ROCK

2019年12月12日 (木)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「Roger Waters With Eric Clapton / Chicago 1984」

クラプトンのギターが美しく響くウォーターズのライブ
今となれば貴重な記録が・・好録音で

<Progressive Rock>

Roger Waters 「Roger Waters With Eric Clapton / Chicago 1984」
IAC( KING STREET) / JPN / KING2CD4105 / 2019

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(Tour band)

Roger Waters: Lead vocals, Bass guitar, Acoustic guitar
Eric Clapton: Lead guitar 
Tim Renwick: Rhythm guitar, Bass guitar
Michael Kamen: Keyboards
Andy Newmark: Drums
Chris Stainton: Hammond organ, Bass guitar 
Mel Collins: Saxophone
Katie Kissoon: Backing vocals
Doreen Chanter: Backing vocals

 しかし相変わらすロジャー・ウォータースの話題は尽きない。つい先日は世界的に「US+THEM」映画の公開で話題をさらったが、ここに彼がピンク・フロイドから一歩引いてのソロ活動当初に再び関心が高まるのである。まずその一つがこのエリック・クラプトンとのライブ録音の驚愕とも言える素晴らしい音源が出現した。このライブは話題高かったがその記録版は、私も何枚かを所持しているが、どちらかというと見る耐えない何となく解る程度の映像モノ、そしてサウンド版も良好と言ってもかなり聴くに問題の多いモノ。しかし中身はさすがクラプトンのギター世界は素晴らしい、そしてメル・コリンズのサックスも、マイケル・カーメンのキー・ボードもと聴きどころは多かったのだ。
 とにかくギルモアとは全くの趣違いのクラプトンのギターと、ピンク・フロイド時代のウォーターズの手による曲をとにかくアグレッシブに編曲したところの楽しさだ。当時は最も脂ののったウォーターズのこと、エネルギーに満ち満ちたプレイが凄い。

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 ピンク・フロイドの熱気最高潮の「アニマルズ・ツアー」、莫大な資金をかけた「ザ・ウォール」ツアー。しかしその後の、1983年にリリースする12thアルバム『ファイナル・カット』以後、ピンク・フロイド は内部亀裂によりコンサート・ツアーを行わず、バンドは活動休止する。そんな中で、 ロジャー・ウォーターズは1984年にソロ・アルバム『ヒッチハイクの賛否両論(原題:The Pros And Cons Of Hitch Hiking)』(右下)をリリースした。これは彼が『ザ・ウォール』時代に既に出来上がっていたものだが、ピンク・フロイド・メンバーに受け入れられず、アルバム・リリース出来なかったモノだが、ギタリストにエリック・ クラプトンを起用して、彼の心の内面にある不安の世界を描いた作品として、クラプトンのギターの美しさと共に注目された。そしてエリック・クラプトンと共にメル・コリンズをも帯同して大規模なライヴ・パフォーマンスを披露する。同年6月16日の スウェーデンのストックホルムからスタートし、ヨーロッパ~北米で19公演を行う。その中で最終公演 となる7月26日のイリノイ州シカゴでのコンサートは地元のロック専門FMラジオWXRT-FMのスペシャル番組として収録・放送されたのであった。このアルバムはそれが音源となっているためサウンドはオフィシャル級で、30年以上経ってのこのオフィシャル・ブートレグの出現は驚愕を持って受け入れられているのだ。

(このライブの評価)
□ ロジャー・ウォーターズの世界に何をみるか
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_aff8.html

 

81idrepzkfl_ac_wjpg (Tracklist)

(Disc 1)
01 太陽讃歌
02 マネー
03 もしも
04 ようこそマシーンへ
05 葉巻はいかが
06 あなたがここにいてほしい
07 翼を持った豚
08 イン・ザ・フレッシュ?
09 ノーバディ・ホーム
10 ヘイ・ユー
11 ザ・ガンナーズ・ドリーム
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01 4:30 AM トラベリング・アブロード
02 4:33 AM ランニング・シューズ
03 4:37 AM ナイフを持ったアラブ人と西ドイツの空
04 4:39 AM 初めての出来事 パート2
05 4:41 AM セックス革命
06 4:47 AM 愛の香り
07 4:50 AM フィッシング
08 4:56 AM 初めての出来事 パート1
09 4:58 AM さすらう事そして生きる事をやめる
10 5:01 AM心のヒッチハイキング
11 5:06 AM ストレンジャーの瞳
12 5:11 AM 透明なひととき
(Encore)
13 狂人は心に
14 狂気日食

 セット・リストは第1部、第2部、そしてアンコールを含めて全25曲で、このアルバムは上のように完全収録している。このコンサートの特筆すべき点はウォーターズがピンク・フロイドから一歩離れてのロックらしい世界に原点回帰している事と、やはり エリック・クラプトンの参加である。自己の世界を持つクラプトンが、自らの楽曲は一切演奏せず、ピンク・フロイドとロジャー・ウォーターズの楽曲を一人のリード・ギタリストとして デヴィッド・ギルモアとは全く異なる世界で完璧なギター・ソロを披露している。特に前半のピンク・フロイド曲の変化が面白い、これは当時のウォーターズのフロイド・メンバーへの不満が攻撃性となり、一方クラプトンが時々見せるギター・ソロ・パーフォーマンスは、完全に彼ら自身の世界に突入し、かっての曲がむしろ異色に変化して新鮮に蘇ってくる。これはウォーターズとクラプトンのプライドの成せる技であったのかも知れない。このあたりは当時単にピンク・フロイドの再現を期待したファンには不満があったと言われているが、何度聴いてもその変化はブルージーなロックに変化していて面白い。又こうも演者によってギターの音色も変わるのかと圧倒される。

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  後半のアルバム『ヒッチハイクの賛否両論』の再現は、クラプトンの美しいギターによって描かれるところが聴きどころであり、相変わらずのウォーターズの造る美しいメロディーと"美・静"の後に来る"彼の絶叫"と"爆音"に迫られるところは圧巻である。そして"セックス革命"のテンションの高いギターと"愛の香り"、"ストレンジャーの瞳"の美しさにほれぼれとするのである。

Image2  商業的問題から僅か19公演で終了したこのツアーであったが、この二人を筆頭に豪華メンバーでの パフォーマンスを収録したこのライヴ・アルバムはファンにとってまさに驚きで迎えられる作品である 。
 そして輸入盤を国内仕様としてここにオフィシャル盤以上にかなり丁寧な解説付きでリリースされているところは評価したい。久々にロジャー・ウォーターズのアグレッシブな編曲演奏に触れることが出来、又あのピンク・フロイドの転換期を体感できるところが貴重である。

(評価)
□ 曲編成・演奏 ★★★★★☆
□ 録音       ★★★★☆

 

(視聴)

 

 

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2019年10月31日 (木)

King Crimson 2019年10月映像版「Rock in Rio 2019」

もう足かけ6年目となるトリプル・ドラムス・クリムゾンも完成期か

<Progressive Rock>

<Bootleg DVD>  
King Crimson 「Rock in Rio 2019」

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Live Rock in Rio  / Oct.6.2019

(Tracklist)
01.Drumsons
02.Neurotica
03.Red
04.The Court of the Crimson King (with Coda)
05.Indiscipline
06.Epitaph
07.21st Century Schizoid Man

Kc

Fripp_20191031091901  キング・クリムゾン三連発です。
 新生キングクリムゾンも6年目となり「2019年南米ツアー」敢行、ついこの間の10月6日にブラジル・リオデジャネイロで行われたロックフェス「ロックインリオ2019]でのライブをプロショット収録した最新映像がお目見えしている。テレビ放映されたモノか。なんとこれは南米のハードロック系がメインのフェスであって、クリムゾンが出演は珍しい。その際の映像で注目だが、大観衆の前ににて圧倒的な観衆の支持を得た。
 ワンマンショーではないので、時間も限られた中で、"スターレス"は無かったが、どちらかというとファンには喜ばれる楽曲が選ばれていて、最初から最後までいつも通りバンドの集中力も素晴らしく迫力あるライブが堪能できる。ブートとは言えHDマスターソースから製品化されたものという。

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 スタートからトリプル・ドラムスによる演奏で度肝を抜いての演奏。映像からメンバーを見ると、このところキーボード担当していたBill Rieflinが抜けていて、一時そうだった7人体制で、キーボードはJeremy Stacey がドラムスとともに演じている。
 Jakko Jakszykは完全にもうクリムゾンのヴォーカル担当になってかなり自然体で演じている。
 相変わらず、インプロにおいてはもうMel Collinsはお得意のスタイルで味を付ける。なにせ昔から暴れるのは得意。
 Tony Levin のベースは相変わらず落ち着いている。

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 かってのジャズ・ドラムス的タッチは、Gavin Harrisonがなかなか上手いドラムスを展開する。
 Pat Mastelottoは相変わらずパーカッションとドスンバタンのドラムスを叩く。
 とにかくここでもあまり表に出る雰囲気も無く、Robert Frippは静かにギター、キーボードを満足げに演じている。ここ6年間である程度満足できるクリムゾン回顧を成し遂げたのであろうから、そろそろ頭の中はニュー・アルバム構想でも出来ているのか、ちょっとそんなことも感じながら見たというわけだ。

(評価)
□ 選曲・演奏 ★★★★★☆
□ 画像・録音 ★★★★☆

(参考視聴)

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2019年10月27日 (日)

キング・クリムゾンKing Crimson ニュー・アルバム「AUDIO DIARY 2014-2018」

2014年の復活からのツアー・ライブ演奏集 CD5枚組

<Progressive Rock>
King Crimson 「AUDIO DIARY 2014-2018」
Panegyric / Import / KCXP5007 / 2019

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Robert Fripp(g, Key), Jakko Jakszyk(g, voc), Tony Levin(B), Mel Collins(Sax), Bill Rieflin(Key) , Pat Mstelotto(D), Jeremy Stacey(D, key), Cavin Harrison(D), Chris Gibson(key)

  2011年のフリップ引退宣言によるキング・クレムゾンの終焉、そからなんと2014年のキング・クリムゾンの復活劇、これも何度も騙されての衝撃だった(過去にそのあたりは考察したのでそちらに譲るが)。その2014年の復活(NY公演)から2018年(東京公演)まで各ツアーのフリップ自身の納得のベスト・オブ・キング・クリムゾン・ライヴといったものだ。
 既にそれぞれの音源がお披露目されていると思うが、こうしてCD5枚組として時系列に納められていると、このメンバーでの進化も感じとれて面白い。クリムゾンの特徴は各地を巡りながらレパートリーも増えて、そして演ずる曲目も場所により違いがあったり、同曲も少しずつ演奏が違ったりとライブならではの楽しみがある。
 CD5は今回初音盤化だが、「Easy Money」「Level Five」(11月29日, 11月30日Bunkamuraオーチャードホール)、「Peace」(12月12日福岡サンパレス)、「Cadence And Cascade」(12月14日広島文化学園HBGホール)、「Breathless」(12月19日Bunkamuraオーチャードホール)と、2018年11~12月の「KING CRIMSON  JAPAN TOUR 2018」が締めくくりとなっていて、なんとなく日本人のプログレ好きをフリップも感じ取って制作してくれたのかも・・・。

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Tracklist:
CD1
01. Hoodoo (2014-09-09 Albany, NY) (5:38)
02. Larks’ Tongues In Aspic, Part One (2014-09-18 New York, NY) (9:21)
03. A Scarcity Of Miracles (2014-09-19 New York, NY) (6:47)
04. Level Five (2014-09-20 New York, NY) (6:54)
05. One More Red Nightmare (2014-09-27 Chicago, IL) (6:06)
06. Interlude (2014-09-30 Los Angeles, CA) (2:12)
07. Banshee Legs Bell Hassle (2014-10-03 San Fransisco, CA) (1:39)
08. The Talking Drum (2014-10-01 Los Angeles, CA) (4:07)
09. 21st Century Schizoid Man (2014-10-04 San Fransisco, CA) (8:54)
10. The Light Of Day (2014-10-06 Seattle, WA) (5:57)
CD2
01. Radical Action I / Meltdown (2015-09-03 Cardiff) (7:51)
02. Interlude (2015-09-05 Brighton) (2:15)
03. Sailor’s Tale (2015-09-07 London) (6:41)
04. The Letters (2015-09-08 London) (5:18)
05. The Court Of The Crimson King (2015-09-11 Manchester) (7:02)
06. Starless (2015-09-14 Birmingham) (12:22)
07. Easy Money (2015-09-15 Birmingham) (7:39)
08. Pictures Of A City (2015-09-12 Paris) (8:17)
09. Suitable Grounds For The Blues (2015-11-17 Montreal) (5:15)
10. The ConstruKction Of Light (2015-11-27 Vancouver) (6:27)
11. Level Five (2015-11-29 Victoria) (6:42)
CD3
01. Larks’ Tongues In Aspic, Part Two (2016-09-12 Berlin) (6:41)
02. Epitaph (2016-09-15 Prague) (8:39)
03. Devil Dogs Of Tessellation Row (2016-09-17 Zabrze) (2:59)
04. Red (2016-09-23 Copenhagen) (6:24)
05. Banshee Legs Bell Hassle (2016-10-01 Stockholm) (1:28)
06. Cirkus (2016-10-03 Hamburg) (7:24)
07. Radical Action II (2016-11-03 Antwerp) (2:17)
08. Pictures Of A City (2016-11-05 Milano) (8:09)
09. Peace (2016-11-06 Milano) (1:56)
10. Larks’ Tongues In Aspic, Part One (2016-11-09 Florence) (8:06)
11. Easy Money (2016-12-03 Paris) (9:32)
12. 21st Century Schizoid Man (2016-12-04 Paris) (12:27)
CD4
01. Cirkus (2017-06-11 Seattle, WA) (7:33)
02. Starless (2017-06-12 Seattle, WA) (12:16)
03. The Letters (2017-06-26 Minneapolis, MN) (6:53)
04. Heroes (2017-07-05 Toronto) (4:30)
05. Interlude (2017-07-09 Red Bank, NJ) (2:46)
06. Last Skirmish (2017-07-18 Mexico City) (6:12)
07. Indiscipline (2017-10-24 Atlanta, GA) (8:16)
08. Dawn Song (2017-11-08 Albany, NY) (2:22)
09. Prince Rupert’s Lament (2017-11-09 Albany, NY) (2:30)
10. The Errors (2017-11-13 Long Island, NY) (4:43)
11. Fallen Angel (2017-11-20 Greensburg, PA) (6:11)
12. Neurotica (2017-11-22 Ann Arbor, MI) (4:39)
13. Islands (2017-11-26 Milwaukee, WI) (9:16)
CD5
01. The Court Of The Crimson King (2018-06-16 Krakow) (7:03)
02. Suitable Grounds For The Blues (2018-06-21 Essen) (5:23)
03. Pictures Of A City (2018-07-01 Berlin) (8:17)
04. Meltdown (2018-07-05 Stockholm) (4:17)
05. Bolero (2018-07-19 Pompeii) (6:57)
06. Radical Action (2018-07-23 Rome) (5:45)
07. One More Red Nightmare (2018-11-07 Nottingham) (5:53)
08. Moonchild (2018-11-10 Liverpool) (3:16)
09. Easy Money (2018-11-29 Tokyo) (10:07)
10. Level Five (2018-11-30 Tokyo) (6:38)
11. Peace (2018-12-12 Fukuoka) (2:09)
12. Cadence And Cascade (2018-12-14 Hiroshima) (4:26)
13. Breathless (2018-12-19 Tokyo) (4:56)

Kctoyko119  確かにこうしてみるとエイドリアン・ブルー在籍時のクリムゾンだと、もうライブでは "クリムゾンキングの宮殿" 、"エピタフ"などは聴けないような雰囲気であったが、演奏スタイルには変化があるとはいえこのメンバーになっての新生クリムゾンは、しっかり演奏してくれて実はそれだけでも嬉しいところだ。
 私的にはジャッコ・ジャクスジクのヴォーカルが、ウェットンであればもっと感動なんだろうけど、そこまで要求はちょっと無理というところは納得している。
 そして「宮殿」は当然だが、「アイランズ」や「リザード」からの曲も加わり、どうなるかと思っていた「ディシプリン」時代も網羅して、さらにおまけにデヴィッド・ボウイの"ヒーローズ"まで入って、いやはやこの7人から8人に増えたダブル・カルテット・キング・クリムゾンは、彼らの1969年から始まって、50年間の全ての年代のキング・クリムゾンを新解釈で蘇らせてくれたことになる。
 こうして聴いてみても、トリプル・ドラムスなんて聞いたことが無いことをやって遂げたクリムゾンも、全く違和感が無く、又メル・コリンズの奮闘も効果的であるし、トニー・レビンの存在も安定していて安心感ある。
 "太陽と戦慄"もミューアのパーカッションとまでは行かないが、ドラムス陣の奮戦もあって取り敢えず新タイプで仕上げていて、けっして悪くない。一応はやはりライブのラストは"21世紀の精神異常者"、"スターレス"あたりで纏めてくれたのも私にとっては嬉しいことだ。

 しかし、こうしてフリップもコピー・バンドのジャクスジクを上手く使って、このメンバーをそろえて5年間以上続けてキング・クリムゾンの総決算ライブを敢行したのは、いずれにしてもたいしたものだ。意地でもエイドリアン・ブルーに対する彼の自尊心が作り上げたものだったが、それがかえって世界的にも受け入れられ、プログレ界ではピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズやデイヴ・ギルモアが今でも活動している双極として私は大いに歓迎なのである。

 

(評価)
□ 選曲・演奏  ★★★★★☆
□ 録音     ★★★★☆

(視聴)

 

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2019年10月23日 (水)

72年の キング・クリムゾンKing Crimson 「Live in Newcatle」

72年の驚異の好演奏と好録音・・これは決定盤
ミューアのパーカッションが・・これぞクリムゾン

<Progressive Rock>

King Crimson 「Live in Newcatle」 
Panegyric / EU / CLUB48 / 2019

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Robert Fripp(g, mellotron)、John Wetton(b, vo)、David Cross(violin, mellotron)、Bill Bruford(ds)、Jamie Muir(per, allsorts)

71afcupmupl_acw  ここに来て、またしてもフリップ魔術でキング・クリムゾン病が発症している。近年のライブ総集編『KING CRIMSON AUDIO DIARY 2014-2018』(KCXP5007/2019)(→)がリリースされ、これは5枚組アルバムであって連日聴いているのだが、これをレポートする前に、まずは片付けておかねばならないアルバムがある。それはこの『Live in Newcastle』だ・・・今年リリースされたライヴ音源発掘シリーズ「The King Crimson Collectors’ Club」の第48弾。1973年のアルバム『Larks' Tongues In Aspic 太陽と戦慄』 発売前の1972年秋から冬にかけてのUKツアーより12月8日のニューカッスル公演を収録したもの。なんと言っても私がファンであったジェイミー・ミューア在籍時の音源で、涙もの。

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(Tracklist)
1. Larks’ Tongues in Aspic Part One 10:47
2. RF Announcement 1:09
3. Book of Saturday (Daily Games) 2:49
4. Improv I 14:49
5. Exiles 6:20
6. Easy Money 9:33
7. Improv II 17:28
8. The Talking Drum 5:49
9. Larks’ Tongues in Apsic Part Two (incomplete) 3:47

Smalljamie_muir  アルバム『Larks' Tongues In Aspic太陽と戦慄』の全曲収録。しかもその間にインプロが挟まれるという構成。それぞれの曲のスタイルはほぼ完成しいるが、なんと言ってもライヴであるだけに、それぞれのメンバーの試行錯誤と思い入れが入っていて、正直言ってアルバムよりインパクトがある。又不思議なことに何十年と彼らのライブ音源を追ってきたのであるが、当時のものがこのモノラルではあってもこの良音質で聴けるのは奇跡に近い。演奏も悪くない、とくにフリップのギターフレーズを振るっているし、なんと言ってもミューア(→)のパーカッションが十分堪能出来る。

 M1."Larks’ Tongues in Aspic Part One" 伝説的な映像版でも見てきたとおりのミューアはホイッスルを駆使してのパーカッション・プレイが重要で、クロスのウァイオリンもスリリングに、そしてフリップのギターもロックを超越していて・・・当時両者ここまでプログレッシブであったことに改めて脱帽。
 M3."Book of Saturday " はウェットンのヴォーカルが懐かしさを呼び起こす。当時のクリムゾンのスリルと荒々しさとこのロマンティックな歌の交錯による世界は類を見ないモノだった。
 M4."Improv I" これと M7."Improv II" がこのアルバムでは核である。これぞクリムゾンと唸らせる。彼らのインプロヴィゼーションの結晶。15分と17分のブラッフォードのドラムスとミューアのパーカッションが最も生き生きとする世界だ。なんとミューアのソロ・パートもあってアルバムでは聴けないライブものの最も楽しめるところ。今のクリムゾンにはこのミューアのパーカッションが無いのが物足りない一つだ。フリップのキターがどこか哀愁がある。
Robert_frippw  M5."Exiles" クロスのヴァイオリンとフリップ(→)のメロトロンの叙情性がクリムゾンのもう一つの私が愛した面である。
 M6."Easy Money" いつもどうりの盛り上がりを作るが、後半のインプロがいいですね、パーカッションがここでも有効。
 M8."The Talking Drum" ブラッフォードのドラムスは当然だが、クロスのヴァイオリンの盛り上がりも凄い。
   M9." Larks’ Tongues in Apsic Part Two (incomplete)" はおまけのように途中でストンと終わってしまうのが残念。

 こうして驚異の録音盤が時として現れるのはフリップの魔術なのか、何時も私なんかはそれにまんまとひっかかって興奮してしまう。こうして周期的にクリムゾン病が発症するのはなんと50年も続いているのである。
 それにつけても、ミューアをここで感じ取れたことは感動であったと同時に、このところの三人ドラムス・クリムゾンに現をぬかしていたわけだが、それにも増してこの50年近く前のがクリムゾンが如何に素晴らしかったかを再認識するのである。

(評価)
□ 曲・演奏  ★★★★★
□ 録音    ★★★★☆

(視聴)

 

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2019年10月 3日 (木)

エレス・ベイリーElles Bailey 「ROAD I CALL HOME」

ロックの原点を思い出させるこの世界は・・・涙もの

<Rock>
Elles Bailey 「ROAD I CALL HOME」
OUTLAW MUSIC /  / OLM19CD01 / 2019

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Vocals : Ellies Bailey
Guitars : J.Wilkins, C.Leuzinger etc.
Bass : Z.Ranyard, M.Bringnardello etc.
Drums & Percussion : M.Jones
Piano,Wurlitzer, Hammond : J.Nichols
etc. 

 英国ブリストルの女性シンガー・ソング・ライターであるエレス・ベイリーの2ndアルバム。そしてこのジャケが又良いですね、彼女の視線からして久々の味わい深いフォトである。彼女に関しては全く知らなかったのだが、ブログ友からの情報で、今日このようなブルースの流れからのカントリー風ロックをじっくり聴けるのは、懐かしさが加わっての涙ものである。

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1.Hell or Highwater
2.Wild Wild West
3.Deeper
4.What's The Matter With You
5.Medicine Man
6.Road I Call Home
7.Foolish Hearts
8.Help Somebody
9.Little Piece Of Heaven
10.Miss Me When I'm Gone
11.Light In The Distance

 

 オープニングのM1."Hell or Highwater "は、スローナンバーでスタート。次第にブルージーなパワーギターバラードに。彼女の歌はムーディーなカントリーソングを歌い上げる。成る程このパターンなら懐かしく聴けそうだという期待を持たせるに十分な曲。
 M2."Wild Wild West" アコーステイックなギターでロッキングブルース。
 M4."What's The Matter With You "なかなかしっとりしたスローバラード、このあたりは私のお気に入り。エレキ・ギターもメロディーを美しく流し、ハモンドもバックをブルージーに色づけしてくれる。
 アルバムのタイトルトラックM6."Road I Call Home"は、Imelda Mayの"Johnny's Got A Boom Boom" を思い起こすドラムビートとキーボードのスライドから始まり、軽快なリズムで彼女らの旅行中のバンドの人生の物語を題材にしているようだが、なかなか明るい夢のあるツアーを歌っていてほっとするところだ。
 M7."Foolish Hearts 愚かな心"、がらっとスロー・ムーディーなしっとりとした曲と歌になる。ベイリーが彼女の心を明かす魂の歌と言うところだ。
 M9."Little Piece Of Heaven" これは陽気なアメリカン・ラブ・ソング。
 M10."Miss Me When I'm Gone" これは彼女の得意とするカントリー・ブルース。バックの演奏も水を得たが如く生き生きしている。
 M11."Light In The Distance" 言い聞かせる如くこれぞゴスペルサウンドだ。彼女のスローナ歌い込みも聴き応えあり。

 全曲彼女のオリジナルというコンポーザーぶりを発揮して、そしてブルースとカントリーのクロスオーバー・スタイルで、古きロック愛好家を喜ばせてくれるのである、ああロックってこんなんだったなぁーーと。しかも彼女はアメリカのどこかからひょっこり頭を出してきたと思ったら、英国と言うところが又面白い。推薦曲は "What's The Matter With You あなたと何が問題ですか? "だ。いずれにしても注目だ。

(評価)
□ 曲・歌 ★★★★☆
□ 録音  ★★★★☆

(視聴)

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2019年9月30日 (月)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「US+THEM」Film 公開

「US+THEM Tour」の記録を映画として制作し公開する

音楽と人権、自由、愛のメッセージにインスピレーションを与える創造的な先駆的な映画・・・と言うが

 

<Rock>   映画 「Roger Waters US+THEM」
                               by Bean Evans and Roger Waters

Usthemmoview  ロジャー・ウォーターズの2017-2018年の世界的ツアーであった(残念ながら日本にはこなかった)「US+THEM」ツアーの模様を納めた映画の公開を、世界的にこの10月2日と6日に行う。
 ライブものとしては今までに無い画期的な内容と言われているが、その中身は不明、彼のことだから何か新しい試みをしているのだろうことは容易に想像が付く。

 その前の歴史的大規模だった3年に及んだ「The Wall 」ツアーの記録は、彼の戦場で失って会えることが無かった父親を戦争批判をこめて回顧した映画として作り上げたが、果たして今回は ?・・・・。

   おそらくこの作品も「映像もの」として一般にリリースしてくれるだろうと期待しているのだが。

 一方、彼は大がかりなツアーは、この「US+THEM」で終わりにすると言っていたが・・・、ここに来て別企画の北アメリカ、メキシコにてのライブ・ツアーを2020年に行うこともほのめかしているようだ。彼の集大成をしたいのか、入場料は無料でやりたいと言っているらしい。
 "アンチ・トランプ"、"パレスチナ情勢"などに問題意識を持って訴えた「US+THEM」であったが、今度は何を企画しているか・・・このあたりも、彼のエネルギーが続く限りは問題意識の中から何かを展開してゆくのであろう。楽しみと言えば楽しみである。

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(参考視聴)


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2019年8月14日 (水)

[名盤検証] ミーナ・クライアル MEENA CRYLE & THE CHRIS FILLMORE BAND 「in concert -Live on Tour 」

女性ギタリストのブルース・ヴォーカル・・哀愁と熱唱と

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<Blues, Rock>

MEENA CRYLE & THE CHRIS FILLMORE BAND 「in concert -Live on Tour」
Continental Record / Holland / CBHCD2028 / 2017

Inconcert

Meena Cryle :Vocals,Rhysm Guitar
Chris Fillmore : Lead Guitar
Roland Guggenbichler : Organ
Carl Kaye : Pedal Steel Guitar
Jojo Lackner : Bass
frank Cortez : Drums

   なんとオーストリア出身の1977年生れの女性シンガー・ギタリストのミーナ・クライアルのブルース・ロック・アルバム。リード・ギタリストはクリス・フィルモアが共演しての充実演奏をバックに、ブルース、ソウル、ロックのヴォーカル・アルバムだ。
 なんとなく、時にブルースが無性に聴きたくなるのだが、元祖黒人のブルースは当然としても、白人系でもブルースをこよなく愛して演ずるミュージシャンも多い。あのエリック・クラプトンもそんな一人であり、又ここで取り上げたピーター・フランプトン、スノーウィ・ホワイト等の英国陣もなかなかそれなりのブルースを演じてくれる。

Meenabyjohanneswahlw  さてこのミーナ・クライアル(→)だが、注目は女性シンガー・ギタリストと言うところだ。ブルースの女性版はやはり注目したくなる。彼女は、アルバム・デビユーして既に20年近くになっている。最近と言っても彼女が40歳にならんとしていた2017年に、リリースされたのがこのアルバム。当初はミーナ独自の名義でのアルバムとして2001年に「twilight zone」がリリースされているが、やはりギタリストとしてクリス・フィルモアがサポートしている。そしてこのアルバムはライブ盤であるが、The Chris Fillmore Band と彼女と対等な名義でのアルバムとなっている。この形は前作「TELL ME」からで、こうしたブルースは如何にギターの味が重要かと言うことも示していることである。
  彼女はこのフィルモアとの共演で、ギター演奏はリズム・ギターに寄っているが、ここではヴォーカルに大きなウェイトをおいていて、独特のややハスキーなパンチのある熱唱の面と、時にブルース独特の哀愁のある訴えるところを巧みにこなすのである。

 

Songlist

1448998707_comp_20151128_w   ソング・リストは上のようだが、冒頭1曲目はロックで展開するが、M2."Since I Met You Baby"には堂々のブルースを展開して、彼女の歌と共に、やや後半にはフィルモアの泣きギターが訴えて、これぞブルースだと展開する。
 M3."Rather go blind"はこんどはしっとりとミーナが歌い上げ、後半は熱唱に。こうして聴いてくるとさすが暦年のブルース女子が円熟期を迎えて充実した歌唱力発揮である。
 M4.M6.はロックそのもの。
   M5."It makes Me Scream" なにせ人気曲。これは語り調の哀愁あるギター・プレイからスタートして、おもむろにミーナのブルース節が切々と迫ってくる。このアルバムでもトップ・クラスの出来。いやはやフィルモア(→)のギターに惚れ惚れしてしまう、約9分30秒の曲。
  M7."Load have Mercy"ここでもブルースを展開。
  M8."Tell Me"これが懐かしの演歌調スロー・バラード調ロック、ギターも歌い上げて久々に懐かしい気持ちになる。
 そしてM9.はロック、M10.は再びスロー・バラードととにかく変化を持たせて飽きさせない。彼女は歌が旨くて曲による歌い回しに情感が行き届いていて納得。多分これはこのステージのお別れの曲。そして以下のM11.M12はアンコールのようだ。

  いやはや久しぶりにブルース、ブルース・ロック、ロックン・ロール、泣きギター、そしてしっとりの哀愁のヴォーカル、さらにはジャニス・ジョプリンなみの熱唱と、諸々100%の満足感アルバムであった。
   
 ( Meena : Discopraphy )
2010: Try Me, Ruf Records
2012: Feel Me, Ruf Records
2013: Tell Me, Ruf Records (Meena Cryle & The Chris Fillmore Band)
2017: In Concert: Live On Tour, Continental Blue Heaven (Meena Cryle & The Chris Fillmore Band)

(評価)
□ 曲・歌・演奏 :  ★★★★★
□   録音     : ★★★★★☆

(試聴)     "It Makes Me Scream "

 

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2019年7月20日 (土)

スノウィー・ホワイトのニュー・アルバム Snowy White and The White Flames 「THE SITUATION」

枯れた味が魅力のロックとブルース

<Rock, Blues>

SNOWY WHITE AND THE WHITE FLAMES 「THE SITUATION」
Soulfood / IMPORT / SWWF2019  / 2019

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SNOWY WHITE & THE WHITE FLAMES
Snowy White : Guitor & Vocals
Walter Latupeirissa : Bass & Vocals
Max Meddleton : Keyboards & Percussion
Juan Van Emmerioot : Drums & Percussion
Kuma Harada : Bass
etc.
  
 スノーウィー・ホワイトの"THE WHITE FLAMES"バンドのアルバムだ。このバンドの前作は久々に一昨年「Reunited...」(2017)がリリースされた。それはスタジオ・ニュー・アルバムとして2011年の「Realistics」以来で久しぶりであった。バンド名は彼の1983年の初のアルバム・デビューの「White Flames」の名前をつけている。そしてメンバーも変わらずに今回それに続いて順調にお目見えした訳である。
 実は私は、彼らの総集編のような映像とCDのライブを納めた「Live at Rockpalast」(2014年)がリリースされて、これでこのバンドは一応納めたのかと思ったのだが、こうして2017年再結成アルバム、続いてこの2019年のニュー・アルバムと順調にアルバムがお目見えすることは、何につけても結構なことだ。
 一方つい一昨年彼は個人名義でアルバム「RELEASED」(2017)をもリリースしていて、これは彼としては例外的多作である。それはロジャー・ウォーターズとの長い「世界THE WALLツアー」などを終えてからの、経済的余裕と時間の確保と両方が実ってのアルバム制作だったのだろう。

 先日ここで英国ロックからのブルース・ギタリストPeter Frampton を取り上げたとなると、私はこのスノーウィ・ホワイトがどうしても気になる。彼は、主としてこの"The White Flames"と"The Snowy White Blues Project"の2つのバンドで、ロックからブルースを展開していて、なにせ極めて紳士プレイヤーで派手な動きがない。しっかり注意していないとニュー・アルバムにも気がつかずにいることになってしまう。もう彼もいい歳になって枯れた味が滲んできた。実はそれを聴きたいのである。
 これは完全にアルバム制作のスタジオ録音盤。このバンドの11作目か。

Snowy_white1w (Tracklist)

1.The Situation
2.This Feeling
3.L.A. Skip
4.Can't Seem To Do Much About It
5.Crazy Situation Blues
6.Blues In My Reflection
7.Why Do I Still Have The Blues?
8.You Can't Take It With You
9.Migration
10.The Lying Game
11.Hard Blu
12.I Can't Imagine

  とにかく前編スノーウィ・ホワイトらしく優しいムードに包まれている。このバンドのメンバーも、もう結構いい歳になっいるので、荒々しさはない。日本人で英国で活躍してきたベーシストのKuma Haradaも名を連ねていて、これも私にとっては久しぶりだ。
 やはり主体はブルースだが、全体的にしっとりとしたムードだ。相変わらずのホワイトのはヴォーカルは、歌というよりは語っているといったニュアンスである。

White-f

(若き日のTHE WHITE FLAMES ↑)

 タイトル曲のM1."Situation"はパーカッションが響いて、珍しく軽快なラテン・ロック調。
   M2."This Feeling"は、今度はホワイトのシンセが、そしてギターが静かに神妙に流れるちょっと物思いに誘う曲。
 M5."Crazy Situation Blues" ここに来てブルースが全開。この曲は非常にゆったりとした静かなブルース。ホワイトの独特のヴォーカル、そしてギターも美しく流れる。
 M7."Why Do I Still Have The Blues" は、なんと8分以上の長曲仕上げ。静かな美しいゆったりしたギターでスタートして変調しての後半のロックとしての盛り上がりをみせるなど聴き応え十分。
   M9."Migration"は、珍しくキーボードも加わってヴォーカルなしのインスト曲。

 全体に聴きやすく、ホワイトの美しいギターが聴けるアルバム。このバンドとしては、やはり年齢的充実感といったところだろうか。前作に続いて初期のメンバーが再結集して人生を描いている風情を感じたところだ。

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★☆ 
□ 録音       : ★★★★☆

(試聴)  "Crazy Situation Blues"

 

 

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2019年7月 4日 (木)

ピーター・フランプトンのニュー・アルバム Peter Frampton Band 「All Blues」

ブルースで最後の花を・・・・

<Blues,  Rock>

Peter Frampton Band 「 All Blues」
Ume(USM) / IMP / 7764424 / 2019

Allbluesw

PETER FRAMPTON(El.Guitar, Voc)
ADAM LESTER (El.Guitar)
ROB ARTHUR(Key. Voc)
DAN WOJCIECHOWSKI(Drums) 

Mv5bmtywotm5  英国出身でロック全盛期にギタリストとして生きてきた男のブルース・ギターは、やっぱり40-50年の経過の中から築かれた世界であって、それなりに味わい深いのだ。ブルースはその起源からして英国の白人とは一線を画しているかの如くであるが、ギタリストからみるとロックとは離しても離されない流れにあって、ブルースを極めんとする心は自然と生まれたものでもあるといえる。

 このピーター・フランプトンPeter Framptonも1950年生れだから、70歳に近くになって、深刻な病に冒されていて今年ライブ活動の引退宣言ということになってしまった。しかしここにブルース曲のニュー・アルバムをリリースしたことは、ロッカーである彼のブルースに対する思い入れをみる思いである。

(Tracklist)

1.I Just Want To Make Love To You (with Kim Wilson)
2.She Caught The Katy
3.Georgia On My Mind
4.You Can't Judge A Book By The Cover
5.Me And My Guitar
6.All Blues (featuring Larry Carlton)
7. The Thrill Is Gone (with Sonny Landreth)
8. Going Down Slow (with Steve Morse)
9. I'm A King Bee
10.Same Old Blues

 6番目の曲のタイトルをアルバム・タイトルに持ってきて、全曲ブルースのオンパレード。
 60年代末のロック・グループ・ハンブル・パイHumble Pie結成からブルースをも演じてきた彼にとっては、やはりブルースなんでしょうね。
 このアルバム、勿論冒頭からブルース・ギターが全開して楽しめる。
   ボギー・カーマイケルのM3."我が心のジョージア"なんかが登場するが、ピアノから始まって彼のしっとりした泣きギターが歌い上げていいですね。
 M6."All Blues"はマイルス・ディビスの曲だがLarry Carltonのギターも呼び込んでの演奏だ。それが又美しい曲の仕上げに驚きますね。この曲もヴォーカルなしで、ピアノも生きていて共にメンバーどおし演奏を楽しんでいる雰囲気すらある。このあたりはロックというよりはジャズですね。
 M7."The Thrill Is Gone"は、 やや哀愁のあるブルースで、泣きのギター、ヴォーカルがしっとりと迫ってきて、これも私好みだ。
 M10."Same Old Blues"は、なんとなく昔懐かしい歌と演奏で始まり、最後は泣きのギターが登場して幕を閉じるところはちょっと感傷的になってしまう。

 とにかくこのアルバムはやはりフランプトンの記念碑的ニュアンスが濃い。メンバーも長年のツアー・メンバーと共にしていて、彼らと共にナシュビルにある彼のスタジオであるスタジオ・フェニックスに集結して録音されたものいう。そしてそこにラリー・カールトン、サニー・ランドレス、スティーヴ・モーズらがゲスト参加という豪華さである。

 かっての1976年の当時のLP二枚組というライブ・アルバム「Frampton Comes Alive」の世界的大ヒット以来「ライブの人」と言われ、ステージの演奏を数十年楽しませてくれた彼が、今年で病(封入体筋炎)でライブは終了宣言したわけであるが、この病気が本当であれば、これは難病で四肢の筋力低下、嚥下障害を起こす。特に上肢の手指、手首屈筋の筋力低下が進行するので、ギタリストとしては致命傷だ。

そんなことを考えながら聴くと、非常に心引かれるアルバムということになった。

(評価)
□ 選曲・演奏 :  ★★★★☆
□ 録音           :  ★★★★☆

(試聴)

 

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2019年6月30日 (日)

サンタナのニュー・アルバム SANTANA「AFRICA SPEAKS」

久しぶりの新作はアフリカン・ビート、そしてフュージョンの復活

<Latin Rock, Fusion>
SANTANA 「AFRICA SPEAKS」
ConcordRecords / IMPORT / 00888072100541 / 2019

Africaspeaks

Santana Bands
Buika (vocals)
Laura Mvula (vocals)

Conchabuika2a110116  サンタナの流れは我々にとっては人生の歴史の一幕であった為、なんといっても注目してしまう。そして原点回帰の「SANTANA Ⅳ」(2016)以来の3年ぶりのサンタナのニュー・アルバム。一時は「Super Natural」(1999)以来、多くのミュージシャンの共演をネタにしてのアルバム作りであったが、前作からサンタナCarlos Santana流を前面に出してきた。そしてそれからがバンド・サンタナが如何様に展開してゆくかは実は興味のあるところでもあった。そんな中で、ここに登場は、なんとアフリカン・ミュージックにインスパイアされたと思われるの作品の登場をみたのだ。
 そして共演リード・ヴォーカリストにスペイン・マヨルカ島出身の女性シンガーのブイカBuika(→)が選ばれた。彼女はアメリカ公共放送局NPR"The Voice of Freedom"(自由の声)と表され世界的にも認められる存在。
 とにかく全編サンタナの懐かしのギターが炸裂する。しかしそこには更なるサンタナの姿の再確認も出来ることとなった。

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(Tracklist)
1. Africa Speaks
2. Batonga
3. Oye este Mi Canto
4. Yo Me Lo Merezco
5. Blue Skies
6. Paraisos Quemados
7. Breaking Down The Door
8. Los Invisibles
9. Luna Hechicera
10. Bembele
11. Candombe Cumbele

Cindybio   冒頭M1."Africa Speaks"は、ボンゴ、コンガの音から出発して、サンタナの語り、ギターの語りと泣き、ブイカの歌、そしてなるほど今回のアルバムはかっての「不死蝶」の頃のフュージョン・スタイルの復活を思わせる音が聴こえてくる。 これはある意味で私は歓迎なのだ。
  バンド構成は、ドラムスはサンタナの女房Cidy Brackman Santana(→)が務めていて、例の総勢8人のバンド。
 もともとサンタナは、ロック、ラテン、ジャズ・ブルースのミックス・ミュージックだ。中でも「キャラバンサライ」(1972), 「ウェルカム」(1973), 「不死蝶」(1974)の頃はフュージン・バンドとしての印象の強いときがあった。私は当時は一種のプログレッシブ・ロックでもあると言っていたものです。
 M5."Blue Skies" は、サンタナのギターから流れ、女性ヴォーカルにカリビアン・ルーツのLaura Mvulaも加わって、完全にサンタナ・フュージョン・ミュージックの復活。これはロックというよりはジャズの世界と言ってもいい。このアルバムでは最長の9分を超える曲で私は最もこのアルバムではお気に入り。後半に流れるサンタナの静かなギターも聴きところ。やっぱりカルロス・サンタナ自身には、あの45年前の頃の音楽世界がしっかり残っていることが確信できて、今回は嬉しさを隠せなかった。
 M6."Paraisos Quemados"もアフリカン・ミュージックというよりは、サンタナ・フュージョン世界。ここでもサンタナの泣きギターがいいですね。

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 このアルバムは、勿論主題のアフリカン・ミュージックのリズムカルにしてパワーフルな曲による世界がしっかり描かれているのだが、私の好みのサンタナのフュージョン世界が見事に織り込まれていたことに大歓迎したアルバムだった。

(評価)
□ 曲、演奏 : ★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(視聴)

 

 

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