スザンヌ・アビュールSusanne Abbuehl の深遠なる自然との対話の世界~日本ライブ
時にはこうした心が洗われるような世界も良いモノだ・・・・
~新潟県上越市=浄興寺ライブ~
~ECMアルバム 「The Gift」 (2013)~
前回取りあげたECM盤のピアノ・トリオ作品「Black Ice」のオランダのピアニスト=ヴォルフェルト・ブレデロ-デに関心を抱き、その結果至った一つがこの女性ヴォーカリスト=スザンヌ・アビュールSusanne Abbuehl 。
丁度タイミングよく、彼女は初の「日本ライブ」として現在日本の地にあり、そのライブに足を運んだ次第。勿論、彼女のヴォーカルを支えるピアニストがヴォルフェルト・ブレデロ-デである。
(来日ライブメンバー)
Susanne Abbuehl – voice
Clément Meunier – clarinet
Wolfert Brederode – piano
Øyvind Hegg-Lunde - drums
彼女の紹介を見ると(要約)・・・・・・
「1970 年、スイスのベルン生まれ(オランダ+スイス国籍)。子供の頃から音楽に魅かれ、作詞作曲を行いながら、ハープシコードを習う。17才の時にロス・アンジェルスに移り、クラシック音楽の歌を習い始めた。アメリカとカナダをツアーした高校のジャズ・グループに所属していた。ヨーロッパに戻った後、ジャズとクラシック歌唱を Rachel Gould と Jeanne Lee にハーグ王立音楽院で学んだ。歌唱と音楽教授法で修士の学位を首席で得ている。また、アムステルダムにおいて Indurama Srivastava から古典北インド音楽歌唱を習い、その後よりボンベイで Prabha Atre に師事している。更に、作曲と分析をオランダの作曲家 Diderik Wagenaar から学んでもいる。スイスのルツェルンとローザンヌで大学教授を務める」・・・・と、ある。
そしてそのミュージックの世界は・・・・・「淡々と、しかし聴く者の耳にじわりと染み渡る深遠な魅力に溢れた歌声で、ヨーロッパを中心に人気を集める。1997年デビューで4作目という寡作ぶりながら、ECMを中心とする数多くのアーティストにも支持を受けている」
・・・・・と、こんなところで、おおよそ彼女の世界を想像することが出来ると思うが、実のところライブでの実感は、それ以上であったと言うのが偽らざる私の感想だ。(写真:ライブ会場で私(顔は隠してあります)とのツーショット。ライブ終了後の彼女は非常に明るい印象だった)
彼女のサイン(↓)~私の名前は頭文字のみで隠してあります
彼女の歌い上げる曲の世界は、私から見ると、やはり一種の前衛ジャズというところか?、プログレッシブ・ジャズという範疇にも入るのか?。今回のライブでは、深遠にして思索的な世界を歌い上げ、ヨーロツパの民族的歴史の世界を感じさせ、描くところ自然に迫る情景をしっとりと聴かせるのである。
又会場が、新潟県上越市(高田)の静かで広い敷地にある親鸞のゆかりのある浄土真宗の浄興寺という、敬虔にして重厚なお寺の本堂であったため、なおのことそんな気持ちに引き込まれたのであった。このヨーロッパからのメンバーも、東京から長野県、新潟県と車で来たため、日本の自然に感動したようだ。
(本堂のライブ演奏ステージ ↓)
(浄興寺での演奏=Susanne Abbuehl のFacebookより)
■スザンヌ・アビュールの作品
<ECM レーベルよりのアルバム>
① 2001 年 「April」 (オランダのグラミー賞にあたる Edison 音楽賞受賞)
② 2006 年 「Compass」
③ 2013 年 「The Gift」 (↓)
<Jazz>
Susanne Abbuehl 「The Gift」
ECM Records / Germ. / ECM 2322 3727084 / 2013
Susanne Abbuehl (Voice)、Matthieu Michel (flugelhorn)、Wolfert Brederode (piano Indian harmonium)、Olavi Louhivuori (drums percussion)
1. The Cloud
2. This And My Heart
3. If Bees Are Few
4. My River Runs To You
5. Ashore At Least
6. Forbidden Fruit
7. By Day By Night
8. A Slash Of Blue
9. Wild Nights
10. In My Room
11. Bind Me
12. Soon (Five Years Ago)
13. Fall Leaves Fall
14. Sepal
15. Shadows On Shadows
16. This And My Heart var.
これは女流詩人のSara Teasdale(1800年代後半から1900年代アメリカの詩人)とか Emily Brontë(イギリス「嵐が丘」の作家) そして Emily Dickinson (1800年代のアメリカの詩人)の詩に彼女が作曲したアルバム 。深遠な魅力に溢れた歌声で、ヨーロッパの深い森の中で自然に溶け込むが如くの世界を聴ける。
<その他>
Jeanne Lee Music & Dance Ensemble、Christof May、Stephan Oliva、Michel Portal、Mats Eilertsen、Paolo Pandolfoなどと共演。
しかし、スザンヌ・アビュールのヴォーカル・アルバムを聴き、そしてライブで歌声を直に聴いてみると、ほんとにジャズの世界の広さを感じます。以前に同様の世界として感じたRadka toneff と比べてみても、勝るとも劣らず彼女の世界は自然の中の深遠なる世界に敬虔な気持ちで人間を感ずるところに導くのだ。聴きようによっては”暗い”と感ずるところもあるが・・・しかし、ここまで歌い込むというのは、そう安易な気持ちでないものと推測している。
<追記>2016.5.19
(参照)「タダならぬ音楽三昧」http://invs.exblog.jp/24392081/
(参考視聴)
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