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2020年8月24日 (月)

マッシモ・ファラオ・トリオ Massimo Faraò Trio 「Like An Elegant Wine」

ストリングス・オーケストラをバックに、あくまでも優雅に美しく


<Jazz>

Massimo Faraò Trio, Accademia Arrigoni's Strings Orchestra
「Like An Elegant Wine エレガントなワインのように」
VENUS RECORDS / JPN / VHCD-1278 / 2020

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マッシモ・ファラオ MASSIMO FARAO (piano)
ニコラ・バルボン NICOLA BARBON (bass)
ボボ・ファッキネネィック BOBO FACCHINETTI (drums)

with Accademia Arrigoni's Strings Orchestra
Conducted by Bill Cunliffe

2020年2月15日,16日 Magister Recording Area Studios,Preganziol,Italy 録音
Sound Engineers Andrea Valfre’ and Alessandro Taricco
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Produced by Tetsuo Hara

  このところ Venus Records の看板になりつつあるあのイタリアのピアニスト・マッシモ・ファラオ( 1965- )が、とにかく美しく優美にと、繊細にしてメロデックな演奏を、ストリングス・オーケストラをバックに優しく演ずるアルバムの登場。

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(Tracklist)

1.ラブ・ケイム・オン・スティールシー・フィンガース
2.Io Che Amo Solo Te 君だけを愛して
3.オールダー・マン・イズ・ライク・アン・エレガント・ワイン
4.Days Of Wine And Roses 酒とバラの日々
5.ホエン・サマー・カムズ
6.ニアネス・オブ・ユー
7.ティズ・オータム
8.イージー・リビング
9.スプリング・ウィル・ビー・ア・リトル・レイト・ディス・イヤー

 とにかく全編優美なストリングス・オーケストラとマッシモ・ファラオ・トリオが輪をかけて優美に演奏するアルバム。そんな訳でジャズ感覚は少なく、ポピュラー・ミュージック感覚で聴いてゆくアルバムだ。
 とにかく、あのジャズの'50-'60年代の典型的なハード・バッブ・スタイルを継承するがごとくのマッシモ・ファラオのピアノ演奏も、ここではただただメロディーの美しさに絞っての演奏である。そんなために曲M1、M2、M3と、私には殆ど同じ曲の流れかと思うぐらいに変化は無くただただ美しいのである。
 M4."酒とバラの日々" になってヘンリー・マンシーニーの耳慣れた曲が現れて、成る程こんな具合に仕上げるのかと、その優美さの引き出しに納得してしまうのだ。続くM5."When Summer Comes" なんかは、オスカー・ピータンソンの美的ピアノを更に美しくといった世界に溺れてしまう。
 その後も、全く変化無しに映画音楽などを取上げて、全編ピアノの音も美しく、ベース、ドラムス陣もこれといっての特徴も出すところもなくストリナグスに押されて流れて言ってしまう。
 時には、こうした疲れないバックグラウンド・ミュージック的な世界も良いのかなぁーと思いながら聴いてしまったアルバムだった。それにしても途中で一つぐらいは暴れて欲しかったが、いやいやそれをしないで通したマッシモに取り敢えず敬意を表しておく。

(評価)
□ 演奏 :    85/100
□   録音 :    85/100

(視聴)    関連映像がないので・・・参考までにトリオ演奏を

 

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2020年5月24日 (日)

ジェニファー・ウォーンズ Jennifer Warnes 「Another Time, Another Place」

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(今日の一枚)  我が家に咲くエゴノキの花
       Sony α74RⅣ, FE4/24-105 G OSS, PL

                                  - - - - - - - - - - - - - -

 

ソフトにマイルドに優しくフォーク、カントリー調の世界
~~~18年ぶりのスタジオ・アルバム

 

<Folk, Country-and-Western>

Jennifer Warnes 「Another Time, Another Place」
IMPEX / US / IMP8317 / 2019

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Jennfer Warnes : Vocals

81gqtkgtpul850   とにかく18年ぶりのスタジオ・ニュー・アルバムですから、まあシェニファーが健在であったことをまず喜ぶべきでしょう。前作『The Well』(→)は傑作というよりは既に記念碑的取り扱いで、ここで取り上げてたのは2001年のこのアルバムの2009年リニューアル再発のGold Editionがリリースされた頃であった。あのアルバムはフォーク、カントリーをベースに、ブルース調の曲、更にトラディショナルに至るまでカヴァーして、彼女の総集編的なもので文句の付けようのないモノだった。
 ところが昨年驚きの70歳代の彼女が、ヴォーカルをこなしてのニュー・アルバムをリリースしたのである。そんなところから我が友人がそれは見落とせないと私に紹介したわけである。そうなれば、当然ここで考察しておこうというところとなった。

 そして注目しておきたいのは、ここに彼女の長年の友の一流ミュージシャンが参加している。彼女にぴったりついてのバックにギターの名手、ディーン・パークス、そしてベーシストのエイブ・ラボリエル、ペダル・スティールのグレッグ・ライズ、ドラマーのヴィニー・カリウタ、さらにパーカッショニストのレニー・カストロ、バック・コーラスにはブロンディ・チャップリン、そしてブルース・ギタリストのソニー・ランドレスなど、所謂ヴェテラン陣が協力・参加しての名を連ねての祝賀盤の気配だ。

Image_20200524193701   更に、彼女はレナード・コーエンとの関係も重要だが、かってのアルバム『Famous Blue Raincoat』(→)ではコーエンのトリビュート・アルバムでヒットしたのだったのだが、そのコーエンのバンドメンバーであった友人のロスコー・ベックが、共同プロデュースという形でに協力している。

(Tracklist)
01. Just Breathe
02. Tomorrow Night
03. Once I Was Loved
04. So Sad
05. I See Your Face Before Me
06. I Am The Big Easy
07. The Boys And Me
08. Back Where I Started
09. Freedom
10. Why Worry

  ゆったりとしたテンポのフォーク、カントリー調の曲が中心。アコースティックな演奏をバックに彼女は一曲一曲慈しむように丁寧に歌い上げている。しかし声では年齢は解らない、刺激のないソフトにして美声の癖のない歌声は健在。いやはや70歳を超えたお婆ちゃんとはとても思えない。古き良きアメリカ音楽の遺産とも言える曲を伝えてくれる心地よい作品。アルバムジャケットのイメージどおり、昼下がりのテラスに腰掛けて、カセットテープ・プレイヤーを横に置き、ゆったりとした世界が伝わってくる。

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 アルバムのレコーディングはテキサス州オースティンで行われ、幅広いジャンルから名曲をえりすぐってのカヴァーしたと言う。ロスコーとともに、30から50曲に亘る候補の中から選んだ結果らしい。
 オープニングのパール・ジャムの曲M1."Just Breathe"が良いですね、往年の彼女が思い出されます。
 そして最後はマーク・ノップラーのM11."Why Werry"で締めくくっているんですが、アコースティック・ギターの響きの中に、これぞ優しさと癒やしの究極の姿ですね。
7d4a5ff7ad6c56d13bebddec0f344aea  とにかく、古き良き仲間と再会しながら演奏し歌い上げた古き良き時代を想い起こすべく造られたアルバムであって、現代の再び歪み始めた時代に何か教訓らしい気持ちにもさせるところがニクイと言えるアルバムであった。
 歌うために戻ってきたと言う彼女のプロらしさに、なにはともあれ喝采したい。

(評価)

□ 選曲・演奏・歌  85/100
□ 録音       80/100

(試聴)

 

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2020年4月28日 (火)

セルゲイ・グリシュークSergey Grischukのミュージック

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(今日の一枚)我が家の「枝垂れ桜」 (クリック拡大)
Sony α7RⅣ, FE4/21-105, PL

 

YouTubeに流れるSergey Grischukのイージ-リスニング

 「YouTube」のような世界はこのSNS世界の代表格であるが・・・そこに流れる昔のヨーロッパの恋愛映画をふと思い起こすようなミュージックが聴ける。それぱSergey Grischukという演奏家と思われる人のミュージックだ。、どうもその正体を明瞭にする情報が無く、名前から察するとロシアではないかと思われるのだが・・・・。取り敢えず聴いていただいて、情報があったら教えて欲しいのだが。

 

<Easy Listening>

Sergey Geschuk の世界

① "Rain, Rain"

 

② "Echo of Silence"

 

③ "Dream of Love"

④ "Forever Love"

⑤   "My Angel"

⑥   "Pain of Soul"

⑦   "Melody of Rain"

⑧   "Island of my Soul"

⑨   "Music of Love"

⑩   "Always with You"

 

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2020年2月 9日 (日)

マルテ・ロイエング Marte Røyeng「REACH」

ジャンルを問わない自己のミュージック世界を築きつつ・・・
欧州の難民問題に端を発して・・・過去の夢より前進をと

<Folk, Pops, Jazz>

Marte Røyeng「REACH」
Oslo Session Recordings / Import / OSR005 / 2019

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マルテ・ロイエング(ヴォーカル、マンドリン、アコースティックギター、エレクトリックギター、ハイストラングギター
マリウス・グランベルグ・レクスタ(ピアノ、ハルモニウム、シンセサイザー、ハモンドオルガン、クラヴィネット、フェンダーローズ
ベンディク・ベルゲスティーグ(エレクトリックギター、ラップスティール、バッキングヴォーカル
イーヴァル・ミュルシェット・アスハイム(ドラム、パーカッション、バッキングヴォーカル
エヴェン・オルメスタ(ベース
サンデル・エーリクセン・ノルダール(ベース、アコースティックギター、バリトンギター、ハイストラングギター、バッキングヴォーカル
イェンニ・ベルゲル・ミューレ(バスクラリネット、クラリネット、バッキングヴォーカル
オーサ・レー(ヴァイオリン
マグヌス・マーフィ・ヨーエルソン(トロンボーン
イングリ・フロースラン・レクスタ(バッキングヴォーカル

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 ノルウェーの女性シンガーソングライターのマルテ・ロイエングMarte Røyeng(1990-)のデビュー・アルバム (「Oslo Session Recordings」レーベルの第5作)。
 アルバム・タイトルが「REACH」、これは"つかもうと手を伸ばす"という意味から「高みにむかって」と言う思いを込めたもののようだ。そしてその内容は、全て彼女のオリジナル曲で占められている。それは彼女自身の音楽であり、どうもジャンルを定めがたい。つまりフォーク、ポップミュージック、ブルース、ジャズ、クラシカルと、さまざまな音楽の要素をはらんだ世界である。いずれにしても今年30歳の彼女だが、音楽というものの幅を広げ深みを持つため、現在ノルウェー国立音楽大学の作曲プログラムで現代音楽の技法を学んでいるらしい。
 そしてこのアルバムの訴えるところは・・・・ノルウェーの社会現象に自ら立ち向かって、前進をと。

Mraw (Tracklist)

1 Hold(Marte Røyeng) 
2 Pull of the Moon(Marte Røyeng)
3 My Eyes Betray Me(Marte Røyeng) 
4 Ring in the Deep(Marte Røyeng)
5 Wherever You Are(Marte Røyeng) 
6 Loser’s Game(Marte Røyeng)
7 Any Feeling(Marte Røyeng) 
8 Find a Hill(Marte Røyeng/Siril Malmedal Hauge)
9 Making It Up(Marte Røyeng) 
10 Shake Yourself Awake(Marte Røyeng)

 

  さて一連の収録曲を聴くと、シンプルなバックに彼女の歌声が前面に出た録音タイプのアルバム作りである。そしてその歌声は比較的装飾の無いシンプルな歌い方の中にソフトなやや一部あどけなさのあるもので聴きやすいところだ。
 そしてどうもこの声とは裏腹に、このアルバムの「高みに向かって」の"心"は決して困難なものを後退的な発想で無く、それを乗り越えてゆきたいという若さの持つ前進的なメッセージでもあるのだ。従って明るいという世界では無く、どことなく暗さも背負っている中の展望を掴もうとするところが感じられる。しかもそのテーマは個人的な恋愛問題的世界で無く、社会の暗部に目を向けているようにも見える。

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 それは最後の曲M10."Shake Yourself Awake"からの推測できるもので、彼女は最近オスロのアパートで、ギタリストのベンディク・ベルゲスティグと一緒に演奏する歌のライブセッションビデオを投稿していて、そこからこの歌は、難民の視点から書かれたものであり、外国の海岸に到着し、前世の幽霊Ghostだけを連れて道路に連らなって歩んで行くボート難民。その歩む姿にその立場になって・・・彼女の思うところがここに秘められているようだ。そこにはその世界、その問題を抱えても、前進を続ける衝動は、過去の夢に後退する誘惑よりも強いと・・・・。 やや陰鬱で詩的な歌詞というのはそのような社会現象に心を向けているところにあるらしい。

・・・・私は海岸に打ち上げられた/私の夢は私の周りに散らばっていた/外国の土地に私と一緒に運ぶには野生すぎる/だから私は目を覚まします/あなたが従うつもりの夢/いくつかの波が壊れます

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 ノルウェーへの難民は、多くはシリア、アフガニスタン、イラン、イラクなどからだ。 昨年の申請者のうちの3人に1人は、18才以下の未成年。270人の子どもは保護者が同伴していない状態でノルウェーに来たという。(過去で 解っていることは2016年には2万370人の難民申請者のうち、1万2451人が難民としての申請を受理された。結果として、およそ6割の申請者が難民としての滞在を許可されたという状況らしい)
  欧州は今や難民受け入れが社会問題だ。受け入れに寛容であったスウェーデンでは、国民の1/4が外国人という国に変わってしまっている。そして北欧ではこれらの諸問題を抱えての世界各地と同様にポピュリズム政治が台頭し、今や難民受け入れに抵抗が始まっている。ノルウェーでは進歩党が政権を握って難民制限の方向にあるのだ。

 このマルテ・ロイエングのアルバムも、そうした社会の現実に遭遇し、積極的に過去で無く前向きで向き合うことに意欲を示している姿と見れる。一聴に値するものとして受け入れたい。

 

(評価)
□ 曲・歌・演奏  ★★★★☆  80/100
□ 録音      ★★★★☆  80/100

 

(視聴)

Marte Røyeng/Shake Yourself Awake

 

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2019年8月10日 (土)

エマ・フランク EMMA FRANK 「COME BACK」

SSWのフォーキーにしてエレガントなヴォーカル

<Jazz , Rock, Pops, Folk>

EMMA FRANK 「 COME BACK 」
JUSTIN TIME RECORDS / Canada  /  RCIP-0289 / 2019

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Emma Frank (vo)
Aaron Parks (p , syn)
Tommy Crane (ds)
Zack Lober (b)
Franky Rousseau (g , syn)
Simon Millerd (tp) #6
Chi eh-Fan (vla , vn) #1, 3
Pedro Baraquinha ( g , b , perc , syn) #9

 この歌手は私の場合初物である。ちよつと巷ではそれなりの評価が出ている様子であり聴いてみたモノである。
 この作曲家・歌手のエマ・フランクEmma Frankはアメリカ生れで、カナダ・モントリオールの大学へ文学を専攻するために住んだ。そこでミュージシャンとしての道に進み、現在カナダ、アメリカでの音楽活動の道にいて、どちらかというとニューヨークが中心の活動になっているようだ。
 このアルバムはプロデュサーのフランキー・ルソーの力が大きいようだが、エマ・フランク自身も作曲家としての力を十二分に注いだものであり、又注目されるのはジャズ・ピアニトストとして今や私も関心の高いアーロン・パークスのピアノがバックに控えているところだ。この関係でのアルバム2作目となるものとか。

Emmafrank2 (Tracklist)
1. I Thought
2. Either Way *
3. Two Hours
4. Sometimes
5. Promises
6. Dream Team *
7. See You
8. Lilac *
9. Before You Go Away

*印以外はEmmaのオリジナル曲

 冒頭のM1."I Thought" は、シンガー・ソング・ライターでヴォーカリストの彼女の曲からスタート。成る程これはフォークぽい流れの中にエレガントな世界が展開し牧歌的世界というのが当たっている。彼女の歌声もソフトにして美しく包み込むような魅力がある。バックにはアーロン・パークスのピアノ・トリオに加えてViola, violin も加わっての曲作りだが、これはジャズというよりは、Folk, Pops, Rock の世界である。そしてその流れはM2.においても同様で、これがアルバム全編に及んでいるのだ。
 私はジャズの愛好者ではあるが、もともとロックの愛好者でもあり60年代から延々と続いているのだが、実はその流れからしてこの曲作りをみると、メンバーがジャズ・メンということでジャズと思われるかもしれないが、明らかにジャズというよりはPopsに近いFolkの世界であって、そのためジャズ愛好者からは異色で関心がもたれるのかもしれない。
 M3."Two Hours"は彼女自身の曲だが、支えるピアノにもまして高音の流れるような歌声、そしてハーモニー、ストリングスの流れが美しい曲。
 M5."Promises"、ここでは、ヴォーカルとピアノが対等に歌い上げるが、やはりパークスのピアノは魅力的。
 ここまで聴いてくるとM7あたりは添え物程度の曲で、M8."Lilac"になって、何か展望を感ずる世界を訴える。パークスのピアノもここでは弾んでいる。
 最後のM9."Before You Go Away" になってギターが登場してフォーク・ムードを静かに支えるも、パーカッション、シンセが参加して展望的に広がって終わる。

 確かに全編ノスタルジックで情緒豊かであり、暗くはないが、ただ明るいわけでもない。そこには歌詞の意味を十分理解してみないと簡単には評価してはいけないムードも感ずる。とにかくソフトにして美しくエレガントで、自然の中での人間の存在の価値観にも通ずるところも感じられて良いアルバムである。ただしやはりこれはジャズ分野で取り扱われているが、ジャズとは言いがたいですね、技法だけでなく世界観が違うとみる。

(評価)
□ 曲・演奏・歌 ★★★★★☆
□ 録音     ★★★★☆

(試聴)    " I Thought "

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2019年1月19日 (土)

ザーズZAZの4thアルバム「EFFET MIROIR~心、重ねて~」

ちょっと大人の味も出ての新境地のアルバム登場
*
  ストリート・ミュージシャンからのスーパー・スター”タッシュ・スルタナ”登場で刺激を受けると、そうそう忘れてはいけないフランスの”ZAZ(Isabelle Geffroyイザベル・ジュフロワ 1980-)”がいる。しかもなんと久々のニュー・アルバムが登場しているので、当然ここに取り上げるのだ。
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<Chanson, Jazz, Rock, Pop>

ZAZ 「EFFET MIROIR~心、重ねて~」
Waner Music France / JPN / WPCR-18126 / 2018
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*
 前作「PARIS "~私のパリ~"」(2014)以来、4年ぶりの4作目となる本作。今回は”日仏同時発売”されたということで、日本での彼女の”人気の高さ”が裏付けられている。
  2010年のデビュー・アルバム「ZAZ~モンマルトルからのラブレター」 (RESPECT RECORD/RES180)がフランスでは大ヒットして、日本にも伝わってきたわけだ(2010年、フランス・アルバム・チャートにて8週連続1位を記録した)。ストリート・ミュージシャンとして鍛えられたところに魅力をはらんでいて、曲自身の魅力としては、シャンソンはもちろん、フォーク、ブルース、アヌーシュ(ジプシー)・スウィング、ロックなどが加味して、ジャズ的アプローチが結実しているところにある。 更にそれに加えて、特にヒット曲”私のほしいもの”でも感じられるように、若いなりきの生き様に一つの”確固たる信念”とも思えるものが見えているところも魅力の一つだったように思う。
 そして時は流れフランスの大シャンソン歌手エディット・ピアフの再来と言われるまでに成長して、彼女のややハスキーな魅力の歌声で、しっかりフランスはじめ世界各地で確固たる地位を築いてきた。そんな中で久々のニュー・アルバムの登場をみたわけだ。

(Tracklist)
1.Demain c'est toi 明日はあなたのもの
2.Que vendra 何が起きようが我が道をゆく
3.On s'en remet jamais もう一度あなたの声を
4.J'aime j'aime 好き好き
5.Mes souvenirs de toi あなたの思い出
6.Toute ma vie 私の一生
7.Je parle 私は話す
8.Resigne-moi 私にかまわないで
9.Ma valse ワルツ
10.Si c'etait a refaire またやり直せたら
11.Pourquoi tu joues faux どうして調子はずれなの
12.Plume 羽根のように
13.Nos vies 私たちの人生
14.Saint Valentin ヴァレインタインデー
15.Laponie ラップランド
*
  このアルバムには15曲登場するが、今作の特徴はかってのヒット曲のカヴァーでなく、全てオリジナルだ。彼女自身の曲の外、フランスの新進気鋭の一連のミュージシャンが提供した曲であることだ(彼女がそれに詩を担当したものもある)。
  曲のタイプは、シャンソンをベースに南米音楽、ポップ、サルサ、ロックなど様々なジャンルをクロス・オーヴァーしたものでジャジーな雰囲気もある。まさに「ザーズの世界」が堪能できる。これらはパリ、ブリュッセル、そしてモントリオールで制作されたものだという。

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 M1."明日はあなたのもの"で、おやっと思うほどの彼女の成長が感じられる。未だ見ぬ我が子に想いを馳せて、しっとりと歌いあげる。いっや~大人のムードだ。
 
M2."Que vendra何が起きようが我が道をゆく"から続く曲は、いつものザーズの流れで、リズムを刻み意志の強さを歌う。
 
M3、"On s'en remet jamaisもう一度あなたの声を"、M4."J'aime j'aime好き好き"は、シャンソンと言うよりは”ロックのザーズ節”の展開だ。
 M5 ".Mes souvenirs de toiあなたの思い出"は、ちょっぴり淋しさのシャンソン曲。こうした曲は彼女はうまくなりましたね~~。
 M8. "Resigne-moi私にかまわないで" この曲はこのアルバムではかなり重要な位置にある訴えも重い。彼女のミュージシュンとしてここまで進歩・発展した充実の曲。このアルバムの一つの頂点。
 M9、M10 は再び自分を取り戻していくシャンソンとロックの2曲。
 このように、彼女のこの数年間を振り返り、そしてこれからの人生に向かってゆく決意のような曲展開になっている。
 M13."Nos vies私たちの人生" 重なり合う不思議な人生を歌いあげる。そこには展望が描かれている。
 M14 ."Saint Valentinヴァレインタインデー"は、ちょっと印象的な歌。”私はいつもここにいる”と存在感を訴えているのか、それとも開き直り?
Guillaumeponcelettrw_2 M15."ラップランド"この最後の曲は印象的。殆ど彼女の唄というよりは語りでしめられているが、その美しさは抜群で、かってなかった彼女の別の世界が見えてくる。これは彼女の詩に注目のフランス若手ピアニストのギヨーム・ポンスレGuillaume Poncelet(1978-)(→)(おそらく彼のアルバム「Quatre Vingt Huit(88)」からの曲"Morning Roots"だと思う)が曲を付けたもので、「極北の地」に対する”憧れ”なのか、未来に自己を求める姿が見えてくる。
 印象深いのは”過去の息を吐き出し、新たに息を吸い込む”のくだりであり、おそらく自分をもう一度見つめ直して歩む決意を歌っているのではと想像するのだが・・・それにつけても美しい曲、往年のフランス映画のシーンのようだ。
 なかなか全編トータルに彼女が自己を見つめてこれから新しい道を進もうとする意志のようにも感ずるアルバムで、彼女の歌声と言い、曲の変化といい、なかなかの上出来アルバムの登場だ。進歩を感じた。
(評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★★☆
□ 録音      : ★★★★★☆
(視聴)

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2019年1月15日 (火)

[久々の衝撃]一人バンドのタッシュ・スルタナTASH SULTANA 「FLOW STATE」

パーフェクトなシンガー&マルチ・インストゥルメンタリスト"一人バンド"の初のフル・アルバム

 今のようなネット社会になる前(1980-1990年代)のパソコンが普及してきた頃、もう30年以上前の話だが、「パソコン通信」という電話回線を使ってのパソコンとホスト局とのサーバとの間での通信手段があって、そこで全国の諸々の愛好者と仲間を作って参加者のみのクローズドな会話をしてきたものだ。その当時の「PC-VAN~ Rock」のロック仲間から新年早々、最近ジャズに現(うつつ)を抜かしている私に、年賀状での推薦があった。それがこの”衝撃のタッシュ・スルタナ”だ。

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<Psychedelic Rock,  Altanative Rock>

TASH SULTANA 「FLOW STATE」

Lonely land Records / EU / 19075870562 / 2018

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Tash Sultana : Guitar, vocals, bass, piano, keyboards, trumpet, drums, pan flute, mandolin, saxophone, percussion

Produser : Tash Sultana
Engineered by Nikita Miltiadou、Dann Hume
Mastered Andrei Eremin

 
Ts2 オーストラリア・メルボルン出身のシンガーソングライター、マルチ・インストゥルメンタリストの23歳の才女タッシュ・スルタナTash Sultanaの初のフル・アルバム。
 なにせ、ギター、トランペット、サックス、パン・フルート、グランド・ピアノ等15種以上の楽器を自ら演奏。3歳から始めたというギターはジミ・ヘンドリックスに喩えられる程の腕の持ち主で聴く者を唸らせる。彼女はメルボルンの繁華街スワンストンで長年ストリートミュージシャンとしての活動してきた。
 2008年から2012年までは”Mindpilot”というバンドのボーカリスト、メルボルンでいくつかの賞を受賞。その後ソロで活動を開始、2016年頃よりYoutubeにてパフォーマンス映像を公開し評判を呼びSNSで大きな注目を集めた。公開曲「Jungle」がオーストラリアチャート39位を記録し、現在までに5,000万回以上のストリーミングを記録する。2017年にはオーストラリアの権威ある賞、ARIAミュージック・アワードにて4部門にノミネート。現在はアメリカ、イギリスを中心にドイツ、フランス、ニュージーランド、イタリア、カナダなどワールドツアーを敢行中、ソールドアウトが続出とか。今年のコーチェラにも初出演するなど勢いが止まらない。

  これまでは、インストを含む2枚のEP『Instrumentals』、『Notion』を発表しており、今回この初のフル・アルバムにはシングル「Free Mind」、「Salvation」、「Harvest Love」など全13曲を収録。

 とにかくステージ上には一人だけ。足元や手元に多くのペダルやエフェクター、サンプラー、キーボード、ギター等を置き、全てを操って音を重ねていくパフォーマンスで圧巻。


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1. Seed (Intro)
2. Big Smoke
3. Cigarettes
4. Murder to the Mind (Album Mix)
5. Seven
6. Salvation
7. Pink Moon
8. Mellow Marmalade
9. Harvest Love
10. Mystik (Album Mix)
11. Free Mind
12. Blackbird
13. Outro
(All songs written by Tash Sultana)

 収録13曲、全てが彼女のオリジナル、そしてオール楽器も全て彼女が演奏。
 ストリート・ミュージシャンと言うと、フランスのZAZを思い出しますが、総じて技量が高いのが特徴だ。このタッシュは例外で無いどころか、それ以上の楽器の演奏能力が高いのとヴォーカルが見事というところは、近年見たことのないハイレベルだ。それは当に衝撃!。

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 M1." Seed (Intro)"澄んだギター・サウンドからスタート。そして美し響くヴォーカルが次第にレゲェ調に・・・・冒頭から魅力的。
  続くM2. "Big Smoke"から前半だけ聴いても衝撃が走る。
 曲展開は当に「タッシュ・スルタン節」だ。サイケデリックな展開の中に、R&Bであったり、レゲェ、ヒップポップが絡んだり、ポップな要素がたっぷり盛り込まれている。
 そしてギターは、エレキを中心に全ての要素が絡む奇っ怪さ。美しさ、リズムカル、泣き、早弾きと、恐ろしくなるギター・プレイだ。キーボードも説得力有り。
 ヴォーカルは、ソウルフルであり、時にクールに、又展開によりパワフルに、情熱的に、と多彩。
 M7. "Pink Moon"こうしっとりと歌われると、これが又たまりませんね。情感が伝わってくる。声域の広さも感心します。
 M9. "Harvest Love" このようなスローな曲の情感も半端じゃない。
 M12. "Blackbird"ギタリストの本領発揮。フラメンコ調を臭わせたりギター・テクニックはお見事。そしてギター・サウンドはM13. "Outro"へ続き美しく終わる。このあたりもニクイところだ。

 いやはや恐ろしいミュージシャンが現れました。これぞ何年に一人の逸材だ。なんとなく低調なミュージック界を奮起すべく背負って立つプレイヤーが登場したと言って間違いない。私にとってはアデルの出現時より圧倒的に衝撃は大きい。

 (評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★★
□ 録音      : ★★★★★☆
     
 (視聴)

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2018年11月23日 (金)

サラ・ブライトマンのニュー・アルバムSarah Brightman 「HYMN」

忘れる頃にやって来たニューアルバム・・・それは「喜びと希望」

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<Popular,  Classical crossover>

Sarah Brightman 「HYMN」
DECCAGOLD / USA / B0028980-02 / 2018

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Sarah Brightman : Vocal
Orchestra : London Symphony Orchestra
Choirs : Crouch End Festival Choir,  Spirit of David Choir


 いやはや久しぶりですね、ちょっと忘れ掛かっていたサラ・ブライトマンが、5年ぶりにニュー・アルバムをリリース。そして世界ツアーに出ている。前作『ドリーム・チェイサー(夢追人』だった。しかしもう10年前のDVD+CD盤『SYMPHONY~LIVE IN VIENNA』がやはり彼女の絶頂期でしょうね。しかしこうして総決算編のようなアルバムの登場となったのだ。
  アルバム・タイトル「HYMN」とは「讃歌」、内容はこのタイトルから押して知るべしといったところ。この”ヒム”は2曲目に登場する英国プログレ・バンド、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェストの名曲で、これをカヴァーしている。
 又日本ではこのアルバムは、YOSHKIが提供した共演曲” Miracle ”が収録されていると言う事からも話題にもなっている。
 前作とは変わって、むしろ彼女の原点回帰的なスタンスで、ハンブルク、マイアミ、ロンドン、バンクーバー、ロサンゼルス、ニューヨーク、そしてブダペストで2年間にわたってレコーディングされたものだという。
 
Blackgolde153tr(Tracklist)
01. Hymn Overture
02. Hymn
03. Sogni 夢 [Feat. Vincent Niclo]
04. Sky And Sand
05. Canto Per Noi私たちの為に歌う
06. Fly To Paradise [Feat. Eric Whitacre Singers]
07. Gia Nel Seno既に胸の中で (La Storia Di Lucrezia)
08. Follow Me
09. You
10. Better Is One Day
11. Tu Che M’Hai Preso Il Cuor君こそ我が心の全て
12. Miracle [Feat. YOSHIKI]
13. Time To Say Goodbye

 ブライトマンは、「『HYMN(讃歌)』という言葉について、そしてそこから思いつくことは何だろうって考えたの。私にとって、それは喜び、希望と光、親近感があって安心感があるものを意味していた。それこそ自分の人生の中で私が必要としていたものだった。私がこれまでにやったきた全てのプロジェクトも全て私の感情から生まれているわ」と語っているようだ。

 そんなところからもかなり壮大な「喜びと希望」と言った感覚の曲が並ぶ。バックにもオーケストラ、合唱団を惜しげも無く引っ張り込んで大きなスケールで歌いあげるところもサラ・ブライトマンのClassical crossoverの面目躍如といった感じだ。これぞ彼女の長年培った総集編と言った充実アルバム仕上げ。

Kaiken2018111202  フランスのヴァンサン・ニクロをフィーチャリングしたM03."Sogni夢"、クラシック・ソプラノを聴かせる彼女特有の歌い込み。
 そしてレハールのオペレッタ『微笑みの国』からのアリア”M11.君こそ我が心のすべて”、これは美しく歌いあげは、お見事。
  又M10."Better is One Day"のような軽快な曲もある。
 更に彼女の最大のヒット曲”M13.タイム・トゥ・セイ・グッバイ”も、最新スロー・バージョンで登場。そして盛り上がり最高潮には例のYOSHIKI(X JAPAN)との夢のコラボレーション(→)が実現しているM12:"Miracle"を歌い上げる。

 いずれにせよ、3オクターヴの声域を持つと言われ、ステージでの圧倒的な存在感のある歌姫サラ・ブライトマンのスケールの大きい曲群に仕上げられ、見事なアルバムとなった。多分1960年生まれだからもういい歳だ。顔も丸くなり体型もなるほど中年パターンに近づいているとは言え、なかなか健闘してのヴォーカルを披露。昔より若干声にヴォリームがなくなった感があるも頑張っている。
 万人向けの良質・充実アルバムと言っておきたい。

(評価)
□ 曲・演奏: ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(試聴)

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2018年5月15日 (火)

恐ろしや70歳越え(声) 奥村チヨ 卒業アルバム「ありがとう~サイレントムーン」

[My Photo Album (瞬光残像)]  Spring/2018

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(我が家の庭から・・・   NikonD800/90mm/PL/May,2018)

歌謡曲の歴史~50年前からの一物語の終焉

日本歌謡曲

奥村チヨ 卒業アルバム「ありがとう~サイレントムーン」
Universal Music / JPN / UPCY-7465 / 2018

Photo

 「サイレントムーン」 奥村チヨ : Vocals
              渡辺なつみ作詞、浜圭介作曲、高橋哲也編曲
 

Cybgk0euqaa4w こうゆうのを話題にするのは慣れない話ですが・・・若い人は当然知らない話で、50年前に「東芝三人娘」というのがありました。それが50年経った訳だから・・・当然彼女らは現在70歳前後なんですね。
 それは小川知子、奥村チヨ、黛ジュン、1960年代後半(かっての東京オリンピック直後の頃)の歌謡曲黄金時代に活躍した三人の女性歌手。東芝音楽工業(現・EMIミュージック・ジャパン)からレコード歌手としてデビューしたこの三人だ。それも現在も健在で活動しているから凄い。

 その奥村チヨ(1947年生まれ)が70歳を過ぎての今年2018年に引退すると言うことで話題になっている。しかも新曲「サイレントムーン」(渡辺なつみ作詩、浜圭介作曲)を歌ってアルバム・リリースしてのことである。
 彼女は、高校三年生の時にCMソングを唄って、東芝の草野浩二の目にとまり、高校卒業してシルビー・バルタンの「私を愛して」のカヴァーからスタート。

Photo_3 「ごめんネ…ジロー」(1965年)「北国の青い空」(1967年)などをヒットさせたのだったが、その「北国の青い空」は、当時エレキ・ギターの全盛期を作ったベンチャーズ(→)が日本でも圧倒的人気があって、これは彼らの作曲した曲で、これを歌いあげた事によって私も一目置くことになった。

 しかし、その彼女のコケティッシュな魅力、小悪魔のようでいて可憐な可愛らしさがあるというイメージから、本人の希望とは裏腹に、レコード会社の戦略もあって「恋の奴隷」を初めに「恋狂い」と「恋泥棒」の「恋三部作」を発表し、圧倒的ヒットを飛ばしたのであった。それにより当然紅白歌合戦にも選ばれたが、メインの曲「恋の奴隷」は、その内容から不適切となって(今じゃ考えられないことだが)、「恋泥棒」を唄ったという話が残っている。
 その後の「中途半端はやめて」など、ヒットはするがそのコケティッシュなイメージは更にエスカレートして、本人はいよいよ納得しないところとなった。

Showa_07

 そこで1971年12月になって、本人の歌手引退も辞さない強い希望から実現した曲で、自身のコケティッシュ・イメージを脱却した「終着駅」(千家和也作詞、浜圭介作曲)を発表し、これが又販売枚数が40万枚と好評を得た。そしてこれは作曲者の浜圭介にとっても認められた作品で有り、奥村チヨは彼と結婚して、1974年に芸能界の第一線を退いたのだった。
 ・・・・と、考えて見れば昔々のお話しで、なんとそれが1980年になると、ビクターから、「せめてさよならは…」をリリースして歌手活動を再開。1993年に、折からの1960年代ブームに乗って「恋の奴隷」が再ヒットしちゃったんですね。

 更に個性的な歌唱スタイルで1995年にはなんと新曲「パローレ・パローレ」 (岡田冨美子作詞、金野孝作曲)が大ヒット、それは彼女が50歳になろうとしていた時である。若い人からは”唄がうまいあのおばさんは一体誰れ?”と話題沸騰したのは、我々から見るとニンマリする話であった。
 そして2000年には「浮雲」(金野孝作詞、浜圭介作曲)も実力溢るる曲で人気を獲得、いよいよ70歳を過ぎての今年になって、自分でも納得の新曲「サイレントムーン」を得たと言うことで引退宣言となったのだ。それが又この曲、若々しい声で唄いあげていていやはや恐ろしいお婆ちゃんの物語であった。

 そこで今回リリースされた引退記念アルバム(CD+DVD)の内容は以下。話題となった曲の多い彼女の経歴からも収録曲が不十分ということで、巷には若干の不満があるようだが・・・、一枚のCDに納めようとしたらこんなところであろうか。取り敢えず最後の新曲「サイレントムーンSilent Moon」がトップと最後(カラオケ版)に収録。

Co1_2【収録曲】
DISC1(CD)
1.サイレントムーン
2.私を愛して Car tu t'en vas
3.ごめんネ・・・ジロー
4.北国の青い空
5.涙いろの恋
6.恋の奴隷
7.恋泥棒
8.くやしいけれど幸せよ
9.嘘でもいいから
10.中途半端はやめて
11.終着駅`95
12.別離の讃美歌
13.何かありそうな西銀座
14.バスが来たら
15.浮雲
16.サイレントムーン(カラオケ)

DISC2(DVD)
・サイレントムーン(Music Video)
・奥村チヨMemorial Video
・浮雲(Music Video)

(視聴)

① 恋の奴隷

②  終着駅

③  サイレントムーン

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2018年2月 9日 (金)

メロディ・ガルドーMelody Gardotのライブ・アルバム「Live in Europe」

心の琴線にふれる歌心のライブ・ベスト盤

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★ライブで大切なものはただ一つ。・・・それはハートです。このアルバムには私のハートとツアー中に応援してくださった皆様の愛情が込められています。私にとって大切な思い出溢れたギフトであると同時に、リスナーの皆様にも贈りたいギフトでもあります。このアルバムは長い「ありがとう」のメッセージです。感謝しています。・・・・メロディ・ガルドー

(上記はメロディ・ガルドーのこのアルバムにおけるメッセージです。そう言えば2009年の彼女の私にくれたサインにも、”Arigato !”と記してあった)

<Jazz>
Melody Gardot 「Live in Europe」
Universal Music / JPN / UCCM-1243 / 2018


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Vocals , Guitar and Piano : Melody Gardot
Trumpet: Shareef Clayton,  Sax: Irwin Hall,  Organ: Devin Greewood,  Guitar: Mitchell Long,  Bass: Edwin Livingston,  Drums: Chuck Staab


 いやはや頑張っているジャケですね。このヌードの女性はメロディ・ガルドーなんでしょうか?、ギターを弾き語りしていますね。何処かに今回のアルバムを作るに当たって彼女は自らヌードを披露することを選んだとか書いてあったような気がしますが・・・・・。と、すれば気合いが入ってますね。

 まあそれはそれとして、このアルバムはメロディの精力的な2012年から2016年までに行われた世界ライブからのヨーロッパにおけるもの。彼女自身が厳選したものを納めている。2枚組という豪華版に仕上がった。デビュー10周年記念としての意味もあるようだ。

Mg 私は彼女に直接話をしたり生演奏に接したのは、2009年の話。2ndアルバム・リリース時でした。右はその時の彼女のサイン。あれ以来ファンと言えばファンである。
  もともと彼女はライブへの力の入れ様は高い。従ってアルバムの出来とライブの出来には、そのパターンにかなりの違いがあり、それぞれ興味深いのである。ライブではよく編曲も行っているし、そんな意味でもライフ盤の価値は結構高い。又彼女のライブ盤への力の入れ様も解るのである。

 今回は初のCDライブ・アルバム盤となっているが、既にライブ映像オフィシャル版は、一昨年ここでも取りあげたようにリリースされている( 『Live At Olympia Paris』(EVB335359/2016))。
  又、ブート・ライブ・映像版『DONOSTI 2012』 (MegaVision, Live at SPAIN)もあった。

(Tracklist)
Disc 1
1.  Our Love Is Easy - Live in Paris / 2012 *
2.  Baby I'm A Fool - Live in Vienna / 2013 *
3.  The Rain - Live in Bergen / 2013 *
4.  Deep Within The Corners Of My Mind - Live in Amsterdam / 2012 *
5.  So Long - Live in Frankfurt / 2012 #
6.  My One and Only Thrill - Live in Barcelona / 2012 *
7.  Lisboa - Live in Lisbon / 2015 #
8.  Over The Rainbow - Live in Zurich / 2013 *

Disc 2
1.  (Monologue) Special Spot - Live in London / 2016
2.  Baby I'm A Fool - Live in London / 2016 *
3.  Les Etoiles - Live in London / 2016  *
4.  Goodbye - Live in Utrecht / 2016 #
5.   (Monologue) Tchao Baby - Live in Utrecht / 2016
6.  March For Mingus - Live in Utrecht / 2016 %
7.  Bad News - Live in Utrecht / 2016 %
8.  Who Will Comfort Me - Live in Amsterdam / 2015 *
9.   Morning Sun - Live in Paris / 2015 %

 *印 アルバム『MY ONE AND ONLY THRILL』より
 #印  アルバム『ABSENCE』より
 %印  アルバム『CURRENCY of MAN~出逢いの記憶~』より

 さてこのライブ盤の内容であるが、成る程、上のようにヒット曲満載の作品に仕上がっていると同時に、見事な編曲が施されているものが選ばれている。そしてファンから愛される代表曲 ”Baby I'm A Fool ”(2013年のウィーン、2016年のロンドン録音)、”My One and Only Thrill” (2012年のバルセロナ録音)、”Who Will Comfort Me”(2015年アムステルダム録音)など聴き応え十分。更に”Les Etoiles ”(2016年ロンドン録音)、”March For Mingus” (2016年ユトレヒト録音)なども収録されている。とにかくオリジナル・アルバム(スタジオ録音盤)を持っていても、このライブ盤は全く別のアルバムとして聴くに十分だ。
  ”The Rain”(2013年ベルゲン録音)は、11分以上に及ぶ曲と化して、器用なIrwin Hallのサックスなどの演奏の別仕立てによっての編曲はお見事。
 又 ”Lisboa” (  Lisbon / 2015) ”Over The Rainbow” ( Zurich / 2013 )の2曲などは、会場との一体感を表現しているなど聴き手を飽きさせない。

Live_stagew

 もともと歌唱能力が高く、ギターやピアノの演奏能力も長けているメロディのライブは聴くものにとっては魅力十分で有り、こうしたミュージャンは貴重である。
 彼女の交通事故による重体などの不幸な経歴を乗り越えての活動に喝采を浴びせるのであるが、それはむしろ彼女自身が、自己の作曲や演奏活動の力にしているところが共感を呼ぶところである。
 スタジオ最近作は、2015年の『CURRENCY of MAN~出逢いの記憶~』(UCCU-1468)であったが、勿論女性としての心の流れを描くと同時に、現在の社会に目を向けて、ジャズからプログレッシブ・ロックっぽい技法でコンセプト世界も描いてみせるところは稀有な存在である。目下は当然スタジオ次作にも期待をしているところだ。

(視聴)

 

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