Progressive ROCK

2021年2月13日 (土)

ルネッサンス Renaissance 「Sight and Sound in Concert」

涙ものの映像のパーフェクト収録盤

<progressive Rock>

Renaissance 「Sight and Sound in Concert」
Live at Golders Green Hippodrome, London, UK 8th Jan.1977
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 70min.

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Annie Haslam : Vocals
Jon Camp : Bass, Vocal
Michael Dunford : Guitars, Vocal
John Tout : Keyboards, Vocal
Terence Sullivan : Drums, Percussion, Vocal

  かって我々がロックを愛し聴き入った1960-1970年代というのは、まずは英国はじめ欧米の彼らのライブ映像なるものは殆ど見ることが出来なかった。そこでアルバムに載っていた写真や雑誌などのミュージシャンの写真を見ながら、彼らの演奏を頭に浮かべ聴いていたものである。そもそもアルバムすら手にすることが難しかった事があったぐらいだから。
 ここに取上げたクラシックの要素を取り入れたプログレッシブ・フォーク・ロツクのルネッサンスRenaissanceの映像なんて考えてもみないところであった。とにもかくにもアニー・ハズラム (右下)の美しい声にうっとりしながら、聴き入ったものである。
 ところがここ10年の世界の情勢の変化は信じられないところに、このルネツサンスの1970年代ライブ映像を良好なプロショットものでYouTubeにより見ることが出来たのである。まあこんなことも一つの衝撃であった。私自身はもうこの何十年と彼らのアルバムからは離れて別の世界に現をぬかしていた訳であるが、こんな映像の出現で、昔をつい先日のように思い起こすのであった。

 そうこうして数年経ったわけであるが、最近ブート界を少々覗いていると、なんとその衝撃映像のパーフェクト盤が手に入るのではないか。こうして今日のブート映像によって、40年以上前のステージを遅まきながら見ているのである。

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1.Introduction
2.Carpet Of The Sun
3.Mother Russia
4.Can You Hear Me ?
5.Ocean Gypsy
6.Running Hard
7.Band Introduction
8.Touching Once
9.Prologue

 

 これは丁度私が最もお気に入りだったアルバム『Novella お伽噺』(1977)のリリース時のもので、上のような演ずる曲は注目の"Can You Hear Me ?"があり、アルバム3th『プロローグ』から7th『お伽噺』までの五枚のアルバムから選ばれている。1977年英国の音楽番組「Sight & Sound」用に収録されたもので、ロンドンBBCライブによる70分のパフォーマンスがプロショット映像でこうして観れるのだ。当時このようなものが観れたら日本中大騒ぎだったと想像に難くない。

   このRenaissanceというバンドは5人の構成で、アニー・ハズラムという女性ヴォーカルを前面に出して、彼女のクリスタル・ヴォイスが神秘的な香りを漂わせて聴く者を圧倒したわけだ。しかしのメンバーは3rdアルバム『Prologue』(1972)からで、1、2ndアルバムとは、全くの別グループ・メンバーで演じているのだ。
 本来の元メンバー(YARDBIRDSのキース・レルフそしてジム・マッカーティのリーダー・バンド)の一部はこの時から「ILLUSION」というバンドとなっている。しかし我々が日本にいて知ったバンドは、実はこの二代目の方の(新)Renaissance からのメンバーもの (下)であったのである。従ってここに収録されている曲も人気を博した二代目による3rdアルバムからのものである。

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  いずれにしてもリーダーであるマイケル・ダンフォード(G)(上左)のオリジナル曲を中心に展開されており、彼は総入れ替えした前期バンド・メンバーとの関係と彼自身が放送作家へと歩み始めていた時で、表には出ずバックにいた頃(3rd, 4thアルバム)の表舞台のメンバーと共に、晴れてこうして堂々と演ずるライブは頼もしい姿だ。

 当然注目曲はM4."Can You Hear Me ?  私の声が聴こえますか?"だが、アルバムでは、オーケストラ、混声合唱団とクラシック風の展開、そしてアニーのクリスタル・ヴォイスが物語調に流れる。その美しさと日本に無い異国の神秘を感じつつ聴いたものだった。ここではそのオーケストラ、混声合唱団は無いが、ジョン・タウトのキー・ボード、マイケル・ダンフォードのカッティング演奏のギター、ジョン・タウトのベースがしっかりその演ずる姿と音を聴きとることが出来、むしろアニーのヴォーカルの占める位置も多くなり、ドラムスのテレンス・サリバンが頑張っている様子も解って楽しい。アルバムでのこの後に続く曲"The Sisters"の美しさと、"Midas Man"のダイナミックな演奏が無いのが寂しいくらいである。
861749098963d86e351502bf14b786a6  『運命のカード』(1975)からのM3."Mother Rssia "は、ジョン・タウトのピアノとダンフォードのギターが美しい。そしてM5."Running Hard"では、ピアノ・プレイがたっぷり聴くことが出来る。
 こうしてみているとアニーはあまり歌っているときは表情を変えずに、ややクールな出で立ちだったことも解る。


   そして近年のアニーの活動等には殆ど接していなかった私であり、ルネッサンスというのは、1970年代の"私の想い出のバンド"であって、そのことだけで満足してきたのである。このライブ映像はそれを十二分に思い起こさせてくれるものであった。当時何故あれ程このバンドに魅力を感じて心が躍ったのか、そして一方心の安らぎを感じたのかは解らないが、40年経ってみてもこうして当時の心が蘇り楽しめることは嬉しいことだ。
 

(評価)
□ 選曲・演奏   90/100   
□ 映像・音質   85/100
 
(視聴)   

 Renaissance "Can You Hear Me ?" (1977)

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2021年2月 8日 (月)

フェイツ・ウォーニング Fates Warning 「LONG DAY GOOD NIGHT」

メタル色を失わずに、希望と不安の世界を描く
・・・・遂に13枚目のアルバム登場

 

<Progressive Metal Rock>

Fates Warning 「LONG DAY GOOD NIGHT」
Metal Blade / Import / MTB1573522 / 2020

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レイ・アルダー (Ray Alder) - Vocals(1987年− ) 
ジム・マテオス (Jim Matheos) - Guitars (1982年− ) 
ジョーイ・ヴェラ (Joey Vera) - Bass (1996年− ) 
ボビー・ジャーゾンベク (Bobby Jarzombek) - Drums (2007年− ) 
(Support)
マイケル・アブドウ (Michael Abdow) - Guitar (2013年、2016年− )

 

  久々の登場で、少々興奮気味だがプログレッシブ・メタルの元祖Fates Warningの13枚目のスタジオ・アルバムの登場だ。彼らは1984年デビューからオリジナル・メンバーはジム・マテオスのみであるがバンドとして35年以上のキャリアを誇る。そしてレイ・アルダー加入時のアルバム『NO EXIT』(1988)(下左)に惚れ込んで以来の付き合いは深くなった。一世を風靡したドリーム・シアター、クイーンズライクに影響を及ぼした彼らの作風は、あのプログレッシブ・ロックが崩壊した時に、ロック界の一時期を守ったとも言える。
   ここで取上げるのも、2014年『Darkness in a Differrent Light』以来の7年ぶりだ。
 その彼らの復活の第二弾、バンドの頭脳ジム・マテオス(G)とレイ・アルダー(Vo)によって造られたという13曲。かってのマーク・ゾンダー(Dr)の存在も大きかったと思われるプログレ色がここでどうなのかというのも興味があるが、それにつけてもアーマード・セイントのジョーイ・ヴェラ(b/1997年から)と元ライオットのボビー・ジャーゾンベク(dr/2007年から)という布陣も期待度を高める。

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   私的には残念であるのは、この復活前もそうであったが、かってドリーム・シアターのキーボード・ケビン・ムーアの加盟した頃(アルバム『Pleasant Shade Of Gray』(上中央)、『DISCONNECTED』(上右))のサウンドが消えていることである。実はこの頃が最も懐かしいのだが、このアルバムもキーボード・レスでのバンド・スタイルを貫いていて・・・現行バンドとしては、それは意識外のようだ。

(Tracklist)

1.The Destination Onward
2.Shuttered World
3.Alone We Walk
4.Now Comes the Rain
5.The Way Home
6.Under the Sun
7.Scars
8.Begin Again
9.When Snow Falls
10.Liar
11.Glass Houses
12.The Longest Shadow of the Day
13.The Last Song

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 いずれにしても、複雑なリズムを好むプログレッシブ・ロック、そしてそこに宿る内省的な精神性はやはり感じられ、しかもヘヴィメタルの圧倒的パワフルな演奏も十分存在していた。まさにプログレッシブ・テクニカル(パワー)・メタルだ。そして中期後期のややダークなイメージもあって、所謂フェイツ・ウォーニングというのはそのまま存在していたのは嬉しい。
800pxfates_warning1w  しかしあの何処までも伸びるレイ(→)のハイトーンのヴォーカルは、やはり後退していたのはやむを得ないところである。それは『FWX』(2004)でもみられていたことだから。
  このバンドは、2016年、プログレッシブ・メタルの色づけが決定的となった3rdアルバム『 Awaken the Guardian』(1986)の発売30周年を記念して、当時のメンバーが集結し同作の完全ライブを再現。これがリユニオンだった。
 私の場合は、マーク・ゾンダーが加入したアルバム『Perfect Symmetry 』(1989)以降のプログレッシブ・ロックの要素がさらに強まった頃の技巧派のスタイルに魅力を感じてきていたのだが、そのあたりとの比較ではヘヴィメタル要素は、このアルバムでは寧ろ復活しているところもある。

 M1."The Destination Onward"では静かな深遠なるスタート、そして重量感のあるドラムス、泣きに近いギター、情感のヴォーカル。中盤以降にハイテンポに転調、フェイツ・ウォーニングの特徴を十分示してくれている。
 M2.M3.あたりは、ヘビーメメタル色をみせる。
 M5."The Way Home"は、聴き所の曲。バラード・ヴォーカルで聴かせ、ジャジーなギター、更に変調してメリハリのあるロックへ。最後はヘビー・ロックの要素を入れて終わるというナイスな曲。
 M6."Under The Sun"は珍しくストリングスの調べ、ゆったりとしたロック、そしてアコギ、エレキが心に響く。
 M9."When Snow Falls"は、マテオス・レイ・コンビの曲だが、メンバー交代の色づけ曲、このアルバムではロック・アルバムとして良いムードで聴かせる。

1280pxfates_warning2w   私の一押しの曲はマテオス(→)の曲・歌詞の M12."The Longest Shadow of the Day"ですね。11分25秒の長大曲であるが、静かなギターで始まり、どちらかというとオルタネティブ・ジャズのパターン。ほぼインスト曲でスタート。中盤は次第に疾走パターンに変調し、再び静かなスローテンポの世界。そして6分あたり経過してレイの訴えるようなヴォーカル、やや泣きに近いギターと要素がたっぷり。次第にテンポは上がってロック世界を築く。プログレ・メタルの面目躍如。

  最後のM13."The Last Song"は、美しく優しいアコギでスタート、レイのヴォーカルも語るような落ち着きがあり、絶叫は無く一つの信念を得たかの如き、どこか落ち着いた世界。昔、ロジャー・ウォーターズがよくやった手法ですね。

 どちらかというとやや暗めの世界。曲は多彩なロックのパターンに支えられ、変調も加味して飽きさせない。時に襲ってくるヘビー・メタルなサウンドがアルバム全体のメリハリに貢献し、プログレッシブな要素をちらつかせながらの精神的な内面の世界に迫る曲構成。しかし曲の質感としてキーボード・レスが少々寂しく、プログレ色がやや後退している。
 又、ツアーギタリストのMike Abdowがソロパートでゲスト出演して味付けに厚みをだし、M9."When Snow Falls"ではPORCUPINE TREEのGavin Harrison(Dr)がゲスト出演、これもちゃんと曲の色合いに変化と味わいを付けていて、単調さを回避している。
 久々に、プログレ・メタルの世界が、高度化した演奏と曲の良さで堪能出来るアルバムに仕上がっている。

( 参考 Fates Warning : Discography)

『ナイト・オン・ブロッケン』 - Night on Bröcken (1984年)
『スペクター・ウィズイン』 - The Spectre Within (1985年)
『アウェイクン・ザ・ガーディアン』 - Awaken the Guardian (1986年)
『ノー・イグジット』 - No Exit (1988年)
『パーフェクト・シンメトリー』 - Perfect Symmetry (1989年)
『パラレルズ』 - Parallels (1991年) 
『インサイド・アウト』 - Inside Out (1994年)
『プレザント・シェイド・オブ・グレイ』 - A Pleasant Shade of Gray (1997年)
『ディスコネクテッド』 - Disconnected (2000年)
『FWX』 - FWX (2004年)
『Darkness in a Different Light』 (2013年)
『セオリーズ・オヴ・フライト』 - Theories of Flight (2016年)
『ロングデイ・グッドナイト』- Long Day Good Night (2020年)

 
(評価)
□ 曲・演奏・ヴォーカル  88/100
□ 演奏          85/100

(視聴)


*

 

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2021年1月 7日 (木)

EL&Pからブニアティシヴィリ、ブレンデル、プレヴィンの「展覧会の絵」

ムソルグスキーの前衛性からの世界は・・・・

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 ロシアの作曲家ムソルグスキー(Modest Petrovich Mussorgsky, 1839.3.21 - 1881.3.28)は、民族主義的な芸術音楽の創造をした作曲家集団「ロシア五人組」の一人だ。ロシアの史実や現実生活を題材とした歌劇や諷刺歌曲を書いた。歌劇『ボリス・ゴドゥノフ 』や管弦楽曲『禿山の一夜』、ピアノ組曲『展覧会の絵』などが代表作だ。

 ここで取上げる組曲『展覧会の絵』(1874年作曲、楽譜は10年後にリムスキー・コルサコフにより編集出版)は、19世紀ロシアの生んだ最も独創的なピアノ音楽とされている。絵画にちなび彼の世界で発展させた10の楽曲と、全曲の冒頭と曲間に変奏されながら挿入される「プロムナード」より構成された曲。ムソルグスキーならではの独創性が全曲に漲っていて、その音楽的前衛性によって現代においても過去の物にならない。フランス印象派をはじめ各方面に大きな影響を及ぼした。民主主義的な理想のために闘う前衛的なロシア・リアリズムが宿っている。

 そしてそれは現代に於いてロックからクラシックに至る世界で重宝がられているのだ。ここでこの新年に聴いた四枚のアルバムを紹介したい。

█ 「展覧会の絵」 ロック盤

<Rock>
(DVD 映像盤)
 EMERSON,LAKE & PALMAR 
「MONTREAL 1977 COLLECTORS' EDITION」
Olympic Stadium,Montreal, Quebec   PRO-SHOT

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 EL&Pはクラシック曲をロックにアレンジしたグループの代表格だが、このムソルグスキーの「展覧会の絵」やチャイコフスキーの「くるみ割り人形」、アルベルト・ヒナステラの「ピアノ協奏曲第1番」などだ。
 これはもともとこのコンセプトはエマーソンがEL&P結成以前に在籍していたザ・ナイスで行ってきたもの、それがEL&Pに引き継がれたいた。

 これは1977年のオーケストラ共演ツアーのモントリオール公演のライブ映像版。かってライブアルバム『IN CONCERT』としてお目見えしたものだか、現在廃盤。そこで実際にショーどおりに再編集してのバージョンを加えての復刻版。
 とにかく「Pictures at an Exhition 展覧会の絵」が素晴らしい。ロックを過去のクラシックにプログレさせたという離れ業。しかもオーケストラを競演させるというエマーソンの野望の結晶。

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  EL&Pのバンド構成は、キーボード、ベース(ボーカル)、ドラムの、いわゆるキーボード・トリオである。所謂ロック・サウンドには、あの歪んだ破壊的パワーを出すギターは欠かせないものだが、このバンドの構成の場合はギター・サウンドはない。ときにベースのレイクがアコギを使う程度。そしてキーボード・プレイヤーはステージを自由に動き回れず、ロックにとって大きなインパクトとしてのパフォーマンスに制約が大きい。

 しかしキーボードのエマーソンは、ハモンド・オルガンでは攻撃的な音出しに成功し、モーグ・シンセサイザーの音色をうまく取り入れた。C-3とL-100という2台のハモンドオルガンを使い、L-100の出力にギター・アンプを使って破壊的なサウンドを出した。又アンプに近づけてノイズを出したり、鍵盤の間にナイフを突き立てて二つの鍵盤をオンにするエマーソン独特のパフォーマンスにより攻撃的・破壊的イメージ作りをした。さらに演奏面でも「PIANO CONCERTO No.1」にみるように、オーディエンスを虜にした。

 レイクもヴォーカルでの魅力も訴えたし(「C'EST LA VIE」)、パーマーとのドラムスも迫力演奏(「TANK」)。こうしてEL&Pは70年代末期に頂点に立った。しかしこの1977年のパフォーマンスがその後の彼ら自身に重圧となる。
 こんな衝撃は今のロック界では観られない。そんな意味でも貴重盤だ。

 

 

█ 「展覧会の絵」クラシック盤 (1)  ピアノ組曲版

<Classic>

Khatia Buniatishvili  「KaLEidoScope」
Sony Classical / EU / 2016

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Khatia Bunatishvili : piano

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1. Modest Mussorgsky / PICTURES AT AN EXHIBITION
2. Maurice Ravel / LA VALSE
3. IGor Stravinsky / THREE MOVEMENTS FROM PETRUSHKA

   いまや売れっ子のピアニストKhatia Bunatishviliの異端のクラシック・アルバム。この新年の冒頭に当たり、彼女のメリハリのあるピアノ演奏を聴き込みました。
 このアルバムは、既にここで取上げているのでそちらへ (↓)
   (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/khatia-buniatis.html

 

█ 「展覧会の絵」クラシック盤 (2)  ピアノ組曲版

<Classic>

ALPRED BRENDEL 「PICTURES AT AN EXHIBITION」
PHILIPS / JPN /PHCP-1157 / 

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Alfred Brendel : piano
Recorded on 1985

Alfredbrendelb2   もともとのこの「展覧会の絵」はこのピアノ版であるピアノ組曲であるのだが、それはムソルギスキーが、彼の友人の急進的建築家ヴィークトル・ハルトマンの遺作展から影響を受けて作曲されている。原題は《展覧会からの絵》という意のようで、ハルトマンの絵をそのまま音楽において描出した訳ではなく、あくまでそこからインスピレーションを受けて彼の世界から作られた楽曲という。

  そしてこのブレンデルの演ずるところは、ブニアティシブィリと違ってどちらかと言うと、優しさに溢れているという印象。何度となくよく聴いてきたアルバム。

 

 

█ 「展覧会の絵」クラシック盤 (3)  オーケストラ版

<Classic>

ANDRE PREVIN , Wiener Philharmoniker 
「PICTURES AT AN EXHIBITION」

PHLIPS / Germ. / 416 296-2 /

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Wiener Philharmoniker 
conducted by ANDRE PREVIN

Live Recording , Musikvereinssaal , Wien, 20&21/4/1985

Previn219x219  これはラヴェルによるオーケストラ版「展覧会の絵」を、アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏したアルバム。指揮者によってはこうしたオーケストラ版においては、原曲のピアノ組曲のロシア的世界に近づけるものと、あくまでもオーケストラ版としてのラヴェル的世界に広げる者と居るようだが、プレヴィンは特にどちらかにも偏らず、彼の世界で演じたようである。テーマが変わる間にプロムナードという散歩的繋ぎを挿入した組曲だが、そのプロムナードがそれぞれの状況や心理を描くに役立ったところをプレヴィンはかなり慎重に描いているような印象である。


█ 我々が受けるところとしては、オーケストラ版よりは、ピアノ版の方がスリリングな印象であり、その辺はこうして比べて聴いていると面白い。そこに更にEL&P版のようなロックで迫ってみると、これ又ムソルグスキーの世界が印象深くなってくるのである。

 ムソルグスキーに関して・・・・当時ロシアには、「移動派」という民主主義的な理想を求めての闘う前衛的なロシア・リアリズム美術の画家集団が存在していて、この運動を、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフといったロシアの歴史的作家たちは擁護したのだが、音楽界ではムソルグスキーのみ支持したというのだ。こんな貴族生活から大衆の世界に根を下ろした彼の心が前衛的な曲作りに向かわせたのか、興味ある「展覧会の絵」なのである。音楽というものもその時代の中で生きて存在しているところに価値はあるのだと思う次第だ。

(視聴)
EL&P

  

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Khatia Buniatishvili

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Alfred Brendel

 

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2021年1月 2日 (土)

2021年の幕開け -「原子心母」「原子心母の危機」

今年は辛丑(かのとうし)年(牛)・・・・・「帰馬方牛」を願いつつ

「帰馬方牛」
戦争が終わって平和になることのたとえ。
または、二度と戦争をしないことのたとえ。
戦争のための馬や牛を野性にかえすという意味から。
(殷の紂王を討ち取った周の武王は、戦争で使った馬を崋山の南で放ち、牛を桃林の野に放って二度と戦争に用いないことを示した故事から)
出典 『書経』

 2019年は全世界「コロナ渦」にのまれ、影に隠れていた世界情勢、そして日本の情勢には、甚だ疑問の姿を感じざるを得ない。歪んだポピュリズム、ナショナリズムの台頭、戦後の平和を維持するリベラリズムに対しての新自由主義の負の部分の支配、人種問題。そして日本での安倍政権以来顕著となった政府の独裁化と道義崩壊、対近隣諸国との政策の危険性、原子力政策の危険性、国民無関心化の助長などなど、新年に当たって多くの問題を考えざるを得ない。

 「丑(牛)」にちなんで、Pink Floyd「原子心母 Atom Heart Mother」そしてMORGAUA QUARTET「原子心母の危機 Atom Heart Mother is on the edge」へと流れるのである
 それはウォーターズの"人間と社会への不安"から荒井英治の"音楽は現実から逃避してはならない"へとの流れである。

 

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   「原子心母」 Atom Heart Mother
    Harvest / UK / SHVL-781 / 1970

 
 (Tracklist)

    1. Atom Heart Mother, 2.If, 3.Summer'68, 4.Fat Old Sun, 5.Alan's Psychedelic Breakfast 



1970年発表。
 全英チャート初登場1位、全米でも55位を記録するなど世界的にヒットして、ピンク・フロイドを世界的バンドとして押し上げられたアルバム。
 プログレッシブ・ロックというものを世界をはじめ日本でも認知させた。
 ここには、ペース・メーカーで生き延びている妊婦を見てのウォーターズの人間観から生まれた不思議なタイトル「原子心母」、ロックとクラシック更に現代音楽を融合させたロン・ギーシン。そして既にB面には、ウォーターズにまつわる人間や社会への不安が頭を上げ、それを美しく歌ったM2."If"が登場、これ以降彼の曲はその不安との葛藤が続くのである。M4."Fat Old Sun"はギルモアのギターによる音楽的追求が始まっている。
 アルバム『モア』以降、ギルモアを呼び込んでバンド造りに努力したウォーターズ。しかし四人の音楽感の違いから分裂直前であったが、この『原子心母』ヒットで彼らは嫌が上でもバンド活動を続け、その後の『おせっかい』、『狂気』と最高傑作に向かう。

 

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  <Classic> MORGAUA QUARTET
 「原子心母の危機」 Atom Heart Mother is on the edge
     日本コロンビア/ JPN / CD-COCQ85066 /2014


 

 


(Tracklist)
1. レッド(キング・クリムゾン) Red(King Crimson)
2. 原子心母(ピンク・フロイド) Atom Heart Mother(Pink Floyd)
3. 平和~堕落天使(キング・クリムゾン) Peace~Fallen Angel including Epitaph(King Crimson)
4. ザ・シネマ・ショウ~アイル・オヴ・プレンティ(ジェネシス) The Cinema Show~Aisle of Plenty(Genesis)
5. トリロジ-(エマーソン・レイク&パーマー) Trilogy(Emerson Lake and Palmer)
6. 危機(イエス) Close to the Edge(Yes)
    i) 着実な変革 ⅱ) 全体保持 ⅲ) 盛衰 iv) 人の四季 
7. ザ・ランド・オブ・ライジング・サン(キ-ス・エマ-ソン) The Land of Rising Sun(Kieth Emerson)

Arai0618 MORGAUA QUARTET
荒井英治(第1ヴォイオリン、東京フィル交響楽団ソロ・コンサートマスター)
戸澤哲夫(第2ヴォイオリン、東京シティ・フィル管弦楽団コンサートマスター)
小野富士(ヴィオラ、NHK 交響楽団次席奏者)
藤森亮一(チェロ、NHK 交響楽団首席奏者)

編曲:荒井英治
録音:2013年 9 月 30日、2014 年1月27日、2月7日、クレッセント・スタジオ

   プログレ至上主義者、ヴァイオリンの荒井英治による入魂のアレンジにより、クラシック・カルテットの演奏アルバム。宣伝文句は「この危機の時代に、新たな様相で転生するプログレ古典の名曲群」で、まさにそんな感じのアルバム。
 このモルゴーア・カルテットは、ショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲を演奏するために結成されたカルテット。東大震災に衝撃を受けたキース・エマーソンが書き上げたピアノ小品の弦楽四重奏編曲に荒井英治(第1ヴァイオリン)は心を打たれた。震災に伴っての世紀の世界的人災「福島の危機」とピンク・フロイドの「原子心母」、そしてその同一線上にクリムゾン「レッド」、イエス「危機」を見ることで、このアルバム製作となったと。

「音楽は現実からの逃避になってはならない。逆に立ち向かうべきことを教えてくれるのではないか」 (荒井英治)

 

(視聴)

pink floyd "Atom Heart Mother"

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morgaua quartet "Atom Heart Mother is on the edge"

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morgaua quartet "atom heart mother"

 

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2020年10月 5日 (月)

ロジャー・ウォーターズ Roger Waters 映像盤「US + THEM」

幼い少女の死を描きつつ・・訴えるロジャーの世界が展開

<Progressive Rock>

[Blu-Ray DISC] Roger Waters 「US + THEM」
A FILM BY SEAN EVANS and ROGER WATERS

Sony Musuc / JPN / SIXP 40 / 2020

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 "Creative Genius of Pink Floyd(ピンク・フロイドの創造的鬼才)"と言われるロジャー・ウォーターズのまさしく史上最高のツアーの一つと評価された『US+THEM』ライブ映像版である。かねてから、世界各所限定劇場公開などで話題になった映像のBlu-Rayのサラウンド・サウンド集録盤だ。このツアーは全世界で230万人を動員したと言われるが、その2018年6月アムステルダム公演の収録である。

(Tracklist)

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2.Speak To Me
3.Breathe
4.One of These Days
5.Time
6.Breathe (Reprise)
7.The Great Gig in the Sky
8.Welcome to the Machine
9.Deja Vu
10.The Last Refugee
11.Picture That
12.Wish You Were Here
13.The Happiest Days of Our Lives
14.Another Brick in the Wall Part 2
15.Another Brick in the Wall Part 3
16.Dogs
17.Pigs (Three Different Ones)
18.Money
19.Us & Them
20.Brain Damage
21.Eclipse
22.The Last Refugee (Reprise)
23.Deja Vu (Reprise)

ボーナス映像:
"FLEETING GLIMPSE" Documentary
"COMFORTABLY NUMB" (Live Performance)
"SMELL THE ROSES" (Live Performance)

収録2時間27分

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 ここでは何度か既に取上げてきたライブだが、2017年から世界各国1年半に及ぶ『死滅遊戯』以来25年ぶりの新作『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?』に伴うワールドツアーであったが、『狂気』『炎』『アニマルズ』『ザ・ウォール』等からのピンク・フロイド時代の名曲というか、彼が当時情熱を込めたメッセージが今にしても通用するところに焦点を当て、例の如く光の洪水、最新テクノロジーによる最新鋭の巨大LEDスクリーンに映し出される"幼き女の子の死においやられる世界"、そして人権、自由、愛を訴える映像とともに、最高のサウンドと一般のコンサートとは異なる劇場的な演出で甦みがえらせる。最後は突然スクリーンとは別に、観客の上部にアルバム『狂気』のジャケット・アートそのものの7色のレーザー光線が作り上げるピラミッドの美しいトライアングルが浮かび上がって、観衆を驚かせる。

一方この数年来のトランプ政治にみる情勢に痛烈なネガティブ・メッセージを、彼の世界観から訴えた。

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 このライブは、2017年5月26日米カンザスシティよりスタート、2018年12月まで約1年半に渡って行われたワールド・ツアー。北米、オーストラリア、ニュージーランド、欧州、ロシア、南米、中南米と(残念ながら日本公演なし)廻り全156回、230万人の動員を記録。このツアー・タイトルはピンク・フロイドが1973年に発表したアルバム『狂気(The Dark Side of the Moon)』の収録曲の"Us and Them"から来ているが、基本的に当時と変わらぬ"我々と彼ら"という分断に批判を呈して、我々も彼らも一緒でなければならないという訴えであり、そこにトランプ政策への戦いを宣言して、それで"Us +(プラス) Them"としての世界を訴えたのだ。又ここ何年間の彼のテーマである中東パレスチナ問題にも焦点を当てている。

 もともと彼の持つ疎外感に加え、人間社会に見る苦難・破壊・滅亡について彼が何十年も前から訴え続けている厳しい警告をも織り込んでいるところが恐ろしい。

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 さらに加えて、宗教、戦争、政治が引き起こす現在進行形のさまざまな問題への異議を唱えるメッセージが次々に映し出されていく。そこには特にここ何年と訴えてきたパレスチナ問題を中心に、中東で今起きている諸問題にも警告を発する。

 ロジャーが提示しているのは、社会悪の"戦争"というものである。今知るべきは、中東で難民化しているパレスチナ、シリア等の人民の姿だ。母国の独裁から逃れるべく幼い娘との逃避行で海辺へと向かうが、その最愛の幼き娘を逃避行の失敗により失ってしまう。自分は難民の生活の中からフラメンコの踊り子として生きているのだが・・・幸せは無い。こんな悲惨な一般市民の人々を生み出してゆく戦争の無残さ、悲劇をこのライブ全体を通して一つのテーマとして描いているのも、戦争で父親を幼きときに失ったロジャーの一貫した反戦思想の姿である。
 このことは、彼の近作からの曲"The Last Refugee"にみるスクリーンの映像に描かれる。そこにはAzzurra Caccetta(上)の見事な踊りと演技が会場に涙と共に訴える。

 とにかくライブ会場のトリックも見応え十分だ。曲"Dogs"では、想像もつかないアリーナのど真ん中を分断する壁を出現させ、かってピンク・フロイド時代にヒプノシスと決別して彼自身がデザインした『アニマルズ』のジャケットにみたバタシー・パワー・ステーション(発電所)が出現する。テーマは、アメリカ大統領への痛烈なメッセージである。なんとトランプを豚にたとえ「Fuck The Pigs」(ブタども、くそ食らえ)の看板も掲げる。曲"Pigs(Three Differrent Ones)"では、"トランプ大統領"を批判しこき下ろす映像に加えて"空飛ぶ豚"が会場中を旋回する。
  あの物議をかもした1977年という45年も前の問題作『アニマルズ』が、今にして生きていることに驚くのである。

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 ここまで演ずるものは、あらゆるロック・ショーではとても見られない「ロジャー・ウォーターズ独特の世界」であり、その迫ってくる会場においては飽きるところを知らないのである。

  このライブ映像は編集された作品として、2019年10~11月にかけて世界各所で映画上映として公開された。今回発売されるBlu-ray・DVDには、映画版には収録されていなかった曲の"コンフォタブリー・ナム", "スメル・ザ・ローゼス"のライヴ映像2曲、そして、ツアーの舞台裏を公開するドキュメンタリー・フィルム『ア・フリーティング・グリンプス』がボーナス映像として収録されているのも嬉しい。

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 ライブ・バンド・メンバーは10名編成バンドで、重要なギターはお馴染みのデイブ・キルミンスター(上左)に加えて人気のジョナサン・ウィルソン(上中央)のツイン構成。そしてジョン・カーリン(上右)がキー・ボードを中心にマルチなプレイヤーぶりを発揮。また、女性ヴォール陣はLUCIUSの二人、又サックスは長い付き合いになっているイアン・リッチー。2年間通して同じメンバーでやりきった団結力も見事であった。

 このライヴに見るものは、ロジャー・ウォーターズがミュージシャンであると同時に総合エンターテイナーであり、ミュージックを単なるミュージックに終わらせない政治的批判発言者であり闘争者でもある事実だ。しかし究極的にはUSとTHEMの「団結と愛」を訴えるところに悲壮感も見え隠れする。
 

(参考視聴)

 

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2020年7月22日 (水)

ピンク・フロイドの「the best of tour 72」の完全版の出現

まだまだ続くピンク・フロイドの「72'レインボーシアター名演」の完璧録音盤への道

 

<Progressive Rock>

PINK FLOYD  「LIVE  THE BEST OF TOUR72  - DEFINITIVE EDITION」
Sigma / ITA-JPN / Sigma 249-1,2 /2020

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Rainbow Theatre, Finsbury Park, London , UK  20th February 1972

(Tracklist)

Uktour <Disc1>  (74分14秒)
Breathe

Variation Of "On The Run"
Time
Breathe Reprise
Variation Of "The Grate Gig In The Sky" Part One
Variation Of "The Grate Gig In The Sky" Part Two
Money
Us And Them
Any Colour You Like
Brain Damage
Eclipse
One of These Days
Careful with  That Axe, Eugene 

<Disc-2> (66分49秒)
Tuning
Echoes
A Sauceful Of Secrets
Blues
Set The Controls for The Heart Of The Sun

 ここにフロイド・ファンにとっては、かけがいのない「72年レインボーシアターライブ」(右上)の決定版アルバムの出現をみた。
   これは1972年の冒頭を飾る「UK TOUR '72」において、1年後にリリースした彼らの最も最高傑作のアルバム『The Dark Side of The Moon狂気』の全容を、初めてステージで公開した最も注目されるライブであった (これは前年71年の11月29日から12月10日までロンドンのDecca Studiosにてアルバムとライブの為にデモ・レコーディングを行い、'72になって1月17-19日リハーサルを行い、1月20日からUKツアーをスタートさせ、2月20日に打ち上げたもの)。 つまりその最終日の録音ものだ。
  更に注目は、この直後3月には「JAPANESE TOUR」を(東京、大阪、京都、横浜、札幌)行ったのだっだ。しかし当然日本ではまだ知らざる曲の披露で戸惑ったというのも事実であった。

 そしてこのアルバムを語るには、少々歴史を語る必要があり、下のこのライブを収録したアルバムに話しを持って行かざるを得ない。

█ PINK FLOYD 「Live , THE BEST OF TOUR' 72」Lp11973 (→)
  We Did It For You / UK / LP / 1973

 ピンク・フロイドの多くの歴史的名ライブ録音盤の中でも、ファンにとって貴重で5本の指に数えられるものの一つが、注目の1972年2月20日のレインボーシアター公演を収録したこのコレクター盤(当初はLP、後に当然CD化された)である。これは翌年1973年リリースの世紀の名盤『The Dark Side Of The Moon 狂気』の原型が聴けるとして注目されたもの。以来この50年近く、このアルバムに関してはLP盤、CD盤、別テイク盤も含め、音質の改善がなされつつ現在解っているところでもなんと61枚が手を変え品を変えリリースされてきた。
   非公式音源盤(Bootleg)であるが、この"親子ブタ"のジャケは、知る人ぞ知る忘れられない逸物だ ( 右のように、ジャケ表には何の文字も無いのが初期LP盤の特徴。アルバム『原子心母』の"牛"は傑作と言われているが、それにも匹敵する出来映え)。

 そしてこのブート盤は幾度となく改良が加えられてきたが、更なる改良が加えられた"究極の完全版"といえる代物が、なんと今年になってイタリアと日本の力によってリリースされたのだ。それがここで取上げる「 DEFINITIVE EDITION」と名付けられたものだ。ピンク・フロイド専門レーベル「Sigma Records」 からのもので、それが今日のテーマである。


 私が以前から所持しているこの改良版CDは、既に音質の良さから究極のモノとされている「THE SWINGIN' PIG RECORDS」の"TSP-CD-049"盤 PINK FLOYD「LIVE」(1990年↓)であるが、これはこのライブの中の第一部での公式アルバム『The Dark Side of The MOON 狂気』(1973)に関する音源のみを収録したものだ。従ってその他のこの日の演奏曲は入っていない、それでも私は満足していたのだが・・・更に全容を求める声もあった。
 更にこの名盤でも、フロイド・ファンなら良く聴くと解るとおり、編集では上手く繋いでいるのだが、曲("time"、"eclipse"など)の一部、音の欠落している部分が少々あったりしている。従ってこんな感動モノでありながら更にその上を求めるのがファン心。

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Japantourx  そもそも、ピンク・フロイドは、ライブ演奏を繰り返しながら曲を完成させてゆくバンドであり、この名盤『The Dark Side of The MOON 狂気』がリリースされたのは1973年3月で、その内容はなんと一年以上前には、ここに聴けるが如く既にほぼ完成させライブ演奏していたのである。そんな中の1972年7月には映画音楽曲集のニューアルバム『OBSCURED BY CLOUDS 雲の影』がリリースし、『The Dark Side of The MOON 狂気』はその更に後のリリースであるから、このレインボーシアター公演は新曲を求めるファンにとっては注目の公演であり、それが又高音質で聴けるとなれば当時大騒ぎになったのも当然の話である。更に一方その直後の3月に「JAPANESE TOUR」(S席2800円→)が行われた歴史的年だ( 当時は日本では当然未発表アルバム『狂気』は知らない訳で、キャッチフレーズが "吹けよ風 呼べよ嵐"であった)。

 私の関心もピンク・フロイドとなると、1983年の『THE FINAL CUT』までが興味の対象で、それ以降はオマケの部類であって、特に1970年代がほぼ最高潮の時であったと言っても良い。そんな事情から、現在もこの1972年のレインボーシアター公演は注目されるのである。
 そうして50年近くを経過しようとしている今日においても、この『THE BEST OF TOUR 72』をなんとか完璧にと求める作業は続いていたのである。そしてここに出現したのが、究極の1972年レインボーシアター盤であるピンク・フロイド専門レーベルSigmaの「DEFINITIVE EDITION」である。これはこのレーベルの意地によって究極版を仕上げたと言って良い。

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(三つある有名録音)

 実はこの日のライブ音源というのは、雑多であるが、基本的にほぼ認められているものは三っあるのである。
① Recorder 1 (デレクDerek・A氏録音) : 過去最高の音質を誇る。上に紹介した名ブート盤「Live , THE BEST OF TOUR' 72」だ。曲の一部に欠落あり。マスターテープは盗難にあって現存しない為修復不可。 
② Recorder 2 (スティーヴSteve・B氏録音) : 平均以上の音質を維持、曲間は欠落。近年音質の改善が行われ再び注目。
③   Recorder 3 (ジョン・バクスターJohn Baxter氏録音) : 当日のショーの曲間も含め完全録音。しかしやや音質に難。
  それぞれこの3つともこのように何らかの難点を抱えていて、特に高音質の①は、内容の完璧さに欠けているのが最も残念なところである。そこで、②がここに来て音質の改善が高度な技術でかなり為し得てきたと言うことで注目された。

 そこで、この三録音を如何に組み上げるかによってこの日の実質2時間30分のショーを完璧再現出来ると、幾多の試みがなされたが、根本的にそこには甘さがあって、イマイチというのが偽らざる実情であった。

 しかしいずれの時代にも頑張るところが出現する。今回のこの「Sigma」においては、この三つの選び抜かれた最良のソースを使って、音質は勿論、演奏内容にも忠実にハイレベルな位置を目指して作り上げたのである。

 

(究極の「DEFINITIVE EDITION」の内容)

 この注目のSigmaの「DEFINITIVE EDITION」においては、まず上のTracklistにみるDisc1の「第一部」は、音源は最高音質の「① Recorder 1」をベースに仕上げている。冒頭は「③   Recorder 3」 を使って、ライブ開始までの臨場感と観衆の興奮を伝え、"Spek to me"は「③   Recorder 3」を使い、続く"Breathe"は最高音質の「① Recorder 1」が登場すると言った流れで、冒頭のロジャーのベースの迫力と続くギルモアのギターのメロディーのリアル感はスタジオ版と違って圧巻である。
 "Time"においては、欠落のあった3:36-56の間は完全に補填されて完璧な姿となっている。"Eclipse"も後半知り切れ部分を「③Recorder 3」で補填して完璧な姿に。
 チューニングの部分も「③Recorder 3」を使って臨場感ありだ。"Careful with That Axe, Eugene"も冒頭のロジャーの曲紹介などが入っていてライブそのものの形が出来ている。
 後半のDisc2の「第二部」は、「①Recorder 1」の音源が無いため「②Recorder 2」をベースにして曲間、チューニングなどは「③Recorder 3」で補填している。ここでもおなじみの"Echoes" は尻切れから完全型となり、"Set The Controls for The Heart of The Sun"も、中間部の当時の彼らの得意のミステリアスな世界が浮き彫りになっている。終演部も十分当時のライブの様を聴かせてくれる。とにかくその補填の技術が違和感なくスムーズに移行させていて、このあたりの技術の高さも感ずるところだ。

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 こうして、50年前のライブを完璧なものにとエネルギーを注ぐと言うことは、今の若き人達にも聴く方からとしての要求があり、そしてそこにはレーベルの意地と努力がこうして答えるというコレクター・エディションの姿なのだ。70年代のピンク・フロイドの歴史的価値というのは今だに失せていないどころか、まだまだ探求が盛んになっている。
 こんなマニアアックな道は、究極ファンが支えているわけで、1960-1970年代のロックの潮流は恐ろしい。いずれにしてもこの状況みるにつけ、これを喜んで聴いて感動している私も何なんだろうか・・・と。

(評価)
□ 内容・演奏  90/100
□ 録音     80/100 (歴史的なコレクターものBootlegとしての評価)

(参考視聴) 当時のこの名盤はLPであり、スクラッチ・ノイズが入っている (後にTSPのCDでは完全に改良された)

 

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2020年6月 1日 (月)

ピンク・フロイド PINK FLOYD アルバム「ZABRISKIE POINT」の復活

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(今日の一枚) 我が家の庭から・・ヤマボウシの花
       Sony α7RⅣ,  FE4/24-105 G OSS , PL

                                     - - - - - - - - - - - - - - -

蘇る仮想「ZABRISKIE POINT」の全貌
美しいピアノの調べと、サイケデリックな浮遊感の世界

<Progressive Rock>

PINK FLOYD
VIRTUAL STUDIO ALBUM 「ZABRISKIE POINT」

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Recorded Nov./Dec. 1969 in Rome for the film "Zabriskie Point"

 今や、ブート界もあるべきであったアルバムの復活に力を注いでいる。すでに行き詰まっている現ギルモアとサムスンの主催するピンク・フロイドにおいては、当然復活は望めないため、かってのピンク・フロイドを愛し研究し資料を蓄積した輩の成果として、少しづつあるべき姿の再現が行われている。先日紹介したロジャー・ウォーターズの『PROJECT K.A.O.S.』もその一環である。

61mj6ozaryl_ac_  そしてこれは今年初めに手中にしたもので、1969年にご本家ピンク・フロイドの映画『Zabriskie Point』(→)に提供され、無残にも彼らの曲を理解できなかった監督アントニーニによって消え去られた曲群の集約によって蘇ったアルバム『ZABRISKIE POINT』なのである。実はこれは10年前にリリースされ、即完売。幻の名盤と化していたもので、ここに来て復刻されたものである。
 こうして今、当時のピンク・フロイドの世界を知ることができるのは幸せというものだと、この制作陣に感謝しつつ鑑賞できるのである。しかも音源はライブものでなく、スタジオ録音されたもの、映画からの抜粋など苦労のたまもので、音質も良好で嬉しい。
 当時、この映画に提供されたモノでのアルバム作りをしたらこうなるのではないかと、「仮想ZABRISKIE POINTアルバム」を76分40秒にて作り上げたものから、果たして我々は何を知りうるのか、それは恐らくピンク・フロイドを愛する輩には響いてくるはずである。

 

(Tracklist)

1. Love Scene
2. Intermezzo
3. The Violence Sequence
4. Crumbling Land Pt.1 *
5. Sleep
6. Oenone Pt.1
7. Fingal's Cave
8. Red Queen Prelude
9. Crumbling Land Pt.2 *
10. Rain In The Country
11. Blues
12. Red Queen Theme
13. Oenone Pt.2
14. The Embryo
15. Heart Beat Pig Meat *
16. Oenone(Reprise)
17. Come In Number 51 Your Time Is Up *

  *印 映画に採用された3曲(”Heart Beat, Pig Meat”(”若者の鼓動”),”Crumbling Land”(”崩れゆく大地”),”Come In Number 51, Your Time Is Up”(”51号の幻想”))
  又、採用されなかった曲の内 4曲:”Country ”Song",”Unknown Song",”Love Scene (Version 4)”,”Love Scene (Version 6)” は、後に 2枚組の 『 Zabriskie Point Original Motion Picture Soundtrack 』 に登場。
 更にその他の曲の一部が、2016年のボックスセット「THE EARLY YEARS 1965-1972」に収録された。

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M1-M3 美しいピアノのメロディーが流れる。M1はギターの別バージョンもある。M3.は"us and them"の原型が聴かれますね。
M5."Sleep" 静かな世界は出色。
このあたりまで、当時のライトのクラシック・ピアノを学んだキーボードの効果が甚大に出ている。
M6."Oenone" フロイド得意のサイケデリックな浮遊感たっぷり世界。後半には当時ウォータースがよく使ったドラムの響きと、ギルモアのギターによる音により盛り上がる。当時のフロイドの世界を十分に堪能出来る。これがM13,M16と登場する。
M7."Fingal's Cave"このサイケデリックにしてハード、そしてヘヴィ・メタルっぽい盛り上がりも凄い。
M8." Red Queen Prelude"アコギによるプレリュード
M9." Crumbling Land Pt.2"初期のフロイドの音と歌声と英国ロックを実感する。
M10."Rain In The Country "ギターの調べが優しい。後半は当時のウォータース得意のベースのリズムに、おそらくギルモアのギターの二重録音が聴かせる。
M11."Blues"ギルモアの原点であるブルース・ギターそのものの展開だ。
M12."Red Queen Theme " 珍しい歌モノ、ギルモアが歌う。
M13."Oenone Pt.2 " は懐かしいピンク・フロイドの音がたっぷりと再現されてますね。
M14."The Embryo" ここに挿入されているところが、一つの遊びでもあり、考えようによっては、どのアルバムにも寄りどころの無かった名曲"The Embryo"の住処を見つけたかの如く居座っているところがニンマリです。これがフロイド・マニアにとっては原点だという曲。
M15." Heart Beat Pig Meat " このリズム感が聴きどころ、映画のオープニングに流れる。これは映画サウンド・トラックでしょうね。
M17." Come In Number 51 Your Time Is Up" 当時のピンク・フロイドの代表曲ウォーターズの奇異感たっぷりの"Careful With That Axe, Eugene"の世界で幕を閉じる。映画の最後の爆発のシーンをも思い出すところだ。

 『ZABRISKIE POINT』の為に、1969年11月から12月にかけて、イタリアのローマにてピンク・フロイドは多くの楽曲をレコーディングしたのだが、それらを蘇らせてみると、ここにも、ウォーターズの発想である俗世間から異なる空間を描くというサイケデリック世界が盛り込まれていることが解る。彼らはこうして映画のサウンド・トラックにも、しっかりと自己の世界を築いていて、それが監督アントニーニには気に入らなかったのだろうか。

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  映画は  60年代後半、黒人差別撤廃、公民権運動、ベトナム反戦運動等の学園闘争の嵐が吹き荒れる南カリフォルニアの大学。60年代のアメリカの資本主義的大量消費、学生運動、銃社会、ヒッピー文化とフリーセックスなどが背景にある。
 社会に疑問を持ち、学生運動を展開する中で、現実逃避せざるを得なくなった男(学生)マークとその死、理想像とは全く別の資本主義的世界に疑問を持つ女性ダリアの葛藤を描いているのだが、そこに3曲のみの登場でしかなかったピンク・フロイドの曲、多くは残されたままになってしまった。最後のレストハウスの大爆破シーンは有名だが、アメリカの物質文明への批判であったのか、流れる曲Pink Floydの「51号の幻想」も印象的だった。

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 そんな経過のなかでのこうして、架空の完全版を作成してゆく努力には、おそらくコンセプト主義のロジャー・ウォーターズにしてみれば、作品の完璧主義には異論があっても、歓迎の気持ちは内心あるのではないだろうか。おそらく彼はこれを聞かれると、"そんなことは関係ないことだ"と答えるに相違ない。そこがウォーターズの持ち味である。
 しかし、こうして改めてトータルに聴いてみると、次第に異空間に逃避した世界から現実の文明社会の不正に挑戦するに至るウォーターズの出発点をここに見る思いである。

Zabriskie_point_img_3887 (参考) 「Zabriskie Point」
  ザブリスキーポイント(→)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州 デスバレー国立公園のデスバレーの東に位置するアマゴサ山脈の一部で、 侵食された景観で有名です。 死の谷が誕生するずっと前に、500万年前に干上がったファーネスクリーク湖の堆積物で構成されている地。樹木の無い地の景観が異様で現在観光地となっている。

 

(評価)
□ 曲・演奏・貴重度  95/100
□ 音質        80/100

(視聴)

映画「ZABRISKIE POINT」のエンディングと"Come In Number 51, Your Time Is Up"

 

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2020年5月15日 (金)

キャメルのライブ映像盤 Camel 「ROYAL ALBERT HALL / LONDON」

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(今日の一枚) モッコウバラ(我が家の庭から)
       Sony α7RⅣ, FE4/24-105 G OSS, PL

                          -----------------------------

 

ラティマー復活のCamel」の一つの頂点

<Progressive Symphonic Rock>

Camel 「ROYAL ALBERT HALL / LONDON」
 MARQUEE / JAPAN / DVM106 / 2020

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  Andrew Latimer : Guitars, Flute, vocals
  Colin Bass : Bass, vocals
  Denis Clement : Drums, Percussion
  Pete Jones : Keyboads, vocals, Sax

 2018年5月に「Japan Live」を行ったキャメル、その 映像盤を2018年の7月にブートで出現しここで取り上げたのだが、その2ヶ月後の2018年9月のご本家英国ロンドン(ROYAL ALBERT HALL)でのライブ映像盤がオフィシャルにリリースされた。
 今回のライブは1976年の4thアルバム『MOONMADNESS 月夜のファンタジア』の全曲再現と過去のポピュラーな曲群という構成。ミュージシャンにとっては由緒あるロイヤル・アルバート・ホールでの価値あるライブで、それをプロショットで納めたオフィシャル盤であるだけに映像も安定しており、収録サウンドも良好で見応えがある。

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Gettyimagesw_20200515174301  キャメルと言えば、やはりアンディー・ラティマー(→)のギターだが、ラティマーがオリジナル・キャメル(1973年1stアルバム『Camel』)がメンバーの交代繰り返しほぼ解散状態から、1984年にアルバム『Stationary Traveller』で復活させた。それにより創始者といえるピーター・バーデンスも加わってのオリジナル・メンバー総結集でライブまで行うに至った。
 その後、ラティマーのバンドといってよい状態となりながらも、ベースのコリン・バスと共に『Dust and Dreams 怒りの葡萄』('92)、『Harbour of Tears』('96)などの名作も残してきた。ところがラティマーが不幸にも2007年に骨髄線維症という大病を患ってしまった。そして奇跡的にも回復して2010年より徐々に活動再開して、人気を不動にした3rdアルバム『Snow Goose』('75)の再演をしたり、この2018年には『MOONMADNESS』('76)の再演を中心にライブ活動を展開して日本にもお目見えしたわけだ。
  話題は、キーボードのピート・ジョーンズ、彼は盲目の天才プレイヤー。ヴォーカルもいいし、サックスも演ずる。このバンドで良い役割を果たしている。

(Tracklist)

<セット1:月夜の幻想曲(ファンタジア)>
1. アリスティラスへの誘い
2. 永遠のしらべ
3. 転移(コード・チェンジ)
4. 水の精
5. 月夜の幻想曲(ファンタジア)
6. Air Born ゆるやかな飛行
7. Lunar Sea 月の湖

<セット2>
1. Unevensong 心のさざ波
2. ヒム・トゥ・ハー
3. エンド・オヴ・ザ・ライン
4. Coming of Age 時代
5. ラージャーズ
6. アイス
7. マザー・ロード
8. Hopeless Anger 絶望の怒り
9. ロング・グッドバイ
10. レディー・ファンタジー

650pxcolin_bass  セット・リストを見て解るように、アルバム『MOONMADNESS』全曲披露のファースト・セットに続いて、セカンド・セットではかってのヒット曲を10曲を演じている。アンディ・ラティマーと盟友コリン・バス(→)をはじめとするキャメル復活メンバーは不変で、デニス・クレメント(drums)と盲目のプレイヤー・ピーター・ジョーンズ(keyboards, vocals)の 四人は今や完璧に一つのバンドと化していて気持ちが良い。

 この年の日本ライブと若干セットリストは異なっているが、アルバム『Dust and Dreams』からの曲"Rose of Sharon"でのラティマーのギター・ソロが無くなったのがちょっと寂しい。というのも実は、私はこの昔の『MOONMADNESS』よりは、このラティマー主導の後期Camelが好きと言うこともある。私の好きな曲"stationary Travellar"も期待していたんだが・・・それでも各アルバムから一曲づつサービス演奏しているので・・・良しとしておこう。
 かってのヒットの10曲披露サービスは、ラティマーの年齢と病後の体力を考えると、ほぼ完璧というところか。

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 もともとの幻想的な雰囲気や緊張感のある展開、さらには泣きのギターなどあってやはりキャメルは良いですね。このバンドの特徴はテンポの早い曲であっても刺激性が少なく、なんとなく優しくゆったりと心に響くところが魅力。そしてどこかで甘いメロディーが流れる。こんなところが聴く方は気持ちが良い。
 そして又一方、非常に哀しい世界の現実を描いて訴えるところも後期キャメルの特徴で、スタインベックの『怒りの葡萄』などをテーマにしたりと、そんな世界はラティマーの人生観に通じているのだろうと何時も思うのである。
 セット1では、"Lunar Sea"では、老雄ラティマーは十分テクニカルな部分をこなしているし、セット2では、やはり "Ice", "Mother Road ", "Hopeless Anger"は心打つ。そしておなじみの"Lady Fantasy "はアンコールで聴かせている。

 ある意味でのキャメルの総決算的なライブであり、貴重として記録しておく。

(評価)
□ 選曲・演奏  90/100
□ 画像・録音  85/100

(視聴)

 

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2020年3月18日 (水)

ピンク・フロイドPink Floyd 絶頂の75年ライブ 「LOS ANGELSE 1975 4TH NIGHT」

警察による逮捕者続出のライブの記録
マイク・ミラードによる好録音の出現

 

<Progressive Rock>

Pink Floyd 「PINK FLOYS LOS ANGELSE 1975 4TH NIGHT」
~ MIKE MILLARD ORIGINAL MASTER TAPES
Bootleg / Sigma 242 / 2020

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Live at Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA 26th April 1975

Pink Floyd
Venetta Fields : Backing vocals
Dick Parry : Saxophone
Cariena Williams : Backing vocals

  とにかくこの何十年の間にもピンク・フロイドのブートは何百枚と出現している。あのボックス・セット「Early Years 1965-1972」「The Later Years (1987-2019)」のオフィシャル・リリースによって下火になるのかというと全くそうでは無い。むしろ火を付けているのかと思うほどである。それもピンク・フロイドそのものはディブ・ギルモアの手中に握られたまま、全くと言って活動無くむしろ潰されている存在だ。これが本来のロジャー・ウォーターズにまかせれば、今頃米国トランプや英国の低次元の騒ぎなど彼の手によって一蹴されているだろうと思うほどである。相変わらずのファンはこのバンドの世界に夢を託しているのである。

 そんな時になんとあの彼らの絶頂期であった1975年の「FIRST NORTH AMERICAN TOUR」のライブものが、オフィシャルに使われるほどの名録音で知られるマイク・ミラードの手による良好録音ものの完全版が出現をみるに至ったのである。

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  とにかく世界的ベストセラーになったアルバム『狂気』(1973)以来、彼らにとっては全く別の世界の到来となる。金銭的には驚くほどの成果を上げ、それと同時に重圧ものしかかる。又スポンサーとのトラブル、四人の社会に於ける存在の意義にも変化が出る。

810cgm6w   そして1975年1月ようやく次のアルバム『炎』(1975 →)の作業に入る。しかしそこには『狂気』当時の彼らのクリエイティブなエネルギーのグループの姿はなかった。メイスンは個人的な問題から意欲は喪失していた("Shine on you Crazy Diamond","Wish You Were Here "の2曲はロジャー、デイブ、リックの三人、""Welcome to The Machine,"Have a Ciigar"の2曲はロジャーの作品である)。又ロジャー・ウォーターズの葛藤がそのままライブ(この「NORTH AMERICAN TOUR」)にも反映されていた。まさにライブとスタジオ録音が平行して行われメンバーも疲弊していた。更に慣れない4チャンネル録音で、技術陣も失敗の繰り返し。とにかくつまづきの連続で困難を極めたが、そこでロジャーは一つの開き直りで"その時の姿をそのままアルバムに"と言うことで自己納得し、ライブで二十数分の長い"Shine On"(後に"Shine On You Crazy Diamond")を2分割し、間にロジャーが以前から持っていた曲"Have a Cigar"を入れ、当時の音楽産業を批判したロジャー思想の"Welcome to the Machine"を入れ、更にロジャーのシドへの想いと当時の世情の暗雲の環境に対しての"詩"だけは出来ていたその"Wish you were here"は、ロジャーとギルモアが主として曲を付け仕上げた。しかしこの75年がバンド・メンバーの乖離の始まりであり、そんな中でのアルバム作りとなったのであるが・・・。
 そして予定より半年も遅れて9月にこの『炎』のリリースにこぎ着けたのだが、今想うに『狂気』に勝るとも劣らない名作だ。

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 しかしこのような状況であったこも関わらず、当時のピンク・フロイドの人気は圧倒的で、このロスのライブの4夜の4月22,23,24,26日の6万7千枚のチケットは一日で完売、追加の27日公演は数時間で売り切れというすざまじい売り上げであったのだ。
 そしてここに納められているのは26日(土)のライブの姿である。

5_20200316200001 (Tracklist)

Disc 1 (63:33)
1. Mike Test
2. Intro.
3. Raving And Drooling
4. You Gotta Be Crazy
5. Shine On You Crazy Diamond Part 1-5
6. Have A Cigar
7. Shine On You Crazy Diamond Part 6-9 

Disc 2 (56:54)
The Dark Side Of The Moon
1. Speak To Me
7_20200316200101 2. Breathe
3. On The Run
4. Time
5. Breathe(Reprise)
6. The Great Gig In The Sky
7. Money
8. Us And Them
9. Any Colour You Like
10. Brain Damage
11. Eclipse

Disc 3
1. Audience 
2. Echoes

 このはライブは、絶頂期アルバム『狂気』、『炎』、『アニマルズ』の三枚に関係するセットリストの内容であり、又彼ら人気の最高に至る経過を盛り込んでおり、ブート界でもこの録音モノは引っ張りだこなのだ。しかもアンコールでは"ECHOES"も登場するのである。

Hogsinsmog  私がかってから持っていて出来の良いブート・アルバムは『Hog's in Smog '75』(STTP108/109=1975年4月27日追加公演モノ)で、セットリストは同一である。これもかなりの好録音であった(→)。
  
 しかしここに登場したマイク・ミラード録音モノは、更にその上を行く。Audienceとの分離はしっかりとしており、特に音質は高音部の伸びが素晴らしい。そして全体の音に迫力がある。
 当時のピンク・フロイドのライブは、スタジオ・アルバム版との演奏の違いは各所にあって、ギルモアのギターのアドリブも多く、マニアにはたまらない。ヴォーカルはロジャーの詩に込める意識は強くその歌声にも意欲が乗っていて聴きどころがある。そして至る所にやや危なっかしいところがあって、そこがリアルでライブものの楽しみが滲み出てくる。今回のものは既に出まわっていたモノの改良版で、内容が更に充実している。
 とにかく集まった聴衆の行為にも異常があり、爆竹の音もある。とにかく警察による逮捕者の多さでも話題になったライブでもある。

 "Raving And Drooling "は、『アニマルズ』の"sheep"の原曲だが、スタートのベースのごり押しが凄いしギターのメタリックの演奏も特徴的だ。"You Gotta Be Crazy"は"dogs"の原曲でツインギターが響き渡る。 この難物の2曲もかなり完成に至っている。『狂気』全曲も特に"On the run"のアヴァンギャルドな攻めがアルバムを超えている。そして一方この後リリーされたアルバム『炎』の名曲"Shine on you Crazy Diamond"の完成に近づいた姿を聴き取れることが嬉しい。
 又アンコールの"Echoes"にDick Parryのサックスが入っていて面白い。

8

 いずれにしても、今にしてこの時代の良好禄音盤が完璧な姿で出現してくるというのは、実はギルモアというかポリー・サムソン支配下の現ピンク・フロイド・プロジェクトが、このロジャー・ウォーターズの葛藤の中からの重要な歴史的作品を産み、そして時代の変化の中でロックの占める位置を進化していった時期を無視している事に対して、大いに意義があると思うのである。そのことはピンク・フロイドの最も重要な『狂気』から『ザ・ウォール』までの四枚のアルバムに触れずに、ここを飛ばしてピンク・フロイド回顧と実績評価のボックス・セット「Early Years 1965-1972」「The Later Years (1987-2019)」を完成させたというナンセンスな実業家サムソンの作為が哀しいのである。

 当時のライブものとしては、この後5月はスタジオ録音に没頭、そして再び6月から「NORTH AMERICAN TOUR」に入って、『HOLES IN THE SKY』(Hamilton,Canada 6/28/75=HIGHLAND HL097/098#PF3 下左 )、『CRAZY DIAMONDS』(7/18,75=TRIANGLE PYCD 059-2  下右)等のブートを聴いたのを懐かしく思う。

Holesinthesky2Crazyd

(評価)

□ 演奏・価値 ★★★★★☆   95/100 
□ 録音    ★★★★☆   80/100

(視聴)

 

 

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2019年12月16日 (月)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「PROJECT K.A.O.S.」検証

「RADIO K.A.O.S.」の完全版スタジオ・アルバム

<Progressive Rock>

Roger Waters 「PROJECT K.A.O.S.」
Reissue, Unofficial Release / Jpn / 2017

Projectkaosw

Roger Waters & Bleeding Heart Band
Mixed by Chad Hendrickson

 しかしロック・アルバムといっても、コンセプト・アルバムという世界を構築してきたロジャー・ウォーターズの関係するところでは、今でも本人以上に、ファン仲間ではトータル・アルバムとしての作品への思い入れは大きい。かってピンク・フロイド時代の映画「モア」のサントラ音楽に提供したため崩壊したピンク・フロイドの組曲「ザ・マン」「ザ・ジャーニー」を未だに求めたり、又アルバム『ウマグマ』(1969)に納められている"Careful With Tfat Axe,Eugene"と、映画「砂丘」に登場するピンクク・フロイドの曲"51号の幻想"の関係、そして"若者の鼓動"、"崩れゆく大地"の2曲も含めての世界。更に映画「2001年宇宙の旅」とアルバム『おせっかい』の曲"エコーズ"との関わり合い。更にリイッシューされたアルバム『ファイナル・カット』では、曲"when the tigers broke free"追加され完成させたりと、話は尽きない。

Kaos1  これらはコンセプト・アルバムという世界に起こる不思議な現象で、更に2000年以降もロジャー・ウォーターズのソロ・アルバムにおいてもこれは起きているのである。
 まずは「ザ・ウォール・ライブ・ベルリン」では最後の締めくくりの曲に、アルバム『RADIO K.A.O.S.』(→)の"The Tide Is Turning"が採用され、アルバムどおり演じてきたコンセプト作品「ザ・ウォール」の曲にソビエト崩壊の時代の変化をオーバー・ラップさせ、喝采を得た。

 そしてここで取り上げるは、彼のソロ・アルバム『RADIO K.A.O.S.』である。このアルバム・リリースは1987年、彼のソロとしての腹づもりが固まったときである。バンド名も当時は"Roger Waters &Bleeding Heart Band"として活動した。それはこの前年にリリースされた長編アニメーション映画『風が吹くとき』のサウンド・トラック制作に力を注いだ時からだ。当時彼には世界冷戦下の核戦争の恐怖を中心としたもともと持っていた"反戦思想"に関心は高く、前ソロ作『ヒッチハイクの賛否両論』は内に向けた葛藤であり、それから今度はこのような外に向けたエネルギーの発露でもあった。

Pkaos  しかしこのアルバム『RADIO K.A.O.S.』は、ウォーターズの求めていたコンセプト・ストーリーを表すには実は不十分に終わってしまっていた。当時CD時代の幕開けにそってLPサイズにはこだわらない長編を彼は企画して曲も作っていたが、レコード会社は40分少々のLPサイズにこだわったため、大きく削っての作品となってしまっていたのである。そして一部の曲は先行した映画『風の吹くとき』のサントラに提供していたのである。
 そこで既にリリースされたアルバム『RADIO K.A.O.S.』を本来の姿に完成させようという動きがあって、まずは2000年に『PROJECT K.A.O.S.』が ライブ音源を中心に造られた。(参照 : 「ロジャー・ウォーターズの世界に何を見るか」)
 しかしその後はスタジオ録音版を収集して2017年には完成版『PROJECT K.A.O.S.』(→)が登場し、今にしてブートレグ界では持てあまされている。それがここに取り上げたリイッシュー版の『PROJECT K.A.O.S.』の原型である。
 もともとこのアルバムはウォーターズの反核戦争思想をベースにしての人の交わりを描いたアルバムであるが、彼の"自己を見つめる世界"、"社会をみつめる世界"のどちらかというと後者に当たる。そしてその数曲の追加収録によって、コンセプトが更に明快になってゆくのである。

(Tracklist)

Rw12 1. Get Back To Radio 4:51 *
2. Radio Waves (Extended) 6:57
3. Who Needs Information 5:56
4. Folded Flags 4:27 *
5 .Me Or Him? 5:17
6. The Powers That Be 3:57  
7. Going To Live In LA 5:38 * 
8. The Fish Report With A Beat 1:49 * 
9. Sunset Strip 4:46
10. Molly's Song 3:11*
11. Home 6:00
12. Four Minutes 4:00 13
13. The Tide Is Turning (After Live Aid) 6:16
14. Pipes And Drums 1:30 *
                                        (*印 新規収載)

  このアルバムは上記のように6曲が新規収録されていて、オリジナルが41:24分であったものが、なんと65:03分というストーリーを充実したアルバムになっている。注目はM1."Get Back To Radio"、M7."Going To Live In LA"、M10."Molly's Song"などが上げられるが、ジム・ラッドのセリフの充実や、話の主人公ビリーの新規セリフも入って、コンセプト・ストーリーがかなり解りやすくなっていると言うのだが・・・英語の理解力不足で少々残念。
 
 もともとストーリーとそのコンセプトは・・・
 主人公ビリーは植物人間的な存在、兄の擁護で生活。世界中に流れるラジオ電波(Radio Waves)と交信出来る超能力を持つことに気づく。様々な電波と交信している中で、電波を通じて社会や人間を操ろうとする権力者の存在に気付く。ビリーの抵抗は始まり、革新的試みが感じられるラジオ局「Radio KAOS」に接触。そして、DJのジムと共に世界に向けて平和のメッセージの発信を試みる。第二次大戦中の原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」やレーガン大統領、サッチャー首相ら、当時の政治家を交えながら、核の脅威が描かれる。物語の終盤では、ビリーの超能力は政府のスーパーコンピュータを操作できるほど強力になり、核兵器を制御して世界の混乱を納めることになる。

Rw11  既存のマスメディアの批判を試みつつ、更に「Radio K.A.O.S.」という仮想媒体を通して多くの社会的メッセージを発信しているアルバム。ピンク・フロイド在籍時のラスト・アルバム『ファイナル・カット』(1983年)の続編的存在で、マーガレット・サッチャーやロナルド・レーガンを実名で批判する。また、核兵器廃絶も強く訴えるものだ。ラストのM13. "流れが変わる時〜ライブ・エイドが終わって〜"では、想いもしなかったソ連の崩壊という社会現象から平和的で暖かなメッセージが歌われ一つの収束をするところは一つの救いでもある。

 このアルバムは、当時、"ピンク・フロイドの存続・所有権問題"の中での一つの戦いでもあったウォーターズは、ライブでもエネルギーたっぷりの展開を見せ、音楽的にも従来のフロイド・タイプをただ継承するので無く、むしろ一歩進めたことからも歴史的に興味深いアルバムである。更にそのコンセプトの完全化を期待するファンも多く、このような完全版が造られることは実に興味深い。

  当時の状況の中でのウォーターズのその姿には更に興味深いところがあるため、それぞれの新規収録曲の内容検討しながら、この完成盤の検証をいずれ又もう少し深入りしたい。

(評価)
□ 収録曲・演奏   ★★★★★☆ (完成度を高めた努力を評価) 
□ 録音       ★★★★☆

(参考「Radio K.A.O.S.」の多彩なメンバー)

Roger Waters – vocals, acoustic and electric guitars, bass guitar, keyboards, shakuhachi
Graham Broad – percussion, drums
Mel Collins – saxophones
Nick Glennie-Smith – DX7 and E-mu on "Powers That Be"
Matt Irving – Hammond organ on "Powers That Be"
John Lingwood – drums on "Powers That Be"
Andy Fairweather Low – electric guitars
Suzanne Rhatigan – main background vocals on "Radio Waves", "Me or Him", "Sunset Strip" and "The Tide Is Turning"
Ian Ritchie – piano, keyboards, tenor saxophone, Fairlight programming, drum programming
Jay Stapley – electric guitars
John Thirkell – trumpet
Peter Thoms – trombone
Katie Kissoon, Doreen Chanter, Madeline Bell, Steve Langer & Vicki Brown – background vocals on "Who Needs Information", "Powers That Be" and "Radio Waves"
Clare Torry – vocals on "Home" and "Four Minutes"
Paul Carrack – vocals on "The Powers That Be"
Pontarddulais Male Voice Choir - chorus

(参考視聴)

 

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