ブラッド・メルドー SOLO CONCERT(Montpellier) & BRAD MEHLDAU TRIO (Gilmore Fes.2025)
<Brad Mehldau のニュー・アルバム>
「RIDE INTO THE SUN」
Warner Music Japan / JPN / WPCR-18764 /2025
コンテンポラリー・ジャズ・ピアノ界で今や泣く子も黙るパワーのあるブラッド・メルドー、ジャズからクラシック、そしてポップスやロックの魅力をクラシックにも通じた感覚の彼の音楽に対して深い解釈で探求しながら、ジャズ・シーンに大きな影響をもたらしつつ活躍中だ。
そんな現代ジャズ探求の道の中で待望のニュー・アルバムの登場、其れがなんと過去に共演したことのあるインディー・ロックのシンガー・ソングライター、エリオット・スミスの楽曲(10曲)を、メルドーのセンスを生かした独自の解釈で編曲したソングブック的作品『RIDE INTO THE SUN』(↗)(スミスの曲からインスピレーションを受けたというオリジナル4曲も)である。メルドーは「エリオット・スミスは、独特のハーモニーを通してだけではなく、明暗の融合を巧みに表現する稀有な才能の持ち主だった」と語っている。
今月末に一般にお目見えだが、何個かの曲が既に聴ける。スミスの代表曲"Between The Bars"は、トリオもので美しい演奏で良いのだが、"Tomorrow Tomorrow"、"Southern Belle"は、男性ヴォーカルもの(feat.Daniel Rossen)であり、又"Better Be Quiet Now"は、前半は優しく美しいフォーク調ピアノソロ、このままの方が私は良いのではと思うが、中盤からストリングス・オーケストラなどが入り、ポピュラー・ミュージックなタイプ。"Colorbars"は、マンドリンと男性ヴォーカルもの。・・・・こんな調子で、どうも私の最も期待するところのアコースティックなジャズ・ピアノ・トリオ・アルバムとは言い難い。
このようにオフィシャル・リリースものでは、彼の探求と実験が続いていているのだ。そんなこともあって、むしろ近年は、世界各地での彼のライブものがプロ収録でどんどん準オフィシャルに出て来るので、ついそちらの方に私は寄っていってしまう。彼の純粋な(ちょっと変な言い方だが)ジャズは、なかなか難解もあるが、やはり魅力はトップ・クラス、そこでこのところはブートものでむしろ満足しているのである。
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(以下はブートによる最近のBrad Mehldauのライブもの)
<Contemporary Jazz>
(この7月収録もの)
■BRAD MEHLDAU 「SOLO CONCERT IN MONTPELLIER 250709」
STARGAZER'S / CD /FILE NUMBER 00508 / 2025
Brad Mehldau : Piano
Recorded Live at Domain d'O.Montpellier,France.July 09.2025
今年2025年来日後のユーロ・ツアーでのついこの間の7月9日、フランスでのソロ・コンサートが行われ、その模様がフルに収録されている。リリースがなんと1ケ月後には、と言う早さで良いですねぇ・・・。サウンドボード収録での良質音源でFMオンエアーされたもののマスターからで、音質はブートとしては良質。中身は彼のかなりリラックスしたピアノ・ソロもので、主たるは所謂ジャズ・スタンダードでなくロック、ポップスものを編曲してジャズ仕上げしたモノで、なかなか楽しい。ジャズの一つの道を開拓している彼のソロモノと言うことだが、多彩な鍵盤の音で飽きさせないどころか、不思議に聴き入ってしまう。"Sweet Adejine"のテクニックは見事であり、ビートルズの曲"Baby's In Black","And I Love Her"などなかなか良いし、ニルバーナ"Smells like teen Spirit"、ビリ-・ジョエル"VIENNA"なども聴き処が多い。
(曲目は下記)
Soundboard Recording (DISC 1) : 1. OPTIMISTIC 2. ST. ANNE'S REEL 3. ALREADY DEAD - SWEET ADELINE 4. TRAILER PARK GHOST - GOLDEN LADY 5. BABY'S IN BLACK - SMELLS LIKE TEEN SPIRIT (DISC 2) : 1. AND I LOVE HER 2. INCHWORM 3. VIENNA 4. LITHIUM 5. WHEN I FALL IN LOVE
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<Contemporary Jazz>
(来日メンバーのトリオもの)
■ BRAD MEHLDAU TRIO 「GILMORE INTERNATIONAL PIANO FESTIVAL 2025」
STARGAZER'S FILE Number 00509 / 2025
CD(2) : EXCELLENT Soundboard Recording // 80 min
Blu-Ray(1) : PRO-Shot / Full HD (1920x1080) 16:9 / Dolby Digital Stereo / 88 min
Brad Mehldau - piano
Christian McBride - double bass
Marcus Gilmore - drums
Recorded Live at Gilmore International Piano Festival, The Gilmore, Kalamazoo, MI, April 13, 2025
こちらは、今年の来日前のブラッド・メルドウの期待のトリオでのライヴ音源。2025年(2024年か?)の「ギルモア・インターナショナル・ピアノ・フェスティヴァル」での音源(CD)とプロショット映像(Blu-ray)のカップリング収録されている。一緒にツアーをすることはめったにないグラミー賞受賞ジャズアーティスト3人による特別なコラボレーションであり、日本公演でも大歓迎された。
このライブは、Cole Porterの"Anything Goes"からスタート、静かな自信のにじむステージ模様と、とにかく演奏に隙が無い、そしてそれぞれのパートからソロ演奏まで緻密な演技に圧倒される。三者のインタープレイにおいても緻密にして流れが見事でありながら、それぞれの個性もちゃんと出しているところはさすがであり素晴らしい。
私にとっての目玉はスタンダードのイタリアの"EATATE"だ。お気に入りの曲だけに何度も聴いてしまう。この演奏に於いてもメルドウのパッサージ・ワークがずば抜けていることが解る。そしてビル・エヴァンスの"Young and Foolish"のバラード演奏が良いですね。
このトリオは、「マクブライドが特徴的な音色とメロディーラインでリードし、メルドーがハーモニーのアイデアを拡張し、ギルモアが複雑で反応の良いリズムを加える」と評価されている。まあメルドーの曲構造の構築がすばらしくマクブライドのメロデックさとギルモアの緻密な反応の良いリズムとで魅了している。最後の"Thank of One"は、三者のバランスが良いですね。
(参考)
☆マクブライドChristian McBride(米、1972-)=インサイド・ストレートやクリスチャン・マクブライド・ビッグ・バンドなどのアンサンブルを率いる。実験的で自由奔放なジャズをも演ずる。ファンク、ソウル、ラテン、ヒップホップ、リズム&ブルースなど。
☆ギルモアMarcus Gilmore(米、1986-)=象徴的なドラマー、ロイ・ヘインズの孫。祖父譲りのエッジの効いたサウンドとヴァラエティに富んだトリッキーなプレイで、新世代ドラマーとして共演者から注目を浴びる。チック・コリアと共演。ヴィジェイ・トリオのメンバー。
又、このライブ映像はYouTubeで公開されていて、すこぶる好評だが、良好音質でのCDで別に聴くのもオツなもの。
(Tracklist)
(CD / DISC 1) 1. ANYTHING GOES 2. SOLID JACKSON 3. AT A LOSS 4. GRAVY TRAIN
(CD / DISC 2) 1. ESTATE 2. CODEX 3. YOUNG AND FOOLISH 4. THINK OF ONE
(Bru-Ray) 1. Warm-Up 1. ANYTHING GOES 2. SOLID JACKSON 3. AT A LOSS 4. GRAVY TRAIN 5. ESTATE 6. CODEX 7. YOUNG AND FOOLISH 8. THINK OF ONE
(試聴)












































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