聴き落としていたアルバム(5) ~ ビル・キャロザースBill Carrothers 「CASTAWAYS」
*この「聴き落としていたアルバム」シリーズは、諸々の事情で遅まきながら聴いたところ、なかなかの聴きどころのあったものを取りあげている~~~
内省的な抒情性が支配するピアノ・トリオ盤
<Jazz>
Bill Carrothers 「CASTAWAYS」
PIROUET / Germany / PIT3067 / 2012
Bill Carrothers (p)
Drew Gress (b)
Dre Pallemaerts (d)
All Tunes by Bill Carrothers except "Siciliano"by J.S.Bach
ビル・キャロザースのピアノの響きは何処か内省的というか、心に訴えてくると言うか、そんなところが魅力である。
名盤と言われるアルバムBill Carrothers 『After Hours Volume 4』 (Go Jazz Records/GO 6037 2)や、Dave King with Bill Carrothers『I've been ringing you』 (Sunnyside Communications/SCC 1336)を聴いての感動により、もう少し更にというところで2012年リリースのこのアルバムに手を付けてみたのである。
このアルバムは先日取りあげたDave Kingのアルバム『I've been ringing you』と期を一にして同年のリリース。こちらは彼のリーダー・ピアノ・トリオものである。 これが又期待を裏切らない。
M2."Siciliano" 、このアルバムでは唯一カヴァーでJ.S.Bachの曲だ(BWV1053)。これがピアノ・ソロの美旋律で始まり、それを支えるが如くのブラシによるドラムス・プレイ、更にベースも美しい情景を奏でる。この抒情的美しさは素晴らしい。これが彼の真髄でもある。
そしてそれはM5."Araby"も同様に非常に内省的とも言える世界が美しく展開する。
M3."Trees"は、トリオそれぞれがゆったりとした演奏で、その音の余韻を生かしての美が漂う曲。
又"Scottish Suite"は、まさにクラシックの延長線上にある感覚で、ジャズを織り込みながらもそれを超越した感覚になる組曲。
*
とにかくピアニスト Bill Carrothersが、Drew Gress(b)とDre Palleamaerts(ds)のメンバーをそろえて自己の世界を思うがままに演じたアルバムという印象だ。そこには彼独特の内省的とも言える世界が聴く者に共感を呼ぶが如く構築されている。
私のお気に入りはM2."Siciliano"あった。
(評価)
□ 曲・演奏 ★★★★★☆
□ 録音 ★★★★☆
(My Image Photo)
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