デニース・ドナテッリ

2021年9月23日 (木)

デニース・ドナテッリ Denise Donatelli 「whistling in the dark...」

ベテランがここまで歌い込んでくると喝采である

<Jazz>

Denise Donatelli 「whistling in the dark...the music of burt bacharach」
SAVANT Records / USA / SCD 2196 / 2021

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Denise Donatelli (vocals)
Larry Goldings (piano, keyboards & organ)
Thomas Dybdahl (prepared piano & synth- track 1)
Anthony Wilson (guitars)
Larry Klein (bass & additional keyboards)
Vinnie Colaiuta (drums)

Recorded at The Village Studios, West Los Angeles, CA
Additional recording at Strange Cargo, Los Angeles, CA

  1950年生れのもうお婆ちゃん(? 失礼)と言ってよいベテランだが、期待に反せず取り敢えずはコンスタントに新作を発表しているジャズ・ヴォーカリスト・デニース・ドナテッリDenise Donatelliのニュー・アルバム。私の以前からマークしている女性ヴォーカリストだが、このジャケの若さ(?)には驚きである。
 今回はなんと、ミュージシャン、ソングライター、レコードプロデューサー、そしてベース奏者でもあり、有名処のアルバム作りに名を馳せているラリー・クラインの全面プロデュース作品。曲はバート・バカラックのヒットナンバーを取上げている。
  バックもいやはや多彩な顔ぶれ、Larry Kleinが自らベースを弾き、ギターのAnthony Wilson とか、ジェフ・ベックと一時頑張っていたドラムスのVinnie Colaiutaなどの顔ぶれも面白い。ピアノは実力派Larry Goldings で、彼はColautaとの共演歴がある。

 デニースは数年前のグラミー賞の会場でラリー・クラインと会い、彼と意気投合、この新作プロジェクトがスタートした。プロジェクトの候補は多岐に亘ったが、ラリーがバカラック集のアイデアを考えた。

Ddonatelli1w (Tracklist)

1. Whistling in the Dark 4:43
2. The Look of Love 4:20
3. In Between the Heartaches 5:18
4. Toledo 4:47
5. Anyone Who Had a Heart 4:24
6. Walk on By 4:19
7. In the Darkest Place 4:50
8. Mexican Divorce 4:37
9. A House is Not a Home 4:03

  選曲は彼女が意欲的であったようだが、スローナンバー中心。相変わらずの彼女のヴォーカルは中低音部は充実、高音にかけてややハスキーで、刺激性のないかなかメロウで説得力のあるところだ。とても70歳とは思えない女性の魅力を発揮している。
 M1."Whistling in the Dark" タイトルトラック、なかなか洒落た雰囲気でスタート。
   M2."The Look of Love " 聴き慣れた曲をギターのハイセンスな世界をバックに、デニース節がスローにして見事な節回し。
 M3."In Between the Heartaches" やや暗さを描くヴォーカル、情感がタップリ。
 M4."Toledo "、M7."In the Darkest Place"は、バカラックとコステロのコラボ曲。このあたりはマニアックで渋いですね。
 M6."Walk on By " リズムカルな展開で曲が生きている。

 なかなか編曲が洒落た味付けで、曲の仕上げが奥深い。彼女のヴォーカルとともにバック陣のセンスもハイレベルで聴き応え十分なアルバム。もうポピュラー音楽遺産といえるバカラックの世界に、ただヒットを並べるのでなく一つの聴き方や見解を示したアルバムだ。

(評価)
□ 選曲・歌・演奏  85/100
□ 録音       85/100

(試聴)

 

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2015年11月 4日 (水)

デニース・ドナテッリDenise Donatelli のニュー・アルバム「Find a Heart」

堂々たるヴォーカルを披露するデニース

   <Jazz>
           DENISE DONATELLI 「Find a Heart」
           SWANT RECORDS / USA / SCD 2150 / 2015

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2014年5月6日,7日,13日 録音

Denise Donatelli(vocal)
Geoffrey Keezer(piano)
Leonardo Amuedo(guitar)
Carlitos Del Puerto (bass)
Marvin “Smitty” Smith(drums)

Walter Rodriguez (percussion),Chris Botti(trumpet),Bob Sheppard (tenor saxophone),Christine Jensen (soprano saxophone),Michael Thompson (guitar),Giovanna Clayton (cello),Alma Fernandez (viola),Matt Funes (viola),Darrin Mccann (viola),Yutaka Yokokura (background vocals),Sy.Smith (background vocals),Julia Dollison (backround vocals)


 大人のジャズ・ヴォーカルものとして、デニース・ドナテッリもここに来て5作目のニュー・アルバムを登場させたので取り上げる(彼女は2005年に1stアルバムデビュー~末尾のDiscography参照)。
 西海岸を拠点として活動している彼女だが、今作もプロデュースそしてアレンジ(ミュージカル・ディレクター)は、NYを中心に活躍しているピアニストのジェフリー・キーザーGeoffrey Keezerが担当している。そしてギターはブラジルのLeonardo Amuedoが、曲の一味アップに貢献。

(参照)   前作 ”Soul Shadows” http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/denise-donatell.html

Denisedonatelli4w
(Tracklist)
1. Big Noise, New York (D.Fagen / M. Clements)
2. Love and Paris Rain (R.Ferrante/W.Kennedy/ B.Russell)
3. Spaced Out (En Babia) (G.Keezer / S.Marder)
4. Practical Arrangement (R.Mathes / G.Sumner)
5. Find a Heart (J.Lubbock)
6. Not Like This (D.Crosby/M.Eaton/J.Raymond)
7. Eyes That Say I Love You(D.Beck)
8. In This Moment (B.Childs /D.Donatelli / S.Marder)
9. Troubled Child (S.Perru /J.Cain /N.Schon)
10. Midnight Sun (S.Burrke /L.Hampton / J.Mercer)
11. Day Dream (B.Strayhorn / E.Ellington / J.LaTouche)

 オープニング” Big Noise, New York ”は、圧巻のジャズ。このあたりは私的には尻込みするのだが、2曲目の”Love and Paris Rain ”では、ギターがなんとなくラテン・ムードを醸し出して、彼女の落ち着いたヴォーカルでほっとするスタートだ。
 4曲目”Practical Arrangement ”にくると、彼女のヴォーカルのバックにミュート効果のトランペット、そしてパーカッションが曲の中心に登場して、ようやく私の期待するムードが盛り上がる。
 アルバム・タイトル曲の5曲目” Find a Heart ”は、ピアノ、ギターが交互に演奏の中心になって熱演し、ドラムス、パーカッション、バック・コーラスが奮戦。次第に彼女のヴォーカルも盛り上がる。
 そして6曲目” Not Like This”になり、このアルバムでは珍しくギターのみのバックで彼女はしっとりと歌い上げる。

 とにかくスウィング感と、ラテン・ムードとゴージャス・バンド・ジャズの展開と、多彩そのもののアルバムで、そこに大胆にしてマイルドなデニースのヴォーカルと言うことで、ジャズを楽しむというには事欠かない。

(参考)デニース・ドナテッリの過去のアルバム(Discography)

④‘Soul Shadows’ (2012) received a GRAMMY® Nomination
③‘When Lights are Low’ (2010) received 2 GRAMMY® Nominations
②‘What Lies Within’ (2008)
①‘In the Company of Friends’ (2005)

(視聴)

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2013年8月17日 (土)

大人のジャズ・ヴォーカル~デニース・ドナテッリDenise Donatelli 「SOUL SHADOWS」

女性ジャズ・ヴォーカルのお手本のようなアルバム

<Jazz> DENISE DONATELLI 「SOUL SHADOWS」
             SAVANT Records   SCD2117  ,  2012

Soulshadows

 なんとなく大人の雰囲気を醸し出す女性ジャズ・ヴォーカルはいいものである。ここでも数多く取り上げてきたが、実力、美貌からいっても、もっと日本で騒がれてもよいのではと思うのがこのデニース・ドナテッリだ。と、言っても私もそれほど以前から聴いてきたというわけでなく、実はこのアルバムが二枚目なんです。
 最初聴いたのもつい前作の「When Lights are Low」で、グラミー賞ノミネートされた美人歌手として知ってのアプローチであった。
 彼女はペンシルヴァニア州アレンタウンの生まれと言うことになっているが、年齢不詳、母はプロ歌手であったとか。そもそも私がみるに遅咲きである。多分これが4作目だが、学生結婚して後プロとしての活動は1980年代後半よりということで、2000年にロスに移って活動を本格化させている。経歴からも目下四十歳代は超えているというところか?。
 このアルバムも、今年の第55回グラミー賞”最優秀ジャズ・ボーカル・アルバムにノミネート作品。

List2 さて、このアルバムのTrack-Listは左のようで、全てカヴァーであるが、彼女なりのジャズ・ヴォーカル世界を堪能させてくれる。それもピアニストのジェフリー・キーザーGeoffrey Keezer の力も大きいのだろうと思うが、全ての曲はアルバム・プロデュサーとして彼がアレンジし、そして彼のピアノ演奏によって仕上げられている。
 それにしてもデニースの歌声は力みが無く、しつこさも無く、そしてサラッと唄ってくれるところが大人の味だ。若干ハスキーな声であるところが、一層表現に味付けを増している。
 
Denisephoto1  Denise Donatelli : Vocals on all tracks
  Geoffrey keezer : piano
  Peter Sprague : guitar
  Carlitos del Puerto : bass

 メンバーは上記4人が主で、曲によってpercussion、Trumpet、Violinなど加わって編成を変えて味付けされている。やはりハイライトはアルバム・タイトル曲の”Soul Shadows”だが、ボサ・ノバ調でギター、ピアノをバックに軽快にしてメロディアスな味がよい。ちょっとムーディーな”No better”もなかなかしっとりしていて聴きどころ。一方”Another day”はベースをバックしての唄が良いし、ギター、ピアノでジャズィなスウィングするところも旨くこなしていて、とにかく聴くに安心感があって気持ちが落ち着く。締めの”Too late now”は、キーザーの美しいピアノのみのバックで聴かせてくれるが、こんな落ち着いた味は最高である。

                     *       *       *

Whenlightsarelow(左)は私がかって初めて聴いた彼女の3rdアルバム
Denise Donatelli 「When Lights are Low」 SAVANT Records  SCD 2109 , 2010

 このアルバムもグラミー賞にノミネートされたもの。それにより私は知ったのですが、これもジェフリー・キーサー演奏・監督による作品。こちらはアメリカン・ジャズらしいところが随所に聴かれ、それに乗ってやはり大人の味のデニースの歌が響く。特に”Why did I choose You?”はキーサーのピアノの美しさと彼女のしっとりとしたヴォーカルが印象深い。しかし参考までに私の好みからは、アルバムとしては上記「Soul Shadows」に軍配が上がる。

(このアルバムの収録曲は下記)
Whenlightlist
 女性ジャズ・ヴォーカルものは、こんなタイプは大いに堪能してしまうのである。

(試聴)
"Soul Shadows"http://www.youtube.com/watch?v=cp2h_GVzPys

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