ソレン・ヘベ Søren Bebe Trio 「 Gratitude」
「感謝」の心を、聴きやすい叙情的な曲展開で・・ユーロ叙情派ピアノ・トリオの面目躍如
<contemporary Jazz>
Søren Bebe Trio 「 Gratitude」
FROM OUT HERE MUSIC / IMPORT / CD / FOHMCD026 / 2025
Søren Bebe (piano)
Kasper Tagel (bass)
Knut Finsrud (drums)
Recorded on 4&5 April 2025 by Augast Wanngen at The V-Recording, Denmark
前回に続いて、私の注目のデンマークの人気中堅抒情派ピアニスト:ソレン・ベベ (サン・ビービー、1975年デンマークのオーデンセ=Odense生まれ、Aarhs王立音楽アカデミー2004年卒 →)の今回はニュー・アルバムを取り上げる。レギュラー・トリオによる、コンピレーション・アルバムの前作『First Song』(FOHMCD024)に続く通算9作目の最新アルバム。(リリースは2025年)
この作品も、「北欧ジャズらしい静謐さ・内省的な美が基調にあって余韻を大切にする空間的な演奏が中心」と評価は高い。もともとの聴きやすいメロディラインは、彼特有のエレガントな雰囲気で生まれる叙情的な世界にあるので、なんとも気持ちが良い。このトリオは2007年結成で、既にそれなりの歴史を積み上げてきているので、難しいことなく三者の一体感が捉えられていて、スムーズなトリオ演奏が出来ている。
説明では、このアルバムはタイトルが「感謝」であり、「感謝、繋がり、そして人生の静かなひとときの美しさを深くパーソナルに反映した作品」と説明されている。つまり「ファンへの感謝としての贈り物的なもの」とソレンは説明している。
このトリオ、今や世界各地だライブ活動が成功していて、彼のそんな親密感ある感謝の言葉なのかもしれない。
(Tracklist)
1. Frostblad
2. Good Enough
3. Tystrup Sø
4. A Much Simpler Song
5. And So It Goes
6. Silent Listener
7. Chico
8. Throw It Away
9. Gratitude
「感謝」というその誠実名気持ちがアルバムの9曲に貫かれ、そしてソレン自身のオリジナル曲7曲と、トリビュートとしてのビリー・ジョエルのM5."And So It Goes"は、原曲の静かさを特にアレンジすることなく繊細に演じ、アビー・リンカーンのM8."Throw It Away"も、ソレンが初期から影響を受けたジョン・スコフィールドへのオマージュということで、ちょっと控えめで情緒ある演奏とアレンジで好評。
そして彼自身の曲M3."Tystrup Sø"(デンマークのソーレと言うところにあるソレンの故郷近くの湖にちなんで名付けられた)にみる内省的な曲と不思議にうまく調和していて、アルバムとしての完成度も高い。シンバル音がゆたりした曲のメリハリとなっている。
オープニングのM1."Frostblad"は、静かな自然の姿、北欧の風景を想像させる。
M2."Good Enough" 落ち着いた世界、想いの深さの余韻が好感。
M4."A Much Simpler Song" ここでちょっと軽やかに。
M6."Silent Listener" タイトルの通り、静けさを"聴く"ことをテーマにしたピアノトリオ曲。アンビエント的空間の美。
M7." Chico" アルバムにメリハリをつける軽快・リズム感の曲。
M8."Throw It Away" スタンダート曲、メロディーを演ずるピアノを主として、ここではベース、ドラムスは支え役。
M9."Gratitude"タイトル曲であり、アルバムのテーマを最後に表現して纏め上げる。やはり「感謝の気持ち」が余韻を残して伝わってきた。素晴らしい。
今回も心休まる世界の中でのメロディの美しさと静謐な空間を大切にした繊細極まりない表現が見事。ちょっと内省的なところもあるが、なんといっても聴きやすさが彼らの演ずるトリオとしての展開の世界で、所謂派手なところは無いが、なんとなく心に響いてくるところが評価ポイント。
尚、録音もなかなか良いレベルにあることを付け加える。
(評価)
□ 曲・演奏 : 90/100
□ 録音 : 90/100
(試聴)






























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