ヨーナス・ハーヴィスト・トリオ

2016年2月25日 (木)

ヨーナス・ハーヴィスト・トリオJoonas Haavisto Trio のニュー・アルバム「oku」

フィンランドからの日本との共通性のある精神性を描いている作品と言うが・・・

     <Jazz>
       Joonas Haavisto Trio 「oku」
       Blue Glean / JPN / BG-007 / 2016

Oku
Joonas Haavisto : piano
Antti Lötjönen : double bass
Joonas Riippa : drums

<Tracklist>
1.One For Jean/2.Winter Sleep/3.Frozen/4.Xibalba/5.Singularity/6.Fourth Dimension (Bonus Track)/7.Chilling At Shinjuku/8.Band Wagon/9.When I Fall In Love

Joonastriow 2年半ぐらい前にこのフインランドの若き逸材と言われるヨーナス・ハーヴィストのピアノによるトリオ・グループを注目株として取り上げたのだが・・・・(彼らの2ndアルバム『Micro to Macro』 )。
 あのアルバムは、私の印象としては、”哲学的・思索的・宇宙空間”という表現で、その印象は素晴らしいアルバムだった。
 そしてここに2009年1st『blue waters』から同メンバーのフィンランドのトップ・ベーシストと言われるアンティ・ロジョネンと実績のあるドラマー、ヨーナス・リーパによるトリオで、ニュー・アルバムが登場したのだ。

(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/joonas-haavisto.html

 さて収録曲をみると、最後のM9以外は、ヨーナス・ハーヴィスト自身の曲で占められており、相変わらず如何に彼が自己の世界を求めて作り上げているかがよく解る。
 又、解説によると、本作は、ヨーナスが敬愛する著名な作曲家ジャン・シベリウスのゆかりの地のヤルヴェンパーにあるスタジオで録音されたようであり、彼自身がシベリウスのために書き下ろした曲M1”One For Jean”では、「この曲にはシベリウスの精神があるんだ」とコメントしいるという。
 更に興味のある事は、彼は日本の伝統的な建築文化の背景にある概念や哲学を通して、日本の精神性に深く興味を持っていて、そのキーワードとなる「オク」をタイトルとした。「オク」とは日本語の「奥」を意味するのだそうだ。

Oku605x548 今回の作品も前作に劣らず、思索的曲群で占められている。やはりアメリカン・ジャズとは一線を画し、ヨーロッパ特に北欧の大地から生まれる文化であるのか?、自然との対話、宇宙空間という印象を与える独創性の高い曲である。(←ユーロ盤のジャケ・デザインはこれで日本盤と比べると面白い)

 キース・ジャレット、チック・コリア、ブラッド・メルドー、エスビョルン・スヴェンソンなどの影響を受けているとは言うが、それに止まらず、コンテンポラリーなニュアンスを持った彼らなりきの世界を既に構築しているのだ。

 録音も良好で、ホール感も適度であり、ベースの響き、シンバルの余韻は良好、そしてピアノはやや硬質で澄んでいる。このことは、このアルバムの曲には是非とも必要にして重要で、特にM4.”Xibalba”、M6”Fourth Dimension”のような3者の前衛的、実験的ニュアンスを持った緊張感の持った曲や、更に一方M3.”Frozen”に聴ける静かに美しい旋律をピアノが奏でるという両タイプにとっても必要なところである。

 いずれにせよ、彼らの感ずる東洋の日本の神秘的精神性をも意識したもので、意欲の感ぜられる良質なアルバムだ。

(試聴) ”One For Jean”

                              *          *          *          *

(参考視聴) 前作「Micro to Macro」から”Circling Planets”

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2013年9月 2日 (月)

ヨーナス・ハーヴィスト・トリオJoonas Haavisto Trio の思索の世界 : 「Micro to Macro」

若き逸材の描く世界は哲学的思索的宇宙空間に広がる

<Jazz> Joonas Haavisto Trio 「Micro to Macro」
               BLUE GLEAM      BG005 ,    2012

Joonashaavistomicrotoma
 このところ暑かったり涼しかったりですが、確実に夜となると秋の気配も感じられるようになって、やはりピアノ・トリオの音が夜には聴きたくなるという9月のスタートです。
 そんな中で、主体性の無いところの極みですが、全くの情報というかその中身のなんたるかも知らずに、やはり友人からのお勧めで聴いたのがこのアルバム。
 ただフィンランドの若き逸材と言うことのみ解っていたので、実は北欧の抒情性かと期待しながら聴いたというところなんですが、アメリカン・ジャズとかスウィングするとかとは全く異なって、やっぱり北欧風なんでしょうが、なんとその私の当初のイメージの違いに驚きつつ、しかもその中身の創造性と思索的な世界に驚いているのであった。

Joonas Haavisto (p)
Antti Lotjonen (b)
Joonas Riippa (ds)

(Tracklist)
1 Light From Behind The Sun
2 Sothis
3 Circling Planets
4 Is There Anybody
5 Color Confinement
6 Partying Quarks
7 Slowing Down (Bonus Track)
8 Supernova (Bonas Track)

Joonastrio1blog これはヨーナス・ハーヴィスト・トリオの2ndアルバム(デビュー作「blue waters」は2009年にリリースされている)。若きヨーナス・ハーヴィストにとっては実力派のベーシスト・アンティ・ロジョネンとやはり実績のあるヨーナス・リーバとのトリオ結成で、彼の思う世界を存分に演奏しきったようである。
 このアルバム、日本盤と現地のフィンランドにおけるアルバムのジャケが異なっている。こっちが日本人好みなのか良く解らないが、BLUE GLEAMの成せる技か?。なにせBLUE GLEAMと言えば、あのAlessandro Galati の日本企画盤リリースのレーベルだ。実はオリジナルのジャケ・デザインが結構ジャズ・アルバムという感覚よりは、プログレッシブ・ロックといった雰囲気があって、そのあたりから彼等の時代感覚と演奏内容を推測して行く方が面白いのだ。

Micro_to_macro_small_2 参考までにそのジャケを挙げておく。もともとは、日本盤の7.8.の2曲は無しの6曲のアルバムであるが、このジャケ・デザインは如何にも宇宙感覚。
 実際に演奏する曲は、抒情性によって聴く者を惹きつけていくというので無く、むしろ異空間への誘いで有り、又そこには何か哲学的思想を描いているといった趣がある。ハーヴィスト自身はキース・ジャレットを敬愛し、一つの目標にしているようであるし、彼のピアノ・プレイは結構硬質でしかも技巧のレベルも高い。全トラックに通ずる彼の描く世界は、非常に繊細にして単調な旋律で無く、生やさしい世界と違って創造性のある思索的世界で迫ってくる。それをリズム隊のベース、ドラムスが一層繊細に後押ししているために、私には良く解らないが、フインランド盤の不思議な球体と惑星の砂丘を思わす異世界が妙に気になってくるんです。

 究極のところの彼等の世界は、一度で頭に焼き付く美世界というのでなく、何度と聴いていくうちに何かが見えてくると言うところにあるのだと思う。期待株。

(参考試聴) "Joonas Haavisto Quartet"  http://www.youtube.com/watch?v=VyqP6Wu5r88

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