コリン・バロン・トリオColin Vallon Trio のECM第2弾「Le Vent」
良きにつけ悪しきにつけECM世界を行く
<Jazz>
Colin Vallon Patrice Moret Julian Sartorius
「Le Vent」
ECM Records ECM 2347, 2014

コリン・バロン・トリオの4thアルバム~ECM の第2弾だ。
私は、このアルバム・ジャケもお気に入りなのだが、前作「Rruga」のジャケもなかなか味があって、そんな意味でも着目している。
さて今作「Le Vent」は、トリオを見ると前作までのドラムスのSamuel Rohrer が Julian Sartoriusに変わっている。このあたりの事情は解らないが、Rohrer は作曲もして貢献していたと思っていたが、今作で変化があるのだろうか・・・・と、そんなところも気になるところ。

このスイスのコリン・バロンについては2年前に初めて聴いて、既に紹介しているので(参照:Colin Vallon ECM第一弾「Rruga」 https://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/colin-vallon-64.html )、早速このアルバムの感想である。
上のように12曲の収録。9曲はバロン自身の曲で、モレットがトップの曲1曲を、そして最後の2曲が3人の曲となっている。従って、バロンが中心であったが、3人のそれぞれの曲による構成という前作とは若干変わって、バロン自身のウェイトが増している。
そしてこのアルバムは明らかにECM化は更に進んだものになった。ECMは、マンフレート・アイヒャー(Manfred Eicher)が創設したレコードレーベル。1969年から活動をスタートし、彼のプロデュースする音楽哲学は「The Most Beautiful Sound Next To Silence (沈黙の次に美しい音)」というところにあるところはご存じのとおり。ジャケットデザインにおいても一つの世界を貫いている。まあこれに反抗した我が愛するRichie Beirachもいるが、それだけジャズ音楽の世界には個性に充ち満ちていると言うことであろう。
そんな事情か、このアルバムは一口で言うと、”静かに自己を抑制して、そして安らぎの心への道とその風景を描いたもの”と言う感じである。まさに彼等はアイヒャーの期待に応えているのである。そしてそれは我々のECMへの期待を裏切らずに納得の世界で受け入れるのである。
ただ彼等は単なる抑制のみの世界に終わらぬような工夫として、ピアノの音をパーカッションのように演じたり、規則性を外してのドラムス、更にボウイング奏法も聴かせるベースなど、彼等の秘めた本質もチラホラみせるのである。
私はなんとなく彼等に迫ってみたくなり、右のECM前の2ndアルバム・・・
Colin Vallon Trio
「Ailleurs」 (HatOLOGY, 636 , 2007)
1. Le Paradis Perdu 7:10
2. Babylone 6:56
3. Swing Low 4:31
4. Souris 1:25
5. Trenke, Todorke 4:20
6. Sous-Marin 1:08
7. Je Ne Sais Pas 7:45
8. Robots 1:24
9. Zombie 6:02
10. Mardi 5:48
11. Quand Méme 5:29
12. Elle 4:41
・・・・・・を実は聴いてみたのだが、・・・・・それによって彼等の本質が見えてきたのだ。実は彼等はECMの3rdアルバムによって、世界的にもそして我々にも知ることが出来たのだが、この2ndにこそ彼等のジャズに求める現代感覚の挑戦が見て取れる。・・・はっきり言うと、このECMの「Rruga」「Le Vent」2枚のアルバムのように繊細にしてメロディーが美しく、そして落ち着いた世界感を描くのは、これはこれ実に聴き応えあり私は納得するのだが、それにも増して2nd「Ailleurs」に見るものは、静なるものの美と一歩前進を試みているフリーでプログレッシブでアグレッシブな面のあるジャズであり、これ又実に楽しいのだ。彼等はECMから離れたアルバム作りも是非とも行うべきであろう。そんな意味で、こちらにも手を伸ばして欲しいところである。
(視聴) 3rd「Le Vent」より”Juuichi”
(視聴2)-参考- 2nd「Ailleus」より”Zombie”
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