アメリカン・ジャズ

2026年4月10日 (金)

ウラジミール・シャフラノフ・トリオ VLADIMIR SHAFRANOV TRIO 「 SOUL EYES」

「成熟したジャズの美」と評される世界 

<Jazz>

VLADIMIR SHAFRANOV TRIO 「 SOUL EYES 〜relaxin' moods」
Venus Records / JPN / SACD / VHGD-10026 / 2026

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ウラジーミル・シャフラノフ Vladimir Shafranov (piano)
ハンス・バッケンルート Hans Backenroth (bass except 7)
ムッサ・ファデラ Moussa Fadera (drums except 7)

Vladimir20shafranovw     かって澤野工房の関係で何となく聴いてきたウラジミール・シャフラノフVLADIMIR SHAFRANOV(1948年レニングラード生まれ →)であるが、アルバム・リリースの45年以上になるそのキャリアから、近年は日本のVenus Recordsからのリリースとなり、おそらく2年ぶりとなる アルバム『SOUL EYES』がリリースされた。
   彼はロシア出身でフィンランドを拠点に活動するピアニスト、なんとなくベースに北欧らしい世界感を持ちつつ、ニューヨーク仕込みのスウィング感を併せ持っていての聴きやすさの演奏で日本でも愛されてきた。4歳の時にリムスキー・コルサコフ音楽院でピアノとバイオリンを始め、1973年にイスラエルに移住。数年後、彼はヘルシンキに移り、1980年からフィンランド国籍を取得している。又1983年から15年間はニュー・ヨークでのジャズ音楽活動という経歴もある。

   本作は、スウェーデンでの録音によるトリオ作品で、スウェーデンのベースにハンス・バッケンロス(↓左)、ドラムにムッサ・ファデラ(↓右)を迎えた中堅安定の布陣。リラックスしたムードを重視した演奏で、内容はほぼスタンダード中心で、全体に派手さは押さえていて、意外に私の期待の北欧色はあまりなく、むしろニュー・ヨーク正統派バップ路線で気楽に聴きやすいので取り上げた。 

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(Tracklist)

1. ビューティフル・ラヴ Beautiful Love (V. Young, W. King, E. Van Alstne) 6:41
2. ジャンゴ Django (J. Lewis) 6:17
3. ソウル・アイズ Soul Eyes (M. Waldron) 6:43
4. テルヌーラ・アンティグア Ternura Antigua (R. Carlos) 4:18
5. この素晴らしき世界 What A Wonderful World (G. Douglas) 4:19
6. ユーヴ・チェンジド You've Changed (C. Fischer) 7:22
7. ラッシュ・ライフ Lush Life (B. Strayhorn) 5:17 (solo piano)
8. トゥ・レイト・ナウ Too Late Now (B. Lane) 7:56
9. アウト・オブ・ザ・パスト Out Of The Past (B. Golson) 5:01

 これは派手さよりも歌心を持っての演奏で、新しい試みで迫るというのでなく、優しくジャズでくるんでくれるという夜のリスニング向きとも言える。まあピアニストの円熟した演奏のプレゼントと言ったところか。

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 M1."Beautiful Love" スタンダードの名曲、刺激の無いタッチの歌うような世界。このアルバムの目的を示す導入演奏。ジャズの見本的な世界。
 M2." Django" John Lewis の名曲、ちょっと陰影の感じられる演奏で欧州的。
 M3."Soul Eyes" 深く内省的な世界に浸る。アルバム前半では焦点になる演奏で、何回か聴き込みたい味を感ずる。
   M4."Ternura Antigua" ちょっとラテン色のある雰囲気で軽やかで暖かく明るめに戻す曲。
 M5."What A Wonderful World" 誰でも知っている有名スタンダード。むしろ叙情性をあまり強調しないところの美しさだ。
 M6." You've Changed" バラードの名曲。アルバム後半に入ってぐっと落ち着かせる流れ、ベースも詠ってくれるジャズ・バラードの美をじっくりと。
 M7."Lush Life" ここにきて、トリオのジャズ・テクニックの高さをお披露目。
 M8."Too Late Now" どこかお話を語っているようなピアノ・トリオそのものの演奏
 M9."Out Of The Past" 締めに相応しく軽妙でブルージーで落ち着いたまとまり感。

 究極、ピアノの歌い上げる聴く者を楽しませるメロディー重視の演奏で、北欧の静謐感のコンテンポラリー・ジャズとは全く別で、むしろバップよりのニューヨーク・ジャズを優しく聴かせてくれたという処だ。ただ欧州的な深層心理を探るところもあるが、むしろちょっとした気休めには良いアルバム。ある意味ジャズに達感すらした世界という風にも聴きとれる。
 もうちょっとベース、ドラムスが出てきても良いかなぁーと思うほど両者は優しく支えてくれている。これも一つのパターンとして完成している演奏だ。確かにある評に見る「成熟したジャズの美」といった世界というところで、誰にもお勧めの及第点アルバム。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏 :    88/100
□   録音       :    88/100

(試聴)

 

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2026年4月 3日 (金)

フリー Flea 「HONORA」

パンク・ロック以上に心が奪われたトランペット・ジャズへのアプローチ

<Rock, Free Jazz>
FLEA (RED HOT CHILI PEPPERS) 「HONORA 」
Nonesuch/ Warneer Music Japan / JPN / CD / WPCR18816 / 2026

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Flea(b, tp, vo)
Anna Butterss(b)
Jeff Parker(g)
Deantoni Parks(ds)
Mauro Refosco(per)
Rickey Washington(afl)
Vikram Devasthali(tb)
Chris Warren(vo)
Josh Johnson(sax,produce)
Nate Walcott(Key)
etc
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Thom Yorke(vo,p)
Nick Cave(vo)
etc

70705_v9_bcw  相変わらずJazz界も日本では低迷しているようだが、最近のJazz雑誌としてはシンコーミュージック・エンターテイメントからの「JAZ.in」という雑誌がここに来て月刊誌としてようやく今月号で30巻目を迎えた。と言う事はもうあと半年で3年経過と言うことで何とか維持されている。その30巻目でのトップ記事がこのパンク・ロックのレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RHCP)のベーシストのフリー(本名マイケル・ピーター・バルザリー(Michael Peter Balzary、1962年10月16日 生、63歳 →)は、オーストラリアのメルボルン郊外バーウッド出身)のソロ・アルバム『オノラHONORA』を取り上げていて、ロックでもパンクにはあまり興味の無かった私だが、フリーのこの作品がかなり注目点が多いと言う評判で、ここに聴いてみたという次第である。

 そのフリーであるが、主たるベースの外に近年は元々のマスターした楽器のトランペットに興味を持って、ジャズ・アルバムの製作が夢であったという事のようで、このアルバムではベース以上にかなりのウェイトでジャズ・トランペットを演奏している野心作。又ヴォーカルも披露しているのだ。
 そして豪華なコラボレーターとして、アンナ・バターズ(Bass ↓左)やジェフ・パーカー(Guitar ↓左から2番目)といった現代LAジャズの最前線にいるミュージシャンに加え、トム・ヨーク(レディオヘッド ↓右から2番目)やニック・ケイヴ(SSW,オーストラリア出身 ↓右)といったビッグネームが参加しており、単なる「ロック・スターの趣味」を超えた音楽的探求のニュアンスの高い挑戦したアルバムとして見て取れる。

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(tracklist)
01. ゴールデン・ウィングシップ / Golden Wingship
02. ア・プリー / A Plea
03. トラフィック・ライツ / Traffic Lights
04. フレイルド / Frailed
05. モーニング・クライ / Morning Cry
06. マゴット・ブレイン / Maggot Brain
07. ウィチタ・ラインマン / Wichita Lineman
08. シンキン・バウト・ユー / Thinkin Bout You
09. ウイロウ・ウィープ・フォー・ミー / Willow Weep for Me
10. フリー・アズ・アイ・ウォント・トゥ・ビー / Free As I Want to Be
11. アイズ・ライク・ツー・フライド・エッグス / Eyes Like 2 Fried Eggs (ボーナス・トラック)

 とにかく、ロック界というよりジャズ界の兵どもを集めての演奏には、野心作と言われるだけのちょっと驚きの世界が展開している。
 アルバム・タイトルの『HONORA』だが、フリーの愛する家族の一員に因んでいるらしい。このアルバムでフリーは作曲・編曲は勿論手掛けていて、やはり近年猛練習したと言うトランペットを主力にベースと共に全編で演奏している。特に彼のトランペットは、70年代スピリチュアル・ジャズへの敬意として、マイルス・デイヴィスやオーネット・コールマンといった巨匠たちの影響があるとの評価を受けていて、即興性は勿論だが哀愁感を描くに使われ、更にアンビエントな質感が構築されている。トランペッターとしての内省的な面も見せたフリーが聴きどころだ。
 そして彼と共にアルバムを作り上げたのは、現代ジャズの先駆者からなる精鋭メンバーたちがいてのこと。その力は有効に展開しているところは、それこそフリーの力だろう。
 ヴォーカルは、フリー自身に加え、彼の友人である「レディオヘッド」のフロントマンであるトム・ヨークと「二ック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ」のフリーと対立していたニック・ケイヴが登場と言う男性ヴォーカルが聴ける。近年のジャズをほゞ押しなべて席巻している女性ヴォーカルとは異なった世界がなんとも頼もしい。

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 M1. "Golden Wingship" 幕開けのインスト曲。ロック的フリー・ジャズがオープン
 M2. "A Plea" フリーのTpがスピリチュアルに訴える。こりゃ大変なアルバムだと恐れおののく。ファンク展開にジャズ・スウィングが。「平和と愛のために生きよう」との訴え。
 M3. "Traffic Lights (feat. Thom Yorke)" トム・ヨークがピアノとヴォーカル参加、パーカッションがラテン的。ヨークの儚いボーカルがどこか不安感が漂っている。ギターのリズムも入って美しさを表現、ファンク的Tpでジャズの歌となった。
 M4. "Frailed" 10分を超える曲。本アルバムの人気曲ではないが、これぞ私の最も虜になった曲。ベースの刻むリズムで始まり、KeyやBassのアルコによる美しさと不安感と哀感とのアンビエントな世界が展開。1/3過ぎからリズムに力が入り、後半のTpとギターの絡む展開などの聴きどころ満載。
 M5. "Morning Cry" フリー自身の作曲。奇妙なTpフレーズが難解なジャズ・ナンバー。ジェフ・パーカーのギターの巧みな演奏がうける。
 M6. "Maggot Brain"カバー曲。フリーがトランペットで哀愁たっぷりにメロディー演奏。
 M7. "Wichita Lineman (feat. Nick Cave)" かっての対立者ニック・ケイヴをバリトン声の歌で迎え、フリーがTp演奏、こんなに優雅に。
 M8. "Thinkin Bout You" これも優雅なカバー曲。ストリングスをバックに、フリーがBassとTpで美しくお上品に。
 M9. "Willow Weep for Me" シンセサイザーを流して、Tpが歌うスタイル。ちょっと奇抜。
 M10. "Free As I Want to Be" ドラムスのパンチ力、ギターの響きがロック的だが取り敢えず纏まった形の終焉へ。

 久々に、ジャズとしてのロックの味の発展形であるかっての'70年代のプログレッシブ・ロック的な様相のあるフリー・ジャズ曲(M4)にも巡り合えて、面白かった。そして男性ヴォーカルもやはり時には良いものである。
 若き頃のトランペットを、60歳を前に、再び手に取り、その腕を磨き始めたというフリー。彼の「新たな挑戦」、そして昔からの「ジャズへの愛」を形としてなんとしても創り上げたかったという"ジャズ・アルバム"がここに誕生したということで、とりあえずお祝いしたい気持ちであるが、参加ジャズ・ミュージシャンの個々の特徴あるインプロヴィゼーションを旨く生かしてのサイケデリックな展開とか、フリージャズ的流れ、そしてロックのダイナミズムも交錯して面白い。このアルバムでは、彼のメッセージが前面に出ていることの賛否もあるようだが、「フリー個人の極めて真面目な世界」として評価を受けている。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌 :   88/100
□   録音      :   87/100

(試聴)



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2026年3月17日 (火)

カーステン・ダール、リューベン・ロジャーズ、グレゴリー・ハッチンソン Carsten Dahl, Reuben Rogers, Gregory Hutchinson 「 Into the Storm - Live」

ピアノトリオとは何か、そして醍醐味は?・・・北欧とアメリカのジャズの融合は?
スタンダードを使ったフリージャズの実験

<Contemporary Jazz>

Carsten Dahl, Reuben Rogers, Gregory Hutchinson 「 Into the Storm - Live」
Storyville Records / Import / CD / B0GJFK7N29 / 2026

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Carsten Dahl - piano
Reuben Rogers - bass
Gregory Hutchinson - drums
2013年1月31日、ジャズハウス・モンマルトル(コペンハーゲン/ライヴ)

 現代ジャズの一つの重要な位置を占めているピアノ・トリオ。そして歴史的には私はBill Evans ,  Ahmad Jamal , Keath Jarrett にどうしても注目してしまうのだが、そんな流れを十二分に理解しつつ北欧の美学を追究しつつアメリカン・ジャズの流れを尊重しピアノ・トリオを探求しつつあるデンマークのピアニストのカーステン・ダールCarsten Dahl(1967- ↓左)の2013年に行われた奇跡的トリオのライブ音源が、何とここに来てリリースされたのである。
 つまり嬉しい事に、アメリカのリズム・セクションとしてリューベン・ロジャーズ(Bass ↓中央)、グレゴリー・ハッチンソン(Drums ↓右)を迎えてのダールの2013年コペンハーゲン、冬の夜の奇跡が、名門ジャズハウス・モンマルトルで録音され、そのスリリングなピアノ・トリオによる白熱のライヴ音源が登場した。

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(Tracklist)

1. Minoring Together (Carsten Dahl)
2. Body and Soul (Johnny Green)
3. Open Interlude / Giant Steps (Carsten Dahl / John Coltrane)
4. Sweets to the Sweet (Hugo Rasmussen)
5. Blame It On My Youth (Oscar Levant)
6. Caravan (Juan Tizol, Duke Ellington)
7. You Stepped Out of a Dream (Nacio Herb Brown)
8. Speak (Carsten Dahl)
9. The End of a Beautiful Friendship (Donald Kahn)

 

(収録曲考察)
 M1. "Minoring Together" Dahlのオリジナル。最初からフリー展開。冒頭を飾るこの曲は、どうもトリオの準備運動とかトリオの質の公開。Dahlのリズミカルなピアノが、Hutchinsonの繊細とも言えるシンバルワークとがシンクロして響く。
 M2. "Body and Soul"  バラード。ルバートで描く詩的で陰影の強いピアノとベースの旋律演奏が繋ぐ。
   M.3. "Open Interlude / Giant Steps" このアルバムの最大の聴きどころ。即興の「Open Interlude」の後に、コルトレーンのなかなか難しい曲"Giant Steps"を敢えて演奏。フリー演奏から急速なコードに突入するスリリングな展開に痺れ、難解が難解でなく誘導。このトリオの本質展開。Hutchinsonのドラミングが炸裂。
 M4. "Sweets to the Sweet" 一休み的遊び心が楽しい。北欧ジャズらしいピアノと、アメリカ的リズム隊による交錯のスイング感が見事にブレンドして気持ちよく進行、ベースの乗りも良く会場も乗っている。
 M5. "Blame It On My Youth" ぐっとロマンティックなバラード。Dahlのぐっと落ち着いた静かさのピアノの繊細そのものの「間」が見事。そしてRogersが歌うようなベースラインを重ねる様は、ライブならではの世界。
   M6. "Caravan" 私の好きな曲の登場。快調・快速テンポ演奏。ドラムの爆発力が特徴。エリントンの曲をこのトリオはアグレッシブに分解・再構築。中盤からのHutchinsonの真骨頂である変調リズミックな技が光り、続くピアノの快進撃は見事。
 M7. " You Stepped Out of a Dream" 約9分の長曲。トリオのインタープレイの聴き処満載。スタンダードを次第に組上げてゆく過程がジャズ心を満足させる。ピアノがリードし3人共に反応、それぞれのソロの受け渡しが快調で聴く方の満足感が大きい。
 M8. "Speak" 47秒の短い小品。次の最終曲への導入か。
   M9. "The End of a Beautiful Friendship" エンディングを飾るなんとなく切なくなるが、どこか温かいスタンダード。ライブの終焉を惜しむ穏やかなピアノとベースの響き。

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 まさに「ピアノ・トリオの醍醐味」を凝縮した一枚。さすが現代ジャズの最高峰が顔をそろえるとこうなるんですね。個人の演奏が上手いというところよりは、外れて外れない調和のそれぞれの立ち位置のスリルが楽しい。特に「ハッチンソンのドラムがピアノを煽り、それにロジャーズが重厚な安定感を与えることで、ダールのリリシズムがより一層際立っています」という評価を見るが、まさにそこがピアノ・トリオの真髄であって、これもかってビル・エヴァンスが、彼の美旋律にあきたらず、トリオという世界に三者の対話型を求めた大きなポイントが結実しているように思う。そして、更にAmad Jamalのリズムを停止と間と無音空間などの劇的展開。そして更にKeith Jarrettのライブの花形即興型の味と、揃えにそろえたジャズ美学。
 いまや、そのピアノ・トリオ・ジャズの真髄を探求するカーステン・ダールの北欧抒情美学と、Jarrettを超える荒々しさの加味した即興の緊張感、トリオの味わいある相互作用など、一つの世界に止まらないとみころがこのライブに展開しているところが聴き処だ。今このライブをアルバムとしてリリースしたということの意味は果たして何処にあったかは別にして、私にとってはピアノ・トリオのに対するカーステン・ダールの一つの回答として受け止めた次第である。まだ早いが、お見事な一枚で今年No.1になりそうだ。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏 : 95/100
□ 録音        : 88/100

(試聴)

 

 

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2026年1月 1日 (木)

謹賀新年2026  ビル・エヴァンス Bill Evans 「Portraits at the Penthouse: Live in Seattle 」

明けましておめでとうございます
今年もよろしく御願いします
2026年 元旦

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  さて、今年も年始めは又もや、もはやピアノ・トリオ・ジャズの神様的扱いのビル・エヴァンスから始めます。それは丁度昨年末にリリースされたアルバムがあり当然取り上げることとになったモノだ。

<Jazz>

Bill Evans 「Portraits at the Penthouse: Live in Seattle 」
Universal Jazz / Resonance  / JPN / UCCJ-3059 / 2025

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ビル・エヴァンス(p) エディ・ゴメス(b) ジョー・ハント(ds)
★1966年5月12日(1-6)、19日(7-12)、シアトル、ペントハウスにてライヴ録音

 ビルヴァンスものとしては、1966年4月に結成されたエディ・ゴメス(b) 、ジョー・ハント(ds)とのトリオものはレアであり、このトリオはシカゴとかLAなどに出演していたが、公式作はなかった。これは1966年5月12日と19日にワシントン州シアトルのペントハウスジャズクラブで録音されたもので、なんと最初の公式リリースである。
 それも、このところのジャズ界の発掘王の異名をとるプロデューサーのゼヴ・フェルドマンが監修に携わるレゾナンス・レコードより世界初となる未発表ライブものである。とにもかくにも今まで公式録音のなかったこのトリオで、これはラジオDJのJim WilkeがKING-FMラジオの自身の番組用に録音したもので、今回オリジナル・テープから移籍し、Matthew Lutthansによって修復・マスタリングされたものの初めての公式リリースとなるものだという。現在LPとCDで発売されている。

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1.Introduction 00:19
2.How My Heart Sings 04:03
3.'Round Midnight 07:41
4.Come Rain or Come Shine 05:41
5.Nardis 04:54
6.Elsa 04:517.
7.Time Remembered 04:48
8.Who Can I Turn To? 04:46
9.Detour Ahead 05:29
10.Autumn Leaves 03:10
11.How My Heart Sings 03:47
12.I Should Care 02:55

 

 FM放送用録音音源と言うことで、音質もかなり良好と期待したが残念ながらどうもそれほどのモノでない。やはりセブ・フェルドマン監修といえども、これまでの発掘もこれだけ多くなると、ちょっと内容の低下があるのではと残念である。
 この当時のエバンスものも、他もなかなか良好な録音が少なく今日のような神様的存在であるともう少し気合いの入った録音もしてくれたのであろうが、それは致し方ないところだ。しかし、これまでの完全録音オフィシャルものも無かったこのトリオで、こうしてリリースしてくれたのは記録的に貴重というところであろう。

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 演奏は、エヴァンスが当時からピアノ・トリオと言えども、ピアノの世界で終わらせないというゴメスへの期待がひしひしと伝わって来る。M3."'Round Midnight"、M4."Come Rain or Come Shine" などを筆頭に、多くがベース・ソロを交えての曲の流れに構成されていて、当時21歳であっと言うゴメスの奮闘ぶりもリアルである。
 後年の名トリオ( マーティ・モレルとの)へ向かう経過段階と見てしまうのだが、高音域を聴かせるベースラインと言うか「ベースが主旋律に食い込んでくる」様子がこのアルバムでも聴き取れる。
 ジョー・ハント(ds)のなすところ、比較的ストレートでオーソドックス。ビートを見事に演じてインタープレイよりもドラムスなりきの音楽基礎を確実に築き、気を使ってか、私の気のせいか、エヴァンスとゴメスが自由に演ずる手助けをしているように聴けた。
  まあこんなエヴァンス・トリオの1幕が聴けて貴重という評価をしておきたい。

(評価) 
□ 演奏    87/100
□ 録音    80/100

(試聴)

 *

 

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2025年11月28日 (金)

アーロン・パークス AARON PARKS 「By All Means」

アコースティック・ジャズ指向に回帰してのジャズの美しさと楽しさと感謝と

<Jazz>

AARON PARKS  「By All Means」
BLUE NOTE Records / Import / 7837202 / 2025

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アーロン・パークスAaron Parks (piano)
ベン・ソロモン Ben Solomon (tenor saxophone)
ベン・ストリートBen Street (bass)
ビリー・ハートBilly Hart (drums)

Aaronparks_220003_sq_byisaacnamias   アーロン・パークスAaron Parks(1983-, 米 →)のブルーノート3枚目となるアルバムがリリースされた。彼は、ここでも何回か取り上げてきた私の注目するピアニスト。編成は、2017年にリリースした『Find the Way』(ECM、2017年)で共演していたが、今回そのトリオと再びプレイしたいというアーロンの願いのプロジェクトのベン・ストリートBen Street (b, 1965-, 米 下左)、ビリー・ハートBilly Hart(ds, 1940-, 米 下中央)とのトリオ編成に加え、新進気鋭ベン・ソロモンBen Solomon (ts, 米 下右)を迎えた新たなカルテットによるものだ。

 そしてベン・ストリートとの共同プロデュースの形をとっていて、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴをきっかけに急速に実現したとのこと。もともとこのピアノ・トリオの美しさと収録曲はパークスの作曲されたモノだけに、美しさが期待される。ソロモンのtsは、パークスの言葉によると「"ここに管楽器を入れてみたいな”と思ったのは、私はコンピング(伴奏)が大好きだし、単に自分がバンドをリードしていくだけではなく、ピアノのサウンドがバンドの一部になっているように響くのも好きなんだ。」と言う事らしい。さてどんな役割を果たすかが注目される。

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  本作について、アーロン・パークスは「この作品が過去のアルバムと全く異なるものだとは思っていない。これはジャズの伝統、ブラック・アメリカン・ミュージックの伝統を愛するレコードで、それはノスタルジアや保護ではなく、その系譜や連続性の中で生きるということを意図しているんだ。アルバム・タイトルもそれを意味していて、それは大きな肯定であり、『パーティに参加しよう』という意思表示なんだよ。そして何よりも一緒に演奏すること、曲の中で互いに即興で演奏することの喜びがテーマとなっていて、ただ音楽を愛することについて表現しているんだ」と語っていると。

 これは、音楽の方向性として 直近作の『Little Big Ⅲ』などで見せたエレクトリック/融合志向からは一転して、今作は伝統的なアコースティック・ジャズ/ポスト・バップ志向ということで、パークス自身によれば、「ジャズ/ブラック・アメリカン・ミュージックの伝統の中で生きる」という事で、私自身も実はほっとしてこのアルバムに興味を持ったところである。

(Tracklist)

1.A Way
2.Parks Lope
3.For María José
4. Dense Phantasy
5.Anywhere Together
6. Little River
7. Raincoat


000000220002w  このアルバムは、結論的にはアーロン・パークス自身のルーツに回帰して、所謂ジャズの伝統のアメリカン・ミュージックの歴史と遺産に敬意を払いながら、「今」を生きるミュージシャンとして作り上げた静かで美しい作品ということになる。ピアノ・トリオに止まっていないで、今回はtsを加えてのカルテットであったが、これも体勢を評価しての彼の実験でもあったろう。私としては無理にtsを加える必要があったのかと言いたいが、そこにはミュージシャンの技巧や斬新さよりも、今様のスタイルを評価しての“演奏や即興の喜び”を聴く者の期待も優先して、その結果としてのスタイルだったと推測する。そして生まれたものは、音には柔らかさと暖かさと、未来希望思考が描かれている。

 M1."A Way" 自分を見つめるこのアルパムは、ちょっと内省的な傾向を持つが、このルバートを加味したバラードで幕を開ける。ハートの巧みなブラッシさばき、ストリートのベースは情景を描き、パークスの美的なピアノの質感がなんとなく親密な世界を築いている。そこに問題のソロモンのサックスだが、思いの外音色がトリオの思索的な流れに優しく乗って感情の表現に貢献している。
 
 M3."For María José"(妻へ)、M4."Dence Phantasy"M6."Little River"(息子へ、子守歌として作られたとか)といったバラード曲のトラックは、ピアノの優しさ溢るる音とメロディーでParks の家族への感情を感謝の気持ちも込めて演じられ、温かさと優しさ、抒情性が強く感じられこのアルバムの良さを感じられるところ。

 一方、パークスが若き十代に作曲したM5."Anywhere Together"は、リズムセクションのエネルギッシュな活気性とそのスウィング感あふれる活力は、このアルバムでも両極の一方を担って楽しくしている。巧みなシンバルアクセントとダイナミミックなハートのドラムは、このアルバムの中でも印象的。
 ラスト曲M7."Raincoat"は、ちょっとリラックスして、ラテンっぽいリズムをストリートとハートが抑えた演奏で進行し、どことなく平和感のあるピアノとサックスで落ち着いた曲。

 音楽的には、ややスローなテンポで流れるバラード調。サックスが吹きまくるというので無く、落ち着いたサックスとピアノの対話的演奏などが主力で、“優しさ”と“感情の深み”をたたえるジャズだ。夜や深い思索の時間に“静けさと余韻”、"抒情"を楽しみたい時などにしっくりくるアルバムだと思う。 

(評価)
□ 曲、演奏 : 88/100
□ 録音   : 88/100

(試聴) "Dence Phantasy"

 

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2025年11月 1日 (土)

アルマ・ミチッチ、エリック・アレキサンダー ALMA MICIC with E.Alexander「LILAC WINE」

既に完成したヴォーカルで編曲にも力が入って自己の世界に導く

<Jazz>

ALMA MICIC with E.Alexander「LILAC WINE」
【HYBRID CD】 Venus Records / JPN / VHGD-10023 / 2025

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アルマ・ミチッチ Alma Micic (vocals)
エリック・アレキサンダー Eric Alexander (tenor & alto saxophones)
ラレ・ミチッチ Rale Micic (guitar)
ブランダン・マッキューン Brandon McCune (piano)
アレキサンダー・クラフィ Alexander Claffy (bass)
ジェイソン・ティーマン Jason Tiemann (drums)

Recorded at Van Gelder Studio in New Jersey on April 19, 2025.
Engineered by Maureen Sickler
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara
Venus Hyper Magnum Sound Direct Mix

572001193_1023615w  アルマ・ミチッチの"ヘレン・メリル&クリフォード・ブラウンに捧ぐ!"と言うことでのヴォーカル・アルバムがVenus Recordから登場。彼女はセルビア出身でここ数年NYで活躍中で、昨年ここで取り上げたアルバム『You're My Thrill』(VHGD-10013,2024)で話題になった。知らなかったが、なんとヘレン・メリルってクロアチア出身なんですね、ということは元々は同じ国同士(旧ユーゴ)という関係だったという事だ。そんなことからおそらくミチッチにとっては、メリルは憧れのジャズ・ヴォーカリストという事なんだと思う。

 彼女に関しては、前記事(2024年11月10日)を見て欲しいが、今回はエリック・アレキサンダーとの共演が更に色濃くなってのTSとのクインテットとの共演( ジャズ界で有名なVan Gelder Studioにて録音)ということが話題という処か。その点は私はちょっと腰が引けるところだが、収録曲はヘレンも得意であったバラード系の曲が中心になっていて、その点は救いである。

(Tracklist)

1.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ You’d Be So Nice to Come Home To (Cole Porter) 5:11
2.ライラック・ワイン Lilac Wine (James Shelton) 4:35
3.オール・オブ・ミー All of Me (Marks/Simons) 4:34
4.カムズ・ラブ Comes Love (Stept/Brown/Tobias) 4:21
5.アイ・ハブント・ガット・エニシング・ベター・トゥー・ドゥ I Haven’t Got Anything Better To Do (Vance/Pockriss) 6:47
6.野生の息吹 Wild is the wind (Tiomkin/Washington) 5:25
7.ラバー・マン Lover man (Jimmy Davis) 4:18
8.夜も昼も Night and Day (Cole Porter) 4:06
9.ス・ワンダフル ’S Wonderful (George Gershwin / Ira Gershwin) 2:46
10.マスカレード・イズ・オーバー Masquerade is Over ( Wrubel / Magdison ) 4:27

  メリルの十八番であるCole Porterの有名曲M1."You’d Be So Nice to Come Home To"からスタート。この曲彼女の伴侶であるラレ・ミチッチのギターから始まって、時代の違いがそのまま現れ、そして歌はスキャットを使ったメリルとは異なった世界の曲を構築している。そしてエリック・アレキサンダーのサックスはおもむろに後半に登場して更にジャズ色を深め最後にアルマ・ミチッチの歌い上げるところで終わる。

 M2."Lilac Wine"は、アルバム・タイトル曲で、私の注目曲。多くが歌う曲だが、私はエリザベス女王のお気に入りのジョージア出身のKatie Meluaやアイルランド出身のImelda Mayなどのどちらかというとポピュラー系、ロック系の歌手の歌が印象深い。失恋曲であるだけに、しっとりと歌い上げるところが注目。彼女もギター・ムードとサックスの支えでなかなか旨く哀感たっぷりに仕上げている。

571197814_102361524790w  M3."All of Me "のジャジーなリズムカル展開は解るが、やはりM1.M2.では、おとなしかったTSがかなり前面に出てきて、ヴォーカル・アルバムといえども、演奏陣も対等に曲を演ずるのは悪いことでは無いが、ちょっとうるさい感じだ。
 M4."Comes Love "は、ギター、ベース、ドラムスがリズムをユニゾンで刻む楽しさでジャジーにヴォーカルと競う。
 M6."Wild is the wind" 静かなギターの導入で、しっとりと歌い上げて聴き入ってしまう。ピアノの響きも情感たっぷり。そして次第に情熱的な歌に変化、私はこのアルバムでは一押しだ。TSがあまり力まないのが良かったのかも。
 M9."’S Wonderful "フェイクを効かせて、かなり変化した曲仕上げ、そしてアップテンポでジャズの楽しみと言えばそうとも言えるが。
 M10."Masquerade is Over "前曲とガラッと変わってピアノのみの伴奏で静かに説得力ある歌。このあたりが私は楽しめる。

 まあ、ジャズに何を求めるかであるが、彼女ぐらいになるとしっとり歌い込む実力があって、澄んだ声と声量とでなんでもこなしそうだ。アップテンポの曲もあるが、それを生かしたバラード曲の対比が効果があり、その点が私にとっては良かった思うところだ。もともとTSはうるさいと感ずることが多い私であるので、今回もエリック・アレキサンダーとの共演自体、私は疑問であったのだが、まあ彼女にとっては恩人だからそれはそれとして聴いておこうと思うところ。そのあたりは好みとしてそれぞれが楽しめば良いことである。

(評価)
□ 編曲・歌・演奏 : 88/100
□ 録音        : 87/100
(試聴)

 

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2025年9月20日 (土)

アベル・ロガンティーニ Rogantini - Dutil - Boco 「 Bill Evans Memories」

エヴァンス流にこだわらずに、自己のModal Jazzを演じきって成功している

<Jazz>

Rogantini - Dutil - Boco 「Bill Evans Memories」(En Vivo)
RGS Music / Import / RGS20972 / 2025

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Abel Rogantini (piano)
Ezequiel Dutil (double bass except 04, 12)
German Boco (drums except 04, 07, 10, 12)

Recorded Live at Thelonious Club on September 27 2024

Rogantiniaw   もうヴェテランとも言えるアルゼンチンの実力派ピアニスト:アベル・ロガンティーニAbel Rogantini(1969年アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ, →)を中心とする連名ピアノ・トリオ(Ezequiel Dutil (b, ↓左)とGerman Boco (d,↓右)による )の、ビル・エヴァンスへのトリビュート演奏作品。ブエノスアイレスのジャズクラブThelonious Clubでのライヴもので9曲が選ばれ収録されている(+bonus Track 3曲)。  

 実は私はこのピアニストに関しては、過去に特にマークしてこなかったのだが、今回のアルバムを聴いてライブの為もあるか、なかなか素晴らしいModal Jazzを演じていてここに取り上げる次第だ。もともとアレンジャーとしての活動や、編成とかオーケストラとの経験も豊富であり、アルゼンチンというお国柄も加味されてのことか、インプロにも優れて実に味のあるジャズを展開していて聴き応え十分である。
 そしてトリオとしてのピアニストのロガンテイーニとDutil(B)とBoco(D)の二人は、ジャズ・フィーリングが一致しているのか、なかなか見事なバランスのとれた演奏を展開しているのが素晴らしい。

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(Tracklist)

01. Waltz For Debby (Evans - Lees)
02. Israel (J. Carisi)
03. The Peacocks (J. Rowles)
04. Noelle's Theme (M. Legrand) (solo piano)
05. A House Is Not A Home (Bacharach - David)
06 I Love You (C. Porter)
07. Minha All Mine (F. Hime) (p & b duo)
08. On Green Dolphin Street (Kaper -Washington)
09. Beautiful Love (V. Young)
【bonus tracks】
10. Minha All Mine (alternative take) (F. Hime) (p & b duo)
11. Beautiful Love (alternative take) (V. Young)
12. Noelle's Theme (alternative take) (M. Legrand) (solo piano)

 なかなかモード系のジャズ(modal Jazz)のセンスに溢れたキレのある耽美的ロマンティック・スタイルに叙情性もある。捨てがたい味は軽妙にして粋な味が支配しているところで、躍動感もたっぷりで、百選連覇のアルゼンチン・ピアノ・トリオの気持ちのよい胸のすくエヴァンス・トリビュート・ライヴがたっぷり聴ける。
 私がとりついたきっかけはビル・エヴァンスの名前とピアノ・トリオと言う事であったが、期待以上の特に軽妙さに惚れ込んでここに大推薦するアルバムと言いたい。

  とくに評価のポイントとして、エヴァンス自身とそのトリオのスタイルを思ったほど意識することなく、ごく自然に自己流の解釈と曲の分析を行っての演奏法で、エヴァンスの描くところを生かしつつ、爽やかにして乗りの良い曲に仕上げている。何というか、大げさだが、ジャズの真髄をゆく爽快感が見事である。そして詩情世界が美しく描くところの曲は、ぐっとピアノの響きが心に流れ込んでくる。

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 全体にライブならではの即興や空気感、聴衆とのインタラクションが感じられる演奏が多くこの辺りはもうベテランの世界だ。M01.“Waltz For Debby (En Vivo)” このエヴァンスの代表作をも見事に彼のものにしてリズムとハーモニーのバランスがいい。
 M03.“The Peacocks (En Vivo)”  抒情的で静かな美しさ。ピアノの余韻や音の強弱・遅速が見事に。 
   M04.“Noelle’s Theme (En Vivo)”  感情の起伏があり、ライブ感が強い
   M07. "Minha All Mine" 流麗なピアノの美しさは見事で、bonus track(スタジオ録音か、音もリアル)では又異なるメロディーの表現で美の描きが二通り楽しめる。それは同様にV.YoungのM09. "Beautiful Love" でも。ベースの運びが快感。
 M06."I Love You"そして M08. "On Green Dolphin Street"では、ドラムスの力強さが聴きとれ、ジャジーな展開の楽しさが聴ける。

 究極、エヴァンス風と云う世界よりも、トリオの目指すモード系抒情派ハード・バップ・ピアノの正統らしいダイナミックにしてメロディックなプレイを演じている。そしてなんと言ってもシャープでキレのある軽妙さが良く、そこに美的感情が交錯した魅力がたっぷりだ。自己流を通したことが、むしろ成功している要因かも。
 その上、重厚さと優しさを使い分けるベースや、鋭くきびきびとし、時にパワー・アップするドラムの活躍も、ライブを重ねた結果でもあるのか、各々ピッタリとツボにハマッた世界を演じて居る。
 彼の強みは、ブルース、バップ、モードの伝統的ジャズ・フィーリングを身につけつつ、 アルゼンチンという伝統音楽的リズム(タンゴTango, フォルクローレFolklore, カンドンベCandombeなど)と南米の伝統音楽的要素をも持つということなのかもしれない。
 私は、派手さは無いが、ジャズというものを心得ている名演と言いたい。今年の傑作アルバムにする。

(評価)
□ 選曲・編曲・演奏   90/100 
□ 録音         85/100

(試聴)

 

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2025年8月31日 (日)

リンダ・メイ・ハン・オー Linda May Han Oh 「Strange Heavens」

コードレス・トリオでスリリングな演奏を展開

<Contemporary Jazz>

Linda May Han Oh 「Strange Heavens」
BiophiliaRecords / Digital Album (Flac)

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Linda May Han Oh – electric & acoustic bass, voice
Ambrose Akinmusire – trumpet
Tyshawn Sorey – drums

  またしても問題作の出現。CDリリースが無いのか、ストリーミングで聴いているアルバム。これはマレーシア出身でオーストラリア育ちのベーシスト/作曲家リンダ・メイ・ハン・オー(Linda May Han Oh,1984-)の前作2023年『The Glass Hours』以来のいよいよ円熟期に入っていこうとしている40歳に入っての2025年新譜だ。昨年にはVijay Lyerの『Compassion』(UCCE-1204/2024)での活動に着目したが、相変わらずのスリリングな演奏で、このアルバムでも迫ってくる。
 この作品は、彼女のデビー作『Entry』(2009)と同様での原点回帰か、所謂コードレス・トリオ(ピアノやギターといった和音楽器を欠いた編成)での演奏で、ジャズ演奏のちょっと異端にして神髄に迫るとも言えるグルーヴ感もたっぷりの世界だ。彼女のベースに加えての共演者は、以前からも共演しているトランペッターのアンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire, 1982-)(↓右)とドラマーのタイショーン・ソーリー(Tyshawn Sorey)(↓左)という現代ジャズ界を突っ走っている彼らを迎えていて、共に非常に親密な演奏を繰り広げていて期待が大きい。

Lindamayhanohrobly1908x1024 Track Listing:
1. Portal
2. Strange Heavens
3. Living Proof
4. Acapella
5. The Sweetest Water
6. Noise Machinery
7. Home
8. Paperbirds
9. Folk Song
10. Work Song
11. Skin
12. Just Waiting

  コードレス・トリオとしての威力が発揮されて、ベース奏者のリンダ・オーにとっては、トリオとしてのドラムスと共に対等な立場に出て、自己の企画された意志を表現しているように思う。それはトランペットのソロ楽器奏者アキンムシーレにとっても自己のメロディーの流れでリードできるところが、主張しやすいと同時に、ベース、ドラムスと対等にリズムを刻むことも出来て互いのインプロの意義が大きくなってスリリングな展開にも至りやすい事を助長する役目を楽しんでいる。特にこのアルバムでは三者が会話型ジャズを楽しんでいるようにも聴ける。
 そして生まれる流れは、かなり奥深く現代社会に問題意識を持って切り込んでゆくスタイルを作り上げ、しかもそれにはジャズというものをコンテンポラリーに構築するグルーヴ感も見事で楽しめる。

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 まず導入のM1."Portal"では、今日のソーシャルメディアのストレス誘発的な性質に触発されたといわれる曲で、リンダ・オーのベースの自由自在な展開が聴ける。ドラムスは緊張感を生むに十分の演奏で、トランペットが訴えを描きかなりスリリングな展開。
 テーマのM2." Strange Heavens" 悲観的社会と無気力現代人批判らしいが、新たな可能性への希望を確信のベース音。
 M3." Living Proof"は、"生きる証"ということらしいが、移民の苦労の中で生きてきた母親の強さというパワーを描く演奏、反抗と自己主張の表現。
 M5."The Sweetest Water"は三者それぞれの表現の尊重される曲。鋭いベースワークとドラムスの支えに澄んだトランペットがメロディを奏でて迫る。M6."Noise Machinery"の重厚なベース音に堪能。
 M7."Home"-M10."Work Song"は、移民が新しい国で直面する挑戦と適応の物語を語る彼女のオリジナル曲。彼女のこれまでの人生での経験を重低音でリアルに演ずる。
 M12."Just Waiting"(ただ待っているだけ)melba Listonのソウフルなバラード曲でアルバムを閉じる。

 こうしたジャズの世界で、社会問題をテーマに描くという技能は、ヴォーカルの無い曲においては、それなりに卓越したモノが要求されると思う。それをベース奏者である彼女にとっては、"コードレス・トリオの再展開という手法で"と言うところに至ったのかもしれない。ジャズの味を決して失わないというよりは、むしろ逆にそのグルーヴ感を高めたこの世界の構築はお見事であった。今年の問題作の一つだ。

(評価)
□ 作曲・編曲・演奏  90/100
□ 録音        88/100

(試聴)

 *

 

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2025年8月26日 (火)

ブラッド・メルドー SOLO CONCERT(Montpellier) & BRAD MEHLDAU TRIO (Gilmore Fes.2025)

<Brad Mehldau のニュー・アルバム>
「RIDE INTO THE SUN」
Warner Music Japan / JPN / WPCR-18764 /2025

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 コンテンポラリー・ジャズ・ピアノ界で今や泣く子も黙るパワーのあるブラッド・メルドー、ジャズからクラシック、そしてポップスやロックの魅力をクラシックにも通じた感覚の彼の音楽に対して深い解釈で探求しながら、ジャズ・シーンに大きな影響をもたらしつつ活躍中だ。

 そんな現代ジャズ探求の道の中で待望のニュー・アルバムの登場、其れがなんと過去に共演したことのあるインディー・ロックのシンガー・ソングライター、エリオット・スミスの楽曲(10曲)を、メルドーのセンスを生かした独自の解釈で編曲したソングブック的作品『RIDE INTO THE SUN』(↗)(スミスの曲からインスピレーションを受けたというオリジナル4曲も)である。メルドーは「エリオット・スミスは、独特のハーモニーを通してだけではなく、明暗の融合を巧みに表現する稀有な才能の持ち主だった」と語っている。

 今月末に一般にお目見えだが、何個かの曲が既に聴ける。スミスの代表曲"Between The Bars"は、トリオもので美しい演奏で良いのだが、"Tomorrow Tomorrow"、"Southern Belle"は、男性ヴォーカルもの(feat.Daniel Rossen)であり、又"Better Be Quiet Now"は、前半は優しく美しいフォーク調ピアノソロ、このままの方が私は良いのではと思うが、中盤からストリングス・オーケストラなどが入り、ポピュラー・ミュージックなタイプ。"Colorbars"は、マンドリンと男性ヴォーカルもの。・・・・こんな調子で、どうも私の最も期待するところのアコースティックなジャズ・ピアノ・トリオ・アルバムとは言い難い。
 このようにオフィシャル・リリースものでは、彼の探求と実験が続いていているのだ。そんなこともあって、むしろ近年は、世界各地での彼のライブものがプロ収録でどんどん準オフィシャルに出て来るので、ついそちらの方に私は寄っていってしまう。彼の純粋な(ちょっと変な言い方だが)ジャズは、なかなか難解もあるが、やはり魅力はトップ・クラス、そこでこのところはブートものでむしろ満足しているのである。

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(以下はブートによる最近のBrad Mehldauのライブもの)

<Contemporary Jazz>
(この7月収録もの)
BRAD MEHLDAU 「SOLO CONCERT IN MONTPELLIER 250709」
STARGAZER'S / CD /FILE NUMBER 00508 / 2025

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Brad Mehldau : Piano
Recorded Live at Domain d'O.Montpellier,France.July 09.2025

 今年2025年来日後のユーロ・ツアーでのついこの間の7月9日、フランスでのソロ・コンサートが行われ、その模様がフルに収録されている。リリースがなんと1ケ月後には、と言う早さで良いですねぇ・・・。サウンドボード収録での良質音源でFMオンエアーされたもののマスターからで、音質はブートとしては良質。中身は彼のかなりリラックスしたピアノ・ソロもので、主たるは所謂ジャズ・スタンダードでなくロック、ポップスものを編曲してジャズ仕上げしたモノで、なかなか楽しい。ジャズの一つの道を開拓している彼のソロモノと言うことだが、多彩な鍵盤の音で飽きさせないどころか、不思議に聴き入ってしまう。"Sweet Adejine"のテクニックは見事であり、ビートルズの曲"Baby's In Black","And I Love Her"などなかなか良いし、ニルバーナ"Smells like teen Spirit"、ビリ-・ジョエル"VIENNA"なども聴き処が多い。
 (曲目は下記)
Soundboard Recording (DISC 1) : 1. OPTIMISTIC 2. ST. ANNE'S REEL 3. ALREADY DEAD - SWEET ADELINE 4. TRAILER PARK GHOST - GOLDEN LADY 5. BABY'S IN BLACK - SMELLS LIKE TEEN SPIRIT     (DISC 2) : 1. AND I LOVE HER 2. INCHWORM 3. VIENNA 4. LITHIUM 5. WHEN I FALL IN LOVE

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<Contemporary Jazz>
(来日メンバーのトリオもの)
BRAD MEHLDAU TRIO 「GILMORE INTERNATIONAL PIANO FESTIVAL 2025」
   STARGAZER'S FILE Number 00509 / 2025

CD(2) : EXCELLENT Soundboard Recording // 80 min
Blu-Ray(1) : PRO-Shot / Full HD (1920x1080) 16:9 / Dolby Digital Stereo / 88 min

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Brad Mehldau - piano
Christian McBride - double bass
Marcus Gilmore - drums

Recorded Live at Gilmore International Piano Festival, The Gilmore, Kalamazoo, MI, April 13, 2025

  こちらは、今年の来日前のブラッド・メルドウの期待のトリオでのライヴ音源。2025年(2024年か?)の「ギルモア・インターナショナル・ピアノ・フェスティヴァル」での音源(CD)とプロショット映像(Blu-ray)のカップリング収録されている。一緒にツアーをすることはめったにないグラミー賞受賞ジャズアーティスト3人による特別なコラボレーションであり、日本公演でも大歓迎された。
 このライブは、Cole Porterの"Anything Goes"からスタート、静かな自信のにじむステージ模様と、とにかく演奏に隙が無い、そしてそれぞれのパートからソロ演奏まで緻密な演技に圧倒される。三者のインタープレイにおいても緻密にして流れが見事でありながら、それぞれの個性もちゃんと出しているところはさすがであり素晴らしい。

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 私にとっての目玉はスタンダードのイタリアの"EATATE"だ。お気に入りの曲だけに何度も聴いてしまう。この演奏に於いてもメルドウのパッサージ・ワークがずば抜けていることが解る。そしてビル・エヴァンスの"Young and Foolish"のバラード演奏が良いですね。
   このトリオは、「マクブライドが特徴的な音色とメロディーラインでリードし、メルドーがハーモニーのアイデアを拡張し、ギルモアが複雑で反応の良いリズムを加える」と評価されている。まあメルドーの曲構造の構築がすばらしくマクブライドのメロデックさとギルモアの緻密な反応の良いリズムとで魅了している。最後の"Thank of One"は、三者のバランスが良いですね。
 (参考)
 ☆マクブライドChristian McBride(米、1972-)=インサイド・ストレートやクリスチャン・マクブライド・ビッグ・バンドなどのアンサンブルを率いる。実験的で自由奔放なジャズをも演ずる。ファンク、ソウル、ラテン、ヒップホップ、リズム&ブルースなど。
   ☆ギルモアMarcus Gilmore(米、1986-)=象徴的なドラマー、ロイ・ヘインズの孫。祖父譲りのエッジの効いたサウンドとヴァラエティに富んだトリッキーなプレイで、新世代ドラマーとして共演者から注目を浴びる。チック・コリアと共演。ヴィジェイ・トリオのメンバー。

  又、このライブ映像はYouTubeで公開されていて、すこぶる好評だが、良好音質でのCDで別に聴くのもオツなもの。

(Tracklist) 
(CD / DISC 1) 1. ANYTHING GOES 2. SOLID JACKSON 3. AT A LOSS 4. GRAVY TRAIN
(CD / DISC 2) 1. ESTATE 2. CODEX 3. YOUNG AND FOOLISH 4. THINK OF ONE
(Bru-Ray) 1. Warm-Up 1. ANYTHING GOES 2. SOLID JACKSON 3. AT A LOSS 4. GRAVY TRAIN 5. ESTATE 6. CODEX 7. YOUNG AND FOOLISH 8. THINK OF ONE 

(試聴)

 

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2025年8月12日 (火)

ガブリエル・ラッチン Gabriel Latchin Trio 「The Man I Love」

 ストレート・アヘッド・ジャズを踏まえた英国流バップ・ピアノの粋な王道

<Jazz>

Gabriel Latchin Trio 「The Man I Love」
DISCUNION(Alys Jazz) / JPN / AJ1505JP / 2025

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Gabriel Latchin (piano)
Jeremy Brown (bass)
Joe Farnsworth (drums)

307873668_599845828366wjpg  前作から2年、英国ロンドン生まれで、そのままロンドンのシーンで活動し、Alys Jazzよりの過去の作品がそれなりに好評であった正統派ピアニストであるガブリエル・ラッチンGabriel Latchin(→)の、トリオ編成では5作目がリリースされた。ここでは2年前に前作『View Point』(2023)を取り上げたが、あれはオリジナル曲集であったが、今作はガーシュウィン曲集ということでスタンダード集で、トリオ・メンバーは前作と変わらずの米国からのジョー・ファンズワース(ds ↓右)と英国出身で米国でも活躍中のジェレミー・ブラウン(bass ↓左)だ。

 そもそもガーシュウィンが生み出した曲というのは、総じてはメロディー自身に魅力があるので、ミュージシャン自身の個性や表現を演じても、曲そのものが聴く者に受け入れやすいという利点がある。それを意識してのことか、かなりオーソドックスでありながらフリー感覚を演ずることにも余裕感があっての演奏スタイルの感じられる演奏集でアルバム造りがされている。

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(Tracklist)

01. Summertime (4:25)
02. How Long Has This Been Going On? (5:30)
03. It Ain't Necessarily So (4:32)
04. 'S Wonderful (5:03)
05. Embraceable You (3:42)
06. They All Laughed (4:51)
07. The Man I Love (5:08)
08. Someone To Watch Over Me (6:02)
09. Love Walked In (4:00)
10. I Got Rhythm (3:58)

  ガーシュウィンの曲は、もともと管弦楽曲というスタイルで聴くことになるモノが多いが、ピアニストにとっても大いに愛されてきている。そしてこのラッチンにとっても彼はユーロ系ミュージシャンとは言ってもどちらかというと、米国に生まれ発展したジャズの流れに基づいてのバップ&ブルースの伝統的流れに根幹を持っていて、洗練された垢抜けした小粋な雰囲気でのスウィンギン・グルーヴィーの世界とちょっとエレガントなプレイを演じている。かなり打鍵もクラシックで鍛えられた力のある確かさといってよいところにある。まあどちらかというとスッキリとした爽やかな世界で、やはりストレート・アヘッド・ジャズの世界を基礎に彼なりの英国流バップ・ピアノ発展が十分加味された感がある。

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 M01."Summertime"は、ピアノの冒頭からの流れが美しいですね、そして中盤の変調と続く編曲、インプロは洒落ているそのもの。究極のジャズの持つ一つの世界だ。
 そしてM02."How Long Has This Been Going On?"になって、ぐっと深く沈み込む、それも暗さよりは安堵の世界。M01.からの流れも見事。
 M04." 'S Wonderful "のなじみの深い曲でも、かなり粋な編曲であるが、そこにはユーロ系の情感と言うよりは、やっぱりエレガントに仕上げている上に、明快なかなり力強さもあって彼の意欲が感じられた曲作りになっている。
 アルバム・タイトル曲M07." The Man I Love"トリオ3者のゆったりとしたスウィングしての展開で、ピアノの抑揚が溢れた流れに、ベース重厚な音のリズムに加えドラムスはスリリングさが溢れていて、ラッチンのピアノへの色づけも良くグルーヴ感を盛り上げているのもさすがだ。
 私はM08."Someone To Watch Over Me "のようなピアノ・ソロ・バラード展開が好きですね。

 ユーロ系ジャズは、北欧のクラシックからの流れを加味した深遠な世界、イタリアの歌心ジャズなどと私の好みを満足させてくれるが、こんなアメリカン・ルーツ・ジャズも、ふとジャズの原点の良さを感じ取れて時には良いものである。そしてラッチンはその上にガーシュウィンの曲の味を一層盛り上げていると言っても過言では無い。

(評価)
□ 選曲・編曲  88/100
□ 録音     88/100

(試聴)

*

 

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