ROCK

2018年4月26日 (木)

ヘイリー・ロレンHalie Lorenのニュー・アルバム 「FROM THE WILD SKY」・・・・・・・・(別話題)アレッサンドロ・ガラティ決定盤登場

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ちょっと期待外れのポップ化路線は彼女の原点回帰?

<Jazz, Pop>
Halie Loren 「FROM THE WILD SKY」
Victor Entertaiment / JPN / VICJ-61772 / 2018

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Halie Loren : Lead Vocals, Piano, Ukulele, Harmonium, Clap & Stomp
Produced & Mixed by Troy Miller



 ヘイリー・ロレンHalie Lore(1984年アラスカ生まれ)と言えば、何と言っても、彼女は今やその美貌と作曲能力とヴォーカルの色気で日本ではジャズ・ヴォーカリストとしては人気No1といっても過言では無い。2016年にライブ・アルバムはあったといえ、スタジオ・アルバムとしては、久々のニュー・アルバムだ。
 そしてなんと驚きですね、今作は10曲彼女によって書かれたオリジナル曲集だ。しかも彼女のリード・ヴォーカルは当然だが、ピアノその他の楽器演奏も演じている。又このアルバム・ジャケも今までのアルバムと違いは感じていたが、なんと彼女のアート・ワークとデザインである。こうしてみると、これは完全に彼女がやりたいことをやったというアルバムとみて良いのだろう。
 更に、英国人プロデューサー、トロイ・ミラーをプロデューサーに迎えコンテンポラリーにしてジャジーな因子の強いとは言え、完全なポップ・アルバムなのだ。

 彼女は、14歳でプロとして歌い始め、22歳(2006年)に自作曲を収録する『Full Circle』(White Moon Production)でアルバム・デビュー。そしてその後の2008年のアルバムが日本で2010年に『THEY OUGHTA WRITE A SONG 青い影』(VICJ61618)として発売され、あっと言う間に人気歌手となる。2012年には初の来日公演などにより人気は不動となり、毎年来日している。

11994398243_7fbed37c6d(Tracklist)
1. Roots
2. How to dismantle a life
3. Wild birds
4. Paper man
5. I can't land
6. Well-loved woman
7. Painter's song
8. August moon
9. Noah
10. Wisdom
11.A mi Manera
12. In My Life *
13. Turn Me On *

 (*印:日本盤ボーナス・トラック)

  彼女のライブには、もう毎年の行事になっているコットン・クラブに2回参じたが、披露曲はジャズ・スタンダードが主力。従って今回のアルバムも、てっきりスタンダード・ジャズ・ヴォーカル集と思っていたのだが、このポップ曲には、ちょっと肩すかしを食らった感覚である。

Fullc2 思い起こせば、彼女のオリジナル曲が主体のアルバムというのは、あのデビュー・アルバム『Full Circle』(→)以来かも知れない。そしてあのアルバムの再来と言って良いと言える今作だ。それは12年ぶりの原点回帰ということでもある。
 日本でのヒット『青い影』以来、作られたヘイリー・ロレン像というのは、Jazzy not Jazz路線で、しかもバラード曲が人気を集めているわけであるが、ライブでの彼女の軽快なアクションをみるにつけ、やっぱりジャズというよりはロック寄りに彼女自身は一つの焦点を持っているのかも知れない。そして『Full Circle』同様、彼女の作品集である今作は、ロックから進歩したオルタナティブ・ミュージックであった。しかもあのデビュー作よりはむしろ更に大衆的に解りやすいところのポップ化されたところとなっているのは、若干後退かと残念がるところである。むしろここに至るのであれば、もっとロック、ポップからの異質性・変質性を高めて欲しかっようにも思うのである(その点では『Full Circle』のほうが面白い)。

   ジャズっぽくて、ちょっと面白い曲はM4. "Paper man"あたり。又 M5. "I can't land"は、ややしっとり感もあって楽しめる。M8.."August moon"、M9. "Noah"は、美しいポップ曲 。11番目に登場する”マイ・ウェイ”("A mi Manera")は、スペイン語でのヴォーカルで魅力的、これが一番ヘイリー・ロレンらしい出来。ライブからのビートルズなどのボーナス曲2曲も彼女らしい曲仕上げ。

 まあ今作は、ロックも好きである私にとっては、この手のポップなアルバムも悪くは無いのだが、こうして聴いてみると、やっぱり彼女への期待はジャズ系のヴォーカルにあるのだろうと言うことをあらためて感じたのであった。
 
(評価)
□ 曲・演奏・ヴォーカル: ★★★★☆
□ 録音          : ★★★★☆

(参考視聴) このアルバムとは全く関係ないHalie Lorenをどうぞ・・・

                *          *          *          *          *

[追記]

本日到着・・・・・

ついに寺島レコードからアレッサンドロ・ガラティ・トリオ決定盤登場

Alessandro Galati Trio 「Shades of Sounds」
TERASIMA RECORDS / JPN / TYR-1062 / 2018


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Alessandro Galati  : piano
Gabriele Evangelista  : bass
Stefano Tamborrino :  drums

Recorded, Mixed & Mastered by Stefano Amerio
Producer : 寺島靖国


Shadeslist 待望のアルバム本日到着。美旋律ピアニストのAlessandro Galatiの決定盤だ。
 あの寺島靖国が、気合いを入れてのアルバム・リリース。
 ガラティのオリジナル曲は1曲”Andre”の再録音版。あの私のガラティとの接点が出来た1994年のアルバム『TRACTION AVANT』からの美旋律の名曲。
 録音は名エンジニアのステファノ・アメリオとくるから文句の付けようが無い。ピアノとシンバルそしてベースの響きが抜群。

 評価はじっくり聴いてのここへの再登場により、しっかりしたいと思っている。
 収録曲は右記。
 とにかくスタートの"After You Left"からうっとりである。
 ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーンも登場。
 いずれにせよ、今年No1候補がここに登場した。

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2017年12月26日 (火)

ドリーム・シアターDream Theater 映像盤 「LIVE AT BUDOKAN 2017」

あのプログレ不作期の華(25年前)を~今年の華に再現

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<Progressive Metal-Rock>
Dream Theater 「LIVE AT BUDOKAN 2017」
IMPORT/ IMP20170911DVD / 2017

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Live at Nippon Budokan, Tokyo, Japan 11th September 2017
PRO-SHOT COLOUR NTSC   LINEAR PCM STEREO    Approx.149min.

  Dream Theaterのジャパンツアー『IMAGES, WORDS & BEYOND 25th Anniversary Tour』が今年9月9日愛知(豊田市民文化会館)から14日東京(東京国際フォーラム)にかけて5会場にて開催。その9月11日は日本武道館でのライブだった。その模様を完全収録している。この来日は彼らの「ワールド・ツアー」の一環として行われたものだ。

Dreaamtheter_cdw 1992年に発表された彼らの2ndヒット・アルバム『Images And Words』(今にして聴いてみても完成度は高い→)が今年でリリース25周年を迎えた。それを記念して行われたもので、ライブはこの完全再現を含む2部構成、計3時間の演技。なにせ1992年当時はプログレの低迷期、このDream Theaterの出現には多大な期待を持ったものだった。とくにこの2ndアルバムのポップな"Pull me Under"が新加入したジェイムス・ラブリエのヴォーカルでヒットして日本でも人気最高峰に至った。そして来日ライブが中野サンプラザにて実現した。当然私も炎天下の夏に馳せ参じたのを懐かしく思い出すのである。とにかく彼らはプログレ御三家が潰れた後の光であって、全盛のメタル・サウンドも持ち合わせていての快進撃だった。

 そしてここに登場は、あれから25年後の彼らの今年の映像モノであり、ブートと言ってもオフィシャルに近いモノで、映像クオリティもプロショットにての良好のDVD2枚組みでのリリース、音声も圧縮の無いリニアPCMで収録もの。いやはやもうあれから25年になるのかと、自分の歳を数えつつ当時に想いを馳せながら見るのも感慨深い。ただメンバーの二人Kevin Moore(Key)とMike Portnoy(Drums)は既に変わっているわけで、このあたりはロック・バンドの難しさを感ずる一面でもある。

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 冒頭は、"The Dark Eternal Night"(アルバム『Systematic Chaos』(2007)から)だ。それ程支持があったわけでないこのアルバムの曲を持ってきた意味はよく解らないが、ヘヴィ・メタリックで変拍子で複雑である彼らの腕の見せ所みたいな曲で有り、オープニングから圧倒しようという企みか、ライブとしては一気に会場を唸らせて成功していると言っても良いのだろう。
 とにかく彼らのサウンドは、複雑怪奇なハイレベル演奏技術による強烈とも言えるアンサンブルの妙を変拍子の展開をみせながら、ジョン・ペトルーシ(Guitar)の低音が効いたヘヴィなギターリフで迫ってくるところが圧巻だ。しかも要所要所に美旋律も効かせたスロー・ナンバーでうっとりさせる技もあって聴く者をして魅了してしまうのだ。

Dsc_1946compw 今回の目玉”『Images And Words』完全再現”では、全曲75分の拡張バージョンで、"Pull Me Under"のラブリエの熱唱や、"Another Day"にはルーデス(Keyboards)、"Take The Time"にはペトルーシ(Guitar)のソロに近い演奏、更に"Metropolis Pt. 1"にはマンジーニ(Drums)の高速ビート・ソロも盛り込まれサービス満点。又"Wait For Sleep"のキーボードのしっとり聴かせるイントロ、それに続いての説得力あるヴォーカルはさすがである。マイアング(Bass)も全曲地味ではあるが相変わらず複雑にしてハイテンポのベースによるリズム作りも大いに貢献していた。

 更に、これでもかとアルバムA Change of Seasons』のからのアルバムでも25分近くの大曲"A Change of Seasons"完全再現も大サービスで、もはや懐かしの曲になっているところを現代風にアレンジもあって感動ものであった。しかし未だにこれだけのエネルギッシュな彼らの演奏は、やっぱりお見事と言って良いだろう。~いやはや、あれからもう25年なんですね。彼らももうベテラン組となった。


Dsc_0782compw(Tracklist)
Disc 1 
1. Intro: The Colonel
2. The Dark Eternal Night
3. The Bigger Picture
4. Hell's Kitchen
5. The Gift of Music
6. Our New World
7. Portrait of Tracy (Bass Solo)
8. As I Am (incl. Enter Sandman)
9. Breaking All Illusions

Dsc_0368compwImages and Words:
10. Intro: Happy New Year 1992
11. Pull Me Under
12. Another Day

 Disc 2
1. Take the Time
2. Surrounded
3. Metropolis Pt. 1: The Miracle and the Sleeper (incl. Drum Solo)
4. Under a Glass Moon
5. Wait for Sleep
6. Learning to Live

Dsc_2604compw7. A Change of Seasons:
I The Crimson Sunrise, II Innocence, III Carpe Diem, IV
The Darkest of Winters, V Another World, VI The Inevitable Summer, VII The Crimson Sunset

(参考)2017年ジャパン・ライブ
9/9(土) 愛知 豊田市民文化会館 大ホール
9/10(日) 広島文化学園HBGホール
9/11(月) 東京 日本武道館
9/13(水) 大阪国際会議場メインホール
9/14(木) 東京国際フォーラム ホールC

(視聴)

 

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2017年11月23日 (木)

現代ピンク・フロイドPink Floyd論 = 番外編-その1-

PINK FLOYD

「お祭り騒ぎ」と「総決起集会」 ~ デビュー50周年の話題

 ロックの歴史の中で日本人は最も”プログレッシブ・ロックの好きな民族”と言われているらしい(私もその構成員)。その中でも、このピンク・フロイドというロック・バンドの占める位置はまさに異常というか、怪奇というか・・・・70年代アルバムが未だにヒットチャートに登場しているところはキング・クリムゾン、イエス、E.L.P.、ジェネシスと言えどもあり得ない事実なのである。
 そのピンク・フロイドが今年はデビュー50周年と言うことで、又々騒ぎは大きくエスカレートしている。ロック・ミュージック界の低調の中では、唯一商業価値が間違いないと言うことで、ロンドンでは「ピンク・フロイド大回顧展」が開催された。このフロイドの『神秘』(1968)、そしてキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』(1969)以来は完全リアルタイムでロック・ファンあった私は、長いお付き合いにふと想いを馳せるのである。

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 まあ回顧は別として、今年もピンク・フロイド絡みでは、デヴィッド・ギルモアの「飛翔ライブ=ライブ・アット・ポンペイCD+DVD発売」、そしてロジャー・ウォーターズのニュー・アルバム『is this the life we really want?』と「UA+THEM ライブ」は、もはや何をさておいてもロック界のトップニュースになってしまっているのだった。

 さて、そんな中であの奇妙な意味の解らない2014年のアルバム『永遠』で幕を下ろしたかの感のあるピンク・フロイドだが、それがどうして益々ここにギルモアとウォーターズの価値感が高揚していることが、我々をして興味の渦に陥れるのである。

 まずギルモアは、結構なことに取り敢えずはギルモアらしいアルバム『飛翔』(Columbia/88875123262)をリリースして、ようやくピンク・フロイドという重責から逃れて自分を演じた。そしてその「飛翔ライブ」を欧州南北米ツアーを展開、その中でも欧州各国の遺跡や古城、宮殿などでの世界遺産公演を敢行したのであった。
 一方ウォーターズは、なんとロック・アルバムとしては25年ぶりに『is this the life we really want?」』をリリースし、同時に「UA+THEM ライブ」南北米ツアーを半年に渡って展開、更には来年早々引き続いてオーストラリア、欧州ツアーを行う。


■ デヴィッド・ギルモア『ライブ・アット・ポンペイ』 (Sony Music/SICP-31087)

Liveatpompeii こんな流れから出てきたギルモアのライブ版
 『ライブ・アット・ポンペイ』 (SonyMusic/SICP-31087)(→)
  もちろん彼の”「飛翔」ライブ”の一会場モノである。それもCDそしてDVDと映像絡みでリリースして、”ピンク・フロイドのその昔の無人ポンペイ遺跡円形闘技場の記念すべきライブ”の再現とばかりにアッピールしているのである。
 いやはや頼もしいと言えば頼もしい、しかし如何せんギルモア女房のジャーナリストのポリー・サムソンの商業主義の展開そのもので、ギルモアの意志はあるのかないのか、派手なライト・ショーが会場いっぱいに展開、なんとお祭り騒ぎに終わってしまっている。もともとアルバム『飛翔』も、”アダムとイヴの旅立ち”という如何にもコンセプトというか思想があるのか無いのか、むしろ無いところがギルモアらしい。まあ女房の作詩頼りに彼女の発想にまかせての気軽さだ(それが良いとの見方もあるが)。
 しかしそうは言っても、あのかってのピンク・フロイド時代の曲を織り交ぜてのギター・サウンドの魅力を引っさげての展開は、それはそれファンを酔わせてくれるのである。まさにギタリストの所謂「The Voice and Guitar of PINK FLOYD」なのである。
 しかし、ウォーターズの去ったピンク・フロイドを数十年引きずってきた男が、あの昔のピンク・フロイドの円形スクリーンそままで、ピンク・フロイドは俺だと言わなければならないところに、未だピンク・フロイド頼りの姿そのままで、ちょっと哀しくなってしまうのである。

■ ロジャー・ウォーターズ『US + THEM ライブ』

Isthisthelife 一方ロジャー・ウォーターズは、70歳を過ぎた男にして、今日の混乱の時代が作らせたと誰もが信じて疑わないアルバム『is this the life we really want?」』(Sony Music/SICP-5425)(→)をリリースした。
 それはNigel Godrichとの名コンビで、”現代プログレッシブ・ロックはこれだ”と圧巻のサウンドを展開。”ロック=ギター・サウンド”の既成概念を超越したダイナミックなピンク・フロイドから昇華したサウンドには感動すらある。
 ”歪んだポピュリズムPopulism・ナショナリズムNationalismへの攻撃”と”新たな抵抗Resistのスタート”のコンセプトと相まって、ミュージック界に殴り込みをかけた。

 そして日本の評論家の反応も面白い。何時もよく解らない事を言っている立川直樹も絶賛せざるを得ないところに追い込まれ、ロックと言う面から見ればそれこそ本物である伊藤政則は”怒り”の姿に共感し、ロックをギタリストとしてしか見れない和久井光司にはこの進化は理解不能に、最近カンバックした市川哲史の冷静な評論では、あのアルバム『風の吹くとき』のコンセプトとオーバー・ラップさせながらも、”破壊寸前の国際情勢に徹頭徹尾対峙したアジテーション・アルバムに特化した”と74歳の男の生き様に感動している。

23722640_1604990236211442_499588949 そして「UA+THEM ライブ」では、
 今回のニュー・アルバムの曲と同時に、彼の自らのコンセプトで作り上げたピンク・フロイド・アルバム『狂気』、『ザ・ウォール』、『アニマルズ』を再現している。それは今様に新解釈を加えつつ、今まさに展開している世界情勢に照らし合わせての”抵抗の姿”の展開は、”US(我々)とTHEM(彼ら)の関係”に挑戦しているのである。
 米国大統領トランプの出現は、彼に火を付けてしまった。反トランプの歌に特化した『アニマルズ』からの"Bigs (Three Different Ones)"は、トランプをしてあの歌のシャレードと決めつける。又パレスチナ問題、米・メキシコ関係問題にみる「壁」問題は、何時になっても人間の姿としての「心の壁」を含めてその存在にメスを入れている、まさに『ザ・ウォール』だ。
 しかも『狂気』の"Us and Them"に見るが如く、彼のピンク・フロイド時代の問題意識は現在に於いても色褪せていないどころか、彼の意識の高さを今にして認識させられるのである。
 (これは余談だが・・・日本に於ける安倍総理の”あの人達は”発言(これこそ"THEM")にみる危険性をも感じ得ない世相にふと想いを馳せざるをえない)
Djjhcgmuqaa_cth_3 彼は、「The Creative Genius of PINK FLOYD」とのキャッチ・コピーそのものからの展開なのである。”戦後の反省からの理想社会”からほど遠くなって行くこの今の世界情勢に、自分の出来ることはこれが全てと、彼をしてライブでの訴えに奮い立たせている。もう止せば良いのにと言うことがはばかる”戦争のトラウマ”を背負った70歳男の抵抗だ。
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*
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(取り敢えずは結論)

デヴィッド・ギルモア   ピンク・フロイド 
           (フロイドをどうしても越えられないその姿)

ロジャー・ウォーターズ  ピンク・フロイド 
           (フロイドに止まれない宿命的進化)

 この関係が益々はっきりした今年の情勢だった。過去のピンク・フロイドに”イコールの中に生きるギルモア”、”イコールもあるが宿命的にそれ以上を求めざるを得ないウォーターズ”。
▶かってのピンク・フロイドに酔いたい→「イコールこそに満足のファン」
▶あのビンク・フロイドは今何をもたらすのかと期待する→「イコールから発展的世界を求めるファン」
 どちらにとっても愛するピンク・フロイドの現在形であることには変わりは無い。

▼そして並の規模を越えた両者のライブは、
ギルモアは・・・・・・”お祭り騒ぎ”、
ウォーターズは・・・”総決起集会”
        ・・・・という構図は明解になった今年でもあった。


 今ここに、二つのピンク・フロイドが体感できる。これは我々にとって、これ以上のものはないのだろう。

                                  (いずれ続編を・・・)

(視聴)

David Gilmour

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Roger Waters


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2017年10月24日 (火)

ジェフ・ベック50周年ライブ映像版「LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」

老兵なんと老いず・・・・50周年記念というのに

<Rock>

JEFF BECK 「LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」
(Blu-ray) eagle vision / USA / FBBRD5337 / 2017

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(Blu-ray Tracklist)
1) The Revolution Will Be Televised
2) Over Under Sideways Down
3) Heart Full Of Soul
4) For Your Love
5) Beck's Bolero
6) Medley: Rice Pudding / Morning Dew
7) Freeway Jam
8) You Never Know
9) Cause We've Ended As Lovers
10) Star Cycle
11) Blue Wind
12) Big Block
13) I'd Rather Go Blind
14) Let Me Love You
15) Live In The Dark
16) Scared For The Children
17) Rough Boy
18) Train Kept A-Rollin
19) Shapes Of Things
20) A Day In The Life
21) Purple Rain

1 ジェフ・ベックは、60年代にヤードバーズでデビューでしたね。その後ジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガート&アピスやソロなどと、多彩と言えば多彩な50年経歴のロッカーだ。しかし近年はソロとしての評価が高い中、忘れがちな彼の歴史を思い起こす50周年記念ライブ映像版の登場。2016年8月10日のハリウッドボウルにおけるスペシャル・ライヴを収録している。
 登場メンバーは(→)、2016年ですから、BONESなどのお馴染み「Loud Hailer ツアー」のメンバーをベースにしている。そしてお祝いの6人のスペシャル・ゲストが登場するというパターン。しかし近年のサンタナがゲストを集めての大騒ぎほどは派手ではない。そこはジェフ・ベックの性質が出ているんでしょうね。
 なにせこの映像盤の日本ものは値が高すぎる・・・・と、言うことで一番安い輸入盤Blu-rayを待ってました。DVDよりはやっぱり画像、サウンドを考えBlu-rayってとこで。

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 Buddy Guyはよくサンタナにも顔出してますが、特に変わったところはなく貫禄と迫力のブルースですね。

Jbsw Beth Hartの上手い歌、Jan Hammerのキーボード、ZZトップのBilly Gibbonsなど最近私はあまり観なかった連中が懐かしいと言ったら変ですが、そんな感じだ。エアロスミスのSteven Tylerのロッカーぶりはやっぱりねぇ~~ってところだ。結局ロッカーは今時若い者にはまかせられないってことですかね。こういったところはやっぱり老兵スペシャルでした。
 ヤードバーズ時代の曲、ジェフ・ベック・グループ時代の曲も上手く取り入れてお祝いムードは十分にある。ソロの代表曲もしっかり盛り込んで楽しませてくれる。
 しかし、やっぱりRhonda Smithのベース、Carmen Vandenbergのギターも格好良くてね・・・Rosie Bonesも頑張っていて、Jeff Beckの女性扱いも堂に入ってます~そのあたりはやっぱり見物。70歳過ぎてもつまり現役そのもの。そうそう"A day in the life"も更に円熟してました。

 こうしてみると、近年のジェフは上手にメンバーを入れ替えしてのソロ活動が堂に入っていて、昔の連中の方がむしろ違和感が無いでは無いというのは、私の感覚がおかしいのでしょうか。
 まあ、映像版として楽しいアルバムには相違ない。

(視聴)

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2017年9月 7日 (木)

ジェフ・ベックJeff Beck 2016年ライブ映像盤2題=その1「Baloise Session 2016」

BONES とJimmy Hallとの共演~良好映像Blu-ray盤

<Rock>
JEFF BECK 「Baloise session 2016」
VIDEOSMASH / VS-299BDR / 2017


Baloisesessionw

NTSC FULL HD 16:9  Linear PCM Stereo / Dolby 5.1 Surround time approx. 76min. / 1BDR
Live at Event Halle, Basel, Switzerland on 22nd October, 2016

Jeff Beck - Guitar 
Carmen Vandenberg - Guiter
Jonathan Joseph - Drums
Rhonda Smith - Bass
Tracks 1,4,10,11,16 -  Rosie Bones on Vocal
Tracks 6,7,13,14,15 - Jimmy Hall on Vocal


 2016年ジェフ・ベックの原点回帰・スタジオ・アルバム『LOUD HAILER』(ATOCO)リリース後、BONESを引き連れてのツアーを続けていたジェフ・ベックの、歴史あるスイスのバーゼルにおける”バロイーズ・セッション”でのライブの模様が、プロ・ショットのブルーレイ映像・5.1サラウンド・サウンドで登場した。

Hollywoodbowl2016w(参考までに)
 ここに来て忙しいのは、更にジェフ・ベックがデビュー50周年の節目に行った2016年8月10日のスペシャル・ライヴを収録した映像作品が、これ又ブルー・レイ映像版で登場する。それは『LIVE AT HOLLYWOOD BOWL』(→)で、こちらはスティーヴン・タイラー(エアロスミス)、かってコンビのキーボーディストのヤン・ハマー、更にいつものお付き合いの今やブルースの主といったバディ・ガイ、ZZトップのビリー・ギボンズや女性シンガー・べス・ハートをゲストに迎え、まさにスぺシャルそのものの記念ライブ。こんな堪らない映像版も登場する(これに関しては次回とする)。

 さて、本題に戻って、2016年10月22日スイス・バーセル・イベントホールで収録されたこの公演はハイヴィジョンTV放送されたもので、最高レベル・プロショット映像・サウンドで楽しめるので嬉しい限り。

Rosiejeffw(Tracklist)
1. The Revolution will be Will Be Televised
2. Lonnie on the Move
3. Live in the Dark
4. The Ballad of the Jersey Wives
5. You Know You Know
6. Morning Dew
7. A Change Is Gonna Come
8. Big Block
9. Cause We've Ended as Lovers
10. O.I.L. (Can't Get Enough of That Sticky)
11. Scared for the Children
12. Beck's Bolero
13. Shapes of Things
14. Rollin' and Tumblin'
15. Superstition
16. Right Now


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 い~や、何時見てもジェフ・ベックはかっこいいですね。デビュー50周年とは信じられないところだ。この今回のツアー映像はいろいろとブートでも見ましたけど、このBlu-ray版は最高です。ギターを弾く指先の細かい動作までしっかり見れます。
 今回共演したRosie Bones も例のごとくステージ・アクトは歌以上に派手で・・・・尖っているムードはロックとして楽しめる。意外にCarmen Vandenberg のギターはおとなしいが、まあジェフとのツインですから遠慮しているんでしょうね。ほんとはもう少し暴れさせてやって欲しかった。しかし近年はジェフは若い女性軍をうまく使ってますね。
 アルバム『LOUD HAILER』からの曲を、主としてRosie Bonesにステージ華やかにさせ、そうはいっても ”Big Block”、” Cause We've Ended as Lovers”、 ”Rollin' and Tumblin'”などなど、過去の注目曲をしっかり盛り込んで楽しませる。更にハーモニカ奏者でヴォーカリストのJimmy Hall (もう昔だが、ジェフ・ベックの1985年のアルバム『フラッシュFlash』でヴォーカルを演じた)には又彼のブルース調なども聴かせて一段とライブを厚くしている。もう彼も70歳に近いはずだが歌は衰えていない。今でもジェフは彼との共演を楽しんでいる。
 私は結構Rhonda Smith のJazzyな Bassが好きなんですが、それも生かして楽しいステージにしていて先ずは結構なライブであった。

(参考視聴)
”Live in the Dark”

            *                       *

  Tokyo Internatinal Forrum 2017

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2017年8月30日 (水)

サンタナ&アイズレー・ブラザーズThe Isley Brothers ・ Santana 「Power of Peace」

世界の平和と愛を歌いあげる~期待を超えた注目盤

<Soul, Funk,  R&B, Rock>
The Isley Brothers ・ Santana  「Power of Peace」
Legacy Recordings / USA / 88985448512 / 2017

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 Produced & Arranged by Carlos Santana
 
   ジャズ・ピアノ・トリオの抒情的プレイに浸ったり、時にプログレッシブなロックに入れ込んだり、はたまたクラシックのオーケストラ演奏に没頭したりと・・・音楽生活も多種多彩で異常ではないかと言われるのであるが、一向に疑問すら持たない私なのである。そんな流れの中で、ふとこんなソウル・ファンクといった世界にも魅力を感じてしまう。

 今回は、あのサンタナが導入源であった。そう、あっと驚きのサンタナ・バンドの大集合で、昔のラテン・ロックの華を思い起こしてくれた「サンタナⅣ」であったが、あれにゲスト参加したロナルド・アイズレーが今回の話題。どこでどう結びついたかは知らないが、40年、50年という歴史の中で、なんとサンタナ合流でのアイズレー・ブラザーズのアルバムがリリースされたのだ。
 まあ、そんな事になったので、なにはともあれ聴くと言うことになるのである。主力メンバーは下のようになる。

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  このメンバーを見ても、やっぱりアルバム・タイトルどおり「平和」がテーマなんだろうと思う。中身はなんだかんだと言ってもソウル、ファンク、ブルース、ジャズ、ポップスからの彼らが選んだ名曲群、今世界はつまらぬ抗争を繰り返している中に、もっと「平和と愛の心」に想いを馳せろと言わんばかしのアルバムなのである。トランプにも是非聴いて欲しいと言うところだ。
 アイズレー・ブラザース(ロナルド・アイズレー(Vo)、アーニー・アイズレー(G))にサンタナが合流と言うことは、当然女房のシンディ・ブラックマン・サンタナ(Dr)も参加している。そして更にベース、パーカッション、ヴォーカル等で10人以上のミュージシャンが、曲によって必要度で参加している豪華版。なにせロック界とR&B界双方で半世紀以上頑張ってきたこの連中のジョイント版は、やっぱりこの時代にこそ注目しておかねばならないし、どんな演奏や歌を聴かせるかは興味が湧くところである記念盤なのである。

     Absence of conflict is PEACE  --Carlos Santana !

Theisleybrothersandcarlossantana(Tracklist)
“Are You Ready”
“Total Destruction To Your Mind”
“Higher Ground”
“God Bless The Child”
“I Remember”
“Body Talk”
“Gypsy Woman”
“I Just Want To Make Love To You”
“Love, Peace, Happiness”
“What The World Needs Now is Love Sweet love”
“Mercy Mercy Me (The Ecology)”
“Let The Rain Fall On Me”
“Let There Be Peace On Earth”


 いっやーー、やっぱりツイン・ギターのハイパワー・バンドが聴かれる。サンタナ・バンドとは一味違ったところが聴きどころである。
 スタートはKarl Parazzoのパーカッションが鳴り響くところはサンタナ効果だねぇ~。そしてラテン・ロック調に染められたハイパワー曲がエネルギッシュなロナルド・アイズレーのヴォーカルで色づけられる。ギターもかなり騒ぎます。そしてベースにはやっぱりサンタナ・バンドからBenny Rietveldが加わっている。
 5曲目の“I Remember”が異色だ。これはシンディ・ブラックマン・サンタナの曲で、彼女のヴォーカルが聴かれる。いや~~知らなかったが、彼女のヴォーカルはなかなか魅力的。
 Billie Holidayの“God Bless The Child”、Curtis Mayfieldの“Gypsy Woman”の2曲では、情緒ゆたかな味わいあるロナルドのヴォーカル、そして美しいサンタナのギターと納得の曲。
 “Body Talk”のリズムは快調ですな。
 “Let The Rain Fall On Me”は、ピアノ・トリオ・ジャズそのもの。バラード調でそれに説得力十分のヴォーカル。これは期待しなかった意外性の良い曲仕上げ。
 最後の“Let There Be Peace On Earth”では、美しい女性合唱を聴かせ、平和を訴えるのだ。

 意外性のアルバムの出現に、ちょっとご機嫌な私なのであった。

(視聴)

”Gypsy Woman”

”I Remember”

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2017年8月26日 (土)

スティーヴン・ウィルソンSteven Wilson のニュー・アルバム 「to the bone」

なんと意外や、ポップ色が前面に・・・・

<Progressive Rock>
Steven Wilson  「to the bone」
Caroline / EU / CAROL016BR / 2017


Tothebone

Blu-ray版(収録内容)
〇アルバム・ハイレゾ・ステレオ・ミックス音源(24-bit/96k)
〇アルバム・ハイレゾ・5.1サラウンド・サウンド・ミックス音源(24-bit/96k)
〇「Pariah」ミュージック・ビデオ
〇「Song of I」 ミュージック・ビデオ
〇「Ask Me Nicely」アルバム・レコーディングのドキュメンタリー映像(約85分) 


 現代プログレッシヴ・ロックシーンのナンバー1=スティーヴン・ウィルソンSteven Wilson  (英国プログレ・バンドのポーキュパイン・ツリーのリーダー)が2年振りとなるソロ名義の5枚目(ソロは2008年に1st)のアルバム『トゥ・ザ・ボーンto the bone』をリリースした。2016年のアルバム『4 1/2』以来だ。

  なんと言っても彼は、あの大御所キング・クリムゾンからエマーソン・レイク・アンド・パーマー、イエス、ジェスロ・タル、XTC、ティアーズ・フォー・フィアーズ、 ロキシー・ミュージックなどのリイシューで最新ミックスを任されるエンジニアであって、それだけ自身の作品にもサウンドには拘っている。従って今回もそれを体感するために、ハイレゾ・サウンドそして5.1サラウンドにも拘ってのBlu-ray版を購入した。

Xyz

(Album"to the bone"Track list)
1. to the bone
2. nowhere now
3. pariah
4. the same asylum as before
5. refuge
6. permanating
7. blank tapes
8. people who eat darkness
9. song of i
10. detonation
11. song of unborn

Stevenwilson  オープニングM1.”to the bone”は意味深なサウンドだが、なかなか軽快にパーカッションがリード。しかもスティーヴンのヴォーカルも意外に軽い。しかし不思議に演奏の重厚感は伝わってくる。それでも今までのメタリックなサウンドは姿を消して、おやっと思うのだ。
 全く前知識なしで聴いたのだが、どうも今作はこんな風に紹介している事が解った。それは”スティーヴンが若い頃に好きだったピーター・ガブリエル『So』やトーク・トーク『Colour of Spring』、ティアーズ・フォー・フィアーズ『Seeds of Love』と言ったタイプのプログレッシブ・ポップ作品からインスピレーションを受けた作品”と言うことの様なのだ。

 M2.”nowhere now” を聴いても、プログレじゃなくポップそのものだ。

Ninet_tayeb_1w_2 しかし、そう思って聴いているとM3.” pariah” なんかは良い曲だ。イスラエルの女性シンガー、ニネット・テヤブNinet Tayeb(→)がボーカルとして参加していて、これがなかなかハスキー・ヴォイスでスティーヴンのどちらかというと美声に対比して面白く、なかなか味わい深い。後半バックの演奏も盛り上がりが壮大でこれは魅力曲。
 M4. ”the same asylum as before” では、ギター・ソロも、コーラス・ヴォーカルもと、とにかく聴く方はかしこまること無くイージーに聴ける。
 M5.”refuge”が彼らしい曲と言えそうな暗めで味わい深さがある。

 そしてそうこう聴いていると、今までのスティーヴン・ウィルソンのソロものとの比較では、圧倒的に異色で有り、う~~んどっかで聴いたムードだと思って見たら、そうです後半の数曲はなんとカナダのラッシュの何年も前の全盛期のタイプだなぁ~~。そう、そんなとところが今回のアルバム。今までの暗さもヘビーさもそれなりに見せるは見せるが、明らかにその世界でないのが今作だった。
 さ~~て、スティーヴン・ウィルソン・ファンはどう受け止めるのか・・・・??>肩すかし?そう言ったところでもない。曲の完成度の高さはやはり彼の成せる技。

(視聴)  ”pariah” SW with Ninet Tayeb

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2017年8月22日 (火)

ウォルター・ラング・トリオWalter Lang Trio 「FULL CIRCLE」

どこか定まらないムードに若干不満足だが・・・

<Jazz>
Walter Lang Trio 「FULL CIRCLE」
Atelier Sawano / JPN / AS-151 / 2016


Fullcircle_2

Walter Lang : piano
Thomas Markusson : bass
Sebastian Merk : drums


 ジャズ・ピアニスト=ウォルター・ラングWalter Lang は、1999年から既にピアノ・トリオとして10枚以上のアルバムをリリースしているが、日本では"Swing Journal"を代表に、かなりの高評価を勝ち取って来ている。彼のもう一つのトリオである今年紹介したTRIO ELFは別にすると、ウォルター・ラング・トリオによる近作は、ここでも取りあげてきたが、このアルバムと同メンバーによるStarlight Reflection』2013)そしてMoonlight Echoes』2015)であった。そしてこの2作はいずれも夜の世界を描いてきた。それがなかなか心にしみいる世界でお気に入りだったんだが、今作は少々異なっている。そんな訳でここでの私の感想を書くにもなんとなく少々後回しになって、今、遅くればせながらの登場である。

 登場する曲は、何故か日本の名曲2曲、それとパット・メセニーの曲を代表にその他というところだが、オリジナル曲が多くを占めている。そしてテーマは小島万奈によるライナー・ノーツにあるところの”今回は全編を通して世界の土地や音楽への心を綴った、回想と現実を漂うようなアルバムだ”と言うところなのかも知れない。

Walterlangtrio

(Tracklist)
1. Minuano
2. Bokka(牧歌:宮澤賢治)
3. Play that Fiddle
4. Mathias
5. Oborozukiyo(おぼろ月夜:岡本禎一)
6. Season of Lent
7. Full Blast
8. Old Folks
9. Bali
10. Full Circle
11. Gipsies in Byzantium
12. Taksim Meydani
13. Kansas Skies

M1. Minuano パット・メセニーの曲。この明るさ、どうも期待したムードでない。
M2. Bokka やはり日本の曲は良いですね。哀感があって思索的な世界に導いてくれて私好み。
M3. Play that Fiddle オリジナル曲だが、この曲に見るような明るいというか軽い旋律がどうもあまり納得しない。
M4. Mathias この曲もあまり意味を感じない曲
M5. Oborozukiyo なんと文部省唱歌ですね。ベースによる旋律が主役をなす曲作りであるが、後半にピアノによる主旋律が演じられる。このような日本の曲が良い仕上げだ。
M8. Old Folks 物思いにふけれる味のある曲。
M10. Full Circle オリジナルとしてはやはりアルバム・タイトルにもなっているこの曲が良い。手頃に美しい中に深遠さのある世界に没頭できる。
M11. Gipsies in Byzantium ドラムスから始まって、美しいピアノ、なかなか宇宙感覚のある聴き応えがあり、こうした世界が私はラングに求めたい。
M13. Kansas Skies これはなんと懐かしくなるフォーク・ロック調で、どこかで聴いたような安堵感のある”カンサスの空”であるが、これはオリジナル曲。

 どうも結論的には、それぞれ曲が独立して聴き所も勿論あるのだが、あまり全編通してどうも充実感ある意味が持てなかった。それは特にオリジナル曲の軽いタッチはあまり私の好むところで無かった為かも知れない(これは前作でも少し覗いて見られる疑問点でもあったのだが)。彼はTRIO ELFのような実験的トリオも試みているので、こちらのトリオではやっぱり抒情的な美しさ、そして思索的世界を深く推し進めて描いて欲しいと思うのだが、それは単なる私の期待なのかも知れない。

Walterl1wウォルター・ラングをちょっと回顧しておこう・・・・・
   
 1961年ドイツ生まれ ボストンのBerklee School of MusicそしてAmsterdam School of Artsを卒業している。1999年Walter Lang Trio結成。主なアルバム(↓)

初期トリオ
    "Walter Lang Trio plays Charles Chaplin" (1999)
    "Across The Universe" (2002)
    "Softly as in a morning Sunrise" (2005)
    "The Sound Of A Rainbow"(2005)

現トリオ Walter Lang (piano),  Thomas Markusson (bass),  Sebastian Merk (drums)
     "Starlight Reflection"  (2013)
     "Moonlight Echoes" (2015)
     "FULL CIRCLE" (2016)

TRIO ELF
     "Music Box Music" (2016)

(視聴)

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2017年8月18日 (金)

ジョナサン・ウィルソンJonathan Wilsonのアルバム 「Fanfare」

不思議な多要素満杯のロック・アルバム

< Rock,  Pop,  Folk,Wold,&Country, Psychedelic>
Jonathan Wilson 「Fanfare」

Down Town / USA / 70373 / 2013

Fanfare

Songwriter : Jonathan Wilson
Produced and Recorded by Jonathan Wilson at Fivestarstudios in Los Angeles

 シンガー・ソングライターでプロデューサーとして知る人ぞ知るジョナサン・ウィルソンJonathan Wilson(1974年、ノースカロライナ生まれ) のアルバム。実は私は詳しいことは全く知らなかったが、これは彼の2ndアルバムだ。
 しかし、こうした不思議な充実ロック・アルバムがあることを知っただけでも収穫だ。
 何故、このアメリカン・ロックの世界に首を突っ込んだかと言うと、そうです今北米ロツク・ツアーを行っているロジャー・ウォーターズの「US+THEM Tour」の10人のメンバーの一人で、重要なヴォーカルとギターを演じているのがジョナサン・ウィルソン。しかも彼はウォーターズのニュー・アルバム『is this the life we really want? 』でも重要な役をしている。

Mi0003732431(Tracklist)
1. Fanfare
2. Dear Friend

3. Her hair is growing long
4. Love to love
5. Future Vision
6. Moses pain
7. Cecil Taylor
8. Illumination
9. Desert Trip
10. Fazon
11. New Mexico
12. Lovestrong
13. All the way down

  しかし彼の多能力というか、多芸というか、そんなところが如実に出ているアルバムだ。近年のロイ・ハーパーやドーズなど多くのアーティストのプロデューサーとしての実績も大きいだけあって、このアルバムは、ロックの多様性を全て詰め込んだような感想を持つのだ。しかし、ヘビー・メタルとかゴシック・メタル調は全くない。
 どうもよく解らないのがアルバム見開きの写真(↓)、このアルバムに私の持つ印象とは違う。それでも、ここに描かれるところは人間模様として、作者にとっては重要なのかも知れない。

Fanfare1

 M1. ”Fanfare” 思いの外、壮大な曲である。日本語で言う”ファンファーレ”だが、その意味するところは?。そしてなんとプログレっぽいではないかと思わせるに十分の曲。ピアノ、ストリングスも加味され、かっての70年代イタリアン・プログレをふと思い出したが、ジョナサンのヴォーカルもソフトで聴き応えあるし、彼のメロディーの持つところも美しく実感する。驚きは彼のマルチ・プレイヤーぶりだ。ここでは9種の楽器とヴォーカル担当している。そしてロックの多要素をふんだんに盛り込んだような曲。
 M2.” Dear Friend” キダーとヴォーカルでなかなか味な曲。描くは、宇宙感覚で見た人間模様か?、これも私に言わせると歌ものイタリアン・プログレだ。中盤から後半にかけてのギター・ソロは聴かせます。
 M3. Her hair is growing long 彼の6種の楽器とヴォーカルでの曲。オープニングには子供の声のSEも入って、アコーステック・ギターでゆったりと聴かせる。この曲のムードは一種独特のジョナサン世界。
 ここまでに明らかなのは、彼はやっぱりギタリストなんだなぁ~というところだ。しかし私には、Psychedelicというイメージはどうも感じられない。
 M4. ”Love to love” これぞオールド・ロックで明解な歌。M5.. ”Future Vision”は軽快ロック。M6..” Moses pain” は、まさしくフォーク・ロック、多分これが得意のパターンだろう。8. Illumination はヘビー・ロック。M9.”Desert Trip”、M12.” Lovestrong”は、美しいスロー・ロック・バラード、エレキの泣きソロも聴かせる。
 ヴォーカルは、70年代のピンク・フロイド流にも通ずるところ。

18358546w_2Jwilson2tr

(US+THEM tour)
          *
          *
          *
          *
 グラハム・ナッシュ、デヴィッド・クロスビー、ジャクソン・ブラウン、パット・サンソンなどゲスト参加、又ロイ・ハーパーとの共作曲も。とにかくメタルの以外のロックの多要素を詰め込んでの芸達者ロック・アルバム。
 成る程、ロジャー・ウォーターズが彼のアルバムにギタリスト&ヴォーカルとして選ぶのも理解出来る。

 ついでに、このアルバムでジョナサン・ウィルソンの操る楽器群を紹介する(驚きのマルチ・プレイヤー)→Electric Guitar, Organ, Clavinet, Synthesizer, Drums, Bass, Piano, Fender Rhodes, Mellotron, Millennium bells, Hammond Organ, Vibes, Percussion, Acoustic 12 string Guitars, Piano

(視聴) ”Dear Friend” from 「Fanfare」

 

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2017年7月14日 (金)

アナセマAnathemaのニューアルバム「the optimist」

美しいモダン・プログレッシブ・ロックと評価されて・・・・・

Anathema1


<Progressive Rock>
Anathema 「the optimist」
Kscope / UK / Kscope356 / 2017

Theoptimist_2

Personnel:
Vincent Cavanagh (vocals, guitar, keyboards, programming);1990-
Lee Douglas (vocals);2000-
Daniel Cavanagh (guitor, Piano, Keybord, Vocals)1990-2002, 2003-
John Douglas (keyboards, drums, programming); 1990-1997, 1998-
Daniel Cardoso (drums). 2012-
Jamie Cavanafh (Bass); 1990-1991, 2001-

 こんなところで、ちょっとアナセマAnathemaも聴いておかねばと、ニューアルバムを手に入れた。なにせ美しいサウンドでモダン・プログレッシブ・ロックとも言われるようになってきたのだから。
810n2oxspilw 昔はゴシック・メタルってとこでしたかね。次第にプログレっぽくなって・・・・、実はそんな変化するこのバンドも2012年の『weather system』Kscope/UK/KSCOPE367/2012)(→)で取り敢えずは締めくくっておこうと思ったのですが・・・・・、あのアルバムはリーダーのヴォーカリスト=ヴィンセント・カヴァナー Vincent Cavanagh と女性ヴォーカリスト=リー・ダグラス Lee Douglas の心に響く歌声が素晴らしいと高評価。更にバンド演奏を支えたドラマチックに盛り上げたたデイヴ・スチュワートのオーケストラ・アレンジ、やっぱり英国としてのなんとなく哀愁を漂わせたところが聴く者の心を捉えたのであった。
 あれから五年経って、彼らの11枚目の作品が登場して、やっぱり何となく手に入れることになるのであった。

 アルバム・タイトルは「ジ・オプティミストThe Optimist=楽観主義者」と銘打って、どうも主たる作曲者のダニエル・カヴァナーDaniel Cavanagh  (ギター/ピアノ/ヴォーカル/ループ)が「半・自伝的」と説明する作品のようだ。

(Tracklist)
1. 32.63N 117.14W
2. Leaving it behind
3. Endless ways
4. The Optimist
5. San fransisco
6. Springfield
7. Ghosts
8. Can't let go
9. Close your eyes
10. Wildfires
11. Back to start

  •    Anathemavcwこのアルバム、冒頭からロジャー・ウォーターズ流のSEを多用している。やっぱりピンク・フロイドがお手本なんですね。
     そしてこのバンドの特徴のミニマル奏法がここでも取られている。特にM5. ”サンフランシスコ”ではその流れが顕著、メタリツクなヘビー・サウンドのミニマルの流れは良いのだが、この手のキーボードによるものはどうも私は苦手だ。
     このグループの曲は、かってそれぞれの曲において同じ手法をとる為か、過去のアルバムでは、どの曲も同じに聴こえてしまうという感想を持ったことがある。
     今回のアルバムは、その意味ではそれぞれの曲の個性も出ていてアルバムをトータルに観賞出来るところは更なる発展を遂げたと言っても良いかも知れない。
     相変わらずリー・ダグラス Lee Douglas の声は美しい。又M6. ”スプリングフィールド”にみるように、静かな流れから次第に盛り上げていく曲の展開はやはり上手い。
     タイトルにみる「楽観主義者」の生き行く道程の波乱に満ちた姿を描こうとしたのか、そんなコンセプト・アルバムとしても仕上げているところが興味ある。M9. ”クローズ・ユア・アイズ”などは、彼らとすれば精神的な世界を描いた感のある異色な曲であり、又M10.”ワイルドフィアーズ”なども高揚感は圧巻の仕上げで、じっくり聴いてみるとその価値が感じられる。(尚、隠しトラックもあって探して聴いてください)

     さてなんと言ってもこのところは、ロジャー・ウォーターズの近作アルバム『is this the life we really want?』に圧倒されているところであって、そこにこのアルバムを聴いたわけだが、どうもそのタイミングはあまり良くなかった。つまりロジャー・ウォーターズと比較と言うことになってしまって、このアルバムは、余りにもその社会感覚と深刻さ、そして曲のスケールと展開などが中途半端な印象なのである。まあ誰がみてもそれは当然比較する相手が悪かったということで致し方ないところであり・・・・もう少し間隔を開けてよく聴き直した方がよいと思っているところだ。
     しかし彼らの一歩又前進したプログレ・アルバムとして、その価値を感じさせる一聴に値するアルバムであることは間違いないところ。
  • (視聴)

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