ヨーナ・トイヴァネン

2017年2月19日 (日)

ヨーナ・トイヴァネンJoona Toivanen 「LONE ROOM」

ピアノ・ソロによる実験性とクラシカルな世界との交錯による静謐な世界

<Jazz>
Joona Toivanen 「LONE ROOM」
CAM.Jazz / ITA / CAMJ7904 / 2016

Loneroom

Joona Toivanen : Piano
all music by Joona Toivanen
Recorded and mixed in Cavalicco on 3, 4 September 2015 at Artesuono Recording Studio

 フィンランドのヨーナ・トイヴァネン(1981年生まれ)のピアノ・ソロ・アルバム。
  あの澤野工房リリースのヨーナ・トイヴァネン・トリオ『NUMURKAH』(2000)以来気になるミュージシャンになり(なにせ当時まだ10代での録音)、2015年にはCAM Jazzからの同トリオ・アルバム『NOVEMBER』で北欧の良さを印象づけられたのだが、ここにソロでの出逢いとなったもの。

  このアルバムの注目の一つは録音の良さです。CAM Jazzアーティストが録音の拠点としているアルテスオーノ・レコーディング・スタジオAstesuono Recording Studioに於けるもの。レコーディングとミキシングはステファノ・アメリオStefano Amerio。このアルバムで聴かれるピアノの音は絶品です。もし自分の装置のテストをしたいならそれには向いていると断言できる。

Jt1w さて、このアルバムの内容だが、トイヴァネンがようやく(と言って良いのか)30歳の半ばになってのソロで、多分相当気合いが入ったのではと想像する。今までにリリースされてきたトリオ作品は、その北欧的叙情的な風情が私の好んだポイントだが、このソロは今までのアルバムにもちょっと垣間見た実験性も一歩進めて加味されてのものになっている。

 アルバム・タイトルの曲”Lone Room”がその筆頭だが、流麗なタッチのメロディー重視のプレイと言うよりは、ピアノの一つ一つの音を大切にして、その余韻、空間を感じさせるパターンで、流れに音楽的実験性が感じられる。しかしアヴァンギャルドというところではない。M2.”Lowlands”ではプリパレーションを施したピアノ・サウンドも聴かせる。
 そして一方M4.”Moon Illusion”のようにクラシックを感ずる展開のところもあったり、又メロディーにはあの北欧の抒情的な世界をやっぱり感じ取れてなかなか奥深い。この曲はトリオでのアルバム『NOVEMBER』の冒頭に登場させた曲だが勿論彼のオリジナル。
 そしてアルバム全体の印象は、やはりECM的な静謐な世界を描いた世界と言う感想だ。
 まあ結論的には私から見ると、実験的試みを感じつつも、やっぱり鍵盤の和音の音からもクラシックからの発展型のパターンとして受け取って聴き入ってしまう。

(Tracklist)
Loneroomlist

(視聴) Joona Toivanen Solo Piano "Lone Room"

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2015年6月29日 (月)

北欧ピアノ・トリオ~ヨーナ・トイヴァネンJoona Toivanenトリオ「NOVEMBER」

メロディーの美しさは~北欧の地から湧く世界観?

<Jazz>

         JOONA TOIVANEN TRIO 「NOVEMBER」
         CamJazz / Europe / CAMJ7878 / 2014

November
               Joona Toivanen (p)
              Tapani Toivanen (b)
              Olavi Louhivuori (ds)

Joona1web  フィンランド出身でスウェーデン在住というヨーナ・トイヴァネンJoona Toivanen(1981年生まれ)のピアノ・トリオ作品。
 澤野工房からリリースされた『Numurkah』(ATELIER SAWANO 022 , Rec.Jan.2000)で日本にも知り渡ったのだが、当時は20歳前後の若者の作品で、その出来に驚嘆させられたというところだった。目下この作品は2014年収録のCamJazzからの第二弾。ようやく30歳代となっての作品なのだ。

 どうも私は近年は北欧のピアノ・トリオと言うと何となく愛着を感じてしまう。それは殆どが当たり外れがない叙情的な世界を感じさせてくれるためだ。このトリオの作品もその期待を裏切らない(メンバーは上記のとおりで、ベースのTapani Toivanenは弟で、ドラムスのOlavi Louhivuoriは同級生。フィンランドで結成されたトリオ)。

Novemberlist 収録曲は左のような十二曲、全てトリオ・メンバーのオリジナル曲というところが、意欲が強くかんじられるところ。
 1.”Moon illusion”冒頭から北欧の大自然を思わせる詩的にして美しき叙情的なピアノの調べが襲ってくる。
 そして4.”November”は、これから北欧の厳しき冬期を迎える大自然と人間の姿を叙情豊かな美しき姿として描いているかの如く世界に導かれる。
 5.”Duobal”、”Two steps aside”などでは、若きメンバーがジャズ・トリオ・ミュージックに正面から対峙して挑戦している姿が見える。これは叙情的世界と対比されて面白い。

Trio2_2
 技巧的にハッとする世界で無く、むしろ彼らの北欧における民族的生活経験や音楽学習から湧いてくる美旋律を演じていると言って良いのでは?。それが自然にやや暗い面と、未来志向の光明とミックスされてバランスのよいアルバムになっていると思うのだ。
 これからまだまだ成長して行く楽しみなトリオであると言えるのではなかろうか。

(試聴1)
    http://joonatoivanen.com/music/

(参考視聴)

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