JAZZ

2024年7月 8日 (月)

ディミトリ・ナイディッチ Dimitri Naïditch「Chopin Sensations」

ショパンをモチーフに自己のピアノ・トリオ・ジャズを展開

<Jazz>

Dimitri Naïditch「Chopin Sensations」
Piano Ma Muse / import / AD7876C / 2024

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Dimitri Naïditch(piano)
Gilles Naturel (bass)
Lukmil Perez (drums)

   クラシックとジャズ両ジャンルの世界で活躍しているピアニスト、ウクライナ出身でフランスで活躍中のディミトリ・ナイディッチ(↓左)がピアノ・トリオとソロで、今度はショパンの楽曲をジャズとして解釈した作品。過去に2019年バッハ集(『Bach Up』)、2020年モーツァルト集(『Ah! Vous dirai-je...Mozart』)、 2022年フランツ・リスト集(『Soliszt』) をリリースしていて、ここでも過去に取上げてきたが、それに続くものだ。
 相変わらず美しいクラシカルなタッチで、軽妙にジャズ・アプローチを行って、表現の豊かさはさすがと言うところで魅力の演奏を聴かせてくれる。そしてドラムスのキューバ人のルクミル・ペレス(1970- ↓右)とフランス人のベテランベーシスト、ジル・ナチュレル(1960- ↓中央)の現在フランスで活躍している二人との相性もなかなか良さそうだ。

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🔳 ディミトリ・ナイディッチDimitri Naïditchは・・・・
  父は科学者で母ピアノ教師のもと、1963年にウクライナの首都キーウ(キエフ)で生まれた。幼少期よりピアノを演奏してきている。1988年から翌年にかけて、リトアニアで開催された全国ピアノコンクールとポーランドで開催された国際コンクールで優勝し、その後キーウの高等音楽学校とモスクワのグネーシン音楽大学で学び技術を磨き上げる。
  1991年にフランスに渡りクラシックとジャズのコンサート活動を続け、1994年からはリヨン国立高等音楽院で教鞭を取るようになった。その後もフランスを拠点にソロ・コンサートから交響楽団との共演まで幅広く演奏活動を行っている。また、2007年から2009年にかけて、彼はウクライナの伝承音楽に焦点をあてた Les Chants d’Ukraine, Davnina と Trio Kiev というプロジェクトで各地でコンサートを行った。

(Tracklist)

1 Nocturne du Jour
2 Valse à Trois
3 Lasse Étude
4 Improvisation sur le Prélude n°7
5 Nocturne à Peine
6 Prélude en Boléro Bémol Majeur
7 Improvisation sur la Marche Funèbre
8 Valse des Astres
9 Pleine Étude
10 Improvisation sur le Prélude n°20
11 Ballade en Bolide
12 Valse N° 2en do dièse mineur Op.64

 編曲を駆使し又自由な即興演奏を取り入れて、原曲を見事にジャズ化している。ピアノトリオ編成でショパンに捧げる叙情性たっぷりのジャズだが、彼のセンスが溢れている即興演奏は見事で圧倒してくる。つまりショパンを演ずるのでなく、ショパンの味を自己の世界に取り入れるというところにあるのである。

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 つまり収録曲のラストのM12."Valses, Op. 64: n°2 en do dièse mineur"(ワルツ第7番 嬰ハ短調 作品64-2)以外の曲は、なんと全てディミトリ・ナイディッチの作曲クレジットとしており、それぞれ曲の要所にショパンのフレーズを引用して自分の曲や即興との交流を図り自己の曲として構築し美しい世界を描くところが凄い。
 それでも原曲のモチーフである前奏曲作品28-15「雨だれ」をしっかり聴けるM6."Prélude en boléro bémo lmajeur"とか、誰でも知っている練習曲10-3の「別れの曲」をちょっとイメージを変えたM9."Pleine étude"などのような曲もあり、親しく面白く聴けるのも楽しいところである。
 唯一このアルバムでショパンを名乗るM12.は、ショパンが晩年に残した有名なワルツだが、ここでは最後にその他の曲とは一線を画し、即興をほぼ入れずに、ディミトリのソロでショパンの世界を我々に知らしめるのである。

 全体に少々残念なのは、ベース、ドラムスがうまくアクセントをつけてサポートして盛り上げているのだが、ピアノ主導の因子が強く、もう少し彼らも前面に出ての独自の世界の主張の即興などを織り交ぜてくれるとジャズ・トリオらしさが出たのではと思ったところがあった。

 過去のナイディッチのバッハ、モーツァルト、リストものに於いては、それぞれが全く異なった世界を聴かせたところは驚きであったが、このショパンものは、これ又それらとは全く異なるセンチメンタルな抒情性の美学が漂っていて、これはそれぞれの歴史的作曲家の本質を知り尽くしての技であろう。そんなところも聴き込むに価値ある演奏であった。

(評価)
□ 編曲・即興・演奏  90/100
□ 録音        88/100

(試聴)

"Pleine Ētude"

 

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2024年7月 3日 (水)

トーマス・スタンコ・カルテット TOMASZ STANKO QUARTET 「 SEPTEMBER NIGHT」

スタンコの荒々しさとダーティーな哀感の世界をマルチン・ボシレフスキ・トリオが支える

<Jazz>

TOMASZ STANKO QUARTET 「 SEPTEMBER NIGHT」
Universal Music / Jpn / UCCE-1207 / 2024

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トーマス・スタンコ TOMASZ STANKO (trumpet)
マルチン・ボシレフスキ MARCIN WASILEWSKI (piano)
スワヴォミル・クルキエヴィッツ SLAWOMIR KURKIEWICZ (bass)
ミハウ・ミスキエヴィッツ MICHAL MISKIEWICZ (drums)

録音年 2004年9月9日
録音場所 ミュンヘン、ムファットホール

 2018年に享年76歳で他界したポーランドを代表するトランペッターのトーマス・スタンコ(1942-2018 下左)が、“21世紀のECM”を代表する同じポーランドのピアノ・トリオと繰り広げた今から20年前の2004年のライヴ音源が登場した。つまりECMデビュー前夜のマルチン・ボシレフスキ・トリオ(下右、まだ“シンプル・アコースティック・トリオ”として活動していた頃)をフィーチャーしたカルテットで繰り広げた2004年のミュンヘンでのライヴ音源。
 この年には、このカルテットでのアルバム『Suspended Night』がリリースされて、彼としても更なる発展段階にあった時で魅力的なドキュメントであり、又我が愛するマルチン・ボシレフスキにおいても、若手としての技能の高さで注目度の高まった時期の状況を知れるものとしても魅力たっぷりのアルバム。

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  この組み合わせは、2年前の2002年にこのポーランドのカルテットとしての共演作がお目見えし、トーマス・スタンコを新たな評価へと押し上げた。 それがボシレフスキ、クルキエヴィッツ、ミスキエヴィツとのECM第1弾『Soul of Things』(2002)であり、 ヨーロッパ・ジャズ賞を受賞することになる。
 そして今回のこのライブ音源は、その2004年このカルテットでの第2作アルバム『Suspended Night』のレパートリーである歌曲の形式と、翌2005年に録音された第3作アルバム『Lontano』で探求された即興的な分野の間を巡り巡っているところが、グループの音楽の発展段階を捉えた魅力的なドキュメントとなっていて貴重であるのだ。

  この2004年には、ボシレフスキ、クルキエヴィッツ、ミスキエヴィッツは、彼ら自身も確固たる国際的評価を確立していた。10代に結成した「シンプル・アコースティック・トリオ」として10年間を経て、彼らは「マルチン・ボシレフスキ・トリオ」として新たなアイデンティティを確立し、アーティストとしてますます力をつけている。これにはトーマス・スタンコは当時、彼らを評価し語っている「ポーランドのジャズ史上、このようなバンドは存在しなかった」「私は毎日、このミュージシャンたちに驚いている。 そして、彼らはますます良くなっている」と。

(Tracklist)
1. Hermento’s Mood ヘルメントズ・ムード 5:28
2. Song For Sarah ソング・フォー・サラ 6:20
3. Euforia ユーフォリラ  9:44
4. Elegant Piece エレガント・プレイス 10:22
5. Kaetano カエターノ 8:48
6. Celina セリーナ 10:44
7. Theatrical シアトリカル 6:34

 このこのミュンヘン公演は、スタンコ・カルテットがアメリカとヨーロッパで大規模なツアーを行った年の最高潮の演技と言えるものであると言われている。当時、過去にポーランド・ジャズの大御所クリシュトフ・コメダとの共演などの多くの実績のある偉大なトランペッターとしての評価のあるスタンコは、ここでリーダーシップと最高の魅力を十二分に発揮し、スラブの伝統に根ざしクラシック音楽からの発展形をベースに新しいジャズを演じてきていた若きボシレフスキ、クルキエヴィッツ、ミスキエヴィッツのピアノトリオのエネルギッシュなサポートと見事なカルテットとしての演奏力に力を得て、彼らしい素晴らしい演奏を披露している。

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  M2."Song For Sarah "あたりから、マルチン・ボシレフスキ・トリオの本質がちゃんと見えてきて、彼らがピアノによる深遠な世界を構築し、スタンコがダーティーに乗って行くかのスタイルが見える。
 M3."Euforia"は、ベースのリードからスタートして、それにスタンコがエネルギッシュに盛り上がると、反応するがごとくピアノ・トリオが動を即興で演じ更にエモーショナルな展開をみせ、中盤は今度はピアノが語り始め、ドラムスが展開を形作る。まさにピアノ・トリオの主導のバトルに再び終盤にはトランペットが逆に収める役を果たし、ドラムスが答えて最後はトリオとスタンコでまとめあげる。
 そしてM4."Elegant Piece "は再び静の世界に、10分を超える曲で中盤からトランペットの訴えが始まり、つづいてピアノが延々と語り始める。最後は両者の響きでハーモニックなところを見せながら納める。

 このような、四人の対等なカルテットの演奏が流れ、やはりスタンコのトランペットは彼独特の荒々しい音色は響かせるのだが、ドラマチックな展開の中に憂鬱感の暗さがあったり、哀愁感に満ちたりと人間的な世界を描くところは抜きんでている。そこに又ジャズの激しさをちらっと見せグルーヴ感をちゃんと聴かせながらも、どこか深淵にして人の心を哀感を持って描いてくれるポーランド風ボシレフスキ・ピアノ・トリオの世界が顔を出し、いつの間にか引き付けられてしまう。これがライブ録音かと思うぐらいカルテットとして充実していて、曲の配列も見事でアルバムとしても完成している。
 ここに来て、スタンコの名盤に入るアルバムが登場した感がある。

(評価)
□ 曲・演奏   90/100
□ 録音     87/100

(試聴)

 

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2024年6月28日 (金)

アルージ・アフタブ Arooj Aftab 「Night Rein」

暗さの中の美と展望という一種独特な世界はまさに聴き応えあり

<Jazz, New-age, Electronic Trance>
Arooj Aftab 「Night Rein」
Universal Music / jpn / UCCV-1199 / 2024

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Arooj Aftab(vocal)
Kaki King(guitar,gryphon)
Vijay Iyer(piano)
James Francies(juno,rhodes)
Joel Ross(vibraphone)
Cautious Clay(flute)
Maeve Gilchrist(harp)
Chocolate Genius Inc(piano,bass,synth,strings)
Moor Mother(voice)

Aroojaftabheadshotw   このアルバムは、アルージ・アフタブ(1985年生まれ)という女性ヴォーカリストの私にとっては初ものである。彼女は前作アルバム『Vulture Prince』(2021)で第64回グラミー賞にて最優秀新人賞にノミネート、そのアルバムの中の曲"Mohabbat"で最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞を受賞したことで一躍話題となったニューヨークのブルックリン在住のシンガー・ソングライターで、パキスタン出身、バークリー音楽大学を卒業している。いずれにしてもパキスタン初のグラミー賞受賞となり人気のミュージシャン。そしてこのアルバムは、メジャー(Verve)からのソロ・デビュー・アルバムである。
 さてこれは、彼女のインスピレーションの源である夜をイメージし描いたもので、夜の暗闇になってから現れる、「恋」、「孤独」、「内省」等の多面的な感情を掘り下げているとの説明があり、そんなところをイメージしての自己のオリジナル8曲+スタンダード1曲の全9曲を収録しているようだ。静けさの中にどこか暗さと哀感があるのだが、むしろ訴えるという力を感ずる歌声は聴きどころだ。 

 

(Tracklist)

1. Aey Nehin 彼はこない
2. Na Gul 花でなく
3. Autumn Leaves (ft. James Francies)枯葉 (feat.ジェイムズ・フランシーズ)
4. Bolo Na (ft. Moor Mother & Joel Ross)話してよ (feat.ムーア・マザー、ジョエル・ロス)
5. Saaqi (ft. Vijay Iyer) 恋人 (feat.ヴィジェイ・アイヤー)
6. Last Night (Reprise) (ft. Cautious Clay, Kaki King, Maeve Gilchrist)月のように (feat.コーシャス・クレイ、カーキ・キング、メイヴ・ギルクリスト)
7. Raat Ki Rani 夜の女王
8. Whiskey ウイスキー
9. Zameen (ft. Chocolate Genius, Inc.)大地 (feat.チョコレート・ジーニアス)

  なかなか中低音域の魅力のある暗いと表現される中に宿る力強さの歌声が印象的である。

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 スタートのM1."Aey Nehin"では、GUitar、Vibraphone、Harp などの美しいバック演奏に、リズムは軽快だが、ぐっと歌声は暗い世界が描かれ内省と孤独感が伝わってくるが、最後のハミングなど美しい。
 注目のM3."Autumn Leaves"は、唯一聴きなれた曲だが、James Francies(juno,rhodes)の演奏が面白い。しかし歌うメロディーはぐっと暗く編曲され異様な「枯葉」である。
 M4." Bolo Na"このベースのリズムの効いた曲はパキスタンとの関係があるのか、その伝統のイメージが生かされているように察した。
 M6."Last Night" はトランス風の世界。
 このアルバムの「夜」に焦点が当てられている中でのM7."Raat Ki Rani"(夜の女王)は、東南アジアでよくみられる夜にしか咲かないジャスミンの花の名前とか、彼女の朗々と歌い上げるが、バックのPianoとHarpの音とともに美への展望の高揚が感じられるところが注目。
 M8."Whiskey "は、彼女は「好きな人と夜遊びをしていて、盛り上がってしまったときのことを歌っていて、友人は飲み過ぎたし、私は疲れていて、どうやって二人で家に帰るか考えないといけない。こんなこの夜との交流はまだかわいいものです」と説明しているとか、この曲はアルバムでは暗さの範疇の曲でなく、むしろ優しさを感ずるところだ。

 とにかく、バック・アーティストの描く世界の効果が、所謂ありきたりのジャズとは一線を画し、一種独特な美しい世界を描き、そこに彼女のこれ又一種独特の世界を持ったヴォーカルによって作り上げられていて、ニュー・エイジ、トランス風の幻想的であり又南アジア・パキスタンという雰囲気も加味されているのか、聴きなれない異国を感ずるところにもある。そしてテーマの「夜」というところに彼女の歌声は響き、これまた独特な暗さを持ちつつ美と展望を描くという稀有なミュージックに遭遇したという印象だ。それは決して悪いものでなく、むしろ歓迎すべき味を持っているというのが本音である。

(評価)
□ 曲・演奏・歌  88/100
□ 録音      88/100

(試聴)
"Raat Ki Rani"

*
"Aey Nehin"

 

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2024年6月23日 (日)

エンリコ・ピエラヌンツィ Enrico Pieranunzi 「HINDSIGHT - Live At La Seine Musicale」

ピエラヌンツィ流メランコリックとグルーヴ感溢るる即興と・・・

<Jazz>

Enrico Pieranunzi 「HINDSIGHT - Live At La Seine Musicale」
Free Flying / Japan / FFPC004 / 2024

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Enrico Pieranunzi (piano)
Marc Johnson (bass)
Joey Baron (drums)

Concertienricopieranunzi1w  私が愛するヨーロッパ・ジャズのパイオニア的な存在であり、イタリアが世界に誇る抒情派ピアノの大御所と言われるエンリコ・ピエラヌンツィ(1949年ローマ生まれ →)のここでは1年半ぶりの登場だ。今回のアルバムは彼のキャリアの中でも重要なトリオ・メンバーのマーク・ジョンソン(b, 1953年米国ネブラスカ州生まれ、下左 )とジョーイ・バロン(d, 1955年米国バージニア州生まれ, 下右)との初録音作品から35年を記念して再集結し、パリの芸術拠点ラ・セーヌ・ミュジカルLa Seine Musicaleに興奮を巻き起こしたといわれる2019年12月のライブの模様を収めたアルバムである。

 コンサートの提案もピエラヌンツィ自身から始まったとのことで、演奏には、この3人で音楽を奏でる喜びの伝わってくるような演奏で、楽曲は1曲をのぞき、全てピエラヌンツィのオリジナル曲だ。そし録音・ミックスはStefano Amerioで好音質で聴くことが出来る。

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(Tracklist)

1. Je Ne Sais Quoi 6:54
2. Everything I Love 5:28
3. B.Y.O.H. (Bring Your Own Heart) 7:23
4. Don't Forget The Poet 9:16
5. Hindsight 7:27
6. Molto Ancora (Per Luca Flores) 5:54
7. Castle Of Solitude 5:21
8. The Surprise Answer 6:00

 メロディーやハーモニーの美は勿論、近年ダイナミックなスイング感をも重んじてのピエラヌンツィ独自の世界が見事に展開する。ヨーロピアン独特のアートな色合いもみせてのインタープレイも尊重されたリリカル・アクション演奏もやっぱり持ち味として迫ってくる。それはもともと結構訴えてくるウォームなジョンソンのベース、バロンのアクティブなドラムスが、ちゃんと見せ場を築いてピアノに迫るところが頼もしい。従ってトライアングルな相互触発によってピエラヌンツィピアノも一層アドリブ奮戦がもともと彼の持っているエレガントでいて精悍な冴えを聴かせながら爽快な演奏へと導かれる。従って究極抒情性には決して溺れないところが彼の味として近年は展開している姿がここにも表れている。

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 M2."Everything I Love"のみ、ピエラヌンツィの曲でなく、コール・ポーターのものだが、ここではジョンソンのベースが旋律を流しそれを追ってピアノ、ドラムスの展開が主役に変わって、トリオの楽しさを聴かせている。ヨーロッパ的世界でなくアメリカン・ジャズの色合いをトリオで楽しんだ姿をこのライブに色付けしている。
 私自身はM3."B.Y.O.H. (Bring Your Own Heart)"のヨーロッパ的世界の方に好みは寄ってゆくのだが、そのM2.との対比によって一層それが強調されて、なかなか組み合わせの妙も感ずるところである。
   M5."Hindsight"のアルバム・タイトル曲は、それぞれのダイナミックな演奏を交えてのての展開に再会トリオの楽しさとグルーヴ感を伝えてくれる。
 M6."Molto Ancora (Per Luca Flores)"では、ぐっと落ち着いた世界に。
 M8."The Surprise Answer "パワフルなドラム・ソロからスタート、そしてピアノ、ベースのユニゾン展開も激しく、トリオのインタープレイにも花が咲き聴衆と一体感の世界に突入。お見事。

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 もともとピエラヌンツィの端正でキレと滑らかさのクリアー・タッチのピアノが十二分に堪能できる。そして哀感の世界とバップ的グルーヴ感を曲により見事に演じ切って飽きさせない。かっての抒情性の世界にクラシック的メロディーで哀愁にどっぷり浸かる様は見られないため、その点は少々寂しいが、むしろ近年の躍動型のスリリングすら感ずる中にリリカルな世界を描くという点に注目して聴いた次第。

(評価)
□ 曲・演奏   88/100
□ 録音     88/100

(試聴)

 

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2024年6月18日 (火)

ノア・ハイドゥ Noah Haidu 「Standards Ⅱ」

文句なしの強力スタンダード・ピアノ・トリオ作品

<Jazz>

Noah Haidu 「Standards Ⅱ」
Sunnyside Records / Import / SSC1739 / 2024

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Noah Haidu (piano)
Buster Williams(bass)
Billy Hart(drums)

RECORDED AT VAN GELDER STUDIOS OCTOBER 7 2023
RECORDING ENGINEER : MAUREEN SICKLER
MIXED AND MASTERED BY KATSUHIKO NAITO

 ニューヨーク市を拠点に置くジャズピアニスト、ノア・ハイドゥNoah Haidu(1972年生)が、なんと驚きの職人技術とインテリジェンスの備わったバスター・ウイリアムズ( bass )と、巨匠ビリー・ハート( drums )の自分の親の歳である80歳を越える両超ベテランのサポートを得てスタンダードに取り組んだピアノトリオ作品。彼の言葉は「最近のツアーで観客から素晴らしい反応をもらったことに感謝しています。今でも自分の音楽を作曲したり、アメリカン・ソングブックのレパートリー以外の様々なプロジェクトを続けたりしていますが、スタンダード・トリオは私にとって重要なステートメントであり、ミュージシャンとしてのアイデンティティの不可欠な部分です」とし、ジャズピアニズムとジャズトリオの本質的な要素に磨きをかけているのだ。


Imagesw_20240614224601  これは2023年にリリースしたアルバム『Standards』(SSC1705)の続編で、キース・ジャレットへの深い敬愛の結果としてのスタンダード重視の演奏に、ジャズの一つの姿を追求している。

 ノア・ハイドゥNoah Haidu(→) : 1972年バージニア州シャーロッツビルで生まれで、幼い頃からクラシックピアノのレッスンを受けていたが、10 代になるとブルース、ジャズ、ポピュラー音楽に惹かれ、高校時代ニュージャージーとロサンゼルスに移るとジャズピアノ、ギター、作曲を学んだ。ラトガース大学に通い、ピアニストのケニー・バロンに師事し、2年後にニューヨークに拠点を移す。ニュースクール大学で美術学士号、ニューヨーク州立大学(ニューヨーク州パーチェス)で音楽修士号を取得。メロディックでエネルギッシュな即興演奏を組み込むスタイルで人気を勝ち取っている。演奏家と作曲家として注目を集めてきた。

Images2w  バスター・ウィリアムズ Buster Williams (→): 1942年アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれのモダンジャズ・ベース奏者。父親も音楽家、幼いときからジャズに親しんだ。1959年から演奏家としての活動を始めた。フィラデルフィアでプロとしてデビューした後、ジーン・アモンズ、ソニー・スティットのクインテットやベティ・カーター、ナンシー・ウィルソン、サラ・ヴォーンといった女性歌手のレコーディングに参加、1960年代後半にニューヨークに移りハービー・ハンコックのグループに参加、一時期マイルス・デイヴィスの下でも活躍した。以降はケニー・バロン、デクスター・ゴードン、ジョー・ファレル他にも多くのミュージシャンと活動を共にしている。メロディックでエネルギッシュな即興演奏を組み込むスタイルで人気を勝ち取っている。

1900x1900000000w  ビリー・ハートBilly Hart (→): 1940年ワシントンD.C.で生まれ、アメリカのジャズ・ドラマーにして教育者である。キャリアの早い段階でオーティス・レディング、サム&デイヴ、そしてバック・ヒルやシャーリー・ホーンと共演した。彼はモンゴメリー・ブラザーズ(1961年)、ジミー・スミス(1964年–1966年)、ウェス・モンゴメリー(1966年–1968年)のサイドマンを務めた。1968年にモンゴメリーが亡くなった後ニューヨークに移り、多くの共演がある。ハービー・ハンコックのセクステットのメンバー(1969年–1973年)となり、マッコイ・タイナー(1973年–1974年)、スタン・ゲッツ(1974年–1977年)、クエスト(1980年代)とも共演した。加えて、フリーランスの演奏(1972年のアルバム『オン・ザ・コーナー』におけるマイルス・デイヴィスとのレコーディングを含む)も行っている。

 このアルバムのトリオに関して、ノア・ハイドゥはこう語る「 自分のスタンダード・トリオと一緒に演奏することをツアーの定期的な一部として約束したんだ。私のスタンダード・トリオはミュージシャンとしての私のアイデンティティの重要な一部なんだ。」と。ここには、彼としては巨匠と組んでジャズ・トリオのあるべき姿の本質に迫り、タイトル通りスタンダードに真摯に挑んだ1枚だということだ。

(Tracklist)

1.Over The Rainbow 10:26
2.Someone To Watch Over Me  7:57
3.Up Jumped Spring  11:53
4.Obsesion  8:42
5.Days Of Wine And Roses  7:49
6.After You’ve Gone   6:04
7.I Got It Bad (And That Ain’t Good)  7:45

 スタンダード演奏に如何に対峙してゆくかと言う大前提に立っての主張が聴きとれるアルバムであり、少し曲ごとに深堀してみたい。

  まずスタート曲M1."Over The Rainbow" これが、なんとドラムス・ソロでスタートし、おもむろにピアノの優しく魅力的な音が乗って、ゾっとする感動。しかしなかなかあの知りえたメロディーが出てこない。とにかくスタンダードに取り組んだ王道ピアノ・トリオというが、自由奔放な探求的な解釈で幕を開ける。ベース、ドラムスも対等にその守備範囲を確保し、パフォーマンスの押し引きを繰り広げている。そしてゆったりとした中に編曲と即興を織り交ぜて見事な世界を構築する。
 M2."Someone To Watch Over Me"においても、彼らはスタンダードをテーマにはしているが、それを聴かすというよりは、彼ら自身の世界を演ずるのである。曲のハーモニーとメロディーの可能性を慎重に探り、ハートの繊細なリズムにウィリアムズの機敏な対位法で造られた中にハイドゥの叙情性があって、しかも空間を生かした音で感動的な世界を演じている。
 それはM3."Up Jumped Spring " でも変わることなく、演奏時間は11分を超え、フレディ・ハーバードがアート・ブレイキー& ジャズ・メッセンジャーズにいた時に作曲したインスト曲で、後に歌詞がついて歌われているが、このバンドはイントロのトリオとしての可能性を追求するところから始まって、オープニングのピアノのコードがベースとドラムワークを誘い込み、3者によるルバート演奏が展開。ここには彼ら自身の曲意外に何物でもない。しかし、その後安定したテンポとなり、ウィリアムズとハイドゥの心のこもった伴奏でハートがソロを奏で、2人ともスウィングするソロと最後のメロディーで続き納める。それは録音においても3者同列でそれぞれの音が手に取るように解り、彼らの宇宙空間を形成しているのがよくわかる。

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 M4."Obsesion"では結構メロディーをピアノが演じてくれるが、ベース・ソロが入ったりドラムスのシンバル音が響きトリオが楽しんでいる様が聴きとれる。この曲はアフロ・ラテン界のスタンダードであるが、ハイドゥのセンスとアイデアによって、ジャズ・トリオの世界に誘導している。
 M5."Days Of Wine And Roses"はスウィングし、冒頭から懐かしのメロデイーをピアノが絶妙に演じてくれる。しかし前半にベースの世界に入って即興が流れ、彼らの世界に突入。ピアノも即興に入ってそれをドラムスが軽快にサポート。中盤から後半へはやはり彼らの曲と化す。このあたりのメロディックでエネルギッシュなところがハイドゥなんですね。そして最後には再び主メロディの登場で納める。
 M6."After You’ve Gone" 冒頭の3曲と違ってここでも軽快なジャズを展開。ピアノの流麗な早弾きところが聴かせどころ。三者の一糸乱れぬ展開が見事。最後にドラム・ソロが展開、これぞジャズの楽しさだと響いてくる。ハイドゥのスウィング・タッチとハーモニーの感性が光る。
 M7."I Got It Bad (And That Ain’t Good)"エリントンで締めくくられる。ここではハイドゥがメロディーを語り聴かせるように演奏し、ウィリアムズの即興演奏とハートのブラッシワークが見事に世界を構築し、アルバムを収める。

 とにかく、一曲一曲じっくりと構えて彼ら自身の一つの世界を構築しつつも、原曲の味を逃がさないというところであり、聴き応え十分。ピアノ・トリオとしてのそれぞれの立場は何かという回答のような演奏だ。アンサンブル等の構築などキース・ジャレットの目指し築いたものを是非とも深め発展させたいというハイドゥの心意気を感ずるところでもあった。
 ピアノ・トリオを愛する私としても、一つの大切な部分を聴かされた感があった。
 最後に私の見た一つの評価を記す・・「ジャズピアニズムとジャズトリオの本質的な要素に磨きをかけながら、その初期の約束を実現しています。このアルバムは、ハイドゥのタッチ、即興演奏、ウィリアムズとハートとの交流を披露している。これらの演奏は、新鮮さ、妙技、そして抗いがたい即時性でクラシックを照らし出し、聴き手の注意を惹きつけます」

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏 :   95/100
□   録音       :   90/100

(試聴)

"Days Of Wine And Roses"

*
”Over The Rainbow”

 

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2024年6月13日 (木)

ドゥ・モンテベロ Do Montebello 「B・O PARADISO」

ソフトにして優美な歌で聴きやすいヴォーカル・アルバム

<Jazz>

Do Montebello 「B・O PARADISO」
Fremeaux & Associes / Import / LLL346 / 2024

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DO MONTEBELLO : VOCAL
MARC BERTHOUMIEUX : ACCORDÉON
FRED SOUL : PIANO, FENDER RHODES
HERVÉ MORISOT : GUITAR
RICARDO FEIJÃO : ELE-BASS
CHRISTOPHE DE OLIVEIRA : DRUMS
JULIO GONÇALVES : PERCUSSIONS
JULIA SARR : CHORUS

Domontebelloivansilvaw  フランス・シーンで活躍の女性歌手ドゥ・モンテベロ(フランス南部のアルビAlbi生まれ)の第3作。彼女はポップスやボサノバをセンス良くジャズに取り入れたアプローチを得意とし過去の作品も好評を博している。今作は、彼女の人生を特徴づけた映画音楽を敬意を表し感謝して取り上げ、自己の曲(3曲)と合わせて収録している。
 実は彼女の歌は私は初めて聴いたのだが、非常に聴きやすく素直でソフトな歌が快感で取り上げた次第である。

(Tracklist)

1.NATURE BOY (EDEN AHBEZ)
2.I’M IN THE MOOD FOR LOVE (DOROTHY FIELDS / JIMMY MCHUGH)
3.MANHA DE CARNAVAL (ANTÔNIO MARIA / LUIZ BONFÁ)
4.LA CHANSON D’HÉLÈNE (JEAN-LOUP DABADIE / PHILIPPE SARDE)
5.THE CIRCLE GAME (JONI MICHELL)
6.EVERYBODY’S GOT TO LEARN SOMETIME (J. WARREN & THE KORGIS)
7.ALGER, RUE DEBUSSY (DO MONTEBELLO / SERGIO FARIAS)
8.AUGUSTOU (DO MONTEBELLO / HERVÉ MORISOT)
9.NOVEMBRE (DO MONTEBELLO / MARC BERTHOUMIEUX)
10.MOON RIVER (JOHNNY MERCER / HENRI MANCINI)
11.LES MOULINS DE MON CŒUR (EDDY MARNAY / MICHEL LEGRAND)
12.SMILE (JOHN TURNER & GEOFFREY PARSONS / CHARLIE CHAPLIN)

  取上げた曲は良く知られた映画音楽で、歌は安らぎと詩情をソフトに優雅に歌い上げていて非常に聴きやすい。自己の曲もそれを支えるように歌われて見事にマッチングしている。
  プロデュサーのMarc Berthoumieuxは、ジャズ、ポップミュージック、ボサノヴァのムードを巧みに盛り込んで軽めにアレンジして中身は豪華に施してなかなかサービス精神旺盛に作り上げている。彼女の声の質も中低音が中心で高音もソフトで聴きやすい。
 そしてバックのミュージシャン(ギター、チェロ、コントラバス、アコーディオン)のスウィングに乗せられ、彼女の澄んだ物憂げな歌声は、ポルトガル語、英語、フランス語を繊細に駆使して、決して重くない快適な空間に誘導してくれる。

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 それぞれの曲はよく聴くもので懐かしさ一杯である。基本的には彼女の姿勢は一貫して丁寧なヴォーカルを披露していて、スタートのM1."Nature Boy"つづくM2."I'm in the Mood for Love"などから、むしろ早速懐かしさに誘導し、問題なく彼女の世界に入り込める。
   そしてM3."Manha de carnavel""カーニバルの朝"は、日本では"黒いオルフェ"ですね、そしてM4."エレーヌの歌" これはロミー・シュナイダーの歌で人気曲。フランス・ムード一杯で、私にとっても益々懐かしさに浸ってしまう。
   M7."Alger,rue Debussy"等の自己オリジナル曲もフランス・ムードを維持して異色感がない。
   とにかく殆ど皆知っている曲ばかりだが、彼女らしさがちゃんと歌い込まれていて、その点Berthoumieuxの編曲も原曲に素直で、聴かせの効果も上がっての良作と言って良いだろう。最後M12."Smile"を無難に演じて締めくくるあたりも映画音楽の世界を旨く収めたという処である。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏・歌 87/100
□ 録音         87/100

(試聴)
"Smile"


*

 

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2024年6月 8日 (土)

ローレン・ヘンダーソン Lauren Henderson 「Sombras」

ダークな中に力強さと美しさとが・・・深く聴き、評価する必要があるアルバム

<Jazz>

Lauren Henderson 「Sombras」
Brontosaurus Records / Import / BR2401 /2024

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Lauren Henderson - vocals
Joel Ross - vibraphone
Sean Mason - piano
Jonathan Michel - bass
Joe Dyson - drums

  ニューヨークやマイアミで活躍しラテン・ルーツの持ち味での人気ヴォーカリストのローレン・ヘンダーソン。レコーディング・アカデミーから「ラテンアメリカのサウンドをブレンドし、拡大している10人のジャズ・アーティスト」の1人として認められいる。更にこのところ寺島靖国氏にも注目され、日本盤もリリースされた。私も2019年のアルバム『Alma Oscural』(BSR201901)以来、注目している。一方ニューヨーク・タイムズ紙には「慰めのささやきと説得力のある宣言の中間」と評価を得ている。そして今年、旧作でも共演のジョエル・ロス(vib 下左)、ショーン・メイスン(p 下左から2番目)、ジョー・ダイソン(ds 下左から3番目)、ジョナサン・マイケル(b 下右)らコンセプトに理解あるメンバーと録音し、ここにニュー・アルバム登場。

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 アルバムタイトルの「Sombras」はスペイン語で、英語で「Shadows」と訳される。このタイトルは、自分の祖先が自分の「影」であるという考えを描いている。ヘンダーソンは自作曲を重んじているのは、現在のアイデンティティと芸術性を模索している作品として音楽アルバムを造るところに意味を持っているからである。。 パナマ、モントセラト、カリブ海にルーツを持ちながら、北米で育った彼女は、多様な現代社会の文化の中で自らの回答を求めている。ヘンダーソンはオリジナル作品を通して自身の歴史を紐解き、アメリカにおけるアフリカン・ディアスポラ(子孫の集合体)の背景を反映した意味のある作品作り上げている。それはかってここで取り上げられたアルバム『La Bruja』にも通じている。

 

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1. Fuego
2. Seasons
3. Venas
4. Sombras
5. Illumination
6. Tormento
7. Walking
8. Dignidad
9. Shadows

 

 ヘンダーソンは、独特のハスキー・ヴォイスで潤い豊かな歌唱を今回も魅惑的に聴かせてくれ、一方内省的であり情熱的であるという複雑な構図を描いている。歌詞は当然オリジナルで、英語とスペイン語の2つの言語を使い分け、私には理解はなかなか大変だが、アフリカン・ディアスポラが家系図を通じてヘンダーソンに与えた影響の質や、より広いクリエイティブな世界を象徴的に表しているようだ。曲は静かでありダークなところが聴く者を引き付ける。このアルバムも「影」が何であるかは、聴く者も理解すべきところだ。  

 音楽的には、名門ブルーノート・レコードからデビューした若き天才ヴィブラフォン奏者のジョエル・ロスが全面参加して、都会的色合いの味わい深いところを加味させて聴かせ、ジョナサン・マイケルの力強いベース、ショーン・メイスンの多芸のピアノ、ジョー・ダイソンの活発なドラムスも魅力的。

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M1. "Fuego"スペイン語で「火」を意味する。スタート曲として力強さに驚くが、イデオロギー的な火を灯し、リスナーに直接訴える。「自分たちが培ってきた美しい炎を忘れず、それを当たり前だと思わず、消し去らないように」と、そして「燃えるような情熱と、人間として向上し、発展するために私たちを鼓舞するものを受け入れる」と。続くM2. "Seasons"で静かに見つめなおす。ヴィブラフォンが心に響き深い心情を描く。
 M4. "Sombras"(影) 「光に向かっているとき、私たちは足場を失うかも、しかしここまでの旅から得た力がある」と。「私たちは逆境に直面しているが、進歩を受け入れることで浮上するチャンスがある」ここでこのアルバムの"信念"をリスナーに訴える。これはアルバム全体のモチーフ。曲はピアノの印象的なフレーズをバツクに展開。
 そしてM5. "Illumination"は、M1.の「火の光」をつなぐ曲で、そしてM6. "Tormento"(苦しめる)が登場、ここでは彼女の心情が歌い上げられ、このアルバムの一つの頂点となる曲。そしてM8."Dignidad"を経て、最後は「Sombras」を英語でM9. "Shadows"(影)としてまとめ上げる。全曲一貫したコンセプトで作り上げられている。歌詞が十分理解してみる必要があろうと、私は目下道半ばである。

 とにもかくにも、ヘンダーソンを理解している彼女のディスコグラフィー全体を手がけたFlux Studiosのダニエル・サニントがエンジニアを務め、演奏陣は基本的に彼女の世界に共感し通じているメンバーで、心情的に理解のある協力関係により、セッションはスムーズに、そしてむしろ盛り上がってクリエイティブに進行できたようだ。そのため単なるヴォーカル・アルバムというのでなく、演奏面にもラテン色の上に洗練された都会的センスを盛り込んでいて注目される。彼女自身はこのアンサンブルの各メンバーの個人的な影響と関わりに感謝の気持ちを込めて認めている。彼女の言葉は「私が尊敬し、大切にしているアーティストとコラボレーションし、彼らに輝くためのスペースを与えることが不可欠です・・・いつもバンドの優しさと忍耐力に魅了されています。それは私たちの創造であり、プロセスはオープンで協力的です」と。
 今回のアルバムは、過去の彼女のアルバムの流れの中でも最もコンセプチュアリスティックな作品として受け入れ、アフリカン・ディアスポラの根源に迫るものとしてとらえて聴いたところである。

(評価)
□ 曲・演奏・歌  90/100
□ 録音      88/100

(試聴)

"Sombras"

"Illumination" 

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2024年6月 3日 (月)

マシュー・シップ Matthew Shipp Trio 「 New Concepts in Piano Trio Jazz」

圧巻の静から動への展開、 アヴァンギャルドにフリー・ジャズ、現代音楽を凌駕する

<Jazz>

Matthew Shipp Trio  「New Concepts in Piano Trio Jazz」 
ESP-DISK / Import / ESP5085CD / 2024

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Matthew Shipp (piano)
Michael Bisio (bass)
Newman Taylor Baker (drums)
Recorded August 2, 2023 at Park West Studios

 80年代後半から独自の世界を演じて来たピアニスト・マシュー・シップ、ピアノ・トリオ愛好者であれば一度は挑戦してほしい彼のアルバム。それは私に言っているようなものだが、何度かかじってそのまま、つまりアルバムであればそれをしっかり何度か聴いてみるということをせずに今日まで来た。それにはそれなりの理由があるのだが、それはさておきその彼の現行トリオによる2023年録音最新作が登場だ。そして今回はなんとアルバムを通して何回と聴き、それなりの感動があったためここに登場となった。

  マシュー・シップMatthewShipp(下左)は、1960年、アメリカ / デラウェア州生まれの、ポスト・ジャズ・ピアニスト/作曲家。彼の母親がトランペット奏者のクリフォード・ブラウンの友人でもあったことから、シップはジャズに強く惹かれ、5 歳でピアノを弾き始め、高校時代にはロックグループでも演奏した。1984年にニューヨークに移り、1990 年代初頭から、バンドリーダー、サイドマン、またはプロデューサーとして数十枚のアルバムに出演。当初はフリージャズをメイン・スタイルにしていたが、その後、現代音楽、ヒップホップ、エレクトロなど、多岐にわたるジャンルで高い評価を得ている。

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 さて本作だか、いっやー恐ろしいアルバム・タイトルですね。現在のジャズ・ピアノ・トリオ界への挑戦か、はたまた自身における革命的挑戦か、いずれにしてもここまで上段に構えるのだから尋常でなく気合が入っている。ニューマン・テイラー・ベイカー(上中央)、マイケル・ビシオ(上右)という息の合ったトリオで、聴くものに迫ってくる。

(Tracklist)

1 Primal Poem 3:28
2 Sea Song 6:24
3 The Function 7:03
4 Non Circle 6:58
5 Tone IQ 3:54
6 Brain System 4:53
7 Brain Work 3:02
8 Coherent System 11:39

 5年間一緒に活動し、定期的にレコーディングをしているということだが、その結果、トリオ構成のぶれることなく推し進められる世界は見事である。そしてその流れはリーダーが支配して終わるトリオではなく、作曲されたものと3人のメンバーが打ち出すインプロヴィゼーションの兼ね合いが、それによる相互作用に基づいてスリリングに構築されるアグレッシブなアンサンブルを聴かせている事に"New Concepts"という発想に繋がったと推測する。

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 「ジャズの道はこれだ」とばかりに、束縛なしの自由な三者の即興演奏をアクティブに展開してみせるわけであるのだが・・・。ただし、オープニングのM1." Primal Poem"は、異次元の世界を構築しながら、ぐっと抑えて瞑想的なテーマで心をつかみ、続く・・M2." Sea Song "で自然の姿に神秘性を宿わせる。この2曲があってしっかりこのアルバムの世界に私の場合見事に引き込まれてしまう。そして彼らの示す本題の曲に繋がってゆく。
   M3." The Function"から気合が入ってくる。ベースの低音のリズムが不気味にリード。ピアノはメロディーでなくスリリングな展開に、特に後半ドラムスと共に即興対立的世界に。
 M4." Non Circle "ドラムスからスタートするも、三者でのバトルが印象的に進行。
 M5." Tone IQ" 三者とも一つ一つの音を大切に響かせ、余韻を生かして迫ってくる。特にピアノの低音と高音の単音の響きとベースのアルコで異世界の静粛さ描き、ドラムスはちょっとスリル感を聴かせる。
 M6." Brain System" ここでもベースがアルコでの異世界が続く。ピアノとシンバル音がさらにそれを高め次第にピアノがその神秘性を語り始める。
 M7." Brain Work" いよいよピアノ・ソロで現代音楽的側面をにおわせて、次に続く彼らの三者の自由なインプロヴィゼーションのバトルの予感を感じさせる。 
 M8." Coherent System " 私から言わせるとバトルそのものだ。ピアノとドラムスが対等にたたき合い、その姿を支え整えるベース。まさに3者による干渉と緊密な構成の美が描かれる。

 とにかく"New Concepts"と銘打った彼らの目指すものが、トリオ・メンバーのお互い知り尽くした三者対等なアンサンブルを信頼関係が基礎にあっての構築される世界が、十二分に描かれ演じられている。それぞれの高度な演奏技術に互いに信頼関係があってのインプロヴィゼーションを発展させての曲仕上げは恐ろしいほどだ。M1, M2で深く引き寄せ、最後は彼らの世界に引っ張り込むアルバム構成も見事。
 ここまで発展してくると、聴くものが何を求めるかによって世界は明確に分化されるだろうと思う。私が日ごろ愛しているユーロ系の哀愁の美旋律ピアノ・トリオとは全くの別世界であるが、描くところにシャズ・ピアノ・トリオとしての世界の一つの美学としての姿として感じられるのは事実で、今後の発展にさらに期待するのである。

(評価)
□ 曲・演奏 :   92/100
□ 録音    88/100

(試聴)

*

 

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2024年5月29日 (水)

フランス・バク、シーネ・エイ Frans Bak feat.Sinne Eeg 「Softer Than You Know」

人生の感謝の世界を歌い上げる

<Jazz, Popular>

Frans Bak feat.Sinne Eeg 「Softer Than You Know」
Storyville Records / Import / 101 4359 / 2024

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Frans Bak - piano
Sinne Eeg - vocals
Peter Sprague - guitar
Thomas Vang - bass
Emil de Waal - drums
August Wanngren - choir (track 1,3, 5, 6, 7)
Fredrik Lundin - saxophone (track 4)
Hans Ulrik - saxophone (track 6)

All tracks = Music: Frans Bak, Lyrics: Helle Hansen
Recording: The Village Recording, Copenhagen, Denmark, September 2022

 デンマークの重鎮作曲家兼ピアニスト、フランス・バク(下中央)が、自らのオリジナル曲で最新プロジェクトとしてバラード・アルバムをリリース。曲の作詞は、やはりデンマークでミュージシャン・作詞家・教師で活躍しているヘレ・ハンセン(下右)によるものとか。 収録曲は10曲のバラードで構成され、日本でも人気のヴォーカリスト、 シーネ・エイ(下左)がボーカルを担当ということで聴くに至ったものである。

 フランス・バクFrans Bak(1958年デンマーク・コペンハーゲン生まれ)は、デンマーク王立音楽院を卒業後、数々のバンドを結成し、クラシック音楽をさまざまなジャンル、サウンド、現代のテクノロジーと融合させ、アンビエント、メロディック、アトモスフィアなど、独自のサウンドを生み出してきた。80年代から90年代にかけて、ピアニスト、バンドリーダー、作曲家としての役割を両立させ開花。デンマークの多くのアーティストとコラボレーションし、映画音楽やTVシリーズの音楽の作曲でも高い評価を得ている。特に、映画のサウンドトラックの世界に25年の国際的なキャリアを築いてきている。
 シーネ・エイSinne Eeg(1977年デンマーク生まれ)はスカンジナビア屈指の女性ジャズ・ヴォーカリストと言われ、このブログでも何度か登場している。彼女の感情豊かな声で聴衆を魅了し、魅惑的なパフォーマンスとともに国際的な称賛と人気を得ている。デンマーク音楽賞の最優秀ボーカル・ジャズ・アルバム賞を4回受賞するなど、数々の賞と称賛を受けている。

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 レコーディングには、トーマス・ヴァング(ベース)、エミール・デ・ワール(ドラムス)、ピーター・デ・ワール(ベース)、ハンス・ウルリック(サックス奏者)など、豪華なメンバーが参加。

(Tracklist)

1. Softer Than You Know
2. Lonely Waltz
3. Out of the Blue
4. Stay With Me
5. 1-2-3
6. Ready Again
7. Is This It
8. When I’m Near You
9. I Will Never Let You Down
10. Close Your Eyes

  フランス・バクが、彼の音楽の原点へのノスタルジックな回帰を示す最新プロジェクトで、ジャズとポップスの融合と表現しているところのゆったりとしたソウルフルなメロディーにての曲で、しかもヘレ・ハンセンの歌詞がまた心に響くもので、このバラードアルバムを造り上げている。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの間、バクは自分のバンドのサウンドに夢を抱き、サックス奏者のフレドリック・ランディンとの偶然の出会いがきっかけで音楽への情熱が再燃したとか。そして作詞家のヘレ・ハンセンとのコラボレーションによって曲を仕上げて、シーネ・エイの魅惑的な歌声を得て、フルアルバムの制作に至ったようだ。

 とにかく非常に優しく聴くものすべてに心地よさを提供できるような心温まる曲であり、シーネ・エイもジャズ・ヴォーカルというイメージでなく、ちょっと世界が変わったような自分を見つめる素直な真摯な気持ちで歌い上げている。(下に歌詞を紹介する)

(タイトル曲の歌詞)「Softer Than You Know」
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Within a moment
All becomes apparent
And it′s clearer than you know
And it's nearer than you know

Whirls of snowflakes
A dance on ice skates
Frosty childhood keepsakes
And it′s brighter than you know
And it's lighter than you know

Every memory unlocking a world
That you used to understand
And its magic is fully unfurled
In the end descending
Till it lands on your hand

Like a sunray
A flying bobsleigh
Candles on a birthday
And it's softer than you know
Like an ember, like a glow
Like the whisper of the snow
So much softer than you know

静寂の中で
一瞬のうちに
すべてが明らかになります
そして、それはあなたが知っているよりも明確です
そして、それはあなたが知っているよりも近いです

雪の渦
アイススケートの上でのダンス
冷ややかな子供時代の記念品
そして、それはあなたが知っているよりも明るいです
そして、それはあなたが知っているよりも軽いです

すべての記憶が世界を解き放つ
あなたが理解していたこと
そして、その魔法は完全に展開されます
最後は下降
それがあなたの手に着地するまで

太陽の光のように
空飛ぶボブスレー
誕生日のキャンドル
そして、それはあなたが知っているよりも柔らかいです
燃えさしのように、輝きのように
雪のささやきのように
あなたが知っているよりもずっと柔らかい

 こんな雰囲気でアルバム全体が経過する。感謝の心の歌と言って良いのかも・・・クリスマスソングを聴いているような雰囲気もあり、どうもジャズと言うには別世界と私は思うのであるが(M4"Stay With Me"はLundinのSaxが入って少々ジャズっぽいが)、時にはこの世界も良いものである。

(評価)
□ 曲・歌詞・歌  88/100
□ 録音      85/100
(試聴)

 

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2024年5月24日 (金)

ミシェル・カミロ、トマティート Michel Camilo & Tomatito 「SPAIN FOREVER AGAIN」

息の合ったラテン・ジャズ・ピアノとフラメンコ・ギターのデュオ作品

<Jazz>

Michel Camilo & Tomatito 「SPAIN FOREVER AGAIN」
Universal Import / UNIP58786422 / 2024

Michelcamilo_tomatito_spain_forever_agai

Michel Camilo : piano
Tomatito : Guitar

 ラテン・ジャズ・ピアノのドミニカ共和国出身の超絶技巧ピアニスト=ミシェル・カミロと(下左)、フラメンコ・ギター界のトップ・アーティスト=トマティート(下右)のコラボレーションのデュオ作品第4弾。

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 この両者のコラボレーションは1997年のバルセロナ・ジャズ・フェスティヴァルでの共演で意気投合してからスタートし、その後『スペイン』(2000年)、『スペイン・アゲイン』(2006年)、『スペイン・フォーエヴァー』(2016年)と3枚のアルバムを発表し、ここに8年ぶりに再び両者でのニューアルバムである。
 情熱的なエモーショナルな演奏で喝采を浴びてきた中で、総決算アルバムと思わしきアルバムの登場である。そして私としては、好きなロドリーゴの「アランフェス協奏曲」が演じられているので、興味深々であった。

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1.Alfonsina Y El Mar 04:40
2.Mambo Influenciado 03:31
3.Antonia 04:23
4 Remembrance 06:29
5.Nardis 04:36
6.La Leyenda Del Tiempo 03:41
7.Aranjuez: 1. Allegro Con Spirito 05:58
8.Aranjuez: 2. Adagio 09:57
9.Aranjuez: 3. Allegro Gentile 05:09

 ピアノとギターのデュオは、聴きようによってはピアノが意外に引っ込んでしまうのだが、このアルバムでは録音・ミックスにおいても、もちろん演奏も全く両者対等に仕上げられている。交互に旋律を演奏して片方がバックに廻って美しく又楽しく聴かせ、時にユニゾン、時にハーモニーといった形をとって、どちらかというと楽しさが感じられる演奏であった。
   演奏曲はフォルクローレ、マンボ、フラメンコから、パット・メセニー、マイルス・デイヴィスのナンバーまで、多種多彩ジャンルに及んだ選曲。

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 M1."Alfonsina Y El Mar"はアリエス・ラミレスの曲でなかなかロマンテイックな味を出し、M3."Antonia"は、パット・メセニーの名曲で、味わい深い世界を描く。
   M5."Nardis"マイルス・デイヴィスが書いた佳曲、哀愁漂うエキゾチックなメロディが聴ける。
 しかし注目は何といってもM7.,M8.,M9.のロドリーゴの名曲ギター協奏曲「アランフェス協奏曲」(1940年初演)全楽章をデュオで演奏していることだ。アルバムのクライマックスで、圧巻のパフォーマンスを披露。この曲は第2楽章のメロディーが最も有名で私の好きな曲。戦争の悲惨な状況でのスペインと古都アランフエスの平和への想いを込めて作曲したと言われている。それは病によって重体となった妻や失った初めての子供に対する神への祈りが込められているとも言われているものだ。ここでは、ピアノ、ギターの旋律が交互に響き非常に美しくもあり、何となく哀しくもあり、真摯に心に響いてくる出来だ。

 久々にピアノとギターのデュオを聴いたが、それぞれの持ち味を十分に生かした編曲演奏で文句ない出来だ。聴くにあたっても意外に楽しく気楽に聴ける。そしてアランフェスでしっかりと気持ちを清らかに落ち着かせてくれて旨いアルバム造りでもあった。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏  88/100
□ 録音        88/100
(試聴)

 

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