JAZZ

2018年8月16日 (木)

ホリー・コールHolly Coleの映像版「40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009」

重量級の存在感でのヴォーカル・パフォーマンス

<Jazz>
HOLLY COLE 「40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009」
Live at 40. Internationale Jazzwoche Burghausen 2009, Germany

Bjazz

Holly Cole – vocals
Aaron Davis – piano
John Johnson - tenor/soprano/baritone sax, bass clarinet
Marc Rogers – bass
David Direnzo - drums, percussion

 2009年ドイツにおけるライブをプロショット収録した映像版で、最近ブートで配布され、YouTubeでもお目見えしている。決して新しくないが、Holly Colleの場合、10年近く前という印象は無い。彼女は1963年生まれでこのライブは45歳位だが、既に貫禄十分。カナダ出身の彼女はあの”コーリング・ユー”(1991年)でもう25年以上も前に日本でもブレイク、なんと女性ファンが多く支持したところがちょっと異色だった。その後の彼女はやっぱりジャズ・ヴォーカルとしてはなんとなく異色の範疇に入るのだが、その存在感は重量級で、アルバムも寡作だがしっかりファンは根付いている。先日来日し又久しぶりのアルバム『HOLLY』もリリースされここでも取りあげたところだ。

Fc2trw_2(Tracklist)
01. Frank's Theme
02. Tango Till They're Sore
03. Down, Down, Down
04. Shiver Me Timbers
05. Little Boy Blue
06. Good Old World / Take Me Home
07. Train Song
08. (Looking For) The Heart of Saturday Night
09. Walk Away
10. Invitation to the Blues
11. Closing Time
12. Jersey Girl
13. Soldier's Things
14. Black Market Baby
15. The Briar and the Rose
16. Whistlin' Past the Graveyard
... e n c o r e ... 17. Love Lies

 不思議にこうゆうパターンってあるんだなぁ~~と、このホリー・コールって惚れ込んだってことは無いのだが、なんとなく彼女のアルバムとか映像版となると、聴いたり観たりしてみたいって感じになるところにあるのだ。
 このライブものは、冒頭の" Frank's Theme"もステージのバックで表に出ずに歌い始めるという手法で、途中でステージに就くともう圧巻で、バックのカルテットも霞んでしまう。相変わらずの節回しはホリー・コール節で特徴がある。声もスモーキーであり、そうはいっても高音は伸びる。発声がちょっと癖があるが彼女そのものというところで容認してしまうのだ。
 選曲もそれほど一般的というか、ポピュラーなものに絞っているのでなく、やはり彼女のアレンジを施してのホリー・コール世界に特化したものを演ずるといったなかなかの主張派でもある。

Hc3w
                                   (Japan Live)

 私の好みからすると. "Invitation to the Blues"のやや前衛がかったバック陣の演奏としっとりしたヴォーカルのこのタイプがいいですね。その他インストゥルメンタル演奏で "Closing Time"は、 John Johnsonの哀愁がかったサックス演奏もなかなか聴かせてくれる。
   "Soldier's Things"のような語りかけるようなヴォカール、又 " The Briar and the Rose"のようにソロに近い歌い込みなどを聴くと、やっぱり上手い歌手であることが解る。
 とにかく大人のジャズ世界ムードは貫かれていて、なかなか魅力あるライブである。

(評価)
□ 演奏・歌     : ★★★★☆
□ 映像・サウンド : ★★★★☆☆ 

(視聴)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月 5日 (日)

ジェシカ・ウィリアムズJessica Williams復刻盤「Some Ballads, Some Blues」

技量の高さに驚かされる女流ピアニスト

<Jazz>
Jessica Williams 「Some Ballards, Some Blues」

JAZZ FOCUS RECORDS / US / JFCD038 / 2016

Someballads1

Jessica Williams(p)
Dave Captein(b)
Mel Brown(ds)

White Horse Studios, Portland, OR, on April 12 & 13, 1999

 女流ピアニスト、ジェシカ・ウィリアムズJessica Williams の1999年録音ピアノ・トリオ版の再発盤。
 彼女は1948年生まれ(米国、マリーランド州)で今年は70歳。これは50歳代の円熟期の演奏。既に何十枚のアルバムを残している超ベテランにしてその技量の評価も高いのだが、意外に日本では広く浸透していない。 そして現在の演奏活動はどうなんだろうか、このところはニュー・アルバムは登場していない。
 このアルバムは、下のリストに見るように、自身のオリジナル曲(*印)が中心だが、一方" You Don't Know What Love Is"や"My Foolish Heart"、"When I Fall in Love"といったリリカルなスタンダード曲も登場する。特にこれらを聴いてみて解るのは、彼女独自のピアノ・タッチがあることで、そしてその技量と洗練されたインプロにも驚かされる。

15654388735_cc7f85079d_o(Tracklist)
1. You Don't Know What Love Is
2. Blue Miles *
3. My Foolish Heart
4. For You Again *
5. When I Fall in Love
6. Mr Johnson *
7. Dark One *
8. Simple Things *

 どうも基本的にはネオ・ハードバップなタイプと評価されているようだが、ちょっとフリーキーfreakyな印象も受けるところも多いタイプ。なかなかこれは難物かと思いきや、伝統的ともいえるオーソドックスな演奏も展開するという個性に満ちた演奏だ。その為飽きさせずに、そう難解と言うこともなく繊細なところも感じつつ面白さも感じ取った。
 ピアノ・トリオなのだが、私の聴き方のせいか、どうも彼女の多彩な、変幻自在なピアノ・プレイに圧倒されて、ピアノ・オンリーが完全に前面に出ているソロを聴いている気分のトリオ・アルバムとして聴いた。
 冒頭の"You Don't Know What Love Is"で、美しく演奏するところと攻めるところの混在に聴く方も油断できずに構えるのだが、"My Foolish Heart"なんかはほっとして聴くことが出来た。
 このような盤を再発したのには、それなりの目的があろうが、ハードバップから一歩前進を試みているこの当時のエネルギーを知る意味に於いても、又その味わいからいっても聴き応え十分のアルバムである。

(評価)
□曲・演奏 : ★★★★☆
□録音   : ★★★★☆

(参考視聴)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2018年7月29日 (日)

映像で観るサラ・マッケンジーSarah McKenzieのピアノ&ヴォーカル

今やダイアナ・クラールを追う有力な弾き語りピアニスト
                  (・・・・と、言うと大げさか?)

<Jazz>

 [DVD]  Sarah McKenzie 「Jazz San Javier 2016」
   Live at 19 Festival de Jazz de San Javier, Murcia, Spain, July 29th, 2016 (70min)

1

Sarah McKenzie - piano
vocals Jo Caleb – guitar
Pierre Boussaguet – bass
Marco Valeri – drums

Parisintherain79ed7869 ジャズ・ピアノを軽やかにこなしての明るいヴォーカルでこのところ人気モノになりつつあるサラ・マッケンジー、昨年ここでアルバム『PARIS IN THE RAIN』UCCI-1037)(→)を取りあげたのだが、来日したりで日本でも美貌も相まって人気を獲得しつつある。
 そんなところで、やはりブートであってもライブ映像版を観たいとう心境で、このところ観ているDVDの紹介だ。
 これは2016年のスペインに於けるライブ収録。彼女の通常のスタイルのギターの入ったピアノ・カルテット構成だ。冒頭から彼女のヴォーカルが満開。例の如く軽やかで明るい。

Smw(Tracklist)
01. Onwards And Upwards
02. I Won't Dance
03. We Could Be Lovers
04. That's It, I Quit!
05. Don't Tempt Me
06. I Got The Blues Tonight
07. Moon River
08. When In Rome (I Do As The Romans Do)
09. Love Me Or Leave Me
10. Quoi, Quoi, Quoi
11. At Last
12. The Lovers' Tune
13. Embraceable You

 なんと言っても、映像に耐える美貌がいいですね。ピアノ・タッチも軽やかで、スウィングする演奏が多く、ジャズとしては極めてオーソドックス。ここではアルバム『PARIS IN THE RAIN』がリリースされた前年だが、アルバム収録されている曲の3曲(M01, M08, M13)をも演奏している。こうしてライブ映像で観ても、声の質は高音までクリアで清楚感がある。しかし今一つ聴いて痺れるところがないのがちょっと寂しい。M06." I Got The Blues Tonight"のブルース・タッチでも、もう少し哀感が欲しいと思うところ。
  ギターのみのバックで彼女のスローバラードがM07. "Moon River"、 M13. "Embraceable You "の2曲で披露されている。ここではヴォーカルの力量が問われるところだが、天性の歌い込みの上手下手が出てしまうところで、上品さの感じるところところは良いのだが、その為少々情感に乏しい感じだ。まあそのあたりが又良いというファンもいてそれはそれ結構な事である。私から見ると、やっぱり彼女はピアニストにウェイトがあるのだなぁ~と思うところなのだが・・・・。
 しかしこのタイプはカルテット仲間との相性はむしろ良さそうで、観る者にとっては快感でもあった。

② [DVD] Sarah McKenzie 「Monteu Jazz Festival  2017」
        Live at Montreux Jazz Festival 2017 (90min)

Montreuxaww

Sarah McKenzie: vocals & piano
Geoff Gascoyne: bass
Hugo Lippi: guitar
Donald Edwards: drums
Warren Wolf: vibraphone


 こちらは、昨年2017年のMonteu Jazz Festival における彼女の上のようなメンバーでのクインテット構成によるライブ・パフォーマンス、約90分に納めている。この時の特徴は最近あまり編成されないビヴラフォンが加わっていることで、これによって一味ムードが変わっている。彼女の清楚感あるヴォーカルからして、このパターンがなかなか面白いと思った。

(List)
0:17 Road Chops
5:39 I Won't Dance
10:41 We Could Be Lovers
16:31 Paris In The Rain*
22:07 One Jealous Moon*
28:54 The Secrets Of My Heart
35:32 Small Feats
42:00 I've Got The Blues Tonight
51:15 Tight
58:45 Triste*
1:05:08 I'm Old Fashioned*
1:12:19 The Lovers' Tune
1:22:04 Embraceable You*

  演奏曲目は13曲だが、最新アルバム『PARIS IN THE RAIN』と時期が一致していているため、アルバムの5曲(*印)がここで演じられている。
 そして彼女のなんとなく上品で清楚感あるヴォーカルとピアノ・プレイで楽しませてくれる。又このライブでは、メンバーそれぞれのソロ演奏も十分に取り入れられていて楽しいライブになっている。このあたりはアルバムと違った楽しみ方が出来るところだ。
 彼女は、オーストラリア、メルボルン出身。ウエスト オーストラリアン アカデミー オブ パフォーミング アーツでジャズの博士課程を修了。その後、アメリカのバークリー音楽院に入学し、卒業後は、パリを拠点として活動している。ジャズ曲コンポーザー、ピアニスト、ヴォーカリストと活躍している。これまでに下記の4枚のアルバムをリリースしているが、嫌みの無いところが取り柄として聴いてきた。これからどのように発展して行くかも楽しみなプレイヤーと言って良いだろう。ダイアナ・クラールの痺れる味には、まだまだと言うところだが・・・。

(Sarah McKenzie - Discography)

Don't Tempt Me (2011)
Close Your Eyes (2012)
We Could Be Lovers (2014)
Paris in the Rain (2017)

(視聴)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月24日 (火)

リッチー・バイラークRichie Beirachの未公開ライブ音源を加えての復刻盤 「INBORN」

マイケル・ブレッカー、ジョン・アバークロンビーに捧げるアルバム

Michael Brecker :2007年1月13日 白血病のため死去、57歳。
John Abercrombie: 2017年8月22日 心不全により死去、73歳。

<Jazz>
Richie Beirach 「INBORN」
Jazzline Records / IMPORT / N77049 / 2018

Inbornw_3

Recorded April 17 & 18 1989 at Clinton Recording Studios, New York City

Richie Beirach (piano)
Randy Brecker (trumpet, flugelhorn on CD1-1,2,4,6,7,8,CD2-1,2,7)
Michael Brecker (tenor saxophone on CD1-3,5,CD2-3,5)
John Scofield (guitar on CD1-1,4,8,CD2-2,7)
George Mraz (bass except CD2-1)
Adam Nussbaum (drums except CD1-3,5,CD2-1,3,5)

81hypt8fbtw 1989年4月NYで吹き込まれリリースされたリッチー・バイラークのチェット・ベイカーのトリビュート・アルバム『Some Other Time - A Tribute To Chet Baker』(Triloka原盤)(→)に、同じ顔ぶれによる当時の未発表のライヴ音源を加えて2枚組としての充実再発版。これは80年代のジャズ界華々しい時のアルバムで、やはり耽美派ロマンチストのアルバムとして人気を博したもの。ただ私はリッチー・バイラークはトリオもの又はソロ・ピアノのアルバムが中心だった為、手にしてなかったので当然今回飛びついたのであった。

 上のメンバーにみるようにランディ・ブレッカー、マイケル・ブレッカー、ジョン・スコフィールド、ジョージ・ムラーツ、アダム・ナスボームと組んだセクステット構成だが、曲によって変わる変動的コンポもの(下のList参照)。
 CD-2のStudio版は、リッチーのオーソドックなピアノ・トリオ(piano,bass & drums)やマイケルとのデュオ(piano, sax)などでそのリリシズムはしっとりと味わえる。

List1List2


*
*
*
*
*
*
*
*
*

[CD2]は、かってリリースされたアルバムの再発なのだが、バイラーク主導型の曲展開にランディのトランペット、マイケルのサックスが、朗々と歌いあげるバラード・プレイによって抒情的にして哀愁感のある曲に仕上げられている。 バイラークの名曲"Sunday Song"などもマイケルのサックスは見事にバイラーク流にあわせてのバラード演奏で十分に楽しませてくれる。この曲は私にとっては、24年前に来日ソロ・ライブの最後に聴かせてもらった曲で、感動モノなのである。
 更に"Some Other Time "も、そのエヴァンス流がしっかり味わえるバイラークの世界の出来である。
Richie_beirach__c_lutz_voigtlander_
[CD1]は、今回初公開のようだが、スタジオ版とは対照的に、この連中と言ったら叱られそうだが、当時のジャズ・メンの典型的スタイルをセクステットでお互い絶好調と言わんばかしにたたき込んで来て、バイラークのピアノもリリシズムを返上してアグレシッシブに迎え撃つ、この様はそれまでのニュー・ヨーク・ジャズが如何に盛り上がっていたかが窺い知れる演奏が聴ける。
 アルバム・タイトルの"Inborn"は、両方に収録されているが、この曲はバイラークらしい秘めたるロマンチィシズムと、ジャズの展開の楽しさとを両面持っている曲でマイケルのサックスがここでもバイラークのピアノに歩調を合わせつつ、だがしっかりと自己主張もしていて、トリビュートとしての選択は的確な曲である。

 このリリシズムたっぷりのスタジオ版が、ライブ版で知ることが出来るこんなジャズ・スピリット満開で演奏するセクステットの中で作り上げられた事に驚きながら感動できて、この2枚組構成は見事に成功している。まさにジャズ界トリビュート版といっても良い仕上げであった。

(評価)
□曲・演奏 ★★★★★
□録音   ★★★★☆
 
(参考視聴)

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2018年7月22日 (日)

ヨーロピアン・ジャズ・トリオEuropean Jazz Trio来日ライブ

猛暑の中の来日ライブ

Img_1126w しかしこの夏の猛暑は異常ですね。
 その暑さの中、オランダからヨーロピアン・ジャズ・トリオが来日。なんと言っても我々以上にこの陽気には彼らはビックリしているでしょうね。これには敬意を表さなければと、「Cotton Club」を覗いてきました(21日)。なにせ熱くて外には長く居られないので・・・・・。

 オランダのジャズ・ミュージシャン3人で結成されたこのジャズ・ピアノ・トリオ。発足は1988年と言うことなので、なんとメンバー・チェンジはあったとは言え30周年と言うことになる。
 残念ながらこのところニュー・アルバムにお目に掛かっていないので(ベスト盤のようなものはありますが)、どうなっているのかちょっと不安なトリオでした。もともと欧州ジャズのリリカルな因子のあるクラシックからジャズ・スタンダードそして映画音楽、ポップスまでを広くカヴァーして気持ちよく聴かせてくれるトリオであり、来日と言うことでホッとしたと言うのが正直なところ。

Img_1129w

 メンバーのマーク・ヴァン・ローンMarc van Roon(p)、フランス・ホーヴァンFrans van der Hoeven(b)、ロイ・ダッカスRoy Dackus(ds)というのは、1955年から続いている。特にピアニストのマークは、ビル・エヴァンスからの影響が濃く、それも日本では結構人気の一因子でもある。20周年の2009年には日本の歌謡曲や童謡をジャズ化してみせてくれたりで、日本に根強いファンもいるのである。

Ejtw

 私からすれば、どちらかというと嫌みの無いリラックスして聴きやすいジャズの範疇に入るし、それは刺激性は少ないと言うことになって、強烈な印象というのは実はないのがこのトリオであった。

 そんな抵抗のないところで、今回、取り敢えず来日ライブに参戦して来たのである。このトリオは私にとっては初めてお目に掛かるのだが、なんとなく以前から観てきたような気になるから不思議なトリオ。それだけ親近感があるというと言うところか。
 やはりロイが一番愛嬌がありますね。フランスはあまり表情を変えずの演奏だ。やはりピアノのマークがこのトリオでは重要ですね。彼が最も若いと思うが、今回のプレイでなんとクラシックからの曲が最も生き生きとしていたところが印象的だ。彼のキャリアからして当然なんでしょうね。彼はソロ・アルバムや彼名義のトリオ・アルバムもリリースしている。

 しかしまあこれほど気品を感ずるトリオも珍しい。オーディエンスも何というかお上品に聴いていた。今夜もクラシックからビートルズまでを取りあげてのとにかく好感の持てるライブ演奏であった。ちょっと気持ちの豊かになる一夜でした。

(参考視聴)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年7月18日 (水)

エンリコ・ピエラヌンツィEnrico Pieranunzi 「WINE & WALTZES Live at Bastianich Winery」

エンリコのワイナリーでのピアノ・ソロ・ライブ

<Jazz>
Enrico Pieranunzi 「WINE & WALTZES  Live at Bastianich Winery」
Cam Jazz / Euro / CAMJ7934 / 2018

 71ngrg0gw

Enrico Pieranunzi (piano) played on Fazioli F278
All music by Enrico Pieranunzi

Recorded & mixing engineer Stefano Amerio
Recorded Live at Bastianich Winery (Cividale del Friuli, Italy) on 6 June 2017

  つい最近エンリコ・ピエラヌンツィEnrico Pieranunzi のトリオのアルバム(『Monsieur Claude - A Travel with Claude Debussy』(BON180301))がリリースされたばかりだが、ブログ友エンリコ命の爵士さんお勧めのピアノ・ソロ盤が今度はリリースされた(実際には欧州ではこちらが先のリリースのようだが)。
 イタリアからスロヴェニアとの国境に近いところにあるバスティアニッヒ・ワイナリーで昨年行われたエンリコのピアノ・ソロ・パフォーマンスだ。ヨーロッパに行くと、とにかく立派なワイナリーが各地にあるのだが、あの静かなワインの眠る大空間で行われた演奏と、いやはや洒落ている。そしてピアノはイタリアの誇る「FazioliF278」である。

Enricopieranunzi4w

(Tracklist)
1. Wine & Waltzes (3:47)
2. Blue Waltz (7:11)
3. Twoliness (4:12)
4. Waltz Today (3:47)
5. Fellini’s Waltz (6:03)
6. B.Y.O.H. (8:29)
7. Waltz Tomorrow (4:21)
8. Flowering Stones (8:51)

  さてその中身は、Tracklistにみるとおりの、欧州クラシック音楽の歴史的なものであるワルツを基調としたエンリコのオリジナル曲群だ。つまり3拍子の円舞曲で、そこにはテンポの良さからの明るさがある。それはこうしたワイナリーにおける曲としては、彼の選曲の世界だろうと想像しているのだが。私としてはもう少し深遠なる世界を実は期待してしまうのであるが。
 ただエンリコは、M2. "Blue Waltz", M5. "Fellini’s Waltz"あたりは既に何回かと演奏してきているもので、どこか憂いがあるところが聴きどころなのかも知れない。
 とにかくクラシック音楽的上品さとその軽い明るさのワルツとくれば、どうも私好みとは別世界なのだが、そんなところからも、M1、M4、M7あたりの意義については私には理解不能。しかしそんな私自身の偏見的世界からしても、M2、M3、M5、M6などには、品格を持ったプレイに宿る哀愁感が描かれて、そのメロディラインの美しさと共に私自身は大いにその価値を感じている。

 究極は、このようなアルバムはジャズ・ピアノという範疇にはいるのか、むしろクラシックの派生と聴いた方が良いのか、私のように音楽学問の無い人間には難しいところだが、エンリコ・ピエラヌンツィの近年の一つの姿であることは間違いない。なかなか彼の演奏能力の技術的高さと同時に品格のあるアルバムであった。

 又、アメリオのピアノの音を知り尽くしての録音に感動だ。このワイナリーは、拍手の余韻を聞いても解るが、かなり研究された音響効果の良好な場として選ばれた可能性が高い。
 ただ、演奏と聴く者の拍手の音の重なる部分はないのであるから、こうゆうアルバム作りに於いて、敢えて拍手を入れる必要があるのかとふと疑問に思ったところであった。

(評価)
□ 曲・演奏 ★★★★★☆
□ 録音   ★★★★★☆

(試聴) Fellini’s Waltz

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2018年7月10日 (火)

ヤスクウケ・セクステットJaskułke Sextet 「Komeda Recomposed」

プログレッシブな~格好いいジャズだ!!

<Jazz>
Jaskułke Sextet 「Komeda Recomposed」
CORE PORT / JPN /RPOZ-10041 / 2018

Recomposedw


スワヴェク・ヤスクスケSławek Jaskułke  (作曲、グランドピアノ、アップライトピアノ)
エミル・ミシュクEmil Miszk (トランペット、フリューゲルホルン)
ピョトル・ヘンツキPiotr Chęcki (テナー・サックス)
ミハウ・チェシェルスキMichał Jan Ciesielski(アルト・サックス)
ピョトル・クワコフスキPiotr Kułakowski (ベース)
ロマン・シレファルスキRoman Ślefrarski (ドラムス)

 上のアルバムの演奏メンバーを見て解るとおりセクステットなのだ。ピアノ・トリオ+トランペット、テナー・サックス、アルト・サックスという珍しいタイプ。とにかく私の好きな編成じゃないのだが、聴いてみると結構格好いいジャズを展開している。

Komeda ポーランドが舞台のジャズの話題となると、なんだかんだ言っても、ポーランド・ジャズ史上最高の作曲家クシシュトフ・コメダ(Krzysztof Komeda:1931-1969)(→)と言うことになる。

 そのコメダの曲を楽しませてくれたのは過去にも取りあげたMarcin WasilewskiのSimple AcousticTrio(『Lullaby for Rosemary』(2001))やNBS Trio(『Plays KOMEDA(2010)) とかLeszek Moźdźer(『Komeda』(2011))ですね、そうそうKomeda Project(『Crazy girl』(2006))もあった。

01tr そしてここに又ポーランドの人気ピアニストのスワヴェク・ヤスクウケSławek Jaskułke(←)  によってのコメダの登場となったのだ。
 しかし・・・・それが安易にコメダの美メロディーということに期待したら、なんと一発食らうのは間違いない。ポーランドのジャズとなると今やオラシオ氏の登場となるが、彼のライナー・ノーツを見ても、これは「カヴァー・アルバム」じゃないと強調している。難しい話だが、コメダの名曲を文字通りアルバム・タイトルにある”Re-Composed”つまり”再構築”するという斬新と言えば斬新な内容。まあ原曲はそう多く私は知っているわけでは無いので、完全にここではヤスクウケのオリジナル曲に近い。

(Tracklist)
1. KATO(「Astigmatic」(1965)収録Kattoma、その他より)
2. OXIS
3. NASTIC
4. CRAZY(映画「水の中のナイフ」収録曲Crazy Girl、その他より)
5. SVANTE(「Astigmatic」(1965)収録Svantetic、その他より)
6. ETIC(SVANTEのPart2)
7. SZARO(Szara Koledaより)
8. EPILOG

  こうして見ると、あの名作と言われるコメダ・クインテットのアルバム『Astigmatic』(1965)とか、映画ロマン・ポランスキ監督の『水の中のナイフ』の曲”Crazy Girl”あたりが注目点なんですね。素人っぽい私から見ると”ローズマリーの赤ちゃん”などが最右翼なんだがちょっと違う。
 そして曲はその曲をただなぞるという手法で無く、その血となる部分、骨となる部分をヤスクウスケ流に構築し直してのコメダ独特の短いリフが複数のコメダ曲から取り出して組み上げる手法で、まさに彼自身の曲として再構築されている。成る程これが「Recomposed」という事なんだと解る。

 セクステットのメンバーは結構若くて、これが又ロックとジャズといったジャンルに拘らない世界のコンテンポラリー・ジャズを演じて、流れは静寂性を描いたり、ダイナミックなパワーを見せつけたり、この絶妙にコントロールされた両極の世界はとにかく格好いいのです。特にピアノの流れとドラムスの迫力のリズム(ジャズでも時にはこれだけ叩くのも有りだ)は聴きどころ。不思議な世界を頭に描かせる冒頭のM1." KATO"が典型。
 又ピアノとトランペット、サックスとのインタープレイも奥深い。
 アルバムを通してM1." KATO"からM8. "EPILOG"までで起承転結がきちっと出来ているところもお見事。
  ヤスクウケのピアノがこうしてコメダを自己表現の世界に引っ張り込んだでの新しいジャズ・シーンに打って出た格好で、いやはや驚きのポーランド・ジャズだ。

[スワヴェク・ヤスクスケSławek Jaskułke] 
 1979年1月2日生まれ、ポーランド・プツク出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー。名門カトヴィツェ音楽大学へ進むも退学し、2年間欧州の各地を放浪しながら音楽を演奏。ポーランドへ戻るとサックス奏者のズビグニェフ・ナミスウォフスキに見出され、プロキャリアをスタート。自身のピアノ・トリオやショパンのカヴァー・プロジェクトなど、多彩な活動を展開。かつてはポーランドの人気パンク・ジャズ・ユニット、ピンク・フロイトでの活動経験も。映画音楽やモダン・クラシカルの仕事にも関与。2002年の初リーダー作以来、10枚以上の作品を発表。2017年にピアノ・ソロ作『夢の中へ』(原題:SENNE)をリリース。(ネットに見る紹介内容)

(評価)

□ 演奏・曲  ★★★★★☆
□ 録音    ★★★★★☆

(参考視聴)

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2018年7月 6日 (金)

セルジュ・デラート・トリオSerge Delaite Trio 「SWEET AND BITTER」

何故か心が躍る~ピアノ・トリオを楽しむならこのアルバムだ!!

<Jazz>
Serge Delaite Trio 「SWEET AND BITTER」
Atelier Sawano / JPN / AS162 / 2018


Sergedw_2

Recorded, Mixed & Mastered by Francois Gaucher

Sdtrio1Serge Delaite : piano
Pascal Combeau : bass
Jean-Marc Lajudie : drums

(Tracklist)
1. Take Five
2. It Could Happen to You
3. Lover Man
4. Amazonas
5. ’Round Midnight
6. St. Louis Blues
7. Hi Fly
8. Step Lightly
9. My One and Only Love
10. Minor Mishap
11. I Fall in Love Too Easily
12. That’s All

 今年は例年より梅雨が早く明け、猛暑が襲って来ていたのだが、昨日今日は全国的な雨。梅雨の鬱陶しさが戻ってきてしまった。しかしそんな鬱陶しさを吹き飛ばす心が躍るトリオ演奏に浸ることが出来るのがこのアルバムだ。
As084_540x 澤野工房からのリリースで、既にこのトリオは多くのアルバムを蓄積している。私が最近納得したのはアルバム『Comme Bach...』(AS 084)/ 2008)(→)だった。あのバッハの捉え方には驚きでしたが、そのお洒落な発想はさすがフランス人ですね。そして今回のアルバムでもセルジュ・デラートのピアノ・タッチは優美というか、軽快というか・・・・暗さが全くない。これもピアノ・トリオの一つの楽しみ方であることをしみじみと教えてくれる。

 このアルバムは、誰もがよく知ってるM1."Take Five"からスタートするが、これが又4拍子の明るいアレンジが見事で驚かされる。そしてM6." St. Louis Blues"も、なんと心が躍ってくるから不思議。
 M3. "Lover Man"はベース、M4. "Amazonas"はドラムスと、それぞれ役どころをちゃんと持った演奏だ。  
 M9. "My One and Only Love"になって初めてしっとりした優しさのある心の安まる曲の展開となる。あまり躁状態にならないようにと、諫(いさ)められるというか慰められる気分である。アルバム・タイトルの「Sweet and Bitter」は、”甘く快くそして苦く”と言うところか?、しかし幸いにあまり苦さが無いところが味噌。
 M11. "I Fall in Love Too Easily"もしっとりとして、心に優しさと共に安らかさを与えてくれる。

 このアルバムを喩えると、懐かしのメンバーの集まる同級会のバック・クラウンド・ミュージックとして最高です(笑)。リラツクス・ムードが満載だから。
 そしてなかなか録音も楽しさを伝えるトリオのバランスとそれらの音質がお見事である。

S_d_1 セルジュ・デラートSerge Delaiteは、フランス・オーヴェルニュ生まれ。父親はバンドマスターで、その影響か7歳からピアノを始めたらしい。父が主宰するオーケストラに参加したり、後にジョ一ジ・ムラ一ツ等著名なミュージシャンと共演。彼自身のトリオでは何とも言えない快い明るさを振りまき、一方フランスらしいお洒落なジャズが人気で、ヨーロッパ各地を中心として幅広い活動を行なっている。

(評価)
□演奏: ★★★★☆
□録音: ★★★★☆

(参考視聴)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2018年6月28日 (木)

(検証シリーズ)ロッセ・マイヤー・ガイガー・トリオRosset Meyer Geiger 「 Drü」、「What happend」

信じられないファンク・バンドからの発展形?
プログレッシブ・ジャズにリリシズムが・・・・

<Jazz>
Rosset Meyer Geiger の2アルバム


① 「 Drü」   
                
   Unit Records / UTR4665 / 2016 

Druw(Tracklist)
1. Perpetuum Mobile
2. Dreamer
3. Mantra
4. Mountain lake
5. Shakeface
6. Mande
7. La Mer
8. .Shell bay
9. Plastic
10.Arcs

 

② 「 What Happend」
 Unit Records /  UTR 4266 / 2010

Whathappendw(Tracklist)
1. The Beginning
2. Die Sau
3. Feuer von Gibraltar
4. Tritt O'Nuss
5. Another Place
6. To Do
7. Fur Gregor
8. Fragment
9. Zebra Und Dromedar
10. Dribbling
11. Matteo
12. Mannsgoggel's Groove



Recording, Mixing and Mastering : Stefano Amerio

Josquin Rosset (p)
Gabriel Meyer (b)
Jan Geiger (ds,per)

  スイス、ザンクト・ガレン出身のジョスカン・ロッセ(p)、ガブリエル・マイヤー(b)、ヤン・ガイガー(ds)の3人の連名でのピアノ・トリオ「ROSSET MEYER GEIGER」。昔はファンク・バンドであったというからその変容も驚き。
 「ジャズ批評」のジャズ・オーディオ大賞を獲得したり、一方あの寺島靖国がステファノ・アメリオの録音評価を交えての一押しているアルバムでもある。なんとスイス本国でも特に日本で売れたことが話題なったという代物のようだ。
 2016年の最近作『 Drü』においても路線は継承され、オリジナル曲による独特な進歩的サウンドによるフリー・ジャズ因子を持っての方向性は変っていない。

Rmg3b

 このトリオの特徴を知るとしたら、2010年の 『What Happend』の方が解りやすい。とにかくスリリングな展開がお見事。そこには即興プレイからインタープレイの緊迫感が新鮮で楽しめる。とにかくアメリオの録音もそうだが、三者が対等に演ずるところは新しいトリオの姿として聴く想いである。特にドラムスは決して奥まったサポート役のみと言うのではない。
 このトリオのかなり自由なプログレッシブとも言える演奏パターンは難解と思われやすいが、それもそうでは無く、何故か引きつける魅力を振りまいている。又結構スウィングする場面も展開しているかと思うと、そこに流れるピアノの旋律にはリリシズムも確実に存在しているところがニクイのだ。更にGabriel Meyerの曲M3." Feuer von Gibraltar"にみるように、 ベースもリズム隊のみでなく旋律を奏でる役もピアノと対等に展開する。

 そして近作のほうのアルバム『 Drü』となると、若干スリリングな展開はやや甘くなり、結構メロディー重視の曲もあって、一層聴きやすいアルバムになってきている。
 迫力という点では、アルバム『What Happend』のほうに私は軍配を挙げると同時に価値感を感じている。コードからモードへのモーダルな世界へという展開は、なるほどこうした自由度を高めた演奏を聴かせる世界を提供してくれるのである。

(評価)
□ 曲、演奏 :★★★★☆
□ 録音   :★★★★★☆

( Rosset Meyer Geiger -  Discography)

1. 「What Happened」  Unit Records UTR4266/2010
2. 「Lucy's Dance」            〃    UTR4308/2011
3. 「Trialogue」                  〃     UTR4405/2013
4. 「Drü」            〃      UTR4665/2016

(視聴)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月25日 (月)

(検証シリーズ)ボボ・ステンソン・トリオBobo Stenson Trio検証 アルバム「Serenity」

フリー・ジャズの世界から・・・・何が生まれたか?

Contralaindw_2  このホボ・ステンソン・トリオ(スウェーデン)は、今年久々にリリースされた『Contra La indecisión』ECM2582 5786976)(→)が素晴らしかった。そして既に過去に聴いていた二作『Reflections』(1993)、『Goodbye』(2005)を参考に、今年1月にここで感想を少々書いたのだが、この歴史あるトリオを、もう少し聴き込んでみよう思った次第。

 もともと私はアルバムを一枚の作品として聴くタイプであるので、ライブものは避けることが有り、その為聴き逃していたモノがある。しかし考えて見ると、ライブものが意外にそのトリオのその姿を如実に示すと思い、過去の8枚のアルバムの中で、2000年リリースの2枚組ライブ・アルバム『Serenity』を、ここで今になってアプローチしたのである。

<Jazz>

Bobo Stenson Trio 「Serenity」
ECM / GERM / ECM 1740/41 / 2000

Serenity

Recorded April 1999 at HageGrden Music Center, Brunskog, Sweden
Recording Engineer : Åke Linton

Bobo Stenson : piano
Anders Jormin : double-bass
Jon Christensen : drums

12012 スウェーデンの人気ベテラン・ピアニスト、ボボ・ステンソン(1944-)のリーダー・アルバム。アンデルス・ヨルミンとヨン・クリステンセンによるレギュラー・トリオ作品。ライブ演奏盤だが、そこにみるは、インプロを交えての濃密なインタープレイが楽しめるフリー・ジャズの一つの発展形、なかなかテンションも高い。録音も素晴らしくちょっとライブ盤とは思えない緻密性を感ずる。
 既にベテラン中のベテランとなっている彼であるが、この18年前のアルバムにてもその一つの形を作り上げている。もともとフリー・ジャズと言う分野になろうかと思うが、ここにはあまり実験性というものは感じない。もしろこのスタイルによってトリオが主張する北欧の音楽界に存在する芸術性の結晶をみる思いである。
 そして恐ろしいのは、なんとボボ・ステンソンの演ずるピアノの音には濁りというモノとは全く縁の無い透明感のある音であり、そこも痺れるところである。しかも全編”不思議な耽美な世界”が存在している。
 ECM盤の特徴である”静的な世界”は当然存在しているのだが、決して単なるそこに終わるので無く、結構スリリングなトリオとしてのエネルギッシュな交錯も展開しているのだ。

2000

 印象としては、このアルバム『Serenity』及びこの前後の『Reflections』、『Goodbye』の2アルバムを含めての2000年前後の3作は、今年のアルバム『Contra La indecisión』よりは、さすがにバリバリの活動期にあっただけに、その演奏の緊迫性は高い。これらを経過しての今年のアルバムを聴き込むと、成る程ボボ・ステンソンの年齢と共に構築されて来た人生観が見えてくるように思う。近作の方がどちらかというとソフトな美学が感じられ、過去のものには緊迫性の美学が感じられるのである。

Ajorminw オリジナル曲が主体のアルバムだが、ベーシストのアンデルス・ヨルミン(→)がいずれのアルバムにおいても多くの曲を提供しており、彼の役割の重さも忘れてはならないと思う。近年ではドラムス担当が変わっているが、彼の場合は現在まで長くこのトリオを支えている。
 又2枚のCDに収録されている19曲の中でも、特に評判通りWayne ShorterのM8."Swee Pea"の繊細なシンバル、そしてアルコ奏法ベースからから始まって、おもむろにピアノの語りへとの流れ、続くM9. "Simple & Sweet"(Disc1)のベースへの展開の辺りは痺れます。 又M8. " Serenity"(Disc2)のような静穏な世界も彼らの特徴に思う。 

(Tracklist)
Disc 1
1.  T 
2.  West Print 
3.  North Print 
4.  East Print 
5.  South Print 
6.  Polska Of Despair (II) 
7.  Golden Rain 
8.  Swee Pea 
9.  Simple & Sweet 
10.  Der Pfalaumenbaum 

Disc 2
1.  El Mayor 
2.  Fader V (Father World) 
3.  More Cymbals 
4.  Extra Low 
5.  Die Nachtigal 
6.  Rimbaud Gedicht 
7.  Polska Of Despair (I) 
8.  Serenity 
9.  Tonus


  このような北欧のフリー・ジャズ世界は独特の世界を持っていて、それはこの基礎にある北欧ならではのトラッドからの流れとクラシック音楽との融合から発展したジヤズ感覚によって構築されている”進歩的味わい”というものが存在すると思うのである。

(評価)
□ 演奏、曲  ★★★★★☆
□ 録音     ★★★★★☆

(参考視聴 1990年代 Bobo Stenson Trio)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

Audio | CLASSIC | Progressive ROCK | SONY α7 | アイオナ | アガ・ザリヤン | アデル | アヤ | アレクシス・コール | アレッサンドロ・ガラティ | アンジェイ・ワイダ | アンナ・マリア・ヨペク | アヴィシャイ・コーエン | アーロン・パークス | イエス | イタリアン・プログレッシブ・ロック | イメルダ・メイ | イモージェン・ヒープ | イリアーヌ・イリアス | イーデン・アトウッド | ウィズイン・テンプテーション | ウォルター・ラング | エスビョルン・スヴェンソン | エスペン・バルグ | エミリー・クレア・バーロウ | エンリコ・ピエラヌンツィ | エヴァ・キャシディ | カレン・ソウサ | ガブレリア・アンダース | キャメル | キャロル・ウェルスマン | キング・クリムゾン | キース・ジャレット | クィダム | クレア・マーティン | ケイテイ・メルア | ケイト・リード | ケティル・ビヨルンスタ | コニー・フランシス | コリン・バロン | ゴンザロ・ルバルカバ | サスキア・ブルーイン | サラ・ブライトマン | サラ・マクラクラン | サラ・マッケンジー | サンタナ | サン・ビービー・トリオ | ザーズ | シェリル・ベンティーン | シゼル・ストーム | シネイド・オコナー | ショスタコーヴィチ | シーネ・エイ | ジェフ・ベック | ジャック・ルーシェ | ジョバンニ・グイディ | ジョバンニ・ミラバッシ | ジョルジュ・パッチンスキー | スザンヌ・アビュール | スティーヴン・ウィルソン | スティーヴ・ドブロゴス | ステイシー・ケント | ステファン・オリヴァ | スノーウィ・ホワイト | スーザン・トボックマン | セリア | セルジオ・メンデス | ターヤ・トゥルネン | ダイアナ・クラール | ダイアナ・パントン | ダイアン・ハブカ | チャーリー・ヘイデン | ティエリー・ラング | ティングヴァル・トリオ | ディナ・ディローズ | デニース・ドナテッリ | デヴィット・ギルモア | デヴィル・ドール | トルド・グスタフセン | ドリーム・シアター | ナイトウィッシュ | ニコレッタ・セーケ | ニッキ・パロット | ノーサウンド | ハービー・ハンコック | パスカル・ラボーレ | パトリシア・バーバー | ヒラリー・コール | ピアノ・トリオ | ピンク・フロイド | フェイツ・ウォーニング | フランチェスカ・タンドイ | フレッド・ハーシュ | ブッゲ・ヴェッセルトフト | ブラッド・メルドー | ヘイリー・ロレン | ヘルゲ・リエン | ペレス・プラード | ホリー・コール | ボボ・ステンソン | ポーキュパイン・ツリー | ポーランド・プログレッシブ・ロック | ポール・コゾフ | マティアス・アルゴットソン・トリオ | マデリン・ペルー | マリリオン | マルチン・ボシレフスキ | マーラー | ミシェル・ビスチェリア | メコン・デルタ | メッテ・ジュール | メラニー・デ・ビアシオ | メロディ・ガルドー | モニカ・ボーフォース | ユーロピアン・ジャズ | ヨアヒム・キューン | ヨーナス・ハーヴィスト・トリオ | ヨーナ・トイヴァネン | ラドカ・トネフ | ラーシュ・ダニエルソン | ラーシュ・ヤンソン | リサ・ヒルトン | リッチー・バイラーク | リリ・ヘイデン | リン・スタンリー | リヴァーサイド | リーヴズ・アイズ | ルーマー | レシェック・モジュジェル | ロジャー・ウォーターズ | ロバート・ラカトシュ | ロベルト・オルサー | ローズマリー・クルーニー | 中西 繁 | 写真・カメラ | 北欧ジャズ | 問題書 | 回顧シリーズ(音楽編) | 女性ヴォーカル | 女性ヴォーカル(Senior) | 女性ヴォーカル(ジャズ2) | 女性ヴォーカル(ジャズ3) | 寺島靖国 | 戦争映画の裏側の世界 | 手塚治虫 | 文化・芸術 | 映画・テレビ | 時代劇映画 | 波蘭(ポーランド)ジャズ | 相原求一朗 | 私の愛する画家 | 私の映画史 | 索引(女性ジャズヴォーカル) | 絵画 | 趣味 | 雑談 | 音楽 | JAZZ | POPULAR | ROCK