サスキア・ブルーイン

2011年4月27日 (水)

これは期待の新人サスキア・ブルーイン Saskia Bruin :「Step Inside Love」

魅力の大人のムード漂うジャズ・ヴォーカル

Stepinsidelove_3 「Saskia Bruin / Step Inside Love」 Rip Curl Recordings RCIP-0152 , 2011

 久々にこれはと思う女性ジャズ・ヴォーカルに巡り会った感じだ。オランダ出身で、1987年より英国で活動というから誕生日は解らないが、まあ30代以上は間違いなさそうで、これまた遅咲きか?なかなか味のある唄が聴ける。日本初登場。
 早く言うとダイアナ・クラール調であるが、声の質は若干違う。なかなか低音は豊かで魅力あり、又中から高音域はニッキ・パロットに似たところがある。
 曲の流れはゆったりと心地よくマイルドに、そしてややけだるさもあって、主としてボサノバ・リズムを聴かせてくれる。

(members)
   saskia bruin (vo)
   chris ingham (p)
   andrew j.brown (b)
   russell morgan (ds)
   colin watling (ss)
   phil brooke (g)
   andy watson (g)
   heinz hunt (ts)

 バックの演奏は、これまた控えめで静かにムードを盛り上げる。流れるようなピアノ、それにギターが絡みながら旋律を奏でて気持ちの良い曲を作る。もちろん曲によってサックスも登場。かなり充実している。
Saskia2  彼女自身ピアノ、サックスもこなすと言うし、又もともと魅惑的ラテンサウンドにインスパイヤーされ、クールジャズの世界にも影響を受けてきたらしい。

(list)
   1. the look of love
   2. fell like making love
   3. virginia moon
   4. comes love
   5. estale
   6. step lnside love
   7. i got lost in his arms
   8. and we will fly
   9. once i loved
  10. wondering
  11. you're my thrill
  12. close your eyes
  13. call me
  14 i can't give you anything but love
    (13,14はボーナス・トラック)

 選曲はなかなか名曲が並んでいる。アルバム・タイトル曲”step inside love”はビートルズの曲だが、6番目に登場してなかなか彼女自身の解釈を推し進めて、この曲でも落ち着いた癒し系ヴォーカルを聴かせるのだ。スタート曲はおなじみバカラックの”the look of love”だが、冒頭から出来るだけぬくもり感のあるゆったりとした仕上げで、表現によってはウィスパー調というのかそんな歌声で引き込んでゆく。
 そして立派なのは、最初から最後までこのパターンで押し切っている。それなのに飽きさせないのが不思議なくらいだ。最後の”close your eyes”では、納得の低音ヴォーカルが聴かれる。

 とにかく、まだまだ日本への情報は少ないアーティストだ。このアルバムも2009年の自主製作盤(英国)と思われる。実はその道の通が日本に持ち込んで話題になり、ボーナス・トラックを追加して今年のリリースになったようだ。それも本国より日本での評価が高いとも窺える。このアルバムのパターンは、取り敢えず私好みであるのだが、多分ジャズ・ヴォーカル愛好家にはそれなりの評判をこれから更に勝ち取るであろうと予想される。そんな意味でも今後に期待の一枚であったが、気になるのは本国英国での成り行きだ。日本から大いにサポートしていくのも良いのかもしれない。
 最後に、これを紹介してくれた友人に感謝する。

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