ROCK

2017年7月14日 (金)

アナセマAnathemaのニューアルバム「the optimist」

美しいモダン・プログレッシブ・ロックと評価されて・・・・・

Anathema1


<Progressive Rock>
Anathema 「the optimist」
Kscope / UK / Kscope356 / 2017

Theoptimist_2

Personnel:
Vincent Cavanagh (vocals, guitar, keyboards, programming);1990-
Lee Douglas (vocals);2000-
Daniel Cavanagh (guitor, Piano, Keybord, Vocals)1990-2002, 2003-
John Douglas (keyboards, drums, programming); 1990-1997, 1998-
Daniel Cardoso (drums). 2012-
Jamie Cavanafh (Bass); 1990-1991, 2001-

 こんなところで、ちょっとアナセマAnathemaも聴いておかねばと、ニューアルバムを手に入れた。なにせ美しいサウンドでモダン・プログレッシブ・ロックとも言われるようになってきたのだから。
810n2oxspilw 昔はゴシック・メタルってとこでしたかね。次第にプログレっぽくなって・・・・、実はそんな変化するこのバンドも2012年の『weather system』Kscope/UK/KSCOPE367/2012)(→)で取り敢えずは締めくくっておこうと思ったのですが・・・・・、あのアルバムはリーダーのヴォーカリスト=ヴィンセント・カヴァナー Vincent Cavanagh と女性ヴォーカリスト=リー・ダグラス Lee Douglas の心に響く歌声が素晴らしいと高評価。更にバンド演奏を支えたドラマチックに盛り上げたたデイヴ・スチュワートのオーケストラ・アレンジ、やっぱり英国としてのなんとなく哀愁を漂わせたところが聴く者の心を捉えたのであった。
 あれから五年経って、彼らの11枚目の作品が登場して、やっぱり何となく手に入れることになるのであった。

 アルバム・タイトルは「ジ・オプティミストThe Optimist=楽観主義者」と銘打って、どうも主たる作曲者のダニエル・カヴァナーDaniel Cavanagh  (ギター/ピアノ/ヴォーカル/ループ)が「半・自伝的」と説明する作品のようだ。

(Tracklist)
1. 32.63N 117.14W
2. Leaving it behind
3. Endless ways
4. The Optimist
5. San fransisco
6. Springfield
7. Ghosts
8. Can't let go
9. Close your eyes
10. Wildfires
11. Back to start

  •    Anathemavcwこのアルバム、冒頭からロジャー・ウォーターズ流のSEを多用している。やっぱりピンク・フロイドがお手本なんですね。
     そしてこのバンドの特徴のミニマル奏法がここでも取られている。特にM5. ”サンフランシスコ”ではその流れが顕著、メタリツクなヘビー・サウンドのミニマルの流れは良いのだが、この手のキーボードによるものはどうも私は苦手だ。
     このグループの曲は、かってそれぞれの曲において同じ手法をとる為か、過去のアルバムでは、どの曲も同じに聴こえてしまうという感想を持ったことがある。
     今回のアルバムは、その意味ではそれぞれの曲の個性も出ていてアルバムをトータルに観賞出来るところは更なる発展を遂げたと言っても良いかも知れない。
     相変わらずリー・ダグラス Lee Douglas の声は美しい。又M6. ”スプリングフィールド”にみるように、静かな流れから次第に盛り上げていく曲の展開はやはり上手い。
     タイトルにみる「楽観主義者」の生き行く道程の波乱に満ちた姿を描こうとしたのか、そんなコンセプト・アルバムとしても仕上げているところが興味ある。M9. ”クローズ・ユア・アイズ”などは、彼らとすれば精神的な世界を描いた感のある異色な曲であり、又M10.”ワイルドフィアーズ”なども高揚感は圧巻の仕上げで、じっくり聴いてみるとその価値が感じられる。(尚、隠しトラックもあって探して聴いてください)

     さてなんと言ってもこのところは、ロジャー・ウォーターズの近作アルバム『is this the life we really want?』に圧倒されているところであって、そこにこのアルバムを聴いたわけだが、どうもそのタイミングはあまり良くなかった。つまりロジャー・ウォーターズと比較と言うことになってしまって、このアルバムは、余りにもその社会感覚と深刻さ、そして曲のスケールと展開などが中途半端な印象なのである。まあ誰がみてもそれは当然比較する相手が悪かったということで致し方ないところであり・・・・もう少し間隔を開けてよく聴き直した方がよいと思っているところだ。
     しかし彼らの一歩又前進したプログレ・アルバムとして、その価値を感じさせる一聴に値するアルバムであることは間違いないところ。
  • (視聴)

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    2017年7月 2日 (日)

    アンナ・マリア・ヨペクとスティングの共演 STING with ANNA MARIA JOPEK 「SPECIAL IN TORUN 2016」

    あの"Fragile" をデュエットで・・・・・・

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                                                  ( Anna Maria Jopek )

    < Rock,  Jazz>
    STING with ANNA MARIA JOPEK 「SPECIAL IN TORUN 2016」
    MEGADISC / Poland / 2017

    Stingwithamy

    Sting : Guitar & Vocals
    Anna Maria Jopek : Vocals
    Live at Torun, Poland Dec.8, 2016

    Sting  ポーランドの憂愁の歌姫アンナ・マリア・ヨペックについては、先日6年ぶりの久々のニュー・アルバム『Minione』 をここで紹介したところだが、彼女をお気に入りとなると、いやはやその名の見えるアルバムはついつい手に入れたくなる。
     このアルバムはスティングStingが2016年12月8日にポーランドで、これも久々のなんと13年ぶりのポリスのDNAを繋ぎ込んだロック・アルバム『57TH&9TH』をリリースしてのプロモーション・テレビ・スペシャルに出演。放映は今年の2017年1月1日に行われたモノ。そこになんとアンナ・マリア・ヨペックが登場。その様子を納めたブート・アルバムである。

     中身は下の様な内容で、私から見ると叱られそうだが、どうしてもヨペックに注目がいってしまうのである。と言うところで、とにかくあの”Fragile”を、スティングとヨペックがデュエットで唄っているところがハイライトです。いやはやこれは考えもつかなかった共演であった。

    Stingwitamylist

     とにかくヨペックのインターナショナルな活動はお見事である。それもその彼女が興味を持った国のミュージックを吸収していくところ、しかもそれをポーランド流に解釈して仕上げてしまうのだ。今回のニューアルバム『Minione』においても、マイアミにてミュージックの宝庫キューバに焦点を絞って、名ピアニストのゴンザロ・ルバルカバとの共演により彼女なりの哀愁のアルバムとして作り上げてしまった。それも彼女流のポーランド・ミュージックを忘れていないところが凄い。

    Vldamj_sting

     このアルバムに納められているスティングに彼女が果敢に挑戦している姿は素晴らしい。是非ともファンは一度は聴いておきたいところです。
      登場する彼女の曲である”Szepły Lzy”や”Upojenie”の編曲による歌がこれ又新鮮ですね。

    (視聴) ”Fragile” by Sting  ft.Anna Maria Jopek

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    2017年6月28日 (水)

    トップ・モデル=カレン・エルソンKaren Elsonのヴォーカル・アルバム「DOUBLE ROSES」

    刺激の無いお行儀の良い(?)ポップ・アルバム

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    <Rock, Pop>
    KAREN ELSON 「DOUBLE ROSES」
    1965Records , Hostess / UK / HSEY4040 / 2017

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       Vocals & Composed by Karen Elson
       Produced by Jonathan Wilson


     これは完全に「美女狩りシリーズ」です。
     とにかく英国のトップ・モデルであるカレン・エルソンのヴォーカル・アルバム。彼女は1stアルバム『The Ghost Who Walks』をリリースしたのが2010年(これは私は申し訳ないが聴いてない)、従ってこのアルバムは7年ぶりの2ndアルバムとなる。そしてプロデューサーに今回のロジャー・ウォーターズの北米ライブでギターとヴォーカルを担当しているジョナサン・ウィルソン。

     まあこんなにお行儀が良くてよいのかと思わせる曲群である。カレン・エルソンのシンガー・ソングライターとしての作品。テンポも早くなくゆったりしたポップ曲。バックにはストリングスも入った刺激度は低いどちらかというと美しさの演奏(こうゆうのも”Rock”として受け止めているようだが、いやはや一口に”Rock”と言ってもその占める範囲はまさに広いですね)。
     そんな中でもM8.”A Million Stars #”は、珍しくエレクトリック・ギターをバックに聴かせます(このほうが私の趣味ですけどね)。そしてM9.”Wolf”はサックスがバックで歌いあげてくれて、一番盛り上がった曲ですかね。
     まあとにかくやさしく語り聴かせる如くタイトル・トラックのM2.”Double Roses”などを代表に美しく聴かせてくれます。
     いずれにしても彼女の歌声は高中低音至るところ美しいのです。モデルとしての美貌と難点のないプロプォーション。そしてこの美しい声と、天は幾つのモノを彼女に与えたのでしょうかね(”天は二物を与えず”というのは嘘ですね)。

    Karenelson1jpg(Tracklist)
    01.Wonder Blind
    02.Double Roses
    03.Call Your Name
    04.Come Hell And High Water
    05.The End
    06. Raven
    07. Why Am I Waiting
    08. A Million Stars #
    09. Wolf
    10. Distant Shore

     Karen Elson は、1979年生まれ、今年で38歳になる。2003年にロバート・プラントの「Last Time I Saw Her」にヴォーカルとして参加して以降、英国出身のこの美貌のシンガーは、ファッションの世界から更に多方面での活動を展開してきたのだという。
     どこかで見た彼女の紹介記事によると、彼女の音楽活動というのは、創設メンバーでもあるニューヨークのキャバレー・グループ「ザ・シチズン・バンド」というものなのだそうだ。ミュージシャン、パフォーマー、アーティスト、アクロバットなど、多種多様な才能が参加するパフォーマンス集団らしい。なかなか現代風の感覚での活動のようだ。このあたりは私の知らない世界であって、何かの機会に覗いてみようとも思っているところ。

     まあ、彼女のフォトと歌声をここで堪能してください。
      ( フレさん、この手は如何でしょうか^^) )

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    (視聴) ”Call Your Name

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    2017年6月 8日 (木)

    ロジャー・ウォーターズRoger Waters「”怒り”のニュー・アルバム」到着

    『If I had been God 』 (もし私が神ならば) 
                から
    『Is This The Life We Really Want?』
    これが我々が本当に望んでいる人生なのか?への怒りの展開

      「不安」そして「訴え」「抵抗」の問題作

    <Progressive Rock,  Art Rock>
    Roger Waters 「Is This The Life We Really Want?」
    SONY MUSIC ENT. / JPN / SICP5425 / 2017

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     (Members)
    Roger Waters – vocals, acoustic guitar, bass guitar
    Nigel Godrich – keyboards, guitar, sound collages, arrangements
    Gus Seyffert – guitar, keyboards, bass guitar
    Jonathon Wilson – guitar, keyboards
    Roger Manning – keyboards
    Lee Padroni – keyboards
    Joey Waronker – drums

    Lucius (Jess Wolfe, Holly Laessig)–  vocals
    David Campbell – string arrangements

     ピンク・フロイドの“Creative Genius創造的鬼才”=ロジャー・ウォーターズの25年振り「怒り」のニュー・アルバムだ。そもそも『If I had been God (もし私が神ならば)』のタイトルで作り上げてきたアルバムが、ここに来ての世界に見る米国トランプ大統領誕生などを始めとしての納得出来ない政治情勢、収まらぬ紛争、危機そして差別問題、環境問題と不安情勢によって、彼の元々のテーマであった「不安」がエスカレート、”訴え”と”抵抗”のスタートとして『Is This The Life We Really Want?(これが我々が本当に望んでいる人生なのか?)』と題してのアルバムと化して到着した。

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    Nigelgodrich011trw プロデュサーはナイジェル・ゴッドリッチNigel Godrich(英国, 1971-)だ(→)。彼は英国、米国系のポピュラー・ミュージック界では40歳代にして既にプロデュサーとして実績ある重鎮で、オルタナティブ・ロック系アーティストを多く担当してきている。サウンドはメタル・ロック系とは一線を画していて、どちらかというとクリアな音が支配する。又かってのピンク・フロイド風とはちょっと異なり、近年のロジャー・ウォーターズの趣かと思われるところ。あの2015年の『Roger Waters: The Wall』でもプロデュースを担当している。そしてこのアルバムの出来をみると、今作への気合いは相当であったと推察する。実際、演奏面でのKeyboads、Guitar での介入もしている。

     このアルバム、全編を通してアコースティック・ギター、ピアノ、ドラムスがクリアに重く響き、バックのKeyboad系や、String系の音場の広がりによる立体感も素晴らしく、それによる単なる乾いたサウンドでなくウォーターズ流の重厚なところで展開する。録音の出来も最高クラス。

    Jwilson2tr 近年のウォーターズ自身のサウンドの指向の色合いも変化しているが、今回そんな意味でも、バンド・メンバーを見ても、現在の彼の北米ツアー「The US+THEM Tour」に同行しているギターのJonathon Wilson (近作アルバム『Fanfare』(Downtown/USA/70373/2013) →)にも注目だ。彼はおそらくゴッドリッチとの関係で、今回のアルバムやツアーにウォーターズとの関係が出来たのでは?と思うところ。その他、Joey Waronker (drums)、Gus Seyffert (guitar,  bass )もツアー・メンバーとなっている。こんなところからも、今回のアルバムはサウンド的にもピンク・フロイド時代の流れからはかなり変化を示しており、ギルモア流のエレキによるギター・ソロ的因子は殆ど影を消していて、アコースティックでハードな因子が強い。そのあたりが、ウォーターズの意志の感ずるところで新鮮と言えば新鮮。

    (Tracklist)
    1. “When We Were Young” 1:38
    2. “Déjà Vu” 4:27
    3. “The Last Refugee” 4:12
    4. “Picture That” 6:47
    5. “Broken Bones” 4:57
    6. “Is This The Life We Really Want?” 5:55
    7. “Bird In A Gale” 5:31
    8. “The Most Beautiful Girl” 6:09
    9. “Smell The Roses” 5:15
    10. “Wait For Her” 4:56
    11. “Oceans Apart” 1:07
    12. “Part Of Me Died” 3:12

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    (Roger Waters, Gus Seyffert & Jonathon Wilson  )

     このアルバムは、もともとタイトルが『If I had been God 』であった様に、”もし私が神だったら、何が変わるだろうか、何が変わっていただろうか”と、宗教的因子のもたらす社会現象に警告を発しつつ、M2.“Déjà Vu”から問題提起が始まる(この曲は”Lay Dawn Jerusalem (If had Been God)”で 2014年発表)。この”デジャブ”というのはフランス語で、”既視感”と訳されるが、実際には一度も体感したことが無いのに、以前どこかで体感したことがあるように感ずることを言うらしい。そんなところからウォーターズの神だったらの仮定から発展して、かなり抽象的に社会異常を皮肉たっぷりに歌いあげている。M3.“The Last Refugee”では今に生きる子供の姿から悲観的側面を描き、そしてM4“Picture That”でこの異常社会の告発を爆発させる。

     そしてハイライトはM6.“Is This The Life We Really Want?” だ。静かに始まるこの曲で、社会に渦巻く不安感、絶望感、それを生み出す世界の紛争、危機、差別を訴え、その今の社会環境、政治などへの怒りがぶちまけられる。"若い娘が人生を無為に過ごす そのたびに 大馬鹿者が大統領に就任する そのたびに"などなど・・・延々とかず数え切れない異常事態を歌いあげる。そして、『これは我々が本当に望んだ人生なのか?』と問いかけるのだ。この曲の悲劇的暗さは凄い。続くM7.“Bird In A Gale”の悲劇的不安感へのやるせない訴えは、ウォーターズの心そのものだ。

     ネガティブ因子の強いメッセージが詰め込まれたこのアルバムではあるが、ウォーターズは過去のアルバムでは、何時もその最後の曲には、必ず少しの光明を覗かせてきた。しかしこのアルバムの最後の曲M12.“Part Of Me Died”に何かの光明は感じ取れるのだろうか、悲観的因子の中でも自分の救いの居場所を感じ取れたのであろうか?、今回は、私は悲劇にしか終わらない世界の疑問の中で終わってしまった。

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     さて、現在進行中のウォーターズの北米ツアーが、オーバー・ラップするのだが、彼はツアーとこの新作を通して、一つにはトランプと同類の勢力へのレジスタンスを起こしたいとも公に語っている。その布石がこの突如タイトルが変えられたこのアルバムであり、後はツアーを通して理解出来る仲間を通じて、力ある勢力となり得るかどうか、それが今彼の出来る運動でもある訳だ。「連中のようなナルシズム、欲望、悪意、そして他人の気持ちをなんとも思わない態度、ほかの誰とも共感しない態度」に対抗していきたいと言い、そして「ドナルド・トランプのような反社会的な社会病質者は共感の欠如が生み出したものなんだ」と説明している。もはやウォーターズが最も信じてきた「人類が第2次世界大戦の反省に立った新しい人間的世界への構築の約束」が破壊されていくことの落胆と怒りとが収まらない不満がこのアルバムに込められている。

     1960年代に産声を上げたロックの歴史は何らかの「抵抗」から始まったとも言って良い。それが多様な発展を遂げながら、社会構造に存在するエネルギーを何時も生み出してきたとも言える。しかし50年以上の歴史を経ての今日こうしたロックの力はどのように存在するのか?疑問の多い中で有りながら、何かこのウォーターズのニュー・アルバムに、一つのロックの究極の姿を見たよう気がするのは私だけであろうか?。

    <追記>
      BBC : UK Top 40 Rock Album (Friday 9th June  2017)
           1. Roger Waters / is this the life we really wants? *
           2. KISS / KISSWORLD *
           3. SikTh / The Future In Whose Eyes *   
                  ↓    
          
    5.Pink Floyd / The Dark Side of The Moon
         15.Pink Floyd / The WAll
         21.Pink Floyd / Wish You Where Here
         38.Pink Floyd / Animals

              *印: 新登場,   Top40に恐ろしいですね、Roger Waters と Pink Floyd で
               5アルバムがチャート・インしています。

    (視聴)

    1  “Picture That”

    2   “The Last Refugee”

    “Smell The Roses”

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    2017年5月30日 (火)

    ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「the US + THEM Tour」 スタート

    相変わらずのバック映像が圧巻~ニュー・アルバムからも5曲

    Roger Watersの北米ツアー「The US + THEM Tour」

     ”Creative Genius of Pink Floyd(ピンク・フロイドの創造的鬼才)”と言われるロジャー・ウォータースのライブ・ツアー。今回は、昨年来のトランプ批判、そして彼のニュー・アルバムの社会問題意識をバックにした社会に訴える色彩が強い。
     この5月26日、Cansas Cityの Sprint Center からスタートした。これから延々と10月まで各地で演奏される。いやはや70歳を超えたウォーターズのエネルギッシュなステージには驚きだ。それには社会問題への彼の意志があるからこそ出来ることのようにも思う。

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     ツアー・メンバーは、「The Wall Tour」からのDave 'Killer' Kilminster (guitar)、Jon Carin ( keyboards & guitar)の二人と、昨年の「Desert Trip 2016」からはIan Ritchie (saxophone)と、 女性Vocals のLucius (Jess Wolfe & Holly Laessig)である。特にJon Carinのバックで果たす役割も大きいと思う。
     そしてそれに 新メンバーとしてアメリカン・ミュージシャンJonathan Wilson を代表に4人が加わっての10人バンド。この辺りが、新風を吹き込んでいる。今やウォーターズはアクターではあるが、ディレクターとしての才能をも大いに発揮している。下記のような構成で相変わらず豪勢そのもの。

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    Roger Waters - bass, Guitar and Vocals
    Joey Waronker - drums
    Jonathan Wilson - guitar and vocals
    Gus Seyffert - guitar and bass
    Dave 'Killer' Kilminster - guitar
    Drew Erickson - Hammond organ and piano
    Lucius (Jess Wolfe & Holly Laessig) - vocals
    Ian Ritchie - saxophone
    Jon Carin - keyboards & guitar

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     Setlistは、ピンク・フロイド・アルバム「狂気」「炎」「アニマルズ」「ザ・ウォール」が中心というところだが、ロジャー・ウォーターズの6月発売のニュー・アルバム『Is This The Life We Really Want?』から5曲登場。
     相変わらず、さすがアメリカというところで、スケールの大きいライブを展開。
     スタートは”Speak to Me”締めは”Brain Damage ,Eclipse ”。 アンコールは”Vera & Bring The Boys Back Home ”(この曲はJess Wolfe と Holly Laessigの二人の女性とウォーターズの三人でのアコースティック・バージョン)からお決まりの”Comfortably Numb ”という形で以下の通り。

      演奏では、相変わらずの Dave 'Killer' Kilminster のリード・ギターはピンク・フロイドを十分に演ずる。それとギターとヴォーカルで米国組Jonathan Wilsonが健闘、ウォーターズのニュー・アルバムの印象は、このアメリカ組の色彩が結構強く、ウォーターズの新境地も見え隠れする。

    18671007_14320909w<Setlist>
    Speak to Me (Pink Floyd song)
    Breathe (Pink Floyd song)
    One of These Days (Pink Floyd song)
    Time (Pink Floyd song)
    Breathe (Reprise) (Pink Floyd song)
    The Great Gig in the Sky (Pink Floyd song)
    Welcome to the Machine (Pink Floyd song)
    When We Were Young (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
    Déjà Vu (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
    The Last Refugee (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
    Picture That (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
    Wish You Were Here (Pink Floyd song)
    The Happiest Days of Our Lives (Pink Floyd song)
    Another Brick in the Wall Part 2 (Pink Floyd song)
    Another Brick in the Wall Part 3 (Pink Floyd song)
    Dogs (Pink Floyd song)
    Pigs (Three Different Ones) (Pink Floyd song)
    Money (Pink Floyd song)
    Us and Them (Pink Floyd song)
    Smell the Roses  (New Album 「Is This The Life We Really Want?」)
    Brain Damage (Pink Floyd song)
    Eclipse (Pink Floyd song)

    Vera & Bring The Boys Back Home (Pink Floyd song)
    Comfortably Numb (Pink Floyd song)

    (視聴)
    1  Tour Members紹介

    2  Picture That (from New Album)

    3 Dogs , Pigs

    4  Brain Damage,   Eclipse

    5  Comfortably Numb

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    2017年5月27日 (土)

    大変身のイメルダ・メイIMELDA MAY 「LIFE. LOVE. FLESH. BLOOD」

    ”アイルランドの美空ひばり”(私の独断的命名)
    ~相変わらずの抜群の歌唱力は健在~

    <Jazzy Pop,  Blues , Folk>
    IMELDA MAY 「LIFE. LOVE. FLESH. BLOOD」
    DECCA / EU / 5714901 / 2017

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    Prodused by T Bine Burnett
    Written by Imelda May

    Vocals : Imelda May
    Gest Player : Jeff Beck (Guitar M2),  Jools Holand (Piano  M9)
    Marc Ribot : Guitar
    Jay Bellerose : Drums
    Zachary Dawes : Electric Bass
    Dennis Crouch : Acoustic Bass
    Patrick Warren : Keyboad


     これはイメルダ・メイのメジャー四作目、アルバム・タイトルが凄いですね、まさに彼女の生き様そのもの。彼女は私に言わせると”アイルランドの美空ひばり”だ。何を唄わせてもトップ・クラスのヴォーカルを聴かせてくれる。とにかくそうは言っても今まではやっぱり”ロカビリー歌姫”が看板。ところがここに来て驚きの大変身。大体髪型を現代風に変え、化粧もそれにそってかってのロカビリー時代風とは全くの変身、女性ってこんなに変化するんですね。あの彼女をお気に入りのジェフ・ベックも驚いたでしょう。

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              ↓↓   (見よ!この変身)

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     それも彼女をそうさせたのは、やっぱり離婚でしょうかね。彼女のロカビリー・バンドのリーダー格のギタリストDarrel Highamと18年の結婚生活にピリオドを打ち、離婚が報じられたのはもう少々前の話(2015年)。しかしその後ここまで変身とは全く信じられないところ。

      私は、彼女をここで何回と取りあげたのはやっぱりファンだからです。とにかくロカビリーは勿論だが、ジャズを唄わせても最高です。ジェフ・ベックとの共演での”Lilac Wine”、”Cry me a River”なんかは一流のジャズ・シンガーをも圧倒する(アルバム:Jeff Beck 「EMOTION & COMMOTION」(WPZR-30373/4,  2010))。

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     そしてこのアルバムにみるように、唄うはその曲調も大変化、なにせあのロカビリーの”Johnny Got a Boom Boom ”からの変化ですからね。まあとにかくお得意のロカビリーも顔を出すが、もう完璧な大人のシンガーへ変貌を遂げてみせ、ジャジー・ポップから、ブルース、フォーク、ロック、ソウル、ゴスペル、ジャズにまでに渡っている。これぞ彼女の芸達者の極地。そしてこの曲群、やっぱり全曲彼女の手によるオリジナル曲である。彼女に言わせると”自分の日記みたいなもの”と表現されている。
     レコーディングはLos Angelesにて7日間で行われたもの。

    (Tracklist)
    1.  Call Me
    2.  Black Tears
    3.  Should’ve Been You
    4.  Sixth Sense
    5.  Human
    6.  How Bad Can A Good Girl Be
    7.  Bad Habit
    8.  Levitate
    9.  When Its My Time
    10.  Leave Me Lonely
    11.  The Girl I Used To Be


    Imagew_2 まずオープニングのM1.” Call Me”とM3.”Should’ve Been You ”で驚きますね。この2曲は今回の変身の代名詞的曲。みごとな二種の現代風ジャージー・ポップに感動です。
     又二曲目のリード・トラックM2.”Black Tears ”はジェフ・ベックのギターが登場。彼女の内と外の真実の心の姿をバラードで歌いあげる。これは1-2年前からお目見えしていた曲。ロカビリー時代のスローバラードですね。そしてやっぱりジェフのギターは心に染み込みます。
      M6. ”How Bad Can A Good Girl Be ”これは又聴きやすい親密感あるメロディーで一皮剥けた彼女を知ることになる気が休まる曲。
      M7. ”Bad Habit ” やっぱり出ますね、ロカビリー調の軽快な曲。
     M8.”Levitate ”親近感のあるメロディー、説得力のヴォーカル、そして隠れた色気まで臭わせて、一緒に唄いたくなるような曲。
     M9. ”When Its My Time ”こんなカントリー・ブルースっぽい曲も登場。昔、プレスリーが激しい曲の後にしっとり唄い上げた姿とダブリますね。上手い。 
     とにかく全体的に非常に聴きやすい説得力十分の曲とヴォーカル。ソフトであるが、やや陰影のあるところが味噌だが、決して暗くない。そして軽快な曲も交えてのまあ見事なアルバムに仕上げている。

     彼女は1974年7月10日生まれ(実はどうでも良い話だが、偶然私と生まれた月、日は一緒)、と言うことで40歳を過ぎている。アイルランドのダブリン出身のシンガー・ソングライター。本名はイメルダ・メアリー・クラビーImelda Mary Clabby 。2008年にアルバム『ラヴ・タトゥ』でメジャー・デビューしている。2012年8月に娘を生んでの母親でもある。
     このニュー・アルバムで”ロカビリー歌姫”から、”落ち着いた雰囲気の大人なシンガー”へ変貌を遂げてみせ、新たな挑戦に踏み切った。それでも印象は30歳代と言ってもよい十分の若さを感じさせる。

     このアルバム・リリースはこの4月。それを知らないで居て、ブログ「ロック好きの行き着く先は...」のフレさんに教えられました。サンキュー。


    (視聴)

           ”Black Tears”  ( 2016 )↓

          ”Cry me a River” with Jeff Beck   ( 2010 )↓

         ”Danny Boy”  with Jeff Beck  (2010) ↓

     

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    2017年5月19日 (金)

    スノーウィ・ホワイトSnowy WhiteライブDVD&CD「Live at Rockpalast」

    長年の結成バンドの総集編的アルバム

     先日スノーウィ・ホワイトのソロ・アルバム紹介したところで、それならばと是非とも彼の長年結成してきた「SOWY WHITE & THE WHITE FLAMES」を味わうべく、彼らの究極のライブ・アルバムをここで紹介することとする。
     CD2枚、DVD1枚というライブを映像とCDアルバムをカップリングしての豪華版。

    <Blues Rock>
    Snowy White 「Live at Rockpalast 」 
    Repertoire / UK / REPUK 1208 / 2014

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    SNOWY WHITE & THE WHITE FLAMES
    Snowy White : Guitor & Vocals
    Walter Latupeirissa : Bass & Vocals
    Max Meddleton : Keyboards & Percussion
    Juan Van Emmerioot : Drums & Percussion

    Snowy_white_00 もともと1983年に、彼は遅まきながらソロとして『White Flames』というアルバムをリリース。これから彼のアルバムリリースが始まるわけだが、1996年に、彼のこのアルバム名を付けたトリオ”SNOWY WHITE & THE WHITE FLAMES”を結成(彼のGuitor & Vocalsに、Juan van Emerloot(drums,percussion) と Walter Latupeirissa(bass)の二人のオランダ出身のミュージシャンと共に)し、アルバム『No Faith Requred』をリリースして、その後このメンバーでは2011年の『Realistics』 までに8枚のアルバムがある。ロック、ブルースを演じてのホワイトにとっては大切なバンド。
     
      このメンバーは、時にキーボードを加えながら、ずーと変わらず来ているのだが、近年の活躍は少ない。そろそろ活発な再開するのを期待しているのである・・・・。
     さて、このアルバムは2007年と、それより約10年前の1996年のドイツにおけるライブを収録したものだ。それを2014年にリリースしたということは、総決算なのか、よっぽどお気に入りなのか・・と、いろいろと想像してしまう。
     それは、①ドイツ人気TV音楽番組Rockpalastの放送用にレコーディングされたもの(07年11月5日ドイツForum Leverkusenで行われたLeverkusener Jazztage出演)、②96年4月20日同じくLeverkusenで行われたCrossroads - Blues & More Blues Fest出演の2つだ(↓)。

    DVD: (2 shows on one disc, Stereo and 5.1 Surround Sound)

    (1) SNOWY WHITE & THE WHITE FLAMES: ‘Live At Rockpalast'
    Leverkusener Jazztage, Forum Leverkusen, Germany, 5th November, 2007
    1. I'll Be Moving On
    2. American Dream
    3. No Faith Required
    4. Whiteflames Blues
    5. A Miracle I Need
    6. Wintersong
    7. Terpisah
    8. A Miracle I Need (reprise)
    9. Interview (with Snowy White)
    10. I Loved Another Woman

    (2) SNOWY WHITE:
    Rough Cut - Not Broadcast ‘Crossroads - Blues & More',  Bluesfest Leverkusen, Germany, 20th April, 1996
    1. Intro
    2. Looking For Somebody
    3. Welcome To The Blues
    4. American Dream
    5. That Ain't Right
    6. No Faith Required
    7. Working Blues
    8. A Miracle I Need
    9. Long Grey Mare

     これにオーディオ用として、2枚のCDに17曲が収納されて同梱されている。

    Walter22000w このaudiovisual作品DVDは、やっぱりなんと言ってもホワイトのギターに注目、彼はもともとギブソン・レスポールを愛用しているのだが、やはりそのテクニックは素晴らしい。ギター・テクニックというと、いまやジェフ・ベックがその名を欲しいままにしているが、このホワイトも決して劣るところは無く、そのサウンドの多彩さに感服できる。
     ベースのWalter Latupeirissa(→) のJazzyなプレイもなかなか味のもの。
     彼らのライブ演奏姿がリアルに感じられるところで、映像も落ち着いていてじっくり楽しめる。

    Juan2copy2307w(1)2007年Rockplastもの
      これは、なかなか充実している。トリオにMax Meddleton のキーボード加わってて、曲の造りにも厚みが出来てなかなか味がある。映像も特にホワイトのギター・プレイをアップで見事に捉えていて、彼のようなテクニシャンが好むフィンガー・ピッキング・テクニックを堪能できる。
     中身は、既にCDリリースされていた2006年のライブ収録アルバム『LIVE FLAMES』 (2007)で私はしっかり聴いてきたので、ビックリするような珍しさはないが、やっばり映像ものはそれなりに楽しめる。
     アルバム『Little Wing』に登場する彼の十八番の”I'll Be Moving On”からスタート。彼の歌よりもうまく歌いあげるギターの音色に酔いますね。
     ”Whiteflames Blues”は、やっぱり彼の持ち味ブルースの世界をしっかり見せつける。
     1994年のソロ・アルバム『Highway to The Sun』からの曲”I Loved Another Woman”での終盤のホワイトの繊細なるギター・プレイには心底堪能し、彼の音楽的センスに感動するのである。

    (2)は、このトリオ・バンド結成時のライブ映像、若きホワイトのテクニックが前面に出ていて彼の張り切りようが解る。当時の”American Dream”は見応え有り。記念的価値たっぷりの映像だ。
     
     とにかく、ここに来ての彼のライブ総集編を観るに付け、このような彼の存在はブリティッシュ・ロック界にとっても貴重であることを改めて知るのである。

     参考までにCD2枚はこんな内容だ。

    <CD 1>
    1. I'll Be Moving On
    2. American Dream
    3. No Faith Required
    4. Whiteflames Blues
    5. A Miracle I Need
    6. Wintersong
    7. Terpisah
    8. A Miracle I Need (reprise)
    9. I Loved Another Woman

    CD 1, tracks 1-9 from SNOWY WHITE & THE WHITE FLAMES‘Live At Rockpalast', Leverkusener Jazztage, Forum Leverkusen, Germany, 5th November, 2007

    <CD 2>
    1. Looking For Somebody
    2. Welcome To The Blues
    3. American Dream
    4. That Ain't Right
    5. No Faith Required
    6. Working Blues
    7. A Miracle I Need
    8. Long Grey Mare

    CD 2, tracks 1-8 from SNOWY WHITE Rough Cut - Not Broadcast‘Crossroads - Blues & More', Bluesfest Leverkusen, Germany,  20th April, 1996

    (視聴)

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    2017年5月15日 (月)

    スノーウィ・ホワイトSnowy White久々のアルバム「RELEASED」

    一つの境地、非常に聴きやすいブルース・ロック

    <Blues, Rock>
    Snowy White「RELEASED」
    Snowy White / Imp. / SWSOLO2016 / 2016


    Released

    all musics : written by Snowy White
    Guitar : Snowy White
    All instruments, synths and Programming and vocals : Snowy White

     私の愛するギタリストの一人、スノーウィ・ホワイト(Snowy White =本名Terence Charles White 1948年英国生まれ)のソロ・アルバム。彼ほど実力がありながら、目立たないロック・ギタリストはいないと言ってよいぐらいだ。常に一歩控えめな位置に居り、それだけに奥深さと味の深さを感じ取れる。そんな真摯にして紳士な彼の近作がこれだ。

     とにかくリラックスして聴けるブルース・ロック。今のスノーウィ・ホワイトのギターは激しさはなく、非常に心地よい響きだ。
     近年は、ピンク・フロイド時代からのお付き合いで、ロジャー・ウォーターズのツアーやライブには必ず同行している彼だが、あのウォーターズの足かけ4年に及んだ「The Wall ツアー」をこなし、そして昨年は「Desert Trip 2016」など、とにかく社会に常に打って出るウォーターズを、いつも静かに見守っているかの如くのツアー同行でのギター・サウンドを聴かせてくれている。そんな彼だが、昨年の少々の休みに、多分ふと我に返ってのことと思うが、独自のレーベルでこんなソロ・アルバムをリリースしていた。(彼のバンド・アルバム『REALISTIC』(2011年)、ライブ・アルバム『Live at Rockpalast』(2014年)以来の新作)

    (Tracklist)
    1.  Opening Peace
    2.  The Blues Talking
    3.  It's All Down To Me
    4.  It's Always Love (That Breaks Your Heart)
    5.  Out Of Control
    6.  I Know What's Coming
    7.  Blue Day
    8.  Blues On A Borrowed Guitar
    9.  Life Full Of Lonely
    10.  Missing..
    11.  Wrong Side Of The Tracks
    12.  Everything - It's Alright
    13.  How Was It For You

    Sw3

     なんとも優しく聴きやすい彼のエレキ・ギタ-・サウンドや彼の演ずる各種演奏機器(シンセサイザー等)そしてヴォーカルでブルース・ロックを展開するソロ・アルバム。ホワイトは、ギターは殆どフェンダーでなく、ギブソン(レスポール)を使うところが特徴だ。
     M8.”Blues On A Borrowed Guitar”を代表的に、得意のブルース・ギターを十分味合わせてくれる。
     いずれにしても、このアルバムの彼のギター・サウンドは、全体的に非常に角の無い優しさとクリアな音色とで、時に泣きも入って聴く者をして安らげてくれる。
      M9.”Life Full Of Lonely”は、彼の得意な繊細なクリアーにして軽快なギター・サウンドを、このアルバムでは珍しく”The White Flames”のメンバーと共に聴かせてくれ、近年お付き合いのMax Middletonのピアノとの交わりがなかなか洒落ていて味わい深い。
      M.10 ”Missing...”は、ギター・サウンドと曲の流れとが、ちょっとピンク・フロイド風の仕上げ。ところが彼のヴォーカルで全く別物となるが、それは上手いのか下手なのかよく解らない独特のもので、これはホワイトだとすぐ解るもの。

     もともと以前にも取りあげてきたが、彼には3つの世界を持っている。一つは延々と続いてきたシャジィーでブルージィーなロックである「Snowy White & The White Flames」、そして彼のブルースの世界「Snoey White's Blues Agency」や「The Snowy White Blues Project」、それとピンク・フロイド時代からの「ロジャー・ウォーターズとのお付き合い」だ。
     今回のアルバムはそれらから離れての完全のソロ(4曲を除いて)。自己でマルチ楽器をこなしている。私の印象とすれば、まさにウォーターズとのお付き合いの一休みの一時に、心安まる世界を構築したという感じである。
     いやはやホワイトらしい、万人に聴いてもらいたいクリアーで美しく真摯なギター・アルバムである。

    (試聴)

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    2017年4月27日 (木)

    ロジャー・ウォーターズRoger Watersニュー・アルバム「Is This The Life We Really Want?」

    社会に訴えるニュー・アルバムリリース間近

     Creative Genius of Pink Floyd(ピンク・フロイドの創造的鬼才(守護神))のロジャー・ウォーターズの『死滅遊戯Amused to Death』(一昨年リニューアル)以来25年ぶりのスタジオ・ニュー・アルバムが6月2日に登場する。これがかなり内容が見えてきましたね。
     

    <Progressive Rock>

    Roger Waters 「Is This The Life We Really Want?」

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    (Members)
    Roger Waters – vocals, acoustic guitar, bass guitar

    Nigel Godrich – keyboards, guitar, sound collages, arrangements
    Gus Seyffert – guitar, keyboards, bass guitar
    Jonathon Wilson – guitar, keyboards
    Roger Manning – keyboards
    Lee Padroni – keyboards
    Joey Waronker – drums
    Jessica Wolfe – vocals
    Holly Proctor – vocals
    Lucius – vocals

     プロデューサーはNigel Godrichか?、アルバムはプロデューサーによって出来の印象が変わるが、彼はどちらかというとプログレ系と言うよりはオルタナティブ・ロックでしょうね。過去の仕事はRadioheadが有名かと思うが・・・・、しかしU2、 Beck、 Paul McCartneyのアルバムに関係している。近年のウォーターズの流れはむしろその線で良かったのかもしれない・・・・・。

    Rw4


    (Tracklist)

    1. “When We Were Young” 1:38
    2. “Déjà Vu” 4:27
    3. “The Last Refugee” 4:12
    4. “Picture That” 6:47
    5. “Broken Bones” 4:57
    6. “Is This The Life We Really Want?” 5:55
    7. “Bird In A Gale” 5:31
    8. “The Most Beautiful Girl” 6:09
    9. “Smell The Roses” 5:15
    10. “Wait For Her” 4:56
    11. “Oceans Apart” 1:07
    12. “Part Of Me Died” 3:12

    17798911_13831040w このうちM9.”Smell The Roses”は、5分15秒全曲公開された。アコースティック+エレキ・ギターそして乾いたドラムスによる流れの中で、ウォーターズのヴォーカルは、やはり時代を歌いあげていて、中盤からはガラッと変わって、SEをふんだんに含めてプログレ・サウンドが全開、なかなか面白そうだ。
     ここに来て益々世界情勢は不安定化する中で、台頭するナショナリズム(国家主義)、ポピュリズム(人民主義)など不確実性の増した世情の中に生きる我々は、あの第二次世界大戦の反省から築いてきた社会、そしてそこに生活する我々にとって今やこの現実は何か?と問いながら、聴く者に問題意識を訴えているのだろう。彼のコンセプトは一貫している。
     ウォーターズがここに来て現実の嘆きからの創造意欲の高揚があったに違いない。
     リリース前の今、期待しているところである・・・・・・・

    (試聴) .”Smell The Roses” and “Déjà Vu” from New Album

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    2017年4月20日 (木)

    エイミー・マクドナルドAmy Macdonald の久々登場アルバム「UNDER STARS」

    華麗なメロディーと軽快に弾むリズムに哀感有り

    <Folk Rock, Indie Rock>
    Amy Macdonald 「UNDER STARS」
    Melodramatic Records / EU / 5728885 / 2017

    Nnw

    All songs written by Amy Macdonald
    All Tracks Mastered by Geoff Peche at Abbey Road Studio, London

     スコットランド出身(1987年8月25日生まれ)で、2007年アルバム『This Is The Life』でデビューして、全英チャート一位を獲得して話題になったエイミー・マクドナルドの5年ぶりの4thアルバム。彼女は父親のギターを使い独学で演奏方法を習得。その後、グラスゴー近辺のパブ、コーヒー・ハウスで演奏を始めたというたたき上げの実力派。
     2nd『A Curious Thing』(2010年)、3rd『Life in a Beautiful Light』(2012年)はヨーロッパの多くの国でトップ10入りを果たし、アルバム3枚のトータル・セールスは500万枚を超える彼女だが、ここに久々の登場だ。
     
    Truecolors31news03w 前回、彼女のステージ映像版を取りあげたが(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/index.html)、アコースティック・ギターを演じながらの彼女のヴォーカルは、やや独特の声質でコントラルト(アルト)というやや低め声域で唄うためきつさが無く、聴く方にも聴きやすい。
     全曲彼女自身の作詞作曲ものであり、リズム感が快調で軽快に弾む曲を得意としていて、私の場合、日頃好きなユーロ・ピアノ・トリオ・ジャズなどを聴いているなかで、この春を迎え気候も弾んでくると、こうした躍動感あるアルバムも聴きたくなってくるのである。

    5fec2944aw(Tracklist)
    1. Dreamon
    2. Under star
    3. Automatic
    4. Down by the water
    5. Leap of faith
    6. Never too late
    7. The rise & fall
    8. Feed my fire
    9. The contender
    10.Prepare to fall
    11.From the ashes

     このアルバムも快調な疾走感の曲でスタートするが、M2.”Under star”はエミー節が全開し、M4.”Down by the water”では、ちょっと変わって説得力のある歌を披露する。
     又M6”Never too late”、M10”Prepare to fall ”などのスローにして哀愁も感じられるしっとり歌いあげる曲も登場する。
     全体的には躍動感の曲の流れがあるが、何故か何となく哀感を歌いあげていて、その辺りが魅力の一つにも思う。このアルバムも全英2位に挙がっている。
      デビュー当時と違って実生活も大人の世界に入っているが、まだまだ若さの躍動は失われていない。曲によってフォーキーな印象が薄くなって、結構ポップなところが、今回のアルバムの特徴かとも思うが、彼女のインディーなロック感覚は健在で、まだまだ成長は感じられるところであった。

    (視聴)

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