ブッゲ・ヴェッセルトフト

2022年8月21日 (日)

ブッゲ・ヴェッセルトフト Bugge Wesseltoft 「be am」

瞑想性の中に、哀しみを描きそして一方希望の光を描いている

<Jazz>

Bugge Wesseltoft 「be am」
JAZZLAND Recordings / Norway / 377 943 2 / 2022

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Bugge Wesseltoft : Piano, rhodes, kalimba, effects

 90 年代後半には、自身のレーベルJazzland Recordings を立上げ、エレクトロ/ アンビエント/ テクノとジャズを融合させる新しい潮流を創り上げたノルウェーのジャズ・ピアニストのブッゲ・ヴェッセルトフト。New Conception of Jazz、Sidsel Endresen、Henning Kraggerud、Henrik Schwarzなどのデュオ、Trialogue、Bugge and Friends、OKWorldなどのプロジェクトなど、数多くのグループプロジェクトやコラボレーションを演じ、ソロそしてトリオとしての活躍もしてきた。
51w1f7kittl_ac_  そして今や、ヨーロッパ屈指の音楽創造家であり革新的な業績を残す彼が、97 年にリリースしたクラシックのイメージも湧いてくるソロ・ピアノ・アルバム『It’s Snowing On My Piano』(ACT 9260-2 / 1997 →)がロング・セラーを続け既に25年が経ったが、ここに究極と銘打ったソロ・ピアノ作品が登場した。 彼はそもそもデビュー当時は、ECM世界にて活動開始してきた経過があり、“沈黙の次に美しい音”と言われる世界をも持っている。

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1 Resonate 1:29
2 Tide 4:03
3 State 4:46
4 Emerging 0:47 *
5 Roads 4:46 *
6 Messenger 4:23
7 Green 2:47
8 Be Am 1:09
9 Life 5:53
10 Gonna Be OK 2:06
11 Deeper 3:04
12 Sunbeams Through Leaves Softly Rustling 3:08

*印 hakon kornstad(tenar Sax)共演

Aabbcc  今回はヴェッセルトフトのピアノ・ソロ・アルバムであるが、M4及び5にはテナー・サックスの色添えもある。かって私は衝撃を受けたアルバム『Out here. In there.』(JAZZLAND017368-2/2002 →)のSidsel Endersenとの共演作のような前衛的な世界、ボーカルとエレクトロニック・キーボードの即興演奏の叙情的な世界に詩を音楽のコンビネーションの一つとして扱いつつ現代クラシック音楽とジャズ世界の融合など圧巻だった。こんな世界から今に流れての近年の彼の美旋律ピアノ演奏だということを知って聴くと状況がよく理解できる。このCOVIDのパンデミックの中での不安な環境での瞑想的な色合いの濃い創造的衝動が作り上げたと思われる"孤独の中での平和と希望"がテーマの美旋律ピアノのように聴けてくるのだ。

 M.1"Resonate ", M2."Tide"は静かにそして余韻の残したピアノの音が、心を落ち着かせ、瞑想にさそうように流れる。
 M3."state" は、国レベルの展望に心を馳せる。
 M4."Emerging",M5." Roads"テナー・サックスが歌い上げるをRhodesの響きが世界を広げる。
 M6."Messenger"伝達者ということだろうか、ここでのピアノは、物語の語りの雰囲気。
 M7."green"ここでの緑は北国の草原の姿か、M8."be me"のタイトル曲は、ほゞ1分の短編、自己の存在。
 M9." Life" 鳥の声、そしてKalimbaが静かな美しい情景を描き、Rhodesが静粛性を更に助長。我々に展望に向かわせる。
 M10."Gonna Be OK"美しく澄んだピアノ音で明るい展望が感じられる。
 M11."Deeper" 重低音で深く、重く。ここでの不安な世界の描くところは ?。
 M12."Sunbeams Through Leaves Softly Rustling" 樹木の葉を通しての太陽の日差しは自然界からの慰めか。ここに彼のメッセージが見てとれると思う。

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  やや憂鬱なバラードと一方美しさを交えたこのスケッチ思われる短編曲集は、全編を通しての作品であって一曲ごとの世界ではない。哀愁の感覚と彼が生き残るための喜びの感覚の交錯として描かれているのかもしれない。悲しいかとも思われる中に自然界から導かれる希望の光を感じて作られたアルバムであると思うのである。相変わらず思慮深く示唆を与える世界を構築しているが、彼の生きる決意の表明としても受け止められる。
 彼はピアニストとして、テクニシャンというよりは、彼の独創的な発想と演奏表現に優れた面を感じている。

51uhplvv2zl_ac_ なお、このブッゲ・ヴェッセルトフトに興味があるなら、私のお勧めのアルバムがある。それは2016年にリリースされた彼のデビュー20周年記念のベスト盤(ここには過去の曲のニューバージョンも納められていて、単なるベスト盤とは違うのだが)で、2枚組の『Somewhere in between』(JAZZ LAND / Norwy / 377 917 9/2016 →)がある。ここには彼の20トラックスが納められ、トリオ演奏や多くの共演者との作品など含め多彩であり、又彼の世界が手に取るように解る。私からのお勧めだ。もちろん過去のアルバムとしては、先に紹介した『It’s Snowing On My Piano』も一枚のアルバムとして是非聴いてほしいものであるが、このアルバムは私は今でも最高に引き込まれる。

(評価)
□ 曲・演奏 :   88/100
□   録音   :   88/100

(試聴)‎

 

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2017年12月30日 (土)

2017年の別れに・・・・・ブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoft のピアノ・ソロ「Everybody Loves Angels」

2017年 さようなら・・・・・・・

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 (Togakushiyama, Takatumayama)

 今年もいろいろと有り難うございました。

               *          *          *          *


これはまさに『It’s Snowing On My Piano』の続編だ!

<Jazz>

Bugge Wesseltoft 「Everybody Loves Angels」

ACT / Germ / ACT 9847-2 / 2017

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Bugge Wesseltoft (piano solo)
Recorded at LofotKatedralen, Lofoten, Norway,Feb.24-26,2017

Buugepianow ブッゲ・ヴェッセルトフトのアルバム『It’s Snowing On My Piano』 (ACT 9260-2(→))から20年になるんですね。もっともあのピアノ・ソロ・アルバムを私が聴いたのは遅まきながら2年前なんですけど・・・・このアルバムはまさににその続編です。とにかくこれは誰が聴いても静謐にして美しくそして静かな世界に浸れます。安息の世界ですね。
 このアルバムの収録は、ノルウェイの北部、ロフォーテル諸島の教会で行われたとか(末尾の「視聴」参照)、そこはブッゲの祖父の生まれ育った土地で、厳寒の地であると同時に美しい自然の地であるようですね。

Wesseltoft3_byw(Tracklist)
1. Es sungen drei Engel (traditional & Bugge Wesseltoft)
2. Bridge Over Troubled Water (Paul Simon)
3. Koral (Johann Sebastian Bach & Bugge Wesseltoft)
4. Angel (Jimi Hendrix)
5. Reflecting (Bugge Wesseltoft)
6. Morning Has Broken (Cat Stevens)
7. Salme (Christoph Ernst Friedrich Weyse & Bugge Wesseltoft)
8. Blowing In The Wind (Bob Dylan)
9. Angie (Mick Jagger & Keith Richard)
10. Locked Out Of Heaven (Bruno Mars, Philip Lawrence & Ari Levine)
11. Let It Be (John Lennon & Paul McCartney)

 これは当にブッゲ・ヴェッセルトフトの究極のソロ・ピアノ・プロジェクトと言って良いです。何処かに書いてありましたが確かに「音楽の聖域」とも言って良いくらいの世界感に満ちていて虜になってしまう。

1935404_132685463353_4155409_n 取りあげた曲はトラディショナルもあるが、彼の経歴から見れば当然と言えるポール・サイモンの"明日に架ける橋"から始まって、ジョン・レノン&ポール・マッカートニーの"レット・イツ・ビー"、ボブ・ディランの"風に吹かれて"、キャット・スティーヴンス"雨にぬれた朝"、ジミ・ヘンドリックスの"エンジェル"、またブルーノ・マーズ"天国の外"といったロックやフォーク系のポピュラーな代表曲から、バッハの楽曲へと広く多彩な曲群を取りあげている。しかし不思議に彼のソロ・ピアノ・プレイのマジックによって、全く異なった深遠なる静謐にして美しくしかも何か人間的な暖かさを感ずる世界に導かれるのである。
  何時までもふと思い出して聴いてゆきたいアルバムだ。

          *          *          *          *

 さて、今年2017年も結局のところ、いろいろと騒がしい一年でした。何か「不安」が蓄積した一年とも言えると思います。
 特に気になることは、日本はじめ世界が過去の反省の歴史が薄らいで、何か又逆行が始まっているのではと心配するところです。来る年はそんな「不安」が一掃できる年であって欲しいと願っています。

 そんな事をふと頭をよぎらせつつ、昨年同様に、今年もユーロ・ジャズからこのアルバムで、心を落ち着かせ美しい静かな世界の中で来る新年を迎えたいと思います。
 このブログは、今年はこれで一つの締めにいたします。
 今年も、この拙いブログを見て頂き、そしていろいろな感想やご意見ご示唆を頂いた諸兄に改めてここに感謝いたします。来る新年もよろしくお願いします。それでは皆様良いお年をお迎えください。 (photofloyd(風呂井戸))

(視聴)

 

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2017年1月 4日 (水)

今年の酉年にちなんで・・・ブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoft 「TRIALOGUE」

その道の達人による未来志向のジャズとは・・・・

<Future Jazz>
Wesseltoft Schwarz Berglund 「TRIALOGUE」
Jazzland / nor / 060253786601 / 2014

Trialogue1

Recorded at Schloss Elmau Feb 2014
Bugge Wesseltoft(p), Henrik Shwarz(computer), Dan Berglund(b) 



 酉(とり)年にちなんで・・・・十二支の「とり」は、「鶏(ニワトリ)」の事になるようだが、まあ拡大して「鳥」ということでは、なんと言ってもこのジャケのアルバムだ。
 もともと「酉」の意味は、”果実などが極限まで熟した状態”を言うようで、従って”物事が頂点にまで極まった状態”を言っていることになる。しかしそんな意味でもこのアルバムの価値を見いだせるのである。

Trialogue2 これは2014年リリースだが・・・・今年新年早々に頭に浮かんだ。とにかく強烈なインパクトのあったものであり、今になったが是非とも記録しておきたい。
 しかしこのタイプのジャズは何と言えばよいのろうか?、フューチャー・ジャズと言う言葉があるが、これも漠然としている。とにかくエレクトロ・アコースティックでアンビエントな世界に、それに止まらずスリリングな味付けの中に抒情性すら感ずるという演奏が見事なアルバムだ。

 とにかくドイツ・ベルリンの奇才エレクトロ・ジャズのヘンリク・シュワルツHenrik Shwarzに、ノルウェー・オスロのジャズ・ピアニストのブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoftが合体、そこにスウェーデンのあのE.S.T.で知られたベーシストのダン ・ ベルグルンド Dan Berglundが合流したんですから、それはやっぱり単なるトリオでなく未来志向の快作になるのは推して知るべしであった。
 又ブッゲ・ヴェッセルトフトは、昨年秋に来日、それも5人の女性を引き連れての再興プロジェクト「ニュー・コンセプションズ・オブ・ジャズ(NCOJ)」2016年版として話題をさらった。しかし彼は私好みとしては、クラシックのイメージすら感じさせる『it's snowing on my piano』(1997, 2013再発)『Songs』(2012)のようなソロ・ピアノのアルバムもあり、更に、同郷のシゼル・アンドレセンとのコラボレーションも印象深く、非常に不思議な人だ。

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 そしてこのアルバムは非常に録音もリアルで良好。スタートM1.”Interlude”は、我がオーディオ装置が壊れたかと思わせる不思議な雑音様のコンピューター・サウンドを交えて、ピアノが深遠な世界に導く。しかしこうしたテクノ系にしてはベースはアルコ奏法を交え不思議な世界に導き、ピアノの調べは極めて叙情的で美しい。このテクノ感覚の斬新さにクラシック調の演奏がかみ合って聴くものを引き込んでいくのだ。曲はインプロヴィゼイションの流れを取り込んでの彼らのオリジナルもので効果を上げている。又曲によってヴァイオリン、ビオラ、チェロなどが加わって一層クラシック・ムードを盛り上げる。
 ピアノ・トリオを愛する者にはテクノ指向は実は受け入れないところと思うのだが、何故かこのアルバムはおそらく抵抗なく入ってしまうのではと、私自身がそうであったことから想像してしまうのだ。それ程異色快作であった。

(視聴)

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2015年12月12日 (土)

ブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoft ピアノ・ソロ : 「it's snowing on my piano」

雪にちなんで・・・・・「静」を音で表現

 この数日は本列島も雨、暖冬というところは住みやすいという感じでもあるが、地球温暖化のもたらすものか?、実はそれによる自然界に於ける変化はそう生やさしいものではなさそうだ。地球規模の天候の変化、動植物の生態系の変化などは、実はかなり恐ろしいのだという。
 ただただ物質を求めての人間の欲求の生み出すところの結果ではあろうが、今何をすべきかはもっともっと真剣に考える必要がありそうだ。

 さてその暖冬とはいえ、年の瀬を迎えていよいよ雪の季節です。先日ノルウェーのブッゲ・ヴェッセルトフト Bugge Wesseltoftのピアノ・ソロ・アルバム『SONGS』 を取り上げたのですが、エレクトロニクスによるフューチャー・ジャズが売り物の彼としては、意外にもエレクトロニクスを加味しないピアノ・ソロの美しさを知らしめるというアルバムで驚きました。
 そしてさらに友人から彼のこの季節にマッチしたもう今から十数年前のアルバムであるが『it's snowing on my piano』   (2013年再発)の紹介もあって、この季節を感じつつ今にして納得している作品であるので、ここに記録と言うことに相成った。

 

   <Jazz>
Bugge Wesseltoft「it's snowing on my piano」
   ACT / GER / ACT9260-2 / 2013

 

Buugepianow_2

 Recorded Oct.15-16. 1997  Rainbow Studio, Oslo, Norway
  Bugge Wesseltoft : Piano

 

 ECMの多くの作品を録音しているRainbow Studioでの録音もの。
 まあとにかくBuggeと言う人は、丁度この録音していた時期(1997年)は、主としてフューチャー・ジャズということでエレクトロニクスを駆使したジャズで売り出していた時で、一方でこんなアルバムを残していたとは信じられないところですね。

 

Bugge4(Tracklist)

 

1. IT'S SNOWING ON MY PIANO*
2. IN DULCE JUBILO
3. MITT HJERTE ALLTID VANKER
4. DEILIG ER JORDEN
5. O LITTLE TOWN OF BETHLEHEM
6. DU GRONNE,GLITRENDE TRE
7. DET KIMER NAB TIL JULEFEST
8. WHAT CHILD IS THIS(GREENSLEEVES)
9. KIMER,I KLOKKER
10. ES IST EIN ROS ENTSPRUNGEN
11. STILLE NACHT,HEILGE NACHT
12. INTO ETERNAL SILENCE*
Music composed(*) and arraged by B.Wesseltoft

 

 とにかく冒頭のM1から、静かな夜の降り注ぐ雪が頭に浮かんでくる。この”静”を音で表すのであるからミュージックというものの奥深さである。
 そして全編優しいピアノの音が広がっている。北欧の冬の夜が描かれているのだろう。そして安堵の気持ちが湧いてくる清い演奏。
 演奏テクニックを見せつけるという技巧派というよりは、音の余韻、流れ、タッチを尊重しての世界であって、ここには彼のセンスが込められている。
 裏ジャケットには、幼い子供を膝に乗せてピアノを弾くBuggeの姿が見えるが、そんな世界も又良いものです。

(試聴)

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2015年9月10日 (木)

初秋に聴くピアノ・ソロ2題 ブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoft「SONGS」と マーティン・ティングヴァルMartin Tingvall「en ny dag」

あの猛暑から一転して秋は確実に訪れて・・・・・

 今年の夏は7月からの猛暑で圧倒された年ではあったが、考えて見ると短かったとも言える。もう外は虫の声の合唱で、秋が来たことを知らせてくれているのだ。
 こんな時にはふと、心安まるピアノ・ソロが何とも言えずこの秋を歓迎するのだ。

 ここに2012年リリースされた二枚のアルバムが私にとってはこの秋スタートである。

        <Jazz>  
                  BUGGE WESSELTOFT  「SONGS」
                       Jazzland / Europe / 2791733 / 2012

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         Recorded in Bugges Room,April-September 2011
                 Bugge Wesseltoft : Piano

Buggelist
 もともとノルウェーのジャズ界の革新派で、この自ら作り上げたJazzlandレーベルで、エレクトロニクス派としてのサウンドを売り物に、まさしく未来ミュージックを作ってきたというブッゲ・ヴェッセルトフトJens Christian Bugge Wesseltoft。
 その彼の全くのピアノの原点を探るような聴き慣れたスタンダード曲(左リスト参照)のソロ演奏。2012年にリリースされたこのアルバムに今にして聴き惚れている。
 とにかくあの曲が、ここまで静かに美しく情緒たっぷりに心の奥まで鎮めてくれる曲となって、私にとってのこの秋の夜を演出してくれるとは・・・・・。

Bugge2
 彼のピアノ・ソロとしては1997年『It's Snowing on My Piano』、2007年『Im』、2009年『Playing』に続くもの。
 私は彼の作品にはあまり接触してこなかったが、ここに来て友人の紹介もあって納得して聴いている訳である。秋の夜にはふと我を見つめるに格好のアルバムだ。しかしこの落ち着き感は凄い・・・・。

                    *          *          *          *          *          *

     
      <Jazz>

               Martin Tingvall  「en ny dag」
               SKIP / GER / SKP91172 / 2012

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                  Martin Tingvall : Piano

 こちらはドイツの俊英ピアニスト(と言っても生まれは1974年スウェーデン)のマーティン・ティングヴァルMartin Tingvallによる2012年リリースの初のピアノ・ソロ・アルバムである。彼が主催する異色のインター・ナショナル・メンバーのピアノ・トリオ「TINGVALL TRIO」は私のお気に入りで、過去のECM的なスタジオ・アルバム(『Skagerrak (2006)、『Norr 』(2008)、『Vattensaga 』(2009)、『Vägen 』(2011)、『Beat 』(2014))は私の愛蔵盤でもある。

 (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/tingvall-trio.html

 そんな訳で、彼のピアノ・トリオ・アルバムはここでも既に取り上げてきたところだが、このソロ・アルバムは、実は今回初めて聴くことになったもの。

  • (Tracklist)
    1. En Stjärna Faller 2:10
    2. En Början 4:25
    3. Debbie And The Dogs 4:20
    4. Efter VI Skildes Åt 4:22
    5. En Ny Dag 4:45
    6. Det Är Åska I Luften 3:46
    7. Så Hissas Flaggan På Midsommarafton 4:09
    8. Utan Ström I Harare 3:30
    9. Till Dem Därhemma 4:41
    10. Kvällens Sista Dans 4:14
    11. Myggan Som Inte Ville Dö 3:05
    12. När Barnen Sover 3:15
    13. Dagens Slut 1:55
  • Martin1 彼の描くところ、北欧からのメロディーがやっぱり流れてくると言うところか。その美しさというところは、何故か日本人の我々の郷愁を誘うという世界。
     4曲目”Efter VI Skildes Åt” は、”パーティーの後”という意味になるのだろうか、又12曲目”När Barnen Sover ”(”幼子が眠る時”?)などのこの郷愁感はもはや絶好調。
     美しいピアノ・メロディーの世界には、”都会の夜の静かさ”と”どこか都会から離れた自然に包まれた世界”と二つに分けてみると、彼の世界はやっぱり後者だろうなぁ~と思うのである。

     秋になってふと我に返って聴いた万人に推薦できる二枚のアルバムだった。

  • (視聴) Bugge Wesseltoft
  • (視聴) Martin Tingvall

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