マリオ・モンテッラ Mario Montella Trio 「 Elsewhere」
デビューアルバムであるが、洗練された曲構成、叙情性、即興の自由を見事に融合させた現代ジャズ
<Contemporary Jazz>
Mario Montella Trio 「 Elsewhere」
Abeat / Import / CD / ABJZ285 / 2025
Mario Montella (piano and compositions)
Gianfranco Coppola (doublebass)
Giuseppe D'Alessandro (drums)
Recorded,Mixed & Mastered by Stefano Amerio
at ARTESUONO RECORDING STUDIOS - CAVALICCO (UDINE) ITALY
2025年5月9日録音
イタリアのコンテンポラリー・ジャズ界で好評のマリオ・モンテッラ・トリオのデビューアルバム。リーダーのマリオ・モンテッラ(→)は、ナポリ出身のピアニストで、クラシックとジャズの両方の訓練を受けたミュージシャンとのこと。クラシック音楽の基礎をしっかりと身につけた上で、自身の創造力と即興性を融合させたジャズ・ピアノを展開している。
目下彼に関する情報も少ないが、洗練されたソングライティング、リリシズム、そして即興の自由さを融合させたまさに現代的なコンテンポラリージャズを展開して好評の為、早速聴いてみたという処だ。現在まで、ソロ、デュオ、トリオ、カルテットなどの編成で活躍。ライブ演奏のほか、イベント出演やレッスン・ワークショップの提供も行っているようだ。
そしてこのアルバムは7曲の構成であるが、全てモンテッラ自身のオリジナル曲で挑戦している。
(Tracklist)
1. Italy 09:31
2. Lunar 06:20
3. Las Vegas 07:17
4. Habemus Papam 06:37
5. Ballad Of Fairies And Witches 05:51
6. Blue Sea 07:42
7. My Laura 07:43
(*All composed by Mario Montella)
なかなか、イタリアはやはり音楽の国、こうした実力者が多い。 このマリオ・モンテッラも広く知られる存在ではないが、作曲においては非常に完成した境地を持っていて、このトリオにおける表現力も人並み以上のものを感ずる。
タイトルは「Elsewhere」は、"どこか別の場所で"という意味か、想像上の独自の音響的「別世界」を自ら提供しようとする・・・それは、味な無音空間を生かし、そしてトリオの三者同士の深遠な対話で構成される内省的ではあるが彼ら独特の空間であるようだ。
そしてマリオ・モンテッラのピアノは独自のタッチと作曲を持って先導し、ジュゼッペ・ダレッサンドロの繊細なドラミング、ジャンフランコ・コッポラのコントラバスは妙に生きて曲を構成する。トリオは既に彼ら自身の世界を誇らしげに見せて、余裕すら感ずる演奏は驚きだ。これに関しては、録音関係は、例の名エンジニアのスファノ・アメリオによるハイ・センスを経て完成したもので、この力も音質と表現の深みによって、描く世界を倍増しているように思う。
M1. "Italy" なんと冒頭 10分に迫る長曲。ピアノが中心だか、ベース/ドラムは、支えるというより対話的。現実か空想かダイナミズムが迫ってくる
M2. "Lunar" 美しさと余韻
M3. "Las Vegas" インタープレイが活発で躍動的
M4. "Habemus Papam" まさに即興の美学
M5. "Ballad Of Fairies And Witches" ちよっとミステリアスで、空想・幻想世界が襲う
M6. "Blue Sea" 波のように揺れながらも、ステック音に支えられ前半ピアノ、中盤ベースが広がりの世界へ、そして終盤はドラムスの響きが勢いを増して、三者のアンサンブルの妙
M7. "My Laura" どこか満足感のある人間的世界で締めくくる
デビュー作でありながら、「円熟」「時間空間の彩」「人間の内面への探求」と驚きの完成度の高いアルバム。いっやーー、恐ろしいトリオの出現だ。技巧的にも優れていて、更にトリオの対話的交わりが高度。これには録音・ミックスの高技術によるトリオ三者の演奏が十分手に取るように聴かれることだ。結論的に、美の探求感も忘れていないハイレベル・アルバム。欧州美学が凝集している作品だ(ちょっと褒め過ぎか)。
(評価)
□ 曲・演奏 : 90/100
□ 録音 : 88/100
(試聴)

























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