2022年 ジャズ・アルバム(インスト) ベスト10
2023年もスタートして、もう1月も終わろうとしているので、そろそろ昨年リリースされたジャズ・アルバムを取り敢えず整理しておきたい。そのうちに「ジャズ批評」誌でも、恒例の「ジャズ・オーディオ・ディスク大賞」が発表されるので、その前に私なりの独断と偏見によって、特に「INSTRUMENTAL部門」の「ディスク大賞」をここに挙げてみた。
なお評価はリアルタイムに当初聴いた時の感想によることにした(このブログに当初記載したもの)。後からいろいろと考えると迷うところが多いため、初めて聴いて評価したものを尊重する(現在はちょっと異った評価のものもあるが)。又「ディスク」を評価と言うことでも所謂「曲・演奏(100点満点)」と「録音(100点満点=これは一般的な音の良さで、録音、ミックス、マスターなどを総合考慮)」のそれぞれの評価の合算(200点満点)で評価し、又同点の場合は演奏の評価の高いものの方を上位に、更に両者とも全く同点のものは、現在の評価によって順位を付けた。
🔳1 Alessandro Galati Trio 「Portrait in Black and White」
(曲・演奏:95/100 録音:95/100 総合評価190点)
🔳2 Worfert Brederode Matangi Quartet Joost Libaart 「Ruins and Remains」
(曲・演奏:95/100 録音:95/100 総合評価190点)
🔳3 Angelo Comisso Alessandro Turchet Luca Colussi「NUMEN」
(曲・演奏:95/100 録音:95/100 総合評価190点)
🔳4 Kjetil Mulelid Trio 「who do you love most ?」
(曲・演奏:90/100 録音:92/100 総合評価 182点)
🔳5 Tord Gustavsen Trio 「Opening」
(曲・演奏:90/100 録音:90/100 総合評価180点)
🔳6 Helge Lien Trio 「Revisited」
(曲・演奏:90/100 録音:90/100 総合評価180点)
🔳7 Kit Downes Petter Eldh James Maddren 「Vermillion」
(曲・演奏:90/100 録音:90/100 総合評価180点)
🔳8 Giovanni Mirabassi 「Pensieri Isolati」
(曲・演奏:90/100 録音:88/100 総合評価178点)
🔳9 Joel Lyssarides Niklas Fernqvist Rasmus Svensson Blixt 「Stay Now」
(曲・演奏:90/100 録音:88/100 総合評価178点)
🔳10 Alessandro Galati Trio 「European Walkabout 」
(曲・演奏:88/100 録音:90/100 総合評価178点)
(考察)
年末に登場したAlessandro Galati Trio 「Portrait in Black and White」が、なんと1位を飾った。2位のWorfert Brederode 「Ruins and Remains」と同点であったが、ジャズ・アルバムとしての楽しさの評価を加味してこの順とさせて頂いた。
しかし、相変わらずAlessandro Galatiの演ずるところ、ジャズというものの奥深さと聴く人間との関係に迫ってくるところは素晴らしい。そんな意味では「European Walkabout」は、もう少し上位と今は考えているが、聴いた当初の評価がこうであったので10位に甘んじた。
Worfert Brederode 「Ruins and Remains」は、異色であるが彼の特徴が十分生かされた企画で驚きとともに上位に評価。
今年はTord Gustavsen の久々のトリオものの出現があって嬉しかった。ほんとは3位ぐらいかもと今となると思うのだが、Angelo Comisso 「NUMEN」とKjetil Mulelid Trio 「who do you love most ?」の実力ある素晴らしさに圧倒されてしまった。
Helge Lien のトリオものも嬉しかったが、曲が再演奏集というところで、こんなところに落ち着いた。
Kit Downes 「Vermillion」の品格のあるジャズには高評価を付けた。
Giovanni Mirabashiは、相変わらずのピアニストの演ずるレベルの高さが実感できた。
Joel Lyssarides 「Stay Now」この線の北欧世界に期待しての高評価とした。
なお、録音の質もかなり良くなってきているが、その出来から見ても、エンジニアとしては、やはりStefano Amerio(ArteSuono Recording Studio / Itary→)の活躍が抜きんでていた。私の偏りもあるが、ここに選ばれた10枚うち、なんと6枚が彼の録音によるものであったという結果に驚いている。
ジャズ演奏の最も基本的なインスト部門では、相変わらず本場米国を凌いでの欧州一派の健闘が昨年も圧倒していた。はてさて今年はどんなところに感動があるか楽しみである。
なお、この10アルバムは、このブログで取り上げているので詳しくはそちらを見ていただくと嬉しい限りである。
(試聴)
Alessandro Galati Trio 「Portrait in Black and White」
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