アイヴィン・オースタ・トリオ Eivind Austad Trio 「Northbound」
ノルウェーからの詩的で牧歌的にしてロマンティックなピアノ・トリオ・アルバム
<Jazz>
Eivind Austad Trio 「Northbound」
LOSEN RECORDS / EU / LOS211 / 2019
Eivind Austad (piano)
Magne Thormodsater (bass)
Hakon Mjaset Johansen (drums)
Recorded April 26-27, 2018 by Devide Bertolini at Gunnar Saevins sal, The Grieg Academy, Bergen
北欧らしいと言われるピアノ・トリオ・ジャズ。2016年リリースの「Moving」に続くトリオ作品第2弾。 アルバム・タイトルは"北に向かって"と言ったところか。
演ずる曲は彼らが感動しているデビッド・ボウイの名曲"SPACE ODDITY"を取り上げているが、その他の7曲はトリオ・リーダーのピアニスト・アイヴィン・オースタEivind Austad(1973-)によるオリジナル曲により占められている。
(Tracklist)
1. 7 Souls 8:52
2. Space Oddity 5:05
3. Northbound 6:05
4. Open Minded 6:59
5. Beyond The 7th Ward 6:58
6. Folk 6:51
7. Down That Road 6:29
8. Faith 6:46
Total Time 54:05
確かに北欧らしいと言ってよいのか、ピアノが美しく響き、展開は微妙に深遠な世界に導くピアノ・トリオ・ジャズだ。2曲目に登場するデビッド・ボウイの"SPACE ODDITY"を聴いても、耽美な世界に彼なりきの独自世界に染め上げた曲の仕上げである。
他は全てオリジナル曲であり、M5."Beyond The 7th Ward"にみるように、特徴的なスローなテンポでピアノの音を一つ一つ響かせて、どこか非都会的牧歌的な大自然のイメージを感じさせる。
いわゆるジャズらしい展開はM6."Folk "ぐらいで、オースタのピアノ・プレイが速テンポをみせるのもこの曲ぐらいだ。
アルバム・タイトルのM3." Northbound"を聴くと彼らのしたいことが見えてくる。静かにどこかノルウェーの民族的なメロディーに聴こえてくる展開を見せつつも、次第にピアノの旋律も近代的即興に変化して、三者の交錯展開が面白く聴かせてくれる。そして最後は再び静かな世界に沈んでゆくという形をとっている。
そしてM7." Down That Road"では、彼らのロマンティックな流れが結実していて、展開も面白い。
M8."Faith"は冒頭から深く沈んで、これぞ北欧ノルウェーといった感じだ。
ベース、ドラムスはそれ程特徴的な演奏展開は無い。曲が全てピアニストのものであり、更にこのトリオは録音のために集まると言ったグループのようで、曲の進行を補佐するといったところに終始している。
トリオ・リーダーのアイヴィン・オースタは、1973年ヘルゲン生まれ、トロンハイム科学技術大学(NTNU)でジャズ研究を学び学士号。現在ベルゲン在住で、ベルゲン大学グリーグ・アカデミーのジャズ学科准教授と、演奏家としてのキャリアを組み合わせて活動しているようだ。ピアニストとして結構引き手あまたで、この自身のグループの他、幅広いプロジェクトに参加。
全体に北欧ジャズの世界に特化して、静にして凛としたピアノの響きにまつわる曲展開を目指したものと見るが、同じノルウェーのトルド・グスタフセンほど哲学的で無く、その点は若干私は不満だったが、ソウル、ゴスペルを加味した牧歌的な世界を描くとなると、こうなるのかもしれない。とにかく彼らは目下諸々探究中にあることを述べているので、これからの展開に興味も持たれる。しかしノルウェーはこうした多くのピアノ・トリオが健闘していますね。
(評価)
□ 演奏・曲 ★★★★☆
□ 録音 ★★★★★☆
(試聴)
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