メラニー・デ・ビアシオMelanie De Biasio 「LILIES」
<My Photo Album (瞬光残像)> 2018-No7
ダークな世界はその止まるところを知らない・・・
<Jazz, Blues, Soul, Rock>
Melanie De Biasio 「LILIES」
Hostess Entertainment / JPN / HSE-4286 / 2017

Melanie De Biasio : Vocals
Pascal Paulus : Piano, electric Guitars, Clavinet
Pascal Mohy : Piano
Dre Pallemaerts : Drums
個性派女性ジャズ・ヴォーカリストと言えば、なんといってもこのベルギーのメラニー・デ・ビアシオでしょうね。自己のオリジナル曲を中心に彼女の描く世界は類をみないダークの中に社会派とも思えるメッセージを感ずるところだ。又そればかりでなく女性独特の人生観に自己を裏切らずに訴えているところだと思う。しかも唄もうまい。私の最も注目している一人で、ここでは数回目の登場である。
そのメラニーの最新盤はつい昨年10月に思ったより早くにリリースされた。遅まきながらここに登場だ。
今回のアルバムは前作のEP盤『BLACKENED CITIES』(PIASLO-50CD/2016)を別にして3枚目のアルバムだ。なにせ1stアルバムが『a stomach is burning』(IGL193/2007)という強烈なタイトルでデビュー、2ndアルバム『NO DEAL』(PIASR-690CDX/2014)では、そのダークな特異性と音楽性の高さによって圧倒的賞賛を得た。そして直近EP盤『BLACKENED CITIES』では、そのダークさと深刻さが一層増し、もう救う道すらあり得ないところまで沈みきった。そしてその後の今作、果たして何処へ行くのかと興味津々であったのだ。
(Tracklist)
1. Your Freedom Is The End Of Me *
2. Gold Junkies *
3. Lilies *
4. Let Me Love You *
5. Sitting In The Stairwell *
6. Brother *
7. Afro Blue
8. All My Worlds *
9. And My Heart Goes On *
(*印 Original)
例の如く音は少ないが深みがある。又その余韻が効果抜群、そして低音から響くメラニーの歌声。それでも冒頭のM1. "Your Freedom Is The End Of Me"は、過去の一連の曲からすればリズムとメロディーの豊富な流れで音もクリア、前作とは異なるスタート。
なかなか難解なM2." Gold Junkies" 、これも思いの外アップテンポの軽快な曲。しかし決して彼女のヴォーカルは明るくない。この"黄金の中毒者"(?)というのが彼女の重大テーマ、EP盤の前作から続いている。
M3. "Lilies"になって、いよいよメラニー節の登場。 暗く不安の世界から何処かに光明があるのか?。
M4. " Let Me Love You" ラブ・ソング?、深刻の愛?。もちろんメラニーの詩"あなたを愛させて、でなきゃ私を刺し殺して・・・ちゃんと殺して、息を引き取るまで・・・でもベイビー私は生きている、だからあなたは私のものになるはず"。
彼女はもともとフルート奏者、M7. "Afro Blue"でようやくその音が聴ける。
M8. "All My Worlds" 深く静かに沈み行く世界に更に深くメラニーのスローな歌声。
M9. "And My Heart Goes On" 深く陰鬱に、唄うと言うよりは・・語り、しかしそこに不思議なメロデイーが流れている。

相変わらず総じて暗い。彼女の唄声にしても深く重く暗い。しかしそこに引き込むパワーは凄い。相変わらず背筋にゾクゾクくる世界だ。
メラニー・デ・ビアシオは、ジャズ、ブルース、ソウルの影響を受けるというベルギー出身のまさに個性派シンガー(1978年生まれ、父はイタリア人、母はベルギー人)。その歌唱力と、音と余韻を曲に仕上げる抜群の能力を身につけている。ベルギーの名門大学ブリュッセル王立音楽院で音楽を探究。2007年に発表したデビュー・アルバム『ア・ストマック・イズ・バーニング』から注目を浴び、2ndアルバム『ノー・ディール』は絶賛を浴びた。2015年、2016年と"モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン"出演のため来日している。
□曲・演奏 ★★★★☆
□唄 ★★★★★
□録音 ★★★★☆
(視聴)
**
| 固定リンク
« ジャズとオーディオ 寺島靖国「テラシマ円盤堂~曰く因縁、音の良いJAZZ CD ご紹介」 | トップページ | ヘルゲ・リエン&クヌート・ヘムHelge Lien, Knut Hem 「Hummingbird」 »
「音楽」カテゴリの記事
- アレッサンドロ・ガラティ Alessandro Galati「Standard Deviation」(2025.12.04)
- アーロン・パークス AARON PARKS 「By All Means」(2025.11.28)
- フランチェスコ・マッチアンティ FRANCESCO MACCIANTI TRIO 「PLAYS STANDARDS」(2025.11.22)
- トーマス・エンコ Thomas Enhco 「Mozart Paradox 」(2025.11.16)
- ケイコ・リー(李 敬子) Keiko Lee 「Sings Super Standards 3」(2025.11.06)
「JAZZ」カテゴリの記事
- アレッサンドロ・ガラティ Alessandro Galati「Standard Deviation」(2025.12.04)
- アーロン・パークス AARON PARKS 「By All Means」(2025.11.28)
- フランチェスコ・マッチアンティ FRANCESCO MACCIANTI TRIO 「PLAYS STANDARDS」(2025.11.22)
- トーマス・エンコ Thomas Enhco 「Mozart Paradox 」(2025.11.16)
- ケイコ・リー(李 敬子) Keiko Lee 「Sings Super Standards 3」(2025.11.06)
「女性ヴォーカル」カテゴリの記事
- ケイコ・リー(李 敬子) Keiko Lee 「Sings Super Standards 3」(2025.11.06)
- アルマ・ミチッチ、エリック・アレキサンダー ALMA MICIC with E.Alexander「LILAC WINE」(2025.11.01)
- ム-ン・ヘウォン MOON haewon with Tsuyoshi Yamamoto 「 Fascination」(2025.10.06)
- ローレン・ヘンダーソン Lauren Henderson 「Sonidos」(2025.09.26)
- パティ・ロムーショ Patty Lomuscio 「 My Foolish Heart」(2025.09.15)
「ユーロピアン・ジャズ」カテゴリの記事
- アレッサンドロ・ガラティ Alessandro Galati「Standard Deviation」(2025.12.04)
- フランチェスコ・マッチアンティ FRANCESCO MACCIANTI TRIO 「PLAYS STANDARDS」(2025.11.22)
- トーマス・エンコ Thomas Enhco 「Mozart Paradox 」(2025.11.16)
- 寺島靖国「For Jazz Ballad Fans Only Vol.6」(2025.10.27)
- ギド・サントーニ Guido Santoni 「Plays New Standards」(2025.10.22)
「メラニー・デ・ビアシオ」カテゴリの記事
- メラニー・デ・ビアシオ Melanie De Biasio 「Il Viaggio」(2024.10.16)
- 寺島靖国プレゼント「For Jazz Vocal Fans Only Vol.3」(2019.03.31)
- メラニー・デ・ビアシオMelanie De Biasio 「LILIES」(2018.03.24)
- メラニー・デ・ビアシオMelanie De Biasioの1st「a stomach is burning」(2016.09.07)
- メラニー・デ・ビアシオMelanie De Biasioの問題作「BLACKENED CITIES」(2016.08.20)



コメント
早速聴いてみました。
独特でとても暗く、声とその他の音が見事に融合していると思いました。
ジャンルは違うのですが、Josinをご紹介させていただきます。https://www.youtube.com/watch?v=nX_mMoyS4lI
では、また。
投稿: mwbeaks | 2018年4月19日 (木) 04時52分
mwbeaks さん、このMelanie De Biasio は、私の絶対のお勧めです。是非深入りしてください(笑)。
Josinは、知りませんでした。アプローチしてみます。ありがとうございました。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年4月19日 (木) 17時50分