北欧ノルウェーからエスペン・バルグ・トリオEspen Berg Trio / 「mønster」
現代主義を主張する俊英ピアノ・トリオの登場
<Jazz>
Espen Berg Trio「mønster」
Blue Gleam / JPN / BG-006 / 2015

Espen Berg : piano
Báròur Reinert Poulsen : double bass
simon Olderskog Albertsen : drums
北欧のジャズにはなかなか魅せられるものが多いのだが、前回フィンランドのヨーナス・ハーヴィスト・トリオを取り上げて、ふと思い出したのが、友人からの紹介で知ったこのノルウェーのピアノ・トリオである。それは同じBlue Gleamからのリリースで、ノルウェーの俊英ピアニスト、エスペン・バルグEspen Bergの待望の日本デビュー盤『モンステルmønster』というものだった。
ノルウェーはこのところ私にとって気になるジャズ・ピアニストが多く、ブッゲ・ヴェッセルトフト、トルド・グスタフセン、ヘルゲ・リエン、ヤン・グンナル・ホフなどと、アメリカン・ジャズとは違った北欧独特の透明な空気感を持った美しいメロディを聴かせる作品に魅せられてきた。

このエスペン・バルグというのは、キース・ジャレット、ブラッド・メルドー、エスビョルン・スヴェンソン等に影響を受け、フレッド・ハーシュに師事したというピアニストだと言うから、押して知るべしというところ。
(Tracklist)
1.Lenticularis/2.Revenge of the Sixth/3.Trettifem/4.All Erase/5.Attack of the Tones/6.Left at the Right Moment/7.Maple Noise/8.Folkejohnny/9.B13* /10.Smoll *
(*印:日本盤限定ボーナストラック)
全曲、エスペン・バルクによるオリジナルもの。
結構冒険心あるアルバムであって、オープニングからは非常に親しみやすい美しく印象的なメロディーから始まるのだが、M2、M3曲目になると一変して、かなりダイナミックなアグレッシブな曲を展開する。
そしてM4、M5では彼らがモダニズムを求めていることが明白になる曲となり、静と動を織り交ぜて甘さを許さない硬派に繋がる様相を見せる。しかしその後、M6”Left at the Right”では静寂と聴きやすさと美しいピアノの調べを回帰する。
こんな展開はなかなか手慣れたところで、アルバムの印象を多彩にする。M7.”Maple Noise”は、トリオとしての面白さをそれぞれのセンスで曲を築いて行く様が面白い。
そして日本盤ボーナストラックの2曲があるが、なかなか詩情ありながら動的なところもあって面白く聴ける曲で、珍しくこのサービス・トラックも意味あるというアルバムだった。
いや~、これは北欧ノルウェーの大地に営々と築かれてきたトラッド的音楽的流れはベースにあるであろうが、しかしそれとは一線を画して、現代主義的アプローチをみせる注目作と感じた。
(視聴) 「mønster」から”Trettifem”
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コメント
風呂井戸さま、トラバありがとうございました。
美しさもありスリリングな面もあり 楽しみなトリオですよね。
しかし、このアルバムをリリースしたBLUE GLEAMさんからは、イタリアのAlessandro Galati、フィンランドのJoonas Haavistoとツボのピアニストが続きました!
来日も楽しみにしております。
投稿: Suzuck | 2016年6月21日 (火) 12時24分
Suzuckさん、コメント、TB有り難うございます。
楽しみなピアニストの出現ですね。
ブラッド・メルドーの味付けを感ずる中に、エスビョルン・スヴェンソンの実験性の流れもあって、そして一方叙情性も描くところなかなかの逸材と感じてます。そうですね、来日も楽しみです。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年6月21日 (火) 14時34分
風呂井戸さん,こんにちは。TBありがとうございました。
貴ブログをちゃんと拝見していれば,もう少し早くこの人の魅力に気がつくことができていたかもしれません。まぁ,どういうかたちにしても認知できたのはよかったです。
ライブでどういう演奏をするのかが楽しみです。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2016年7月 2日 (土) 14時46分
中年音楽狂さん、わざわざこちらまで顔を出して頂いて、コメント、TB有り難うございました。
このトリオもまだ若いですしあまりメジャーで無いところが、この7月の日本ライブはかえって楽しみですね。
北欧の血でフレッド・ハーシュに師事したというだけで、まさに期待してしまいます。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年7月 2日 (土) 16時02分