新キング・クリムゾンKing Crimson-その3-「Orpheumライブ・アルバム」の不満は何か
ブートの充実度を聴くと・・・空しいフリップ・オフィシャル盤戦略
新キング・クリムゾンのオフィシャル・ライブ・アルバム『Live at the Orpheum』は、じっと買うのを控えていた話は先日したが、それでも結局手にしてしまう哀しさと、そして結局予想通り落胆してしまったその内容について誤解があるようなので、その至る所の所以につて、少々言及する次第。
それには、ここで紹介するようなブートではあるが、次のようなアルバム等を聴いて比較してしまうからである。(”等”と言うのは、この1年後のジャパン・ライブものも比較対象として聴いてますので、それは又次回に)
<Progressive Rock>
KING CRIMSON 「TWO FROM THE EGG~TWO SHOWS AT THE EGG IN NEW YORK 2014 」
THE ELEMENTS / TECD-140909B/140910AB / 2014
Live at The EGG,Albany.NY Sept.9th & 10th 2014
この七人編成の新キング・クリムゾンは2014年秋にはUSライブを始めたのだったが、このブート盤は来日より一年前のニュー・ヨークの9月9,10日両日のEGGのステージの模様を全てをCD4枚組で納めている。
左のリストを見ると解るように、なんと言っても所謂我々が愛した1970年代の「King Crimson」かと思わせるセット・リストで圧倒される(勿論、その他2000年の”The ConstruKction Light”も復活させているが、更におまけがちょっと余分だとは思うが、あの2011年のA King Crimson ProjeKctからも2曲)。そしてこれは1年後の2015年9月の”ジャパン・ライブ”もほぼ同様内容であった。
これをフリップに言わせると”リニューアルを施した新曲=何時作った曲であれ、どれも新曲だ(All the music is new, whenever it was written.)”と言うことなのである。
まぁフリップりことだから、まさに「天動説」そのもので、それぞれ演ずる者の変化と、楽器構成の違いがあるのだから、そりゃ同じではないのは解るが、一番言いたかったのは、おそらく”演ずる心が当時と全く異なっている”という事なんだろうと思う。従って曲の変化の付け方には、”進歩”と言ったら言い過ぎだろうから”編曲”と言っておくが、それがあることは事実だ。主としてメル・コリンズの活躍と、ジャコのヴォーカルの変化、そして注目を浴びた三人ドラムスでの展開であろう。
とくに”Larks Tongues In Aspic”はパーカッションの面白さを復活しての演奏は確かに味わいがあるし、”21st Century Schizoid Man”も、メル・コリンズのサックスが騒いで全体で重くのしかかってくる変化をし、ドラムスが快調なテンポを演じ、全体のメリハリも効いているところは面白い。
又”The Letters”は、ジャコが結構熱唱している。”Starless”は完成度が高い。さすがに”The Court of The Crimson King”はやってませんね。一方”Red”なんかは、ドスンバタンものに変身でちょっと味が後退して頂けない。”Vroom”あたりはこのバンドに向いているかも知れない。
(参考までに、この二日間のライブ録音は、きちんとしたサウンド・ボードものではないが、特に二日目の録音はブートとしては良好も程度は高く出色です)
さて、ところが問題のオフィシャル盤『Live at the Orpheum』には、こんなところを盛り込まずに、たったの40分のさわりだけに終始したアルバム造りが面白くないんですね。つまり私からみれば、新キング・クリムゾンの面白さが盛り込んでいないというところが不満なんです。その辺りは当然フリップは解っているのだろうからちょっと始末に於けない。
・・・・と、言ったところでこのオーディエンス録音のブート盤クリムゾン・ライブの方がよっぽどクリムゾンらしいのです。ちょっとオフィシャル「Orpheum」は、さわりだけでひどすぎたという話なんですね。
まあ、”フリップ・マジック”と言うのもあるので、この後又大枚はたけば、ほんとのところを聴かせてくれる盤を高値でリリースしてくるのかも知れないが、ちょっとね、ファンをもう少し大事にすると同時に、オフィシャルならそれらしく一枚に精魂詰め込んで世に問うて欲しいというのが偽らざる私の気持ちであったという・・・・・話であります。
クリムゾンとなると、ブートがどうしても話題になってしまう。今回のオフィシャル・ライブ盤のような出し方だと、フリップの思惑と違って、更にブートが元気を出してしまうと言うことにならないか?。
(視聴) ”The talking drum”
| 固定リンク
« ヨーロピアン・ジャズ・トリオEuropean Jazz Trio 「Autumn in Rome」 | トップページ | トルド・グスタフセンTord Gustavsen 変則トリオの最新作品「What was said」 »
「音楽」カテゴリの記事
- アレッサンドロ・ガラティ Alessandro Galati「Standard Deviation」(2025.12.04)
- アーロン・パークス AARON PARKS 「By All Means」(2025.11.28)
- フランチェスコ・マッチアンティ FRANCESCO MACCIANTI TRIO 「PLAYS STANDARDS」(2025.11.22)
- トーマス・エンコ Thomas Enhco 「Mozart Paradox 」(2025.11.16)
- ケイコ・リー(李 敬子) Keiko Lee 「Sings Super Standards 3」(2025.11.06)
「ROCK」カテゴリの記事
- ロジャー・ウォーターズ フェアウェル・ツアー「THIS IS NOT A DRILL」(2025.08.02)
- 「ピンク・フロイド伝説-LIVE AT POMPEII」 5回目のお披露目 Pink Floyd「AT POMPEII ‐ MCMLXXII」(2025.05.07)
- サンタナの近況 - Santana「 ONENESS TOUR 2024」(2025.02.22)
- ニック・メイスン 「NICK' MASON'S SAUCERFUL SECRETS」-POMPEII 2023(2025.02.02)
- [回顧シリーズ] サンタナ SANTANA 「Tanglewood 1970」(2025.02.07)
「キング・クリムゾン」カテゴリの記事
- 2021年の幕開け -「原子心母」「原子心母の危機」(2021.01.02)
- King Crimson 2019年10月映像版「Rock in Rio 2019」(2019.10.31)
- キング・クリムゾンKing Crimson ニュー・アルバム「AUDIO DIARY 2014-2018」(2019.10.27)
- 72年の キング・クリムゾンKing Crimson 「Live in Newcatle」(2019.10.23)
- キング・クリムゾンKing Crimson Live in Mexico「MELTDOWN」(2018.11.05)
「Progressive ROCK」カテゴリの記事
- ロジャー・ウォーターズ フェアウェル・ツアー「THIS IS NOT A DRILL」(2025.08.02)
- 「ピンク・フロイド伝説-LIVE AT POMPEII」 5回目のお披露目 Pink Floyd「AT POMPEII ‐ MCMLXXII」(2025.05.07)
- ニック・メイスン 「NICK' MASON'S SAUCERFUL SECRETS」-POMPEII 2023(2025.02.02)
- デヴィット・キルモア David Gilmour 「MADISON SQUARE GARDEN 2024」(2025.01.28)
- ロジャー・ウォーターズ Roger Waters 「The Dark Side of The Moon Redux」(2023.10.08)



コメント
あらためて風呂井戸氏のクリムゾン愛を感じさせてくれる内容ですね。それにしても中途半端な公式ライヴ盤はフリップ翁にとってどういう意味があるのか、よくわかりません。
むしろ非公式のブートの方が質量ともに優っていて、逆に何万枚も売れそうですね。はやくライヴ・アルバムやDVDを出してほしいです。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2016年2月13日 (土) 20時48分
プロフェッサー・ケイさん、コメントどうも有り難うございます。
やはり、ブートを聴いていると、オフィシャル盤は少々物足りないのです。
この上に、又紹介しますが、この12月の「ジャパン・ライブ」ものを聴くと更にその思いに至ります。とにかく「ジャバン・ライブ」は、なんと「USもの」に加えて、”Epitaph”, ”The Court of the Crimson King”も登場しますし、70年代クリムゾン派にとっては万々歳なところですので・・・・。これで初めてELEMENTSとなります。
投稿: 風呂井戸 | 2016年2月14日 (日) 00時13分