ヒラリー・コール

2016年1月 4日 (月)

ヒラリー・コールHilary Kole 「虹の彼方に~ジュディ・ガーランドに捧ぐthe JUDY GARLAND project」

歌唱力で訴えるジャズ・ヴォーカル・アルバム

  <Jazz>
      Hilary Kole 「the JUDY GARLAND project」
                       
(虹の彼方に~ジュディ・ガーランドに捧ぐ)

      Victor / JPN / VICJ617451 / 2015

Judy_garland
ヒラリー・コール(VOCAL)
ジョン・ディ・マルティーノ(PIANO)
ポール・ギル(BASS)
アーロン・キンメル(DRUMS)
ジョー・フラーム(SAX)

PRODUCED BY RICHARD BARONE
RECORDED AND MIXED BY LOU HOLTZMAN
MASTERED BY ROGER LIAN

Hauntedheart 今作は、2009年デビューのヒラリー・コールの第5作目だ。1930~1960年代のよき時代の銀幕のスーパースター、ジュディ・ガーランド(1922-1969)の愛唱歌を取り上げたというトリビュート・アルバムである。
 彼女がデビューしたアルバム『魅せられし心 Haunted Heart』(Victor/VICJ-61594/2009 →)をジャケ買いしてからもう7年になるんですね。つい最近のような気がするのだが、考えて見れば、アルバム『A Self Portrait』(2014)もあったし、そんな経過は彼女をして次第に円熟の境地ににと導いていることが解る。

 ヒラリー・コールは父がブロードウェイで活躍するシンガーだったこと、12歳で奨学金を得て作曲を学ぶ。大学もマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックに進学、やはり作曲を学び、そしてジャズ・ビッグバンドの作曲の課題を受けて、それを期にジャズに夢中になったとか。
 そしてヴォーカルは父親の指導を受けることなど、まさに音楽人生を歩んできているのだ。今は40歳代の円熟期に入っているかと想像するが、思ったより既に貫禄を身につけている。

(Tracklist)
1. ジング! ウェント・ザ・ストリングス・オブ・マイ・ハート
2. ザ・ボーイ・ネクスト・ドア
3. ジャスト・イン・タイム
4. ユー・メイド・ミー・ラヴ・ユー
5. サヴォイでストンプ
6. ザ・マン・ザット・ゴット・アウェイ
7. ア・コテージ・フォー・セール
8. アイ・ウィッシュ・アイ・ワー・イン・ラヴ・アゲイン
9. ルック・フォー・ザ・シルヴァー・ライニング
10. ザ・トローリー・ソング
11. ゲット・ハッピー
12. エンブレイサブル・ユー
13. アズ・ロング・アズ・ヒー・ニーズ・ミー
14. イット・ネヴァー・ワズ・ユー
15. 虹の彼方に
         *
16. 降っても晴れても (
日本盤ボーナス・トラック)
17. メモリーズ・オブ・ユー (
日本盤ボーナス・トラック)

Hk1sq とにかくハイライトは、締めのM15” 虹の彼方に Over the Rainbow”だ。ジュディ・ガーランドの有名な『オズの魔法使い』 (世界初のカラー映画だったんですね。私の記憶では部分カラー)でのジュディのこの代表曲を、ヒラリーが作曲能力を発揮して、アレンジを施して、ストリングス・セクションをバックに歌う。これは誰の歌とも違うヒラリー・コール節だ。こんな特徴を既に創り上げているところが彼女の充実ぶりが解ろうというところ。
 いずれにせよ”端正な美貌と暖かな歌声”ということで、確かに日本でも人気があるが、私自身は彼女の美しく歌う高音部には若干個人的好みからはちょっと違うのだが・・・・しかし日本盤も順調にリリースされている事は、やっぱり一般に広く受け入れられているんでしょうね。多分丁寧に歌い上げるところが印象が良いのだろう。
  バックは前作同様ジョン・ディ・マルティーノ(ロマンティック・ジャズ・トリオ)のピアノがトリオで結構聴かせてくれる(曲によってサックスが入る)。このアルバムは単にヴォーカル・アルバムというのでなく、バック演奏と彼女のヴォーカルが一体になって曲仕上げをしているところが、これも一つの聴きどころである。印象としてはジャズ・ヴォーカル本格派であると同時に、かってのよき時代を感じさせるノスタルジックなところもあって、それはそれ楽しめる一枚だ。

(視聴)”Over the Rainbow”

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