寺島靖国「For Jazz Ballad Fans Only Vol.6」
今回もかなり質の良い演奏と録音ものを選曲して聴きやすくジャスを楽しめる
<Jazz>
Yasukuni Terashima Presents
「For Jazz Ballad Fans Only Vol.6」
TERASIMA RECORDS / JPN / TYR-1134 / 2025
TERASIMAレコードの話題が続くのだが、結構私は期待している寺島靖国(→)選曲によるオムニバス・アルバムの「Ballad Jazz」もののシリーズが昨年に引き続いて今年も「Vol.6」として登場だ。私の場合はピアノ・トリオのバラッド曲を比較的愛しているので、このシリーズは期待モノなのだ。しかし何時も残念なのは既に私の持っているアルバムからの選曲収載が多いことだが、今回はアルバムが持ち合わせていたのは12曲中3曲であったので、まあまあと思ってリリースと同時に購入している。このシリーズで、知らなかった好みのアルバムを発見できるのも事実で、寺島靖国には取り敢えず感謝していることも過去に何度かある。又、彼は曲全てに対しての知識をオープンにしてのライナー・ノーツも、近年のアルバムとしては充実していて何時も愉しんでいる。そんなわけで今回も内容をここで紹介するが、このアルバムは、ライナー・ノーツを見ながら聴くことをお勧めしたい。
(Tracklist)
1. The Old Country / Alessandro Galati Trio
2. Ida Lupino / Luca Colussi Trio
3. Prisoner of Love / Ken Peplowski
4. Mona Lisa / Frankfurt Jazz Trio
5. Evening Song / Lisa Hilton
6. Poinciana / Guido Santoni Trio
7. Poinciana / Francesco Maccianti Trio
8. Thanks for the Memories / Triology featuring Scott Hamilton
9. I Remember Clifford / Ignasi Terraza Trio
10. Stella by Starlight / TRIOISM
11. Ev'ry Time We Say Goodbye / George Mraz | David Hazeltine Trio
12. I’ll Never Smile Again / Tyler Henderson
オープニングM1."The Old Country"は、最初から私がファンでもあるイタリアの今年三部作でTERASIMAレコードからリリースされたアレッサンドロ・ガラティ・トリオの『Plays Standards』の「3」(TYR-1123 ↓左)(このアルバムはここでも取り上げてるので参照して欲しい)の冒頭を飾る曲からスタート。ある分野ではかなりアヴァンギャスドな奏法も展開することのあるガラティだが、スタンダード曲に対しては、文句なく冒険的手法はあまりとらずに原曲を生かしながら、味わいを深めてくれ、新しい面も聴かせてくれるところが魅力だ。


今回の私的な注目点は、これも歴史的に私の好きなAhmad Jamalのトリオ演奏で愛されてきた曲M06."Poinciana"の登場だ。それもなんとここでつい前回私が取り上げたGudo Santoni Trioのアルバム『Plays New Standards』(TYR-1134 ↑中央)からのものと、続けてM07."Poinciana"のFrancesco Maccianti Trioの演奏のものと2曲続くのだ。珍しいですね、同じ曲を並べたのですから・・・でもそれは私の好きな曲なので、内心満足しているのである。
もう一つ納得したのは、M03."Prisoner of Love "だ、これはKen Peplowskiのテナー・サックスがピアノ・トリオとカルトテット・スタイルで演じているのだが(↑右)、もともとサックスものは私はあまり好まない。それはサックスが登場するとガラっと演奏の質が変わって、トリオとかカルテットの良さが消えて、いつの間にかサックスのだけの曲と化してしまい、早い話が共演者との世界が失われてしまう事になるのが多いことで好まないし、その為うるさくも聴こえることだ。これはサックス・ファンには否定されるかもしれないが、どちらかというとピアノ・トリオ・ファンとしては、それが納得できない。しかしここでのPeplowskiは、そんなところと違って、トリオの構築している世界にソフトでマイルドに演奏して、共に曲を作り上げていてなかなか素晴らしい。こんなテナー・サックスなら歓迎なのだ。そんな意味で良いモノを聴かせてもらった。
こんなことから、寺島靖国のこのシリーズでの選曲の一つの思想を感じてくれると思うが、その点からもこのアルバムの良さが見えてくるのである。又この世界、欧州系のミージシャンの登場も多く私的には馴染みやすい。
更に選曲に於いては、録音の質にもこだわりを持つ寺島靖国がオーディオ・マニアであることの結果であろうと思われる良録音が多く、その点も評価したい。そしてこのシリーズは、年に一回ぐらいのリリースがこの数年順調であって、私もそれを喜んでいるのである。
(評価)
□ 選曲・演奏 88/100
□ 録音 88/100
(試聴)
Ken Peplowski "Prisoner of Love"


















































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