アレッサンドロ・ガラティ Alessandro Galati「Standard Deviation」
高速展開のお洒落なピアノ・トリオ・ジャズ・アルバム
<Jazz>
Alessandro Galati「Standard Deviation」
JAzZMUD / Digital Release /24bit 96kHz Flac , 3210 Kbps, RAR/ZIP :1.16 GB / 2025.5.25
Alessandro Galati(p, mixing, editing)
Ares Tavolazzi(b)
Bernardo Guerra(ds)
Rcorded by Andrea Pellegrini at Larione 10 Studio (FI), 2024.
Mixed and mastered by Alessandro Galati at Church St. Studio (FI), 2025.
このアレッサンドロ・ガラティ(→)のピアノ・トリオ・アルバム「Standard Deviation」は、2025年5月JAzZMUDレーベルからリリースされたアルバムである。実はこのアルバムはデジタル・リリースで、知らないまま来てしまって、ちょっと遅れて最近聴いた為、今の紹介となった。昨年寺島レコードから、ここでも取り上げた三枚のアルバム『plays Standards』(TYR-1121,1122,1123、2024)に続くモノで、あれは、おそらく寺島靖国からの注文もあったろうと推測するのだが、バラード調の哀愁感ある作品が多く、イタリアン・リリシズムと言う世界でもあったが、又そうでなくとも比較的聴く者にとって優しい演奏の曲が盛られていたように思う。
そして、今回のこのアルバムは、トリオとしてのメンバーは同一のAres Tavolazzi(b, 下左)、Bernardo Guerra(ds, 下右)といったところで、完全な続編であるが、聴いてみて解るとおり明らかに異なった"Deviation"という世界が聴けるので楽しい作品だ。
これも推測だが、ガラティはあの一連の"「Plays Standards」作品群"は、私は聴いた当時から、彼はおそらく寺島靖国の要望を理解して、自己の世界をかなり押さえているように感じていたが、やっぱりそうかと、こちらの続編の演奏には、ガラティばかりでなく、トリオ・メンバーが面白いように活躍している。おやおやここで欲求不満を解消しているのかとも思うのである。もともとガラティの発展系のスタイルが、単にスタンダードをおとなしく演奏していること自体不自然であったのだ。したがってクラシック・ジャズのスタンダード曲とジャズメンが見せたオリジナル曲をも取り入れて、その流れと演奏に融合を図ったりして、ガラティの築き上げてきたジャズ感覚を、共演のリズム隊と共に溌剌とお互い自己の味も披露しての展開が素晴らしい。是非CDやLPでもリリースして欲しいところである。
(Tracklist)
1. Bernie Miller: Bernie’s Tune
2. Bill Evans: Funkallero
3. Juan Tizol: Caravan
4. Miles Davis: Freddie Freeloader
5. Kenny Dorham: Blue Bossa
6. Richard Rodgers: Falling in Love with Love
7. Frank Churchill: Someday My Prince Will Come
8. Jerome Kern: In Love in Vain
9. Clifford Brown: Joy Spring
10. Sonny Rollins: Oleo
いっやーーとにかく楽しい。所謂ジャズメンのオリジナル曲が多くを占めていてなんか新鮮だ。スタンダードは当然のメロディが顔を出すが、ガラティ独自の解釈が結構展開するし、そしてドラムスは"開放感"そのものを感ずる演奏で、ベースもなかなか"粋"で楽しませる。従ってスタンダード演奏というところから発展しての個性豊かな魅力的なジャズアルバムとして仕上がっている。
とにかく、あの3作のスタンダード演奏もあれだけ続くと、ちょっと退屈になつたバラード調の演奏から解放され、ミッド・テンポからハイテンポでのインプロを交えての展開が快適で・・・ガラティのトリオのリズム隊を尊重してのエンジニアとしてのミックス作業も効果を発揮。
M1. "Bernie’s Tune"から、ドラムス、ベースが溌溂としていて、快調なピアノを支えるというよりむしろ迫ってくるのが楽しい。
続くBill EvansのM2."Funkallero"は、ぐっと味わい深いブルース調で、これは珍味。
そしてM3."Caravan"が、冒頭からガラティのフェイク編曲メロディーがルバート奏法で快調に展開、後半のベース・ソロは全く別曲に聴こえて、そこにガラティがピアノで原曲に呼び戻すところが面白い。それでも一筋縄に行かない編曲だ。
Miles DavisのM4."Freddie Freeloader"は、ベースのリズムが効いて、ジャズのスマートさが目立つ。
M5."Blue Bossa"は、なかなか洒落てます。
M6."Falling in Love with Love"これはなんと驚きの三者の高速バトル。ジャズの楽しさだ。
M7. "Someday My Prince Will Come" は、ちょっと優しく軽いタッチのムーディーなピアノにベースが交互にメロディを演ずる。その一致感覚が心地よい。
M8. "In Love in Vain" この曲もガラティは軽く跳ねるようなタッチでメロディを、そしてアドリブに流れ、引き継いでベースもアドリブを。
最後のSonny RollinsのM10."Oleo"も、高速展開であっという間に納めてしまうというお洒落な締め。
しかし、このトリオはこのアルバムでは十二分に自己のセンスをオープンにしている。これでガラティ自身もこのところの"スタンダード演奏"も、ここで"ミュージシャン・オリジナル"を噛ませたことで、一段落といったところに落ち着いたのでは。昨年の三作では、ちょっとよそ行きのガラティで、、本人も欲求不満だったのではと思うところだったが、これで私自身も納得だ。
(評価)
□ 選曲・演奏 : 90/100
□ 録音 : 90/100
(試聴)















































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