ダイアナ・パントン DIANA PANTON 「SOFT WIND AND ROSES」
相変わらず清楚可憐な抒情派歌唱で・・・
<Jazz, Pop>
DIANA PANTON 「 SOFT WIND AND ROSES カヴァーズ〜私の好きな歌」
SPOON / JPN / ESPC-1001 / 2025
Diana Panton (vocal)
Reg Schwager (acoustic guitar, electric guitar)
Don Thompson (piano, vibraphone, bass, electric bass, keyboard, arrangement)
Recorded /mixeded / Mastered by Chad Irschick at Inception Sound Studios, Toronto, Canada, 2024
入れ込んでいるわけでもないのだが、なんとなくニュー・リリースとなると買ってしまうお馴染みカナダの人気歌姫ダイアナ・パントン(カナダ-オンタリオ州ハミルトン生まれ、→)の、2年ぶりとなる待望のニュー・アルバムだ。今回のアルバムは、例によってドン・トンプソン(p,vib,b他、↓左)&レグ・シュワガー(g、↓右)のバックアップを得ての、ポップス・ソングス・カヴァー集。この日本盤は、元Muzakの福井亮司氏が立ち上げた新レーベルspoonからのリリースで記念すべき第一号。
ダイアナ・パントンも既にカナダ・ジャズ界の重鎮ドン・トンプソンのサポートを得て2005年に『Yesterday Perhaps』でアルバム・デビューだから20年のキャリアとなる。カナダのグラミー賞に相当するJUNO Awardの常連でもあり、『RED』は2015年度JUNO Awardの最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞に輝いた。本国カナダはもちろん、米国、ヨーロッパ、アジアでも結構多くの注目を集める。
前作は『BLUE』(2022)では、ようやくかなり大人の味になってきたのだが、もうおそらく40歳となる。しかしその割にはあどけなさの残った優しさ溢れる歌声はジャズ・ヴォーカルの中では異彩を放っており、醸し出すインティメイトにして清楚可憐な雰囲気は日本人好みの世界なのかもしれない。今作は日頃彼女が口ぶさむ歌といった感じのものを集めた作品集で、Jazz歌唱の世界に導いた父親や彼女の周りの人達への感謝の作品集と言った性格のものの様だ。
(Tracklist)
01. Your Song
02. (They Long To Be) Close To You
03. Secret Heart
04. Sweet Happy Life
05. A Wish (Valentine)
06. How Deep Is Your Love
07. Pussywillows Cat Tails
08. Here There And Everywhere
09. You And I (Voce E Eu)
10. And I Love You So
11. Until It's Time For You To Go
12. Hey That's No Way To Say Goodbye
13. Snow
14. Both Sides Now
選曲はカナダのシンガー・ソングライターの曲を中心に60-70年代のロック、ポップスやボサノヴァなどのポピュラーな彼女のお気に入りの曲となっている。
オープニングはエルトン・ジョンの代表曲M01. "Your Song"で、これがなかなか彼女らしい詩の意味をかみしめて美しく歌い上げる良い出来だ。続いてカーペンターズのヒット曲M02. "(They Long To Be) Close To You「遥かなる影」"と快調な出だし。
M07. "Pussywillows Cat Tails"は、いかにも物語を聴かせるような味のある仕上げ。M08."Here There And Everywhere"はビートルズの曲も登場するが、意外にしっとりと演じられている。M04." Sweet Happy Life", M09."You And I (Voce E Eu)"のように意外にもボサノヴァ曲も登場する。ギターの演奏もジャズ色豊かに演じて、彼女の歌とともに爽やかでこのアルバムの色付けにうまく貢献している。M11." Until It's Time For You To Go"のようにエルヴィス・プレスリーの世界まで熟してしまうのには驚きだ。
更にM12."Hey That's No Way To Say Goodbye"はレナード・コーエン、M14."Both Sides Now「青春の光と影」"はジョニ・ミッチェルと、この一種独特な世界を持つ二人の曲と歌を美しい詩情の世界に歌い上げているところはなかなかのものである。
とにかく、誠心誠意優しさの中に、ごく自然体でのなんとなく可愛らしさと美しさを描くパントンの歌には恐れ入る。これもトンプソンの編曲効果が大きいのかもしれない。シュワガーのギターも優しく響く。いわゆるジャズといった世界からは一歩別世界のように感ずるところもないではないが、こんな世界も時には良いものだ。特に有名なミュージシャンの歌う曲は、おそらくそれなりに気になるものと思われるが、ここでは彼女の世界がちゃんとあるところが立派だ。
又録音・ミキシングにおいて、彼女の声を最も前面に持して息遣いまで表現しているところは、彼女のヴォーカル・アルバムはそれもありだと思わせるには十分な見事な仕上げであった。
(評価)
□ 選曲・編曲・歌 : 88/100
□ 録音 : 87/100
(試聴)







































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