ROCK

2017年3月20日 (月)

サンタナⅣライブ映像版 「LIVE AT THE HOUSE OF BLUES LAS VEGAS」

夢にも思わなかった奇跡的結合映像

<Rock>
SANTANA Ⅳ 「LIVE AT THE HOUSE OF BLUES LAS VEGAS」
 Ward Records / JPN /GQXS-90186 / 2016

4_live

54919125Carlos Santana (vocals, guitar)
Neal Schon(vocals, guitar)
Gregg Rolie (vocals, Hammond b-3 organ, keyboards)
Karl Perazzo (vocals, timbales, percussion)
David K. Matthews (keyboards)
Michael Shrieve (drums)
Michael Carabello (congas, percussion, background vocals)
Benny Rietveld(Bass)

A しかしこんな事も起こるんですね・・・・ほんとに奇跡かと思う昨年4月にリリースされた『サンタナIV』 。なにせ45年ぶりの集合ですから信じがたい出来事だった。
 そしてそのお披露目ライブが実現し、ここにその模様を収録した映像版がオフィシャルに登場しているのだ。

 オリジナル・メンバーのカルロス・サンタナ(G)、グレッグ・ローリー(Key)、マイケル・シュリーヴ(Ds)、マイケル・カラベロ(Per)、71年から参加したニール・ショーン(G)、そして現メンバーのカール・ベラッツォ(Per)、ベニー・リートヴェルド(B)、デヴィット・K・マシューズ(Key)という8人編成。
 そして演ずるは、かっての懐かしのサンタナの曲、そして今回の「サンタナⅣ」からの新曲とゴージャスそのもの。
 そしてそれはラスヴェガスのマンダレイベイ・ホテルにある“ハウス・オブ・ブルーズ”のステージで、繰り広げられたお披露目ライヴ(2016年3月)の映像化。

B このかってのメンバーの集結話が実現する切っ掛けは、「サンタナ」にわずか17歳で加入しギター天才少年と騒がれたニール・ショーンの働きによるものであったらしい。

 あの「サンタナ」が実際には世に知られたのは1969年の「ウッドストック」であったが、あの時の感動ドラマー、マイケル・シュリーブの姿が45年以上経って「サンタナ」として見れるとはほんとに夢にも思わなかったわけで、私はもう中身よりこの姿だけで満足してしまう。それが何々、グレッグ・ローリーのヴォーカルもまだまだ若々しく、マイケル・カラベロもパーカッションを軽々と演じてくれた。
 まあカルロスとニールの超絶的なギター・バトルの再現は見応え有りで、”ブラック・マジック・ウーマン”始め、サンタナの歴史とあのラテン・ロックの魅力がたっぷりと良好な映像とサウンドで 納められていて、これは貴重盤であることには間違いない。

【Blu-ray収録内容】
01. ソウル・サクリファイス
02. ジンゴー
03. イヴィル・ウェイズ
04. エヴリバディーズ・エヴリシング(新しい世界)
05. シェイク・イット
06. エニウェア・ユー・ウォント・トゥ・ゴー
07. チュー・チュー
08. オール・アボード
09. サンバ・パ・ティ(君に捧げるサンバ)
10. バトゥーカ
11. ノー・ワン・トゥ・ディペンド・オン(孤独のリズム)
12. リーヴ・ミー・アローン
13. スウェニョス
14. カミナンド
15. ブルーズ・マジック
16. エチゾ
17. カム・アズ・ユー・アー
18. ヤンブー
19. ブラック・マジック・ウーマン/ジプシー・クイーン
20. オエ・コモ・ヴァ(僕のリズムを聞いとくれ)
21. ロナルド・アイズレー・イントロ
22. ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド
23. フリーダム・イン・ユア・マインド
24. トゥーサン・ルーヴェルチュール(祭典)
<ボーナス映像>
バンド・メンバー インタビュー

 演ずる曲は、やはりⅠから勿論”Soul Sacrifice”、”Jinco”と演じられ、 Ⅱ(「Santana ABRAXAS」)からは、当然”Black Magic Woman”、”Samba Pa Ti”など、Ⅲからは”Toussaint L'overture”、”No One to Depend On”などと登場する。
 Ⅳの新曲はしっかりと盛り込まれていて、とにかく楽しめる。
 まあ、ニール・ショーンと言うことで、「CARAVANSERAI」からも”Song of The Wind”あたりは入れて欲しかったのだが、残念ながら収録されていない。この日は演じていなかったのかもしれないが、後のライブでは登場していたはずである。

 とにかく、実際のところはよく解らないが、カルロスの宗教的な指向とジャズへの傾倒が原因かと言われることにより、ショーンとローリーの「ジャーニー」への分裂となった「サンタナ」であったが、今となれば彼らにとっては人生の一コマでしか無いのかも知れない。こうして若き時代の志を一にした時の気分に戻れたのは、彼らもそうだと思うが、聴く我々も嬉しい限りであった。

(視聴)

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2017年3月11日 (土)

ナイトウィッシュNightwishライブ映像盤「VEHICLE OF SPIRIT」

圧巻のシンフォニック・メタル・ロックは更なる充実をして・・・・・
Nw__2016


<Symphonic Metal Rock>
Nightwish「VEHICLE OF SPIRIT」
Nuclear Blast / USA / NBA 3850-7 / 2017
Nwlivew

  Tiomas Holopainen : Keys.
  Floor Jansen: Vocals.
  Marco Hietala: Bass,Vocals
  Troy Donockley : Uilleannpipes, Low whistles, Vocals.
  Emppu Vuorinen: Guitar
  Kai Hahto: Drums


2 女性リード・ウォーカルで苦労したフィンランドの注目のロック・バンド「ナイトウィッシュ」、ターヤの後のアネット・オルゾンから2012年にオランダの元アフター・フォーエヴァーそしてリヴァンプAFTER FOREVER/REVAMPのフロール・ヤンセンFloor Jansen(→)を招き、更に英国のケルト・ロック・バンドYou Sloshを結成してトラディッショナルな世界を構築するドノックリーTROY DONOCKLEY(あの名ケルティック・フォーク・バンドのアイオナでの活躍が印象的)が加入しての目下の最新作は2015年の「ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL」だ。
 そしてその後の2015年から16年にかけて行われたワールド・ツアー「Endless Forms Most Beautiful World Tour 2015-2016」の模様を収録したライブ作品(昨年訪日も果たしている)。英国ウェンブリー・アリーナ公演と母国フィンランドのタンペレで行われた公演の2つのライブをBlu-ray2枚にフルセットで収録し更に世界各地での模様も納めてのサービスを加えたた映像版だ。

       *           *
1■ ウェンブリー公演 
取り敢えずメイン収録は英国ロンドンの”WEMBLEY ARENAもの”と言うことで、その収録セット・リストは右のとおりである。主としてニュー・アルバムからと、過去のヒットを織り交ぜての公演だ。
 まあ、ツォーマスTiomas Holopainen 、 マルコMarco Hietala、エンプEmppu Vuorinenの3人は当然としても、やっぱり注目は フロール・ヤンセンだ。彼女はもともとロック・バンドにおけるヴォーカルの経験は十分なので、勿論不安は無いが、今回はナイトウィッシュに本格的参加のニュー・アルバムを引っさげての登場であり、そして以前から宣言しているようにターヤを意識しないで、自らの世界を造ると息巻いていたんで、どんなモノかと注目するわけである。
 結論から言うと、このバンドとしての役割は十二分に果たしていたというところ。なにせあの体格から訴えるヴォーカル、そしてパフォーマンスは見事。そしてかねてからの経験で、ソプラノから低音部まで余すとことなくリクアーしている。ツォーマスのダイナミックな曲群をなかなかこなすのも大変だろうが、難なくロッカーとして唄い上げ演技しているところはさすがである。

Troydonockley2014 ドノックリーTroy Donockley(←)の参加で、ケルテック・ムードも加味されて一層ナイトウィッシュのスタイルが厚みを持った。
 今回のアルバムも、彼らは"種の起源"やリチャード・ドーキンスの生態進化学などに因んだコンセプトアルバムであっただけ、彼のUilleannpipesなどの古楽器を生かしての演奏は素晴らしい。人間の発生・進化論と自然がテーマという深遠さとダイナミックを十分にこなしている。とにかく畳み込んでくる彼らの世界は圧巻である。
 ただし、心配なことにユッカ・ネヴァライネンJukka Nevalainenは病気の為、ドラマーは Kai Hahtoが務めているが、ユッカと違ってドスンバタンの迫力は少ないが、なかなか繊細なシンバル・ワークもあってこれはこれで悪くない。

Thw■ タンペレ公演
 そしてもう一つ彼らの本拠地フィンランドのタンペレTampereで行われた公演も別の一枚のBlu-rayに納められている。こちらは更に画像は良好で音質も標準をクリアしている。彼らのステージでの息の合ったプレイも見もので価値がある。この第3期ナイトウィッシュは一層充実を果たしていて、ツォーマスの満足の域にある表情が見られホッとするのだ。
 このメンバーのオフィシャル映像は"WACKEN open air live show"の『Showtime, Storytime』(2013年)以来だが、比較すると格段に内容共に良くなっている。
       *          *
 さて、ここで余談だが、止めておけば良いのに、どうしてもフロール・ヤンセンとターヤを比較したくなる。そこで何年か前のライブの改良Blu-ray映像版『End Of An Era』があるので取り敢えず面倒だが比較してみたのだ。やはり”Eva Dream”、”Nemo”などの曲を比べるとターヤのヴォーカルのオペラテイックな魅力には敵わない。しかし、まあそうは言っても現在のところ、現行ナイトウィッシュはやはりロック・パワーのフロール・ヤンセンの魅力、そして音楽的にはシンフォニックな完成度が更に高くなっており、そのスケールの大きさはまさに敵なしの存在と言って良いと言えるのだ。
(参考視聴)

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2017年2月23日 (木)

ロジャー・ウォーターズの1992年以来の完全ニュー・アルバム「Is This The Life We Really Want?」

いよいよ完成か? 近々リリース!!

Usthemw

  今年は春からの北米を中心としてのピンク・フロイドの新解釈リニューアル版ライブ「US+THEM 2017」(→)で話題のロジャー・ウォーターズ。

 ここに来て、噂のニュー・アルバムが現実化した。

 ロジャー・ウォーターズのロツク完全ニューアルバムとなれば、いやはや1992年『AMUSED TO DEATH 死滅遊戯』以来ですね・・・・ピンク・フロイドの進化=待望の登場です。

          ↓          ↓
<Progressive Rock>
 Roger Waters
『Is This The Life We Really Want?』

 アルバム・タイトルからして現代社会への問題提起、社会批判となりそうだ。これぞ彼の真骨頂、ロック魂老いて盛んというところ。まさに『AMUSED TO DEATH 』の続編か?。

 思い起こせば、とにかく1992年『AMUSED TO DEATH 』以来、この25年は長かったが、クラシック・オペラ作品『Ça IRA 希望あれ』とか、「To Kill the child/Leaving Beirut」があったり、印象の強い曲としては”Each Small Candle”、”Hello(I love you)”、”flickering flame”、”Knock'n on heaven's door”、”Song for Palestne” 等々結構味のある曲の披露もあった。   

C3xljj7vmae9btjw


(参考)

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2017年2月12日 (日)

エイミー・マクドナルドAmy Macdonaldのライブ映像「Switzerland 2014」

インディーロックで広い年齢層に訴える・・・・

<Pops, Folk Rock, Indie Rock>
(BOOTLEG)
AMY MACDONALD 「SWITZERLAND 2014 &2013」

Switzerland2014

NTSC COLOR / DOLBY STEREO / PROFFESIONALY SHOOTING

 ここに来て久しぶりにエイミー・マクドナルドAmy Macdonaldのニュー・アルバムがリリースされる。と、言うことで過去といっても近年の(2014年)彼女のライブ映像ものがあったのでここで紹介。

1st 彼女は2007年に、突然1stアルバム『THIS IS THE LIFE』(→)が全英1位という快挙でデビュー。 
 スコットランド出身であるだけあって、フォークっぽいロックでありながら、しかしそれだけでなくスコットランドをイメージさせる独特な世界観で迫ってくる。しかも若い割にはチャラチャラした印象が無く、どこか一本真の通っているイメージで私は取り敢えずマークしていたのだが・・・、このところニュー・アルバムも無かったのでちょっと寂しい状態にあった。
 考えて見ると、2ndアルバム『A Curious Thing』(2010)からはもう7年の経過である。そこで、それならとライブ映像版で近年の様子を見ることと、両アルバムのいいとこ取りをしてみようと、オフィシャル映像のライブ映像ものをブートであるがここに観賞しているというわけである。

Livelist 映像でのまずの印象は、やっぱり彼女のヴォーカルは非常に力強い。そして熱唱だ。(右は、当映像版のSetlist。「2014年 BALOISE SESSION BASEL, SWITZERLAND  10. 26. 2014 」のライブ映像だ)
 12歳からギターを独学し、作詞作曲してグラスゴーのパブやカフェでいろいろな形で唄ってきたと言うだけあって、すっかりヴォーカル・スタイルも自分なりのもので板に付いている。アコースティック・ギターを演じながらも、彼女なりきのフォーク、ブルースの上に成り立ったインディーロック(Independent Rock)を唄いこなす。

  このブートものは、それでもオフィシャルに撮られたものによって作られているため映像は良好で、ステージの様子は問題なく観賞できる。人気曲”This is the Life”はやっぱり訴えてきますね。
  そしてライブ映像をみて解ったことは、この彼女のパターンは家でCDで聴くよりは、やっぱりライブで聴くべきものなんだと言うところだ。そしてなお驚きは、会場は若者だけが中心で無く、結構中年以上も混じっている。なるほど・・・これが彼女の世界なのだと知ったところ。

Nnw ・・・・と、言う訳で今月リリースの彼女のニュー・アルバム『Under Stars』(→)が、デビュー・アルバムから10年、前作などから5年経ての久々のものだけに、どんな変化を遂げているかちょっと期待しているのである。

(視聴)

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2017年1月21日 (土)

ロジャー・ウォーターズ 抵抗開始!

Roger Waters →The Resistance bigins Today

”Pigs (Three Different Ones)” = Anti-Trump Song公開

(Zocalo Square,  Mexico city  Oct. 1 2016 )

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2017年1月15日 (日)

ロジャー・ウォーターズは叫ぶ「トランプはPIG(豚)だ」 = Desert Trip 2016

復活!問題作ピンク・フロイド「アニマルズ」

T このところ米国にて活動しているCreative Genius of Pink Floyd(ピンク・フロイドの創造的鬼才(守護神))の代名詞を持つロジャー・ウォーターズRoger Watersだが、米国大統領選においては、ヒラリー・クリントンやドナルド・トランプ両者の危険性を訴えていた。彼はポーランド系ユダヤ人移民のバニー・サンダースが適任者と当初から語っていたのだが・・・・結果的にはトランプの勝利。
 この新年2017年1月になって、トランプ勝利後の「初の記者会見」とやらが話題になっているが、とにかくアメリカ社会においてはその現在の姿が、世界を驚かせる程度の低さを露呈している。

 さて話は変わって、ここにロック・イベントを取りあげるのだが、これは昨年2016年10月2週間にわたってカルフォルニア州におけるビッグ・イベント「Desert Trip 2016」(↓)の模様であるが、ブート映像で見ることが出来る・・・大統領選進行中に於いての投票1.5ケ月前のロジャー・ウォーターズの叫びが印象的に記録されている。

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<Progressive Rock>
ROGER WATERS 「THE BEST OF PINK FLOYD」
STARLINE / ST1604BDR / 2016

Thebestofpf

EMPIRE POLO CLUB,   INDIO,  CA  10. 9 2016 

 これは映像Blu-ray盤のブート・アルバム、これに見る「Desert Trip 2016」というのもスケールは馬鹿でかいイベントですね。これにはポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ロジャー・ウォーターズ、ニール・ヤングという、ロック界の大物が一度に集結するから圧倒される。
 そしてこれはロジャー・ウォーターズのステージ映像版である。このところのウォーターズ得意の横長巨大スクリーン映像とライト・ショー、更には花火とでの演奏は圧巻。

 そしてバンドは、あの「THE WALL 世界ツアー」のメンバーを中心に、バッキング・ヴォーカルは女性2人になり、Ian Ritchieのサックスが加わっている。セットリストは下記のような28曲、約3時間、全てピンク・フロイド時代の曲だ。

Thewhotr(Roger Waters set list)
"Speak to Me"
"Breathe"
"Set the Controls for the Heart of the Sun"
"One of These Days"
"Time"
"Breathe (Reprise)"
"The Great Gig in the Sky"
"Money"
"Us and Them:
"Fearless"
"You'll Never Walk Alone"
"Shine On You Crazy Diamond (Parts I-V)"
"Welcome to the Machine"
"Have a Cigar"
"Wish You Were Here"
"Pigs on the Wing 1"
"Pigs on the Wing 2"
"Dogs"
"Pigs (Three Different Ones)"
"The Happiest Days of Our Lives"
"Another Brick in the Wall (Part 2)"
"Mother"
"Brain Damage"
"Eclipse"
"Why Cannot the Good Prevail"
"Vera"
"Bring the Boys Back Home"
"Comfortably Numb"


 そしてこのところ印象的なのは、彼が1977年に世間に訴えた社会批判、文明批判のアルバム『ANIMALSアニマルズ』 のウェイトが高くなってきていることだ。
 既にこの中の中心3曲のうちの2曲の”Dogs”、”Sheep”はとっくに登場済みだが、このところ遂に”Pigs(Three Different Ones)豚”がメイン曲になりつつある。彼はもともとPig(豚)は資本家の醜い面の象徴として捉えており、あのアルバムにおいて、この曲で痛烈にアジった。それがここに来てトランプの言動とオーバー・ラップして彼の格好の標的になっている。しかもウォーターズにとって「壁」(1979年、アルバム「THE WALL」)は最も人生の究極のテーマであり、ここに来て更にトランプの「メキシコとの壁」騒ぎで益々その関心は高まっているのだ。

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 ”TRUMP IS A PIG”とスクリーンに大々的に映し出し、会場には豚を飛ばし、豚には”FUCK TRUMP AND HIS WALL”、”#STOP TRUMP”、”IGNORANT LYING RACIST SEXIST”、”TOGETHER WE STAND DIVIDED WE FALL”と記されている。そしてあの曲”Pigs(Three Different Ones)”を、ピンク・フロイド時代からのSnowy Whiteのハードなギターと共に、リズム・セッションでごり押し展開をするウォーターズの姿は、あの狂気のはらんだ熱烈な1970年代末期のライブを思い起こす。そして更に今回スケール・アップした会場にて、今日の聴衆をして熱狂の渦に巻き込んでいるのである。トランプをCHARADE(インチキ野郎)とオーバーラップさせ、”そこまでやるのか”と・・・このステージはどうも歴史的に語り継がれそうな雰囲気だ。

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 このピンク・フロイド時代、ロジャー・ウォーターズのワンマン・アルバム『ANIMALSアニマルズ』は、評論家の間では、かってのフロイドのスペーシー・サウンドとの対比から不評であった。しかもこの曲”Pigs”は、他の2曲と違って、このアルバムの為に彼が急遽書き下ろしたハードな曲であって、ピンク・フロイドに似つかわしくないと言わしめた。更に資本家批判の内容の辛辣さに反発もあった。しかしそれはこの時代、パンクを代表するロックの原点回帰の流れの中で、一部の評論家のピンク・フロイドにも向けられたAOR(Adult-Oriented-Rock, Audio-O-R)化したプログレッシブ・ロックに対する批判へのウォーターズの回答でもあったし、むしろそれによって彼は自己の中にあったものの吐露する道を発見し、過去との決別的アルバム製作となったものだった。この流れは私自身は評論家と違って当時結構評価していたんですが・・・、事実、当時の北米でのライブにみるように若者の興奮度は更に高まり、軒並み沈没したプログレッシブ・ロックの中では唯一生き残るどころか、更にその成功を得たのだった。

 今こうして、改めて今回のライブで聴いてみると、なかなか世相批判においてはその現実的厳しさを実感として感じさせ、ロックらしい激しさと観衆を引き込む味のあるハードな曲で大会場向きだ。。
 アルバムのリリースから40年近く経った現在、彼が訴えたことが、そのまま社会問題化している事実は、今にして彼の以前からの発想が現代社会の問題点を捉えていること、それをロックとして訴えてきたことなどに注目せざるを得ないのではないだろうか。

(”Pigs”演奏時のスクリーンには下のような文章が映される)

I think apologizing’s a great thing. But you have to be wrong
I will absolutely apologize, sometime in the hopefully distant future. If I’m ever wrong”
A nation without borders not a nation at all. We must have a wall “

“ I was down there, and I watched our police and our firemen,
down on 7-eleven. Down at the world trade centre, right after it came down.”

I have a great Relationships with Blacks.
I've always had a Great Relationship with the Blacks.
My IQ is one of the highest - and you all know it!  Please don't feel so stupid or insecure it's not your fault 

an extreamely credible source has called my office and told me that Barack Obama's Birth certificate is a fraud
I'm not a Schmuck. even if the world goes to hell in a handbasket. I won't lose a penny.
You know. it really doesn't matter what the media write   as long as you've got a young. and beautiful. piece of ASS.
 
If IVANKA weren't my daughter. perhaps I would be dating her.
 
I could stand in the Middle of fifth avenue and shoot somebody. and I wouldn't lose any Voters.

14731393_1196199360423867_740066374 彼の近年甦ったアルバム『死滅遊戯』以来のニュー・アルバムもいよいよ最終段階に入っているようだ。おそらく現在の世界情勢からみても単なるミュージックというところには止まらないだろうと思われる。又彼の今年は「北米「US+THEM」ツアー」 も控えている。70歳過ぎても益々盛んなロジャー・ウォーターズは注目せざるを得ない。

 (視聴)

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2016年11月26日 (土)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット 「THE EARLY YEARS 1965-1972」~その4

このボックス・セットの目玉はやっぱりCD(10枚)とBlu-ray Audioである

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PINK FLOYD ボックス・セット 
「THE EARLY YEARS 1965-1972」

Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

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 このところこのピンク・フロイド・ボックス・セットに圧倒されていたが、やはり中でもCDとBlu-rayに納められた良質音源が感動的ですね。いろいろと映像モノは若きフロイド・メンバーが見れて実に楽しいのだが、そう新しいものの出現もやたら数多いという事でもないので、最終的には彼らの成してきた結晶であるミュージックそのものを、いろいな角度から味わえることが・・・貴重だ。
 特に今回のリミックス盤やその他ライブもの等も、サウンドが特に高音域は繊細に伸びており、低音域は落ち着いたものに作り上げており、センスの良さを感じた。それが非常に快感であった。そこで若干チェックをしたところを書いておく事にする。

4br シド・バレット時代(1965年~)からその後のウォーターズ、ギルモア、メイスン、ライトの4人体制(1968年)の新展開ピンク・フロイドまでは、既に取りあげたので・・・
(バレットとウォーターズの明るい表情が印象的→)、
 それ以降のCD盤を中心にポイントに触れてみたい。

4gilm■ ”Embryo”  ロジャー・ウォーターズの傑作曲

 1968年、これは私の好きな曲。ブートで各種何度も聴いたのが懐かしい。発表が曰く付きだったが(1983年の「WORKS」でようやく公式発表)、ギルモアもシドの影から脱して4人スタイルの役目も明解になり、彼のブルース流から泣きギターもうまく聴かせるようになる。こうしてピンク・フロイドは彼らの世界になって行くのだ。この曲はSE効果(子供の声など)も上手に入れられ、その後のウォーターズ流の原点をみる。Early Yearsの重要な曲。

■ BBC Radio Session もの ( 1967.9 、 1967.12 、1968.6、 1968.12.2 、1968.12.20、 1969.5、 1970.7、  1971.9、 計8回  ) 

  BBCはピンク・フロイドのSessionものとして重要なものを数多く残してくれた。その為、このボックス・セットで過去を知るため音源として採用されているものが多く、最も大きな役割を果たしている(数えると上記の8回の放送分が納められている)。しかも音質も良く、有り難いところである。
 リアルな音源として、ライブ録音ものと双璧をなすところだ。

4wright「More」 Album alternative Version, non  album version

 ここに映画「More」も画像改良が試みられて全編収納されているが、そのサントラ関係は、原点である「The Man & The Journey」組曲として、ライブ(アムステルダム)もので納得の音源が聴ける。更にアルバム『More』に納まらなかった曲のアウトテイクの公開もここにされていて・・・・納得。
 曲”Thema” は、映画「More」の冒頭に聴かれるもの。私はこの後の映画「The Vallee」は好きになれなかったが、この「More」は感動映画だった。その為この曲を聴くと今でも心に響いてくる。あのピンクの字で”Music : The Pink Floyd”と画面に出たときは興奮したものです。 
 その他の曲”More Blues”は、まさにブルースで、こうゆうものもなかなかの聴きモノ。”Embryo”もこのアウトテイクに入る。
 この頃の曲の作曲は、ピンク・フロイド立て直しに頑張ったロジャー・ウォーターズよるものが多く、演奏ではリック・ライトのキー・ボードの因子が非常に重要な役を果たしていた。デヴィット・ギルモアはギターよりむしろヴォーカルで魅力を発揮といった形がとられている。

4m「Atom Heart Mother」

 この曲は、多くのVersionが、これでもかこれでもかと襲ってくる。
 まあピンク・フロイドがこの曲がヒットしたことによって、分解せずにグループとして存在して行く事になった訳だから、当然と言えば当然。これがなかったら間違いなく”Echoes”はなかった。
①ブラス・オーケストラ合唱無し: Montrewux Live , Early Studio Version Band onlyなど。私はこのオーケストラ、コーラスなしの方がフロイドらしいロック・バンドの味を感じられて好きなんですね。中盤の手法は”Echoes”にも通ずるところがあって聴きどころ。いろいろと過去に於いてもブートで聴いてきたところです。
②チェロ、合唱、ブラス・アンサンブル付き: これもブートで過去にいろいろとお目見えしたが、ここにも好録音が納まっている。ブートではこのタイプの方が人気はあったが、私は①の方なんですね。

4w■ 「ZABRISKIE POINT」Soundtrack 全16曲 (第4巻)

 今回、この映画そのものは、このセットに納まっていない。当時、映画サントラに関心のあったフロイドは、曲作りに結構頑張ったが、映画に実際に採用された曲が少なかった。その為、彼らをガッカリさせたというか怒らせたというか・・・。私はしっかり映画及びLPを持っていました。
   後の”Us and Them”となる原曲”The Riot Scene”や”Careful with That Axe, Eugene”ばりの”Explosion” 、”One of These Days”となる”Take Off”など興味深い原曲が聴ける。
しかし、それ以外にも”Love Scene”と言う曲など、ピンク・フロイドとは思えない優しい曲もあって是非聴いておくべきもの。

■ 「Echoes」

   「原子心母Atom Heart Mather」の成功によって(英国アルバム・チャート1位)、このバンド・メンバーは自ずから諸々の問題があっても(実は既に解散ムードもあった)一つにならざるを得ない流れに入ることになる。
 それは各方面から次作への期待と要求が高まって、次なるアルバム製作を試みることになる。その為メンバー4人で”Nothing ~”と命名された多くの曲を生み出して(実に24曲の存在が解っている)、これが”Echoes”として組み立てられてゆくわけたが、その辺りも納得のゆくようにこのボックス・セットでは企画されている。
 このセットで、LiveそしてBBC Radio sessionものなど、非常に多くのVersionものに接することが出来る。又おまけとして”74年Wembley Live”ものまで収録されていて、これはSaxがフィーチュアーされ旋律を奏でるという異色タイプ。

 久しぶりにこの「Early Years」ボックス・セットの出現で、ピンク・フロイドの始動期から頂点への歩みの道に関して振り返ることが出来た。このブログの4回の私の感想アーティクルは、あまり系統的で無く、適当に聴いたり観たりしたものを取り敢えず書かせて頂いた。まだ何か落としているかもと思うところだが、まあ取り敢えずこんなところでした。

(参考視聴)
”Green is The Colour” (music & Words : R.Waters,  Vocal : D.Gilmour)

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2016年11月23日 (水)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット 「THE EARLY YEARS 1965-1972」~その3

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宇宙空間から人間社会へ 

(「おせっかい」・「雲の影」から「狂気」へ)

PINK FLOYD ボックス・セット 
「THE EARLY YEARS 1965-1972」

Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

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 1969年から1972年の4年間でピンク・フロイドは作られたと言っても過言で無い。この4年間こそピンク・フロイドの全てが試みられ、そして形作られ、彼らの頂点の「狂気」に繋がるのだ。その過程を多くの資料を収載してくれたこの「THE EARLY YEARS 1965-1972」の企画はみるに充実感がある。

■ ”Atom Heart Mother ”は、ブラス・オーケストラ・合唱付きのものと彼ら4人によるモノの2タイプがあるが、それを紹介すべく数多く納められている。しかし残念なことにこの当時から彼らのライブはオフィシャルな完璧な良質映像録画モノがない。これがピンク・フロイドの体質であったのだ。おそらく彼らは自身で納得した状況でのもの以外は収録拒否していたのであろう。
 取り敢えず、映像なしでは、CDにはこの両タイプを楽しめるべく良質録音ものが収められている。
 そんな訳で、当時のライブ映像としては、「ポンペイ・ライブ」は貴重なのだ。

Meddle(注目経過)
1969年「The Man & The Journey 」(ライブ全曲)
    映画「ZABRISKIE POINT」サウンドトラック収録(全16曲CD収納)
▲1970年『原子心母Atom Heart Mother 』(Original 4.0 Quad Mix盤+ライブ録音もの)
▲1971年4月「Ehoes」 完成 (Original 4.0 Quad Mix盤 +ライブ録音もの)
▲1971年8月「Hakone Aphrodite Open Air Festival」(テレビ放映Video)
▲1971年10月「Live at POMPEII」撮影
▲1971年11月『おせっかいMEDDLE』リリース
▲1972年2-3月映画「LA VALLEE」サウンドトラックをレコーディング(映画収録、CDに全曲)
▲1972年6月『雲の影Obscured by Clouds』リリース(2016 remix 盤+アルバム未収録曲)
▲1972年9月「Live at POMPEII」公開(映像5.1 surround Mix 版)
▲1972年11月-1973年1月「Roland Petit-Pink Floyd Ballet」公演 (放映Video)
()内、当ボックス・セット内容

 この4年間の注目経過はこんなところだが、1971年に「Echoes」を完成させ(Original 4.0 Quad Mix を納めたのは歓迎)、彼らの宇宙空間的ミュージックの完成を見た。そして彼らの評価は既にヨーロッパ諸国ではProgressive Rockとして右に出る物なしの感覚すら生まれていた。しかし一方ロック界は多様で、ロックの精神であるメッセージ性のなさに”Echoes”のネガティブ評価も生まれたのである。

Photo■ 「Hakone Aphrodite Open Air Festival」    6-7,Augast 1971映像

 実は完全に近いアフロディーテ映像に期待していたのだが、残念ながら、過去に何度か見てきたブート映像と比べるとこちらはカラーであるが同じものであった。テレビ放映用に組まれたもので、これは私の期待を裏切った一つ。もう少し別物でマシなものがないのであろうか。
 これに関しては、今回この企画の製作スタッフが、オリジナル映像をかなり探したようだが発見できず、現存しないと判断したらしい。ほんとは完璧な映像を見たいところであるのだが。

映画「LA VALLEE」、アルバム「雲の影Obscured by Clouds」

 映画「LA VALLEE」:全編改良映像で収録
 アルバム「雲の影Obscured by Clouds」: 2016年Remix盤(CD)

 72年には”Careful with that axe, Eugene”、”Set the controls for the heart of the sun”、”Atom heart mother”、” Ecoes” を中心に世界でのライブは圧倒的支持を得る中で、彼らの当時の関心事である映画サウンドトラックにも着手した。そこでは彼らの持つもう一つの世界である牧歌的な大地に足を付けたミュージックにも目を向けアルバム『雲の影Obscured by Clouds』の完成となったのである。

Obs_4 しかしこの「雲の影」は、ピンク・フロイドとしては一般にあまり評価が高く無い。それは彼らの築いたコスミックなスペーシーなサウンドでないためだと思うが、実はこれも彼らの持っている貴重な一面であって、牧歌的にして簡素なフォーク調の曲を中心に納められ、”Wot's...Uh The Deal”(Waters,Gilmour)、”Free Four”(Waters)など良く聴くと実に味があるのだ。(アコースティックな演奏→)
  彼らのそれまでの凝ったサウンドでなく、ストレートなギターの音、そしてヴォーカルなど”素材そのまま”であるだけに、ファンとしては彼らと現実に接している感覚となるだけでなく、彼らを知ることのために意味あるアルバムだった。

 そして今回このアルバムは2016年リミックス盤として、音質の改良も加えられ全編第6巻に納められてお目見えしたのである。実はこれを歓迎しているファンも多い。

■ 「Roland Petit-Pink Floyd Ballet」

 フランス・ツアーにおけるローラン・プティのマルセイユ・バレエ団との共演。過去に無い一つの実験であったと思うが、この映像モノは結構多数収められている。これに関しては、私はその意義について特にコメントは無い。

 1972年までの結論

72rog_3 こんな映画サントラ作業の一方では、ロジャー・ウォーターズの心には、”Echoes”のメッセージのなさに対しての批判を受けた事のショックは大きく、ここに彼にはもともと持っている”現代人の生活に疑問を抱いていた心”に大きな刺激を受けたのである。
 そして人間の持つ”狂気・我が儘、生と死、人間社会の矛盾の意味”に的を絞って、全ての曲にウォーターズが詩を付けてメッセージを込めた作品作りに着手。それが世界的作品となる『狂気The Dark Side of The Moon』である。


72gil_3 この多忙極めた1972年に「狂気」構想は練られ、曲作りされ収録を開始した。そしてロジャー・ウォーターズの得意とするコンセプトの確立が行われたのだ。そして翌年1973年3月にリリースされた。

 この1972年の「狂気」作成の過程においては、それぞれ異なったメンバーの個性が、ライブを重ねながら有機的に絡んでエネルギーを増していったことは事実である。つまり彼らの意識は別として、ピンク・フロイドとしての4人バンドの頂点に到達すべくそれぞれが挑戦的な作品作りに邁進したのであった。

 つまりこの『狂気』作成への1972年までが、ピンク・フロイドの”Early Years” としての大きな意味ある時であり、それに関する資料を纏め上げたのがこの企画である。その後の彼らの姿は誰もが知っているところに落ち着くわけで、ここまでの”Early Years” が最もピンク・フロイドとして私にとっては面白いところなのだ。

( 「THE EARLY YEARS 1965-1972」考察その4 に続く)

(参考視聴:Grantchester Meadow)

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2016年11月19日 (土)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット 「THE EARLY YEARS 1965-1972」~その2

シドのサイケデリック時代の回顧とプログレへの道の歩み

PINK FLOYD 「THE EARLY YEARS 1965-1972」
Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

  「1965-1972」ボッス・セットの考察2回目である。これは確かに充実度は高い。しかしかなりマニアックと言えマニアックで、ここまでの要求は、フロイド病でなければ・・・・?と、いったところでしょうかね。とにかく座右に置いて何時でも視聴したいというより、ここにあるぞといったところに満足するタイプのものだ。

Floydsid
1967(若き学生時代からの4人ロジャ-、シド、リック、ニック)
             ↓
Floyssyd3b
(1968 ギルモア加入5人体制)
            ↓
Floyd4b
(1969 シド脱退4人体制へ)

「1965-1972」ボッス・セットは全7巻のセット構成だが・・・・

■ ピンク・フロイド始動初期の第一巻(1965-1967年もの)
   (CD2,DVD1,Blu-ray1)

Floyd67
 <CD1>には「ザ・ピンク・フロイド」と名乗っての、シド・バレットの活動性の高い時の音源だ。
 特に注目は、バンドとしての最も古いものが納まっていて、それは1965年の6人体制ものだ(バレット、ウォーターズ、メイスン、ライトに加えてボブ・クローズ、既に離れたはずのジュリエット・ゲイルのヴォーカルも聴ける)。この頃はブルース基調のいわゆるロック・サウンドと言われるとおりで、まだサイケデリックというところにはない。この時のもの6曲収納されているが昨年まで公に聴かれなかったもので、マニアには貴重品と言えるもの(参照:下の1~6)である。これはデッカ・スタジオ収録だが、多分初めてのレコーディングと思われる。私は初めて今回聴いたが、学生バンドらしい若々しいもので、バレットと思われるヴォーカルは結構味がある。

 続いて、1966年から67年の曲群の登場。本来のバレット、ウォーターズ、メイスン、ライトの4人体制になってからのもので、放送禁止になった経過のある”Arnold Layne”始め、良く聴いた懐かしの数々が登場する。今まで初期フロイドものと言うのは一般的にはこの時からの曲であった(7~16)。

Vol1cd_2

 <CD2>には、ライブ音源が収録されている。この1967年STOCKHOLMライブはヴォーカル抜きの収録もの。ここにウォーターズの”Set the controls for the heart of the sun”が既に異色を放ち始めている。これがアルバム『神秘』への流れの開始であったのだ。”Reaction in G”、”Scream the last scream”などの未発表テイクも聴ける。
 更に、初お目見えの約30分の映像作品の為のサウンドトラックとして収録されたスタジオ・ライブ・セッションもの(’67年)。これは未公開もので、今回初の正規リリース。

  DVD、Blu-ray収録映像には、シド・バレットと言うと難しい顔つき画像が多いのだが、ここでは意外に明るい表情の映像で結構画質も良好で問題なく見れるモノが多くあることだ。勿論ピンク・フロイドのメンバーとしてだが、彼らの学生ムードの残っている初期の映像から始まって、当時の4人体制の息の合った姿がみれる。この頃の4人は実に未来に夢のある若者グループというイメージそのものだ。
 そして1967年からのUFOクラブのサイケデリックな彼らの姿が堪能できる。50年前のロンドンのアンダー・グラウンドの姿を見るという意味でも貴重。

■ 第2巻 1968年ギルモア加入から5人体制そしてバレット脱退
   ~リーダーは、シド・バレットからロジャー・ウォーターズに
   (CD1,DVD1,Blu-ray1)


1969 ここでは、シドの抜けた後のウォーターズの奮戦がピンク・フロイドの歴史としては最も重要であるのだが、その姿が後の世界的なバンドに成長する芽生えとして見ることが出来て楽しい。
 シド・バレットの不完全状態から脱退までの不安定状態の補充としてウォーターズが引っ張り込んだフレッシュなギルモアを加えての5人体制が姿を現すが、これもつかの間で、結局シド抜きの4人体制となる。
 
 <CD> シドに変わってウォーターズが作曲するようになり”Julia Dream”(後に「RELICS」に収録)の美しい曲が登場する。
 又未発表曲の”Song1”、”Roger's Boogie”が納められていて初聴きだ、これは貴重もの。
 1968年BBC Raio Sessionものとして、彼らの当時の代表的曲となる異様であり美しい曲”Murderotic Woman”(後の”Careful with that axe, eugene”)、”The massed gadgets of hercules”(後の”神秘A Saucerful of secrets”)も登場。更に彼らにとっての当時大事な曲”Embryo”(ウォーターズ作詩作曲、1983年「WORKS」で陽の目を見るも、回収騒ぎとなったもの)も聴ける。こうして如何にもピンク・フロイドだと味わえる時を迎えるのだ。ここから世界を駆け上がる。

Photo アルバム『神秘A Saucerful of secrets』リリース期でロジャー・ウォーターズ主導により、コズミック・サイケデリック・サウンドを強調している。又ここでは曲”太陽讃歌”、”神秘”がメインだが、ロジャー・ウォーターズの”Corporal Clegg”の反戦歌の登場に注目しなければいけない。又曲”神秘”も実は戦争に纏わるもので戦争・戦後の風景を描いている(4パートに別れる小組曲で後の曲作りの原点)、これから彼のこの”反戦世界”が延々と今日まで続くのである。

 この第2巻の1968年の映像ものは価値が高い。ウォーターズのマスコミ嫌いは有名だが、まだ当時は彼らも売り出しに躍起になっていたんでしょうね、多数のライブ、テレビ映像があって、それらが良好映像で納められていて楽しめる。(この後の世界的ロッカーになっての”Atom heart mother”、”Echoes”などはプロ・ショットが激減するのだ)~このボックス・セット企画の映像ものの最も価値あるところである。
  ここでライブは、ウォーターズの”Set The Control for The Heart Of The Sun”が彼らの演奏の中心となり、又”Interstellar Overdrive”のウォーターズ流に演奏の変化が出てきており("Pop68",Rome, Italy, 06 MAY1968)その迫力が凄い。

(この企画考察は、どうもまだ続きます・・・・・・・)

(参考視聴)

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2016年11月15日 (火)

ピンク・フロイドPINK FLOYD ボックス・セット「THE EARLY YEARS 1965-1972」

驚異の27枚組12時間30分の物量に圧倒されて・・・・

注目の・・・
感動の4チャンネル”Echoes”
良質サウンド”The Man & The Journey”72分完全版

 とにかく前代未聞の物量で、初期ピンク・フロイドの多くの未発表音源、映像。そしてピンク・フロイドの膨大なアーカイヴから未発表音源・映像を含む全7巻の書籍形式に収納された27枚組のヘビーなボックス・セット『The Early Years 1965-1972』である。
 今作には12時間33分、130トラックからなる音源(未発表音源・アウトテイク・デモ音源・テレビ音源・BBCでのセッションなど7時間分の未発表ライヴ音源とともに20以上の未発表音源)と、15時間を越える映像(5時間分以上に及ぶレアなコンサート映像、映画他)が新たなサウンド・ミックスとともに収録されている。まあこれはピンク・フロイドだから出来た企画ものですね。(内容は既に紹介

<Progressive Rock>
PINK FLOYD 「THE EARLY YEARS 1965-1972」
Columbia/Legacy  / U.S.A. / 88985361952 / 2016

Pb143127
 とにかく、このボックスの大きいことと重いこと、やっぱりそれぞれ7巻のブックに収納されての27枚組(CD10枚、DVD9枚、 Blu-ray8枚、 7インチシングル5枚)となれば当然というところでしょうが・・・・。

 取り敢えず、まだ好きなところから1/2位しか視聴していないので全体の感想は書けないが、私の興味のあるところを拾っての感想第1回だ。

■ 幻のアルバム「The Man & The Journey」完全版(1969年)

Themanthejourney  ピンク・フロイドを愛するものなら、彼らのシド・バレットから離れての新しい試みとして、アルバムとして作成することを念頭に企画され作曲し、ライブでの実験を始めた組曲「The Man & The Journey」('69.4英国から'70.2フランス・ライブ)に関心があるだろう。(→)
 これは結局のところリリースすることはなく、我々はこれはかってはライブもののブートでしか聴けなかったものだ。
 私は1970年代には、この実態を詳しく知りたかったし、ブートでも最も手に入れたく聴きたいと思ったもであった。
 しかし今回のこの企画ものに、ついに好録音良好サウンドの全15曲の完全版の登場となったのだ。

69rogergilmour かって私はこの組曲はブートで何枚か集めたが、最も良好な音質ものは、何時ぞや紹介したように”THE SWINGIN' PIG”もの(「AMSTERDAM'69」TSP-CD-052)であったが、あれは完全収録ではなかった。
(参照: 「Bootlegから見るPink Floydの真髄”ザ・マン””ザ・ジャーニー”」
  今回ここに日の目を見たものは、同じSep.17 1969 アムステルダム・ライブものであるが、全15曲トータル76分の良好音質の完全収録版である。
 これは今回リミックスを施したのであろうか、これ程の良好サウンドで聴けるとは思わなかった。これはまずは驚きの収穫である。
 これらの組曲は映画「モア」のサウンド・トラック用に使われて分解してしまい、この組曲としてのリリースはならなかったのもので、ロック界の歴史においても最初に試みられた組曲として注目されたもの。後のアルバム「モア」には、このうち何曲かは収録されたわけだが、しかしこうして組曲として聴くと、これまた印象は全く異なるところが面白い。今回のこのボックス・セット企画を評価する一つである。

Themanphoto

■ ライブ映像「Live at  Pompeii」サラウンド・サウンド版
    ~2016 5.1 Audio Remix~


  映像は、最新版の「The Director's Cut」の画像改良が加えられ、なんとサウンドは5.1サラウンドで楽しめることになり、サウンドの改良も凄い。特に高音部の繊細な音は素晴らしいし、低音も伸びた。ここまで改良できる事に驚きだ。
 これで私はこのポンペイものはLDやDVDなどを含めて4枚目となるが、その度に改良が加えられ、とにかくご機嫌である。

■ 名曲”ECHOES”の4チャンネル・立体音響もの
      ~Original 4.0 QUAD MIX 1971~
  (Blu-ray : 4.0 DTS HD MASTER AUDIO 96KHZ/24-BIT)

Floyd19712 これほどフロイドの曲でも立体音響にぴったりの曲も少ないが、かってLP盤でリリースされた”4.0 QUAD MIX”を更に音質改良されてBlu-ray4チャンネル立体音響盤 として聴くことが出来る。なんとライトのキー・ボードとギルモアのギターが聴く者の周囲をゆっくり旋回し、ウォーターズのベースが頭上から響くという残響を十分堪能できる曲仕上げで、まさに”エコーズ”を楽しむには最高だ。こうしてサラウンド化すると、それぞれの楽器が分離して聴くことが出来て、”なるほどこうした演奏であったか”と、彼らのサイケデリック・プログレッシブ・ロックを改めて感ずることが出来る。
 今にして驚くのは、彼らはこの70年スタート時に、”原子心母”(このQUAD MIXも、収録されている)以来のモノをこうしてマルチチャンネル立体音響をいち早く試みていたのである。

 私はフロイドものの多くの楽しみ方として、リアル・タイムに彼らと歩んできたため、「狂気」に至るまでの彼らの姿が実に興味深いし懐かしいのである。なにせ60年-70年の当時は現在のように情報も多くなく、又ブート探しも簡単で無かった。従って今にして今日までの長い間の過去に得た資料がこのように改良され再び接することが出来ることに感動がある。こんな重量感ある歴史絵巻は多分このセットまでであろうと思われるところだ。 
 「モア」や「ザ・バレイ」の映画も、画像が見事に改良されて収録もされているし、その他のピンク・フロイド誕生物語やシド・バレット時代の資料、「原子心母」の多彩なライブものなど又次回に触れることとする。

(参考)

 

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