アンヌ・デュクロ

2020年4月15日 (水)

アンヌ・デュクロ Anne Ducros 「SOMETHING」

スタンダード曲を自己の世界に歌い上げるベテラン・ヴォーカル

<Jazz>

Anne Ducros, Adrien Moignard, Diego Imbert 「SOMETHING」
SUNSET RECORDS / IMPORT / SUN29 / 2020

Face20avant20something

Anne Ducros - Vocal
Adrien Moignard - Guitar
Diego Imbert - Double Bass

 フランスのアンヌ・デュクロAnne Ducros(アン・デュクロとも言われている)の最新アルバム。彼女をここで取り上げたのはもう6年前で、アルバム『Either Way from Marilyn to Ella』(NJ623611/2013)であった。彼女は1959年生れですから、もうなかなかのベテランで、当時も落ち着いたオーソドックスなヴォーカルに評価を付けていたのを思い出す。私にとっては久しぶりのアルバムで興味深く聴いたというところであった。
  このアルバムはスタンダードを歌い上げているが、ベース、ギターのみのバックであり、それだけでも彼女のヴォーカルの占める位置の大きさが解る。

(Tracklist)

1. The Very Thought of You
2. Something
3. Estate
4. Honeysuckle Rose
5. I Didn't Know What Time It Was
6. Nuages
7. Samba Saravah
8. I Thought About You
9. April in Paris
10. Your Song
11. Tea for Two
12. The Good Life

 かってチック・コリア(p)などとの共演作で話題を呼んだ彼女であり、ウィーン国際ジャズ・コンクールでも優勝したことがあるという、そんな経歴からもベテラン実力派のヴォーカリストということがうかがい知れるところである。

319106_10150293586563363_7171028_n

 スタートM1."The Very Thought of You"、そして ビートルズ1969年の「アビイ・ロード」ナンバーのM2." Something"のアルバム・タイトル曲と、静かなギターをバックに手に取るように聴けるしっとりとバラード歌を展開。それは誰をも心から包む魅力を発揮。
 そして圧巻はなんとM3."Estate"だ。これは多くのミュージシャンが取り上げているイタリアのブルーノ・マルティーノの曲で、私の好きな曲だけに注目度は高かったのだ。それがやはり静かにゆったりとしたバックのギター、ベースに彼女の編曲を凝らした展開を歌い上げる。特に中盤以降は彼女独自のオリジナル曲風に語り調を交えて歌い、いやはや暦年の実力派を知らしめる。
  M6."Nuages"も古い曲ですね、超スロー編曲でいやはや引き込まれますね。そしてM7." Samba Saravah"サンバも登場して雰囲気を明るくし、アルバムを通して聴いているものに変化を与える。
 M11."Tea for Two"の編曲も凄いですね、ハイテンポでギター・プレイと共に変調展開。こりゃ全く別の曲ですね
 M12."The Good Life"、アルバム最後曲らしく先への展開を夢見るグッバイである。

Anne20ducros201   久しく聴かなかったアンヌ・デュクロ、その健在ぶりを十分知ることが出来たアルバムであった。しかしスタンダード曲カヴァーと言っても、彼女の歌には往年の経歴によって培われた編曲の技が滲み出ていてオリジナル曲を聴いている感覚にもなる程であった。もう60歳を超えている彼女であるだけにその意味深な歌い舞わしも十分聴く価値があるアルバムである。

(評価)
□ 編曲・歌・演奏 : ★★★★☆  85/100
□ 録音                 :   ★★★★☆      80/100

(試聴)

 "Something"

| | コメント (2)

2014年1月 7日 (火)

アンヌ・デュクロ Anne Ducros 「Either Way from Marilyn to Ella」

安心して聴けるベテランの味に満ちている・・・・・

 

 昨年も結構実りのあった女性ヴォーカル・シリーズですが、今年も美女狩り得意の我が友人の力を借りつつなんとか続けて行きたいと思っています。まあ私が取り上げるからには少なからずも気に入ったところがあると見て下さい。そんなところでまずは意外に日本ではそれ程大きくは取り上げられてこなかったベテラン・ジャズ・シンガーを。

 

<Jazz> ANNE DUCROS 「Either Way from Marilyn to Ella」
              Naive Records   NJ623611  ,  2013

 

Eiterwayb

 

Anne Ducros(vo)
Benoit de Mesmay(p,background-vo)
Maxime Blesin(g,per,background-vo)
Gilles Nicolas(b,elb)
Bruno Castelucci(ds)

Guests:
Mamani Keita(vo on 6)
Emmanuel Bex(org,vo,vocoder on 13)
Renato Martins(per on 2,12,14)
Antoine Pierre(ds on 6,15)
Olivier Louvel(g on 10)
Anna Paula Fernandes(background-vo on 12)
Afy Lomama(background-vo on 12)
Olivier Temime(ts on 6)
New Art Strings Orchestra conducted by Alessandro Castelli(on 1,8,9,11)

 

Anne_ducros フランスの実力派女性ジャズ・シンガー~アンヌ・デュクロAnne Ducrosの2013年秋リリースの最新アルバム(7作目)。

 

 彼女は、1959年フランス北部の町、ブーローニュ・スール・メールの生まれというから、歳は数えてみれば解る(笑)ベテラン。十代から音楽学校で、オペラとかバロック音楽を学んでいたようだ。なんと27歳になってからジャズの演奏に魅せられ、リール大学で法律の勉強をしていたが、あの米国ジャズ・シンガーのエラ・フィッツジェラルド(1917.4.25-1996.6.15)を研究してジャズ・ヴォーカルを演ずるようになる。1987年、ウィーン国際ジャズ・コンクールで第一位を獲得、遅咲きの典型で30歳過ぎの1989年に初のアルバム「Don't You Take a Chance」を発表という経歴の持ち主。

 

1. You'd Be Surprised
2. My Heart Belongs To Daddy
3. Summertime
4. Spring Can Realy Hang You Up The Most
5. Either Way
6. But Not For Me
7. You'd Be So Nice To Come Home To
8. A Fine Romance
9. Thou Swell
10. I Wanna Be Loved By You
11. I'm Through With Love
12. Diamonds Are The Girl's Best Friend
13. Laura
14. Dindi
15. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)

 

 収録曲は以上15曲。とにかく彼女はエラ・フィッツジェラルドの信奉者なんでしょうね、このアルバムはタイトルからしても、あのマリリン・モンローも一目置いたエラへのトリビュートということか(もちろんマリリンにも)、そんなアルバムと言えそうなもの。
 とにかく彼女のこのアルバムにおけるヴォーカルはまさにオーソドックスで下手な小技はない。しかし収録の曲のタイプを十分研究しつくしてのことか、非常にアレンジに凝っていて、それによってみせるその歌い回しと技巧に加えて、エモーショナルな味付けは、やはりベテランの成せる技と言える。そしてスタンダード曲といえども彼女の唄だというところをみせつける。そんなところはお見事と言わざるを得ない。かなり低音には自信があるのだろう、高音を結構きかせながら次第に低音になるに従いスケールが広がってくる。
 しかし、このアルバムは特にバックに数曲はストリングスが入るが、主としてカルテット・パターンでビック・バンドでない分、彼女のジャズ・ヴォーカルの味を十分楽しめる。
 いずれにしても、女性ジャズ・ヴォーカルものを愛する人には一度は聴いてもらいたい充実感のある彼女のスケールを感ずる歌声である。

 

 

 

 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

Audio CLASSIC Progressive ROCK アイオナ アガ・ザリヤン アデル アヤ アレクシス・コール アレッサンドロ・ガラティ アンジェイ・ワイダ アンナ・マリア・ヨペク アンヌ・デュクロ アヴィシャイ・コーエン アーロン・パークス イエス イタリアン・プログレッシブ・ロック イメルダ・メイ イモージェン・ヒープ イリアーヌ・イリアス イーデン・アトウッド ウィズイン・テンプテーション ウォルター・ラング エスビョルン・スヴェンソン エスペン・バルグ エミリー・クレア・バーロウ エミール・ブランドックヴィスト エンリコ・ピエラヌンツィ エヴァ・キャシディ カレン・ソウサ ガブレリア・アンダース キアラ・パンカルディ キャメル キャロル・ウェルスマン キング・クリムゾン キース・ジャレット クィダム クレア・マーティン ケイテイ・メルア ケイト・リード ケティル・ビヨルンスタ コニー・フランシス コリン・バロン ゴンザロ・ルバルカバ サスキア・ブルーイン サラ・ブライトマン サラ・マクラクラン サラ・マッケンジー サンタナ サン・ビービー・トリオ ザーズ シェリル・ベンティーン シゼル・ストーム シネイド・オコナー ショスタコーヴィチ シーネ・エイ ジェフ・ベック ジャック・ルーシェ ジョバンニ・グイディ ジョバンニ・ミラバッシ ジョルジュ・パッチンスキー スザンヌ・アビュール スティーヴン・ウィルソン スティーヴ・ドブロゴス ステイシー・ケント ステファン・オリヴァ スノーウィ・ホワイト スーザン・トボックマン セリア セルジオ・メンデス ターヤ・トゥルネン ダイアナ・クラール ダイアナ・パントン ダイアン・ハブカ チャーリー・ヘイデン ティエリー・ラング ティングヴァル・トリオ ディナ・ディローズ デニース・ドナテッリ デヴィット・ギルモア デヴィル・ドール トルド・グスタフセン ドリーム・シアター ナイトウィッシュ ニコレッタ・セーケ ニッキ・パロット ノーサウンド ハービー・ハンコック パスカル・ラボーレ パトリシア・バーバー ヒラリー・コール ビル・ギャロザース ピアノ・トリオ ピンク・フロイド フェイツ・ウォーニング フランチェスカ・タンドイ フレッド・ハーシュ ブッゲ・ヴェッセルトフト ブラッド・メルドー ヘイリー・ロレン ヘルゲ・リエン ペレス・プラード ホリー・コール ボボ・ステンソン ポーキュパイン・ツリー ポーランド・プログレッシブ・ロック ポール・コゾフ マティアス・アルゴットソン・トリオ マデリン・ペルー マリリオン マルチン・ボシレフスキ マーラー ミケーレ・ディ・トロ ミシェル・ビスチェリア メコン・デルタ メッテ・ジュール メラニー・デ・ビアシオ メロディ・ガルドー モニカ・ボーフォース ユーロピアン・ジャズ ヨアヒム・キューン ヨーナス・ハーヴィスト・トリオ ヨーナ・トイヴァネン ラドカ・トネフ ラーシュ・ダニエルソン ラーシュ・ヤンソン リサ・ヒルトン リッチー・バイラーク リリ・ヘイデン リン・エリエイル リン・スタンリー リヴァーサイド リーヴズ・アイズ ルーマー レシェック・モジュジェル ロジャー・ウォーターズ ロバート・ラカトシュ ロベルト・オルサー ローズマリー・クルーニー ヴォルファート・ブレーデローデ 中西 繁 写真・カメラ 北欧ジャズ 問題書 回顧シリーズ(音楽編) 女性ヴォーカル 女性ヴォーカル(Senior) 女性ヴォーカル(ジャズ2) 女性ヴォーカル(ジャズ3) 寺島靖国 戦争映画の裏側の世界 手塚治虫 文化・芸術 映画・テレビ 時事問題 時代劇映画 波蘭(ポーランド)ジャズ 相原求一朗 私の愛する画家 私の映画史 索引(女性ジャズヴォーカル) 絵画 趣味 雑談 音楽 JAZZ POPULAR ROCK SONYα7