ピアノ・トリオ

2026年5月12日 (火)

コンラッド・パシュクデュスキ Konrad Paszkudzki trio「 Putting'On The Ritz〜Irving Berlin Songbook」

伝統的なアメリカン・ジャズのスウィングの流れに現代性が見える世界

<Jazz>

Konrad Paszkudzki trio「 Putting'On The Ritz 〜Irving Berlin Songbook」
Venus Records / JPN / SACD / VHGD-10027 / 2026

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コンラッド・パシュクデュスキ Konrad Paszkudzki - piano
ディラン・シャマト Dylan Shamat - bass -
ダグ・マーカス Dag Markhus - drums
Produced by Tetsuo Hara
Recorded at Trading 8s Recording Studio, Paramus, NJ
on August 27th and September 16th , 2025.
Engineered by Chris Sulit
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara

Konradpaszkudskiw  ここで取り上げるは、正統派のジャズ・ピアニストと言われるNYで活躍中のコンラッド・パシュクデュスキKonrad Paszkudzki (→)が率いるトリオによる “Irving Berlin Songbook” というシリーズ的作品。これは米国の歴史的偉大な作曲家に捧げるシリーズ(2017年より)の第7集と言う事になるようだ。過去には、ガーシュイン、コール・ポーターなどを取り上げ、トリオ・メンバーも不変(ディラン・シャマトDylan Shamat (bass, ↓左)  、ダグ・マーカスDag Markhus (drums, ↓右))で、今回は"アーヴィング・バーリンIrving Berlin (1988-1989)"を取り上げている。私自身はこのシリーズには特に接してこなかったのだが、ここまで続けて築き上げているシリーズということだと、やっぱり尊重しつつ聴いてみたいと言うことになるのだ。

 ピアニストのパシュクデュスキは、名前からしてなんとなく想像は付くのだが、彼はポーランド出身である。そしてオーストラリア育ち、15歳から大学で学び、18歳で学位を取得する天才ピアニスト。そして現在ニューヨークで活動中だが、Venusレコードで活躍中のあのニッキ・パロットの紹介があって、こうしてVenusからアルバム・リリースしていると言う事だ。

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(Tracklist)

01 Count Your Blessings 
02 What'll I Do 
03 I Used To Be Color Blind 
04 Let's Face The Music And Dance 
05 Change Partners 
06 No Strings 
07 The Best Thing For You 
08 I Love A Piano 
09 Puttin' On The Ritz 
10 Isn't This A Lovely Day 
11 The Best Things Happen While You're Dancing
12 Be Careful, It's My Heart 
13 Always 

  やはり原曲を意識しての全体的に懐かしのクラシックなジャズのイメージが湧いてくる。ピアノ・トリオで粋なスウィングが溢れて抵抗なく聴くことが出来る。そしてただノスタルジックに演ずるので無く結構テンポやリズムは現代的。曲のイメージの仕上げは"ロマンティックでエレガント"で、飾りが多くならずメロディの美しさを最大限に演じ、タッチは重くならず、トリオ全体が軽やかにスウィングする心地よさが全編を通して充実している。
 つまり古典的ジャズに対しての「革新性」の追求というよりは、洗練されたリズム感にてのアメリカン・スタンダードの美しい旋律を呼び起こして、スウィング感の尊重と、ピアノ・トリオの三位一体の追求を試みているとみることが出来た。

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 M01." Count Your Blessings" 穏やかな幕開け。「歌心」がストレートに演じられて聴く方の気分を良くしてくれる。
 M02. "What'll I Do" なんとなく切ないメロディが迫るバラード。ピアノ美しさが曲の全編に流れる。
 M03. "I Used To Be Color Blind" 中音域の響きが豊かで展開も快調。
   M04. "Let's Face The Music And Dance" 小気味よい前進するテンポ。トリオの息の合ったところが粋で快感、聴き慣れた曲をジャズとして堪能できる。
 M05. " Change Partners" ピアノが哀愁を帯びたメロディをほぼ演じきるが。ベースラインの支えがジャズとしてのスリリングな味を出す。
 M06. "No Strings" 軽快に弾むようなスウィング感。
   M07. "The Best Thing For You" アップテンポで快調、ピアニストの流れる演奏が冴える。
 M08. " I Love A Piano" ピアニストも曲に酔っての演奏で、その遊び心も楽しめる。
 M09. " Puttin' On The Ritz" アルバム・タイトル曲。 都会的センスが響き、このトリオの現代性を込めての快演。
   M10. " Isn't This A Lovely Day" 懐かしの時代の明るさが目に浮かぶ。
 M11. " The Best Things Happen While You're Dancing" ドラムのブラシワークに乗って。
   M12." Be Careful, It's My Heart" ベースが詠う世界と弾むピアノの繊細さが妙に合っている。
   M13. " Always" 快適なリズムと快感のピアノの音、トリオの乱れぬ演奏が聴き処。

 やはり「粋なスウィングの楽しさ」と言うのが、よき時代からのジャズ世界の味だというのがよく解る演奏で、多岐にわたるジャズ・アルバムを聴いている中で、こうした世界にふと現代的なアプローチで帰ってみるのはなかなか良い事だと思わせる。
 私が何時も偏って聴く「北欧的世界」、「ECM的な流れ」、「イタリア的な歌心・メロディ」、「クラシックがベースにあるポーランド流ジャズ」などなどから、ふとこの「アメリカンな軽妙なスウィング・ジャズ」も、時には良いモノだと聴いた次第である。
 特にこのトリオの演奏は、技巧に酔って難解に流れることなく、聴きやすさに溢れているところが又一つの良かった点でもあると評価したい。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏  :     88 /100
□   録音        :     88 /100

(試聴)

 

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2026年4月25日 (土)

ヨエル・リュサリデス JOEL LYSSARIDES 「LATE ON EARTH」

北欧の人間の内面に対峙した詩情豊かな耽美的世界をしっとりと演ずる北欧現代ジャズ

<Jazz>

JOEL LYSSARIDES 「LATE ON EARTH」
ACT MUSIC / Import / CD / ACT80212 / 2026

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Joel Lyssarides ヨエル・リュサリデス (piano except 04)
Niklas Fernqvist ニクラス・フェルンクヴィスト (bass)
Rasmus Blixt ラスムス・ブリクスト (drums except 04)

Recorded 07–08 July 2025 at Bauer Studios, Ludwigsburg
Recorded, mixed and mastered by Adrian von Ripka
Composed by Joel Lyssarides
Produced by Andreas Brandis
Photos by Andreas Brandis (Joel Lyssarides)

1900x1900000000w_20260425111901  スウェーデンの油の乗ってきた人気ピアニストのヨエル・リュサリデス(1992年スウェーデンのストックホルム生まれ)の、今回久々に不変のレギュラー・トリオにての最新アルバムの登場。前作はおそらくここで取り上げたのは2022年の『Stay Now』(ACT9942-2)だと思うが、4年ぶりになるだろうか、その間、E.S.T.がみで彼は一役買っている。そして2023年に『A Tribute To Esbjorn Svensson Trio』(ah23-196)をリリースしていて、又2024年にはViktoria Tolstoyのアルバム(『Stealing Moments』(ACT97472))などで、ピアノでサポートしている。私にとっては、注目のピアニストであり、いずれにしても彼の今回のリーダー作であるピアノ・トリオは大歓迎である。

 彼は、ヨーテボリやストックホルムでピアニスト&作編曲家として幅広く活動、近作群がいずれも高い評価を得てきた。そして今アルバムは、12曲収録で全曲彼のオリジナルである。そして長年のトリオ・パートナーであるニクラス・フェルンクヴィスト(ベース ↓左)とラスムス・ブリクスト(ドラム ↓右)と共に演奏が行われ、一層トリオとしての親密さとそれぞれの役割が充実してきているようである。

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(Tracklist)

01. Bortom Bergen 5:26
02. Mahabalipuram 4:39
03. Life In Between 4:49
04. In Itinere 1:55 (solo bass)
05. Sotira 4:56
06. Never Alone 5:54
07. Raqs Sharqi 4:57
08. Folie À Deux 3:47
09. Intermission 0:52
10. Anemoia 3:48
11. Follow The Night 3:17
12. Late On Earth 4:12
*composed by Joel Lyssarides

 これまで以上にパーソナルで感情の深淵に触れる世界に入っている。印象として北欧抒情派らしく北欧因子に満たされているが、フォーク、クラシック因子を感じさせる。しかし緩急巧みにこなして、時に入るダイナミックな攻めもみせてコンテンポラリーなジャズを展開。 そして澄み切ったピアノの音にも引き寄せられる。
 このアルバムの説明には、「自己内省と音楽的実験を繰り返して完成させた」とあって、内面的なところに迫っている雰囲気だ。そして早くも彼のキャリアにおける一つの到達点と言える内容との評価がある。そしてこのアルバムは、製作説明にあるように「完璧さを求めるのではなく、"不完全さが持つ人間味や面白さ"をあえて受け入れる」ことをテーマに制作したと言うことのようだ。
 そんな意味でも、これは夜に一人でじっくり聴くという世界にマッチしていることは事実だ。そうしたことにより、描かれているモノが見えてくると言う事かも知れない。

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M1. "Bortom bergen"「山の向こう側」の意味らしい。北欧らしい静かさの広大な風景を想起させる透明感の高いピアノのメロディーが聴かれる。このアルバムの叙情性を示すオープニング曲。
M2. "Mahabalipuram" インドの地名、複雑なリズム構造があって、リュサリデスの音楽的探究心がインド音楽に向かっているか。
M3. "Life in Between" 中間的というか曖昧と言うか精神状態や時間の流れの表現か、浮遊感のバラードで、彼の世界の表現か。
M4. "In itinere" (旅の途中で) ベース・ソロ、これもぐっと低音で、内省的。
M5. "Sotira" 「地中海的な色彩」が演じられるとの説明あり、温かさがあって魅力的。
M6. "Never Alone" ぐつと繊細に優しさが響くメロディ。たまらなく引き込まれる。感情表現が凄い。
M7. "Raqs Sharqi"「東方の踊り」の意味、リズミカルで躍動感。ちょっとエキゾチック。
M8. "Folie à deux" (共有された狂気)ピアノとリズム隊のインタープレイが聴きどころ。
M9. "Intermission"  繊細なピアノ・ソロ。気分転換。
M10. "Anemoia" ノスタルジックな気分にさせる。
M11. "Follow the Night"   夜の静寂、ちょっとダークだがロマンチックでもある。 
M12. "Late on Earth" アルバムを締めくくるタイトル曲。ゆったりとした中に不思議に安定感と希望が感じられる。

 私の好きだったE.S.T.の良さをちょっと思い起こすところも無いではないが、。以前よりも音の「間」をうまく使うような演奏と、透明感のあるピアノの響きには惹かれるところが十分にある。何故かインドが垣間見えたり民族的音楽メロディーにも立ち入ったり、三者の互いの呼吸がうまく乗ってきたのは、それだけの人生経験の積み重ねの賜とも言えそうだ。

 演奏スタイルが技巧いってんばりにならず、感情を訴えるに重きも寄せてきた「人間的な音楽」への道に入ってきたのも、むしろ芸術性から見ても音楽的評価が高まるかも知れない
 不完全な人間にとって、前向きな気持ちが誘導されるような優良作品にも聴けるし、今までの彼の人生の一つの総括と今後への展望でもあるのかとも聴ける。耽美哀愁プレイで、親しみやすさや芸術性があって感情の深さもありなかなかの素晴らしい作品であった。

(評価)
□ 曲・演奏・コンセプト :    90/100
□   録音         :    90/100

(試聴)

 

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2026年4月20日 (月)

イルゴール・ゲエノー Igor Gehenot Trio 「 Shining Face」

欧州抒情とジャズのグルーブ感を忘れない成熟演奏

<Jazz>

Igor Gehenot Trio 「Shining Face」
Igloo Records / Import / CD / IGL390 / 2026

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Igor Gehenot (piano)
Sal La Rocca (bass)
Umberto Odone (drums)

Recorded by Jonas Verrijdt at Rockstar Recording in May 2025

Dsc_0602w  ベルギーのジャズシーンで15年のキャリアを持つ円熟期に入ったピアニストのイゴール・ゲエノー(1989年ベルギーのリエージュ生まれ →)の新作である。過去に1stアルバム『Road Story』(IGL232, 2012)などに接してきたが、今回は自身の息子に捧げた非常に個人的な作品と言う事だが、やはり欧州的抒情的なメロディと一方なんと原点であるアメリカン・ジャズのダイナミックさもちゃんと聴かせ、ハード・バップ色も加味されていて、「洗練された現代的なジャズの感性が融合した内容」として評価されている。

 ピアノ・トリオ・スタイルによる新メンバーとの演奏であるが、以前からの共演者サル・ラ・ロッカSal La Rocca (bass、↓左) と気鋭のウンベルト・オドーネUmberto Odone (drums、↓右)との息の合ったところを披露していて、近年の流行のLPを意識してのことか、自作曲5曲を中心としたCDとしては若干少なめの7曲によるアルバムである。
 卓越したメンバーとの演奏によって、円熟期を迎えたアーティストが親密なる家族への愛を込めていて、成熟した深みのあるところを聴かせてくれる。

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 (Tracklist)

1. Shining Face (6:33)*
2. All Of You (4:09)
3. Giulio (5:56)*
4. Eyes Of Black Dog (3:37)*
5. Random Life (4:22)*
6. Big Foot (4:10)
7. Bulle (6:14)*
 *印:(1, 3, 4, 5, 7)composed by Igor Gehenot
   2 by Cole Porter
   6 by Paul Bley

 コンテンポラリー・ユーロ・ジャズといったところを地で行く抒情性あるメロディックなプレイとジャズのグルーヴ感を持ち合わせての演ずるところはにくいところである。そして今回はテーマによるせいか、一層抒情性が増してきているように思う。

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 M1."Shining Face" タイトル曲、幕開けを飾る、光を意識したピアノの美旋律が流れる。大切な人を想う優しさを表現。次第に後半では三者それぞれダイナミックさを強調してゆく。
 M2."All of You" スタンダード曲のカバー、アレンジが近代的。三者それぞれのジャズ演奏の技を披露。
 M3."Giulio" しっとりと優しき思索的なバラード。間を活かしたピアノの音と、やはり優しきベースソロがぐっと心に。このアルバムの品格も高めている。
 M4."Eyes Of Black Dog" がらっと変って、ピアノの激しさとドラムスの変則リズムでスリリングな展開。
 M5."Random Life" 思索的に語るように・・、予測の出来ない人生の回顧か。
 M6."Big Foot" メロディー優先でないダイナミックなゲエノーのタッチが展開し、ドラムスのソロも入って力強い現代ジャズ。
 M7."Bulle" アルバムを締めくくる、未来志向の静かで穏やかな一曲。ベースとピアノの優しき交錯が曲名の「泡」のように、儚ない美音の弾きを見せる。

 非常に聴きやすいとうところが一つの完成度の高さかも知れない。ヨーロ感覚が演ずるところにアメリカン・ジャズの価値観を持っての精神性を有したジャズ全体像をも見渡しての世界感があって、バランス感覚が非常に良い。十数年前に新人として1stアルバムを聴いた時を思い出すと、かっての初期の荒々しい衝動性はこのアルバムでは後退していると残念がるかも知れないが、それはテーマによるところが大きいからかも知れない。又録音の質もかなり良く、ベースやドラムスの役割も明瞭に聴き取れ現代トリオの全体像の構築が見事。

(評価)
□ 曲・演奏 :    88/100
□ 録音         :    88/100

(試聴)  

 

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2026年4月10日 (金)

ウラジミール・シャフラノフ・トリオ VLADIMIR SHAFRANOV TRIO 「 SOUL EYES」

「成熟したジャズの美」と評される世界 

<Jazz>

VLADIMIR SHAFRANOV TRIO 「 SOUL EYES 〜relaxin' moods」
Venus Records / JPN / SACD / VHGD-10026 / 2026

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ウラジーミル・シャフラノフ Vladimir Shafranov (piano)
ハンス・バッケンルート Hans Backenroth (bass except 7)
ムッサ・ファデラ Moussa Fadera (drums except 7)

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   彼はロシア出身でフィンランドを拠点に活動するピアニスト、なんとなくベースに北欧らしい世界感を持ちつつ、ニューヨーク仕込みのスウィング感を併せ持っていての聴きやすさの演奏で日本でも愛されてきた。4歳の時にリムスキー・コルサコフ音楽院でピアノとバイオリンを始め、1973年にイスラエルに移住。数年後、彼はヘルシンキに移り、1980年からフィンランド国籍を取得している。又1983年から15年間はニュー・ヨークでのジャズ音楽活動という経歴もある。

   本作は、スウェーデンでの録音によるトリオ作品で、スウェーデンのベースにハンス・バッケンロス(↓左)、ドラムにムッサ・ファデラ(↓右)を迎えた中堅安定の布陣。リラックスしたムードを重視した演奏で、内容はほぼスタンダード中心で、全体に派手さは押さえていて、意外に私の期待の北欧色はあまりなく、むしろニュー・ヨーク正統派バップ路線で気楽に聴きやすいので取り上げた。 

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(Tracklist)

1. ビューティフル・ラヴ Beautiful Love (V. Young, W. King, E. Van Alstne) 6:41
2. ジャンゴ Django (J. Lewis) 6:17
3. ソウル・アイズ Soul Eyes (M. Waldron) 6:43
4. テルヌーラ・アンティグア Ternura Antigua (R. Carlos) 4:18
5. この素晴らしき世界 What A Wonderful World (G. Douglas) 4:19
6. ユーヴ・チェンジド You've Changed (C. Fischer) 7:22
7. ラッシュ・ライフ Lush Life (B. Strayhorn) 5:17 (solo piano)
8. トゥ・レイト・ナウ Too Late Now (B. Lane) 7:56
9. アウト・オブ・ザ・パスト Out Of The Past (B. Golson) 5:01

 これは派手さよりも歌心を持っての演奏で、新しい試みで迫るというのでなく、優しくジャズでくるんでくれるという夜のリスニング向きとも言える。まあピアニストの円熟した演奏のプレゼントと言ったところか。

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 M1."Beautiful Love" スタンダードの名曲、刺激の無いタッチの歌うような世界。このアルバムの目的を示す導入演奏。ジャズの見本的な世界。
 M2." Django" John Lewis の名曲、ちょっと陰影の感じられる演奏で欧州的。
 M3."Soul Eyes" 深く内省的な世界に浸る。アルバム前半では焦点になる演奏で、何回か聴き込みたい味を感ずる。
   M4."Ternura Antigua" ちょっとラテン色のある雰囲気で軽やかで暖かく明るめに戻す曲。
 M5."What A Wonderful World" 誰でも知っている有名スタンダード。むしろ叙情性をあまり強調しないところの美しさだ。
 M6." You've Changed" バラードの名曲。アルバム後半に入ってぐっと落ち着かせる流れ、ベースも詠ってくれるジャズ・バラードの美をじっくりと。
 M7."Lush Life" ここにきて、トリオのジャズ・テクニックの高さをお披露目。
 M8."Too Late Now" どこかお話を語っているようなピアノ・トリオそのものの演奏
 M9."Out Of The Past" 締めに相応しく軽妙でブルージーで落ち着いたまとまり感。

 究極、ピアノの歌い上げる聴く者を楽しませるメロディー重視の演奏で、北欧の静謐感のコンテンポラリー・ジャズとは全く別で、むしろバップよりのニューヨーク・ジャズを優しく聴かせてくれたという処だ。ただ欧州的な深層心理を探るところもあるが、むしろちょっとした気休めには良いアルバム。ある意味ジャズに達感すらした世界という風にも聴きとれる。
 もうちょっとベース、ドラムスが出てきても良いかなぁーと思うほど両者は優しく支えてくれている。これも一つのパターンとして完成している演奏だ。確かにある評に見る「成熟したジャズの美」といった世界というところで、誰にもお勧めの及第点アルバム。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏 :    88/100
□   録音       :    88/100

(試聴)

 

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2026年3月17日 (火)

カーステン・ダール、リューベン・ロジャーズ、グレゴリー・ハッチンソン Carsten Dahl, Reuben Rogers, Gregory Hutchinson 「 Into the Storm - Live」

ピアノトリオとは何か、そして醍醐味は?・・・北欧とアメリカのジャズの融合は?
スタンダードを使ったフリージャズの実験

<Contemporary Jazz>

Carsten Dahl, Reuben Rogers, Gregory Hutchinson 「 Into the Storm - Live」
Storyville Records / Import / CD / B0GJFK7N29 / 2026

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Carsten Dahl - piano
Reuben Rogers - bass
Gregory Hutchinson - drums
2013年1月31日、ジャズハウス・モンマルトル(コペンハーゲン/ライヴ)

 現代ジャズの一つの重要な位置を占めているピアノ・トリオ。そして歴史的には私はBill Evans ,  Ahmad Jamal , Keath Jarrett にどうしても注目してしまうのだが、そんな流れを十二分に理解しつつ北欧の美学を追究しつつアメリカン・ジャズの流れを尊重しピアノ・トリオを探求しつつあるデンマークのピアニストのカーステン・ダールCarsten Dahl(1967- ↓左)の2013年に行われた奇跡的トリオのライブ音源が、何とここに来てリリースされたのである。
 つまり嬉しい事に、アメリカのリズム・セクションとしてリューベン・ロジャーズ(Bass ↓中央)、グレゴリー・ハッチンソン(Drums ↓右)を迎えてのダールの2013年コペンハーゲン、冬の夜の奇跡が、名門ジャズハウス・モンマルトルで録音され、そのスリリングなピアノ・トリオによる白熱のライヴ音源が登場した。

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(Tracklist)

1. Minoring Together (Carsten Dahl)
2. Body and Soul (Johnny Green)
3. Open Interlude / Giant Steps (Carsten Dahl / John Coltrane)
4. Sweets to the Sweet (Hugo Rasmussen)
5. Blame It On My Youth (Oscar Levant)
6. Caravan (Juan Tizol, Duke Ellington)
7. You Stepped Out of a Dream (Nacio Herb Brown)
8. Speak (Carsten Dahl)
9. The End of a Beautiful Friendship (Donald Kahn)

 

(収録曲考察)
 M1. "Minoring Together" Dahlのオリジナル。最初からフリー展開。冒頭を飾るこの曲は、どうもトリオの準備運動とかトリオの質の公開。Dahlのリズミカルなピアノが、Hutchinsonの繊細とも言えるシンバルワークとがシンクロして響く。
 M2. "Body and Soul"  バラード。ルバートで描く詩的で陰影の強いピアノとベースの旋律演奏が繋ぐ。
   M.3. "Open Interlude / Giant Steps" このアルバムの最大の聴きどころ。即興の「Open Interlude」の後に、コルトレーンのなかなか難しい曲"Giant Steps"を敢えて演奏。フリー演奏から急速なコードに突入するスリリングな展開に痺れ、難解が難解でなく誘導。このトリオの本質展開。Hutchinsonのドラミングが炸裂。
 M4. "Sweets to the Sweet" 一休み的遊び心が楽しい。北欧ジャズらしいピアノと、アメリカ的リズム隊による交錯のスイング感が見事にブレンドして気持ちよく進行、ベースの乗りも良く会場も乗っている。
 M5. "Blame It On My Youth" ぐっとロマンティックなバラード。Dahlのぐっと落ち着いた静かさのピアノの繊細そのものの「間」が見事。そしてRogersが歌うようなベースラインを重ねる様は、ライブならではの世界。
   M6. "Caravan" 私の好きな曲の登場。快調・快速テンポ演奏。ドラムの爆発力が特徴。エリントンの曲をこのトリオはアグレッシブに分解・再構築。中盤からのHutchinsonの真骨頂である変調リズミックな技が光り、続くピアノの快進撃は見事。
 M7. " You Stepped Out of a Dream" 約9分の長曲。トリオのインタープレイの聴き処満載。スタンダードを次第に組上げてゆく過程がジャズ心を満足させる。ピアノがリードし3人共に反応、それぞれのソロの受け渡しが快調で聴く方の満足感が大きい。
 M8. "Speak" 47秒の短い小品。次の最終曲への導入か。
   M9. "The End of a Beautiful Friendship" エンディングを飾るなんとなく切なくなるが、どこか温かいスタンダード。ライブの終焉を惜しむ穏やかなピアノとベースの響き。

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 まさに「ピアノ・トリオの醍醐味」を凝縮した一枚。さすが現代ジャズの最高峰が顔をそろえるとこうなるんですね。個人の演奏が上手いというところよりは、外れて外れない調和のそれぞれの立ち位置のスリルが楽しい。特に「ハッチンソンのドラムがピアノを煽り、それにロジャーズが重厚な安定感を与えることで、ダールのリリシズムがより一層際立っています」という評価を見るが、まさにそこがピアノ・トリオの真髄であって、これもかってビル・エヴァンスが、彼の美旋律にあきたらず、トリオという世界に三者の対話型を求めた大きなポイントが結実しているように思う。そして、更にAmad Jamalのリズムを停止と間と無音空間などの劇的展開。そして更にKeith Jarrettのライブの花形即興型の味と、揃えにそろえたジャズ美学。
 いまや、そのピアノ・トリオ・ジャズの真髄を探求するカーステン・ダールの北欧抒情美学と、Jarrettを超える荒々しさの加味した即興の緊張感、トリオの味わいある相互作用など、一つの世界に止まらないとみころがこのライブに展開しているところが聴き処だ。今このライブをアルバムとしてリリースしたということの意味は果たして何処にあったかは別にして、私にとってはピアノ・トリオのに対するカーステン・ダールの一つの回答として受け止めた次第である。まだ早いが、お見事な一枚で今年No.1になりそうだ。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏 : 95/100
□ 録音        : 88/100

(試聴)

 

 

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2026年2月18日 (水)

カーステン・ダール GinmanBlachmanDahl「Play Ballads」

バラードというトリックでのスタンダード曲の老獪な新解釈

<Jazz>

GinmanBlachmanDahl「Play Ballads」
Storyville Records / Import / LP / 6014365 / 2025

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Carsten Dahl (piano)
Lennart Ginman (bass)
Thomas Blachman (drums)

録音:2024年4月24日-25日、MillFactory Studio(コペンハーゲン、デンマーク)

  デンマークの熟年期に入った3人のピアニストのカーステン・ダールCarsten Dahl(1967- ↓左)、ベーシストのレナート・ギンマンLennart Ginman(1960- ↓中央)、そしてドラマーのトーマス・ブラッハマンThomas Blachman(1963- ↓右)か​​らなる2005年からの名門ジャズ・トリオ : "ギンマン・ブラッハマン・ダール"の新作である。これは「バラード演奏」と銘打ってはいるが、なかなか単純ではない彼ら特有のスロー・テンポにこだわったスタイルで演奏された15曲のジャズ・スタンダード曲集。

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 2005年の「来日ツアー」では、結構好意的に受け止められ、本国デンマークに於いても、各種メディアからも、こうしたタイプは結構歓迎されているようだ。取り敢えず経験豊富な中での表現の繊細さや演奏の落ち着きが高く評価されたという事だと思う。
 冒険的・実験的な演奏に評価が集まる今日だが、このトリオの熟練した演奏とジャズ界でのクラシックな楽曲に対して意外に新鮮な展開で、とにかく丁寧な対応と表現が歓迎されたようだ。

 (Tracklist)

01. Angel Eyes
02. Gone With the Wind
03. Autumn in New York
04. But Beautiful
05. Take the ‘A’ Train
06. Chelsea Bridge
07. Blue Monk
08. Here’s That Rainy Day
09. Work Song
10. There Is No Greater Love
11. C Jam Blues
12. Don’t Go To Strangers
13. Satin Doll
14. Come Sunday
15. Things Ain’t What They Used to Be

   各曲は、おそらく意図的だと思うが、とにかくスローテンポで対応して、それによってメロディーの繊細な美しさと曲の描く世界の深みと彼ら自身をも探求するかの演奏だ。特にダールのピアノは繊細で一音一音の響きを大切にしている感のあるタッチで、当初思ったよりは即興因子も少なくはないのだが、基本的にはおとなしい流れでリードしている。そしてギンマンのベースとブラクマンのドラムはやはり意識的な控えめな対応だが、それでもやはり曲の展開にはなくてはならないリズム隊の役割を十二分に果たしている。
 
 私の以前からの印象としてダールというピアニストの印象は、このアルバムとはちょっと違うんですね。勿論北欧としての深遠なる詩情を描く点は素晴らしいのだが、それに加えて即興的因子を大切にしつつ、自由で抽象的・フリー寄りになり、単に安全運転だけでなく前衛的にもなることもあってその展開にはある意味でのジャズとしての面白みを感じてきた。しかし、このアルバムではその点が抑制されていて、ちらっとその面が見えたかと思っても、ぐっと押さえられてしまう。それは彼の意志なのか、このトリオの他の二人とのバランス的感覚でのことなのか、若干残念にも思いつつ、いやこのアルバムはそうした狙いではないところに目的があると、判断すべきなのか・・・実はこれはこれ悪くはないのだが、そんなことを少し疑問に思いつつ聴いたのである。

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 M1. "Angel Eyes" ちょっと暗めなイントロから始まる。音の間(ま)を活かした静謐な演奏。原曲の哀愁がより内省的な方向に誘導されて、ピアノのフレーズの繰り返しが心に響いてくる。
 M2. "Gone With the Wind" (風と共に去りぬ)しっとりとした哀愁を誘うアレンジで、緩やかなテンポが余韻をうみ深く深淵に。
 M3. "Autumn in New York"(ニューヨークの秋) ベースのメロディとピアノのアレンジが、都市の夕暮れを情緒豊かに描き格調高い。
 M4. "But Beautiful" 「美しさ」がテーマ。豊かなハーモニーの展開が印象的。
 M5. "Take the ’A’ Train" (A列車で行こう) ドラムスがかなりのインパクトを示し、ぐっとテンポを落としての表現に驚き。
 M6." Chelsea Bridge" じっくりと暗さが襲ってくる。どこか緊張感を誘導。
 M7. "Blue Monk" モンクの曲、ブルースの要素を優しくしっとりとした展開で。
 M8. "Here’s That Rainy Day" どこか憂いを帯びたバラード。ピアノとリズムのながれで雨の日の情景が浮かんでくる。
 M9. "Work Song" ゆったりしてはいるが、ピアノとドラムスのパワーのある訴えが響く。このあたりは単なるバラードとは捉えられない。
   M10. "There’s No Greater Love" ベースがリズムを刻み、内面から湧き上がるピアノ、ドラムスの感情的訴え。後半に来てようやくダールの単純でない音楽世界が明快になってくる。
 M11."C Jam Blues" エリントンに敬意を表しつつ、ゆっくりとしたブルースで、従来とは別感覚に。彼らトリオの楽しさも伝わってくる。
 M12. "Don’t Go to Strangers" / M13. "Satin Doll" 緩やかなテンポで、トリオのジャズ・アンサンブルを聴かせる。
 M14. "Come Sunday" アルバム終わりに近く、祈りの日、静けさの心を、老獪だ。
 M15. "Things Ain’t What They Used to Be" しっかり展望がきかれる納めの曲。

 なかなか、老獪な展開を聴かせるアルバムだ。スローに徹してここまで変化を聴かせる技には恐れ入る(M9.M10あたりに頂点を築く)。ゆったりとしたテンポと丁寧な表現によって、スタンダード曲の別の面を見せつけられたようなアルバムだ。演奏技術の高さだけでなく、ただ演奏だけしてきたのではない曲に描くモノをじっくりと三人の人生経験を盛り込んだ協調関係で描くところは、なかなか得がたいモノがあるアルバムだ。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏 :    90/100
□   録音       :    90/100

(試聴)

 

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2026年2月12日 (木)

ロベルト・タレンツィ Roberto Tarenzi 「My Inspiration」

ハード・バップをベースに、現代味付けの本格的ジャズ心が伝わってくる

<Jazz>

ROBERTO TARENZI 「MY INSPIRATION」
Via Veneto Jazz / Import / CD / VVJ157 / 2026

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Roberto Tarenzi (piano)
Dario Deidda (bass on 1, 3, 5, 7, 9, 11)
Roberto Pistolesi (drums on 1, 3, 5, 7, 9, 11)

1_tarenzi1w   イタリアの中堅ピアニスト:ロベルト・タレンツィRoberto Tarenzi (1977年生、イタリア-ロンバルディア州ミラノ出身)の、ピアノ・トリオとソロ・ピアノ演奏が、交互に組まれた構成でのアルバム。なんと私の歴史的には注目度の高い「故アーマッド・ジャマルに敬意を表した一編」ということで、ジャマルに関しては何かと関心のある私であり、これはと聴くことになったアルバム。

 もともと、このロベルト・タレンツィに関しては、私は意外に接する機会はあまりなかった。あのエンリコ・ピエラヌンツィやフランコ・ダンドレーアに師事したというなんか親近感はあるのだが。1990年代後期よりイタリア主流派のジャズ・シーンで活動展開、リーダー作も多く発表しているし、サイドマンとしても広く活躍して評価を獲得していて、精力的な活動の中堅のピアニストと言うところだ。
 そして今作は歴史的には'50年代からの伝統的ハード・バップそして自由なメロディ・ラインとかインプロビゼーションというモード寄りのアプローチを通して、歌心とスイング感を重視した演奏とで結構好評。しかし過去の作品には、実は私は其れほど思い当たる印象がなく来てしまっている。イタリアには珍しいアメリカン・ジャズの匂いもあって、脂がのった演奏を展開する。これから日本でももう少し人気が出そうなところにある。
 今回はトリオは、Dario Deidda (bass ↓左)とRoberto Pistolesi (drums ↓右)と組んでいる。
 収録曲12曲は、スタンダード、ジャマル関連曲、オリジナルが混在していて結構多彩だ。

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(Tracklist)

01. Where Or When (Richard Rogers) (trio)
02. Lament (Ahmad Jamal) (solo piano)
03. Mr. A.J. (Tarenzi) - Here You Come Again (Dolly Parton) (trio)
04. Desideria (Tarenzi) (solo piano)
05. Moonlight Serenade (Miller - Parish) (trio)
06. Tunnel Vision (Tarenzi) (solo piano)
07. Poinciana (Nat Simon) (trio)
08. My Inspiration (Tarenzi) (solo piano)
09. Broadway (William - Henri - Woode) (trio)
10. Chanson D'Helène (Philippe Sarde) (solo piano)
11. Like Someone In Love (Van Heusen) (trio)
12. The Brokolo Song (Tarenzi) (solo piano)

  まずの印象は、タレンツィの演奏は、なか芸達者な演奏で内容の質は高い。はっきりとしたピアノ・タッチと多彩なニュアンスで迫ってきて、ダイナミックとリリカルなところが旨く混在して魅力的だ。"エンターテインメント性も高い正統派ジャズ・ピアノ"と評価されているようで、なるほどと思う。トリオ曲の三者のバランスも適度な対話が繰り広げられ、ソロとなるとなかなか密度の高い聴きどころも多く経験の豊富さが感じられた。

 以下、収録曲それぞれの感想を中心に、評価・感想を記す。

 M01. "Where Or When"  ちょっとブルースぽいところがちらつくハード・バップ的トリオ演奏。力強いスウィング感で、ご挨拶的演奏。 
 M02. "Lament "さっそくジャマルのソロ演奏。メロディー展開が空間を生かし、更にパッサージに何とも言えないジャズ味があって、叙情性も見せる。
 M03. "Mr. A.J. (Tarenzi) - Here You Come Again "(Dolly Parton) 自己のオリジナルとカントリー曲の組み合わせというジャズらしさのある芸当が。又ユニークなアレンジが前面に出た演奏。
 M04. "Desideria" オリジナルをソロで、技巧派のちょっと繊細な表現。
 M05. "Moonlight Serenade"  久しぶりに聴いた名曲のトリオ演奏。スウィングを効かせロマンティックなタッチで懐かしの心をくすぐる。これは結構私はお気に入り。トリオらしくベースのソロが中盤に流れ、ピアノのインプロを誘って彼らの曲として仕上げたところは見事。こうゆうポピュラーな曲に彼らの特徴が明快になる。
 M06. "Tunnel Vision" ソロだが、即興的展開とややアヴァンギャルドなところを見せる

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 さて続くは、この曲こそがこのアルバムの特徴と評価と言うことになる・・・
 M07. "Poinciana" (Nat Simon)  私の好きなジャマルというと、まさにこのラテン色のある曲だが、前半はぐっと落ち着いたこの曲のリズム感。次第にピアノ・タッチは歯切れの良さを増して、タレンツィ風のパワー感が出てくる。リズムを刻むドラムスも力強さがある。やはりただの真似事では終わらせない。とにかく、ピアノのタッチが快活で、メロディが明快、トリオとしての流れも活発、グルーヴを持っている。曲の原型を尊重しつつも、タレンツィ自身の力量を見せつけた演奏。つまりこのタレンツィ版は、ジャズの歴史やジャマルの名演の上に、今時の現代風な技と力感のトリオ演奏を加味している。

 以下続けて全曲の感想だ・・・
 M08. "My Inspiration "  タレンツィのオリジナルで タイトル曲、展開が広がる演奏で発展的。
 M09. "Broadway" 妙な明るさが不思議、ベースの安定感と跳ねるピアノの対比が面白く、ドラムソロが楽し気なピアノを呼ぶ。
 M10. "Chanson D'Helène" ぐっと哀感がわいてくるソロ・ピアノのメロディー、叙情性が心に響く。
 M11. "Like Someone In Love" トリオによる即興交じりの物語り世界。
   M12. "The Brokolo Song" ソロ・ピアノで締めくくり、軽快さと安堵感に通ずる落ち着きが。

 究極、演奏技術の高さがジャズのグルーヴ感を十二分に響かせる演奏だ。トリオでもソロでも何より先ずハード・バップをベースにおいている気質があふれているところが、ある意味ジャズの本質というか懐かしさがちゃんと持っていて、そこにスリリングな現代風パワーと切れ味を載せての演奏を聴かせる斬新なところがある。そんなところからもっとジャズ・ファンには、もてはやされてもよさそうに思うが、近年のユーロ系コンテンポラリー・ジャズ体質とはさすがに異なっているので、隠れてしまっていたのかもしれない。私のようにアーマド・ジャマルというところから入り込めたわけだが、さすがイタリアはやはり音楽の道奥深いです。

(評価)
□ 曲・編曲・演奏   88/100
□ 録音        87/100

(試聴)

 

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2026年2月 1日 (日)

小曽根真TRiNFiNiTY「For Someone」

小曽根の新レーベル第1号は、問題意識の音楽的表現のアルバム
A・M・ヨペックをフューチャーし、二人の絆の深みを再認識

<Contemporary Jazz>

Makoto Ozone  TRiNFiNiTY「For Someone」
universal music / JPN / CD / UCCJ-2252 / 2026

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小曽根真: Piano, Hamond Organ
小川晋平: Bass
きたいくにと: Drums, Percussion
アンナ・マリア・ヨペック: Vocal on 3, 4, 6, 8

★2025年4月30日~5月2日、ドイツ・ルートヴィヒスブルク、バウアー・スタジオにて録音 

  小曽根真(↓左)による新レーベル「Mo-Zone」第一弾。2023年に小曽根のデビュー40周年を迎えて結成したトリオ"TRiNFiNiTY (トリンフィニティ)"の2ndアルバムでもある。
  自己の新レーベル第一弾ということで、明るさと祝いムードに満ちた作品集かと思ったが、どうもそれは大きな間違いのようだ。平和とは裏腹の諸々の世界情勢を見るに付け、ただ静観と言うことだけでは収まらない心に感ずるモノが生まれている小曽根が、ひとりの人間として、音楽を通じて平和を強く願った自作でのナンバーを取り上げ、その他メッセージ性の高い作品集として完成させた。そして私の注目としては、なんと4曲においては、彼と作品を通じて親交の深いポーランドを代表するシンガーで私が長年注目してきたアンナ・マリア・ヨペック(↓右)が嬉しいことに参加している(彼女の小曽根作品への参加は2010年の『Haiku』以来の15年ぶりか)。

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 とにかく小曽根が2025年2月、ニューヨーク滞在中に、ここに収録された曲を書きためたようで、そこには、今世界中で起こっている人間的社会の分断などや紛争・戦争など、特にガザ、ウクライナ等に無意識のうちに関心が持たざるを得なくなり、それに対する世界感が反映され込められてきたようだ。そこに更に、世界的な民族と社会に関心を持って過去にミュージックに反映してきたアナ・マリア・ヨペックが4曲で参加して、作品に込められた小曽根の思いに共鳴して盛り上げる同時に、このピアノ・トリオ+女性ヴォーカルの音楽的価値の可能性をあらためて追求し、更に祝いと言うよりは、既に問題意識の擁する圧巻の歌声を披露しているところも見逃せない。

 トリオ・メンバーは、小曽根と俳優の神野三鈴が主宰する次世代を担う若手音楽家のプロジェクト「From OZONE till Dawn」に所属するベースの小川晋平とドラムのきたいくにとによるトリオである。

 

(Tracklist)

01. Untold Stories 語られざる物語
02. Rolling Tales ローリング・テイルズ
03. Wa (Peace / Ring) ワ(平和/指輪)
04. Bandoska バンドスカ
05.Until That Wall Falls あの壁が倒れるまで
06.For Someone 誰かのために
07.Pasja パシャ
08.Pamiętajmy o Aniołach (Mind the Angels) パミエタジミー・オ・アニオラッハ(天使たちを心に込めて)
09.Friends 友人
10.Chasing The Horizon 地平線を追いかけて

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 オープニングM01."Untold Stories 語られざる物語"は、美しさとどこか哀しさがミックスされて描かれる。小曽根のピアノと小川のベースが複雑な感情をユニゾンとそれぞれのソロで表現。やるせない気持ちが描かれている。
 M02."Rolling Tales " おそらく即興を生かしてのコンテンポラリーな世界。しかし三者のアンサンブルは緻密に融合。
 M03." Wa (Peace / Ring) ワ(平和/指輪)" 暗さから進行、現実の深みを綴る。ヨペックのスキャットで色を深め、かってのポーランドのトラッド合唱の世界が垣間見る。
 M04."Bandoska " ヨペック提供のポーランドのトラディショナル・ソング。元は女性農奴の労働歌とか、暗さの極限に・・前半はつぶやくようにベースの音の響きと共に静かに歌われるが、それが中盤以降にピアノのメロディに誘われ次第に激情へ、最後は爆発させるヨペックの絶唱、圧巻の感動歌。
 M05."Until That Wall Falls あの壁が倒れるまで" 社会や世界を分断する壁を突き崩したいという決意。力強さを感ずる。
  M06."For Someone 誰かのために" 小曽根とヨペックの共作のアルバム・タイトル曲。現世界でエスカレートしてきた紛争や分断、差別、その犠牲者に寄り添う心の歌。優しさがあふれている。
  M07."Pasja "小川の曲。ミュージシャンとしての表現を三人がこの曲に凝縮。
  M08."Pamiętajmy o Aniołach (Mind the Angels) (天使たちを心に込めて)" ヨペックの曲、小曽根とヨペックのディオ。美しさと優しさと哀しさとを見事に表現。この曲だけで私は満足。
  M09."Friends 友人" 闇に光が、暗さから希望の光を見つけた姿を穏やかに描かれる。
  M10."Chasing The Horizon 地平線を追いかけて" 希望や期待が決して失われたわけでないことを、しみじみと語り、暗さの脱却への未来へ歩む。

 小曽根は、ヨペックとの共演をづーと考えていたようで、このレーベルの第一号アルバムに企画し、これをドイツで収録した。彼女の世界との合体がある意味社会的深層に迫るところにかなり成功している。このアルバムが単なる音楽という世界から社会への問題意識に広げたところが小曽根らしいところだ。
 個人的には『Haiku』の頃を思い出させてもらったし、あの世界は今も小曽根にはしっかり宿っていることも再確認した。そして何につけてもヨペックの世界の歴史と民族探求と音楽の旅はまだ続いていたことも朗報であった。

(評価)
□ 曲・演奏・歌  90/100
□ 録音      88/100

(試聴)

 

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2026年1月28日 (水)

マリオ・モンテッラ Mario Montella Trio 「 Elsewhere」

デビューアルバムであるが、洗練された曲構成、叙情性、即興の自由を見事に融合させた現代ジャズ 

<Contemporary Jazz>

Mario Montella Trio 「 Elsewhere」
Abeat / Import / CD / ABJZ285 / 2025

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Mario Montella (piano and compositions)
Gianfranco Coppola (doublebass)
Giuseppe D'Alessandro (drums)

Recorded,Mixed & Mastered by Stefano Amerio
at ARTESUONO RECORDING STUDIOS - CAVALICCO (UDINE) ITALY
2025年5月9日録音

343327128_13744w  イタリアのコンテンポラリー・ジャズ界で好評のマリオ・モンテッラ・トリオのデビューアルバム。リーダーのマリオ・モンテッラ(→)は、ナポリ出身のピアニストで、クラシックとジャズの両方の訓練を受けたミュージシャンとのこと。クラシック音楽の基礎をしっかりと身につけた上で、自身の創造力と即興性を融合させたジャズ・ピアノを展開している。
 目下彼に関する情報も少ないが、洗練されたソングライティング、リリシズム、そして即興の自由さを融合させたまさに現代的なコンテンポラリージャズを展開して好評の為、早速聴いてみたという処だ。現在まで、ソロ、デュオ、トリオ、カルテットなどの編成で活躍。ライブ演奏のほか、イベント出演やレッスン・ワークショップの提供も行っているようだ。
   そしてこのアルバムは7曲の構成であるが、全てモンテッラ自身のオリジナル曲で挑戦している。

(Tracklist)

1. Italy 09:31
2. Lunar 06:20
3. Las Vegas 07:17
4. Habemus Papam 06:37
5. Ballad Of Fairies And Witches 05:51
6. Blue Sea 07:42
7. My Laura 07:43
(*All composed by Mario Montella)

 なかなか、イタリアはやはり音楽の国、こうした実力者が多い。 このマリオ・モンテッラも広く知られる存在ではないが、作曲においては非常に完成した境地を持っていて、このトリオにおける表現力も人並み以上のものを感ずる。
 タイトルは「Elsewhere」は、"どこか別の場所で"という意味か、想像上の独自の音響的「別世界」を自ら提供しようとする・・・それは、味な無音空間を生かし、そしてトリオの三者同士の深遠な対話で構成される内省的ではあるが彼ら独特の空間であるようだ。

 そしてマリオ・モンテッラのピアノは独自のタッチと作曲を持って先導し、ジュゼッペ・ダレッサンドロの繊細なドラミング、ジャンフランコ・コッポラのコントラバスは妙に生きて曲を構成する。トリオは既に彼ら自身の世界を誇らしげに見せて、余裕すら感ずる演奏は驚きだ。これに関しては、録音関係は、例の名エンジニアのスファノ・アメリオによるハイ・センスを経て完成したもので、この力も音質と表現の深みによって、描く世界を倍増しているように思う。

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 M1. "Italy" なんと冒頭 10分に迫る長曲。ピアノが中心だか、ベース/ドラムは、支えるというより対話的。現実か空想かダイナミズムが迫ってくる
 M2. "Lunar" 美しさと余韻
 M3. "Las Vegas" インタープレイが活発で躍動的
 M4. "Habemus Papam" まさに即興の美学
 M5. "Ballad Of Fairies And Witches" ちよっとミステリアスで、空想・幻想世界が襲う
 M6. "Blue Sea" 波のように揺れながらも、ステック音に支えられ前半ピアノ、中盤ベースが広がりの世界へ、そして終盤はドラムスの響きが勢いを増して、三者のアンサンブルの妙
 M7. "My Laura"  どこか満足感のある人間的世界で締めくくる

 デビュー作でありながら、「円熟」「時間空間の彩」「人間の内面への探求」と驚きの完成度の高いアルバム。いっやーー、恐ろしいトリオの出現だ。技巧的にも優れていて、更にトリオの対話的交わりが高度。これには録音・ミックスの高技術によるトリオ三者の演奏が十分手に取るように聴かれることだ。結論的に、美の探求感も忘れていないハイレベル・アルバム。欧州美学が凝集している作品だ(ちょっと褒め過ぎか)。

(評価)
□ 曲・演奏  : 90/100
□ 録音   : 88/100

(試聴)

 

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2026年1月22日 (木)

ソレン・ヘベ Søren Bebe Trio 「 Gratitude」

「感謝」の心を、聴きやすい叙情的な曲展開で・・ユーロ叙情派ピアノ・トリオの面目躍如

<contemporary Jazz> 

Søren Bebe Trio 「 Gratitude」
FROM OUT HERE MUSIC / IMPORT / CD / FOHMCD026 / 2025

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Søren Bebe (piano)
Kasper Tagel (bass)
Knut Finsrud (drums)

Recorded on 4&5 April 2025 by Augast Wanngen at The V-Recording, Denmark 

Unnamedw_20260122111001  前回に続いて、私の注目のデンマークの人気中堅抒情派ピアニスト:ソレン・ベベ (サン・ビービー、1975年デンマークのオーデンセ=Odense生まれ、Aarhs王立音楽アカデミー2004年卒 →)の今回はニュー・アルバムを取り上げる。レギュラー・トリオによる、コンピレーション・アルバムの前作『First Song』(FOHMCD024)に続く通算9作目の最新アルバム。(リリースは2025年)

 この作品も、「北欧ジャズらしい静謐さ・内省的な美が基調にあって余韻を大切にする空間的な演奏が中心」と評価は高い。もともとの聴きやすいメロディラインは、彼特有のエレガントな雰囲気で生まれる叙情的な世界にあるので、なんとも気持ちが良い。このトリオは2007年結成で、既にそれなりの歴史を積み上げてきているので、難しいことなく三者の一体感が捉えられていて、スムーズなトリオ演奏が出来ている。

 説明では、このアルバムはタイトルが「感謝」であり、「感謝、繋がり、そして人生の静かなひとときの美しさを深くパーソナルに反映した作品」と説明されている。つまり「ファンへの感謝としての贈り物的なもの」とソレンは説明している。
 このトリオ、今や世界各地だライブ活動が成功していて、彼のそんな親密感ある感謝の言葉なのかもしれない。

(Tracklist)

1. Frostblad
2. Good Enough
3. Tystrup Sø
4. A Much Simpler Song
5. And So It Goes
6. Silent Listener
7. Chico
8. Throw It Away
9. Gratitude

 「感謝」というその誠実名気持ちがアルバムの9曲に貫かれ、そしてソレン自身のオリジナル曲7曲と、トリビュートとしてのビリー・ジョエルのM5."And So It Goes"は、原曲の静かさを特にアレンジすることなく繊細に演じ、アビー・リンカーンのM8."Throw It Away"も、ソレンが初期から影響を受けたジョン・スコフィールドへのオマージュということで、ちょっと控えめで情緒ある演奏とアレンジで好評。
  そして彼自身の曲M3."Tystrup Sø"(デンマークのソーレと言うところにあるソレンの故郷近くの湖にちなんで名付けられた)にみる内省的な曲と不思議にうまく調和していて、アルバムとしての完成度も高い。シンバル音がゆたりした曲のメリハリとなっている。

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 オープニングのM1."Frostblad"は、静かな自然の姿、北欧の風景を想像させる。
 M2."Good Enough" 落ち着いた世界、想いの深さの余韻が好感。
 M4."A Much Simpler Song" ここでちょっと軽やかに。
 M6."Silent Listener" タイトルの通り、静けさを"聴く"ことをテーマにしたピアノトリオ曲。アンビエント的空間の美。
 M7." Chico" アルバムにメリハリをつける軽快・リズム感の曲。
 M8."Throw It Away" スタンダート曲、メロディーを演ずるピアノを主として、ここではベース、ドラムスは支え役。
 M9."Gratitude"タイトル曲であり、アルバムのテーマを最後に表現して纏め上げる。やはり「感謝の気持ち」が余韻を残して伝わってきた。素晴らしい。

 今回も心休まる世界の中でのメロディの美しさと静謐な空間を大切にした繊細極まりない表現が見事。ちょっと内省的なところもあるが、なんといっても聴きやすさが彼らの演ずるトリオとしての展開の世界で、所謂派手なところは無いが、なんとなく心に響いてくるところが評価ポイント。
 尚、録音もなかなか良いレベルにあることを付け加える。

(評価)
□ 曲・演奏 : 90/100
□ 録音   : 90/100

(試聴)

 

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