ニコレッタ・セーケ

2012年4月16日 (月)

ニコレッタ・セーケNikletta Szökeのニュー・アルバム「Inner Blaze」

相変わらず独特の節回しで・・・・・・・

Innerblaze 「Nikoletta Szöke / Inner Blaze」 ATELIER SAWAMO AS119 ,  2012

 前作「Shape of My Heart」のジャケが抜群に良くて、つい手を出したこのハンガリーのニコレッタ・セーケのアルバム(参照 2011.5.9「ハンガリーからの女性・ジャズ・ヴォーカル」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/nikoletta-szoke.html)、あれから一年、早くも5thアルバムの登場だ。
 今回も、バックはラカトシュ Robert Lakatos のピアノ・トリオで同じである。ただし曲によってギターとサックスが加わった。
 前作の私の感想としては、”ピアノ・トリオ・アルバムに彼女のヴォーカルが添えられた”といったところに結論づけた。今作も同様ではあるが、かなり彼女のヴォーカルが前作よりは前に出てきている。それでもやはりラカトシュLakatosのピアノは雄弁だ。
 アルバム・タイトルの意味は”内なる炎(情熱)”といったところだろうか?。

Innerblazelist 収録曲は左のとおりで、12曲中8曲はカバー曲。残る4曲はラカトシュらの曲で、彼女の英語での詩Lyricsである。

 しかし相変わらず彼女のヴォーカルはサラっとしている。又その節回しが、ハンガリー人である為かどうかは解らないが、一種独特。そのため今まで聴いていた曲も別の曲のよう聴こえるのだ。
 今回もStingの曲が登場する。私にとってはエヴァ・キャシディで気に入っている”Fields of gold”だ。これがあまりにもエヴァの印象が強いためどうもしっくりこない。しかしこの曲の異なったイメージこそが実はニコレッタ・セーケであると言ってよいのかも知れない。何か仕事をしながら呟いているようなヴォーカルなのである。
 3曲目の”Contemplation”がなかなか聴きどころである。この雰囲気は如何にも東欧の世界。ピアノが美しいし、サックスが歌う。そしてそれに追従して彼女のヴォーカルが聴き慣れない節回しを楽しませてくれる。
 ”charade”も中間部のバンドの演奏がなかなか魅力的。

Nikolettatrio アルバム・タイトル曲の”Inner Blaze”は、これも旋律の流れが異様である。多分このトリオの世界であろうが彼女がよくつきあっているなぁ~と思うところは次の”Vision”、ラストの”mornings to remember”においても同様だ。ヴォーカルがどこか音程が狂ったごとくに流れていく。つまりトリオ演奏にヴォーカルを付けたという感じなのだ。しかし彼女の声は下手な細工がなくて素直でよい。これが魅力と言えば魅力と言えないこともない。いやはや不思議なジャズ・ヴォーカルの世界である。

 (members)
   Nikoletta Szo"ke : vocal
   Robert Lakatos : piano
   Jo'zsef Horva'th Barcza : bass
   Andra's Mohay : drums
   Ma'rton Fenyvesi : guitar
   Ga'bor Balla : Saxophone

 澤野工房がいやに力を入れているニコレッタ・セーケ、実はこの彼女のアルバムは、聴きこんでゆくと意外に癖になるという代物なのでもある(余談だがこのニュー・アルバムのジャケは、残念ながら前作のような魅力的なものではなく平凡なもの)。

 

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2011年5月 9日 (月)

ハンガリーからの女性ジャズ・ヴォーカル : ニコレッタ・セーケNikoletta Szöke / 3rd「Shape of My Heart」

ピアノ・トリオが描く世界に女性ヴォーカル(ニコレッタ・セーケNikoletta Szöke)が乗る

Shapeofmyheart 「ニコレッタ・セーケNikoletta Szöke / Shape of My Heart」 ATELIER SAWANO AS-107,  2011

 見たとおりの最近では一押しの非常に魅力的なスリーブ・デザイン(左)で、しかもジャズ界では話題の”澤野工房”からのリリースで、何となく聴きたくなって買ってしまったアルバム。
 これはハンガリーの女性ジャズ・ヴォーカリストのニコレッタ・セーケの3rdアルバム(自主製作盤を入れると4thアルバムとなる)だ。まだまだ新進気鋭の彼女、多分1983年生まれということで、今年27歳前後と思われる。

Ptrionikoletta  バック・バンドはピアノ・トリオで、評判のロバート・ラカトシュRobert Lakatos のピアノにJo'zsef Horva'th(bass)、 Andra's Monhy(drums)の構成である。

 録音は2010年8月ハンガリーで行われており、このアルバムには12曲が収録されている。そしてその内彼女の名がクレジットされているオリジナル曲が5曲あり、残るはスティング、スティーヴィー・ワンダー、ジョージ・マイケルなどのヒット曲である。
 こんなことから、彼女はシング・ソングライターのタイプであるようだ。しかし1stアルバムの「SONG FOR YOU」では13曲全てスタンダード曲で、2ndアルバム「MY SONG」もほとんどがスタンダート曲であったことより、このアルバムが最も彼女らしいアルバムとなったと言える。

   (List)
   1. Autumn witch with words*
   2. In walked bud
   3. Shape of my heart
   4. Another place*
   5. For sue-allemnde*
   6. Lately
   7. Jesus to a child
   8. Love all the hurt away
   9. You've chaged
  10. I could*
  11. Zingaro-Retrato em branco e preto
  12. The old park*
           (*印 オリジナル曲)

Szokenikolettaes さて、その曲と唄の出来であるが、第1曲は”Autumn Witch with Words”というオリジナル曲でスタートする。クリアーに録音されたピアノの音が飛び込んでくる。そして彼女のヴォーカルが始まるが、おやおやいやに線が細い。高音部は澄んだ唄声であるがやはりその線の細さは否めない。そして旋律も耳慣れない曲が展開し、その為か彼女の低音部は如何にも素人っぽい。
 もう少し聴いてゆくと、なるほどピアノ・トリオの演奏がなかなか魅力的だ。ラカトシュの細やかな演奏は心に響いてくる。そしてむしろトリオの演奏に合わせ、支えるが如く彼女のヴォーカルが入る。3曲目にアルバム・タイトルのスティングの曲”Shape of my heart”が登場。ピアノをバックに彼女の比較的控えめの歌から始まるが、後半になってどちらかというと彼女はようやくしっかりと歌い上げるが、やはりピアノの音が素晴らしい。
 第5曲”For Sue-Allemande”はオリジナル曲であるが、実に美しい曲。彼女も心ゆくまで歌っていると言ってよいだろう。相変わらずピアノ・トリオが生きていて私にとっては納得もの、一つのハイライト。
 しかし、一方ヒット曲のカヴァーもかなり変わって聴くことになる。彼女の一聴比較的単調なヴォーカルが、よく聴くと音程が狂ったかと思わせるような微妙な変化を示している。このあたりが他にない異様さがあって、又舌足らずの発音も印象に残る。 
 9曲目”You've changed”は、3分少々の短い曲だが、彼女のジャズ・ヴォーカルとピアノの音がしっとりとして、バランスもよく、ここにきてこのアルバムの良さを感ずるところだ。
 10曲目”I could”はオリジナル曲。やはり彼女の歌は一種独特の旋律で異様感があるが、リズムカルなピアノでほっとするところだ。
 11曲目”Zingaro”は、このセーケの究極の曲なのかも知れない。このアルバムの中では最も長い7分20秒の曲で、彼女の静かな歌い回しに、ラカトシュのピアノが語り聴かせどちらかというと異空間の夜のムード。これは頂ける。私は好きだ。

 いやに延々と曲の感想を書いたが、結論的にはこのアルバムはピアノ・トリオにセーケのどちらかと言うと未熟感が産むところの哀愁のあるヴォーカルで色づけしたというタイプ。そして彼女のヴォーカルは線が細い分、トリオ演奏には微妙にマッチしているところが味噌。これは面白い変わった女性ヴォーカル・アルバムに遭遇したものだ。

Photo_3

(花の季節 : 「石楠花(シャクナゲ)」 = 我が家の庭から・・・・・)


 

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