はM1からM3への流れ。そしてM4のトリオ味だ。録音もStefano Amerioでトリオを納得の配置で描き、それぞれの音はハッとするほどの響きを持つ。

(評価)
□曲・演奏 ★★★★★☆
□録音   ★★★★★

(My Image Photo) 私からも「天空」

Dsc03574trw
Sony ILCE-7M3,  ZEISS Vario-Tessar FE 4/16-35 Za OSS,  PL  


(参考視聴)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 3日 (月)

久々のトリオで・・・トルド・グスタフセンTord GustavsenTrio「The Other Side」

グスタフセンのピアノが待望のトリオで・・・・・

<Jazz>
Tord GustavsenTrio 「The Other Side」
ECM / Germany / 2608 6751618 / 2018

81zjsv8d3lw

Tord Gustavsen (piano, electronics)
Sigurd Hole (double bass)
Jarle Vespestad (drums)

Recorded January 2018, at Rainbow Studio, Oslo
Produced by Manfred Eicher

 久々のノルウェーのトルド・グスタフセンTord Gustavsen のピアノ作品がトリオでリリース。2007年の『Being There』 (ECM/2017 B0008757-02)以来となりますね。近年は彼のレパートリーの拡大と新分野への挑戦などで、カルテットやアンサンブルといったところがお目見えしてきたわけだが、私にとっては待望のピアノ・トリオ作品で、これは今年の一月の録音だ。

Tord_gustavsen_trioby_brem

 トリオのメンバーは、ベーシストが、Harald JohnsenからSigurd Holeに変わっている。ドラムスはもう長年のお付き合いで変更無しのJarle Vespestad だ。ノルウェー出身の三者によるトリオで、グスタフセンの緩徐で深く沈み込むピアノの流れは変わらずに、心に染み込む静かなメロディーによるトリオの世界を構築している。
 録音もピアノに対してベース、ドラムスも生きていて、なかなかトリオ・バランスを重視した好録音である。

Tord_croppedw(Tracklist) 

1. The Tunnel
2. Kirken, den er et gammelt hus
3. Re-Melt
4. Duality
5. Ingen veinner frem til den evige ro
6. Taste and See
7. Schlafes Bruder *
8. Jesu, meine Freude * Jesus, des eneste
9. The Other Side
10. O Traurigkeit *
11. Left Over Lullaby No.4
12. Curves

  今回はトルド・グスタフセン自身の曲が主だが、J.S.Bachが取りあげられている(上記*印の3曲)。
 オープニングM1. "The Tunnel" から、グスタフセン世界が迫ってくる。何度聴いてもドップリと浸れるグスタフセン世界は、やはり深遠であり哲学的でも有り、人間心理の究極の姿を描くが如くで、このアルバムも全編を通して真摯な気持ちで聴くことが出来る。
  M4. "Duality" M5.、 "Ingen veinner frem til den evige ro"に来るともう自他共に許すグスタフセン世界だ。
 アルバム・タイトル曲である彼の曲M9."The Other Side "は、珍しく”彼独特の静寂の中に流れる美しさと深遠さ”というタイプでなく、静かに物語り調に淡々と描いてどこか明るさも感じられる。この"Other Side"の意味はそんなところにあるのだろうか。
 これに続いてM10. "O Traurigkeit"は、やや対比的にJ.S.Bachのメディーをオリジナルの世界とは全く異なる完全なグフタフセン世界に沈み込ませるが、中盤から後半にかけてはトリオで盛り上がる珍しいタイプ。これも彼の今回の一つの試みの曲とみる。
 そしてM11. "Left Over Lullaby No.4"は、彼のファン・サービスの演奏。完全に本来の静寂と沈静の世界ですね。

 いっや~~、やはりトルド・グスタフセンはいいですね。完璧と言ってしまいたいアルバムだ。ピアノの弾くメロディの深遠さ、そして緩急、強弱、余韻の生かし方もハイレベル。何時もニュー・アルバムを待っているのだが、期待を裏切らない。北欧の世界感なのであろうか、又彼の学んだ心理学が生きているのか、この世界はしっかりと守りつつ、今後にも発展していって欲しいものである。

(評価)
□演奏:★★★★★
□録音:★★★★★☆

(私のイメージPHOTO=「夏の記憶に2018」)

Dsc03705trw

2018.9.3撮影(志賀高原)  Sony α7Ⅲ ILCE-7M3,  FE 4/21-105 G OSS, PL

(視聴)

| | コメント (8) | トラックバック (4)

2018年8月30日 (木)

マッシモ・ファラオMassimo Farao' Trio 「AUTUMN LEAVES」

とにかくロマンティックな明るさの軽装ジャズ

<Jazz>
Massimo Farao' Trio 「AUTUMN LEAVES」
Venus Records / JPN / VHCD-78297 / 2015

Autumnleavesw

Massimo Farao (p)
Aldo Zunino (b)
Marco Tolotti (ds)
Recorded at  Pianopiano Studios in Torino ITALY on Feb. 11,12and13,2014
Produced by Tetsuo Hara
Sound Engineer by Alessandro Taricco
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara

 今まで、世間の話からあまり気にとめておかなかったイタリアのこのマッシモ・ファラオ・トリオMassimo Farao' Trio だが、先日取り敢えずはクラシックを題材にしたジャズ・ニュー・アルバム『MOLDOU plays classics』 (VHCD-1242)のリリースがあり聴く機会があった。
 聴いた結果は、早い話がピアノ・スウィング・ジャズの肩の凝らない演奏といったものであり、イタリアものとしては珍しいように思ったのだ。かってからの評判は、”あまりのポピュラーな世界で面白みに若干欠ける”といったところにあり、それは如何なるものかと、更にもう少し聴いてみようと、近くはこのVenus Recordsから2015年のアルバムが手っ取り早いので聴いてみたという話である。

 このアルバムは、スタンダードの聴き慣れたもののオンパレードということで、あまり毒にもならないだろう(御免なさい)と言ったところの内容だ。よく見てみるとお相手のトリオ・メンバーは異なっていて、マッシモ・ファラオがその都度やりたいことによって集めているメンバーなんだろうと思う。

Autumnllist

1. コルコバード
2. エスターテ
3. トゥ・イーチ・ヒズ・オウン
4. ロシュフォールの恋人たち
5. いつか王子様が
6. 危険な関係のブルース
7. チーク・トゥ・チーク
8. アローン・トゥゲザー
9. 枯葉
10. アイ・ソウト・アバウト・ユー

 

 オープニングのジョビンのM1. "コルコバード"からボサノバのリズムをピアノで軽いタッチで流して、ムードは悪くない。中盤もベースを主体に構成したりするが、結構重さが無くてこれはこれで納得。
  そして2曲目はイタリアから"エスターテ"、なるほどマッシモ・ファラオという人は決して暗くしないでの味を求める、ピアノの流れも快感でそれが彼の信条なのかも知れない。ここまでは私は今回のニュー・アルバム『MOLDOU』(VHCD-1242)よりはこちらに軍配を挙げる。
 M3."トゥ・イーチ・ヒズ・オウン"これはまあよき時代のアメリカン・ジャズ・タッチ。バックグラウンド・ミュージックに最適という世界。

Hqdefaulttrw

  M4."ロシュフォールの恋人たち"、あれっこんな哀愁感の曲も選ぶのか?、とちょっと不思議な感覚にもなった。実はこの世界は私は好きなんですね。この線で流れてくれれば、マッシモに私は誘惑されてしまいそうだが。
 M5、M6、M7、M8とスタンダードそのものの曲が並ぶ。 演奏もスゥイング・ジャズ・スタンダード。特に気にするところも無く、あまり聴き込む焦点は感じなかった。
 M9."枯葉"、これはアルバム・タイトル曲、ややスローにピアノ・メロディーを中心に編曲、アドリブを加えて取り敢えず力作。相変わらず聴きやすい。もう少し強弱余韻という演奏法はないのだろうか。大きな感動といったとこには至らない。
 M10."アイ・ソウト・アバウト・ユー "マッシモのクラシカルな演奏ジャズの典型。

 宣伝紹介では「マッシモの魅力であるロマンティックなメロディーの表現と幸福感溢れるスインギン・ピアノが楽しめる、華麗なるジャズ・ピアノ・トリオの名品」となっているが、ここに「癖の無い万人向けジャズ」と言ったら良いのではと、一言付け加えるのである。
 選ぶとしたらM4."Chanson De Maxenceロシュフォールの恋人たち"

(評価)
□演奏 : ★★★★☆
□録音 : ★★★★☆

(視聴)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月24日 (金)

マッシモ・ファラオ・トリオMassimo Farao' Trio のニュー・アルバム「MOLDAU play classics」

クラシックを取りあげてのスウィング基調のお気軽ジャズ
~ちょっと拍子抜けのところもあるけれどね

<Jazz>

Massimo Farao' Trio 「MOLDAU play classics」
VENUS Records / JPN / VHCD-1242 / 2018


Moldau

MASSIMO FARAO マッシモ・ファラオ (PIANO)
NICOLA BARBON ニコラ・バルボン (BASS)
RUBEN BELLAVIA ルーべン・ベラヴィア (DRUMS)

Recorded at RIVERSIDE STUDIO,TORINO, ITALY on Novenber 7 & 8, 2017
Produced by Tetsuo Hara
Engineered by Alessandro Taricco
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara

Foto_1522216430 とにかくイタリアには、ジャズ・ピアノを聴かせる名プレイヤーが軒並み連ねていて、飽きるところが無い。さすがバロックを作り上げた音楽の国民性がしっかりと生きているんだなぁ~~と、あのがさつと思われるイタリア男には、頭が下がる思いである。
 そんな中で、それなりの実績をしっかりと積み上げてきたマッシモ・ファラオMassimo Farao' (1965年生まれ) のニュー・アルバムである。それがなんと私の場合は殆ど接点無しで来たプレイヤーである。何故かって、あまり面白みが感じられなかったというのが偽わざるところ。しかし今回はあの何かとお騒がわせなVENUSレコードからの第3弾であるこのアルバムにクラシックの臭いから手を付けてみたというところ。

 これは、マッシモ・ファラオがオーソドックスなピアノ・トリオで、超有名なクラシク曲をメロディックにロマンティックに、ジャズのスウィングを十分効かせて演奏したというところなのだ。

List

1 ソナタ第8番 悲愴 (ベートーベン)
2 マズルカ (ショパン)
3 ノクターン 夜想曲 (ショパン)
4 エリーゼのために (ベートーベン)
5 ソルベーグの唄 (グリーク)
6 アヴェ・マリア (グノー)
7 愛の夢 (リスト)
8 アンダンテ 交響曲第3番 (ブラームス)
9 ピアノ・ソナタ (モーツアルト)
10 白鳥の湖 (チャイコフスキー )
11 モルダウ (ドボルザーク)
12 アダージョ(アルビノーニ )

 なんとなんと冒頭のM1."悲愴"から、哀切なメロディーをピアノでなぞりながらのスウィングしての曲展開なのだ。私はどんなにか哀愁のバラードかと期待したんですが、ちょっと空しい。でも立派にスウングする演奏から、これこそジャズだと喝采を浴びせる人もいるのだろうなぁ~~と思うところ。
  そして続くM2,M3と相変わらずスウィングは止まるところを知らない。 "夜想曲"までスウィング展開、更に"エリーゼのために"は快調なリズム展開でまさかの異色ムード。あまりにも有名なクラシック曲であるので、原曲のなぞりでは面白くないのは解るのだが、いやはやここまでくると昔の酒場のバックグラウンド・ミュージックだ。

 まあそれがジャズだと言えば、そうなんですが、今時のユーロ・ジャズとしては私としてはどこか哀愁の世界とか、なんとなく思索的な思わせの世界とか・・・どこか芸術的な臭いがするなんて大それたところに期待してしまうのですが。

_mg_1759w

 それでもようやくM5."ソルベーグの唄"になって、原曲のムードが演じられてきた(原曲のムードを演ずるが良いとは言っているわけではない)。そしてM6." アヴェ・マリア "になって、これも原曲通りのスロー展開ではあるが、その中にジャズらしいピアノ・タッチが見事で、やっとこのアルバムを聴いた意義が感じられたという始末。
 M7." 愛の夢"、M8."アンダンテ 交響曲第3番"は、スローでムーディーな演奏でスタート、中判にスウィングするという手法。このほうが味があろうかと思うところなのだが。
 なんと言っても、私の興味はM12."アルビノーニのアダージョ"に実はあったのですが、うーん最後に来てようやく納得のユーロ・ジャズ世界を聴かせてくれた。もともと曲が好きなので何処までその世界をジャズ化してくれるかが楽しみだった。これはピアノ・メロディー編曲からインプロも適度に効いて、ようやくピアノの音の余韻の中にドラムスの展開も存在感があって聴く気分も充実できた。

 トータルに判断して、けっして裏切りのアルバムではない。とにかく万人向きのスウィング・ジャズを基調にした世界である。とにかく聴きやすいく難しさが全く感じられないアルバムだ。これがジャズだと言う人もいるのだろう、まあVENUSレコードですから(ジャケはそれらしくないですけど)難しい事は抜きで気楽に聴きましょう。
 推薦ナンバー1は、M12."アルビノーニのアダージョ"だ。

(評価)
□演奏 ★★★★☆
□録音 ★★★★☆

(参考視聴)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月29日 (日)

映像で観るサラ・マッケンジーSarah McKenzieのピアノ&ヴォーカル

今やダイアナ・クラールを追う有力な弾き語りピアニスト
                  (・・・・と、言うと大げさか?)

<Jazz>

 [DVD]  Sarah McKenzie 「Jazz San Javier 2016」
   Live at 19 Festival de Jazz de San Javier, Murcia, Spain, July 29th, 2016 (70min)

1

Sarah McKenzie - piano
vocals Jo Caleb – guitar
Pierre Boussaguet – bass
Marco Valeri – drums

Parisintherain79ed7869 ジャズ・ピアノを軽やかにこなしての明るいヴォーカルでこのところ人気モノになりつつあるサラ・マッケンジー、昨年ここでアルバム『PARIS IN THE RAIN』UCCI-1037)(→)を取りあげたのだが、来日したりで日本でも美貌も相まって人気を獲得しつつある。
 そんなところで、やはりブートであってもライブ映像版を観たいとう心境で、このところ観ているDVDの紹介だ。
 これは2016年のスペインに於けるライブ収録。彼女の通常のスタイルのギターの入ったピアノ・カルテット構成だ。冒頭から彼女のヴォーカルが満開。例の如く軽やかで明るい。

Smw(Tracklist)
01. Onwards And Upwards
02. I Won't Dance
03. We Could Be Lovers
04. That's It, I Quit!
05. Don't Tempt Me
06. I Got The Blues Tonight
07. Moon River
08. When In Rome (I Do As The Romans Do)
09. Love Me Or Leave Me
10. Quoi, Quoi, Quoi
11. At Last
12. The Lovers' Tune
13. Embraceable You

 なんと言っても、映像に耐える美貌がいいですね。ピアノ・タッチも軽やかで、スウィングする演奏が多く、ジャズとしては極めてオーソドックス。ここではアルバム『PARIS IN THE RAIN』がリリースされた前年だが、アルバム収録されている曲の3曲(M01, M08, M13)をも演奏している。こうしてライブ映像で観ても、声の質は高音までクリアで清楚感がある。しかし今一つ聴いて痺れるところがないのがちょっと寂しい。M06." I Got The Blues Tonight"のブルース・タッチでも、もう少し哀感が欲しいと思うところ。
  ギターのみのバックで彼女のスローバラードがM07. "Moon River"、 M13. "Embraceable You "の2曲で披露されている。ここではヴォーカルの力量が問われるところだが、天性の歌い込みの上手下手が出てしまうところで、上品さの感じるところところは良いのだが、その為少々情感に乏しい感じだ。まあそのあたりが又良いというファンもいてそれはそれ結構な事である。私から見ると、やっぱり彼女はピアニストにウェイトがあるのだなぁ~と思うところなのだが・・・・。
 しかしこのタイプはカルテット仲間との相性はむしろ良さそうで、観る者にとっては快感でもあった。

② [DVD] Sarah McKenzie 「Monteu Jazz Festival  2017」
        Live at Montreux Jazz Festival 2017 (90min)

Montreuxaww

Sarah McKenzie: vocals & piano
Geoff Gascoyne: bass
Hugo Lippi: guitar
Donald Edwards: drums
Warren Wolf: vibraphone


 こちらは、昨年2017年のMonteu Jazz Festival における彼女の上のようなメンバーでのクインテット構成によるライブ・パフォーマンス、約90分に納めている。この時の特徴は最近あまり編成されないビヴラフォンが加わっていることで、これによって一味ムードが変わっている。彼女の清楚感あるヴォーカルからして、このパターンがなかなか面白いと思った。

(List)
0:17 Road Chops
5:39 I Won't Dance
10:41 We Could Be Lovers
16:31 Paris In The Rain*
22:07 One Jealous Moon*
28:54 The Secrets Of My Heart
35:32 Small Feats
42:00 I've Got The Blues Tonight
51:15 Tight
58:45 Triste*
1:05:08 I'm Old Fashioned*
1:12:19 The Lovers' Tune
1:22:04 Embraceable You*

  演奏曲目は13曲だが、最新アルバム『PARIS IN THE RAIN』と時期が一致していているため、アルバムの5曲(*印)がここで演じられている。
 そして彼女のなんとなく上品で清楚感あるヴォーカルとピアノ・プレイで楽しませてくれる。又このライブでは、メンバーそれぞれのソロ演奏も十分に取り入れられていて楽しいライブになっている。このあたりはアルバムと違った楽しみ方が出来るところだ。
 彼女は、オーストラリア、メルボルン出身。ウエスト オーストラリアン アカデミー オブ パフォーミング アーツでジャズの博士課程を修了。その後、アメリカのバークリー音楽院に入学し、卒業後は、パリを拠点として活動している。ジャズ曲コンポーザー、ピアニスト、ヴォーカリストと活躍している。これまでに下記の4枚のアルバムをリリースしているが、嫌みの無いところが取り柄として聴いてきた。これからどのように発展して行くかも楽しみなプレイヤーと言って良いだろう。ダイアナ・クラールの痺れる味には、まだまだと言うところだが・・・。

(Sarah McKenzie - Discography)

Don't Tempt Me (2011)
Close Your Eyes (2012)
We Could Be Lovers (2014)
Paris in the Rain (2017)

(視聴)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月22日 (日)

ヨーロピアン・ジャズ・トリオEuropean Jazz Trio来日ライブ

猛暑の中の来日ライブ

Img_1126w しかしこの夏の猛暑は異常ですね。
 その暑さの中、オランダからヨーロピアン・ジャズ・トリオが来日。なんと言っても我々以上にこの陽気には彼らはビックリしているでしょうね。これには敬意を表さなければと、「Cotton Club」を覗いてきました(21日)。なにせ熱くて外には長く居られないので・・・・・。

 オランダのジャズ・ミュージシャン3人で結成されたこのジャズ・ピアノ・トリオ。発足は1988年と言うことなので、なんとメンバー・チェンジはあったとは言え30周年と言うことになる。
 残念ながらこのところニュー・アルバムにお目に掛かっていないので(ベスト盤のようなものはありますが)、どうなっているのかちょっと不安なトリオでした。もともと欧州ジャズのリリカルな因子のあるクラシックからジャズ・スタンダードそして映画音楽、ポップスまでを広くカヴァーして気持ちよく聴かせてくれるトリオであり、来日と言うことでホッとしたと言うのが正直なところ。

Img_1129w

 メンバーのマーク・ヴァン・ローンMarc van Roon(p)、フランス・ホーヴァンFrans van der Hoeven(b)、ロイ・ダッカスRoy Dackus(ds)というのは、1955年から続いている。特にピアニストのマークは、ビル・エヴァンスからの影響が濃く、それも日本では結構人気の一因子でもある。20周年の2009年には日本の歌謡曲や童謡をジャズ化してみせてくれたりで、日本に根強いファンもいるのである。

Ejtw

 私からすれば、どちらかというと嫌みの無いリラックスして聴きやすいジャズの範疇に入るし、それは刺激性は少ないと言うことになって、強烈な印象というのは実はないのがこのトリオであった。

 そんな抵抗のないところで、今回、取り敢えず来日ライブに参戦して来たのである。このトリオは私にとっては初めてお目に掛かるのだが、なんとなく以前から観てきたような気になるから不思議なトリオ。それだけ親近感があるというと言うところか。
 やはりロイが一番愛嬌がありますね。フランスはあまり表情を変えずの演奏だ。やはりピアノのマークがこのトリオでは重要ですね。彼が最も若いと思うが、今回のプレイでなんとクラシックからの曲が最も生き生きとしていたところが印象的だ。彼のキャリアからして当然なんでしょうね。彼はソロ・アルバムや彼名義のトリオ・アルバムもリリースしている。

 しかしまあこれほど気品を感ずるトリオも珍しい。オーディエンスも何というかお上品に聴いていた。今夜もクラシックからビートルズまでを取りあげてのとにかく好感の持てるライブ演奏であった。ちょっと気持ちの豊かになる一夜でした。

(参考視聴)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年7月10日 (火)

ヤスクウケ・セクステットJaskułke Sextet 「Komeda Recomposed」

プログレッシブな~格好いいジャズだ!!

<Jazz>
Jaskułke Sextet 「Komeda Recomposed」
CORE PORT / JPN /RPOZ-10041 / 2018

Recomposedw


スワヴェク・ヤスクスケSławek Jaskułke  (作曲、グランドピアノ、アップライトピアノ)
エミル・ミシュクEmil Miszk (トランペット、フリューゲルホルン)
ピョトル・ヘンツキPiotr Chęcki (テナー・サックス)
ミハウ・チェシェルスキMichał Jan Ciesielski(アルト・サックス)
ピョトル・クワコフスキPiotr Kułakowski (ベース)
ロマン・シレファルスキRoman Ślefrarski (ドラムス)

 上のアルバムの演奏メンバーを見て解るとおりセクステットなのだ。ピアノ・トリオ+トランペット、テナー・サックス、アルト・サックスという珍しいタイプ。とにかく私の好きな編成じゃないのだが、聴いてみると結構格好いいジャズを展開している。

Komeda ポーランドが舞台のジャズの話題となると、なんだかんだ言っても、ポーランド・ジャズ史上最高の作曲家クシシュトフ・コメダ(Krzysztof Komeda:1931-1969)(→)と言うことになる。

 そのコメダの曲を楽しませてくれたのは過去にも取りあげたMarcin WasilewskiのSimple AcousticTrio(『Lullaby for Rosemary』(2001))やNBS Trio(『Plays KOMEDA(2010)) とかLeszek Moźdźer(『Komeda』(2011))ですね、そうそうKomeda Project(『Crazy girl』(2006))もあった。

01tr そしてここに又ポーランドの人気ピアニストのスワヴェク・ヤスクウケSławek Jaskułke(←)  によってのコメダの登場となったのだ。
 しかし・・・・それが安易にコメダの美メロディーということに期待したら、なんと一発食らうのは間違いない。ポーランドのジャズとなると今やオラシオ氏の登場となるが、彼のライナー・ノーツを見ても、これは「カヴァー・アルバム」じゃないと強調している。難しい話だが、コメダの名曲を文字通りアルバム・タイトルにある”Re-Composed”つまり”再構築”するという斬新と言えば斬新な内容。まあ原曲はそう多く私は知っているわけでは無いので、完全にここではヤスクウケのオリジナル曲に近い。

(Tracklist)
1. KATO(「Astigmatic」(1965)収録Kattoma、その他より)
2. OXIS
3. NASTIC
4. CRAZY(映画「水の中のナイフ」収録曲Crazy Girl、その他より)
5. SVANTE(「Astigmatic」(1965)収録Svantetic、その他より)
6. ETIC(SVANTEのPart2)
7. SZARO(Szara Koledaより)
8. EPILOG

  こうして見ると、あの名作と言われるコメダ・クインテットのアルバム『Astigmatic』(1965)とか、映画ロマン・ポランスキ監督の『水の中のナイフ』の曲”Crazy Girl”あたりが注目点なんですね。素人っぽい私から見ると”ローズマリーの赤ちゃん”などが最右翼なんだがちょっと違う。
 そして曲はその曲をただなぞるという手法で無く、その血となる部分、骨となる部分をヤスクウスケ流に構築し直してのコメダ独特の短いリフが複数のコメダ曲から取り出して組み上げる手法で、まさに彼自身の曲として再構築されている。成る程これが「Recomposed」という事なんだと解る。

 セクステットのメンバーは結構若くて、これが又ロックとジャズといったジャンルに拘らない世界のコンテンポラリー・ジャズを演じて、流れは静寂性を描いたり、ダイナミックなパワーを見せつけたり、この絶妙にコントロールされた両極の世界はとにかく格好いいのです。特にピアノの流れとドラムスの迫力のリズム(ジャズでも時にはこれだけ叩くのも有りだ)は聴きどころ。不思議な世界を頭に描かせる冒頭のM1." KATO"が典型。
 又ピアノとトランペット、サックスとのインタープレイも奥深い。
 アルバムを通してM1." KATO"からM8. "EPILOG"までで起承転結がきちっと出来ているところもお見事。
  ヤスクウケのピアノがこうしてコメダを自己表現の世界に引っ張り込んだでの新しいジャズ・シーンに打って出た格好で、いやはや驚きのポーランド・ジャズだ。

[スワヴェク・ヤスクスケSławek Jaskułke] 
 1979年1月2日生まれ、ポーランド・プツク出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー。名門カトヴィツェ音楽大学へ進むも退学し、2年間欧州の各地を放浪しながら音楽を演奏。ポーランドへ戻るとサックス奏者のズビグニェフ・ナミスウォフスキに見出され、プロキャリアをスタート。自身のピアノ・トリオやショパンのカヴァー・プロジェクトなど、多彩な活動を展開。かつてはポーランドの人気パンク・ジャズ・ユニット、ピンク・フロイトでの活動経験も。映画音楽やモダン・クラシカルの仕事にも関与。2002年の初リーダー作以来、10枚以上の作品を発表。2017年にピアノ・ソロ作『夢の中へ』(原題:SENNE)をリリース。(ネットに見る紹介内容)

(評価)

□ 演奏・曲  ★★★★★☆
□ 録音    ★★★★★☆

(参考視聴)

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2018年7月 6日 (金)

セルジュ・デラート・トリオSerge Delaite Trio 「SWEET AND BITTER」

何故か心が躍る~ピアノ・トリオを楽しむならこのアルバムだ!!

<Jazz>
Serge Delaite Trio 「SWEET AND BITTER」
Atelier Sawano / JPN / AS162 / 2018


Sergedw_2

Recorded, Mixed & Mastered by Francois Gaucher

Sdtrio1Serge Delaite : piano
Pascal Combeau : bass
Jean-Marc Lajudie : drums

(Tracklist)
1. Take Five
2. It Could Happen to You
3. Lover Man
4. Amazonas
5. ’Round Midnight
6. St. Louis Blues
7. Hi Fly
8. Step Lightly
9. My One and Only Love
10. Minor Mishap
11. I Fall in Love Too Easily
12. That’s All

 今年は例年より梅雨が早く明け、猛暑が襲って来ていたのだが、昨日今日は全国的な雨。梅雨の鬱陶しさが戻ってきてしまった。しかしそんな鬱陶しさを吹き飛ばす心が躍るトリオ演奏に浸ることが出来るのがこのアルバムだ。
As084_540x 澤野工房からのリリースで、既にこのトリオは多くのアルバムを蓄積している。私が最近納得したのはアルバム『Comme Bach...』(AS 084)/ 2008)(→)だった。あのバッハの捉え方には驚きでしたが、そのお洒落な発想はさすがフランス人ですね。そして今回のアルバムでもセルジュ・デラートのピアノ・タッチは優美というか、軽快というか・・・・暗さが全くない。これもピアノ・トリオの一つの楽しみ方であることをしみじみと教えてくれる。

 このアルバムは、誰もがよく知ってるM1."Take Five"からスタートするが、これが又4拍子の明るいアレンジが見事で驚かされる。そしてM6." St. Louis Blues"も、なんと心が躍ってくるから不思議。
 M3. "Lover Man"はベース、M4. "Amazonas"はドラムスと、それぞれ役どころをちゃんと持った演奏だ。  
 M9. "My One and Only Love"になって初めてしっとりした優しさのある心の安まる曲の展開となる。あまり躁状態にならないようにと、諫(いさ)められるというか慰められる気分である。アルバム・タイトルの「Sweet and Bitter」は、”甘く快くそして苦く”と言うところか?、しかし幸いにあまり苦さが無いところが味噌。
 M11. "I Fall in Love Too Easily"もしっとりとして、心に優しさと共に安らかさを与えてくれる。

 このアルバムを喩えると、懐かしのメンバーの集まる同級会のバック・クラウンド・ミュージックとして最高です(笑)。リラツクス・ムードが満載だから。
 そしてなかなか録音も楽しさを伝えるトリオのバランスとそれらの音質がお見事である。

S_d_1 セルジュ・デラートSerge Delaiteは、フランス・オーヴェルニュ生まれ。父親はバンドマスターで、その影響か7歳からピアノを始めたらしい。父が主宰するオーケストラに参加したり、後にジョ一ジ・ムラ一ツ等著名なミュージシャンと共演。彼自身のトリオでは何とも言えない快い明るさを振りまき、一方フランスらしいお洒落なジャズが人気で、ヨーロッパ各地を中心として幅広い活動を行なっている。

(評価)
□演奏: ★★★★☆
□録音: ★★★★☆

(参考視聴)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

Audio | CLASSIC | Progressive ROCK | SONY α7 | アイオナ | アガ・ザリヤン | アデル | アヤ | アレクシス・コール | アレッサンドロ・ガラティ | アンジェイ・ワイダ | アンナ・マリア・ヨペク | アヴィシャイ・コーエン | アーロン・パークス | イエス | イタリアン・プログレッシブ・ロック | イメルダ・メイ | イモージェン・ヒープ | イリアーヌ・イリアス | イーデン・アトウッド | ウィズイン・テンプテーション | ウォルター・ラング | エスビョルン・スヴェンソン | エスペン・バルグ | エミリー・クレア・バーロウ | エンリコ・ピエラヌンツィ | エヴァ・キャシディ | カレン・ソウサ | ガブレリア・アンダース | キャメル | キャロル・ウェルスマン | キング・クリムゾン | キース・ジャレット | クィダム | クレア・マーティン | ケイテイ・メルア | ケイト・リード | ケティル・ビヨルンスタ | コニー・フランシス | コリン・バロン | ゴンザロ・ルバルカバ | サスキア・ブルーイン | サラ・ブライトマン | サラ・マクラクラン | サラ・マッケンジー | サンタナ | サン・ビービー・トリオ | ザーズ | シェリル・ベンティーン | シゼル・ストーム | シネイド・オコナー | ショスタコーヴィチ | シーネ・エイ | ジェフ・ベック | ジャック・ルーシェ | ジョバンニ・グイディ | ジョバンニ・ミラバッシ | ジョルジュ・パッチンスキー | スザンヌ・アビュール | スティーヴン・ウィルソン | スティーヴ・ドブロゴス | ステイシー・ケント | ステファン・オリヴァ | スノーウィ・ホワイト | スーザン・トボックマン | セリア | セルジオ・メンデス | ターヤ・トゥルネン | ダイアナ・クラール | ダイアナ・パントン | ダイアン・ハブカ | チャーリー・ヘイデン | ティエリー・ラング | ティングヴァル・トリオ | ディナ・ディローズ | デニース・ドナテッリ | デヴィット・ギルモア | デヴィル・ドール | トルド・グスタフセン | ドリーム・シアター | ナイトウィッシュ | ニコレッタ・セーケ | ニッキ・パロット | ノーサウンド | ハービー・ハンコック | パスカル・ラボーレ | パトリシア・バーバー | ヒラリー・コール | ピアノ・トリオ | ピンク・フロイド | フェイツ・ウォーニング | フランチェスカ・タンドイ | フレッド・ハーシュ | ブッゲ・ヴェッセルトフト | ブラッド・メルドー | ヘイリー・ロレン | ヘルゲ・リエン | ペレス・プラード | ホリー・コール | ボボ・ステンソン | ポーキュパイン・ツリー | ポーランド・プログレッシブ・ロック | ポール・コゾフ | マティアス・アルゴットソン・トリオ | マデリン・ペルー | マリリオン | マルチン・ボシレフスキ | マーラー | ミシェル・ビスチェリア | メコン・デルタ | メッテ・ジュール | メラニー・デ・ビアシオ | メロディ・ガルドー | モニカ・ボーフォース | ユーロピアン・ジャズ | ヨアヒム・キューン | ヨーナス・ハーヴィスト・トリオ | ヨーナ・トイヴァネン | ラドカ・トネフ | ラーシュ・ダニエルソン | ラーシュ・ヤンソン | リサ・ヒルトン | リッチー・バイラーク | リリ・ヘイデン | リン・スタンリー | リヴァーサイド | リーヴズ・アイズ | ルーマー | レシェック・モジュジェル | ロジャー・ウォーターズ | ロバート・ラカトシュ | ロベルト・オルサー | ローズマリー・クルーニー | 中西 繁 | 写真・カメラ | 北欧ジャズ | 問題書 | 回顧シリーズ(音楽編) | 女性ヴォーカル | 女性ヴォーカル(Senior) | 女性ヴォーカル(ジャズ2) | 女性ヴォーカル(ジャズ3) | 寺島靖国 | 戦争映画の裏側の世界 | 手塚治虫 | 文化・芸術 | 映画・テレビ | 時代劇映画 | 波蘭(ポーランド)ジャズ | 相原求一朗 | 私の愛する画家 | 私の映画史 | 索引(女性ジャズヴォーカル) | 絵画 | 趣味 | 雑談 | 音楽 | JAZZ | POPULAR | ROCK