スーザン・トボックマン

2019年8月 2日 (金)

スーザン・トボックマン Susan Tobocman のニュー・アルバム「LOVE FROM DETROIT」

独特の発声と歌い回しで・・・・オールマイティーに

<Jazz>

SUSAN TOBOCMAN 「LOVE FROM DETROIT」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1079 / 2019

Lovefromdetrroitw_20190730123801

Susan Tobocman スーザン・トボックマン (vocal except 12)
Cliff Monear クリフ・モネア (piano)
Paul Keller ポール・ケラー (bass)
David Taylor デヴィッド・テイラー (drums)

Recorded Live at The Steinway Gallery on Nov. 7th, 2018

  過去に2アルバムが手元にあるニューヨークやデトロイトで活躍する女性歌手のスーザン・トボックマンの、5年ぶりのリリースとなるニュー・アルバム。
 ここで彼女を最初に取り上げたのは2013年に寺島レコードからアルバム「WATERCOLOR DREAM」がリリースされたときだった。彼女のヴォーカルは、所謂都会派ジャズ・クラブにぴったりスタイルで評判だった。
 過去の2アルバムは、2013年「WATERCOLOR DREAM」(TYR-1036)、翌年「Live in Detroit」(TYR-1040)がリリースされていて、今回はその2作目の続編といってもよいものである。 
 前作に引き続いてバックはクリフ・モネア(p)率いるピアノ・トリオだ。今回もデトロイト(場所も前作と同じスタインウェイ・ギャラリー)でのライヴ録音盤。

Susant3 (Tracklist)

1. Let's Face The Music And Dance (Irving Berlin)
2. The Way To You (Susan Tobocman)
3. I Should Care (Paul Weston, Alex Stordahl / Sammy Cahn)
4. Jim (Caesar Petrillo, Milton Samuels / Nelson Shawn)
5. I Could Have Danced All Night (Frederick Loewe / Alan Jay Lerner)
6. Too Late Now (Burton Lane / Alan Jay Lerner)
7. Fragile (Sting)
8. Frim Fram Sauce (Joe Ricardel / Redd Evans)
9. Every Time We Say Goodbye (Cole Porter)
10. Isn't It A Pity? (George Gershwin / Ira Gershwin)
11. I Wish I Knew (Harry Warren / Mack Gordon)
12. Touch And Go (Susan Tobocman) (instrumental)
13. I'll Be Seeing You (Sammy Fain / Irving Kahal)

 収録以上13曲。ますますジャズ・クラブ・ムードたっぷりの彼女のヴォーカルは円熟味を増しての感がある。ただし、ライブ録音の技術的問題の為かもしれないが、声量は以前より落ちているような印象がする。

 軽快にM1."Let's Face The Music And Dance"がスタートする。そうそうこの歌い方は彼女独特の世界だ。しぶいしゃがれ声と彼女独特のアクセント、それは彼女のオリジナル曲M2."The Way To You"のようにじっくり歌い上げる曲だとなおさら強調される。これは声の出し方に一息溜めて出す手法で実感は深い。ライナーの後藤誠一はこの技法に旨さの深みを強調していたが、私は少々気になる。これは1stアルバムでも見られたが、このアルバムに来てなお強調されている。
 M4."Jim"となると、クリフ・モネアのピアノ・トリオの味付けが如何に生きているのが解る。
 M5."踊り明かそうI Could Have Danced All Night "誰もが聴き慣れたこの曲の軽快な展開に、やはりこのトリオの生きの良い演奏と彼女の気合いの入ったヴォーカルが会場を喜ばせる。そして一転してじっくり歌い込みのM6."Too Late Now "、しかしこの曲途中からの転調してのスウィング・リズムを混ぜての旨い編曲が見事。
 M7." Fragile "は、スティングの代表曲。これも結構トボックマン節に化けている。こうして聴いているとやっぱり彼女の歌は旨いのが実感出来る。このアルバムでも出色の出来だが・・・・。
 M8."Frim Fram Sauce"は陽気そのもの。コール・ポーターのM9."Every Time We Say Goodbye"の歌い込みは情緒たっぷり。M11." I Wish I Knew"の情感はやっぱり並ではない。こうゆうバラッドはお手の物なんでしょうね。
   M12."Touch And Go"トボックマンのオリジナルでしかもインスト曲。トリオの溌剌とした演奏。   M13. "I'll Be Seeing You "最後にふさわしいお別れの曲。ここでも情感が溢れている。

Sttrio

 とにかく彼女の全てを感じ取れるライブ録音盤だ。ドスの効かした低音、しっとりと聴かせる説得力、パンチの聴いた熱唱と、スカっとした晴れやかさと、歌い込み・テクニック・情感全てトップクラス、ただ後は聴く者の好みにあるかどうかでしょうね。先に触れた彼女の独特の節回しとアクセント、これはハートフルと言えばそうだけど、私は若干というかかなり抵抗がある。アルバム全編これで攻められると、途中で参ったと降参してしまう。最後の挨拶なんかを聞くと良い声をしているので、このままで素直に歌っているのも織り込んだらどうなんでしょうかね、それは無理な相談か。

(評価)
□ 選曲・歌・演奏 ★★★★☆
□ 録音      ★★★★☆

(試聴)

 

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2013年10月24日 (木)

スーザン・トボックマンSusan Tobocman~粋なジャズ・ヴォーカル・・・彼女のことか?「WATERCOLOR DREAM」

久々の手強い女性ヴォーカルに遭遇した

Bg_press

<Jazz> Susan Tobocman 「WATERCOLOR DREAM」
              TERASIMA RECORDS  TYR-1036  , 2013

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 いきなりバック演奏無しにスーザン・トボックマンのヴォーカルからスタート。しかも節回しに一癖も二癖もある。"いっや~~なかなかやるわい"というスタイル。しかもこのこのアルバムは、今年寺島レコードからのリリースなのだが・・・もう既に10年以上前のアルバムの再発である(録音:1998年7月、システムⅡスタジオ(NY,ブルックリン))。とにかく寺島レコード(寺島靖国氏)が一押しのアルバムらしい。
 私にとっては初物の彼女、興味津々で聴いてみた。ところがなかなか手ごわい相手だ。簡単にはいかんぞ・・・と、思いつつもう何回と聴いてしまった。

先ずは、寺島レコードの宣伝文句を・・・・
女性ヴォーカルに人一倍こだわる寺島プロデューサーもその歌声に参ってしまったニューヨーク在住の現役女性ヴォーカリスト。大ヒットコンピレーション『JAZZ BAR 2012』に別のアルバムから一曲を収録したところ、店頭・お客様からも「オリジナルアルバムはないのか?」という問い合わせが殺到。しかし彼女のアルバムはiTunes等配信でしかリリースされておらず、CD化が待たれながらもなかなか日本では情報が得られない状況が続いていました。
このたび、その絶賛の歌声を世に問うべく、寺島レコードからなんと世界初のCD化となります!!
・・・・・・と、いうところなのだ。

Watercolordreamlist演奏:Susan Tobocman(vo), Peter Mihelich(p,key), Paul Gill(b), Mark Taylor(ds), Dan Converse(g), Jim Rotondi(tp), Steve Davis(tb), Mila Schiavo(perc)

  このアルバム、左のような収録曲。おやあまり聴いたことない曲も・・・・と思ったら、4曲は彼女のオリジナル曲(2.8.9.10)。そうかと思えば誰もが知っている”Besame mucho”が登場、それがなんとこんな唄い方は初めて聴くと思うスタイル。なかなか自己主張の強いヴォーカルなのである。それは更に”close to you”を聴くと実感する。とにかく低音はややハスキーであるが、中高音はメリハリの効いた抑揚を付けてのクリアな歌声が展開し、彼女の独特の節回しでごまかしのない旋律をシッカリ歌って聴かせるのだ。
 しかしもう一つの注目点は、このバック演奏。なかなか充実しているというか、編曲とインプロビゼーションにセンスを感ずるジャズ演奏で、それぞれの曲によってピアノに加えてその他の楽器の主役が面白く入れ替わり展開するという奥深さを聴かせてくれる。
 そんな具合にこのアルバムは取り敢えずは一筋縄には行かないところが、実は究極の魅力に繋がったのである。

20130614_9b97fb_2  左が、参考までに15年前のこのアルバムのジャケ(CAPレコード)、これの一新日本盤がこれなのである。
 この中の特に彼女のオリジナル曲”I never meant to dream of you”からのイメージは、百戦錬磨の酸いも甘いも知ったジャズ・ヴォーカリストという世界が感じられるのだ。歌手、作曲家、作詞家、アレンジャーとこなしていているという彼女の実力は本物なのであろう。早い話が玄人受けするという女性ヴォーカル・アルバムと結論づける。
 あの寺島靖国が納得のヴォーカリストというのであるから、そりやー相当なモノでしょう。とにかくCDアルバムはこの一枚だけのようで・・・、最新録音盤もほしいところ。
(なお彼女の最新モノとしては、MP3ダウンロードものとして「Live in Detroit ~ with the Cliff Monnear trio」 があり、少々聴いてみるとかなり太めのパンチ力のあるヴォーカルが聴ける)

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=C2t70mNCkZE

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